JP7250836B2 - 所定方向における磁場の成分を決定するための方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品 - Google Patents

所定方向における磁場の成分を決定するための方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品 Download PDF

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Description

本発明は、所定方向における磁場の成分を決定するための方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品に関する。
古典的計測では、磁場の値を決定するための方法は、通常、複数の独立した測定を必要とする。そのため、決定の不確定性のスケーリング挙動は、標準量子限界(またはショット雑音限界)δx∝1/Rα(α=1/2)(ここで、Rは、たとえば測定数、特性測定時間、または特性測定エネルギーなど、必要とされるリソースに関する尺度を表す)によって与えられる。しかしながら、量子計測の枠組みの中では、標準量子限界は克服されることが可能であり、方法の精度は、量子リソースを用いて大幅に改善されることが可能であると推測される。
たとえば、スケーリング指数α=1の場合の量子計測の基本的なハイゼンベルグのスケーリング限界を実現するために、フーリエ・アルゴリズムまたはキタエフ・アルゴリズムに基づいて位相推定プロトコルが提案されている。これらのプロトコルに従って一連のラムゼー実験が行われるが、その場合には、一連の実験それぞれについて、様々なパラメータのきめ細かい微調整を必要とする。
さらに、フーリエおよびキタエフのアルゴリズムに基づくプロトコルは、不連続な磁場の決定のために最適化されており、磁場の少なくとも1つの成分は、不連続な値しか取ることができない。さらに、各ラムゼー実験におけるラムゼー遅延時間は、その一連の範囲内で指数関数的なスケーリング挙動を示す。したがって、磁場の強さが連続的に分布する可能性があり、かつ量子系が位相緩和およびデコヒーレンスを起こす、問題とされる状況では、そうしたプロトコルの実際の適用は著しく制限される。
したがって、本発明の目的は、そうした限界を克服し、磁場を高精度で決定するための簡潔かつ実用的な方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品を提供することである。
本発明のこの目的は、請求項1、9、および15に記載されているような方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品によって実現される。有利な発展形態および実施形態は、従属請求項に記載されている。
本発明は、所定方向における磁場の成分を決定するための方法に関する。その方法は、コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系を準備すること(準備ステップ)、遅延時間に対して量子系を発展させること(発展ステップ)、ならびに量子系に対して読み出し操作および射影測定を実施すること(読み出しステップ)を含む。準備ステップ、発展ステップ、および読み出しステップは、繰り返しループにおいて繰り返し反復され、ここで、遅延時間は、各イテレーション後に同じ時間増分(インクリメント)だけ直線的(線形)に増加する。方法は、射影測定の結果に従って、所定方向における磁場の成分を決定すること(決定ステップ)をさらに含む。
提案される方法は、磁場の成分を高精度で決定することを可能にする。それに関して、コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系の準備、および各イテレーション後の遅延時間の直線的な増加は、古典的計測プロトコルと比べて量子優位性を保証する。さらに、遅延時間は直線的にしか増加しないため、大きいイテレーション数、および大きい全位相蓄積時間(total phase accumulation time)が達成されることが可能である。その結果、高い決定精度が実現されることができ、提案される方法は、連続磁場の場合、ならびに散逸およびデコヒーレンスが存在する場合でも、効率的に実施されることができる。さらに、提案される方法は、複雑さがずっと軽減され、必要な実験および計算のリソースが少なくなる。特に、繰り返しループの遅延時間は、あらかじめ決められていてもよい。
決定される磁場の原因または供給源が分かっていることがあり、それに応じて所定方向が選択されてもよい。たとえば、原因または供給源の電磁放射特性があらかじめ分かっていることがあり、その電磁放射特性に従って所定方向が選択されてもよい。
好ましくは、コヒーレントな重ね合わせ状態は、繰り返しループの各イテレーションにおいて同じである。特に、たとえば各イテレーションにおいて同じ制御パルス周波数を用いることによって、コヒーレントな重ね合わせ状態は、各準備ステップで同様に準備されてもよい。そのために、量子系は、準備ステップの各イテレーションの前に、基底状態に初期化されてもよい。たとえば、量子系は、各射影測定の後に、基底状態になるように冷却されてもよい。量子系は、繰り返しループにおける次のイテレーションが始まる前に行われるリセット操作を用いて、各射影測定後に短い時間スケールで基底状態にされてもよい。
準備ステップでは、たとえば信号発生器によって生成された制御パルスを用いて、コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系の準備が実行されてもよい。コヒーレントな重ね合わせ状態は、絶対値では最大の固有値を有する、所定方向に垂直な方向におけるスピン演算子の成分の固有状態であってもよい。好ましくは、コヒーレントな重ね合わせ状態は、所定方向に垂直な方向における最大絶対値のスピン射影(the maximum modulus spin-projection)に対応する。そうしたコヒーレントな重ね合わせ状態の量子系の準備は、磁場の成分を広い測定範囲で高精度に決定することを可能にする。
最も好ましくは、コヒーレントな重ね合わせ状態は、それぞれの振幅を有する少なくとも3つの状態のアンバランスな重ね合わせに対応することができる。それに関して、少なくとも2つの振幅は、その絶対値について互いに異なってもよい。多数の純粋状態からなるコヒーレントな重ね合わせ状態は、所定方向においてより大きいスピン射影を利用することを可能にし、量子系の感度をさらに向上させることができる。

発展ステップは、量子系と所定方向の磁場との相互作用を含むことができる。発展ステップでは、コヒーレントな重ね合わせ状態を形成する各純粋状態に関連付けられた位相が、遅延時間の間に蓄積することができる。そのため、蓄積された位相は、所定方向における磁場の成分に依存することがある。
