以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.構成
図1は、本発明の実施形態に係る遊技機の外観構成を示す斜視図である。また図2は、本発明の実施形態に係る遊技機の内部構成(リールユニットを除く)を示す斜視図である。
本実施形態の遊技機は、いわゆるスロットマシンあるいは回胴式遊技機と呼ばれるもので、メダルを遊技媒体として用いた遊技を行う種類の遊技機である。
本実施形態の遊技機は、収納箱BXおよび前面扉FDからなる箱形の筐体内に第1リールR1~第3リールR3(複数のリール)からなるリールユニットが収められている。
図3は、本実施形態における遊技機用のリールユニットの外観を示す斜視図である。
本実施形態のリールユニットでは、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれが、各リールを駆動するためのステッピングモータSMを支持する金属製(または樹脂製)の支持ユニットSUを介して略コの字状に成形された金属製(または樹脂製)のベースユニットBUに固定されている。
ベースユニットBUに収容されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれは、円環状に成形された樹脂製のリール本体RD(リールドラム)の外周に帯状の樹脂製フィルムからなるリールテープTPが巻き付けられて構成されている。そしてリールテープTPは、表面が各リールの外周面を構成し、裏面が各リールの内周面を構成するようにリール本体RDに巻き付けられており、端部同士は接着剤などで固着されている。
また第1リールR1~第3リールR3のそれぞれは、リール本体RDの回転中心に相当する位置においてステッピングモータSMの駆動軸とボルト締めなどにより固定されている。また各リール用のステッピングモータSMは、支持ユニットSUに対してもボルト締めなどによって固定されている。
また各リール用のリールテープTPは、一定間隔で21コマ分の図柄配列領域に区画されており、リールテープTPの表面には、各コマに相当する位置毎に複数種類の図柄のいずれかが1つずつ配列されている。
そして本実施形態のリールユニットは、第1リールR1~第3リールR3を各リールのリールテープTPの裏面側(各リールの内周面側)から照明するバックライトユニットLU(照明手段)を備えている。各リールの用バックライトユニットLUには、遊技機の表示窓DWから観察可能な3コマ分(上段、中段、下段)の各表示位置を照らすように、白熱電球やLED電球などの光源が配設されており、本実施形態では、上段の表示位置を照明する上段バックライトBL1、中段の表示位置を照明する中段バックライトBL2、下段の表示位置を照明する下段バックライトBL3の3つ光源が各リールの表示位置に対応して設けられている。
また収納箱BX内のリールユニット収納スペースPSの下部には、電源装置を内蔵し、電源スイッチES、設定変更キーシリンダKS、設定変更ボタンSB等の各種スイッチが備えられた電源ユニットEUおよびメダルの払出装置としてのホッパーユニットHPが収められている。なお本実施形態では、設定変更ボタンSBがエラー解除のためのスイッチとしても機能し、設定変更ボタンSBによって設定値の変更操作を行うばかりではなく、エラーの解除操作を行うこともできるようになっている。ホッパーユニットHPは、遊技に供するメダルを貯蔵するメダル貯蔵タンクMTと、ステッピングモータからなる払出モータ(図示省略)と払出モータに軸支された回転ディスク(図示省略)とを備えており、回転ディスクが払出モータによって回転駆動されて、1枚単位でメダルを払い出すことができるように構成されている。またホッパーユニットHPは、メダル貯蔵タンクMTにおけるメダルの貯蔵量が一定に達すると、余剰メダルがキャッシュボックスCBに送り出されるようになっている。
また本実施形態の遊技機の筐体内には、例えば、リールユニット収納スペースPSの上方にメイン基板MAINが取り付けられているとともに、リールユニット収納スペースPSの側方にサブ基板SUBが取り付けられており、これらの制御基板(メイン基板MAIN、サブ基板SUB)には、演算手段としてのCPU、記憶手段としてのROMおよびRAM等を搭載して遊技機の動作を制御することができるようになっている。そして、メイン基板MAINとサブ基板SUBとの間では、メイン基板MAINからサブ基板SUBへの単方向通信のみが可能となっており、サブ基板SUBからはメイン基板MAINへ情報を送信することができないように通信接続されている。なお本実施の形態では、電源ユニットEUに設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンSBが設けられているが、メイン基板MAINの表面に設定変更キーシリンダKSや設定変更ボタンSBを設けるようにしてもよい。
また図1に示す第1リールR1~第3リールR3は、それぞれ外周面が一定の間隔で21の領域(各領域を「コマ」と称する)に区画されており、各コマに複数種類の図柄のいずれかが配列されている。また第1リールR1~第3リールR3は、ステッピングモータSM(リール駆動手段)に軸支されており、それぞれステッピングモータSMの軸周りに回転駆動され、ステッピングモータSMの駆動パルスのパルス数やパルス幅などを制御することによって、コマ単位(所定の回転角度単位、所定の回転量単位)で停止可能に設けられている。すなわち本実施形態の遊技機では、ステッピングモータSMが制御基板から供給された駆動パルスに応じて第1リールR1~第3リールR3を回転駆動し、制御基板から全相励磁の駆動パルスが供給されると、ステッピングモータSMの回転が停止することに伴って第1リールR1~第3リールR3が停止する。
