JP7252601B2 - 固形洗浄剤組成物、カートリッジ洗浄剤、洗浄方法、及び、微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法 - Google Patents
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Description
特許文献2と特許文献3には、塩素系漂白剤を配合した固形の洗浄剤組成物が公開されている。しかしながら、塩素濃度の濃淡については言及されていない。
すなわち、同じ固形洗浄剤組成物を使用して同じ洗浄対象物を洗浄することが日常的に行われている。
また、洗浄効果を均一にする観点から、常に均一な洗浄液(洗浄槽内の洗浄に用いる液を言う。)を使用することが好ましいと考えられていた。
また、本発明の固形洗浄剤組成物は、隣接する層間で被覆塩素剤の含有割合が異なる3層以上の多層構造を有することにより、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成されるカートリッジ洗浄剤を用いて洗浄すると、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの間に、確実に有効塩素濃度が高い洗浄液となる期間(ドア式自動食器洗浄機であれば数回から数十回の洗浄にわたって続く期間)が発生するため、大量の異なる洗浄対象物をいかなる順番で洗ったとしても、通常、1回以上は有効塩素濃度の高い洗浄液で洗浄することになるので、洗浄対象物に与えるダメージを少なくして、かつ、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去することができ、洗浄対象物をより好適に洗浄することができる。
このような構成により、洗浄対象物に与えるダメージを少なくすることと、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去することとをよりバランス良く両立することができる。
このような構成により、洗浄対象物に与えるダメージを充分に少なくしながら、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去する洗浄効果を顕著なものとすることができる。
このような構成の本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成されるカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去する洗浄効果を充分に優れたものとしながら、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤は、同じカートリッジ洗浄剤を用いて、洗浄対象物を繰り返し洗浄すると、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち少なくとも1回、有効塩素濃度が高い洗浄液での洗浄を行うことができるので、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去する洗浄効果を充分に優れたものとしながら、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができ、洗浄対象物を好適に洗浄することができる。
上記方法であると、塩素剤を含む洗浄液により洗浄を行うことによって、洗浄対象物に蓄積した汚れを除去することができる。
なお、本発明の固形洗浄剤組成物を溶かすための水は、常温の水だけではなく、温水(湯)であってもよい。すなわち、該水の温度は特に限定されず、例えば常温~90℃とすることができる。
上記方法であると、塩素剤を含む洗浄液を自動洗浄機内に形成された菌や菌叢に作用させることで微生物又は菌叢凝塊を好適に除去することができる。
本明細書中、固形洗浄剤組成物の各成分の含量(質量%)は、特に断らない場合には固形洗浄剤組成物中の純分(固形分)の含量である。
上記多層構造を有する本発明の固形洗浄剤組成物であれば、洗浄液中の塩素濃度に極大・極小が生じることになり、その結果、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成される本発明のカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物へのダメージを抑えつつ、高い洗浄効果を発揮することができる。
なお、例えば多層構造を形成する際に、先ず層(A)を充填し、層(A)が固まった後層(B)を充填した場合は、層(A)と層(B)との間の境界線は通常直線状になる。また、先ず層(A)を充填し、層(A)が緩いまま層(B)を充填した場合は、層(A)と層(B)との間の境界線は通常曲線状になる。
なお、被覆塩素剤が2種以上含まれる場合、被覆塩素剤の含有割合は、各被覆塩素剤の含有量の合計として定める。
これにより、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成される本発明のカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物へのダメージを抑える効果と、高い洗浄効果を発揮する効果とをよりバランス良く発揮することができる。
また隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の被覆塩素剤の含有割合が2質量%以上、5質量%未満である場合は、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の被覆塩素剤の含有割合が0質量%以上、2質量%未満であることが好ましい。
中でも、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の被覆塩素剤の含有割合が10質量%以上であることが好ましい。また、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の被覆塩素剤の含有割合が1質量%以下であることが好ましい。
例えば、本発明の固形洗浄剤組成物において、上記多層構造は、層(A)、層(B)、層(C)、層(D)、及び、層(E)をこの順で含んで構成され、層(B)及び層(D)は、それぞれ、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多いか、又は、被覆塩素剤の含有割合が少ないことが好ましい。
層(B)の被覆塩素剤の含有割合及び層(D)の被覆塩素剤の含有割合は、それぞれ、層(A)の被覆塩素剤の含有割合、層(C)の被覆塩素剤の含有割合、及び、層(E)の被覆塩素剤の含有割合のいずれよりも5質量%以上の差があることが好ましく、10質量%以上の差があることがより好ましく、30質量%以上の差があることが更に好ましい。なお、該差の上限値は特に限定されず、100質量%であってもよい。
これにより、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成される本発明のカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌をより充分に除去することができる。
これにより、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成される本発明のカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
これにより、例えば本発明の固形洗浄剤組成物を含んで構成される本発明のカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
被覆塩素剤1粒の径が通常約1(~2)mmであるため、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の平均厚さも通常1mm以上である。なお、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の平均厚さが100mmを超えても、コスト面で特にメリットがない。
隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の平均厚さは、5mm以上であることがより好ましい。また、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の平均厚さは、50mm以下であることがより好ましく、30mm以下であることが更に好ましい。
また隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の少なくとも1つの平均厚さが、80mm以上であることがより好ましい。隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の平均厚さは、その上限値は特に限定されないが、通常500mm以下であり、少なくとも1つの平均厚さが180mm以下であることが好ましい。
塩素剤の周囲を被覆剤で被覆することによって、固形洗浄剤組成物に含まれる他の成分、例えばキレート剤やアルカリ剤と塩素剤が反応して塩素剤が失活することを防止することができる。そのため、固形洗浄剤組成物中に塩素剤が被覆塩素剤の形で含まれていると、塩素剤が有効な状態で含有された固形洗浄剤組成物とすることができる。
カルボン酸塩としては、芳香族カルボン酸塩、非環状ジカルボン酸塩、炭素数1~7の非環状モノカルボン酸塩等が挙げられる。
芳香族カルボン酸塩としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、3-ヒドロキシ安息香酸、4-ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、o-フタル酸、m-フタル酸、p-フタル酸、フェニル酢酸、2-フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸、フェニルピルビン酸、o-t-ブチル安息香酸、m-t-ブチル安息香酸、p-t-ブチル安息香酸、3,5-ジ-t-ブチル安息香酸、3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸、o-ベンゾイル安息香酸、m-ベンゾイル安息香酸、p-ベンゾイル安息香酸、アントラニル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、1,2-ナフタレンジカルボン酸、2,3-ナフタレンジカルボン酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2-ヒドロキシフェニル酢酸、3-ヒドロキシフェニル酢酸、4-ヒドロキシフェニル酢酸、D-マンデル酸、L-マンデル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2-メトキシフェニル酢酸、3-メトキシフェニル酢酸、4-メトキシフェニル酢酸等の芳香族カルボン酸の塩が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