好ましくは、読み出し操作は、量子系の状態のフーリエ変換に対応する。読み出し操作は、量子系に対して、射影測定が行われる前に実施されてもよい。具体的には、読み出し操作は、たとえば信号発生器によって生成された読み出しパルスを用いて実施されてもよい。好ましくは、読み出し操作は、たとえば、各イテレーションで同じ読み出しパルス周波数を用いることによって、各イテレーションで同様に行われる。
射影測定は、所定方向における量子系のスピン偏極の測定に対応する。それに対応して、射影測定の測定結果は、所定方向における量子系のスピンの成分とすることができる。好ましくは、射影測定は、読み出し操作後の量子系の純粋状態を決定する。それに関して、純粋状態は、コヒーレントな重ね合わせ状態を形成する状態の1つに対応する。量子系の射影測定は、たとえば信号発生器によって生成されたプローブ・パルスを用いて実施されてもよい。好ましくは、射影測定は量子非破壊測定である。
繰り返しループのイテレーション数は、あらかじめ決められていてもよい。イテレーション数は少なくとも3回である。好ましくは、イテレーション数は少なくとも20回である。最も好ましくは、イテレーション数は少なくとも50回である。
繰り返しループは、所望される決定精度が実現されたときに終了してもよい。所望される決定精度は、各イテレーション後に決定または更新される磁場の成分の確率分布の幅の逆数と比較されてもよい。そのために、決定ステップの少なくとも一部が、繰り返しループの中で繰り返し反復されてもよい。
イテレーション数は、遅延時間が量子系のコヒーレンス時間よりも長くなったときに繰り返しループが終了するように決められてもよい。イテレーション数は、全位相蓄積時間が量子系のコヒーレンス時間よりも長くなったときに、好ましくは、量子系のコヒーレンス時間の少なくとも3倍よりも長くなったときに、最も好ましくは、量子系のコヒーレンス時間の少なくとも10倍よりも長くなったときに、繰り返しループが終了するように決められてもよい。全位相蓄積時間は、繰り返しループ内のすべてのイテレーションの遅延時間の合計として定義されることができる。
方法は、所定方向における磁場の成分について初期決定の不確定性を推定することをさらに含むことができる。時間増分は、初期決定の不確定性に従って決定されてもよい。具体的には、時間増分は、初期決定の不確定性の逆数に対応してもよい。
方法は、磁場の成分の初期確率分布を決定することをさらに含むことができる。たとえば磁場の成分に関する事前の知識がない場合、初期確率分布は、定数または(磁場の広い範囲にわたる)均一な分布として決定されてもよい。初期確率分布は、ガウス関数であるように決定されてもよい。ガウス関数の平均値は、磁場の成分についての推定値に対応することができる。ガウス関数の標準偏差は、初期決定の不確定性の推定量に対応することができる。
磁場の成分についての推定値、および推定された初期決定の不確定性は、繰り返しループの最初のイテレーションが実際に行われる前の磁場に関する知識の状態を反映することができる。例示的には、磁場の成分についての推定値、および推定された初期決定の不確定性は、古典的な測定プロトコルから、または数値シミュレーションから、または解析的議論から、あらかじめ得られてもよい。
方法は、期待される情報利得を推定することをさらに含むことができる。好ましくは、最初のイテレーションの遅延時間は、期待される情報利得の推定量に従って決定される。期待される情報利得の推定量は、最初のイテレーション後の期待される情報利得に対応してもよい。それに関して、情報利得は、射影測定から得られる所定方向における磁場の成分に関する知識の利得に対する尺度に対応するように定められてもよい。期待される情報利得は、ハミルトニアンおよび/またはリンドブラッドマスター方程式(さらに以下を参照)を用いた量子系の動的発展のシミュレーションに従って推定されてもよい。その場合、繰り返しループにおける最初のイテレーションの遅延時間は、最初のイテレーションでの射影測定から期待される情報利得の飽和時間として決定されてもよい。
磁場の成分は、ベイズ学習アルゴリズムを用いて決定されてもよい。好ましくは、イテレーションごとに、磁場の成分の確率分布が、ベイズの定理に従って更新されてもよい。最初のイテレーションでは、初期確率分布の更新値が決定されてもよい。更新は、磁場の成分の確率分布を、読み出し操作後に純粋状態の量子系を見出す確率分布と乗算することを含むことができる。更新に用いられる、読み出し操作後に純粋状態の量子系を見出す確率分布は、射影測定の結果に従って、量子系の動的発展のシミュレーションから得られた一連のあらかじめ決められている(計算されている)確率分布から選ばれ/選択されてもよい(さらに以下を参照)。換言すれば、射影測定の結果は、純粋状態の量子系を見出す、あらかじめ決められている確率分布のうちのどれが更新に用いられるかを決定する。
磁場の成分の確率分布の幅は、提案される方法の決定の不確定性に対応することができる。ベイズの定理を用いて磁場の成分の確率分布を更新することにより、各イテレーション後に得られた情報利得を反映して、かつ決定精度の向上を反映して、決定の不確定性はイテレーションごとに減少することがある。特に、磁場の成分は、繰り返しループにおける最後のイテレーション後の磁場の成分の確率分布の更新値から決定されてもよい。特に、磁場の成分は、繰り返しループにおける最後のイテレーション後にベイズの定理に従って更新された、磁場の成分の確率分布の平均値として決定されてもよい。
方法は、リンドブラッドマスター方程式を用いて量子系の動的発展をシミュレートすることをさらに含むことができる。リンドブラッドマスター方程式は、量子系のインコヒーレント・ダイナミクスに対するモデルを構成することができる。リンドブラッドマスター方程式は、量子系のデコヒーレンス率、および/または少なくとも1つの散逸率、および/または少なくとも1つの位相緩和率を含むことができる。量子系の少なくとも1つのデコヒーレンス率、および/または少なくとも1つの散逸率、および/または少なくとも1つの位相緩和率は、あらかじめ決められていてもよく、たとえば、あらかじめ測定またはシミュレートされてもよい。
方法は、ハミルトニアンを用いて量子系の動的発展をシミュレートすることを含むこともできる。ハミルトニアンは、量子系のコヒーレント・ダイナミクスに対するモデルとすることができる。ハミルトニアン・モデルは、量子系のエネルギーまたはエネルギー準位の間隔を含むことができる。所定方向における(基準)磁場の成分に対するそれらの依存性は、あらかじめ決められていてもよく、たとえば、あらかじめ測定またはシミュレートされてもよい。好ましくは、量子系の動的発展は、準備ステップ、発展ステップ、および読み出しステップの間にシミュレートされる。
