JP2020105391A - カートリッジ洗浄剤、洗浄方法、微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法、及び、カートリッジ洗浄剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2と特許文献3には、塩素系漂白剤を配合した固形の洗浄剤組成物が公開されている。しかしながら、塩素濃度の濃淡については言及されていない。
すなわち、同じカートリッジ洗浄剤を使用して同じ洗浄対象物を洗浄することが日常的に行われている。
塩素剤を加える場合は、有効塩素濃度ができるだけ高くなるような洗浄液(洗浄槽内の洗浄に用いる液を言う。)を用いて洗浄を行うことが汚れや雑菌の除去に効果的である。
そのため、洗浄剤組成物に塩素剤を加えて洗浄対象物の洗浄を行う場合には、有効塩素濃度が高い洗浄液を使用して洗浄を行うことが好ましいと考えられていた。また、洗浄効果を均一にする観点から、常に有効塩素濃度が高い洗浄液を使用することが好ましいと考えられていた。
また、本発明のカートリッジ洗浄剤を自動食器洗浄機に付帯の供給装置に設置して使用すると、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了(洗浄剤が消費され使いきった時点)までにわたって有効塩素濃度を測定した際に、固形洗浄剤組成物の濃度が0.10重量%となる洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上であるピークが少なくとも1つ存在する。
このようなカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物を繰り返し洗浄すると、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち少なくとも1回、有効塩素濃度が高い洗浄液での洗浄を行うことができるので、洗浄対象物に与えるダメージを少なくして、かつ、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去することができる。
これにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにおける洗浄液中の有効塩素濃度の平均値は、同じカートリッジ洗浄剤を使用して同じ洗浄対象物を繰り返し洗浄した際に洗浄対象物が塩素剤により受けるダメージの指標になる。この平均値を最大有効塩素濃度の3分の2以下となるようにすることにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークが、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち少なくとも1つ存在することから、有効塩素濃度の平均値が最大有効塩素濃度の3分の2以下と小さくなるということは、上記ピーク以外の期間においては有効塩素濃度がピークの有効塩素濃度に比べて低い状態に制御されていることを意味している。
供給始めと終わりを除く区間において有効塩素濃度の最小値が0以上5ppm未満の洗浄液により洗浄する区間があるということは、ピーク以外の区間で有効塩素濃度がかなり低下する区間があることを意味しており、この場合は洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
被覆剤が上記芳香族カルボン酸の塩であると、固形洗浄剤組成物中の他の成分と反応することを防止することができ、かつ、被覆剤が水に溶解するので洗浄液中では塩素剤の効果を発揮させることができるため有効である。
上記構成であると、被覆塩素剤が偏在している箇所が溶解した際に有効塩素濃度が局所的に高くなることから、この箇所が溶解して供給される洗浄剤溶解液により、洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークを発生させることができる。
上記構成であると、固形塩素剤の層が溶解した際に有効塩素濃度が局所的に高くなることから、固形塩素剤の層が溶解して供給される洗浄剤溶解液により、洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークを発生させることができる。
そして、その他の期間での洗浄では高塩素濃度の洗浄液による洗浄はされないので、洗浄対象物に与えるダメージを少なくすることができる。
これにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
これにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
上記方法であると、高塩素濃度の洗浄液を自動洗浄機内に形成された菌や菌叢に作用させることで微生物又は菌叢凝塊を好適に除去することができる。
被覆塩素剤(C)は、メイオサーマス属及びテピジモナス属の微生物に対して除菌力を有する。一方、自動食器洗浄機等の洗浄機内に菌叢凝塊が形成されると、微生物は汚れや有機物に保護されて、塩素剤による除菌効果が低減される。菌叢凝塊の除菌には、有機物等を除去して菌叢凝塊内部の微生物を露出させて除菌剤と接触しやすくさせて、その除菌効果を発揮させることが重要であり、このためには固形洗浄剤組成物が除菌力に加えて洗浄力が良好である必要がある。上記固形洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)及びキレート剤(B)を含むことにより、上記微生物に対する除菌力に加えて洗浄力が良好である。従って、上記固形洗浄剤組成物は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に有用である。例えば上記固形洗浄剤組成物を、上記微生物を含む菌叢凝塊が存在する洗浄機に使用して、該菌叢凝塊に作用させることにより、該菌叢凝塊の除菌が可能となる。また、上記固形洗浄剤組成物を洗浄機内の上記微生物に作用させることにより、該微生物を除菌することができる。上記固形洗浄剤組成物は、上記の微生物を含む菌叢凝塊が存在する洗浄機用の洗浄剤組成物として好適である。
