JP7252749B2 - 麹菌発酵産物、麹菌発酵産物原料、麹菌発酵産物の製造方法、発酵食品の製造方法、甘酒の製造方法及び酵素産生促進剤 - Google Patents

麹菌発酵産物、麹菌発酵産物原料、麹菌発酵産物の製造方法、発酵食品の製造方法、甘酒の製造方法及び酵素産生促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、麹菌発酵産物、麹菌発酵産物原料、麹菌発酵産物の製造方法、発酵食品の製造方法、甘酒の製造方法及び酵素産生促進剤に関する。
麹は、米、大豆、小麦などの穀物に、アスペルギルス属に属する微生物などの食品発酵に有効な麹菌を種麹として添加して培養したものである。麹は、麹中に生産される酵素類の作用により、穀物などの原料を分解することから、味噌、醤油、食酢、漬物、日本酒、焼酎、泡盛などの発酵食品、発酵飲料を製造するときに用いられてきた。
麹菌は、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼなどの酵素を分泌し、これらの酵素により、穀物などの原料に含まれる澱粉、タンパク質、脂質が加水分解され、低分子量の物質に変換されることで発酵が生じる。麹菌による発酵によって得られる発酵産物は、味覚が向上しているのみならず、生体にとって吸収しやすい形で栄養素を含んでいるため、健康の観点からも注目されてきた。
近年、麹菌を用いた発酵食品の有する薬理作用が盛んに研究されており、チロシンキナーゼ阻害活性、血圧上昇抑制作用など、幅広い薬理作用が報告されている(非特許文献1)。
例えば、特許文献1には、アスペルギス・オリゼの特定の株を使用した米麹が、従来の米麹と比較してリパーゼ、セルラーゼ活性が高いことが記載されている。また、アスペルギス・オリゼの特定の株を用いて製造した味噌や醤油などの発酵食品が、高い抗変異原性を有することが記載されている。
一方で、食糧、飼料、燃料等としての利用が有望視されている生物資源として、ユーグレナ(属名:Euglena、和名:ミドリムシ)などの微細藻類が注目されている。
微細藻類であるユーグレナは、ビタミン,ミネラル,アミノ酸,不飽和脂肪酸など、人間が生きていくために必要な栄養素の大半に該当する59種類もの栄養素を備え、多種類の栄養素をバランスよく摂取するためのサプリメントとしての利用や、必要な栄養素を摂取できない貧困地域での食糧供給源としての利用の可能性が提案されている。
特許文献2には、各種免疫炎症性障害や酸化ストレス障害、メタボリックシンドローム等の予防や治療に有効な旨味食品に関し、有効成分としてのスペルミンやスペルミジン等のポリアミンを含む酵母を、舞茸及び麹菌と共に発酵させる際に、副原料としてユーグレナ藻を添加することが記載されている。
特許第4049220号公報 国際公開第2011/081024号
今村和彦、「麹菌の新たな機能性」、生物工学会誌、vol.93, no.8, pp.491 (2015)
麹菌による穀類等の発酵過程において、微細藻類の藻体を粉末の状態で用いた場合、通常の手法では麹菌によって発酵させることが難しいことがあった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、微細藻類の麹菌発酵産物、微細藻類の麹菌発酵産物原料及び微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微細藻類の麹菌発酵産物を含有する食品組成物、化粧料組成物及び医薬組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微細藻類の麹菌発酵産物の新規な利用方法となる微細藻類の麹菌発酵産物を種麹として用いる発酵食品の製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微細藻類の麹菌発酵産物の新規な利用方法となる微細藻類の麹菌発酵産物を米麹として用いる甘酒を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、微細藻類の新規な利用方法となる微細藻類を有効成分として含有する麹菌の酵素産生促進剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させると、発酵が適切に行われ、酵素力価が高い麹菌発酵産物が得られることを見出した。
より詳細には、微細藻類藻体が、麹菌の酵素産生を促進する酵素産生促進剤として機能することを明らかにして、本発明をするに至った。
従って、前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物であって、前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物により解決される。
このように、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングすることで、麹菌によって微細藻類を適切に発酵させることができる。
前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物であって、前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物により解決される。
このとき、前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であるとよい。
このとき、前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であるとよい。
このように、微細藻類藻体、穀類及び麹菌を適切な形態とすることで、微細藻類を適切に発酵させることができ、麹菌発酵産物の酵素力価を向上させることができる。
このとき、ユーグレナの麹菌発酵産物を、食品組成物、化粧料組成物、医薬料組成物に含有させてもよい。
また、前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料であって、前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物原料により解決される。
このように、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料とすることで、麹菌によって微細藻類を適切に発酵させることができる。
また、前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料であって、前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物原料により解決される。
このとき、前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であるとよい。
このとき、前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であるとよい。
前記課題は、本発明によれば、穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程と、前記工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸された穀類にコーティングして麹菌発酵産物原料を得る混合工程と、前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、を行うことを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法であって、前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法により解決される。
また、前記課題は、本発明によれば、穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程と、前記工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸された穀類にコーティングして麹菌発酵産物原料を得る混合工程と、前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、を行うことを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法であって、前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法により解決される。
このとき、前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であるとよい。
このとき、前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であるとよい。
前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物を用いる発酵食品の製造方法により解決される。
前記課題は、本発明によれば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸し米にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物を米麹として用いる甘酒の製造方法により解決される。
前記課題は、本発明によれば、微細藻類を有効成分として含有し、麹菌の酵素産生を促進するために用いられることを特徴とする麹菌の酵素産生促進剤であって、前記微細藻類がスピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌の酵素産生促進剤により解決される。
このとき、前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌からなる群から選択される少なくとも1種であるとよい。
このとき、前記酵素がグルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、酸性プロテアーゼを含む群から選択される少なくとも1種以上であるとよい。
本発明によれば、微細藻類の麹菌発酵産物、麹菌発酵産物原料及び麹菌発酵産物の製造方法を提供することができる。
また、微細藻類を添加した麹菌発酵産物は、微細藻類を添加しない麹菌発酵産物よりも高い酵素力価を有していることから、微細藻類を有効成分とする麹菌の酵素産生促進剤を提供することができる。