方法は、量子系の動的発展のシミュレーションに従って、純粋状態の量子系を見出す確率分布を決定することをさらに含むことができる。特に、こうした確率分布は、(1つの変数として扱われる)所定方向における(基準)磁場の成分の関数として計算されてもよい。確率分布は、コヒーレントな重ね合わせ状態を形成する純粋状態ごとに決定されてもよく、関数または代数式として電子記憶ユニットに電子的に記憶されてもよい。
これまでに概略が述べられたような量子系の動的発展のシミュレーションでは、期待される情報が推定されること、および最初のイテレーションの遅延時間が決定されることが可能である。さらに、磁場の確率分布を更新するために、読み出し操作後に純粋状態の量子系を見出す一連の確率分布が計算され、ベイズ学習アルゴリズムに用いられてもよい。
提案される方法では、量子系のコヒーレンス時間と同等な全位相蓄積時間の間に、ハイゼンベルグのスケーリング限界に達することができる。実際に多数のイテレーションが実行されることができ、磁場の成分が高精度で決定されることができる。特に、有限のコヒーレンス時間は、最後のイテレーションの遅延時間がコヒーレンス時間と同等になるまで、提案される方法の効率に厳しい制限を与えない。
本発明はまた、所定方向における磁場の成分を決定するための装置に関する。装置は、量子系および制御・測定ユニットを含む。
制御・測定ユニットは、コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系を準備するステップ(準備ステップ)と、遅延時間に対して量子系を発展させるステップ(発展ステップ)と、量子系に対して読み出し操作および射影測定を実施するステップ(読み出しステップ)と、準備ステップ、発展ステップ、および読み出しステップを繰り返し反復するステップとを行うように構成され、ここで、遅延時間は、各イテレーション後に同じ時間増分だけ直線的に増加する。制御・測定ユニットはさらに、射影測定の結果に従って、所定方向における磁場の成分を決定するステップを行うように構成される。
量子系は、キュービット、またはd次元キューディット(d>2)に対応することができる。キュービットまたはキューディットの状態は、計算基底を形成すること、および所定方向におけるスピン演算子の成分の固有状態に対応することができ、ここで、スピンは、量子系の磁気モーメントに対応することができる。特に、量子系の磁気モーメントは、所定方向における磁場と相互作用する量子系の結合定数とすることができる。キュービットまたはキューディットの状態は、量子系のエネルギー固有状態とすることができる。より具体的には、量子系は、キュートリット、すなわち、d=3のキューディットに対応することができる。その場合、3つのキュートリットの状態はそれぞれ、所定方向について射影された量子系の磁気モーメントの3つの成分に対応することができる。
好ましくは、量子系は、実験的に制御可能なエネルギー・スペクトルを含み、ここで、エネルギー・スペクトルの少なくとも一部分のエネルギー準位の間隔は、所定方向における磁場の成分に等しく依存する。エネルギー・スペクトルの前記部分から、コヒーレントな重ね合わせ状態を形成する状態、たとえばキューディットの状態が、計算基底として選択されてもよい。ここで、等しい依存性とは、所定方向における磁場の成分の関数としてのエネルギー準位の間隔が、互いに対して一定のエネルギー・シフトだけシフトされていることを意味することがある。特に、一定のエネルギー・シフトは、磁場の成分に依存しない。このことは、直線的な位相蓄積動態を保証することができる。
量子系は、超伝導回路とすることができる。より具体的には、量子系は、少なくとも1つのトランズモン・デバイス、電荷キューディット、および/または磁束キューディットを含むことができる。あるいは、量子系は、トラップされた単一原子もしくはトラップされた単一イオン、単一の半導体量子ドット、共振器もしくは導波路内の光子もしくはポラリトン、またはダイヤモンド中の窒素空孔中心を含むことができる。
制御・測定ユニットは、コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系を準備するための制御パルスを発生させるように構成された少なくとも1つの信号発生器をさらに含むことができる。信号発生器は、量子系に対して読み出し操作を実施するための読み出しパルスを発生させるように構成されてもよい。信号発生器は、量子系に対して射影測定を実施するためのプローブ・パルスを発生させるように構成されてもよい。具体的には、信号発生器は、任意の波発生器を含むことができる。制御パルスおよび読み出しパルスは、マルチトーン・パルスとすることができる。
制御・測定ユニットは、たとえば信号発生器を量子系と結合するように構成された、結合手段を含むこともできる。制御パルスまたは読み出しパルスは、そうした結合手段を直接的に介して量子系と相互作用することができる。プローブ・パルスは、そうした結合手段を間接的に介して量子系と相互作用することができる。たとえば、結合手段は、伝送線、伝送線共振器、ゲート、または磁束線を含むことができる。制御・測定ユニットは、少なくとも1つの検知器または検知器ユニットをさらに含むことができる。少なくとも1つの検知器または検知器ユニットは、量子系に結合されてもよい。好ましくは、制御・測定ユニットは、量子系に対して量子非破壊測定を実施するように構成される。
制御・測定ユニットは、計算ユニット、電子評価ユニット、および/または電子記憶ユニットをさらに含むことができる。電子記憶ユニットは、計算ユニットまたは電子評価ユニットの一部であってもよい。電子評価ユニットは、計算ユニットの一部であってもよい。計算ユニットまたは電子評価ユニットは、プロセッサ、CPU(中央処理ユニット)、GPU(グラフィック処理ユニット)の少なくとも1つを含むことができる。計算ユニットは、評価ユニットに遠隔で接続されてもよい。計算ユニットまたは評価ユニットは、制御・測定ユニットに遠隔で接続されてもよい。
本発明はまた、コンピュータ・プログラム(または一連の命令)を含むコンピュータ・プログラム製品に関し、コンピュータ・プログラムは、それが計算ユニットで動作するとき、所定方向における磁場の成分を決定するための方法を実施するためのソフトウェア手段を用いる。コンピュータ・プログラムの少なくとも一部は、スクリプト言語またはコンパイラ言語で構築されることができる。コンピュータ・プログラムは、内部メモリ、メモリ・ユニット、または評価ユニットのデータ記憶ユニットに直接的に記憶されてもよい。コンピュータ・プログラム製品は、機械可読なデータ・キャリア、好ましくはデジタル記憶媒体に記憶されてもよい。
要約すると、注目すべき感度および精度で磁場を決定するための簡潔かつ実用的な方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品が確立される。特に、知られている計測手順が効果的ではなくなる状況において、ハイゼンベルグ・スケーリングがほぼ実現されることができる。それにより、磁場の成分が、計算およびハードウェアの少ないリソースのみを用いて高精度に決定されることが可能になる。