被覆塩素剤(C)は、これらの微生物に対して除菌力を有することから、本発明の菌叢凝塊の除去方法は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種に加えて、上記の少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に有用である。上記固形洗浄剤組成物は、上記の微生物を含む菌叢凝塊が存在する洗浄機用の洗浄剤組成物として好適である。
本発明の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法は洗浄力及び微生物に対する除菌力を有することから、菌叢凝塊が存在する洗浄機に好適に適用され、硬質表面を有する洗浄対象物を洗浄しながら、菌叢凝塊を除菌することが可能となる。
本明細書中、カートリッジ洗浄剤中の固形洗浄剤組成物の各成分の含量(重量%)は、特に断らない場合には固形洗浄剤組成物中の純分(固形分)の含量である。
図1に示すカートリッジ洗浄剤1では、水不溶性の容器10に、その内容物としての固形洗浄剤組成物20が収容されてなる。
この例では、固形洗浄剤組成物20は、容器10の形状で固化した固形体である。
容器10は、供給口部11を有している。供給口部11は容器10の中に水が噴射される入口となり、固形洗浄剤組成物20が溶けて生じた洗浄剤溶解液が容器10から出る出口となる部位である。固形洗浄剤組成物20中には、アルカリ剤とキレート剤と塩素剤が含まれている。
供給口部11へ水が噴射されて内容物である固形洗浄剤組成物20を溶かしながら洗浄剤溶解液を自動洗浄機に供給する。
固形洗浄剤組成物20には、塩素剤が多く含まれている層である高塩素層21と高塩素層に比べて塩素剤の含有量が低い洗浄剤層22が設けられている。
図1では高塩素層21はカートリッジ洗浄剤の供給口部側に設けられた層であるが、カートリッジ洗浄剤の底面側に設けられた層であっても構わない。
これらの層の詳細については後述する。
洗浄液の有効塩素濃度の測定につき、以下に説明する。
図2(a)はカートリッジ洗浄剤の使用開始時、図2(b)は、カートリッジ洗浄剤を半分程度使用した時点、図2(c)はカートリッジ洗浄剤の使用終了間際の時点を示している。
この洗浄剤溶解液61が供給口部11から下に落ちて自動洗浄機の洗浄タンク内へ流れて、自動洗浄機に導入される。
図2(a)に示すカートリッジ洗浄剤1の使用開始時の段階では、塩素剤が多く含まれている層である高塩素層21が溶解されるので、生成する洗浄剤溶解液61における有効塩素濃度が高くなる。
なお、洗浄液の温度を25℃とし、固形洗浄剤組成物の濃度を0.10重量%とするのは、本発明で規定する有効塩素濃度を測定するために必要な条件である。本発明のカートリッジ洗浄剤を使用する際の洗浄液の温度と、固形洗浄剤組成物の濃度を限定するものではない。
有効塩素濃度の測定は、25℃水溶液にて行う。
(1)洗浄槽の水溶液100gを秤量し、硫酸アルミニウム5g、ヨウ化カリウムを5g加え、充分に撹拌する。
(2)上記水溶液に氷酢酸を10mL添加する。
(3)均一に混合した後、N/100チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定する。
(4)溶液の色が淡黄色から無色になった点を終点とする。
(5)終点のチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量から、下記式(1)により有効塩素濃度を計算する。
有効塩素濃度(ppm)=N/100チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量(mL)×3.546 (1)
(6)上記(1)〜(5)の測定を、カートリッジ洗浄剤の使用開始時から使用終了時にまでわたって繰り返し行う。
このようなカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物を繰り返し洗浄すると、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間に少なくとも1回、有効塩素濃度が15ppm以上である高塩素濃度の洗浄液での洗浄を行うことができるので、洗浄対象物に与えるダメージを少なくして、かつ、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去することができる。
また、有効塩素濃度が60ppmを超えると洗浄作業者等が塩素臭を不快に感じることがあり、また、被洗物の材質への影響が強まる。
カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにおける洗浄液中の有効塩素濃度の平均値は、同じカートリッジ洗浄剤を使用して同じ洗浄対象物を繰り返し洗浄した際に洗浄対象物が塩素剤により受けるダメージの指標になる。この平均値を最大有効塩素濃度の3分の2以下となるようにすることにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
本発明のカートリッジ洗浄剤では洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークが、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間に少なくとも1つ存在することから、有効塩素濃度の平均値が最大有効塩素濃度の3分の2以下と小さくなるということは、上記ピーク以外の期間においては有効塩素濃度がピークの有効塩素濃度に比べて低い状態に制御されていることを意味している。
有効塩素濃度の平均値は、測定した有効塩素濃度を縦軸、カートリッジ洗浄剤の使用量を横軸にとってグラフを描いた際の各測定点の有効塩素濃度の平均値として求めることができる。
供給始めと終わりを除く区間において有効塩素濃度の最小値が0以上5ppm未満の洗浄液により洗浄する区間があるということは、ピーク以外の区間で有効塩素濃度がかなり低下する区間があることを意味しており、この場合は洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