前面扉FDは開閉自在に設けられており、前面扉FDには第1リールR1~第3リールR3の回転状態及び停止状態を観察可能にする表示窓DWが設けられている。第1リールR1~第3リールR3の停止状態では、第1リールR1~第3リールR3それぞれの外周面に一定間隔で配列された複数種類の図柄のうち、外周面上に連続して配列されている3つの図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)を遊技機の正面から表示窓DWを通じて観察できるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、表示窓DWを通じて図柄を観察するための表示位置として、各リールについて上段、中段、下段が設けられており、各リールの表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。なお本実施形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要となるメダルの数、いわゆる規定投入数が3枚に設定され、規定投入数に相当するメダルが投入されると、第1リールR1~第3リールR3のそれぞれの中段によって構成される有効ラインL1が有効化される。
そして遊技結果は表示窓DW内の有効ラインに停止表示された図柄組合せによって判断され、有効ライン上の図柄組合せが予め定められた役に対応した図柄組合せである場合には、その役が入賞したものとしてホッパーユニットHPからメダルの払い出し等が行われる。
また前面扉FDには、第1メイン表示器DS1(第1報知装置の一例)、第2メイン表示器DS2(第1報知装置の一例)、およびサブ表示器DS3(第3報知装置の一例)が設けられている。第1メイン表示器DS1、第2メイン表示器DS2、およびサブ表示器DS3は、7セグメント表示器であって、第1メイン表示器DS1によって遊技毎のメダルの払出数やメインエラー情報が表示され、第2メイン表示器DS2によってメダルのクレジット数が表示され、サブ表示器DS3によってボーナス状態等の有利状態でのメダルの獲得数の合計(または払出数の合計)やサブエラー情報が表示される。
また前面扉FDには、遊技演出を行うための外周ランプAL(第3報知装置の一例)、上部パネルランプUPL(第2報知装置の一例)、下部パネルランプDPL(第3報知装置の一例)、液晶ディスプレイLCDが設けられている。外周ランプAL、上部パネルランプUPL、下部パネルランプDPLは、前面扉FDを電飾して、その点灯態様によって遊技を盛り上げる、遊技を補助する情報を報知する、遊技機の状況を報知する等の役割を果たすものであり、外装が半透明の樹脂製またはガラス製であって内蔵されたLEDユニットからの光を透過可能に形成されている。また液晶ディスプレイLCDには、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたり、遊技機の状況を報知したりするための各種の映像(または画像)が表示される。また本実施形態の遊技機では、前面扉FDに対して、遊技演出を行うためのスピーカSP(第3報知装置の一例)が複数設けられている。このスピーカSPからは、遊技を補助したり、遊技を盛り上げたり、遊技機の状況を報知したりするための各種の音声やBGMが出力される。
また前面扉FDには、各種の操作手段が設けられている。操作手段としては、クレジット(貯留)されたメダルを投入する操作を行うための1ベットボタン(投入操作手段)B0A、MAXベットボタン(投入操作手段)B0B、第1リールR1~第3リールR3を回転させて遊技を開始する契機となる操作を行うためのスタートレバー(遊技開始操作手段)SL、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3のそれぞれを停止させる契機となる操作を行うためのストップボタン(停止操作手段)B1~B3などが設けられている。特に本実施形態では、MAXベットボタンB0BおよびストップボタンB1~B3は、外装が半透明の樹脂製であって内蔵されたMAXベットランプ(第2の光源ユニットの一例)からの光を透過可能に形成されており、MAXベットランプの点灯によって、クレジット記憶されたメダルの投入操作が有効化されていることや、回転中のリールに関する停止操作が有効化されていることを把握できるようになっている。
また前面扉FDには、ドアキーシリンダDKが設けられており、ドアキーシリンダDKにドアキーを挿入して前面扉FDを解錠することができるようになっている。またドアキーシリンダDKに挿入されたドアキーを初期位置から時計回りに90度回転させることによって前面扉FDの解錠操作を行うことができるようになっている。
本実施形態の遊技機では、遊技者がメダルを投入口MIに投入するか、ベットボタンB0を押下する操作を行うことで、第1リールR1~第3リールR3の回転制御を開始することが可能な準備状態にセットされる。なお投入口MIから投入されたメダルは、図2に示すメダルセレクターSCを通過した後にメダルシュートMSを経由してホッパーユニットHPのメダル貯蔵タンクMTに入るようになっている。ただし、遊技を開始した後など所定条件下ではメダルセレクターSCに内蔵されるメダルブロッカーが作動してメダルシュートMSへ向かう流路を閉塞し、投入されたメダルが払出口MOから返却されるようにメダルの流路が切り替えられる。そして、遊技者がスタートレバーSLを押下すると、制御基板において第1リールR1~第3リールR3をステッピングモータSMの駆動により回転開始させるとともに、乱数値を用いた内部抽選が行われ、第1リールR1~第3リールR3の回転速度が所定の速度まで上昇したことを条件に、ストップボタンB1~B3の押下操作が許可(有効化)される。