炭素数1~7の非環状モノカルボン酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩等が挙げられる。
安息香酸塩として、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム等が挙げられ、溶解性の観点から、好ましくは安息香酸ナトリウムである。
また上記被覆塩素剤の含有割合は、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌をより充分に除去する観点からは、本発明の固形洗浄剤組成物100質量%中、被覆塩素剤の含有割合が1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以上であることが特に好ましい。
アルカリ剤としては、水溶性のアルカリ剤であればよく、例えば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩を用いることができる。アルカリ金属塩としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ金属のリン酸塩、アルカリ金属の炭酸塩及びケイ酸のアルカリ金属塩からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属のリン酸塩;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム(メタケイ酸ナトリウム、セスキケイ酸ナトリウム、オルソケイ酸ナトリウム、ケイ酸ソーダ1号、ケイ酸ソーダ2号、ケイ酸ソーダ3号、ケイ酸ソーダ4号)、ケイ酸カリウム(メタケイ酸カリウム、セスキケイ酸カリウム、オルソケイ酸カリウム)等のケイ酸のアルカリ金属塩が好ましい。これらのアルカリ剤は、水和物となっていてもよい。中でも、アルカリ金属の水酸化物、ケイ酸のアルカリ金属塩がより好ましく、ケイ酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。なお、後記するキレート剤として例示される化合物は、本発明におけるアルカリ剤には含まれない。
キレート剤としては、アミノカルボン酸系、ヒドロキシカルボン酸系、リン酸系、エーテルカルボン酸塩、ホスホン酸系等のキレート剤が挙げられる。後記する高分子分散剤として例示されるポリアクリル酸ナトリウム等の化合物は、本発明におけるキレート剤には含まれない。
上記リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。
防食剤としては、アルミニウム、銅又は銅合金に対する防食剤を用いることが好ましい。このような防食剤として、例えば、ベンゾトリアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5-ドデシルベンゾトリアゾール、5-オクチルベンゾトリアゾール、5-ヘキシルベンゾトリアゾール、5-ブチルベンゾトリアゾール、5-メチルベンゾトリアゾール、4-カルボキシベンゾトリアゾール、5-カルボキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールメチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールブチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールヘキシルエステル、ベンゾトリアゾールオクチルエステル、ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール等)、ベンゾイミダゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾリルベンゾイミダゾール、チアベンダゾール等)、ベンゾチアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾチアゾール、2-メチルベンゾチアゾール、2-アミノベンゾチアゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等)を好適に使用することができる。中でも、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールが好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を使用することができ、好ましくは非イオン界面活性剤である。非イオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、リバースプルロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。