固形洗浄剤組成物は、アルカリ剤(A)と、キレート剤(B)と、被覆塩素剤(C)とを含む。その他の成分として、例えば、防食剤、界面活性剤、高分子分散剤等を含んでいてもよい。
上記リン酸系のキレート剤としては、トリポリリン酸、ヘキサメタリン酸塩等が挙げられる。
塩素剤の周囲を被覆剤で被覆することによって、固形洗浄剤組成物に含まれる他の成分である、例えばキレート剤やアルカリ剤と塩素剤が反応して塩素剤が失活することを防止することができる。そのため、固形洗浄剤組成物中に塩素剤が被覆塩素剤の形で含まれていると、塩素剤が有効な状態で含有された固形洗浄剤組成物とすることができる。
カルボン酸塩としては、芳香族カルボン酸塩、非環状ジカルボン酸塩、炭素数1〜7の非環状モノカルボン酸塩等が挙げられる。
芳香族カルボン酸塩としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、3−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシ安息香酸、ケイ皮酸、o−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、フェニル酢酸、2−フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸、フェニルピルビン酸、o−t−ブチル安息香酸、m−t−ブチル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、3,5−ジ−t−ブチル安息香酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、o−ベンゾイル安息香酸、m−ベンゾイル安息香酸、p−ベンゾイル安息香酸、アントラニル酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシフェニル酢酸、3−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシフェニル酢酸、D−マンデル酸、L−マンデル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、2−メトキシフェニル酢酸、3−メトキシフェニル酢酸、4−メトキシフェニル酢酸等の芳香族カルボン酸の塩が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
炭素数1〜7の非環状モノカルボン酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、ヘキサン酸塩、ヘプタン酸塩等が挙げられる。
安息香酸塩として、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸マグネシウム等が挙げられ、溶解性の観点から、好ましくは安息香酸ナトリウムである。
防食剤としては、アルミニウム、銅又は銅合金に対する防食剤を用いることが好ましい。このような防食剤として、例えば、ベンゾトリアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、5−ドデシルベンゾトリアゾール、5−オクチルベンゾトリアゾール、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−ブチルベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、4−カルボキシベンゾトリアゾール、5−カルボキシベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾールメチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールブチルエステル、カルボキシベンゾトリアゾールヘキシルエステル、ベンゾトリアゾールオクチルエステル、ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール等)、ベンゾイミダゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、チアゾリルベンゾイミダゾール、チアベンダゾール等)、ベンゾチアゾール又はその誘導体(例えば、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等)を好適に使用することができる。中でも、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾールが好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤等を使用することができ、好ましくは非イオン界面活性剤である。非イオン界面活性剤として、例えば、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、リバースプルロニック型ブロックポリマー、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、ポリオキシエチレンメチルエーテル脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン等が挙げられる。