本発明の微細藻類の麹菌発酵産物は、食品組成物、化粧料組成物、医薬組成物に含有させて提供することができる。
本発明の微細藻類の麹菌発酵産物は、発酵食品の製造方法、甘酒の製造方法に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る蒸した穀類を用いるユーグレナの麹菌発酵産物の製造方法を示すフロー図である。 試験5において測定を行った、米麹を用いた場合と、ユーグレナの麹菌発酵産物(ミドリ麹)を用いた場合の糖度の変化を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図1及び2を参照しながら説明する。
本実施形態は、微細藻類の麹菌発酵産物、微細藻類の麹菌発酵産物を含有する食品組成物、微細藻類の麹菌発酵産物を含有する化粧料組成物、微細藻類の麹菌発酵産物を含有する医薬組成物、微細藻類の麹菌発酵産物原料、微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法、微細藻類の麹菌発酵産物を用いる発酵食品の製造方法、微細藻類の麹菌発酵産物を用いる甘酒の製造方法及び酵素産生促進剤に関するものである。
<微細藻類>
本実施形態において、「微細藻類」とは、体長が数μm~数百μmの、人の肉眼では個々の存在が認識できないような微小な藻類を指す。
本実施形態において微細藻類として用いることのできる微細藻類の藻体は、特に限定されるものでなく、公知の微細藻類の藻体を用いることができ、原核生物及び真核生物のいずれであってもよい。
微細藻類としては、例えば、ユーグレナ類(Euglenida)、クロレラ、ドナリエラ、ボツリオコッカス等の緑藻類(Chlorophyta)、スピルリナやイシクラゲ等の藍藻類(Cyanobacteria)、オーランチオキトリウム等のラビリンチュラ類(Labyrinthulea)、灰色藻類(Glaucophyta)、紅色藻類(Rhodophyta)、クロララクニオン藻類(Chlorarachniophyta)、クリプト藻類(Cryptophyta)、褐藻類(Phaeophyta)、プリュウロクリシスやエミリアニア等のハプト藻類(Haptophyta)、不等毛藻類(Heterokontophyta)、渦鞭毛藻類(Dinophyta)、クロメラ藻類(Chromerida)、原始紅藻類、珪藻、円石藻、渦鞭毛藻、真眼点藻、黄金色藻等に帰属する微細藻類が挙げられる。微細藻類は帰属分類群が未確定であってもよく、分子系統学的にこれらの分類群に含まれるか、又は近縁関係にあることが示されていればなおよい。
<ユーグレナ>
本実施形態において、「ユーグレナ」とは、分類学上、ユーグレナ属(Euglena)に分類される微生物、その変種、その変異種及びユーグレナ科(Euglenaceae)の近縁種を含む。
ここで、ユーグレナ属(Euglena)とは、真核生物のうち、エクスカバータ、ユーグレノゾア門、ユーグレナ藻綱、ユーグレナ目、ユーグレナ科に属する生物の一群である。
ユーグレナ属に含まれる種として、具体的には、Euglena chadefaudii、Euglena deses、Euglena gracilis、Euglena granulata、Euglena mutabilis、Euglena proxima、Euglena spirogyra、Euglena viridisなどが挙げられる。
ユーグレナとして、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis),特に、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株を用いることができるが、そのほか、ユーグレナ・グラシリス(E. gracilis)Z株の変異株SM-ZK株(葉緑体欠損株)や変種のE. gracilis var. bacillaris、これらの種の葉緑体の変異株等の遺伝子変異株、Astasia longa等のその他のユーグレナ類であってもよい。
ユーグレナ属は、池や沼などの淡水中に広く分布しており、これらから分離して使用しても良く、また、既に単離されている任意のユーグレナ属を使用してもよい。
ユーグレナ属は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(ユーグレナ藻体)
本実施形態では、ユーグレナ藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したユーグレナ生細胞をそのまま用いることができる。ユーグレナ生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、ユーグレナ藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、ユーグレナ生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たユーグレナの乾燥藻体をユーグレナ藻体として用いると好適である。
更に、ユーグレナ生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をユーグレナ藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をユーグレナ藻体として用いてもよい。
<緑藻類>
本実施形態において、「緑藻類」とは、緑藻植物門(Chlorophyta)に含まれる単細胞生物又は多細胞生物を意味し、クロロフィルによって光合成を行うものを挙げることができる。
本実施形態において、「緑藻類」とは、動物学や植物学の分類で緑藻類に分類される微生物、その変種、その変異種のすべてを含む。
具体的には、緑藻植物門の下位分類となる緑藻網(Class Trebouxiophyceae)、プラシノ藻網(Class Prasinophyceae)、トレボウクシア藻綱(Class Trebouxiophyceae)、アオサ藻綱(Class Ulvophyceae)、ペディノ藻綱(Class Pedinophyceae)、プレウラストルム藻綱(Class Pleurastrophyceae)等が挙げられる。
これらの中で、緑藻網やトレボウクシア藻網として多系統に分類されているクロレラが用いられることが望ましい。また、緑藻網に分類されるヘマトコッカスやクラミドモナスを用いてもよい。
本実施形態において、緑藻類は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(クロレラ)
本実施形態において、「クロレラ(パラクロレラを含む)」とは、主に緑藻植物門、緑藻綱、クロレラ属の淡水性単細胞緑藻類であって、その細胞内にクロロフィルを有し緑色に見える微生物である。
クロレラには、クロレラ属に分類される植物、その変種、その変異種の全てが含まれる。
クロレラ属の植物とは、クロロコッカス目(Chlorococcales)、オオシスティス科(Oocystaceae)に分類される植物である。
クロレラ属の微生物の種としては、プレノイドサ種、エルプソイデア種、ブルガリス種、レギラリス種、ソロキニアナ種等が挙げられる。これらの中で、広く研究に利用されているブルガリス種が用いられることが望ましい。
クロレラとして、クロレラ生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得た乾燥藻体を用いることが好ましい。
また、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したクロレラ生細胞をそのまま用いることができる。クロレラ生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、藻体スラリーの状態で用いてもよい。
更に、クロレラ生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物を用いてもよい。機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物を用いてもよい。
クロレラとしては、クロレラ微細粉末を用いると好適である。
「クロレラ微細粉末」は、クロレラ粉末に破砕処理を加え、細胞間結合を分離し細胞壁を破砕したものであって、粒子径が小さくなったものである。例えば、全ての粒子径を10μm以下にしたものであって、400メッシュから600メッシュ以上の、粒子径が非常に小さくなったものである。
クロレラ粉末を微細粉末にすると、色は若草色になる。クロレラ微細粉末は、別の粉末を加えて混合した場合、混合に要する時間が短く、混合が均一であるため色にムラやバラツキがでないという特徴がある。
また、微細粉末になるとクロレラ特有の藻体臭は弱まり、抹茶様の香りがでてくる。クロレラ特有の藻体味も弱まる。また、粒子径が2ミクロン~10ミクロンと微細なため、クロレラ微細粉末を直接口にすると溶けてしまいザラザラしない。
なお、クロレラ微細粉末は、平均粒子径が10μm以下であることが望ましいが、特に限定されることなく変更可能である。例えば、一般のクロレラ粉末が、粒子径2μm~60μmまでの不均一な粒子が混在したものであるところ、全ての粒子径が20μm以下又は30μm以下にしたもの等であっても良い。
(ヘマトコッカス)
本実施形態において、「ヘマトコッカス」とは、緑藻網(Class Trebouxiophyceae)のヘマトコッカス(Haematococcus)属に属する一群の微細藻類のことである。
ヘマトコッカスとしては、例えば、ヘマトコッカス・プルビアリス(H. pluvialis)、ヘマトコッカス・ラクストリス(H. lacustris)、ヘマトコッカス・カペンシス(H. capensis)、ヘマトコッカス・ドロエバケンシ(H. droebakensi)、ヘマトコッカス・ジンバブエンシス(H. zimbabwiensis)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本実施形態では、ヘマトコッカス藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したヘマトコッカス生細胞をそのまま用いることができる。ヘマトコッカス生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、ヘマトコッカス藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、ヘマトコッカス生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たヘマトコッカスの乾燥藻体をヘマトコッカス藻体として用いると好適である。