その後、遊技者が任意のタイミングでストップボタンB1~B3を押下していくと、ストップボタンB1~B3のそれぞれに内蔵されているストップスイッチ(停止信号出力手段:例えば、フォトセンサ、導通センサ、圧力センサなど)がオン動作を行い、メイン基板MAINに入力されるリール停止信号をオフ状態からオン状態へ変化させる。
また遊技者が任意のタイミングで押下状態にあるストップボタンB1~B3を解放すると、ストップボタンB1~B3それぞれに対応するストップスイッチがオフ動作を行い、メイン基板MAINに入力されるリール停止信号をオン状態からオフ状態に変化させる。
そしてメイン基板MAINは、ストップボタンB1~B3の押下タイミング及び解放タイミングに応じて信号状態が変化するリール停止信号のオフ状態からオン状態への変化に基づいて、内部抽選の結果に応じた停止位置で第1リールR1~第3リールR3を停止させる。
また下部前面扉DDの下部には、払出口MOとメダル受け皿MPとが設けられており、遊技の結果に応じた枚数のメダルがホッパーユニットHPから払出口MOを通じてメダル受け皿MPへ払い出されるようになっている。なお遊技の結果に応じてメダルが払い出される場合に、メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、払出数の一部あるいは全部に相当するメダルを、クレジット上限枚数(本実施形態では50枚)を限度としてクレジットし、メダルのクレジット数の変化に伴って第2メイン表示器DS2の表示値を変化させる動作を行う。
図4は、本実施形態の遊技機の機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機は、主制御部10(メイン基板MAIN)および副制御部20(サブ基板SUB)によって制御される。主制御部10および副制御部20は、電源スイッチESの作動により電源ユニットEUから電力が供給されて起動する。そして主制御部10は、設定変更スイッチ301、ドア開閉スイッチ302、投入検知センサ401、第1メダル通過センサ402、第2メダル通過センサ403、シュートセンサ305、1ベットスイッチ307、MAXベットスイッチ308、スタートスイッチ309、ストップスイッチ311、オーバーフローセンサ313等からの入力信号を受けて、遊技機の設定やメインエラーの管理、または遊技を進行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニット310、ホッパーユニット(払出装置)HP等の動作制御を行う。また副制御部20は、主制御部10からのコマンドに応答して、表示ユニット501、スピーカSP、ランプユニット503等の動作制御やサブエラーの管理を行う。本実施形態の遊技機において、主制御部10や副制御部20の機能は各種のプロセッサ(CPU、DSPなど)、ASIC(ゲートアレイなど)、ROM、あるいはRAMなどのハードウェアや、ROMなどに予め記憶されている所与のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
そして主制御部10は、設定変更手段101、遊技制御手段102、乱数発生手段103、メインエラー検出手段104、メインエラー管理手段105、主記憶手段106、メイン電断復帰手段107を含む。
設定変更手段101は、主記憶手段106に記憶されている設定値を変更する制御を行う。本実施形態では、電源投入時の設定変更キーシリンダKSの状態に応じて遊技モードで起動される場合と設定変更モードで起動される場合とが切り替えられるようになっており、設定変更キーシリンダKSに設定キーが挿入されて初期位置から時計回りに90度だけ設定キーが回された状態で電源スイッチESが作動することにより電源ユニットEUから電力が供給されると、設定変更手段101が、遊技機を設定変更モードで起動する。そして本実施形態では、設定1~設定6までの6段階の設定値の中から設定値を選択することができるようになっており、設定1から順に設定6に向かって出玉率の期待値が高くなるように内部抽選の当選確率が変動するようになっている。なお本実施形態では、設定1<設定2<設定3<設定4<設定5<設定6の順で設定値の高低を表現する。
また設定変更手段101は、設定変更モードにおいて設定変更ボタンSBが押下されて設定変更スイッチ301が作動すると、設定変更スイッチ301からの入力信号を受け付ける毎に、設定値を設定1→設定2→・・・設定6→設定1→・・・の順序で設定値を変更し、スタートレバーSLの押下によりスタートスイッチ230が作動すると、設定値を確定させて、確定された設定値を主記憶手段106に記憶させる制御を行う。そして本実施形態では、設定変更キーシリンダKSに挿入された設定キーを初期位置に戻すことによって設定変更モードから遊技モードへ移行させることができるようになっている。なお本実施形態では、設定変更モードにおいて第1メイン表示器DS1に選択中の設定値が表示されるようになっている。
また本実施形態では、設定変更キーシリンダKSが初期位置にある状態で電源が投入されると、遊技モードで遊技機を起動する。そして本実施形態では、遊技モードでは遊技を行うことができるが、設定値の変更を行うことはできず、設定変更モードでは設定値の変更を行うことはできるが、遊技を行うことはできないようになっている。
また設定変更手段101は、設定変更モードにおいて、主記憶手段106における読み出しおよび書き込みが可能な記憶領域であるリードライトメモリ(RWM)に記憶されている情報を初期化する初期化処理を行う。なお初期化処理においては、リードライトメモリに記憶されている全ての情報を初期化するのではなく、メダルのクレジット情報など一部の情報については初期化されずに保持されるようになっている。