このような高分子分散剤を含有すると、スケール防止能が向上する。高分子分散剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン酸、ポリ-α-ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルホスホン酸、スルホン化ポリマレイン酸、オレフィン-マレイン酸共重合体、無水マレイン酸ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸スチレン共重合体、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸エチレン共重合体、無水マレイン酸エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸アクリル酸共重合体、無水マレイン酸酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸ブタジエン共重合体、無水マレイン酸イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ-β-ケトカルボン酸、イタコン酸、エチレン共重合体、イタコン酸アコニット酸共重合体、イタコン酸マレイン酸共重合体、イタコン酸アクリル酸共重合体、マロン酸メチレン共重合体、イタコン酸フマール酸共重合体、エチレングリコールエチレンテレフタレート共重合体、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、これらの金属塩等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
高分子分散剤としては、ポリアクリル酸塩、オレフィン-マレイン酸共重合体の塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、オレフィン-マレイン酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
上記重量平均分子量は、リン酸緩衝溶液とアセトニトリルを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリアクリル酸を標準物質として求められる。
固形洗浄剤組成物を水に溶解した際のpHは、洗浄剤組成物10gを水90gと混合した状態(洗浄剤組成物の濃度が10重量%)で測定したpHとして、中性の洗浄剤組成物とする場合、そのpHが6以上8以下であることが望ましく、弱アルカリ性の洗浄剤組成物とする場合、pHが8を超えて11以下であることが望ましく、強アルカリ性の洗浄剤組成物とする場合、pHが11を超えることが望ましい。
pHは、堀場製作所製、D-21型のpHメーターを用いて測定することができる。
図1に示すカートリッジ洗浄剤1では、水不溶性の容器10に、その内容物としての固形洗浄剤組成物2が収容されてなる。
この例では、固形洗浄剤組成物2は、容器10の形状で固化した低塩素層または洗浄剤層20A、20C、20Eと高塩素層21B、21Dを図1に示すように交互に充填したものである。低塩素層または洗浄剤層20A、20C、20Eは、塩素剤の含有割合が0質量%の例である。
容器10は、供給口部11を有している。供給口部11は容器10の中に水が噴射される入口となり、固形洗浄剤組成物2が溶けて生じた洗浄剤溶解液が容器10から出る出口となる部位である。固形洗浄剤組成物2の、高塩素層21B、21Dには、被覆塩素剤が含まれている。
供給口部11へ水が噴射されて内容物である固形洗浄剤組成物2を溶かしながら洗浄剤溶解液を自動洗浄機に供給する。
図2(a)に示すように、カートリッジ洗浄剤1を使用する際には、噴射水60が供給口部11を通過して、容器10に収容された固形洗浄剤組成物2に到達し、固形洗浄剤組成物2が溶解した、低塩素層または洗浄剤層の洗浄剤溶解液61が生成する。
この低塩素層または洗浄剤層の洗浄剤溶解液61が供給口部11から下に落ちて自動洗浄機の洗浄タンク内へ流れて、自動洗浄機に導入される。
図2(a)はカートリッジ洗浄剤の使用開始時(低塩素層または洗浄剤層20Aの使用開始時)、図2(b)は、カートリッジ洗浄剤における高塩素層21Bの使用開始時、図2(c)は、カートリッジ洗浄剤における低塩素層または洗浄剤層20Cの使用開始時を示している。各図面において、洗浄剤溶解液(低塩素層または洗浄剤層の洗浄剤溶解液61、61b、高塩素層の洗浄剤溶解液61a)の矢印に含まれる被覆塩素剤の粒の密度が異なることを模式的に示している。この結果、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにわたって洗浄液中の有効塩素濃度は極大・極小が生じる。
なお、被覆塩素剤の含有割合が多い層を、タブレット状塩素剤が数個配置されて構成される層としてもよい。このような層を含む3層の固形洗浄剤組成物は、例えば、固形洗浄剤の層の上にタブレット塩素剤を数個載せ、その上に固形洗浄剤の層を置くことで得ることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤が使用される自動洗浄機は特に限定されないが、例えば、スプレー式自動洗浄機等が挙げられる。スプレー式自動洗浄機として、例えば、自動食器洗浄機、コンテナ洗浄機等が挙げられる。中でも、本発明のカートリッジ洗浄剤は、自動食器洗浄機用に好適に使用される。
