JP7253372B2 - 血圧降下用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、植物の抽出物を含有する血圧降下用組成物に関する。
高血圧症は、代表的な生活習慣病の一つであり、その患者数は年々増加している。高血圧症は、脳出血、脳梗塞、心不全、狭心症、心筋梗塞、腎不全などの様々な障害を引き起こすことが知られている。
血圧を降下させる物質の探索が行われ、カルシウム拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素(Angiotensin Converting Enzyme:ACE)阻害薬、アンギオテンシンII受容体拮抗薬、利尿薬、交感神経抑制薬などが実用化されている。しかしながら、近年の消費者嗜好の変化から、天然由来の有効成分を含む医薬や保健機能食品が求められるようになっている。
ダイオウ属に属する植物の根および根茎を乾燥した大黄は、緩下、消炎、健胃および駆お血作用を有することが知られているほか、ダイオウの根および根茎の抽出物を有効成分の一つとして含有する医薬組成物が、血圧降下作用を有することも知られている(特許文献1および2)。
しかしながら、ダイオウ属に属する植物の根および根茎(医薬品原料として利用可能な部位)以外の部位からの抽出物による血圧降下作用などの血圧改善効果は、これまで知られていない。
特表2008-511629号公報 特公昭62-5887号公報
本発明は、血圧降下等の血圧改善効果を有する組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、当該組成物を有効成分とする血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品または医薬品を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ダイオウ属に属する植物の花および葉柄からの抽出物が、アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性阻害作用、血圧降下作用を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
[1]ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物を含有することを特徴とする、血圧降下用組成物。
[2]ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物を含有することを特徴とする、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性作用を有する組成物。
[3]ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物が、水、有機溶媒、またはこれらの混合物で抽出された抽出物である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]有機溶媒が、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトン、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテル、2-ブタノン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、食用油脂、プロパン、ブタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタンおよび1,1,2-トリクロロエテンからなる群から選択される少なくとも1つである、[1]~[3]いずれか記載の組成物。
[5]組成物中のダイオウ属に属する植物の花からの抽出物の濃度が、0.10mg/mL以上である、[1]~[4]いずれか記載の組成物。
[6]ダイオウ属に属する植物が信州大黄である、[1]~[5]いずれか記載の組成物。
[7]飲食用である、[1]~[6]いずれか記載の組成物。
[8][1]~[6]いずれか記載の組成物を有効成分とする、血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品または医薬品。
本発明の組成物は、アンギオテンシン変換酵素阻害作用、血圧降下作用などを有し、血圧を改善させることができる。さらに、本発明の組成物は、天然由来の抽出物を含有しており、安全性が高い。したがって、本発明の組成物は、血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品および医薬品として有用である。
また、ダイオウ属に属する植物において、従前医薬品原料として利用可能でない部位(花および葉柄の部分)についても、有効に活用することができる。