本発明は、広範囲の技術に応用することができる。例として、本発明は、単一原子および単一イオン、生物学的プローブ、または、たとえば量子コンピュータまたは量子シミュレータに組み込まれた、量子的に設計された系から発生する磁場を決定するために用いられてもよい。
本発明の例示的実施形態が図面に示され、次に図1~7を参照して説明される。
方法の実施形態の概略的な流れ図である。 装置の実施形態の概略図である。 3回のイテレーションに対応するパルス・シーケンスの例を示す図である。 期待される情報利得の推定量の例を示す図である。 繰り返しループにおける確率分布の更新の例を示す図である。 異なる方法から得られた情報利得の比較を示す図である。 異なる方法のスケーリング挙動を示す図である。
図1は、所定方向における磁場Hの成分を決定するための方法の実施形態の概略的な流れ図を示している。
この方法は、設定ステップS0を含む。設定ステップS0では、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉、時間増分Δt、最初のイテレーションに対応する遅延時間
Figure 0007250836000001
、およびイテレーション数Nが決定される。設定ステップS0では、量子系Qは、最初にその基底状態で準備される。
方法は、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の量子系Qを準備すること(準備ステップS1)、遅延時間
Figure 0007250836000002
に対して量子系Qを発展させること(発展ステップS2)、ならびに量子系Qに対して読み出し操作および射影測定を実施すること(読み出しステップS3)をさらに含む。準備ステップS1、発展ステップS2、および読み出しステップS3は、繰り返しループILにおいて繰り返し反復され、ここで、遅延時間
Figure 0007250836000003
は、各イテレーション後に同じ時間増分Δt>0だけ直線的に増加し、すなわち、
Figure 0007250836000004
である。繰り返しループILは、繰り返しループのインデックスi=1,…,Nによってパラメータ化される。準備ステップS1と読み出しステップS3における読み出し操作との間の時間が、遅延時間
Figure 0007250836000005
によって与えられる。
方法は、射影測定の結果に従って、所定方向における磁場Hの成分を決定すること(決定ステップS4)をさらに含む。
図2は、所定方向における磁場Hの成分を決定するための装置の実施形態の概略図を示している。この装置は、量子系Qおよび制御・測定ユニットCMを含む。装置は、量子系Qを冷却してその基底状態にするように構成された冷凍ユニット(図示せず)として、希釈冷凍機をさらに含む。
制御・測定ユニットCMは、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の量子系Qを準備するステップ(準備ステップS1)、遅延時間
Figure 0007250836000006
に対して量子系Qを発展させるステップ(発展ステップS2)、ならびに量子系Qに対して読み出し操作および射影測定を実施するステップ(読み出しステップS3)、さらに準備ステップS1、発展ステップS2、および読み出しステップS3を繰り返し反復するステップを行うように構成され、ここで、遅延時間
Figure 0007250836000007
は、各イテレーション後に同じ時間増分Δt>0だけ直線的に増加し、すなわち、
Figure 0007250836000008
である。制御・測定ユニットCMはさらに、射影測定の結果に従って、所定方向における磁場Hの成分を決定するステップ(決定ステップS4)を行うように構成される。
例示的実施形態において、量子系Qは、トランズモン・デバイスに対応する超伝導回路である。トランズモン・デバイスは、分岐キャパシタンス、および2つのジョセフソン接合によって分断される超伝導ループを含み、ここで、超伝導ループは、それが所定方向における磁場の成分に対応する磁束によって通り抜けられるように配置される。超伝導ループの領域は、あらかじめ決められている。トランズモン・デバイスまたは決定される磁場の供給源は、超伝導ループの法線ベクトルが所定方向に対応するように配置される。以下において、所定方向は、デカルト座標系のz方向に対応し、その原点は、超伝導ループの幾何的中心に対応している。さらに、トランズモン・デバイスは、伝送線共振器Rに容量結合する。
量子系Qは、実験的に制御可能な3つの状態|k〉(k={0,1,2})を有するキュートリット(d=3)によって記述される。キュートリットの各状態は、所定方向におけるスピン演算子の成分の固有状態である。したがって、キュートリットの状態は、トランズモン・デバイスの磁気モーメントの3つの射影-μ、0、μに対応する。ここでは、トランズモン・デバイスの磁気成分μはあらかじめ測定されており、したがって、あらかじめ決められている。
量子系Qのハミルトニアンは、
Figure 0007250836000009
によって与えられ、エネルギーE(ω)は、減少した磁場
Figure 0007250836000010
およびプランク定数
Figure 0007250836000011
に依存する。減少した磁場ωに対するエネルギー準位の間隔Ek,k+1(ω)=Ek+1(ω)-E(ω)の関数依存性は、基準磁場について測定されており、あらかじめ決められている。特に、量子系Qのエネルギー準位の間隔は、
Figure 0007250836000012
によって与えられ、ジョセフソン・エネルギーE(ω)は、超伝導ループのジョセフソン接合に対応し、所定方向における磁場の成分に敏感である。電荷エネルギーEは、トランズモン・デバイスの総静電容量から得られる。結果として、エネルギー準位の間隔Ek,k+1(ω)は、減少した磁場ωおよび所定方向における磁場Hの成分に等しく依存する。
制御・測定ユニットCMは、信号発生器Sを含む。信号発生器Sは、任意の波発生器を含む。信号発生器Sは、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の量子系Qを準備するための矩形の2トーンの無線周波数制御パルスC、C、Cを発生させるように構成される。信号発生器Sはまた、量子系Qに対する読み出し操作を実施するための矩形の2トーンの無線周波数読み出しパルスR、R、Rを発生させるように構成される。さらに、信号発生器Sは、量子系Qに対する射影測定を実施するためのプローブ・パルスを発生させるように構成される。