また、本発明のカートリッジ洗浄剤は、業務用又は家庭用の自動洗浄機用として好適に使用されるが、業務用自動洗浄機用としてより好適であり、業務用の自動食器洗浄機用の除菌洗浄剤組成物として特に好適である。
また、自動洗浄機として、洗浄液又はすすぎ水に直径が100μm以下の微細気泡を付与する微細気泡付与機構を備える自動洗浄機を使用することもできる。上記微細気泡付与機構を備える自動洗浄機は、例えば、特開2017-209302号公報に記載されている。
容器本体10aは、円筒容器の下部が次第に縮径していく、所謂、ロート形状となっている。下部には筒部材12がある。
筒部材12には、中蓋体32をねじ込むためのねじ12aが形成されている。図示はしていないが、筒部材は、ねじ込みでなく爪構造によるはめ込み式で中蓋体を固定するようになっていてもよい。
開口部32a及び底部32bを含む、固形塩素剤23を載置するための部分が中蓋体32における載置部である。
底部32bは網目形状となっており、多数の開口部32aが形成されている。底部32bが網目形状であり多数の開口部32aが形成されていると、洗浄剤溶解液が中蓋体の底部を通過しやすく、均一に排出されるという利点がある。
この中蓋体32に収容する固形塩素剤としては、底部32bの網目形状の開口部32aから落下することのない大きさの固形体の固形塩素剤23であることが望ましい。
また、中蓋体32の内筒32e内には、固形塩素剤23の移動を規制するための区画部材32fが複数箇所に設けられていて、内筒32e内の空間が区画されている。区画部材32fの間隔は、区画部材32fの間に固形塩素剤23が入るように定めることが望ましい。このように固形塩素剤23の移動を規制することにより、各固形塩素剤を均一に溶解させることができる。
カバー部は、容器本体と中蓋体の間に設けられ、固形塩素剤又は固形洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りである。
フィルム部材33は、カートリッジ洗浄剤の使用時に剥がすことが可能な接着剤により中蓋体32に接着されていてもよい。フィルム部材33は、接着剤が塗布されていない突出部33aを手で掴んで剥がすことができる。また、フィルム部材を水溶性フィルムとしておき、水が触れることによってフィルム部材が溶解してなくなるようにしておいてもよい。
噴射水が円筒部材32dの間の空間を通過して、容器本体10aに収容された固形洗浄剤組成物に到達し、固形洗浄剤組成物が溶解した洗浄剤溶解液が生成する。
洗浄剤溶解液はカバー部34の開口部34aから中蓋体32の中に入り、固形塩素剤23を溶解させて、被覆塩素剤を含む固形洗浄剤組成物と固形塩素剤とを含む洗浄剤溶解液が生成する。
この洗浄剤溶解液が中蓋体32底部の開口部32aから下に落ちて自動洗浄機の洗浄タンク内へ流れ、被覆塩素剤及び固形塩素剤由来の塩素剤を含む洗浄剤溶解液が自動洗浄機に導入される。
この形態のカートリッジ洗浄剤において、円筒部材32dと、中蓋体32底部の開口部32aは、供給口部11にあたる。
同一のカートリッジ洗浄剤における、固形塩素剤に使用される塩素剤と被覆塩素剤を構成する塩素剤とは同じ種類であることが好ましい。
本発明の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法は、本発明の固形洗浄剤組成物を水に溶かして得られる洗浄液を、自動洗浄機内の菌や菌叢に作用させることを特徴とする。
例えば、本発明のカートリッジ洗浄剤を自動洗浄機に付帯の供給装置に設置して、固形洗浄剤組成物を水に溶かして得られる洗浄液を、自動洗浄機内の菌や菌叢に作用させてもよい。
本発明の固形洗浄剤組成物は、漂白用の洗浄剤組成物としても好適に使用される。
菌叢凝塊の一例として、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊が挙げられる。メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊は、赤色系統又は橙色系統のものが多い傾向がある。本発明の固形洗浄剤組成物は、メイオサーマス属及びテピジモナス属の微生物に対して除菌力を有し、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に好適に使用される。
一態様において、本発明の固形洗浄剤組成物は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊が存在する洗浄機に使用され、高い洗浄力及び該菌叢凝塊に対する除菌力を発揮する。
テピジモナス属の微生物として、テピジモナス・タイワネンシス、テピジモナス・フォンティカルディ、テピジモナス・アクアティカ、テピジモナス・イグナヴァ、テピジモナス・サーマルム等が挙げられる。