更に、ヘマトコッカス生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をヘマトコッカス藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をヘマトコッカス藻体として用いてもよい。
(クラミドモナス)
本実施形態において、「クラミドモナス」とは、緑藻網(Class Trebouxiophyceae)のクラミドモナス(Chlamydomonas)属に属する一群の微細藻類のことである。
クラミドモナスとしては、例えば、クラミドモナス・アシンメトリカ(Chlamydomonas asymmetrica)、クラミドモナス・デバリアナ(Chlamydomonas debaryana)、クラミドモナス・モブシー(Chlamydomonas moewusii)、クラミドモナス・ニバリス(Chlamydomonas nivalis)、クラミドモナス・レインハルティ(Chlamydomonas reinhardtii)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本実施形態では、クラミドモナス藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したクラミドモナス生細胞をそのまま用いることができる。クラミドモナス生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、クラミドモナス藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、クラミドモナス生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たクラミドモナスの乾燥藻体をクラミドモナス藻体として用いると好適である。
更に、クラミドモナス生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をクラミドモナス藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をクラミドモナス藻体として用いてもよい。
<藍藻類>
本実施形態において、「藍藻類」とは、藍色細菌門(Cyanobacteria)に含まれる細菌を意味し、藍色細菌(シアノバクテリア)とも呼ばれる真正細菌の1群であり、光合成によって酸素を生み出すという特徴を有する。単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがあり、特に制限されないが、単細胞のものが好ましい。
本実施形態において、「藍藻類」とは、動物学や植物学の分類で藍藻類に分類される微生物、その変種、その変異種のすべてを含む。
藍藻類として、以下に示す属に示すものが例として挙げられるがこれらに限定されるものではない。
例えば、シネコシスティス(Synechocystis)属、ミクロシスティス(Microcystis)属、アルスロスピラ(Arthrospira)属、シアノテセ(Cyanothece)属、アルカリゲネス(Alcaligenes)属、アナベナ(Anabaena)属、シネココッカス(Synechococcus)属、サーモシネココッカス(Thermosynechococcus)属、グロイオバクター(Gloeobacter)属、アカリオクロリス(Acaryochloris)属、ノストック(Nostoc)属、トリコデスミウム(Trichodesmium)属、プロクロロン(Prochloron)属、プロクロロコッカス(Prochlorococcus)属等が挙げられる。
本実施形態において、藍藻類は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(スピルリナ)
本実施形態において、「スピルリナ」とは、藍藻類のユレモ目アルスロスピラ属又はネンジュモ目ユレモ科スピルリナ属に属する一群の微細藻類のことである。
スピルリナとしては、例えば、スピルリナ・プラテンシス(Spirulina platensis)、スピルリナ・マキシマ(Spirulina maxima)、スピルリナ・ゲイトレリ(Spirulina geitleri)、スピルリナ・サイアミーゼ(Spirulina siamese)、スピルリナ・メイヤー(Spirulina major)、スピルリナ・サブサルサ(Spirulina subsalsa)、スピルリナ・プリンセプス(Spirulina princeps)、スピルリナ・ラキシシマ(Spirulina laxissima)、スピルリナ・クルタ(Spirulina curta)及びスピルリナ・スピルリノイデス(Spirulina spirulinoides)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本実施形態では、スピルリナ藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したスピルリナ生細胞をそのまま用いることができる。スピルリナ生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、スピルリナ藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、スピルリナ生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たスピルリナの乾燥藻体をスピルリナ藻体として用いると好適である。
更に、スピルリナ生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をスピルリナ藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をスピルリナ藻体として用いてもよい。
<ラビリンチュラ類>
本実施形態において、「ラビリンチュラ類」とは、動物学や植物学の分類でラビリンチュラ類に分類される微生物、その変種、その変異種のすべてを含む。
ラビリンチュラ類としては、ラビリンチュラ属(Labyrinthula)、アルトルニア属(Althornia)、アプラノキトリウム属(Aplanochytrium)、イァポノキトリウム属(Japonochytrium)、ラビリンチュロイデス属(Labyrinthuloides)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、ヤブレツボカビ属(Thraustochytrium)、オブロンギチトリウム属(Oblongichytrium)、パリエチキトリウム属(Parietichytrium)、又はウルケニア属(Ulkenia)、オーランチオキトリウム属(Aurantiochytrium)が挙げられ、好ましくはオーランチオキトリウム属に属する微生物であり、特に好ましくはオーランチオキトリウム・リマシナム(Aurantiochytrium limacinum)が挙げられる。
ラビリンチュラ類は、海洋、特に沿岸域の海水域や、河口などの汽水域に広く分布しており、これらから分離して使用しても良く、また、既に単離されている任意のラビリンチュラ類を使用してもよい。
ラビリンチュラ類は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(オーランチオキトリウム)
本実施形態において、「オーランチオキトリウム」とは、ラビリンチュラ類のヤブレツボカビ目オーランチオキトリウム属に属する一群の微細藻類のことである。
本実施形態では、オーランチオキトリウム藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したオーランチオキトリウム生細胞をそのまま用いることができる。オーランチオキトリウム生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、オーランチオキトリウム藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、オーランチオキトリウム生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たオーランチオキトリウムの乾燥藻体をオーランチオキトリウム藻体として用いると好適である。
更に、オーランチオキトリウム生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をオーランチオキトリウム藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をオーランチオキトリウム藻体として用いてもよい。
(シゾキトリウム)
本実施形態において、「シゾキトリウム」とは、ラビリンチュラ類のシゾキトリウム属に属する一群の微細藻類のことである。
シゾキトリウムとしては、例えば、シゾキトリウム・アグレガタム(Schizochytrium aggregatum)又はシゾキトリウム・リマシナム(Schizochytrium limacinum)等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
本実施形態では、シゾキトリウム藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したシゾキトリウム生細胞をそのまま用いることができる。シゾキトリウム生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、シゾキトリウム藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、シゾキトリウム生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たシゾキトリウムの乾燥藻体をシゾキトリウム藻体として用いると好適である。