このような高分子分散剤を含有すると、スケール防止能が向上する。高分子分散剤は1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記高分子分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアコニット酸、ポリイタコン酸、ポリシトラコン酸、ポリフマル酸、ポリマレイン酸、ポリメタコン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、ポリビニルホスホン酸、スルホン化ポリマレイン酸、オレフィン−マレイン酸共重合体、無水マレイン酸ジイソブチレン共重合体、無水マレイン酸スチレン共重合体、無水マレイン酸メチルビニルエーテル共重合体、無水マレイン酸エチレン共重合体、無水マレイン酸エチレンクロスリンク共重合体、無水マレイン酸アクリル酸共重合体、無水マレイン酸酢酸ビニル共重合体、無水マレイン酸アクリロニトリル共重合体、無水マレイン酸アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸ブタジエン共重合体、無水マレイン酸イソプレン共重合体、無水マレイン酸と一酸化炭素から誘導されるポリ−β−ケトカルボン酸、イタコン酸、エチレン共重合体、イタコン酸アコニット酸共重合体、イタコン酸マレイン酸共重合体、イタコン酸アクリル酸共重合体、マロン酸メチレン共重合体、イタコン酸フマール酸共重合体、エチレングリコールエチレンテレフタレート共重合体、ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体、これらの金属塩等が挙げられる。
金属塩としては、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属の塩;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属の塩を挙げることができる。中でも、アルカリ金属の塩が好ましく、ナトリウム塩又はカリウム塩がより好ましい。
高分子分散剤としては、ポリアクリル酸塩、オレフィン−マレイン酸共重合体の塩が好ましく、ポリアクリル酸ナトリウム、オレフィン−マレイン酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
上記重量平均分子量は、リン酸緩衝溶液とアセトニトリルを展開溶媒とし、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリアクリル酸を標準物質として求められる。
固形洗浄剤組成物を水に溶解した際のpHは、洗浄剤組成物10gを水90gと混合した状態(洗浄剤組成物の濃度が10重量%)で測定したpHとして、中性の洗浄剤組成物とする場合、そのpHが6以上9未満であることが望ましく、弱アルカリ性の洗浄剤組成物とする場合、pHが9以上12未満であることが望ましく、強アルカリ性の洗浄剤組成物とする場合、pHが12以上であることが望ましい。
pHは、堀場製作所製、D−21型のpHメーターを用いて測定することができる。
このカートリッジ洗浄剤では、固形洗浄剤組成物において内容物が一体化された固形状であり、固形洗浄剤組成物内において塩素剤(C)が偏在している箇所が少なくとも1か所存在している。
高塩素層21は、被覆塩素剤(C)が偏在している箇所であるといえる。そして、図1では高塩素層21はカートリッジ洗浄剤の供給口部側に設けられた層であるが、カートリッジ洗浄剤のその他の箇所(例えば、底面側)に設けられた層であってもよい。
図2(a)に示すように、カートリッジ洗浄剤1の使用開始時の段階では、塩素剤が多く含まれている層である高塩素層21が溶解されるので、生成する洗浄剤溶解液61における有効塩素濃度が高くなる。
図2(b)に示すように、カートリッジ洗浄剤1を半分程度使用した時点では、塩素剤の含まれる量が少ない洗浄剤層22が溶解される。そのため、この段階で生成する洗浄剤溶解液62における有効塩素濃度は低くなる。
図2(c)に示すように、カートリッジ洗浄剤1の使用終了間際の時点では、図2(b)に示すのと同様に、塩素剤の含まれる量が少ない洗浄剤層22が溶解されるので、生成する洗浄剤溶解液63における有効塩素濃度は低くなる。
また、カートリッジ洗浄剤1の使用開始時の時点以外では有効塩素濃度はそれほど高くならない。
図3は、本発明のカートリッジ洗浄剤の別の実施形態を模式的に示す断面図である。
このカートリッジ洗浄剤では、被覆塩素剤(C)が固形塩素剤(c1)であり、固形洗浄剤組成物は、固形塩素剤(c1)の層と、固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層を含み、固形塩素剤(c1)の層がカートリッジ洗浄剤に少なくとも1か所存在する。
固形洗浄剤組成物120は、固形塩素剤123が含まれる固形塩素剤の層121Bと、固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層122A、122Cとの3層からなる。固形塩素剤の層121Bはカートリッジ洗浄剤の体積基準で中央部分に存在するが、上半分に存在してもよく、下半分に存在してもよい。
アルカリ剤及びキレート剤並びにその他の成分としては、固形洗浄剤組成物を構成する各成分として説明した成分を使用することができ、図1に示したカートリッジ洗浄剤1における洗浄剤層22と同様の成分を使用することができる。
また、固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層を構成する固形洗浄剤組成物に塩素剤が含まれていてもよい。この場合、使用時の有効塩素濃度を考慮して塩素剤を少なめに配合することが好ましい。
また、カートリッジ洗浄剤101において固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層122A、122Cが溶解する時点では有効塩素濃度はそれほど高くならない。
図4は、本発明のカートリッジ洗浄剤の別の実施形態を模式的に示す断面図である。
また、図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、図4に示すカートリッジ洗浄剤を構成する中蓋体及び外蓋体の一実施例を模式的に示す概念図である。
容器本体210は水不溶性の容器であり、その内容物としての固形洗浄剤組成物220が収容されてなる。
固形洗浄剤組成物220は、洗浄剤層からなる。なお、図示はしていないが、洗浄剤層の他に、塩素剤が多く設けられている高塩素層が設けられていても構わない。
洗浄剤層を構成する成分としては、図1に示したカートリッジ洗浄剤1における洗浄剤層22と同様の成分を使用することができる。
筒部材212には、中蓋体232をねじ込むためのねじ212aが形成されている。図示はしていないが、筒部材は、ねじ込みでなく爪構造によるはめ込み式で中蓋体を固定するようになっていてもよい。