メイオサーマス属の微生物及びテピジモナス属の微生物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。メイオサーマス属の微生物として、メイオサーマス・ルーバー、メイオサーマス・タイワネンシス、メイオサーマス・シルバヌスが好ましく、テピジモナス属の微生物として、テピジモナス・タイワネンシス、テピジモナス・フォンティカルディが好ましい。一態様において、本発明の固形洗浄剤組成物は、メイオサーマス・ルーバー、メイオサーマス・タイワネンシス、メイオサーマス・シルバヌス、テピジモナス・タイワネンシス及びテピジモナス・フォンティカルディからなる群より選択される少なくとも1種の微生物の除菌に好適である。
バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属及びディフェリソマ属の微生物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
テピジフィルス属の微生物として、テピジフィルス・サクシナチマンデンス、テピジフィルス・サーモフィルス等が挙げられる。リシニバシラス属の微生物として、リシニバシラス・フシフォルミス、リシニバシラス・ボロニトエランス、リシニバシラス・グレソリヴォランス、リシニバシラス・マクロイデス、リシニバシラス・マシリエンシス、リシニバシラス・オディッセイ、リシニバシラス・パルビボロニカピエンス、リシニバシラス・シンデュリエンシス、リシニバシラス・スフェリクス、リシニバシラス・シラニリティクス等が挙げられる。ディフェリソマ属の微生物として、ディフェリソマ・キャミニ、ディフェリソマ・パレオコリエンス等が挙げられる。
本発明の固形洗浄剤組成物は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種、並びに、バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属及びディフェリソマ属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に好適に使用される。
メイオサーマス属、テピジモナス属、バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属、ディフェリソマ属の微生物として、上述した微生物が挙げられる。
菌叢凝塊に上記微生物が存在することは、例えば、菌叢凝塊を形成する微生物群の16SrDNAのDNA配列解析により確認することができる。16SrDNAのDNA配列解析は、実施例に記載の方法で行うことができる。
一態様において、本発明の固形洗浄剤組成物は、上記の微生物に加えて、エシェリヒア属の種の細菌等の微生物の除菌にも有用である。
本発明の洗浄方法は、本発明の固形洗浄剤組成物を使用する洗浄方法であって、上記固形洗浄剤組成物を水で溶かして得られる洗浄液により洗浄を行うことによって、洗浄対象物に蓄積した汚れを除去することを特徴とする。
蓄積汚れは、被洗物に蓄積した汚れであり、一例として、油脂、タンパク質、デンプンなどの成分が混合した複合汚れなどが挙げられる。被洗物として、食器、カトラリー、調理器具、金具、治具、コンテナ、トレー等が挙げられる。
本発明の固形洗浄剤組成物は、その調製方法は特に限定されないが、被覆塩素剤の含有量が少ない(例えば、塩素を含まない)固形物と、被覆塩素剤の含有量が多い固形物をそれぞれ少なくとも1種類ずつ製造し、これらを交互に充填していくことで得ることができる。被覆塩素剤の含有量が多い固形物を充填する代わりに、被覆塩素剤の含有量が少ない固形物上に被覆塩素剤を撒いても構わない。
原料の準備にあたっては、被覆塩素剤及びその他の原料組成物と水(温水)を混合して混合液を調製する。
水は温水として原料組成物と混合するか、水として原料組成物と混合したのちに加温して温水とする。混合液を調製する温水の温度は30~90℃であることが好ましい。
冷却は、固形洗浄剤組成物を構成する成分が固化する温度であればよく、室温(例えば20~35℃)に放置するのみであってもよい。また、このような冷却を省略しても構わない。
容器に被覆塩素剤を所定量撒き、その上に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合液を、容器底の被覆塩素剤の位置があまり動かないように入れるようにすることで、容器底に被覆塩素剤を配置することができる。
また、容器に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合液を入れ、その上に被覆塩素剤を撒くことによって容器の供給口部側に被覆塩素剤を配置することができる。
その後混合液を固化させることによって固形洗浄剤組成物とすることができる。
図5(a)は、被覆塩素剤を撒いた後の様子を示す模式図である。なお、被覆塩素剤は、容器の底面上に撒いてもよいし、被覆塩素剤の含有量が少ない層(固形物)上に撒いてもよい。
図5(b)は、図5(a)から更に被覆塩素剤の含有量が少ない原料組成物(例えば、塩素を含まない原料組成物)を充填する様子を示す模式図である。図5(c)は、被覆塩素剤の含有量が少ない原料組成物を充填した結果、予め撒いていた被覆塩素剤が当該原料組成物の下部分内で少し浮かび上がった様子を示す模式図である。図5(d)は、その後、被覆塩素剤の含有量が少ない原料組成物が固化し、固形洗浄剤組成物における被覆塩素剤の含有量が多い層と被覆塩素剤の含有量が少ない層が形成された様子を示す模式図である。