更に、シゾキトリウム生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をシゾキトリウム藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をシゾキトリウム藻体として用いてもよい。
<真正眼点藻>
本実施形態において、「真正眼点藻」とは、不等毛植物門(Heterokontophyta)の真正眼点藻綱(Eustigmatophyceae)に含まれる単細胞生物を意味する。
真正眼点藻は、その全ての変異株を包含する。また、これらの変異株の中には、遺伝的方法、たとえば組換え、形質導入、形質転換等により得られたものも含有される。
(ナンノクロロプシス)
真正眼点藻としては、ユースチグマトス目(Eustigmatales)のナンノクロロプシス(Nannochloropsis)属の藻類を用いることができる。
ナンノクロロプシス属としては、ナンノクロロプシス・オキュラータ(Nannochloropsis oculata)、ナンノクロロプシス・オセアニカ(Nannochloropsis oceanica)、オキュラータ、ナンノクロロプシス・ガディタナ(Nannochloropsis gaditana)、ナンノクロロプシス・サリナ(Nannochloropsis salina)、ナンノクロロプシス・アトムス(Nannochloropsis atomus)、ナンノクロロプシス・マキュラタ(Nannochloropsis maculata)、ナンノクロロプシス・グラニュラータ(Nannochloropsis granulata)、ナンノクロロプシス・エスピー(Nannochloropsis sp.)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本実施形態では、ナンノクロロプシス藻体として、遠心分離、濾過又は沈降等によって分離したナンノクロロプシス生細胞をそのまま用いることができる。ナンノクロロプシス生細胞は、培養槽から収穫後そのままの状態で使用することもできるが、水若しくは生理食塩水で洗浄するのが好ましい。また、ナンノクロロプシス藻体が水などの液体に分散した分散液の状態で用いてもよい。本実施形態において、ナンノクロロプシス生細胞を凍結乾燥処理やスプレー乾燥処理して得たナンノクロロプシスの乾燥藻体をナンノクロロプシス藻体として用いると好適である。
更に、ナンノクロロプシス生細胞を超音波照射処理や、ホモゲナイズ等の機械処理を行うことにより得た藻体の機械的処理物をナンノクロロプシス藻体として用いてもよい。また、機械的処理物に乾燥処理を施した機械的処理物乾燥物をナンノクロロプシス藻体として用いてもよい。
<微細藻類藻体の麹菌発酵産物原料>
本実施形態では、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を、原料として微細藻類藻体の発酵を行う。
(穀類)
本実施形態において用いることができる穀類としては、麹菌によって微細藻類藻体の発酵が行われるものであれば特に制限されるものではないが、米粉や蒸米などの形態の米、発芽玄米などの玄米、もち緑米やもち玄米などのもち米、丸麦やはだか麦などの麦、大豆などを用いることができる。
米粉、特に米のデンプンをアルファ化して得られる米粉や、蒸米などのアルファ化した米を用いることが好ましい。
ここでアルファ化とは、米などの穀類に含まれる澱粉が水分と熱により糊状化することを意味し、糊化と同義である。
微細藻類藻体に対する蒸した穀類の混合割合は、微細藻類藻体1質量部に対して、蒸した穀類が10~200質量部であればよく、好ましくは20~150質量部、より好ましくは50~100質量部、特に好ましくは90~110質量部である。
(微細藻類藻体と蒸した穀類のコーティング物)
本実施形態における微細藻類藻体と蒸した穀類のコーティング物の形態は、麹菌によって微細藻類藻体の発酵が行われる形態であれば特に制限されるものではないが、例えば、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にまぶして得られる蒸したコーティング物を用いることが好ましい。
(麹菌)
本実施形態における麹菌は、有効な酵素を生成することができ、微細藻類藻体を発酵させることが可能な麹菌であればよく、黒麹菌、白麹菌、黄麹菌、紅麹菌等が挙げられ、例えば、アスペルギルス(Aspergillus)属、モナスカス(Monascus)属に属する微生物が挙げられるがこれに限定されるものではない。
アスペルギルス属に属する麹菌としては、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アルペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae)、アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)、アスペルギルス・カワチ(Aspergillus kawachii)、アスペルギルス・ルーチェンシス(Aspergillus luchensis)などが挙げられる。
アスペルギルス・オリゼに属する麹菌としては、黄麹菌及び醤油麹菌が挙げられる。モナスカス属に属する麹菌の例としては、紅麹菌が挙げられる。
本実施形態において、ユーグレナを発酵させる麹菌としては、アスペルギルス・オリゼ、アスペルギルス・ルーチェンシス、アスペルギルス・カワチに属する麹菌を用いることが好ましく、アスペルギルス・オリゼに属する麹菌がより好ましく、黄麹菌を用いることが特に好ましいがこれに限定されるものではない。
(水分含有量)
本実施形態における微細藻類藻体と穀類の混合物の発酵時における水分含有量は、麹菌によって微細藻類藻体の発酵が行われる水分含有量であれば特に制限されるものではないが、微細藻類藻体と穀類の混合物の合計重量を100質量部としたときに、20~80質量部であればよく、好ましくは30~75質量部、より好ましくは35~70質量部である。
(その他成分)
本実施形態の微細藻類藻体の麹菌発酵産物原料には、麹菌による微細藻類藻体の発酵を妨げるものでなければ、微細藻類藻体、蒸した穀類物、麹菌、水分以外の成分を含むことも可能である。
微細藻類藻体の麹菌発酵産物原料に含まれるその他成分の含有量は、微細藻類藻体の麹菌発酵産物原料100質量部に対して、10質量部以下、好ましくは5質量部以下、より好ましくは2質量部以下である。
<微細藻類藻体の麹菌発酵産物の製造方法>
本実施形態の微細藻類藻体の麹菌発酵産物の製造方法は、微細藻類藻体と穀類を混合して、微細藻類藻体と穀類の混合物を調製する混合工程と、前記微細藻類藻体と穀類の混合物に、麹菌を添加し麹菌発酵産物原料を得る麹菌添加工程と、前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、を行うことを特徴とする。
以下、各工程について詳細に説明する。
(混合工程)
混合工程では、微細藻類藻体と穀類を混合する(ステップS1)。具体的には、微細藻類藻体を、増量剤としての穀類と混合して微細藻類藻体と穀類の混合物を調製する。
混合工程において、混合装置を用いることができるが、手による混合を行うことが好ましい。
(麹菌添加工程)
麹菌添加工程では、前記混合工程で得られた微細藻類藻体と穀類の混合物に麹菌を添加する(ステップS2)。麹菌は、該麹菌を含む種麹を用いる。種麹の添加は、微細藻類藻体と穀類の混合物に対する種麹の散布などによって行われる。また、大量生産時においては、散布機を用いることも可能である。なお、混合工程において、種麹を含む滅菌水を用いて混合を行う場合は、混合工程と麹菌添加工程が同時に行われることとなる。
麹菌添加工程において、混合装置を用いて撹拌することができるが、手による撹拌を行うことが好ましい。
(発酵工程)
発酵工程では、前記麹菌添加工程で得られた微細藻類の麹菌発酵産物原料を、所定の発酵条件で発酵させる(ステップS3)。
本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法によれば、微細藻類藻体を、増量剤としての穀類と混合することで、麹菌による発酵が適切に行われるようにしている。
<蒸した穀類を用いる微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法>
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法は、穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程と、前記工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸された穀類にコーティングして麹菌発酵産物原料を得る混合工程と、前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、を行うことを特徴とする。
以下、各工程について図1を参照して詳細に説明する。
穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程では、穀類を蒸す工程(ステップS11)及び第一混合工程(ステップS12)を行う。
(穀類を蒸す工程)
穀類を蒸す工程では、穀類を蒸す(ステップS11)。具体的には、米粉や蒸米などの形態の米、発芽玄米などの玄米、もち緑米やもち玄米などのもち米、丸麦やはだか麦などの麦、大豆などの穀類に水を添加して蒸すなどして、穀類に含まれるデンプンをアルファ化する。
このとき、蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であることが好ましい。
(第一混合工程)
第一混合工程では、微細藻類藻体と麹菌を混合して、微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する(ステップS12)。具体的には、微細藻類藻体を、所定の麹菌を含有する種麹と混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する。混合は、微細藻類藻体に対する種麹の散布などによって行われる。また、大量生産時においては、散布機を用いることも可能である。第一混合工程において、混合装置を用いることができるが、手による混合を行うことが好ましい。
