JP7250989B1 - グラビアインキ組成物、グラビアインキ、およびラミネート積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好なカット性を発現することができ、さらに低温安定性が良好なグラビアインキ組成物、前記グラビアインキ組成物を含むグラビアインキ、及び前記グラビアインキから形成される印刷層を有するラミネート積層体を提供する。【解決手段】本発明は、グラビアインキ組成物は、顔料と、ポリウレタン樹脂と、有機溶剤と、を含み、前記ポリウレタン樹脂は、以下の(1)~(4)の条件を満たす。(1)ポリオール(A)に基づく単位および有機ジイソシアネート(B)に基づく単位を必須構成単位とする。(2)少なくとも側鎖に水酸基を含み、水酸基価が26mgKOH/g~45mgKOH/gである。(3)ウレタン基濃度が1.1mmol/g~2.2mmol/gである。(4)前記ポリウレタン樹脂はウレア基を含むポリウレタンウレア樹脂であり、かつ、ヒドロキシル基含有ポリアミンに基づく単位を有する。【選択図】なし

Description

本発明は、グラビアインキ組成物、グラビアインキ、およびラミネート積層体に関する。
従来、液体や粉末あるいは固形の食品類、洗剤、雑貨類等を収納するために、種々の包装材料が用いられている。このような包装材料としては、主体であるプラスチックフィルムと、印刷インキを使用して形成した印刷層とを有する積層体を製袋した包装袋が知られている。包装袋は、内容物の保護の面から強度が要求される。また、包装袋は、使用時に優れた易開封性(包材カット性、以下「カット性」ともいう。)が要求される。
先行文献として特許文献1においては特定の樹脂成分を含有する白インキを用いることで包材カット性を向上させていることが知られている。
特開2006-257264号公報
しかしながら、特許文献1には、前記樹脂成分の物理的特性は述べられているものの、具体的な組成や性状値は記載されておらず、良好なカット性が発現する発明の構成は明確ではない。また、カット性についても満足されるものではない。この他、インキ製品として実用上、重要な性能として求められる低温安定性についても、必ずしも満足するものではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、良好なカット性を発現することができ、さらに低温安定性が良好なグラビアインキ組成物、前記グラビアインキ組成物を含むグラビアインキ、および前記グラビアインキから形成される印刷層を有するラミネート積層体を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1A]顔料と、ポリウレタン樹脂と、有機溶剤と、を含み、前記ポリウレタン樹脂は、以下の(1)~(3)の条件を満たす、グラビアインキ組成物。
(1)ポリオール(A)に基づく単位および有機ジイソシアネート(B)に基づく単位を必須構成単位とする。
(2)少なくとも側鎖に水酸基を含み、水酸基価が26mgKOH/g~45mgKOH/gである。
(3)ウレタン基濃度が1.1mmol/g~2.2mmol/gである。
[1B]前記ポリウレタン樹脂は、以下の(4)の条件を満たす、[1A]に記載のグラビアインキ組成物。
(4)前記ポリウレタン樹脂はウレア基を含むポリウレタンウレア樹脂であり、かつ、ヒドロキシル基含有ポリアミンに基づく単位を有する。
[2]前記ポリオール(A)は、バイオマス由来のポリオールに基づく単位および/又はバイオマス由来のポリカルボン酸に基づく単位を必須構成単位とするポリエステルポリオールを含む、[1A]又は[1B]に記載のグラビアインキ組成物。
[3]前記ポリエステルポリオールは、二塩基酸(C)に基づく単位とジオール(D)に基づく単位を含むポリエステルポリオールを含み、
前記二塩基酸(C)が、バイオマス由来のセバシン酸(c1)を含み、石油由来またはバイオマス由来のアジピン酸(c2)を含んでもよく、
前記ジオール(D)がバイオマス由来の1,3-プロパンジオール(d1)を含み、石油由来またはバイオマス由来の1,4-ブタンジオール(d2)、およびバイオマス由来のネオペンチルグリコール(d3)から選ばれる少なくとも1種を含んでもよく、
前記二塩基酸(C)に基づく単位の総量に対する前記セバシン酸(c1)に基づく単位の含有量が10質量%~100質量%であり、
前記ジオール(D)に基づく単位の総量に対する前記1,3-プロパンジオール(d1)に基づく単位の含有量が10質量%~100質量%である、[2]に記載のグラビアインキ組成物。
[4]前記ポリウレタン樹脂は前記ウレア基濃度が、0.4mmol/g~1.7mmol/gである、[1B]、[2]、[3]のいずれかに記載のグラビアインキ組成物。
[5]以下の測定方法により測定される、前記ポリウレタン樹脂から形成された被膜の300%モジュラスが18MPa~35MPaである、[1A]、[1B]、[2]~[4]のいずれかに記載のグラビアインキ組成物。
[測定方法]
前記ポリウレタン樹脂と、ヘキサメチレンジイソシアネート3官能アダクト体とトリレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分での質量比1:1の混合物と、を固形分での質量比3:1で混合して得られた混合物から形成される被膜を用いて、形状をダンベル3号形とした試験片を作製し、JIS K6251の「所定伸びにおける引張応力」における「300%伸びにおける応力」を求めるための測定に準拠して測定する。
[6]塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含み、前記ポリウレタン樹脂と前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の固形分での質量比が1.0:0.10~1.0:1.0である、[1A]、[1B]、[2]~[5]のいずれかに記載のグラビアインキ組成物。
[7][1A]、[1B]、[2]~[6]のいずれかに記載のグラビアインキ組成物と、イソシアネート系硬化剤(E)と、を含むグラビアインキ。
[8]前記イソシアネート系硬化剤(E)が、3官能アダクト体である、[7]に記載のグラビアインキ。
[9]前記イソシアネート系硬化剤(E)が、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体およびトリレンジイソシアネート誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む、[7]又は[8]に記載のグラビアインキ。
[10][7]~[9]のいずれかに記載のグラビアインキから形成される印刷層を有する、ラミネート積層体。
本発明によれば、低温安定性が良好で、かつ、包装体のカット性を向上することができるグラビアインキ組成物、前記グラビアインキ組成物を含むグラビアインキ、および前記グラビアインキから形成される印刷層を有するラミネート積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るラミネート積層体示す断面図である。
本発明のグラビアインキ組成物、グラビアインキ、ラミネート積層体の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
<グラビアインキ組成物>
本実施形態のグラビアインキ組成物は、顔料と、ポリウレタン樹脂と、有機溶剤と、を含む。本実施形態のグラビアインキ組成物において、ポリウレタン樹脂は、以下の(1)~(4)の条件を満たす。
(1)ポリオール(A)に基づく単位および有機ジイソシアネート(B)に基づく単位を必須構成単位とする。
(2)少なくとも側鎖に水酸基を含み、水酸基価が26mgKOH/g~45mgKOH/gである。
(3)ウレタン基濃度が1.1mmol/g~2.2mmol/gである。
(4)前記ポリウレタン樹脂はウレア基を含むポリウレタンウレア樹脂であり、かつ、ヒドロキシル基含有ポリアミンに基づく単位を有する。
「ポリウレタン樹脂」
ポリウレタン樹脂は、有機ジイソシアネートとポリオールとを溶液重合等の公知の方法で反応させ、得られたウレタンプレポリマーに鎖伸長剤であるヒドロキシル基含有ポリアミン、必要に応じてヒドロキシル基含有ポリアミン以外の鎖伸長剤および反応停止剤を使用することによって得られる樹脂である。
ポリウレタン樹脂は、ポリオール(A)に基づく単位および有機ジイソシアネート(B)に基づく単位を必須構成単位とする。
ポリウレタン樹脂の総質量に対するポリオール(A)に基づく単位の含有量は、40質量%~85質量%であることが好ましく、50質量%~80質量%であることがより好ましい。ポリオール(A)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、インキ安定性および基材密着性を発現することができる。
本発明におけるポリオール(A)としては、数平均分子量が500以上のポリオールであることが好ましい。
数平均分子量が500以上のポリオールとしては、ポリエステルポリオール(A1)、ポリラクトンポリオール(A2)、ポリエーテルポリオール(A3)等が挙げられる。
ポリオール(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(A1)としては、Mnまたは化学式量が500未満のポリオールと、ポリカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1~4)アルキルエステルおよび酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。ポリオールとしてはジオールが好ましく、ポリカルボン酸としては二塩基酸が好ましい。