図6(a)は、被覆塩素剤の含有量が多い組成物を充填する様子を示す模式図である。なお、被覆塩素剤の含有量が多い組成物は、容器の底面上に充填してもよいし、被覆塩素剤の含有量が少ない固形物上に充填してもよい。
図6(b)は、その後、組成物が固化し、固形洗浄剤組成物における被覆塩素剤の含有量が多い層が形成された様子を示す模式図である。
図6(c)は、被覆塩素剤の含有量が多い層上に、被覆塩素剤の含有量が少ない原料組成物(例えば、塩素を含まない原料組成物)を充填する様子を示す模式図である。
図6(d)は、その後、組成物が固化し、固形洗浄剤組成物において被覆塩素剤の含有量が多い層上に被覆塩素剤の含有量が少ない層(例えば、塩素を含まない層)が形成された様子を示す模式図である。
図7に示した本発明の固形洗浄剤組成物は、図5に示した調製方法及び/又は図6に示した調製方法を合計2回繰り返して得ることができる。
図8に示した本発明の固形洗浄剤組成物は、先ず被覆塩素剤を撒き、その上に、被覆塩素剤の含有量が少ない(例えば、塩素を含まない)固形物を充填することで得ることができる。このように流動性のある原料組成物ではなく固形物を充填した場合は、塩素剤が浮かび上がることは無く、被覆塩素剤の含有量が多い層は、被覆塩素剤のみからなるものとなる。
また、混合液中における水(温水)の重量割合を5~20重量%とすることが好ましい。
実施例1~15及び比較例1~3の固形洗浄剤組成物を調製した。
各実施例で使用した塩素剤の粉末について表1に示した。
各実施例及び比較例の固形洗浄剤組成物の、全体の処方(組成)を表2に示した。表2には、各成分の割合を重量%で示している。
実施例1~15及び比較例1の固形洗浄剤組成物では、隣接する層間で被覆塩素剤の含有割合(表2に示した被覆塩素剤の含有量や固形洗浄剤組成物の全体及び各層の厚み、比重から算出される)が異なる。隣接する層より被覆塩素剤の含有割合の少ない層中の組成は、被覆塩素剤を含まない。隣接する層より被覆塩素剤の含有割合の多い層中に、被覆塩素剤が集中している。
混合液を調製する温水の温度は30~90℃とする。
比較例2、3では、このようにして均一構造体である固形洗浄剤組成物を得る。
実施例1~15及び比較例1では、その後、被覆塩素剤の含有割合の少ない固形物と被覆塩素剤の含有割合の多い固形物とを交互に充填して固形洗浄剤組成物を得る。なお、隣接する層より被覆塩素剤の含有割合の多い層を高塩素層とも言い、隣接する層より被覆塩素剤の含有割合の少ない層であって、塩素剤を含む層を低塩素層、塩素剤を含まない層を洗浄剤層とも言う。
下記表中、A層が最も供給口部側であり、B層はA層の供給口部側とは反対側(固形洗浄剤組成物を収容する容器の底面側)に隣接し、C層はB層の供給口部側とは反対側に隣接し、D層はC層の供給口部側とは反対側に隣接し、E層はD層の供給口部側とは反対側に隣接するとともに、上記容器の最も底面側である。
(1)強化ガラス製のグラス115mLに、水を7割(80mL)、複合汚垢を0.3g添加し、良く混ぜた後、壁面に汚れがつくように傾けて2周させ、70℃インキュベーターに一晩静置した。
(2)洗浄は、自動食器洗浄機としてホシザキ650(ホシザキ株式会社製)を使用し、高塩素層(なお、高塩素層が複数ある場合は、得られる洗浄液の塩素濃度が最も低くなる層を指す)を用いて得られる洗浄剤の濃度を0.1%とし、洗浄を1回実施するごとに、グラスに水を40mL(室温)、複合汚垢(室温)を0.3g添加し、良く混ぜた後、上記同様に壁面に汚れがつくように傾けて2周させ、70℃インキュベーターに10分静置した。
(3)(2)を10回繰り返したときのグラスの仕上がりを下記評価基準で評価した。
◎:筋が少なく透明度が高い
〇:筋はあるが透明度がやや高い
△:曇りや筋が多い
×:汚れが著しい
メラミン食器を洗浄剤全体の組成の平均濃度(高塩素層すべてと低塩素層又は洗浄剤層すべての平均濃度)となる洗浄剤の濃度0.1%で10回繰り返し洗浄した。自動食器洗浄機としてホシザキ650(ホシザキ株式会社製)を使用した。カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにおける洗浄液中の有効塩素濃度の平均値は、同じカートリッジ洗浄剤を使用して同じ洗浄対象物を繰り返し洗浄した際に洗浄対象物が塩素剤により受けるダメージの指標になる。
◎:洗浄前と同等
〇:ほとんど黄変していない
×:黄変した
被検菌を60℃で栄研化学株式会社製普通ブイヨン培地で24時間培養したものを菌液とした。各試料(上記1)洗浄力評価で製造した濃度0.1%の洗浄剤)をイオン交換水で0.1%に希釈し60℃に加温したものを菌液と99対1の比率(体積比)で混合して、試料添加菌液とした。15秒反応後、滅菌済みチオ硫酸Naを含むpH7の緩衝液で試料添加菌液を中和し、中和後の試料添加菌液を生理食塩水で段階希釈した。この希釈液1000μLと日本製薬株式会社製標準寒天培地30mLを、プレートに加えた。プレートを60℃で48時間インキュベートした後、コロニー形成単位(CFU)をカウントした。対照と試料のlog10CFUの差(対照のlog10CFU-試料のlog10CFU)から、組成物の被検菌に対する除菌力を次のように評価した。対照には60℃のイオン交換水を用いた。対照と試料のlog10CFUの差(対照のlog10CFU-試料のlog10CFU)を、Δlog10CFUと記載する。