また、固形塩素剤に使用される塩素剤としては、被覆塩素剤を構成する塩素剤として挙げた塩素剤を使用することができる。また、被覆塩素剤に結合補助剤を加えて固形化したものを使用してもよい。
開口部232a及び底部232bを含む、固形塩素剤223を載置するための部分が中蓋体232における載置部である。
底部232bは網目形状となっており、多数の開口部232aが形成されている。底部232bが網目形状であり多数の開口部232aが形成されていると、洗浄剤溶解液が中蓋体の底部を通過しやすく、均一に排出されるという利点がある。
この中蓋体232に収容する固形塩素剤としては、底部232bの網目形状の開口部232aから落下することのない大きさの固形体の固形塩素剤223であることが望ましい。
また、中蓋体232の内筒232e内には、固形塩素剤223の移動を規制するための区画部材232fが複数箇所に設けられていて、内筒232e内の空間が区画されている。区画部材232fの間隔は、区画部材232fの間に固形塩素剤223が入るように定めることが望ましい。このように固形塩素剤223の移動を規制することにより、各固形塩素剤を均一に溶解させることができる。
カバー部は、容器本体と中蓋体の間に設けられ、固形塩素剤又は固形洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りである。
フィルム部材233は、カートリッジ洗浄剤の使用時に剥がすことが可能な接着剤により中蓋体232に接着されていてもよい。フィルム部材233は、接着剤が塗布されていない突出部233aを手で掴んで剥がすことができる。また、フィルム部材を水溶性フィルムとしておき、水が触れることによってフィルム部材が溶解してなくなるようにしておいてもよい。
噴射水が円筒部材232dの間の空間を通過して、容器本体210(図4参照)に収容された固形洗浄剤組成物220に到達し、固形洗浄剤組成物220が溶解した洗浄剤溶解液が生成する。
洗浄剤溶解液はカバー部234の開口部234aから中蓋体232の中に入り、固形塩素剤223を溶解させて、固形洗浄剤組成物と固形塩素剤とを含む洗浄剤溶解液が生成する。
この洗浄剤溶解液が中蓋体232底部の開口部232aから下に落ちて自動洗浄機の洗浄タンク内へ流れ、被覆塩素剤及び固形塩素剤由来の塩素剤を含む洗浄剤溶解液が自動洗浄機に導入される。
この形態のカートリッジ洗浄剤において、円筒部材232dと、中蓋体232底部の開口部232aは、供給口部にあたる。
このピークは、通常、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間の前半期間に生じるピークとなる。固形塩素剤の配合量は、例えば、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち前半期間に溶解がほぼ終了する程度とすることが好ましい。
固形塩素剤223が溶解した後のしばらくの間は、塩素剤の含まれる量が少ない洗浄剤層が溶解される。そのため、この段階で生成する洗浄剤溶解液における有効塩素濃度は低くなる。
本発明の洗浄方法は、内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、上記供給口部を下向きに設置し、上記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動洗浄機用のカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物の洗浄を繰り返し行う洗浄方法であって、上記カートリッジ洗浄剤は、本発明のカートリッジ洗浄剤であり、同一のカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物を繰り返し洗浄する際に、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間に少なくとも1回、洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となる高塩素濃度の洗浄液により洗浄を行うことによって、洗浄対象物に蓄積した汚れを除去することを特徴とする。
そして、その他の期間での洗浄では高塩素濃度の洗浄液による洗浄はされないので、洗浄対象物に与えるダメージを少なくすることができる。
また、ピークの有効塩素濃度は、60ppm以下であることが好ましい。有効塩素濃度が60ppmを超えると洗浄作業者等が塩素臭を不快に感じることがあり、60ppmを超えて有効塩素濃度を高くしても洗浄性の向上効果が少ない。上記ピークの有効塩素濃度は、30ppm以下であることがより好ましく、25ppm以下であることが更に好ましく、20ppm以下であることが特に好ましい。
このようにすることにより洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
有効塩素濃度の平均値は、測定した有効塩素濃度を縦軸、カートリッジ洗浄剤の使用量を横軸にとってグラフを描いた際の各測定点の有効塩素濃度の平均値として求めることができる。
このようにすることにより、洗浄対象物に与えるダメージをより少なくすることができる。
本発明の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法は、本発明の洗浄方法において使用する高塩素濃度の洗浄液を、自動洗浄機内の菌や菌叢に作用させることを特徴とする。
上記方法であると、高塩素濃度の洗浄液を自動洗浄機内に形成された菌や菌叢に作用させることで微生物又は菌叢凝塊を好適に除去することができる。
菌叢凝塊の一例として、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊が挙げられる。メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊は、赤色系統又は橙色系統のものが多い傾向がある。本発明のカートリッジ洗浄剤は、メイオサーマス属及びテピジモナス属の微生物に対して除菌力を有し、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に好適に使用される。