Mnが500未満のジオールとしては、炭素数2~8の脂肪族2価アルコール[直鎖であり、直鎖構造の末端のみに水酸基を有するジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオールおよび1,6-ヘキサンジオール等)、直鎖であり、直鎖構造の末端以外に水酸基を有するジオール(1,2-プロパンジオール、2,3-プロパンジオール)、および分岐アルキル鎖を有するジオール(ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール等)等];炭素数6~10の脂環基含有2価アルコール[1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンおよび2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8~20の芳香環含有2価アルコール[m-またはp-キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン];ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、およびビスフェノールF等)のアルキレンオキサイド[以下、「AO」と略記する。]付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物およびビス(2-ヒドロキシエチル)テレフタレート等]等が挙げられる。Mnが500未満のジオールは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、上記のAOとしては、炭素数2~12のAO(エチレンオキサイド、1,2-または1,3-プロピレンオキサイド、1,2-、1,3-または2,3-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、スチレンオキサイド、α-オレフィンオキサイドおよびエピクロルヒドリン等)等を用いることができる。
二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2~15の脂肪族二塩基酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸、およびフマル酸等]、炭素数8~12の芳香族二塩基酸[テレフタル酸およびイソフタル酸等]およびこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステルおよびジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。二塩基酸は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(A1)の具体例としては、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオールおよびポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(A1)の内で、カット性、基材密着性および低温安定性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するポリエステルジオール、さらに好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオールおよびポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオール、特に好ましいのはポリ(3-メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオール(A1)は、バイオマス由来原料に基づく単位を有することが好ましい。ポリエステルポリオール(A1)がバイオマス由来原料に基づく単位を有する場合、ポリエステルポリオール(A1)は、バイオマス濃度が60~100質量%であることが好ましい。バイオマス濃度は、ポリエステルポリオール(A1)の質量に対する、ポリエステルポリオール(A1)を構成するバイオマス由来原料の質量割合を意味する。
ポリエステルポリオール(A1)は、バイオマス由来のポリオールに基づく単位および/またはバイオマス由来のポリカルボン酸に基づく単位を必須構成単位とするポリエステルポリオール(A1-1)を含むことが好ましい。
バイオマス由来のポリオールとしては、例えば、入手が比較的容易なエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ひまし油ポリオール、ダイマージオール等が挙げられる。これらの中でも、カット性およびインキ安定性の点から、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコールが好ましい。
ポリエステルポリオール(A1-1)に含まれるポリオールに基づく単位の総量に対するバイオマス由来のポリオールに基づく単位の含有量は、10~100モル%であることが好ましく、50~100モル%であることがより好ましく、80~100モル%であることがさらに好ましい。
バイオマス由来のポリオールを用いる場合、得られるウレタン樹脂およびグラビアインキ組成物中のバイオマス濃度を向上できるため、カーボンニュートラルの観点から、グラビアインキ組成物は優れた素材となる。従来、ウレタン樹脂およびグラビアインキ組成物中のバイオマス濃度向上の検討が行われていたが、カット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性が十分ではなかった。本願の発明者らは、複数のバイオマス由来の単量体(ポリオール、ポリカルボン酸)を併用することで、グラビアインキ組成物において、バイオマス濃度を高めながらも、カット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性が十分となるグラビアインキ組成物を得ることができることを見出した。
バイオマス由来のポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、2,5-フランジカルボン酸、セバシン酸、ダイマー酸等が挙げられる。これらの中でも、カット性および低温安定性の点から、アジピン酸、セバシン酸が好ましい。
ポリエステルポリオール(A1-1)に含まれるポリカルボン酸に基づく単位の総量に対するバイオマス由来のポリカルボン酸に基づく単位の含有量は、10~100モル%であることが好ましく、20~100モル%であることがより好ましく、40~100モル%であることがさらに好ましい。
バイオマス由来のポリカルボン酸を用いる場合、得られるウレタン樹脂およびグラビアインキ組成物中のバイオマス濃度を向上できるため、カーボンニュートラルの観点から、グラビアインキ組成物は優れた素材となる。従来、ウレタン樹脂およびグラビアインキ組成物中のバイオマス濃度向上の検討が行われていたが、カット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性が十分ではなかった。本願の発明者らは、複数のバイオマス由来の単量体(ポリオール、ポリカルボン酸)を併用することで、グラビアインキ組成物において、バイオマス濃度を高めながらも、カット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性が十分となるグラビアインキ組成物を得ることができることを見出した。
ポリオール(A)の総質量に対するポリエステルポリオール(A1-1)に基づく単位の含有量は、20質量%~100質量%であることが好ましく、50質量%~100質量%であることがより好ましい。ポリエステルポリオール(A1-1)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、ポリウレタン樹脂中のバイオマス濃度を確保しながら、良好なカット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
ポリエステルポリオール(A1-1)は、二塩基酸(C)に基づく単位とジオール(D)に基づく単位を含むポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
二塩基酸(C)は、バイオマス由来のセバシン酸(c1)を含むことが好ましい。二塩基酸(C)は、石油由来またはバイオマス由来のアジピン酸(c2)を含んでもよい。
二塩基酸(C)としては、良好なカット性、基材密着性および低温安定性の観点から、バイオマス由来のセバシン酸(c1)および石油由来またはバイオマス由来のアジピン酸(c2)の併用であることが好ましい。
二塩基酸(C)に基づく単位の総量に対する前記セバシン酸(c1)に基づく単位の含有量は、10質量%~100質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましい。セバシン酸(c1)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
二塩基酸(C)に基づく単位の総量に対する前記アジピン酸(c2)に基づく単位の含有量は、10質量%~70質量%であることが好ましく、30質量%~60質量%であることがより好ましい。アジピン酸(c2)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
ジオール(D)は、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール(d1)を含むことが好ましい。ジオール(D)は、石油由来またはバイオマス由来の1,4-ブタンジオール(d2)およびバイオマス由来のネオペンチルグリコール(d3)から選ばれる少なくとも1種を含んでもよい。
ジオール(D)は、良好なカット性、基材密着性および低温安定性の観点から、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール(d1)、石油由来またはバイオマス由来の1,4-ブタンジオール(d2)およびバイオマス由来のネオペンチルグリコール(d3)の全てを併用することが好ましい。
ジオール(D)に基づく単位の総量に対する前記1,3-プロパンジオール(d1)に基づく単位の含有量は、10質量%~100質量%であることが好ましく、30質量%~70質量%であることがより好ましい。1,3-プロパンジオール(d1)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
ジオール(D)に基づく単位の総量に対する前記1,4-ブタンジオール(d2)に基づく単位の含有量は、10質量%~80質量%であることが好ましく、10質量%~30質量%であることがより好ましい。1,4-ブタンジオール(d2)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