遊技制御手段102は、遊技の進行を制御する手段であって、メダルの投入を受け付けて遊技が開始されると、内部抽選により役の当否を決定するとともに、第1リールR1~第3リールR3を回転させ、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が行われると、内部抽選の結果に応じて回転中のリールを停止させて、有効ライン上に表示された図柄組合せに基づいて役が入賞したか否かを判定し、判定結果に応じた処理を行うことによって遊技を進行させるメインループ処理を行う。以下において、その詳細を説明する。
まず遊技制御手段102は、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数(3枚)に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートレバーSL(遊技開始操作手段)に対する遊技開始操作を有効化する処理を行う。なお本実施形態の遊技機では、規定投入数に相当するメダルの投入に基づいて有効化されたスタートレバーSLの最初の押下操作が、遊技開始操作として受け付けられ、第1リールR1~第3リールR3の回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。
また本実施形態の遊技機では、メダル投入口MIにメダルが投入されると、メダルセレクターSC内の投入検知センサ401が作動することに伴って、遊技制御手段102が、規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。また本実施形態の遊技機では、主記憶手段106に最大で50枚分のメダルをクレジット記憶(貯留記憶)することが可能となっており、遊技機にメダルがクレジット記憶された状態で、ベットボタンB0が押下されると、ベットスイッチ308が作動することに伴って、遊技制御手段102が、規定投入数を限度して、主記憶手段106にクレジット記憶されたメダルを投入状態に設定する。なお本実施形態の遊技機では、第2メイン表示器DS2にクレジット数を表示させるようになっており、遊技制御手段102は、主記憶手段106に記憶されているメダルのクレジット数の増減に従って第2メイン表示器DS2の表示内容を変化させる。
また遊技制御手段102は、スタートレバーSLに対する遊技開始操作(有効化されたスタートレバーSLへの最初の押下操作)により作動するスタートスイッチ309からの信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行い、抽選テーブル選択処理、乱数判定処理、抽選フラグ設定処理などを行う。
抽選テーブル選択処理では、主記憶手段106に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、いずれの内部抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。本実施形態の遊技機では、各内部抽選テーブルにおいて、複数の乱数値(例えば、0~65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役、およびボーナスなどの各種の役やハズレ(不当選)が対応づけられている。なお本実施形態では、6段階の設定値に対して、設定値毎に遊技状態に応じた内部抽選テーブルが用意されており、設定値に応じて内部抽選で一部の当選態様が得られる確率が異なっており、設定値が高くなるほど出玉率の期待値が高くなるように役と乱数値との対応関係が設定されている。
そして本実施形態の遊技機では、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、抽選テーブル選択処理では、遊技状態に応じて複数種類の内部抽選テーブルのいずれか1つを内部抽選で使用する内部抽選テーブルとして選択する。
乱数判定処理では、スタートスイッチ309からの信号に基づいて、遊技毎に乱数発生手段103から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について主記憶手段106に記憶されている内部抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
先に述べた乱数発生手段103は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、0~65535までの65536個の乱数値を1周期中で重複することなく発生させる16ビット乱数回路によって発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役に対応する抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。本実施形態の遊技機では、2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。なお抽選フラグの設定情報は、主記憶手段106に記憶されるようになっている。
また本実施形態の遊技機では、入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されている。前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、ボーナスがあり、小役およびリプレイは後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、例えば、内部抽選でボーナスに当選すると、ボーナスの抽選フラグの当選状態を、ボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このとき遊技制御手段102は、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、小役およびリプレイについての当否を決定する内部抽選を行っている。このように抽選フラグ設定処理では、ボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、小役やリプレイが当選した場合には、既に当選しているボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役やリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