制御・測定ユニットCMは、検知器Dを含む。制御・測定ユニットCMおよび検知器Dは、量子系Qに対して量子非破壊測定を実施するように構成される。制御・測定ユニットCMは、信号発生器Sを(たとえば、ゲート線を介して)量子系Q、および、(たとえば、伝送線を介して)伝送線共振器Rと結合するように構成された結合手段も含む。制御・測定ユニットCMは、検知器Dを(たとえば、伝送線を介して)伝送線共振器と結合するように構成された結合手段も含む。さらに、制御・測定ユニットCMは、電子評価ユニットEおよび電子記憶ユニットを含む。電子記憶ユニットは、電子評価ユニットEの一部である。
図3は、繰り返しループILにおける最初の3回のイテレーション(i=1,2,3)について、信号発生器Sによって生成されるパルス・シーケンスを示している。パルス・シーケンスは、準備ステップS1のための制御パルスC、C、C、および読み出しステップS3における読み出し操作のための読み出しパルスR、R、Rを含む。パルス・シーケンスは、信号発生器Sと量子系Qを接続する結合手段を介して、量子系Qと相互作用する状態にされる。制御パルスC、C、Cおよび読み出しパルスR、R、Rのパルス持続時間は、遅延時間
Figure 0007250836000013
よりもかなり短い。制御パルスC、C、Cと読み出しパルスR、R、Rとの間の時間差は、それぞれ、遅延時間
Figure 0007250836000014

Figure 0007250836000015
、および
Figure 0007250836000016
によって与えられる。代替的実施形態では、遅延時間
Figure 0007250836000017

Figure 0007250836000018
、および
Figure 0007250836000019
は、制御パルスC、C、Cの中央と読み出しパルスR、R、Rの中央との間の時間差に対応してもよい。
量子系Qに対する量子非破壊測定を実施するために、量子系Qは、伝送線共振器Rに分散的にのみ結合するように構成される。その場合、読み出しパルスR、R、Rの後に信号発生器Sによって生成されるプローブ・パルス(図示せず)を用いて、組み合わされた系(RおよびQ)の共振が調べられる。プローブ・パルスは、伝送線を介して伝送線共振器Rに結合するマイクロ波パルスである。伝送線共振器Rが量子系Qに結合されているため、プローブ・パルスは、組み合わされた系(RおよびQ)のエネルギー・スペクトルを調べる。次いで、伝送線共振器Rから反射され、検知器Dによって測定されたプローブ・パルスの位相シフトから、量子系Qの状態、すなわち射影測定の測定結果が得られる(分散読み出し)。各量子非破壊測定の後、量子系Qは、次のイテレーションが始まる前に緩和して、再びその基底状態になる。
以下では、さらなる詳細および例示的実施形態が提供される:
設定ステップS0では、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の振幅は、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉が、所定のz方向に垂直なx方向において最大絶対値のスピン射影に対応するように決定される。具体的には、コヒーレントな重ね合わせ状態は、
Figure 0007250836000020
によって与えられる。したがって、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉は、絶対値では最大の固有値1を有するスピン演算子
Figure 0007250836000021
のx成分
Figure 0007250836000022
(またはx射影)の固有状態である。キュートリットでは、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉は、ベクトル
Figure 0007250836000023
として記述される。代替的実施形態において、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉は、より一般的に、任意の実数β、λを用いて、
Figure 0007250836000024
として記述されてもよい。
設定ステップS0では、磁場の成分の初期確率分布は、平均値ωおよび標準偏差σを用いて、ガウス関数
Figure 0007250836000025
となるように決定される。平均値ωは、古典的測定から得られる磁場の成分に対する推定値に対応する。標準偏差σは、推定された初期決定の不確定性に対応する。時間増分Δtは、推定された初期決定の不確定性σの逆数から、Δt=π/σとして得られる。代替的実施形態では、時間増分は、それとは異なるように選択され、装置の要件に適合されてもよい。しかしながら、時間増分は、理想的には、値π/σから1桁を超えて逸脱すべきではない。
設定ステップS0では、期待される情報利得が推定され、期待される情報利得の推定量に従って、最初のイテレーションの遅延時間
Figure 0007250836000026
が決定される。より具体的には、最初のイテレーションの遅延時間
Figure 0007250836000027
は、最初のイテレーションに対応する期待される情報利得の飽和時間になるように決定される。以下にさらに詳しく説明されるように、期待される情報利得は、最初のイテレーションが実際に行われる前に、最初のイテレーションの間の量子系Qの動的発展のシミュレーションから決定される。
一般的には、情報利得ΔIn+1は、エントロピーの減少量ΔIn+1=S-Sn+1(n=0,..,N-1)として定義される。そのため、エントロピーは、(n回のイテレーション後の)磁場の確率分布
Figure 0007250836000028
、換言すると(トリビアルな変数変換まで)、減少した磁場ωの確率分布に関して、シャノン・エントロピーによって与えられ、すなわち、
Figure 0007250836000029
(上式において、ξはi回目のイテレーションにおける射影測定の結果に対応する量子系Qの純粋状態を示し、tは遅延時間に対応する時間であり、sは実験パラメータのベクトル、すなわち、制御および読み出しパルスの周波数を表す)である。準備ステップS1および読み出し操作は各イテレーションにおいて同様に選択されるため、ベクトルに対するインデックスは省かれてもよく、すなわち、s=sである。
n=0の場合、確率分布
Figure 0007250836000030
は、初期確率分布
Figure 0007250836000031
に対応する。n>0の場合、確率分布
Figure 0007250836000032
は、ベイズの定理によって、すなわち再帰性によって、純粋状態|ξ〉の量子系Qを見出す確率分布P(ξ│ω,t,s)に関連付けられ、
Figure 0007250836000033
(上式において、Nは正規化因子である)となる。
設定ステップS0では、以下においてさらに説明されるように、量子系Qの動的発展のシミュレーションを用いて、最初のイテレーションでの読み出し操作後に純粋状態