ジオール(D)に基づく単位の総量に対するバイオマス由来の1,4-ブタンジオール(d2)に基づく単位の含有量は、10質量%~80質量%であることが好ましく、10質量%~60質量%であることがより好ましい。バイオマス由来の1,4-ブタンジオール(d2)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、バイオマス濃度を一定以上に維持しつつ、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を確保することができる。
ジオール(D)に基づく単位の総量に対するネオペンチルグリコール(d3)に基づく単位の含有量は、10質量%~80質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましい。ネオペンチルグリコール(d3)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性、基材密着性および低温安定性を発現することができる。
ポリラクトンポリオール(A2)としては、前記Mnが500未満のジオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン、ε-カプロラクトンおよびこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンポリオール(A2)の具体例としては、ポリブチロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールおよびポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
(A2)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオール(A3)としては、前記Mnが500未満のジオールへの前記炭素数2~12のAO付加物等が挙げられる。AOは、1種を単独で用いてもよく、2種以上をブロック共重合またはランダム共重合してもよい。ポリエーテルポリオール(A3)の具体例としては、ポリオキシアルキレンポリオール(ポリエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリプロピレングリコール等)、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール、ポリトリメチレンエーテルグリコールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(A3)の内で、基材密着性および低温安定性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、すなわち、原料としてMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとして1,2-プロピレンオキサイド、1,2-,2,3-または1,3-ブチレンオキサイドおよび3-メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等、並びに、ポリトリメチレンエーテルグリコールである。(A3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオール(A3)の内、バイオマス由来原料を用いたものとしては、バイオマス由来ポリトリメチレンエーテルグリコールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
バイオマス由来のポリエーテルポリオールの内で、基材密着性および低温安定性の観点から好ましいのはバイオマス由来ポリトリメチレンエーテルグリコールである。
ポリオール(A)の水酸基価(mgKOH/g)は、溶剤溶解性の観点から、22~225が好ましく、28~113がより好ましい。なお、ポリオール(A)の水酸基価は、JIS K0070-1992に準拠して測定される値である。
ポリオール(A)の数平均分子量(Mn)は、溶剤溶解性の観点から、500~5000が好ましく、1000~4000がより好ましい。
本実施形態におけるポリオール(A)の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、例えば、以下の条件で測定することができる。
(測定条件)
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel
SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25質量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μL
流量:0.6mL/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
本実施形態における有機ジイソシアネート(B)としては、炭素数4~22の脂肪族ジイソシアネート(B1)、炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)、炭素数8~26の芳香族ジイソシアネート(B3)および炭素数10~18の芳香脂肪族ジイソシアネート(B4)等が挙げられる。
炭素数4~22の脂肪族ジイソシアネート(B1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレートおよびビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。
炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と略記する。)、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレートおよび2,5-または2,6-ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8~26の芳香族ジイソシアネート(B3)としては、例えば1,3-または1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-または2,6-トリレンジイソシアネート、4,4’-または2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリアリールジイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネートおよびm-またはp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
炭素数10~18の芳香脂肪族ジイソシアネート(B4)としては、例えばm-またはp-キシリレンジイソシアネートおよびα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
これらの内で基材密着性および低温安定性の観点から好ましいのは、炭素数8~18の脂環式ジイソシアネート(B2)であり、さらにポリウレタン樹脂の溶剤溶解性と接着性の観点から好ましいのはIPDIである。
有機ジイソシアネート(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂の総質量に対する有機ジイソシアネート(B)に基づく単位の含有量は、10質量%~40質量%であることが好ましく、20質量%~35質量%であることがより好ましい。有機ジイソシアネート(B)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性および基材密着性を発現することができる。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂を得るに当たっては、前記(A)および(B)に加え、ヒドロキシル基含有ポリアミンを鎖伸長剤(F1)として使用する。すなわち、ポリウレタン樹脂は、ヒドロキシル基含有ポリアミンに基づく単位を有する。さらに、ポリウレタン樹脂の分子量を調整する目的でMnまたは化学式量が500未満のヒドロキシル基含有ポリアミン以外の鎖伸長剤(F2)および反応停止剤(G)を使用することができる。
鎖伸長剤(F1)は、ヒドロキシル基含有ポリアミンである。ポリアミンとは、1分子中に含まれる1級アミンに基づくN原子と2級アミンに基づくN原子の合計数が2個以上である化合物を意味する。ヒドロキシ基含有ポリアミンのMnまたは化学式量は500未満であることが好ましい。ヒドロキシ基含有ポリアミン中のヒドロキシル基の数は、1~4個であることが好ましく、1~2個であることがより好ましい。ヒドロキシ基含有ポリアミン中の1級アミンに基づくN原子と2級アミンに基づくN原子の合計数は、2~4個であることが好ましく、2~3個であることがより好ましい。鎖伸長剤(F1)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
鎖伸長剤(F1)としては、炭素数2~10の直鎖又は分岐のヒドロキシル基含有ジアミンが好ましい。炭素数4~6の直鎖又は分岐のヒドロキシル基含有ジアミンとしては、アミノエチルエタノールアミン、N-(3-ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-プロパンジアミン、2-[ビス(2-アミノエチル)アミノ]-エタノールが挙げられ、アミノエチルエタノールアミン、N-(2-ヒドロキシエチル)-1,3-プロパンジアミンが好ましい。
Mnまたは化学式量が500未満のヒドロキシル基含有ポリアミン以外の鎖伸長剤(F2)としては、ヒドロキシル基を含有しないポリアミン(F2-1)およびポリオール(F2-2)等が挙げられる。鎖伸長剤(F2)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ヒドロキシル基を含有しないポリアミン(F2-1)としては、炭素数2~12のジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン、およびピペラジン等)、ポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンおよびヘキサエチレンヘプタミン等)およびヒドラジンまたはその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。