このとき、麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程において、穀類を蒸す工程(ステップS11)及び第一混合工程(ステップS12)を行う順番は、穀類を蒸す工程(ステップS11)を行った後に、第一混合工程(ステップS12)を行うことに限定されるものではない。例えば、第一混合工程(ステップS12)を行った後に、穀類を蒸す工程(ステップS11)を行うことも可能である。また、穀類を蒸す工程(ステップS11)及び第一混合工程(ステップS12)を同時に並行して行うことも可能である。
(第二混合工程)
第二混合工程では、前記穀類を蒸す工程において蒸された穀類と、前記第一混合工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を混合して麹菌発酵産物原料を得る(ステップS13)。具体的には、蒸された穀類に微細藻類藻体と麹菌の混合物をまぶすようにして混合を行うことで、麹菌発酵産物原料を得る。このとき、蒸された穀類に付着しない微細藻類藻体を除去する工程を行ってもよい。
(発酵工程)
発酵工程では、前記第二混合工程で得られた微細藻類の麹菌発酵産物原料を、所定の発酵条件で発酵させる(ステップS14)。
本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法によれば、微細藻類藻体を麹菌と予め混合し、増量剤として蒸した穀類と混合することで、麹菌による発酵が適切に行われるようにしている。
<麹菌によるユーグレナの発酵条件>
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物の製造方法における発酵工程では、温度、湿度、pH、期間、発酵の方式、発酵装置などの条件を適宜選択した所定の発酵条件下で麹菌による微細藻類の発酵が行われる。
以下に、各発酵条件について詳述する。
(発酵温度)
本実施形態における発酵温度は、麹菌によって微細藻類の発酵が行われる温度であれば特に制限されるものではないが、0~70℃であればよく、好ましくは10~60℃、より好ましくは20~50℃、更に好ましくは25~40℃であることが好適である。
(発酵湿度)
本実施形態における発酵湿度は、麹菌によって微細藻類の発酵が行われる湿度であれば特に制限されるものではないが、発酵温度10~60℃において、相対湿度40~100%RHであればよい。
(発酵のpH)
本実施形態における発酵時のpHは、使用する麹菌の種類に応じて異なるが、麹菌によって微細藻類の発酵が十分行われるpHであれば特に制限されるものではなく、pH4~7であればよい。
(発酵期間)
本実施形態における発酵期間は、麹菌によって微細藻類の発酵が十分行われる期間であれば特に制限されるものではないが、24~72時間であればよい。
(発酵方式及び発酵装置)
本実施形態の麹菌による微細藻類の発酵に使用可能な容器は、例えば、ガラス製、金属製、プラスチック製の蓋付き容器等が挙げられる。水分含有量を所定の範囲に維持可能であれば、開放容器や木製の容器など、水分が蒸発可能な容器を使用することもできる。また、大量生産時においては、回転式自動製麹培養装置などの製麹機を使用してもよい。
各種発酵の条件は、期間を通じて一定であってもよいが、発酵を促進させるため、酵素力価を向上させるために、発酵期間に応じて各種発酵条件を変化させることも可能である。
<微細藻類の麹菌発酵産物>
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、高い酵素力価を有するという特徴を有している。
ここで、微細藻類の麹菌発酵産物には、微細藻類の麹菌発酵産物原料を麹菌で発酵させて得られる発酵産物そのものが含まれるが、それ以外にも、発酵産物を適宜処理して得られる、粉末、乾燥物、抽出乾燥物などの固形物、抽出液、分散液、搾り汁、濾液などの液体のような、発酵産物の処理物も含まれる。
(酵素力価)
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、用いる麹菌に応じた酵素活性を示す。酵素としては、プロテアーゼ、アミラーゼ(α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、グルコアミラーゼ、イソアミラーゼなど)、リパーゼ、セルラーゼ、ペプチダーゼ等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、国税庁所定分析法に従って測定した酵素の力価が高いことを特徴とする。
ここで、酵素の力価が高いとは、例えば、以下に示すような酵素の力価を示すことを意味する。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、国税庁所定分析法に従って測定したグルコアミラーゼの力価が、200U/g以上2000U/g以下、好ましくは250U/g以上2000U/g以下、より好ましくは300U/g以上2000U/g以下であるとよい。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、国税庁所定分析法に従って測定したα-アミラーゼの力価が1000U/g以上5000U/g以下、好ましくは2000U/g以上5000U/g以下、より好ましくは4000U/g以上5000U/g以下であるとよい。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、国税庁所定分析法に従って測定した酸性プロテアーゼの力価が4000U/g以上60000U/g以下、好ましくは5000U/g以上60000U/g以下、より好ましくは10000U/g以上60000U/g以下であるとよい。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、国税庁所定分析法に従って測定した酸性カルボキシペプチダーゼの力価が4000U/g以上60000U/g以下、好ましくは5000U/g以上60000U/g以下、より好ましくは20000U/g以上60000U/g以下であるとよい。
ここで、酵素力価の単位U/gは、微細藻類の麹菌発酵産物1g当たりの酵素力価を表す単位である。また、上記酵素力価の値は、乾物換算した値であり、水分を含んだ状態である生の麹の測定値を、水分を含まない水分量0%の時の値に換算したものである。麹の水分量は、国税庁所定分析法で定められた減圧乾燥法、加熱乾燥法を用いて測定することができる。
<麹菌の酵素産生促進剤>
本実施形態の麹菌発酵産物は、微細藻類を添加しない麹菌発酵産物と比較して、高い酵素力価を示す。従って、微細藻類は麹菌の酵素産生促進作用を有しており、麹菌の酵素産生促進剤として用いることができる。
具体的には、アスペルギルス・オリゼに属する麹菌(黄麹菌)のグルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼの産生を促進することから、アスペルギルス・オリゼに属する麹菌(黄麹菌)のグルコアミラーゼ産生促進剤、α-アミラーゼ産生促進剤、酸性プロテアーゼ産生促進剤、酸性カルボキシペプチダーゼ産生促進剤として用いることができる。
また、白麹菌のグルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、酸性プロテアーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼの産生を促進することから、白麹菌のグルコアミラーゼ産生促進剤、α-アミラーゼ産生促進剤、酸性プロテアーゼ産生促進剤、酸性カルボキシペプチダーゼ産生促進剤として用いることができる。
<食品組成物、化粧料組成物、医薬組成物>
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、食品組成物、化粧料組成物、医薬組成物等の組成物として用いることができる。
(食品組成物)
本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物例えば、飲料(清涼飲料、アルコール飲料、炭酸飲料、乳飲料、果汁飲料、茶、コーヒー、栄養ドリンク等)、醤油などの調味料、スープ類、クリーム類、各種乳製品類、畜肉加工品、農産加工品、アイスクリームなどの冷菓、各種粉末食品(飲料を含む)、濃縮飲料、保存用食品、冷凍食品、パン類、シリアル類、菓子類(キャンディ(のど飴)、クッキー、ビスケット、ガム、グミ、チョコレート等)など、あらゆる食品組成物に用いることができる。
あるいは、保健機能食品(特定保健機能食品、栄養機能食品、機能性表示食品)や、いわゆる健康食品(飲料を含む)、濃厚栄養剤、流動食、乳児・幼児食にも用いることができる。
ここで特定保健用食品とは、生理学的機能等に影響を与える保健機能成分を含む食品であって、消費者庁長官の許可を得て特定の保健の用途に適する旨を表示可能なものである。
また栄養機能食品とは、栄養成分(ビタミン、ミネラル)の補給のために利用される食品であって、栄養成分の機能を表示するものである。栄養機能食品として販売するためには、一日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分量が定められた上限値、下限値の範囲内にある必要があり、栄養機能表示だけでなく注意喚起表示等もする必要がある。
また機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品である。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。
本実施形態に係る食品組成物には、微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物に加え、通常食品組成物に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。例えば、各種調味料、保存剤、乳化剤、安定剤、香料、着色剤、防腐剤、pH調整剤などの、食品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
食品組成物における微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物の含有量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能である。
(化粧料組成物)
本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物は、化粧料組成物に好適に用いることができる。