Figure 0007250836000034
の量子系Qを見出す確率分布
Figure 0007250836000035
が計算される。確率分布についての対応する代数式は、可能性のあるすべての純粋状態
Figure 0007250836000036
について、(変数として扱われる)減少した磁場の関数として電子記憶ユニットに電子的に記憶されている。
より具体的には、量子系Qの動的発展は、量子系Qの密度行列
Figure 0007250836000037
に対するリンドブラッドマスター方程式を用いてシミュレートされ、すなわち、
Figure 0007250836000038
であり、ここで、超演算子は、
Figure 0007250836000039
であり、リンドブラッド(ジャンプ)演算子は、
Figure 0007250836000040
であり、
Figure 0007250836000041
は、量子力学的相互作用描像(ディラック描像)として記述されるハミルトニアン
Figure 0007250836000042
を表す。リンドブラッドマスター方程式において、Γ01およびΓ12は、量子系Qのあらかじめ決められているデコヒーレンス率を表す。それらは、
Figure 0007250836000043
(ここで、T=1/Γは、量子系Qのあらかじめ決められているコヒーレンス時間を表す)として、あらかじめ決められている。代替的実施形態では、あらかじめ決められている位相緩和率を用いて、リンドブラッドマスター方程式に位相緩和項を含めてもよい。
次いで、確率分布
Figure 0007250836000044
が、
Figure 0007250836000045
(上式において、
Figure 0007250836000046
は、初期のコヒーレントな重ね合わせ状態
Figure 0007250836000047
に対するリンドブラッドマスター方程式の解から得られる量子系Qのシミュレートされた状態である)から得られる。ここで、tは、遅延時間に関する変数として扱われる。ユニタリ変換行列
Figure 0007250836000048
は、最初のイテレーションにおける読み出し操作に対応する(明確な行列表現については、さらに以下を参照)。
代替的実施形態では、確率分布
Figure 0007250836000049
は、量子系Qのコヒーレント・ダイナミクスに対するハミルトニアンを用いたシミュレーションから得られ、すなわち、
Figure 0007250836000050
(上式において、時間発展演算子
Figure 0007250836000051
は、ハミルトニアン
Figure 0007250836000052
から標準的な方法で得られる)である。ユニタリ変換行列
Figure 0007250836000053
は、最初のイテレーションにおける準備ステップS1に対応する(明確な行列表現については、さらに以下を参照)。
射影測定の結果は、イテレーションが実際に行われる前は未知であるため、期待される情報利得〈ΔIn+1〉は、可能性のあるすべての結果
Figure 0007250836000054
に対する平均によって定められ、すなわち、
Figure 0007250836000055
であり、ここで、
Figure 0007250836000056
である。
設定ステップS0では、最初のイテレーションに対応する、期待される情報利得〈ΔI〉が計算される。減少した磁場の変数に対する積分が、等間隔の格子ω(m=1,..,M、M=10点)に対応する減少した磁場に関する離散化を用いて、
Figure 0007250836000057
および
Figure 0007250836000058
に従って推定される。
こうした式を用いて、期待される情報利得〈ΔI〉が、異なる時間引数tについて計算される。設定ステップS0では、遅延時間
Figure 0007250836000059
は、それが期待される情報利得〈ΔI〉が飽和し始める時間に対応するように、すなわち、
Figure 0007250836000060
(ここで、Tは期待される情報利得〈ΔI〉の飽和時間である)となるように決定される。
代替的実施形態において、量子系Qがキュートリットに対応する場合、遅延時間
Figure 0007250836000061
は、推定される初期決定の不確定性σの逆数から、
Figure 0007250836000062
として得られることもできる。別の実施形態において、制御および読み出しのパルスのパルス持続時間がさらに長い場合、遅延時間
Figure 0007250836000063
は、
Figure 0007250836000064
(ここで、Tは、(同一であると想定される)制御および読み出しのパルスのパルス持続時間である)として決定される。
準備ステップS1では、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の量子系Qの準備が、量子系Qと相互作用する制御パルスC、C、Cを用いて実行される。繰り返しループILでは、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉は、各イテレーションにおいて同一である。具体的には、準備ステップS1は、量子系Qの状態のユニタリ変換
Figure 0007250836000065
に対応し、ここで、ユニタリ変換行列は、
Figure 0007250836000066
によって与えられる。
Figure 0007250836000067
の行列要素は、コヒーレントな重ね合わせ状態|ψ〉の振幅から得られ、制御パルスC、C、Cの制御パルス周波数に対応する。制御パルスC、C、Cは、繰り返しループILの各イテレーションにおいて、同じ制御パルス周波数を特徴とする。
発展ステップS2では、量子系Qは、遅延時間
Figure 0007250836000068
によって与えられる時間に対して動的に発展する。それにより、量子系Qと所定方向における磁場の成分との相互作用は、コヒーレントな重ね合わせ状態におけるキュートリットの状態|k〉が、時間
Figure 0007250836000069
の間に
Figure 0007250836000070
(ここで、Φ=kDωtは相対位相であり、D=∂E0,1(ω)/∂ωは、減少した磁場ωに関するエネルギー準位の間隔E0,1の微分係数を表す)に変わることが期待されるように、量子系Qの状態の相対位相を変化させ、すなわち、
Figure 0007250836000071
とする。
読み出しステップS3では、量子系Qに対して読み出し操作が実施され、これは、量子系Qの状態のフーリエ変換Fに対応する。各イテレーションにおいて、同じ読み出し操作が実施される。読み出し操作は、射影測定が行われる前の量子系Qと読み出しパルスR、R、Rとの相互作用に対応する。具体的には、読み出し操作は、キュートリットの状態|n〉(n={0,1,2})に対して適用される量子系Qの状態のフーリエ変換に対応し、すなわち、