これらの内、カット性、基材密着性および低温安定性の観点から好ましいのは脂環式ジアミン、さらに好ましいのはイソホロンジアミンである。
ポリオール(F2-2)としては、前記Mnが500未満のジオールとして例示したものと同様のものが挙げられ、カット性およびインキ安定性の観点から好ましいのは、1,3-プロパンジオールおよび1,4-ブタンジオールである。なお、ポリオールは、バイオマス由来のポリオールを使用することもできる。
ポリウレタン樹脂の総質量に対する鎖伸長剤(F1)及び(F2)に基づく単位の合計含有量は、1質量%~30質量%であることが好ましく、5質量%~15質量%であることがより好ましい。鎖伸長剤(F1)及び(F2)に基づく単位の合計含有量が前記範囲内であると、良好なカット性および基材密着性を発現することができる。
ポリウレタン樹脂の総質量に対する鎖伸長剤(F1)に基づく単位の含有量は、2.0質量%~8.0質量%であることが好ましく、2.5質量%~7.0質量%であることがより好ましい。鎖伸長剤(F1)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性および基材密着性を発現することができる。
ポリウレタン樹脂が鎖伸長剤(F2)に基づく単位を有する場合、鎖伸長剤(F1)及び(F2)に基づく単位の合計含有量に対する鎖伸長剤(F1)に基づく単位の含有量は、20質量%~70質量%であることが好ましく、35質量%~65質量%であることがより好ましい。鎖伸長剤(F1)に基づく単位の含有量が前記範囲内であると、良好なカット性および基材密着性を発現することができる。
反応停止剤(G)としては、炭素数1~10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノールおよび2-エチルヘキサノール等)および炭素数2~8のモノアミン[炭素数2~8のモノまたはジアルキルアミン(n-ブチルアミンおよびジ-n-ブチルアミン等)、炭素数2~6のモノまたはジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミンおよびプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内で好ましいのは、炭素数2~6のモノまたはジアルカノールアミンである。反応停止剤(G)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリウレタン樹脂のアミン価は、0.1mgKOH/g~20mgKOH/gであることが好ましく、0.1mgKOH/g~5mgKOH/gであることがより好ましく、0.2mgKOH/g~2mgKOH/gであることがさらに好ましい。アミン価が0.1mgKOH/g以上であると、基材密着性が良好である。20mgKOH/g以下であると、粘度や分子量の経時安定性が良好である。
ポリウレタン樹脂のアミン価は下記の方法により測定することができる。
アミン価とは、試料1g中に含まれる1級、2級及び3級アミンを中和するのに要する塩酸と当量の水酸化カリウムのmg数をいう。ASTM D2074に準じ下記方法で測定する。
(1)試料を精秤する。(試料量:S1g)
(2)中性エタノール[ブロムクレゾールグリーン(BCG)中性]30mLを加え溶解する。
(3)0.2モル/Lエタノール性塩酸溶液(力価:f1)で滴定し、緑色から黄色に変わった点を終点とする。(滴定量:A1mL)
(4)アミン価=A1×f1×0.2×56.108/S1の式からアミン価を算出する。
ポリウレタン樹脂におけるポリオール(A)と有機ジイソシアネート(B)と鎖伸長剤(F)の質量比率[(A):(B):(F)]は、ポリウレタン樹脂のカット性、基材密着性および低温安定性の観点から、100:(25~70):(5~35)であることが好ましく、100:(35~60):(8~25)であることがより好ましい。なお、鎖伸長剤(F)とは、上述の鎖伸長剤(F1)及び(F2)の両方(合計)を意味する。
ポリウレタン樹脂におけるポリオール(A)と有機ジイソシアネート(B)と鎖伸長剤(F1)の質量比率[(A):(B):(F1)]は、ポリウレタン樹脂のカット性、基材密着性および低温安定性の観点から、100:(30~65):(3~15)であることが好ましく、100:(35~60):(4~12)であることがより好ましい。
ポリウレタン樹脂を製造する方法は特に制限されず、ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)、鎖伸長剤(F1)並びに必要により鎖伸長剤(F2)、反応停止剤(G)を一度に反応させるワンショット法または段階的に反応させる多段法[例えば、(A)、(B)および必要により(F1)、(F2)を反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、(F1)、(F2)および必要により(G)を加えてさらに反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、基材密着性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(F1)及び鎖伸長剤(F2-1)として炭素数2~12のジアミンをプレポリマーが有するイソシアネート基の当量に対してジアミンが有するアミノ基の合計値が過剰となるように用いてポリウレタンウレア分子鎖の末端にアミノ基を導入する方法が好ましい。
ポリウレタン樹脂の製造に当たって、有機ジイソシアネート(B)のイソシアネート基と、ポリオール(A)、ヒドロキシル基含有ポリアミンである鎖伸長剤(F1)、必要により使用するヒドロキシル基含有ポリアミン以外の鎖伸長剤(F2)および反応停止剤(G)の活性水素含有基のモル比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、ポリウレタン樹脂のカット性、基材密着性および低温安定性の観点から、0.7:1~0.99:1であることが好ましく、は0.8:1~0.98:1であることがより好ましい。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂は、バイオマス濃度が20~80質量%であることが好ましい。本明細書におけるバイオマス濃度は、ポリウレタン樹脂の質量に対する、ポリウレタン樹脂を構成するバイオマス由来原料の質量割合を意味する。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂は、少なくとも側鎖に水酸基を含む。
少なくとも側鎖に水酸基を含むポリウレタン樹脂は、ヒドロキシル基含有ポリアミンである鎖伸長剤(F1)を用い、反応性の高いアミノ基のみで鎖伸長反応を実施することで、製造することができる。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂は、水酸基価が26mgKOH/g~45mgKOH/gであり、26mgKOH/g~40mgKOH/gであることが好ましい。水酸基価が26mgKOH/g以上であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を含むグラビアインキによって形成された塗膜(印刷層)はカット性および基材密着性に優れる。水酸基価が45mgKOH/g以下であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を含むグラビアインキによって形成された塗膜(印刷層)は、カット性およびインキ安定性に優れる。
ポリウレタン樹脂の水酸基価は、ヒドロキシル基含有ポリアミンである鎖伸長剤(F1)の使用量等により調整することができる。
ポリウレタン樹脂の水酸基価は、JIS K0070-1992に準拠して測定される値である。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂は、ウレタン基濃度が1.1mmol/g~2.2mmol/gであり、1.2mmol/g~1.8mmol/gであることが好ましい。ウレタン基濃度が前記範囲内であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を含むグラビアインキによって形成された塗膜(印刷層)は、カット性に優れる。
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度は、ポリオール(A)の分子量等により調整することができる。
本実施形態におけるポリウレタン樹脂は、ウレア基を含むポリウレタンウレア樹脂である。ウレア基濃度は、0.4mmol/g~1.7mmol/gであることが好ましく、0.5mmol/g~1.2mmol/gであることがより好ましい。ウレア基濃度が前記範囲内であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を含むグラビアインキによって形成された塗膜(印刷層)は基材に対する密着性に優れる。
ポリウレタン樹脂のウレア基濃度は、下記式で計算される。
{有機ジイソシアネート(B)中のイソシアネート(mmol)-ポリオール(A1~A3)中のOH(mmol)-鎖伸長剤(F2-2)中のOH(mmol)}/ポリウレタン樹脂質量(g)
ポリウレタン樹脂のウレア基濃度は、ポリオール(A)、有機ジイソシアネート(B)および鎖伸長剤(F2-2)の使用量により調整することができる。また、上記式は、後述する実施例のポリオールを用いた場合にも適用できる。