該化粧料組成物は、あらゆる形態の化粧料に適用することができる。例えば、ローション、乳液、クリーム、美容液などのスキンケア化粧料、ファンデーション、コンシーラー、化粧下地、口紅、頬紅、アイシャドウ、アイライナーなどのメイクアップ化粧料、日焼け止め化粧料などに適用することができる。
本実施形態に係る化粧料組成物には、本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物に加え、通常化粧料組成物に用いることができる成分を、1種または2種以上自由に選択して配合することが可能である。
例えば、基材、保存剤、乳化剤、着色剤、防腐剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、紫外線吸収剤、香料、防腐防黴剤、体質顔料、着色顔料、アルコール、水などの、化粧品分野で通常使用し得る全ての添加剤を含有させることができる。
本実施形態に係る化粧料組成物において、本実施形態に係る微細藻類の麹菌発酵産物、及び発酵産物の処理物の含有量は特に限定されず、目的に応じて自由に設定することが可能である。
(医薬組成物)
医薬の分野では、微細藻類藻体の麹菌発酵産物が有する薬理作用を有効に発揮できる量の微細藻類藻体の麹菌発酵産物と共に、薬学的に許容される担体や添加剤を配合することにより、当該作用を有する医薬組成物が提供される。当該医薬組成物は、医薬品であっても医薬部外品であってもよい。
当該医薬組成物は、内用的に適用されても、また外用的に適用されても良い。従って、当該医薬組成物は、内服剤、静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射及び/又は腹腔内注射等の注射剤、経粘膜適用剤、経皮適用剤等の製剤形態で使用することができる。
当該医薬組成物の剤型としては、適用の形態により、適当に設定できるが、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、粉末剤、散剤などの固形製剤、液剤、懸濁剤などの液状製剤、軟膏剤、またはゲル剤等の半固形剤が挙げられる。
<発酵食品>
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物は、種麹などの原料として用いて、豆類や穀類等の原料を発酵させることで、発酵食品を製造することが可能である。
本実施形態の微細藻類の麹菌発酵産物を種麹として用いて得られる発酵食品としては、例えば、味噌、醤油、酒、甘酒、酢、チーズ、ヨーグルトなどを挙げることができる。
微細藻類の麹菌発酵産物を用いて発酵させる原料は、食品素材として用いられるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、大豆、小豆、そら豆、えんどう豆、緑豆等の豆類、米、麦、粟、ひえ、トウモロコシ等の穀類、サツマイモ、ジャガイモ等のイモ類、大根、ニンジン、ほうれん草等の根菜類、牛乳、魚肉、獣肉等の動物由来の原料等が挙げられる。
微細藻類の麹菌発酵産物を種麹として用いて得られる発酵食品には、一般的な食品添加物を、適宜添加することが可能である。そのような添加剤としては、例えば、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、アミノ酸、無機塩、増粘剤、界面活性剤、香料、色素、水分、油脂、アルコール、糖類、ビタミン類、タンパク質、デンプンなどが挙げられる。
(甘酒)
本明細書において、「甘酒」とは、米麹のみ、米麹と米飯との混合物、米麹と酒粕との混合物などを主原料とし、適当量の水を添加混合し、40~70℃の温度に0.5~48時間(例えば一晩)保持して、糖化反応などを行わせることにより調製した、従来公知の甘酒を包含する。
本実施形態に係る甘酒の原料は、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した米にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物である、米麹を用いることを特徴とするものである。
ここで米麹とは、蒸した米に麹菌を繁殖させたものをいう。
なお、本実施形態に係る甘酒の原料としては、米麹、米麹と米飯との混合物、米麹と酒粕との混合物、米麹と米飯と酒粕との混合物を含む群から選ばれた一種以上を主原料とするものであればよい。なお、必要に応じて甘味料、酸味料、香料、食塩などを含有させることができる。なお、米飯については、炊いた米やかゆ状のものなどが好ましく用いられる。
甘味料としては、砂糖、ブトウ糖、果糖、異性化糖、水飴、蜂蜜、ステビア、スクラロース、人口甘味料などを用いることができる。酸味料としては、クエン酸、乳酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、酢などの食用に用いられる酸の他、レモン汁や梅エキスなどの酸性食品などを用いることができる。香料としては、植物や動物から抽出された天然香料、化学的に合成された合成香料、天然香料や合成香料を複数調合した調合香料を用いることができる。
甘酒は、一般的な液体(半固体)状態のものに限定されず、乾燥品、凍結乾燥品などの形態とすることも可能である。
(甘酒の製造方法)
本実施形態に係る甘酒の製造方法は、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸し米にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物を原料となる米麹として用いること以外は、通常の甘酒の製造方法と同様の方法を採用することができる。上述の甘酒原料に、適当量の水を添加混合し、必要に応じて40~70℃で0.5~48時間、加温状態に保持して、麹菌由来のアミラーゼの働きによってデンプンの糖化反応を行わせる。
詳細には、微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸し米にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物(米麹)を用意する工程と、前記麹菌発酵産物に水(温水)を添加する工程と、前記水を添加した前記麹菌発酵産物を40℃以上に加温する工程と、を行うことを特徴とする甘酒の製造方法である。
詳細には、まず、甘酒液を調製する。このとき、酒粕溶解液を別途調製し、甘味料、酸味料、食塩などの調味料や添加物と合わせて添加してもよい。水の添加量、加温する際の温度や加温時間、米麹と米飯などの混合比率は、所望の糖化速度、甘味などを考慮して、適宜決定すればよい。
以下、具体的実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例では、微細藻類の藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を用い、麹菌による発酵を行った。また、ユーグレナを用いた米麹を原料として甘酒を製造した。
<試験1 ユーグレナの麹菌による発酵>
試験1では、ユーグレナ藻体と各種穀類の混合物を用い、麹菌(黄麹菌または白麹菌)による発酵を行い、得られる麹菌発酵産物の酵素力価を測定した。
(ユーグレナ藻体と穀類の混合物の調製)
ユーグレナ藻体として、ユーグレナ社のユーグレナ・グラシリス粉末を用い、種麹として、黄麹(株式会社秋田今野商店、アスペルギルス・オリゼ AOK139株、FERM AP-20562)または白麹(株式会社秋田今野商店、白麹しらかみ)を用い、ユーグレナ藻体と穀類の混合物を調製した。
黄麹を用い、表1に示す穀類及び配合で実施例1乃至5、比較例1乃至5の試料を調製した。
Figure 0007252749000001
白麹を用い、表2に示す穀類及び配合で実施例6乃至12、比較例6乃至12の試料を調製した。
Figure 0007252749000002
(比較例1乃至12)
各穀類を蒸したものを100gに、種麹0.035gをまぶしてコーティングした。
(実施例1乃至12)
各穀類を蒸したものを100gに、予め混合して均質にしておいたユーグレナ粉末100g及び種麹0.035gの混合物をまぶしてコーティングし、蒸した穀類に付着しなかったユーグレナ粉末及び種麹(約99g)は取り除くことで、各穀類のユーグレナ粉末コーティング物を得た。
次に、温度28~30℃、湿度75~95%RHの条件で、各試料の麹菌による発酵を行った。培養開始24時間後に、容器の蓋を取り、内容物を軽く撹拌をし、シャーレ及びステンレスバットに濾紙を載置した。培養開始45時間後に出麹した。
(各種穀類とユーグレナの麹菌発酵産物の酵素力価測定)
実施例1乃至12、比較例1乃至12の麹菌発酵産物の酵素力価を、国税庁所定分析法に従って測定した。
黄麹を用いた結果を表3(比較例1乃至5)及び表4(実施例1乃至5)に示す。
Figure 0007252749000003
Figure 0007252749000004
白麹を用いた結果を表5(比較例6乃至12)及び表6(実施例6乃至12)に示す。
Figure 0007252749000005
Figure 0007252749000006
表3乃至6中の数値はU/gであり、酵素力価測定による麹菌発酵産物1g当たりの酵素力価を表す。
グルコアミラーゼ活性は、可溶性デンプンから40℃で60分間に1mgのグルコースを生成する活性を1単位(U)とした。
α-アミラーゼ活性は、40℃、30分間に分解される1%の可溶化デンプン量(ml)として表示した。
酸性プロテアーゼ活性は、40℃、60分間にチロシン相当量1μgを生ずる酵素量を1単位とした。
水分量は、試験1と同様に、国税庁所定分析法(減圧乾燥法)に従って求めた。
乾燥麹の数値は、水分を含んだ状態である生麹の測定値を、水分量0%の時の値に換算したものである。
(試験1の結果)
ユーグレナを添加して各種穀類を発酵させた場合、ユーグレナを添加しない場合と比較して各酵素の力価が高くなる傾向があった。
また、白麹菌を用いた実施例6乃至12では、いずれの穀類を用いても各酵素の力価が対応する比較例と比べて大きくなっていた。
以上の結果から、ユーグレナと麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングして、麹菌で発酵させると、各酵素の力価が高い麹菌発酵産物が得られることがわかった。
さらに、各種穀類のみを発酵させた比較例と比べて、ユーグレナを添加して発酵させた実施例における各酵素の力価が高くなっていたことから、ユーグレナが麹菌の酵素産生促進作用を有していることがわかった。