本発明の組成物は、ダイオウ属に属する植物の花および/または葉柄からの抽出物を含む。ダイオウ属に属する植物としては、例えば大黄(Rheum undulatum Linne)、錦紋大黄(Rheum palmatum Linne)、唐古特大黄(Rheum tanguticum Maximowicz)、朝鮮大黄(Rheum coreanum Nakai)、掌葉大黄(Rheum palmarum Linne var.palmatum)、またはこれらの種間雑種(Polygonaceae)などが使用できる。本発明では、信州大黄(Rheum coreanumを母とし、R.Coreanum×(R.Coreanum×R.palmatum)から選抜した系統を父として育成された交雑品種)が特に好ましい。
信州大黄の植物体の特性は、「草高は中、開花時の茎の高さは170cm程度の中、花茎上部の表面の赤色は無、横断面の色は淡緑である。葉の形は円形、大きさは中、色は黄緑、葉縁の切れ込みは深裂である。根茎の太さは太、外面の色は褐、横断面の色は黄褐である。花序の形は斜上、粗密は密、花の赤色は濃である。翼果の形は卵形、大きさは中、色は褐である。株張りは大、萌芽期および開花期の早晩性は中、エキス含有率は高、成分含有率および乾物率はやや高。」である。R.coreanumと比較して、茎根の太さが太いこと、開花期が遅いこと等で、「ホッカイダイオウ(R.palmatum)」と比較して、花茎上部の表面の赤色が無であること、根茎の太さが太いこと、エキス含有率が高いこと等で区別性が認められる。
本発明の組成物に含まれる抽出物は、上記ダイオウ属に属する植物の花および/または葉柄からの抽出物である。すなわち、花または葉柄のいずれかからの抽出物でもよく、花および葉柄からの抽出物であってもよい。本発明の組成物において、好ましくはダイオウ属に属する植物の花からの抽出物であり、より好ましくは信州大黄の花からの抽出物である。
本発明における抽出物は、通常植物抽出に使用される溶媒を用いて、定法に従って抽出することにより得られる。例えば、植物を抽出溶媒に浸漬し、静置または撹拌することにより得られる。
抽出に用いる植物は、そのまま(生)、その乾燥物、またはそれらの裁断もしくは粉砕したものであり得る。
抽出に用いる溶媒としては、植物の抽出に従来使用されていた溶媒が挙げられ、例えば、水、有機溶媒、またはこれらの混合物が挙げられる。
有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、アセトン、1-ブタノール、2-ブタノール、2-メチル-2-プロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサン、ジエチルエーテル、2-ブタノン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、食用油脂、プロパン、ブタン、1,1,1,2-テトラフルオロエタンおよび1,1,2-トリクロロエテンが挙げられる。
好ましくは、水、エタノールまたはこれらの混合物が挙げられる。また、水とエタノールの混合物を使用する場合、該混合物中のエタノール濃度は、例えば0.1~99.5v/v%、好ましくは5~80v/v%、より好ましくは10~70v/v%である。
抽出方法は、通常用いられる方法であればよく、例えば、室温または加熱下で任意の装置を用いて抽出することができる。具体的には、溶媒を満たした処理層に植物を投入し、時々撹拌して溶出させ、その後、必要に応じて遠心分離、ろ過に供して抽出残渣を除去することにより抽出物を得ることができる。また、抽出方法として、水、亜酸化窒素、二酸化炭素等からなる超臨界流体を用いた方法を使用してもよい。
抽出に用いる溶媒の量は、特に限定されないが、例えば植物(乾燥重量換算)1gに対して1~100mL、好ましくは5~50mLである。
抽出条件は、十分に抽出される条件であれば特に限定されないが、通常、抽出温度が低温であればより長時間の抽出を行い、抽出溶媒が高温であればより短時間の抽出を行う。抽出温度は、0~100℃の範囲で適宜設定され、好ましくは室温(約25℃)から抽出溶媒の沸点以下の範囲である。抽出時間は、10分~24時間の範囲で設定され、好ましくは30分~5時間の範囲である。抽出溶媒として水を用いる場合、抽出条件は、例えば約20~95℃で約30分~3時間である。抽出溶媒としてエタノールまたは水とエタノールとの混合溶媒を用いる場合、抽出条件は、例えば約20~80℃で約30分~3時間である。
抽出回数は単回でもよく、収率を上げるために複数回であってもよい。
得られた抽出物は、そのまま本発明の組成物として用いることができる。また、抽出物を、必要に応じて、脱色または脱臭などを目的として精製に供してもよい。精製方法としては、例えば、活性炭処理、吸着処理、イオン交換樹脂処理などが挙げられる。