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基濃度は、窒素分析計によって定量されるN原子含有量とH-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率、およびアロハネート基およびビューレット基含有量から算出することができる。まず、「N原子含有量」から、「アロハネート基」および「ビューレット基」由来のN原子の量を減算することで、「ウレタン基」および「ウレア基」由来のN原子の合計量を算出する。次に、ウレタン基とウレア基の比率から、「ウレタン基」および「ウレア基」由来のN原子の量をそれぞれ算出する。この値から、ウレタン基濃度およびウレア基濃度をそれぞれ算出する。
なお、本実施形態において、ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基濃度は下記によって測定することができる。
(ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基濃度)
ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基濃度は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含有量とH-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率、および後述のアロハネート基およびビューレット基含有量から算出する。
H-NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224-323(1975)」に記載の方法で行う。すなわち、H-NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の質量比を測定し、該質量比と上記のN原子含有量およびアロハネート基およびビューレット基含有量からウレタン基およびウレア基含有量を算出する。
芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の質量比を算出し、該質量比と上記のN原子含有量およびアロハネート基およびビューレット基含有量からウレタン基およびウレア基含有量を算出する。
(アロハネート基およびビューレット基の含有量)
ポリウレタン樹脂のアロハネート基およびビューレット基の含有量の合計は、ガスクロマトグラフ[Shimadzu GC-9A(島津製作所株式会社製)]によって算出する。0.01質量%のジ-n-ブチルアミンと0.01質量%のナフタレン(内部標準)とを含む50gのDMF溶液を調製する。ポリウレタン樹脂のサンプルを共栓付き試験管に測り取り、上記のDMF溶液を2g加え、試験管を90℃の恒温水槽で2時間加熱する。常温に冷却後、10μLの無水酢酸を加え10分間振とう攪拌する。さらに50μLのジ-n-プロピルアミンを添加し、10分間振とう後、以下の条件にてガスクロマトグラフ測定を行う。並行してブランク測定を行い、試験値との差よりアミンの消費量を求め、アロハネート基およびビューレット基の含有量の合計を測定する。
(ガスクロマトグラフ条件)
装置:Shimadzu GC-9A
カラム:10%PEG-20M on Chromosorb WAW DMLS 60/80meshガラスカラム 3mmφ×2m
カラム温度:160℃
試料導入部温度:200℃
キャリアガス:窒素 40mL/分
検出器:FID
試料注入量:2μL
(アロハネート基およびビューレット基の含有量の合計の算出式)
アロハネート基およびビューレット基の含有量の合計は、下記式により算出することができる。
アロハネート基およびビューレット基の含有量の合計(g)={(B-A)/B}×0.00155/S
A:試料の(ジ-n-ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
B:ブランクの(ジ-n-ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
S:ポリウレタンウレア樹脂(U)採取量(g)
以下の測定方法により測定される、前記ポリウレタン樹脂から形成された被膜の300%モジュラスは、18MPa~35MPaであることが好ましく、20MPa~30MPaであることがより好ましい。前記の300%モジュラスが18MPa以上であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を用いて形成した印刷層を有する積層体はカット性に優れる。前記の300%モジュラスが35MPa以下であると、本実施形態のグラビアインキ組成物を用いて形成した塗膜は基材への密着性に優れる。
(300%モジュラスの測定方法)
本明細書における300%モジュラスは、JIS K6251における「所定伸びにおける引張応力」として、「300%伸びにおける応力」を測定した値である。
具体的には、JIS K6251に準じて、ポリウレタン樹脂から形成された被膜を用いて形状をダンベル3号形とした試験片を作製し、当該試験片を用いてオートグラフ(引張速度500mm/分)を用いて、300%伸びにおける引張応力を測定する。
なお、300%モジュラスを測定する際に用いる被膜は、以下の方法で作成した試験片であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂と、ヘキサメチレンジイソシアネート3官能アダクト体とトリレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分での質量比1:1の混合物とを、固形分での質量比3:1で混合し、トルエンで希釈して固形分濃度20質量%に調整した溶液を、離形フィルムを貼りつけたポリプロピレン製モールドに、膜厚が約200μmとなるように静かに流し込み、全体が均一になる様に広げ、25℃で12時間静置後、循風乾燥機を用いて70℃で1時間乾燥後、更に105℃、圧力1.3kPaで1時間減圧乾燥して乾燥被膜を得る。
なお、本明細書において「固形分濃度」とは、本明細書に記載の物質1gを、130℃で、45分間、循風乾燥機で加熱乾燥した後の残渣についての、加熱乾燥前の物質の重量に対する重量割合を意味する。
「塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体」
本実施形態のグラビアインキ組成物は、さらに塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含んでもよい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合反応生成物である。すなわち、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位を含む。また、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は必要に応じて、塩化ビニル単位及び酢酸ビニル単位以外の単量体(その他の単量体)単位を含んでもよい。その他の単量体としては、塩化ビニル及び酢酸ビニルと共重合可能であれば特に限定されない。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の総質量に対する塩化ビニル単位の含有量は、80質量%~95質量%であることが好ましく、88質量%~93質量%であることがより好ましい。塩化ビニル単位の含有量が前記範囲内であると、良好な耐ブロッキング性や塗膜の強靭さを得られる。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の総質量に対する酢酸ビニル単位の含有量は、1質量%~20質量%であることが好ましく、2質量%~15質量%であることがより好ましい。酢酸ビニル単位の含有量が前記範囲内であると、柔軟で密着性に優れる。
本実施形態のグラビアインキ組成物のポリウレタン樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の固形分での質量比は1.0:0.10~1.0:1.0であることが好ましく、1.0:0.15~1.0:0.7であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂と塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の固形分での質量比が前記範囲内であると、ラミネート適性に優れる。
「顔料」
顔料としては、無機顔料および有機顔料が例として挙げられる。無機顔料としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなど挙げられる。特に酸化チタンを用いることが隠蔽性の観点から望ましい。酸化チタン顔料は、ルチル型の結晶構造を有する酸化チタン顔料が好ましい。酸化チタン顔料は、少なくともシリカおよび/またはアルミナで表面処理されていることが好ましい。シリカおよび/またはアルミナの処理層を有することでグラビアインキの印刷適性が向上する。また、酸化チタン顔料は、その他の金属、酸化物により処理されていてもよく、例えば、Si、Al、ZnまたはZrの元素からなる金属単体、Al、Znの酸化物等が挙げられる。上記酸化チタンの「処理された」とは、酸化チタン粒子の表面を被覆されている状態をいう。酸化チタンは、JIS K5101に規定されている測定法による吸油量が14mL/100g~40mL/100gであることが好ましく、17mL/100g~30mL/100gであることがより好ましい。また、透過型電子顕微鏡により測定した平均粒子径(メディアン粒子径)が0.15μm~0.35μmであることが好ましく、0.20~0.30μmであることがより好ましい。
有機顔料としてはグラビアインキに一般的に用いられる顔料が挙げられる。例えば、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、イソインドリン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラキノン顔料、ジアンスラキノニル顔料、アンスラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ピランスロン顔料、ジケトピロロピロール顔料などを挙げることができる。
これらの顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料としては、複数種の酸化チタン顔料を併用してもよい。