Figure 0007250836000072
である。それに対応して、フーリエ変換は、行列
Figure 0007250836000073
を用いた量子系Qの状態のユニタリ変換
Figure 0007250836000074
に対応する。
Figure 0007250836000075
の行列要素は、フーリエ変換Fから得られ、読み出しパルスR、R、Rの読み出しパルス周波数に対応する。読み出しパルスR、R、Rは、繰り返しループILの各イテレーションにおいて、同じ読み出しパルス周波数を特徴とする。
読み出しステップS3では、読み出し操作の後、量子系Qに対する射影測定が実施される。射影測定は、量子系の状態|ξ〉を決定する。測定結果ξは、各イテレーションの後、電子記憶ユニットに記憶される。
決定ステップS4では、磁場Hの成分が、ベイズ学習アルゴリズムを用いて決定される。具体的には、磁場の成分の確率分布が、イテレーションごとにベイズの定理に従って更新され、
Figure 0007250836000076
となる。
初期確率分布は、設定ステップS0において決定される。各更新では、射影測定の実際の結果ξに従って、確率分布P(ξ│ω,t,s)が、設定ステップS0で計算された(ならびに電子記憶ユニットに記憶された)純粋状態の量子系を見出す確率分布から選択される。各更新における時間引数tは、遅延時間
Figure 0007250836000077
に対応する。磁場Hの成分は、最後のイテレーションで得られた射影測定の測定結果に従いベイズの定理によって更新された、磁場の成分の確率分布の平均値から得られる。
図4は、異なるコヒーレントな重ね合わせ状態および時間引数に対する、期待される情報利得〈ΔI〉の推定量を示している。ここで、ω=0、σ=2π/(90ns)、D=1である。期待される情報利得の飽和時間は、T=15nsである。したがって、最初のイテレーションの遅延時間は、
Figure 0007250836000078
であり、時間増分は、Δt=45nsである。図4に示されるように、アンバランスなコヒーレントな重ね合わせ状態
Figure 0007250836000079
は、バランスの取れたコヒーレントな重ね合わせ状態
Figure 0007250836000080
で量子系Qが準備される状況に比べて、期待される情報利得〈ΔI〉の約8パーセントの増加をもたらす。この増加は、アンバランスなコヒーレントな重ね合わせ状態の量子系Qのスピン偏極がより大きいことに起因すると考えられ、
Figure 0007250836000081
である。一方、バランスの取れたコヒーレントな重ね合わせ状態では、所定方向に垂直なスピン成分の期待値は、
Figure 0007250836000082
である。この場合、期待される情報利得〈ΔI〉の増加は、磁場の成分の確率分布の幅の減少、したがって、決定精度の増加に対応する。

図5は、最初の6回のイテレーションについて、所定方向における磁束の確率分布を示している。磁束は、トランズモン・デバイスの超伝導ループを通り抜ける、所定方向における磁場の成分に対応する。したがって、磁束の確率分布は、(超伝導ループのあらかじめ決められている領域を含むトリビアルな変数変換まで)磁場の成分の確率分布に対応する。図5では、磁束量子はΦによって表されている。
図6は、情報利得のシミュレーション結果を、(決められた遅延時間
Figure 0007250836000083
に対する異なるイテレーション数Nに対応する)全位相蓄積時間
Figure 0007250836000084
の関数として示している。提案される方法の結果は、(直線的に増加する遅延時間を用いる)LAMAによって表されている。LAMA法が、古典的プロトコル(一定の遅延時間を用いる)、キタエフ・プロトコル(指数関数的に増加する遅延時間を用いる)、およびフーリエ・プロトコル(指数関数的に減少する遅延時間を用い、ここで、対応する図6のグラフは、最も長い遅延時間から始まっている)と比較されている。検討された最大イテレーション数は、N=50である。図6では、実際の情報利得Iは、磁場の成分の確率分布の幅δω(tΦ)から、I≒-lnδω(tΦ)+lnδω(0)として得られる。図6では、射影測定の結果が、無作為に生成され、確率分布から抽出されている。図6に示されている情報利得は、別々にシミュレートされた1000の繰り返しループILの結果を平均することによって得られたものである。提案される方法(LAMA)の結果の他のプロトコルとの比較が、後者の操作を類似の方法でシミュレートすることによって行われているが、イテレーション数は、基本となるアルゴリズムによって要求されるように少し変えられている。図6では、コヒーレンス時間T=5μsはあらかじめ決められている。フーリエ・プロトコルの結果は、最初のイテレーションにおける遅延時間の3つの異なる選択について示されている。明らかに、提案される方法(LAMA)は、量子系Qのコヒーレンス時間Tよりも短い全位相蓄積時間の間に、既により高い情報利得を提供している。
図7は、図6と類似のシミュレーション結果を示しているが、コヒーレンス時間Tが異なっている。提案される方法(LAMA)のT=5μs(黒丸)の場合のスケーリング挙動が、キタエフ・プロトコルのT=5μs(白抜きの丸)、T=10μs(白抜きの四角)、およびT=30μs(白抜きの三角)の場合と線形対数プロットによって比較されている。スケーリング指数αは、全位相蓄積時間tΦに対する磁場の成分の確率分布の幅δω(tΦ)の依存性をフィッティングすることによって得られ、すなわち、δω(tΦ)=1/(tΦαである。図7に示されるように、キタエフ・プロトコルは、コヒーレンス時間Tよりも短い全位相蓄積時間tΦの間にハイゼンベルグ限界に近付くが、全位相蓄積時間tΦがコヒーレンス時間Tに近付くと、スケーリング指数がほぼゼロまで下がる。一方、提案される方法(LAMA)は、全位相蓄積時間tΦがおよそコヒーレンス時間Tと同等、およびそれよりも長くなると、はるかに効率的になる。実際に、有限のコヒーレンス時間Tは、遅延時間がコヒーレンス時間Tと同等になるまで、提案される方法(LAMA)の効率にいかなる顕著な制限ももたらさない。
例示的実施形態として単に開示される異なる実施形態の特徴は、当然のことながら、互いに組み合わされることが可能であり、また個別に特許請求されることも可能である。
S0 設定ステップ
S1 準備ステップ
S2 発展ステップ
S3 読み出しステップ
S4 決定ステップ
IL 繰り返しループ
CM 制御・測定ユニット
Q 量子系
R 伝送線共振器
S 信号発生器
D 検知器
E 電子評価ユニット
、C、C 制御パルス
、R、R 読み出しパルス

Claims (15)

  1. 所定方向における磁場の成分を決定するための方法であって、