抽出物を、さらに濃縮または濃縮乾固してもよく、適当な溶媒で希釈してもよく、または必要に応じて賦形剤を添加後乾燥して粉体状にしてもよい。濃縮または濃縮乾固の方法としては、例えば、減圧濃縮(エバポレーターを用いる方法など)、膜濃縮が挙げられる。粉末状にする方法としては、例えば、噴霧乾燥、凍結乾燥、流動層乾燥が挙げられる。抽出物を粉末状にする際に用いられる賦形剤としては、従来使用されているものが挙げられ、例えば、加工デンプン、デキストリンなどが挙げられる。
本発明における「抽出物」は、上記のような抽出方法で得られた各種溶剤抽出液、その精製画分、その希釈液、その濃縮液、およびその乾燥物(粉末等)を含む。
本発明の組成物中に含まれるダイオウ属に属する植物の花および/または葉柄からの抽出物の量は、所望の効果を発揮できる量であれば特に限定されない。例えば、本発明の組成物が液体組成物である場合、液体組成物中の濃度(抽出物の乾燥重量/液体組成物の体積)として、その下限は、例えば0.01mg/mL以上、好ましくは0.10mg/mL以上であり、その上限は、例えば100mg/mL以下、好ましくは10mg/mL以下である。
また、本発明の組成物が固体組成物である場合、固体組成物中の配合割合(抽出物の乾燥重量/組成物の乾燥重量)として、その下限は、例えば0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上であり、その上限は、例えば99重量%以下、好ましくは50重量%以下である。
本発明における抽出物は、アンギオテンシン変換酵素(ACE)活性阻害作用を有する。ACEは、昇圧系であるレニン・アンギオテンシン系において血管収縮作用を有するアンギオテンシンIIを生成する一方、降圧作用を有するブラジキニンの分解酵素でもある。このためACE活性を阻害することは、アンギオテンシンIIの生成抑制およびブラジキニンの不活性化抑制という二つの機序による降圧効果を生じる。
したがって、当該抽出物を含む本発明の組成物は、ACE活性阻害作用を示し、血圧改善、特に血圧降下に有用である。
ここでいう「血圧改善」には、ヒトなどの哺乳類の血管拡張を改善する、正常な血管拡張を維持する、血圧を低下させる、安定な血圧を維持する、ならびに血管の内皮細胞を変性から保護することなどが含まれる。また、血管拡張は、血管の拡張、特に血管の一部への血流の増加をもたらす細動脈の拡張を意味する。
また、当該抽出物は、天然のダイオウ属に属する植物由来であるので、安全性も高い。 したがって、本発明の組成物は、食品および医薬品として、特に血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品および医薬品として有用である。
本発明の医薬品は、上記抽出物または上記組成物を用いて、常法に従って製造される。例えば、上記抽出物または上記組成物を、製剤技術分野において慣用の薬学的に許容される担体または添加剤に添加・混合するなど公知の方法を用いて、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤などの経口投与のための剤形にすることができる。
担体または添加剤としては、例えば賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、pH調整剤、界面活性剤、安定化剤、酸味料、香料などが挙げられる。これら添加剤は、製剤技術分野において慣用の量が用いられる。
賦形剤としては、例えば、トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、コムギコデンプン、コメデンプン、部分アルファー化デンプン、アルファー化デンプン、有孔デンプンなどのデンプン類;乳糖水和物、ショ糖、果糖、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、トレハロース、マルチトール、粉末還元麦芽糖水アメ、ラクチトールなどの糖または糖アルコール類;無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、粉末セルロース、沈降炭酸カルシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
崩壊剤としては、例えば、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、ヒドロキシプロピルスターチなどが用いられ、好ましくは、クロスカルメロースナトリウム、L-HPCである。