なお、本実施形態のグラビアインキ組成物において、酸化チタン顔料の他に、その他の無機顔料、有機顔料もさらに併用することができる。
「有機溶剤」
有機溶剤としては、2種以上の有機溶剤からなる混合溶剤を用いることが好ましく、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤、酢酸エチル、酢酸n-プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、エステル系有機溶剤、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール等のアルコール系有機溶剤等の公知の有機溶剤を用いることができる。中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系有機溶剤を含まない有機溶剤(ノントルエン系有機溶剤)がより好ましい。作業環境の観点から、エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤の混合溶剤であることが好ましい。エステル系有機溶剤とアルコール系有機溶剤の混合比(エステル系有機溶剤/アルコール系有機溶剤)は、質量比で、40/60~90/10であることが好ましい。
「その他の添加剤」
本実施形態のグラビアインキ組成物は、必要に応じて、レベリング剤、消泡剤、ワックス、ブロッキング防止剤、可塑剤、光安定化剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤等のその他の添加剤を含んでもよい。
「その他樹脂」
本実施形態のグラビアインキ組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他樹脂を併用することができる。用いられる樹脂の例としては、上記以外のその他のポリウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、セルロース系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、テルペン樹脂、フェノール変性テルペン樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂、およびこれらの変性樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(グラビアインキ組成物の組成)
グラビアインキ組成物の総質量に対する本発明のポリウレタン樹脂の含有量は、5質量%~12質量%であることが好ましく、8質量%~11質量%であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の含有量が前記範囲内であると、良好なインキ安定性と基材密着性が得られる。
グラビアインキ組成物の固形分の総質量に対するポリウレタン樹脂の含有量は、5質量%~50質量%であることが好ましく、10質量%~40質量%であることがより好ましい。ポリウレタン樹脂の含有量が前記範囲内であると、良好なインキ安定性と基材密着性が得られる。
グラビアインキ組成物の総質量に対する有機溶剤の含有量は、20質量%~70質量%であることが好ましく、30質量%~60質量%であることがより好ましい。
グラビアインキ組成物の総質量に対する顔料の含有量は、5質量%~50質量%であることが好ましい。
グラビアインキ組成物の固形分の総質量に対する顔料の含有量は、15質量%~80質量%であることが好ましく、20質量%~75質量%であることがより好ましい。
グラビアインキ組成物が塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む場合、グラビアインキ組成物の総質量に対する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量は、1質量%~5質量%であることが好ましく、2質量%~4質量%であることがより好ましい。
グラビアインキ組成物が塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む場合、グラビアインキ組成物の固形分の総質量に対する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量は、2質量%~20質量%であることが好ましく、5質量%~15質量%であることがより好ましい。
「グラビアインキ組成物の製造方法」
本実施形態のグラビアインキ組成物は、顔料をポリウレタン樹脂と必要に応じて塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体により分散機を用いて有機溶剤中に分散し、得られた顔料分散体に、その他樹脂、各種添加剤や有機溶剤等を混合して製造できる。
分散機としては、ビーズミルを用いることが好ましい。ビーズミルの種類としては、例えば、ダイノミル、サンドミル等が挙げられる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度等を適宜調節することにより、調整することができる。
本実施形態のグラビアインキ組成物の粘度は、10mPa・s~400mPa・sであることが好ましい。
本実施形態のグラビアインキ組成物によれば、顔料と、ポリウレタン樹脂と、有機溶剤と、を含み、ポリウレタン樹脂が、上記の(1)~(4)の条件を満たすため、本実施形態のグラビアインキ組成物を含むグラビアインキで形成された印刷層はカット性に優れる。
<グラビアインキ>
本実施形態のグラビアインキは、本実施形態のグラビアインキ組成物と、イソシアネート系硬化剤(E)と、を含む。
「イソシアネート系硬化剤(E)」
イソシアネート系硬化剤(E)としては、多官能イソシアネート化合物を用いることが出来る。また、イソシアネート系硬化剤(E)としては、3官能アダクト体が好ましい。3官能アダクト体の脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、タケネートD160N(三井化学製)、デュラネートP301-75E(旭化成製)、コロネートHL(東ソー社製)等が挙げられる。3官能アダクト体を用いることにより、塗膜の凝集力が増加し、基材への密着が向上する。3官能アダクト体の芳香族ポリイソシアネートとしてはタケネートD-103(三井化学社製)、D-268(三井化学社製)、コロネートL(東ソー社製)等が挙げられる。3官能アダクト体を用いることにより、耐ブロッキング性およびカット性が向上する。
イソシアネート系硬化剤(E)は、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)誘導体またはトリレンジイソシアネート誘導体(TDI)が好ましく用いられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
イソシアネート系硬化剤(E)の総質量に対するヘキサメチレンジイソシアネートの含有量は、30質量%~100質量%であることが好ましい。ヘキサメチレンジイソシアネートの含有量が前記範囲内であると、ラミネート積層体のラミネート強度が向上する。
イソシアネート系硬化剤(E)の総質量に対するトリレンジイソシアネート誘導体の含有量は、30質量%~100質量%であることが好ましく、40質量%~100質量%であることがより好ましい。トリレンジイソシアネート誘導体の含有量が前記範囲内であると、耐ブロッキング性およびカット性が向上する。
ポリウレタン樹脂の100質量部に対するイソシアネート系硬化剤(E)の含有量は、15質量部~50質量部であることが好ましく、20質量部~40質量部であることがより好ましい。ポリイソシアネート(E)の含有量が前記範囲内であると、基材11との密着性と包材カット性が両立できる。
また、イソシアネート系硬化剤(E)を、ヘキサメチレンジイソシアネートとトリレンジイソシアネート誘導体の2種類のみからなる態様とすることも好ましい。これら2種のイソシアネートの混合割合を適宜変更することで、ラミネート強度、密着性および包材カット性を所望のものに調整することができる。
本実施形態のグラビアインキによれば、本実施形態のグラビアインキ組成物と、イソシアネート系硬化剤(E)と、を含むため、本実施形態のグラビアインキで形成された印刷層はカット性に優れる。
グラビアインキ中のイソシアネート系硬化剤(E)の含有量は、グラビアインキ中のポリウレタン樹脂のOH基のモル数に対する、イソシアネート系硬化剤(E)のNCO基モル数の割合(NCO/OH)として、1~20であることが好ましく、1~8であることがより好ましく、1.5~4であることがさらに好ましい。
<ラミネート積層体>
本実施形態のラミネート積層体は、本実施形態のグラビアインキから形成される印刷層を有する。
以下、図1を参照して、本実施形態のラミネート積層体を説明する。図1は、本実施形態のラミネート積層体示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態のラミネート積層体10は、第1基材11と、印刷層12と、第2基材14とを少なくとも有する。
印刷層12は、第1基材11の一方の面(上面)11aに形成されている。印刷層12の第1基材11と接する面とは反対側の面(上面)12aには、接着剤層13が形成されている。接着剤層13の印刷層12と接する面とは反対側の面(上面)13aには、第2基材14が設けられている。すなわち、本実施形態のラミネート積層体10は、第1基材11、印刷層12、接着剤層13および第2基材14がこの順に積層されている。