    コヒーレントな重ね合わせ状態の量子系(Q)を準備するステップ(S1)と、
    遅延時間に対して前記量子系(Q)を発展させるステップ(S2)と、
    前記量子系(Q)に対して読み出し操作および射影測定を実施するステップ(S3)と、
    繰り返しループILにおいて、ステップ(S1)、(S2)、および(S3)を繰り返し反復するステップであって、前記遅延時間が、各イテレーション後に同じ時間増分だけ直線的に増加する、ステップと、
    前記射影測定の結果に従って、前記所定方向における前記磁場の前記成分を決定するステップ(S4)と
    を含む方法。
  2. 前記コヒーレントな重ね合わせ状態が、各イテレーションにおいて同じであり、および/または前記コヒーレントな重ね合わせ状態が、それぞれの振幅を有する少なくとも3つの状態のアンバランスな重ね合わせに対応し、および/または前記コヒーレントな重ね合わせ状態が、前記所定方向に垂直な方向における最大絶対値のスピン射影に対応することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記読み出し操作が、前記量子系(Q)の状態のフーリエ変換に対応することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記射影測定が、前記所定方向における前記量子系(Q)のスピン偏極の測定に対応することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. イテレーション数があらかじめ決められ、および/または前記イテレーション数が、遅延時間が前記量子系(Q)のコヒーレンス時間よりも長くなったときに前記繰り返しループが終了するように決められ、および/または前記イテレーション数が、全位相蓄積時間が前記量子系(Q)のコヒーレンス時間の少なくとも3倍よりも長くなるように決められることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記方法が、ハミルトニアンおよび/またはリンドブラッドマスター方程式を用いて前記量子系(Q)の動的発展をシミュレートし、前記量子系(Q)の前記動的発展の前記シミュレーションに従って、純粋状態の前記量子系(Q)を見出す確率分布を決定することをさらに含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記方法が、前記所定方向における前記磁場の前記成分について初期決定の不確定性を推定し、前記初期決定の不確定性の推定量に従って前記時間増分を決定すること、および/または期待される情報利得を推定し、前記期待される情報利得の推定量に従って、最初のイテレーションの前記遅延時間を決定することをさらに含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記磁場の前記成分が、ベイズ学習アルゴリズムを用いて決定され、および/またはイテレーションごとに、前記磁場の前記成分の確率分布が、ベイズの定理に従って、前記射影測定の結果に従って純粋状態の前記量子系(Q)を見出すあらかじめ決められている確率分布を用いて更新され、および/または前記磁場の前記成分が、ベイズの定理に従って、最後のイテレーションにおける前記射影測定の結果を用いて更新された前記磁場の前記成分の前記確率分布から決定されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 所定方向における磁場の成分を決定するための装置であって、量子系(Q)および制御・測定ユニット(CM)を含み、前記制御・測定ユニット(CM)が、コヒーレントな重ね合わせ状態の前記量子系(Q)を準備するステップ(S1)と、遅延時間に対して前記量子系(Q)を発展させるステップ(S2)と、前記量子系(Q)に対して読み出し操作および射影測定を実施するステップ(S3)と、ステップ(S1)、(S2)、および(S3)を繰り返し反復するステップとを行うように構成され、ここで、前記遅延時間が、各イテレーション後に同じ時間増分だけ直線的に増加し、前記制御・測定ユニット(CM)がさらに、前記射影測定の結果に従って、前記所定方向における前記磁場の前記成分を決定するステップ(S4)を行うように構成される装置。
  10. 前記量子系(Q)がd次元キューディット(d>2)に対応し、および/または前記量子系(Q)が実験的に制御可能なエネルギー・スペクトルを含み、ここで、前記エネルギー・スペクトルの少なくとも一部分のエネルギー準位の間隔が、前記所定方向の前記磁場の前記成分に等しく依存し、および/または前記量子系(Q)が超伝導回路であることを特徴とする、請求項9に記載の装置。
  11. 前記制御・測定ユニット(CM)が、前記コヒーレントな重ね合わせ状態の前記量子系(Q)を準備するための制御パルス(C、C、C)、および/または前記量子系(Q)に対して読み出し操作を実施するための読み出しパルス(R、R、R)、および/または前記量子系(Q)に対して射影測定を実施するためのプローブ・パルスを発生させるように構成された少なくとも1つの信号発生器(S)をさらに含むことを特徴とする、請求項9または10に記載の装置。
  12. 前記制御・測定ユニット(CM)が、少なくとも1つの検知器(D)をさらに含み、および/または前記量子系(Q)に対して量子非破壊測定を実施するように構成されることを特徴とする、請求項9、10、または11に記載の装置。
  13. 前記制御・測定ユニット(CM)が、計算ユニット、および/または電子記憶ユニットをさらに含み、
    前記計算ユニットが、ステップ(S1)と、ステップ(S2)と、ステップ(S3)と、ステップ(S1)、(S2)、および(S3)を繰り返し反復するステップと、ステップ(S4)とを行い、
    前記電子記憶ユニットが、各イテレーションの後、前記射影測定の結果を記憶することを特徴とする、請求項9、10、11、または12に記載の装置。
  14. 前記装置が、前記量子系(Q)を冷却してその基底状態にするように構成された冷凍ユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項9、10、11、12、または13に記載の装置。
  15. コンピュータ・プログラムを含むコンピュータ・プログラム製品であって、前記コンピュータ・プログラムは、それが計算ユニットで動作するとき、請求項1から8のいずれか一項による方法を前記計算ユニットに実施させる、コンピュータ・プログラム製品。
JP2021050027A 2020-03-25 2021-03-24 所定方向における磁場の成分を決定するための方法、装置、およびコンピュータ・プログラム製品 Active JP7250836B2 (ja)

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