<試験2 スピルリナ及びユーグレナの麹菌による発酵>
微細藻類の藻体として、ユーグレナ藻体(ユーグレナ社のユーグレナ・グラシリス粉末)、スピルリナ藻体(ジャパン・アルジェ社のスピルリナパウダー)を用いた。種麹として、株式会社秋田今野商店のアスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP-20562)を用いた。蒸米は、米を水に6時間浸漬させた後、水切りを2時間行い、1時間蒸したものを用いた。
表7に示す形態及び配合で参考例1、実施例13及び実施例14、比較例13の試料を調製した。
Figure 0007252749000007
(参考例1)
蒸米100gに、種麹1gをまぶしてコーティングすることで、蒸米の種麹コーティング物を得た。
(実施例13)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたユーグレナ粉末1g及び種麹1gの混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸米のユーグレナ藻体コーティング物を得た。
(実施例14)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたスピルリナ粉末1g及び種麹1gの混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸米のスピルリナ藻体コーティング物を得た。
(比較例13)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたスピルリナ粉末100g及び種麹1gの混合物を添加し、練り揉まないように撹拌し、蒸し米とスピルリナと種麹の混合物を得た。
(微細藻類藻体と米の混合物の発酵)
麹発酵装置(日本ニーダー社製、型番PF100-48H)を用い、温度30~40℃、湿度75~95%RHの条件で、各試料の麹菌による製麹を行った。培養開始63時間後に出麹し、観察を行った。
(試験1の結果と考察)
結果を表1に示す。
表1における結果の評価は以下の基準で行った。
〇:明かに麹菌が繁殖し破精している。
△:ごくわずかに麹菌が繁殖している。
×:全く繁殖していない。
実施例13≧実施例14>参考例1≧比較例13の順で発酵が進んでいた。
実施例13及び実施例14の試料で麹の繁殖が良好であった。参考例1は最も広範囲で綿状の増殖が確認できたが、麹の繁殖(製麹)の観点からは良好とは言えない状態であった。
実施例13及び実施例14の試料で、麹の生育具合は同等で良好であった。
比較例13の試料では、麹の生育は不調であった。
試験2の結果から、ユーグレナやスピルリナの藻体を麹菌と混合した混合物を、蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を、麹菌で発酵させると良好に発酵が行われることがわかった。
<試験3 クロレラ及びオーランチオキトリウムの麹菌による発酵>
微細藻類の藻体として、クロレラ藻体(八重山殖産株式会社のヤエヤマクロレラ粉末)、オーランチオキトリウム藻体(ユーグレナ社のオーランチオキトリウム粉末)を用いた。種麹として、株式会社秋田今野商店のアスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP-20562)を用いた。蒸米は、米を水に15時間浸漬させた後、水切りを5時間行い、1.5時間蒸したものを用いた。
表8に示す形態及び配合で参考例2、実施例15及び実施例16、比較例14の試料を調製した。
Figure 0007252749000008
(参考例2)
蒸米100gに、種麹1gの混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸米の種麹コーティング物を得た。
(実施例15)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたクロレラ粉末1g及び種麹1gの混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸米のクロレラ藻体コーティング物を得た。
(比較例14)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたクロレラ粉末100g及び種麹1gの混合物を添加し、練り揉まないように撹拌し、蒸米とクロレラと種麹の混合物を得た。
(実施例16)
蒸米100gに、予め混合して均質にしておいたオーランチオキトリウム粉末1g及び種麹1gの混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸米のオーランチオキトリウム藻体コーティング物を得た。
(微細藻類藻体と米の混合物の発酵)
麹発酵装置(日本ニーダー社製、型番PF100-48H)を用い、温度30~40℃、湿度75~95%RHの条件で、各試料の麹菌による発酵を行った。培養開始48時間後に出麹し、観察を行った。
(試験3の結果と考察)
実施例16≧実施例15>参考例2>比較例14の順で発酵が進んでいた。
実施例15及び実施例16の試料で発酵が良好であった(麹の生育具合は同等で良好)。
参考例2の試料もほぼ同等で発酵が良好であった。
比較例14の試料は、麹の生育は不調であった。
実施例15及び実施例16の試料で製麹は同等であった。
実施例15及び実施例16の試料では、試験2の実施例13や実施例14と比較し目視では同等であった。
試験3の結果から、クロレラやオーランチオキトリウムの藻体を麹菌と混合した混合物を、蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を、麹菌で発酵させると良好に発酵が行われることがわかった。
<試験4 オーランチオキトリウムの麹菌による発酵>
微細藻類の藻体として、オーランチオキトリウム藻体(ユーグレナ社のオーランチオキトリウム粉末)を用いた。種麹として、株式会社秋田今野商店のアスペルギルス・オリゼAOK139株(FERM AP-20562)を用いた。蒸米は、米を水に15時間浸漬させた後、水切りを5時間行い、1.5時間蒸したものを用いた。
表9に示す形態及び配合で参考例3、比較例15の試料を調製した。
Figure 0007252749000009
(参考例3)
蒸米100gに、種麹1gをまぶしてコーティングすることで、蒸米の種麹コーティング物を得た。
(比較例15)
蒸米50gに、予め混合して均質にしておいたオーランチオキトリウム粉末50g及び種麹1gの混合物を添加し、練り揉まないように撹拌し、蒸米とオーランチオキトリウム藻体と種麹の混合物を得た。
(微細藻類藻体と米の混合物の発酵)
麹発酵装置(日本ニーダー社製、型番PF100-48H)を用い、温度30~40℃、湿度75~95%RHの条件で、各試料の麹菌による発酵を行った。培養開始48時間後に出麹し、観察を行った。
(試験4の結果と考察)
参考例2>比較例15の順で発酵が進んでいた。
比較例15は、麹の生育は不調であった。
藻類を添加して製麹を行う場合、いずれの藻類でも藻類の添加量が多いと麹菌の生育が不調となるが、適切な量をコーティングする事により麹菌の繁殖が良好となる事が確認できた。
<試験5 ユーグレナの麹菌発酵産物を用いた甘酒の製造>
試験5では、ユーグレナを種麹(麹菌)と混合して蒸し米の表面にコーティングして発酵させたユーグレナの麹菌発酵産物(以下、ミドリ麹)を米麹として用いて甘酒を製造し、糖化の状態(速度、粘性、外見、糖度)の経時変化を観察し、一般的な米麹を用いた場合と比較検証した。米麹とミドリ麹は水分含有量が異なるため、甘酒仕込み時に添加する水分量を調節し出来上がりの水分量に差が無いようにした。
(検体)
A:米麹(サクラみそ食品株式会社乾燥米麹、水分含有量:10.1g/100g)
B:ミドリ麹(ミドリ麹、水分含有量:8.0g/100g)
A(米麹)とB(ミドリ麹)のそれぞれで、以下に示す2種類の甘酒を製造した。
(1)糖化の経時変化を記録する検証用
(2)一定温度を保ち充分に糖化させた試飲用
なお、(1)検証用の甘酒及び(2)試飲用の甘酒は、配合比・配合量は同一であるため、同じ検体とみなした。試料名と、用いた麹、検体の用途は以下のとおりである。
A-(1):米麹(検証用)
A-(2):米麹(試飲用)
B-(1):ミドリ麹(検証用)
B-(2):ミドリ麹(試飲用)
(試験手順)
作製する検体の量は出来上がりの糖度に影響しないことを確認し、仕込み量を300gとした。
まず、米麹、ミドリ麹をそれぞれ重量計(株式会社エー・アンド・デイ製、デジタルはかりHL-200i)を用いて、乾燥重量で計量した(100g中の水分含有量:米麹10.1g/ミドリ麹8.0gを差し引き算出した固形重量を考慮)。
A(米麹):87.90g
B(ミドリ麹):86.94g
次に、浄化水を58℃まで温めてから計量して加えた(温度は、株式会社タニタ製、デジタル温度計TT-508で測定した)。
A(米麹):米麹戻し用水87.90g
B(ミドリ麹):ミドリ麹戻し用水88.86g
30分間放置した後、それぞれの試料に124.2gの浄化水を加え、ミキサー(株式会社テスコム製、ジュースミキサーTM8000)でペースト状に撹拌した。
58℃に設定したスチームコンベクションオーブン(ニチワ電機株式会社製、電気スチームコンベクションオーブンSCOS-7RS、スチームモード)で検証用は合計8時間、試飲用は一晩糖化した。
検証用については1時間ごとに糖度の計測・画像記録を行った。試飲用については糖化終了まで手を加えなかった。
糖化終了後に、再度ミキサーで撹拌し、アルミ平袋(HA-1418H)に150gずつ充填し、110℃で10分間、加圧加熱殺菌を行った。
(評価方法)
得られた甘酒について、1.計測評価(糖化中の糖度・状態の比較)と、2.官能評価(甘さ・余韻・口当たりの比較)を行った。
1.計測評価では、写真による色の評価、撹拌による粘性の評価、糖度計測による糖化の速度・最終糖度の評価を行った。
2.官能評価では、一般人7名、官能検査員5名の計12名によるブラインドテストを行った。
(評価内容)
1.計測評価
計8時間の糖化中、1時間ごとに以下の検証を実施した。
1-(1):糖度計を用いて糖度の経時変化を確認
1-(2):スプーンで撹拌し粘性の経時変化を確認
1-(3):検体2つを並べ、色の経時変化を撮影
2.官能評価