一態様において、本発明のカートリッジ洗浄剤は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊が存在する洗浄機に使用され、高い洗浄力及び該菌叢凝塊に対する除菌力を発揮する。
テピジモナス属の微生物として、テピジモナス・タイワネンシス、テピジモナス・フォンティカルディ、テピジモナス・アクアティカ、テピジモナス・イグナヴァ、テピジモナス・サーマルム等が挙げられる。
メイオサーマス属の微生物及びテピジモナス属の微生物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。メイオサーマス属の微生物として、メイオサーマス・ルーバー、メイオサーマス・タイワネンシス、メイオサーマス・シルバヌスが好ましく、テピジモナス属の微生物として、テピジモナス・タイワネンシス、テピジモナス・フォンティカルディが好ましい。一態様において、本発明のカートリッジ洗浄剤は、メイオサーマス・ルーバー、メイオサーマス・タイワネンシス、メイオサーマス・シルバヌス、テピジモナス・タイワネンシス及びテピジモナス・フォンティカルディからなる群より選択される少なくとも1種の微生物の除菌に好適である。
バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属及びディフェリソマ属の微生物は、それぞれ1種であってもよく、2種以上であってもよい。
テピジフィルス属の微生物として、テピジフィルス・サクシナチマンデンス、テピジフィルス・サーモフィルス等が挙げられる。リシニバシラス属の微生物として、リシニバシラス・フシフォルミス、リシニバシラス・ボロニトエランス、リシニバシラス・グレソリヴォランス、リシニバシラス・マクロイデス、リシニバシラス・マシリエンシス、リシニバシラス・オディッセイ、リシニバシラス・パルビボロニカピエンス、リシニバシラス・シンデュリエンシス、リシニバシラス・スフェリクス、リシニバシラス・シラニリティクス等が挙げられる。ディフェリソマ属の微生物として、ディフェリソマ・キャミニ、ディフェリソマ・パレオコリエンス等が挙げられる。
本発明のカートリッジ洗浄剤は、メイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種、並びに、バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属及びディフェリソマ属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む菌叢凝塊の発生防止又は除菌に好適に使用される。
メイオサーマス属、テピジモナス属、バシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属、ディフェリソマ属の微生物として、上述した微生物が挙げられる。
菌叢凝塊に上記微生物が存在することは、例えば、菌叢凝塊を形成する微生物群の16SrDNAのDNA配列解析により確認することができる。16SrDNAのDNA配列解析は、実施例に記載の方法で行うことができる。
一態様において、本発明のカートリッジ洗浄剤は、上記の微生物に加えて、エシェリヒア属の種の細菌等の微生物の除菌にも有用である。
本発明のカートリッジ洗浄剤で使用する固形洗浄剤組成物の調製方法は特に限定されないが、塩素剤の含有量が少ない(例えば、塩素剤を含まない)固形物と、塩素剤の含有量が多い固形物をそれぞれ少なくとも1種類ずつ製造し、塩素剤が偏在している箇所がカートリッジ洗浄剤に少なくとも1か所存在するように設ける方法が挙げられる。
なお、塩素剤として固形塩素剤を使用し、塩素剤の含有量が少ない固形物と固形塩素剤を交互に充填するようにしても構わない。
塩素剤の含有量が多い固形物を製造するための原料の準備にあたっては、塩素剤及びその他の原料組成物と水(温水)を混合して混合溶融液を調製する。
水は温水として原料組成物と混合するか、水として原料組成物と混合したのちに加温して温水とする。混合溶融液を調製する温水の温度は30〜90℃であることが好ましい。
塩素剤を含まない固形物を製造するための原料の準備にあたっては、塩素剤を使用せずに混合溶融液を調製して上記と同様の手順を取ればよい。
冷却は、固形洗浄剤組成物を構成する成分が固化する温度であればよく、室温(例えば20〜35℃)に放置するのみであってもよい。また、このような冷却を省略しても構わない。
容器に塩素剤を所定量撒き、その上に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合溶融液を、容器底の塩素剤の位置があまり動かないように入れるようにすることで、容器底に塩素剤を配置することができる。
また、容器に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合溶融液を入れ、その上に塩素剤を撒くことによって容器の供給口部側に塩素剤を配置することができる。
その後混合溶融液を固化させることによって固形洗浄剤組成物とすることができる。
また、混合溶融液中における水(温水)の重量割合を5〜20重量%とすることが好ましい。
実施例1〜12及び比較例1、2のカートリッジ洗浄剤を調製した。
実施例1〜12及び比較例1、2のカートリッジ洗浄剤の、全体の処方(組成)を表1に示した。表1には、各成分の割合を重量%で示している。
「容器底」に塩素剤を配置する場合、容器に塩素剤を所定量撒き、その上に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合溶融液を、容器底の塩素剤の位置があまり動かないように入れるようにして、容器底に塩素剤が配置されるようにした。
「容器上」に塩素剤を配置する場合、容器に塩素剤を含まない固形洗浄剤組成物の成分の混合溶融液を入れ、混合溶融液上に塩素剤を撒き、混合溶融液を固化させることで固形洗浄剤組成物表面(「容器上」)に塩素剤が配置されるようにした。
各実施例及び比較例のカートリッジ洗浄剤を自動食器洗浄機に付帯の供給装置に設置して、固形洗浄剤組成物の濃度が0.10重量%となる洗浄液が得られるように噴射する水の量を調整して洗浄液を得た。噴射水の温度は35℃とし、有効塩素濃度の測定は25℃水溶液で行った。