第1基材11としてはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、およびポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルフィルム;低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンフィルム;セロファン等のセルロースフィルム;ポリスチレン(PS)フィルム;エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂フィルム;エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂フィルム;ナイロン(NY)フィルム等のポリアミドフィルム;ポリカーボネートフィルム;ポリイミドフィルム;ポリ塩化ビニルフィルム;等を挙げることができる。二軸延伸PPフィルムおよび無延伸PPフィルム等のように、延伸および無延伸のいずれのプラスチックフィルムも用いることができる。また、アルミニウム蒸着等の金属蒸着層が設けられた基材や、アルミナおよびシリカ等の透明蒸着層が設けられた基材を用いることもできる。さらに、基材の表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、フレーム処理、溶剤処理、およびコート処理等の各種表面処理、並びに着色インキを用いた印刷等による各種加飾等が施されていてもよい。
第2基材14としては、ポリエチレンおよびポリプロピレンその他のポリオレフィン基材等、もしくはこれらの複合材料からなるフィルム状のシーラント等が挙げられる。樹脂層の積層方法としては、プラスチックフィルムに設けられた印刷層上に、接着剤層を介して他のプラスチックフィルム(樹脂層)を積層するドライラミネート法や、必要に応じてアンカーコート剤層を介して溶融樹脂を積層する押し出しラミネート法等の公知のラミネート方法を挙げることができる。樹脂層の厚さは、例えば、1~300μmであることが好ましく、5~200μmであることがさらに好ましく、10~100μmであることが特に好ましい。
接着剤層13は、接着剤を塗布、乾燥して形成される。接着剤としては、ポリオールおよびイソシアネート硬化剤の混合物からなる2液型接着剤等が好適に用いられる。ポリオールとしては、ポリエステル系、ポリエーテル系等が挙げられる。具体的には、東洋モートン株式会社製TM-250HV/CAT-RT86L-60、TM-550/CAT-RT37、TM-314/CAT-14B等が挙げられる。
「ラミネート積層体の製造方法」
本実施形態のラミネート積層体は、第1基材11の上面11aにグラビアインキを印刷して印刷層12を形成し、その印刷層12の上面12a上に接着剤層13を形成し、その接着剤層13を介して、第1基材11と第2基材14を貼り合わせる(ラミネート加工する)ことによって得られる。
ラミネート加工としては、例えば、ドライラミネート法等が用いられる。ドライラミネート法とは、接着剤を印刷物の印刷層上もしくはシーラントに塗布・乾燥し、印刷物とシーラントと圧着して積層する方法である。
本実施形態のラミネート積層体10によれば、グラビアインキとして、本実施形態のグラビアインキから形成される印刷層12を有することで、従来のグラビアインキを用いた場合に比べ、カット性に優れる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[使用原料1]
後述の製造例、比較製造例で使用した各原料は以下の通りである。
ポリエステルポリオール(A2):
・クラレポリオールP-2010:Mn=2,000のポリ(3-メチル-1,5ペンタンジオール、アジピン酸重縮合物)[クラレ株式会社製]
バイオマス由来ポリエーテルポリオール(A4):
・ECOPROL H2000:Mn=2,000のポリトリメチレンエーテルグリコール[SK Chemicals製]
ポリエーテルポリオール(A5):
・サンニックスPP-1000:Mn=1,000のポリプロピレングリコール[三洋化成工業株式会社製]
なお、後述の製造例、比較製造例において、バイオマス由来である旨を記載していない原料は、バイオマス由来の原料ではない。
[使用原料2]
後述の実施例、比較例で使用した原料は以下のとおりである。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂:商品名「ソルバインTA5R」(日信化学工業社製)
酸化チタン:商品名「チタニックスJR-806」(テイカ社製)
銅フタロシアニンブルー:(大日精化工業株式会社製、C.I.Name「PB-15:3」)
ポリイソシアネート系硬化剤(i):タケネートD160N(三井化学製)を酢酸エチルで希釈した固形分50質量%溶液
ポリイソシアネート系硬化剤(ii):タケネートD103(三井化学製)を酢酸エチルで希釈した固形分50質量%溶液
[ポリエステルポリオールのMn及びポリエステルポリオールのバイオマス濃度]
ポリオールの(Mn)は、上述の条件により、GPCにより測定した。ポリエステルポリオールのバイオマス濃度は、ポリエステルポリオールの質量に対する、ポリエステルポリオールを構成するバイオマス由来原料の質量割合として計算した。
[ポリウレタン樹脂の水酸基価、ウレタン基濃度、ウレア基濃度、及びバイオマス濃度]
ポリウレタン樹脂の水酸基価は、JIS K0070-1992に準拠して測定した。ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度、ウレア基濃度は、上述の(ポリウレタン樹脂のウレタン基濃度およびウレア基濃度)に記載の方法により測定した。ポリウレタン樹脂のバイオマス濃度は、ポリウレタン樹脂の質量に対する、ポリウレタン樹脂を構成するバイオマス由来原料の質量割合として計算した。
[ポリウレタン樹脂から形成された被膜の300%モジュラス]
ポリウレタン樹脂から形成された被膜の300%モジュラスは、上述の(300%モジュラスの測定方法)に記載の測定方法により測定した。具体的には、後述のポリウレタン樹脂ワニスA~Kと、ヘキサメチレンジイソシアネート3官能アダクト体とトリレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分での質量比1:1の混合物とを固形分での質量比3:1で混合し、トルエンで希釈して固形分濃度20質量%に調整した溶液を、離形フィルムを貼りつけたポリプロピレン製モールドに、膜厚が約200μmとなるように静かに流し込み、全体が均一になる様に広げ、25℃で12時間静置後、循風乾燥機を用いて70℃で1時間乾燥後、さらに105℃、圧力1.3kPaで1時間減圧乾燥して乾燥被膜を得た。
得られた被膜を、JIS K6251に準拠して、試験片の形状をダンベル状3号形とし、オートグラフ[島津製作所株式会社製「AGS-500D」]を用いて、引張速度500mm/分で300%モジュラスを測定した。結果を表2及び3に示す。
[評価]
<カット性>
実施例及び比較例の積層体について、印刷部端、印刷に対し垂直方向にカッターできっかけを入れ、手で引き裂きを行う官能試験によりカット性を評価した。
評価の基準を以下の通りとした。
A:抵抗なく切れる
B:わずかに抵抗があるが、切れる
C:抵抗があるが切れる
D:抵抗が強く、伸びながら切れる
E:LLDPEが伸びてしまい、切れない
<インキ安定性>
実施例及び比較例のグラビアインキ組成物の100質量部を、ザーンカップNo.3(離合社製)を用いて測定される、20℃における粘度が16秒となるように「SH NO2溶剤(S)」、大日精化工業社製)を用いて希釈し、得られた希釈インキに対して、イソシアネート系硬化剤(i)(ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体の固形分50%溶液)の3質量部とイソシアネート系硬化剤(ii)(トリレンジイソシアネートアダクト体の固形分50%溶液)の3質量部を加えた直後のグラビアインキ組成物の粘度(V)と、20℃で24時間保存した後のグラビアインキ組成物の粘度(V)を、株式会社離合社製のザーンカップ#3で計測し、粘度増加(粘度(V)-粘度(V))を算出した。粘度の測定温度は20℃とした。以下の評価基準にてインキ安定性を評価した。A~Cを使用可能なレベル(合格)とした。インキ安定性はインキ組成物の流動性の指標であり、粘度増加が短いほど、すなわちインキ安定性に優れるほど、流動性に優れることを意味する。
評価の基準を以下の通りとした。
A:粘度増加が1秒未満である。
B:粘度増加が1秒以上、3秒未満である。
C:粘度増加が3秒以上、5秒未満である。
D:粘度増加が5秒以上、10秒未満である。
E:粘度増加が10秒以上である。
<基材密着性>
実施例及び比較例の積層体の塗膜にセロハン粘着テープ(ニチバン社製、幅18mm)を貼付し、その後、セロハン粘着テープを剥離し、以下の基準で塗膜の基材密着性を評価した。
評価の基準を以下の通りとした。
A:剥離面積10%未満
B:剥離面積10%以上30%未満
C:剥離面積30%以上50%未満
D:剥離面積50%以上90%未満
E:剥離面積90%以上
<低温安定性>
実施例及び比較例のグラビアインキ組成物を下記の設定温度の恒温機で1日間温調し、インキをヘラで掻き上げ、インキの析出物の有無を目視確認し、以下の基準で低温安定性を評価した。
評価の基準を以下の通りとした。
A:-5℃で変化なし
B:-5℃で析出物あり、0℃で変化なし
C:0℃で析出物あり、5℃で変化なし
D:5℃で析出物あり
[製造例1]
還流器、温度計、窒素導入管、撹拌機を備えた四つ口フラスコに、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール232部、バイオマス由来の1,4-ブタンジオール55部、バイオマス由来のネオペンチルグリコール64部を、バイオマス由来のセバシン酸311部およびアジピン酸338部を仕込み、常圧下に窒素ガスを通じ、190℃~210℃で水を留去しながら、酸価が1以下になるまでエステル化を行い、ポリエステルポリオール(A1-1)を得た。(A1-1)の水酸基価は56.0、酸価は0.3、Mnは2,000であった。
[製造例2]
製造例1の原料を、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール184部、石油由来の1,4-ブタンジオール54部、バイオマス由来のネオペンチルグリコール126部、バイオマス由来のセバシン酸369部およびアジピン酸267部に変更し、製造例1と同様の方法で、ポリエステルポリオール(A1-2)を得た。(A1-2)の水酸基価は74.8、酸価は0.4、Mnは1,500であった。
[製造例3]
製造例1の原料を、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール298部およびバイオマス由来のセバシン酸702部に変更し、製造例1と同様の方法で、ポリエステルポリオール(A1-3)を得た。(A1-3)の水酸基価は56.0、酸価は0.3、Mnは2,000であった。