結合剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、コポリビドン、アラビアゴム末、メチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カルメロースナトリウム、デキストリン、部分アルファー化デンプン、プルラン、アラビアゴム、カンテン、ゼラチン、トラガント、アルギン酸ナトリウムなどが用いられ、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
流動化剤としては、例えば、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、タルクなどが用いられ、好ましくは、軽質無水ケイ酸、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムである。
滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ショ糖脂肪酸エステルなどが挙げられる。
着色剤としては、例えば、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、食用青色1号、食用青色2号、食用黄色4号、食用黄色5号、食用緑色3号、食用赤色2号、食用赤色3号、食用赤色102号、食用赤色104号、食用赤色105号、食用赤色106号、食用レーキ色素、リボフラビン、リボフラビンリン酸エステルナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、リン酸、炭酸、酒石酸、フマル酸、酢酸、アミノ酸およびそれらの塩類などが挙げられる。
界面活性剤として、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコールなどが挙げられる。
安定化剤としては、例えばトコフェロール、エデト酸四ナトリウム、ニコチン酸アミド、シクロデキストリン類などが挙げられる。
酸味料としては、例えば、アスコルビン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸などが挙げられる。
香料としては、例えば、L-メントール、ハッカ油、レモン油、バニリンなどが挙げられる。
上記した担体または添加剤は、2種以上を適宜、混合して用いてもよい。
本発明の医薬品は、抽出物を乾燥重量換算で0.05~5g、好ましくは0.1~1.5g含有する単位投与量形態であるのが好ましい。ここで「単位投与量形態」とは、物理的に分けた単位を意味し、各単位は所望の効果が得られるように計算した予め定められた量の有効成分を担体または添加剤と共に含んでいる。
本発明の医薬品の投与量は、投与する対象体の年齢、性別体重および状態ならびに投与経路、投与スケジュール、剤形および製剤組成などにより異なるが、例えば1~1000mg、好ましくは5~500mgである。当該投与量は、1日に1回、または2回もしくは3回以上に分けて投与してもよい。
本発明の食品は、上記抽出物または上記組成物を用いて常法に従い製造される。例えば、上記抽出物または上記組成物を食品、その食材またはその食品中間素材に添加するなどの公知の手段でもって製造される。例えば、ダイオウ属に属する植物の花および/または葉柄を水やエタノールで抽出したのち、濃縮し、得られた濃縮抽出物を食品材料に添加し、次いで常法により食品とすることにより製造される。
上記食品としては、例えば、菓子類(例えばポテトチップスをはじめとするスナック菓子、ビスケットまたはクッキーなどの焼菓子、チョコレート、ガム、またはキャンディ等)、デザート類(例えばプリン、ゼリー、ヨーグルトまたはアイスクリーム等)のような嗜好食品の他、麺類(例えば、そば、うどん、ラーメンまたはパスタ等)、シリアルフーズ(例えばコーンフレークまたはオートミール等)のような主食に準ずるもの、調味食品(例えばスープ、カレーまたはシチュー等)、農産加工品(例えばジャム等)、乳油食品(例えばスプレッド類またはチーズ等)、健康食品(例えばプロテインまたはファイバー等)、カロリー調整食品、ノンアルコール飲料(例えば大豆焙煎茶飲料、穀物茶、コーヒー飲料、紅茶飲料、緑茶飲料、麦茶飲料、抹茶飲料、野菜汁飲料、オレンジジュース、グレープフルーツジュース、清涼飲料等)、またはアルコール飲料(例えばビール、ワイン、清酒、発泡酒、梅酒、ウィスキー、ブランデー、焼酎、ウォッカ、ラム、ジン、リキュール類またはカクテル類等)などが挙げられる。
本発明の食品は、例えば、栄養補助食品、健康補助食品、栄養調整食品などを含む一般食品、ならびに特定保健用食品、栄養機能食品および機能性表示食品を含む保健機能食品とすることができる。例えば、本発明の医薬品は、特定の保健の目的が期待できる旨(例えば、「血圧を低下させる機能が報告されており、血圧が高めの方に適しています。」)を科学的根拠に基づいて表示する機能性表示食品とすることができる。また、本発明の食品は、錠剤、カプセル、粉末、顆粒、液体、シロップなどの経口摂取のための形態を有するサプリメントであってもよい。