下記(1)〜(5)の手順により、カートリッジ洗浄剤の使用開始時から使用終了時にまでわたって30分おきに繰り返し行った。
(1)洗浄槽の水溶液100gを秤量し、硫酸アルミニウム5g、ヨウ化カリウムを5g加え、充分に撹拌した。
(2)上記水溶液に氷酢酸を10mL添加した。
(3)均一に混合した後、N/100チオ硫酸ナトリウム水溶液で滴定した。
(4)溶液の色が淡黄色から無色になった点を終点とした。
(5)終点のチオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量から、下記式(1)により有効塩素濃度を計算した。
有効塩素濃度(ppm)=N/100チオ硫酸ナトリウム水溶液の滴下量(mL)×3.546 (1)
図6に示すように、実施例4、5のカートリッジ洗浄剤では、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにわたって測定した際に、洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークが、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち1つ存在している。
一方、比較例1、2のカートリッジ洗浄剤では、洗浄液中の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークは上記期間に存在しない。
また実施例4、5のカートリッジ洗浄剤では、洗浄対象物を繰り返し洗浄する際に、供給始めと終わりを除く区間において有効塩素濃度の最小値が0以上5ppm未満となっている。これは、他の実施例でも同様である。
また、各実施例及び比較例における有効塩素濃度の平均値も併せて示している。
(1)強化ガラス製のグラス容器(115mL)に、水を7割(80mL)、複合汚垢を0.3g添加し、良く混ぜた後、壁面に汚れがつくように傾けて2周させ、70℃インキュベーターに一晩静置した。
(2)洗浄は、自動食器洗浄器としてホシザキ650(ホシザキ株式会社製)を使用し、洗浄剤濃度0.1重量%とし、洗浄を1回実施するごとに、グラスに水を40mL(室温)、複合汚垢(室温)を0.3g添加し、良く混ぜた後、上記同様に壁面に汚れがつくように傾けて2周させ、70℃インキュベーターに10分静置した。
(3)(2)を10回繰り返したときのグラスの仕上がりを下記評価基準で評価した。
なお、当該評価は、有効塩素濃度がピークの値となる組成の洗浄液を使用して行った。
◎:筋が少なく透明度が高い
○:筋はあるが透明度がやや高い
△:曇りや筋が多い
×:汚れが著しい
メラミン食器を洗浄剤濃度0.1重量%で10回繰り返し洗浄した。自動食器洗浄器としてホシザキ650(ホシザキ株式会社製)を使用した。
なお、当該評価は、有効塩素濃度が平均値となる組成の洗浄液を使用して行った。
◎:洗浄前と同等
○:ほとんど黄変していない
×:黄変した
被検菌を60℃で栄研化学株式会社製普通ブイヨン培地で24時間培養したものを菌液とした。各試料(上記で製造した組成物)をイオン交換水で0.1%に希釈し60℃に加温したものを菌液と99対1の比率(体積比)で混合して、試料添加菌液とした。15秒反応後、滅菌済みチオ硫酸Naを含むpH7の緩衝液で試料添加菌液を中和し、中和後の試料添加菌液を生理食塩水で段階希釈した。この希釈液1000μLと日本製薬株式会社製標準寒天培地30mLを、プレートに加えた。プレートを60℃で48時間インキュベートした後、コロニー形成単位(CFU)をカウントした。対照と試料のlog10CFUの差(対照のlog10CFU−試料のlog10CFU)から、組成物の被検菌に対する除菌力を次のように評価した。対照には60℃のイオン交換水を用いた。対照と試料のlog10CFUの差(対照のlog10CFU−試料のlog10CFU)を、Δlog10CFUと記載する。
当該評価は、有効塩素濃度がピークの小さい方の値となる組成の洗浄液を使用して行った。
◎:Δlog10CFUが5以上の除菌効果
○:Δlog10CFUが3以上、5未満の除菌効果
△:Δlog10CFUが1以上、3未満の除菌効果
×:Δlog10CFUが1未満の除菌効果
有効塩素濃度がピークとなる洗浄液を使用することで、洗浄対象物に蓄積した汚れや雑菌を除去できる。
10 容器
11 供給口部
20、120、220 固形洗浄剤組成物
21 高塩素層
22 洗浄剤層
60 噴射水
61、62、63 洗浄剤溶解液
121B 固形塩素剤の層
122A、122C 固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層
210 容器本体
212 筒部材
212a ねじ
223 固形塩素剤
232 中蓋体
232a 開口部
232b 底部
232c 円筒部分
232d 円筒部材
232e 内筒
232f 区画部材
233 外蓋体(フィルム部材)
233a 突出部
234 カバー部
234a カバー部の開口部
320a ねじ
Claims (18)
- 内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、
前記内容物は、アルカリ剤(A)と、キレート剤(B)と、塩素剤の周囲が被覆剤で被覆された被覆塩素剤(C)とを含む固形洗浄剤組成物であり、
前記カートリッジ洗浄剤を自動洗浄機に付帯の供給装置に設置して、固形洗浄剤組成物を35℃の水に溶かして得られる洗浄液の有効塩素濃度を、固形洗浄剤組成物の濃度が0.10重量%となる洗浄液においてカートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにわたって測定した際に、洗浄液の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークが少なくとも1つ存在することを特徴とするカートリッジ洗浄剤。 - 前記ピークにおける有効塩素濃度は、60ppm以下である請求項1に記載のカートリッジ洗浄剤。
- カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにおける洗浄液中の有効塩素濃度の平均値が最大有効塩素濃度の3分の2以下である請求項1又は2に記載のカートリッジ洗浄剤。
- 洗浄対象物を繰り返し洗浄する際に、供給始めと終わりを除く区間において有効塩素濃度の最小値が0以上5ppm未満となる請求項1〜3のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
- 前記被覆塩素剤(C)の比重と、前記固形洗浄剤組成物に含まれる前記被覆塩素剤(C)以外の成分の比重の差の絶対値が、0.5g/cm3以上である請求項1〜4のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
- 前記被覆剤は、安息香酸、o−フタル酸、m−フタル酸、p−フタル酸、トリメリット酸及びp−t−ブチル安息香酸からなる群より選択される1種以上の芳香族カルボン酸の塩である請求項1〜5のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
- 前記固形洗浄剤組成物は、内容物が一体化された固形状であり、前記固形洗浄剤組成物内において前記被覆塩素剤(C)が偏在している箇所が少なくとも1か所存在する請求項1〜6のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。
- 前記被覆塩素剤(C)が固形塩素剤であり、
前記固形洗浄剤組成物は、前記固形塩素剤の層と、固形塩素剤以外の洗浄剤成分の層を含む請求項1〜7のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤。 - 内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動洗浄機用のカートリッジ洗浄剤であって、
前記内容物は、アルカリ剤(A)と、キレート剤(B)とを含む固形洗浄剤組成物であり、
前記容器は、容器本体と中蓋体と外蓋体とからなり、
前記中蓋体には、固形塩素剤が収容されており、前記容器本体と前記中蓋体との間には、前記固形塩素剤又は前記固形洗浄剤組成物の移動を防止する仕切りが設けられており、
前記カートリッジ洗浄剤を自動洗浄機に付帯の供給装置に設置して、固形洗浄剤組成物を35℃の水に溶かして得られる洗浄液の有効塩素濃度を、固形洗浄剤組成物の濃度が0.10重量%となる洗浄液においてカートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにわたって測定した際に、洗浄液の有効塩素濃度が15ppm以上となるピークが少なくとも1つ存在することを特徴とするカートリッジ洗浄剤。 - 内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を、前記供給口部を下向きに設置し、前記供給口部へ水が噴射されて内容物を溶かしながら供給する方式の自動洗浄機用のカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物の洗浄を繰り返し行う洗浄方法であって、
前記カートリッジ洗浄剤は、請求項1〜9のいずれかに記載のカートリッジ洗浄剤であり、同一のカートリッジ洗浄剤を使用して洗浄対象物を繰り返し洗浄する際に、カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までの期間のうち少なくとも1回、洗浄液の有効塩素濃度が15ppm以上となる高塩素濃度の洗浄液により洗浄を行うことによって、洗浄対象物に蓄積した汚れを除去することを特徴とする洗浄方法。 - 洗浄対象物を繰り返し洗浄する際に、供給始めと終わりを除く区間において有効塩素濃度の最小値が0以上5ppm未満となる請求項10に記載の洗浄方法。
- カートリッジ洗浄剤の使用開始から使用終了までにおける洗浄液中の有効塩素濃度の平均値が最大有効塩素濃度の3分の2以下である洗浄液による洗浄を行う請求項10又は11に記載の洗浄方法。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の洗浄方法において使用する高塩素濃度の洗浄液を、自動洗浄機内の菌や菌叢に作用させることを特徴とする、微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
- 前記菌叢凝塊が赤色系統又は橙色系統の菌叢凝塊である請求項13に記載の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
- 前記菌叢凝塊がメイオサーマス属及びテピジモナス属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む請求項13又は14に記載の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
- 前記菌叢凝塊は、さらにバシラス・セレウス種、テピジフィルス属、リシニバシラス属及びディフェリソマ属からなる群より選択される少なくとも1種の微生物を含む請求項14に記載の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
- 前記菌叢凝塊が存在する自動洗浄機において、洗浄対象物を洗浄しながら前記菌叢凝塊を除菌する請求項13〜16のいずれかに記載の微生物の除菌方法又は菌叢凝塊の除去方法。
- アルカリ剤(A)と、キレート剤(B)と、表面が被覆された被覆塩素剤(C)とを含む原料組成物を温水中で混合して混合溶融液を作製し、
内容物の供給口部を有する水不溶性の容器を準備し、
前記容器に混合溶融液を入れて、前記容器中で前記混合溶融液を冷却させて固化させることによりカートリッジ洗浄剤を製造する方法であって、
前記被覆塩素剤(C)の比重と、前記混合溶融液に含まれる前記被覆塩素剤(C)以外の成分の比重の差の絶対値が、0.5g/cm3以上となるようにすることを特徴とする、カートリッジ洗浄剤の製造方法。
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