(除菌力の評価基準)
◎:Δlog10CFUが5以上の除菌効果
○:Δlog10CFUが3以上、5未満の除菌効果
△:Δlog10CFUが1以上、3未満の除菌効果
×:Δlog10CFUが1未満の除菌効果
一方、比較例1の2層構造の固形洗浄剤組成物や、比較例2、3の均一構造体の固形洗浄剤組成物は、洗浄対象物への影響が小さいことと、高い洗浄力、殺菌効果とを両立できていなかった。また、比較例1では、被覆塩素剤の含有割合が多い層と少ない層がそれぞれ1層ずつしか無く、含有割合が僅か1質量%の被覆塩素剤が厚み80mmの層に広く分布していることと相まって、洗浄液の有効塩素濃度が低く、洗浄力や殺菌効果が充分でなかった。
このことから、隣接する層間で被覆塩素剤の含有割合が異なる3層以上の多層構造を有する固形洗浄剤組成物は、例えば該固形洗浄剤組成物を含んで構成されるカートリッジ洗浄剤を使用して、洗浄対象物を繰り返し洗浄したときに、洗浄対象物に与えるダメージを少なくして、かつ、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去することができることがわかる。
中でも、例えば、上記多層構造が、層(A)、層(B)、層(C)、層(D)、及び、層(E)をこの順で含んで構成され、層(B)及び層(D)が、それぞれ、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い実施例3、7では、本発明の効果を顕著なものとすることができることがわかった。また、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層が複数あり、それぞれの平均厚さが5~30mmであり、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の少なくとも1つの平均厚さが80~180mmである実施例4、5、8、13でも、本発明の効果を顕著なものとすることができることがわかった。
10 容器
10a 容器本体
11 供給口部
12 筒部材
12a ねじ
2 固形洗浄剤組成物
21B、21D、B、D、B1 高塩素層
20A、20C、20E、A、C、A1 低塩素層または洗浄剤層
23 固形塩素剤
32 中蓋体
32a 開口部
32b 底部
32c 円筒部分
32d 円筒部材
32e 内筒
32f 区画部材
33 外蓋体(フィルム部材)
33a 突出部
34 カバー部
34a カバー部の開口部
320a ねじ
60 噴射水
61a 高塩素層の洗浄剤溶解液
61、61b 低塩素層または洗浄剤層の洗浄剤溶解液
Claims (8)
- 塩素剤の周囲が被覆剤で被覆された被覆塩素剤を含む固形洗浄剤組成物であって、
該固形洗浄剤組成物は、隣接する層間で被覆塩素剤の含有割合が異なる3層以上の多層構造を有し、
前記多層構造は、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層における被覆塩素剤の含有量が、各層において、本発明の固形洗浄剤組成物の質量100質量%に対して、4質量%以下であることを特徴とする固形洗浄剤組成物。 - 前記多層構造は、層(A)、層(B)、及び、層(C)をこの順で含んで構成され、層(B)は、層(A)、層(C)のいずれよりも被覆塩素剤の含有割合が多いか、又は、被覆塩素剤の含有割合が少ない請求項1に記載の固形洗浄剤組成物。
- 前記多層構造は、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の被覆塩素剤の含有割合が2質量%以上、4質量%以下である請求項1又は2に記載の固形洗浄剤組成物。
- 前記多層構造は、層(A)、層(B)、層(C)、層(D)、及び、層(E)をこの順で含んで構成され、
層(B)及び層(D)は、それぞれ、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多いか、又は、被覆塩素剤の含有割合が少ない請求項1~3のいずれかに記載の固形洗浄剤組成物。 - 前記多層構造は、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が多い層の平均厚さが1mm以上、100mm以下であり、隣接する層よりも被覆塩素剤の含有割合が少ない層の平均厚さが30mm以上である請求項1~4のいずれかに記載の固形洗浄剤組成物。
- 内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、
前記内容物は、請求項1~5のいずれかに記載の固形洗浄剤組成物であることを特徴とするカートリッジ洗浄剤。 - 請求項1~5のいずれかに記載の固形洗浄剤組成物を使用する洗浄方法であって、
前記固形洗浄剤組成物を水で溶かして得られる洗浄液により洗浄を行うことによって、洗浄対象物に蓄積した汚れを除去することを特徴とする洗浄方法。 - 請求項1~5のいずれかに記載の固形洗浄剤組成物を水に溶かして得られる洗浄液を、自動洗浄機内の菌や菌叢に作用させることを特徴とする、微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
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