本発明の食品中に含まれる抽出物含有組成物の量は、所望の効果を発揮できる量であればよく、食品の一般的な摂取量、食品の種類、組成などに応じて適宜決定すればよい。例えば、本発明の食品は、抽出物含有組成物を、乾燥重量として0.1~99.0重量%の範囲で含むことができる。
本発明の食品の摂取量は、摂取する対象体の年齢、性別体重および状態ならびに食品の種類、組成などにより異なり得て、例えば1~1000mg、好ましくは5~500mgである。当該摂取量は、1日に1回、または2回もしくは3回以上に分けて摂取してもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1~5]信州大黄の花からの水製エキスの調製
信州大黄の花15.0kgに水約310Lを加え、90℃で約2時間抽出した後、室温まで冷却し、一晩静置した。その後、メッシュろ過および遠心分離し、190Lの抽出液を得た。さらにこの抽出液を約60℃で減圧濃縮し、11.2kgの濃縮液を得た。この濃縮液5032gを噴霧乾燥し、乾燥抽出物793gを得た。
上記乾燥抽出物約1.0gを50%エタノール溶液20mlで抽出後、0.1mol/l HEPES緩衝液(pH8.3)にて適宜希釈して、0.10mg/mL(実施例1)、0.12mg/mL(実施例2)、0.15mg/mL(実施例3)、0.16mg/mL(実施例4)および0.17mg/mL(実施例5)の試料濃度を有する信州大黄の花からの水製エキス含有組成物を得た。
[実施例6~11]信州大黄の花からのエタノールエキスの調製
信州大黄の花15.0kgに30%エタノール約300Lを加え、60℃で約2時間抽出した後、室温まで冷却し、一晩静置した。その後、メッシュろ過し、180Lの抽出液を得た。さらにこの抽出液を約60℃で減圧濃縮し、14.3kgの濃縮液を得た。この濃縮液2200gにデキストリン(マックス1000、松谷化学工業)334gを加え溶解させた後、噴霧乾燥し、乾燥抽出物558gを得た。
上記乾燥抽出物約1.0gを50%エタノール溶液20mlで抽出後、0.1mol/l HEPES緩衝液(pH8.3)にて適宜希釈して、0.11mg/mL(実施例6)、0.12mg/mL(実施例7)、0.14mg/mL(実施例8)、0.15mg/mL(実施例9)、0.18mg/mL(実施例10)および0.19mg/mL(実施例11)の試料濃度を有する信州大黄の花からのエタノールエキス含有組成物を得た。
[参考例1~5]信州大黄の葉柄からの水製エキスの調製
裁断した信州大黄の葉柄55.5kgに水約300Lを加え、90℃で約2時間抽出した後、室温まで冷却し、一晩静置した。その後、メッシュろ過し、300Lの抽出液を得た。さらにこの抽出液を約60℃で減圧濃縮し、10.1kgの濃縮液を得た。この濃縮液2426gにデキストリン(マックス1000、松谷化学工業)330gを加え溶解させた後、噴霧乾燥し、乾燥抽出物593gを得た。
上記乾燥抽出物約1.0gを50%エタノール溶液20mlで抽出後、0.1mol/l HEPES緩衝液(pH8.3)にて適宜希釈して、3.00mg/mL(参考例1)、3.50mg/mL(参考例2)、3.75mg/mL(参考例3)、4.50mg/mL(参考例4)、5.00mg/mL(参考例5)の試料濃度を有する信州大黄の葉柄からの水製エキス含有組成物を得た。
[参考例6~10]信州大黄の葉柄からのエタノールエキスの調製
裁断した信州大黄の葉柄55.5kgに30%エタノール約300Lを加え、60℃で約2時間抽出した後、室温まで冷却し、一晩静置した。その後、メッシュろ過し、300Lの抽出液を得た。さらにこの抽出液を約60℃で減圧濃縮し、10.1kgの濃縮液を得た。この濃縮液1410gにデキストリン(マックス1000、松谷化学工業)448gを加え溶解させた後、噴霧乾燥し、乾燥抽出物632gを得た。
上記乾燥抽出物約1.0gを50%エタノール溶液20mlで抽出後、0.1mol/l HEPES緩衝液(pH8.3)にて適宜希釈して、3.25mg/mL(参考例6)、3.50mg/mL(参考例7)、3.75mg/mL(参考例8)、4.00mg/mL(参考例9)、4.25mg/mL(参考例10)の試料濃度を有する信州大黄の葉柄からのエタノールエキス含有組成物を得た。
[試験例]
1.試験概要
アンギオテンシン変換酵素(以下「ACE」と略す。)活性試験はNakno etal. Biosci Biotechnol. Biochem., 70, 1118-1126(2006)に記載の方法に基づき、基質(His-His-Leu)からACEにより分解されるジペプチドをオルトフタルアルデヒド(以下「OPA」と略す。)により蛍光化した後、反応物の蛍光強度を測定することで実施した。ACE活性阻害は試験溶液を加えない未処置区の活性を100%とした場合の相対ACE活性をもとに評価した。IC50値は試料濃度(mg/ml)と阻害率(%)のグラフから算出した。