[製造例4]
製造例1の原料を、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール183部、バイオマス由来のネオペンチルグリコール183部、およびバイオマス由来のセバシン酸317部およびアジピン酸317部に変更し、製造例1と同様の方法で、ポリエステルポリオール(A1-4)を得た。(A1-4)の水酸基価は56.0、酸価は0.6、Mnは2,000であった。
製造例1~4で製造したポリエステルポリオール(A1-1)~(A1-4)の使用原料、Mnおよびバイオマス濃度を表1に示す。
Figure 0007250989000001
[製造例5]
撹拌装置を備えた反応装置に、製造例1で合成したポリエステルポリオール(A1-1)200部、石油由来の1,4-ブタンジオール9.90部およびIPDI 75.0部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で6時間反応させ、NCO含量3.71質量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル466部を加え均一な溶液とした。
次に、イソプロパノール234部を加えて均一になるまで撹拌後、アミノエチルエタノールアミン9.68部、ジエチレントリアミン0.96部およびジエタノールアミン4.88部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるバイオマス濃度が44質量%のポリウレタン樹脂の溶液(ウレタン樹脂ワニスA)を得た。
[製造例6~10および比較製造例1~4]
製造例5において、用いる原料を表2および3に記載の種類および量に変更する以外は製造例5と同様に反応を行い(すなわち、(A1)、(A2)、(A4)、(A5)、(B)、(F2-2)を反応させてウレタンプレポリマーを得、(S)を加え、その後、(F1)、(F2-1)、(G)を反応させ)、ポリウレタン樹脂の溶液(ウレタン樹脂ワニスB)~(ウレタン樹脂ワニスJ)を得た。結果を表2および3に示す。
[比較製造例5]
撹拌装置を備えた反応装置に、製造例1で合成したポリエステルポリオール(A1-1)98部、クラレポリオールP-2010 98部、バイオマス由来の1,3-プロパンジオール8.06部およびIPDI 72.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で6時間反応させ、NCO含量3.71質量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル466部を加え均一な溶液とした。
次に、イソプロパノール234部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン18.0部およびジエタノールアミン5.40部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるバイオマス濃度が24質量%のポリウレタン樹脂の溶液(ウレタン樹脂ワニスK)を得た。ウレタン樹脂ワニスKは、側鎖に水酸基を含まない。
Figure 0007250989000002
Figure 0007250989000003
[実施例1]
「グラビアインキ組成物の調製」
ウレタン樹脂ワニスAと、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、顔料と、有機溶剤とを、表4に示す含有量となるように混合した後、ビーズミルにて分散し、グラビアインキ組成物1を調製した。
表4における含有量は、グラビアインキ組成物1の総質量に対する割合(質量%)である。
混合溶剤としては、酢酸エチル(EA)とメチルエチルケトン(MEK)とイソプロピルアルコール(IPA)とを、質量比で、4:4:2となるように混合したものを用いた。
「積層体の作製」
得られたグラビアインキ組成物1の100質量部を「SH NO2溶剤(S)」、大日精化工業社製)で希釈し、ザーンカップNo.3(離合社製)を用いて測定される、20℃における粘度が16秒である希釈インキを得た。この希釈インキに対して、イソシアネート系硬化剤(i)(ヘキサメチレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分50%溶液)とイソシアネート系硬化剤(ii)(トリレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分50%溶液)をそれぞれ3質量部添加し、ディゾルバーで1分間撹拌し、実施例1のグラビアインキを得た。
基材フィルムとして、コロナ放電処理済のPETフィルム(商品名「エステルE5102」、東洋紡社製、厚さ12μm)を用意した。ヘリオ175線のグラビア版を使用し、基材フィルムの処理面側にグラビア印刷法によりグラビアインキを塗布して印刷層を形成し、印刷物を得た。得られた印刷物に対してドライラミネート用接着剤(大日精化製「セイカボンドA159/C89(F)」を乾燥塗布量で3g/mとなるようにグラビア印刷法にて塗布・乾燥し、LLDPE(フタムラ化学製、商品名「LLXMTN」)と熱圧着した後、40℃で48時間エージングを行い、積層体を得た。評価結果を表4に示す。
[実施例2~実施例10、比較例1~比較例5]
ウレタン樹脂ワニスA~ウレタン樹脂ワニスKと、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体と、顔料と、有機溶剤とを、表4および5に示す含有量となるように混合したこと以外は実施例1と同様にして、グラビアインキ組成物を調製した。
また、実施例1と同様にして、積層体を作製した。評価結果を表4および5に示す。
Figure 0007250989000004
Figure 0007250989000005
表4および5に示す結果から、実施例1~実施例10は、カット性、インキ安定性、基材密着性および低温安定性に優れることが確認された。
本発明のグラビアインキ組成物は、カット性が不可欠な包装袋の用途に適用できる。
10 ラミネート積層体
11 第1基材
12 印刷層
13 接着剤層
14 第2基材

Claims (10)

  1. 顔料と、ポリウレタン樹脂と、有機溶剤と、を含み、前記ポリウレタン樹脂は、以下の(1)~(4)の条件を満たす、グラビアインキ組成物(但し、酸価15~70mgKOH/g、かつ、水酸基価1~35mgKOH/gであるポリウレタン樹脂2を含有するグラビアインキ組成物を除く)
    (1)ポリオール(A)に基づく単位および有機ジイソシアネート(B)に基づく単位を必須構成単位とする。
    (2)少なくとも側鎖に水酸基を含み、水酸基価が26mgKOH/g~45mgKOH/gである。
    (3)ウレタン基濃度が1.1mmol/g~2.2mmol/gである。
    (4)前記ポリウレタン樹脂はウレア基を含むポリウレタンウレア樹脂であり、かつ、ヒドロキシル基含有ポリアミンに基づく単位を有する。
  2. 前記ポリオール(A)は、ポリオールに基づく単位および/又はポリカルボン酸に基づく単位を必須構成単位とするポリエステルポリオールを含む、請求項1に記載のグラビアインキ組成物。
  3. 前記ポリエステルポリオールは、二塩基酸(C)に基づく単位とジオール(D)に基づく単位を含むポリエステルポリオールを含み、
    前記二塩基酸(C)が、セバシン酸(c1)を含み、アジピン酸(c2)を含んでもよく、
    前記ジオール(D)が1,3-プロパンジオール(d1)を含み、1,4-ブタンジオール(d2)、およびネオペンチルグリコール(d3)から選ばれる少なくとも1種を含んでもよく、
    前記二塩基酸(C)に基づく単位の総量に対する前記セバシン酸(c1)に基づく単位の含有量が10質量%~100質量%であり、
    前記ジオール(D)に基づく単位の総量に対する前記1,3-プロパンジオール(d1)に基づく単位の含有量が10質量%~100質量%である、請求項2に記載のグラビアインキ組成物。
  4. 前記ポリウレタン樹脂は前記ウレア基濃度が、0.4mmol/g~1.7mmol/gである、請求項1~3のいずれか1項に記載のグラビアインキ組成物。
  5. 以下の測定方法により測定される、前記ポリウレタン樹脂から形成された被膜の300%モジュラスが18MPa~35MPaである、請求項1~3のいずれか1項に記載のグラビアインキ組成物。
    [測定方法]
    前記ポリウレタン樹脂と、ヘキサメチレンジイソシアネート3官能アダクト体とトリレンジイソシアネート3官能アダクト体の固形分での質量比1:1の混合物と、を固形分での質量比3:1で混合して得られた混合物から形成される被膜を用いて、形状をダンベル3号形とした試験片を作製し、JIS K6251の「所定伸びにおける引張応力」における「300%伸びにおける応力」を求めるための測定に準拠して測定する。
  6. 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含み、前記ポリウレタン樹脂と前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の固形分での質量比が1.0:0.10~1.0:1.0である、請求項1~3のいずれか1項に記載のグラビアインキ組成物。
  7. 請求項1~3のいずれか1項に記載のグラビアインキ組成物と、イソシアネート系硬化剤(E)と、を含むグラビアインキ。
  8. 前記イソシアネート系硬化剤(E)が、3官能アダクト体である、請求項7に記載のグラビアインキ。
  9. 前記イソシアネート系硬化剤(E)が、ヘキサメチレンジイソシアネート誘導体およびトリレンジイソシアネート誘導体から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項7に記載のグラビアインキ。
  10. 請求項7に記載のグラビアインキから形成される印刷層を有する、ラミネート積層体。
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