検証用検体は、糖化中に温度変化があることを考慮し、一定温度を保ち充分に糖化させた試飲用検体を使用した。検証用・試飲用検体の配合比・配合量は同一であるため、同じ検体とみなした。
色による先入観をなくすため、米麹を用いた甘酒に、着色料製剤「サンエローNo.3L」を添加した(添加による匂い・味の変化はなし)。
官能検査員5名については、検証内容を伏せ、甘さ・余韻・口当たり・その他評価を行った。
一般人7名については、目を閉じた状態で検体をランダムで手渡しし、甘さ・余韻・口当たり・その他評価を行った。
(試験5の結果)
1.計測評価の結果
1-(1):糖化の経時変化
結果を図2に示す。
米麹を用いた場合と、ミドリ麹を用いた場合の両方で、糖化開始1時間で急激に糖度が上昇するが、ミドリ麹のほうが上昇率は高かった。また、糖度の経時変化をみると、ミドリ麹のほうが高い糖度で糖化が進んでいた。
糖化終了後も、ミドリ麹を用いた場合に糖度が高かったが、ミキサーで撹拌後の計測値は、ほぼ同じ糖度であった。
1-(2):粘性の経時変化
米麹を用いた場合と、ミドリ麹を用いた場合の両方で、糖化が進むにつれ、粘性が低くなった。
米麹を用いた場合と比べて、ミドリ麹を用いた場合に粘性が低くなっていた。
1-(3):色の経時変化
米麹を用いた場合と、ミドリ麹を用いた場合の両方で、時間が経過するにつれて黄みがかり、色が濃くなった。
2.官能評価の結果
官能評価の結果を、以下の表10乃至13に示す。
Figure 0007252749000010
Figure 0007252749000011
Figure 0007252749000012
Figure 0007252749000013
試験5の結果から、糖化中の糖度は米麹を用いた場合よりも、ミドリ麹を用いた場合に高くなったが、糖化後にミキサーで撹拌した後の糖度はあまり変わらなかったことから、糖度に差はなかった。
官能評価では甘味の強さや甘さの種類・余韻において違いが見られ、ミドリ麹を用いて製造した甘酒のほうが、甘味が強く、余韻が残り、粘度が低いと感じる者が多かった。
したがって、米麹を用いた場合と、ミドリ麹を用いた場合では、最終的な糖度や色の経時変化はそれほど変わらないが、甘さの感じ方や余韻、口当たりに違いがあった。
<試験6 各種微細藻類藻体の麹菌発酵産物の酵素力価測定>
試験6では、各種微細藻類藻体の麹菌発酵産物の酵素力価を測定した。
微細藻類藻体として、ユーグレナ藻体(ユーグレナ社のユーグレナ・グラシリス粉末)、クロレラ藻体(八重山殖産株式会社のヤエヤマクロレラ粉末)、スピルリナ藻体(ジャパン・アルジェ社のスピルリナパウダー)、オーランチオキトリウム藻体(ユーグレナ社のオーランチオキトリウム粉末)を用いた。
種麹として、黄麹(株式会社秋田今野商店、アスペルギルス・オリゼ AOK139株、FERM AP-20562)または白麹(株式会社秋田今野商店、白麹しらかみ)を用いた。
(微細藻類藻体と米の混合物の発酵)
蒸した穀類(米又は大豆100g)に、試験1と同様の手順で予め混合して均質にしておいた各種微細藻類藻体粉末及び種麹の混合物をまぶしてコーティングすることで、蒸した穀類の微細藻類藻体コーティング物を得て、試験1と同様の方法で、各試料の麹菌による発酵を行い、得られた麹菌発酵産物の酵素力価を、国税庁所定分析法に従って測定した。
各種微細藻類藻体を用いずに麹菌で発酵させたものをコントロールとした。
穀類として米を用い、麹菌として黄麹を用いた結果を表14に示し、穀類として大豆を用い、麹菌として黄麹を用いた結果を表15に示し、穀類として米を用い、麹菌として白麹を用いた結果を表16に示す。水分量は、試験1と同様に、国税庁所定分析法(減圧乾燥法)に従って求めた。表14~16において、生は製麹後の値であり、乾燥は乾燥後の値である。なお、乾物換算の数値は、水分を含んだ状態である生麹の測定値を、水分量0%の時の値に換算したものである。
Figure 0007252749000014
Figure 0007252749000015
Figure 0007252749000016
以上の結果から、各種微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングして、麹菌で発酵させると、各酵素の力価が高い麹菌発酵産物が得られることがわかった。
さらに、各種穀類のみを発酵させたコントロールと比べて、各種微細藻類藻体を添加して発酵させた場合における各酵素の力価が高くなっていたことから、各種微細藻類藻体が麹菌の酵素産生促進作用を有していることがわかった。

Claims (20)

  1. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物であって、
    前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物
  2. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物であって、
    前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物
  3. 前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の麹菌発酵産物。
  4. 前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物を含有する食品組成物。
  6. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物を含有する化粧料組成物。
  7. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物を含有する医薬料組成物。
  8. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料であって、
    前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物原料
  9. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料であって、
    前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物原料
  10. 前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の麹菌発酵産物原料。
  11. 前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項乃至10のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物原料。
  12. 穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程と、
    前記工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸された穀類にコーティングして麹菌発酵産物原料を得る混合工程と、
    前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、
    を行うことを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法であって、
    前記微細藻類藻体が緑藻類、藍藻類、ラビリンチュラ類を含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法
  13. 穀類を蒸すとともに、微細藻類藻体と麹菌を混合して微細藻類藻体と麹菌の混合物を調製する工程と、
    前記工程で得られた前記微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸された穀類にコーティングして麹菌発酵産物原料を得る混合工程と、
    前記麹菌発酵産物原料を発酵させる発酵工程と、
    を行うことを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法であって、
    前記微細藻類藻体がクロレラ、スピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌発酵産物の製造方法
  14. 前記蒸した穀類は、発芽玄米、もち米、もち玄米、丸麦、はだか麦、大豆、米を含む群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項12又は13に記載の麹菌発酵産物の製造方法。
  15. 前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌を含む群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の麹菌発酵産物の製造方法。
  16. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸した穀類にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物を用いる発酵食品の製造方法。
  17. 微細藻類藻体と麹菌の混合物を蒸し米にコーティングした麹菌発酵産物原料を発酵させた麹菌発酵産物を米麹として用いる甘酒の製造方法。
  18. 微細藻類を有効成分として含有し、
    麹菌の酵素産生を促進するために用いられることを特徴とする麹菌の酵素産生促進剤であって、
    前記微細藻類がスピルリナ、オーランチオキトリウムを含む群から選択される少なくとも1種の藻体であることを特徴とする麹菌の酵素産生促進剤
  19. 前記麹菌は黄麹菌、白麹菌及び黒麹菌からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項18に記載の麹菌の酵素産生促進剤。
  20. 前記酵素がグルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、酸性プロテアーゼを含む群から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項18又は19に記載の麹菌の酵素産生促進剤。
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