2.検体
下記検体1)~4)の試験溶液として、上記実施例および参考例で得られた組成物を使用した。また、ポジティブコントロール(検体5))として、サーデンペプチド(商品名:サーデンペプチドN100、製造者:仙味エキス株式会社)を使用した。
1)信州大黄の花からの水製エキス(実施例1~5)
2)信州大黄の花からのエタノールエキス(実施例6~11)
3)信州大黄の葉柄からの水製エキス(参考例1~5)
4)信州大黄の葉柄からのエタノールエキス(参考例6~10)
5)サーデンペプチド(ポジティブコントロール)
3.試験方法
0.1mol/l HEPES緩衝液(pH8.3)(未処置区)または各試験溶液を96穴マイクロプレートに25μl加え、13mU/ml ACE溶液を25μl加えて37℃で5分間インキュベートした。8mmol/l His-His-Leu溶液を25μl加え、37℃で30分間反応した。その後、0.1mol/l 水酸化ナトリウム溶液を25μl加えて反応を停止し、1%OPA溶液を25μl加え、室温で20分間放置した。さらに、0.1mol/l 塩酸を25μl入れて室温で10分間放置し、マイクロプレートリーダーで蛍光強度を測定した。なお、ブランクは13mU/ml ACE溶液の代わりにPBSを用いて同様に試験した。

<マイクロプレートリーダー操作条件>
機種:SH-9000 Lab
測定条件:蛍光、endpointモード、ボトムリード
励起波長:355nm
蛍光波長:460nm
4.試験結果
各試験溶液中の阻害率の結果を表1~3に示した。この結果、濃度依存的なACE活性阻害の増強が認められた。試料濃度と阻害率の関係を示すグラフから算出されたIC50値を表4に示した。
Figure 0007253372000001
Figure 0007253372000002
Figure 0007253372000003
Figure 0007253372000004
本発明の組成物は、アンギオテンシン変換酵素阻害作用、血圧降下作用などを有し、血圧を改善させることができる。さらに、本発明の組成物は、天然由来の抽出物を含有しており、安全性が高い。したがって、本発明の組成物は、血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品および医薬品として利用することができる。

Claims (6)

  1. ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物を含有することを特徴とする、血圧降下用組成物であって、ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物が、水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出された抽出物である、組成物
  2. ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物を含有することを特徴とする、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害活性作用を有する組成物であって、ダイオウ属に属する植物の花からの抽出物が、水、エタノールまたはこれらの混合物で抽出された抽出物である、組成物
  3. 組成物中のダイオウ属に属する植物の花からの抽出物の濃度が、0.10mg/mL以上である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. ダイオウ属に属する植物が信州大黄である、請求項1~いずれか記載の組成物。
  5. 飲食用である、請求項1~いずれか記載の組成物。
  6. 請求項1~いずれか記載の組成物を有効成分とする、血圧に関連する疾患の予防あるいは軽減のための食品または医薬品。
JP2018243295A 2018-12-26 2018-12-26 血圧降下用組成物 Active JP7253372B2 (ja)

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JP2015133942A (ja) 2014-01-17 2015-07-27 正征 武井 健康飲料及びその製造方法
JP2016523890A (ja) 2013-06-27 2016-08-12 ヴィルバク 進行性腎疾患の治療のための組成物
CN106975049A (zh) 2017-03-17 2017-07-25 云南龙发制药股份有限公司 一种降血压降血脂的彝药组合物

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