また遊技制御手段102は、遊技者がスタートレバーSLへの遊技開始操作により作動するスタートスイッチ309からの信号に基づいて、ステッピングモータにより第1リールR1~第3リールR3の回転駆動を開始し、第1リールR1~第3リールR3が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)で定常回転しているリールに対応するストップボタンB1~B3(停止操作手段)を押下することによる停止操作を有効化する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リールR1~第3リールR3を抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じた態様で停止させる制御を行う。
そして遊技制御手段102は、ストップボタンB1~B3に対する停止操作が有効化された状態において、遊技者がストップボタンB1~B3を押下することによりストップスイッチ311が作動すると、ストップスイッチ311からの信号に基づいて、リールユニット310のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リールR1~第3リールR3の各リールを停止させる制御を行う。
すなわち遊技制御手段102は、ストップボタンB1~B3の各ボタンが押下される毎に、第1リールR1~第3リールR3のうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。なお本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1を押下することが第1リールR1を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB2を押下することが第2リールR2を停止させるための操作に対応し、ストップボタンB3を押下することが第3リールR3を停止させるための操作に対応する。すなわち本実施形態の遊技機では、ストップボタンB1~B3の押下順序が変化すると、第1リールR1~第3リールR3の停止順序が変化する。
また本実施形態の遊技機では、第1リールR1~第3リールR3について、ストップボタンB1~B3が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールが停止するようになっている。そしてストップボタンの押下時点から190ms以内に回転中のリールを停止させる場合には、回転している各リールの停止位置は、ストップボタンの押下時点からリールが停止するまでに要するコマ数が0コマ~4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で決定される。そして、遊技制御手段102は、ストップボタンB1~B3のうち押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールの外周面上において、内部抽選で当選した役に対応する図柄が、ストップボタンに対する押下操作が行われた時点で有効ライン上の表示位置に対して0コマ~4コマの範囲内に位置する場合に、抽選フラグが当選状態に設定されている役に対応する図柄が有効ライン上の表示位置に表示されるように、押下操作が行われたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御を行っている。
また本実施形態の遊技機では、リールユニット310がフォトセンサからなるリールインデックス405を備えており、遊技制御手段102は、リールが1回転する毎にリールインデックス405で検出される信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックス405によって検出されるコマ)からの回転角度(ステッピングモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち遊技制御手段102は、ストップスイッチ311の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
そして本実施形態では、リールユニット310を構成する第1リールR1~第3リールR3の外周面に対して、複数種類の図柄が配列されており、押下検出位置から4コマ以内に存在する図柄を有効ライン上に引き込む場合には、各リールの外周面において4コマ以内の間隔で配列されている図柄について、ストップスイッチ311の作動時点(ストップボタンの押下が検出された時点)におけるリールの位置である押下検出位置に関わらずに、有効ライン上に表示させることができるようになっている。
また遊技制御手段102は、優先度により回転中のリールの停止位置を求める処理(ロジック演算)と、主記憶手段106に記憶されている停止制御テーブルを参照して回転中のリールの停止位置を決定する処理(テーブル参照処理)とを行っている。
まずロジック演算では、役毎に定められた優先順位データに従って押下検出位置から0コマ~4コマの範囲内(または0コマ~1コマの範囲内)に存在する5コマ分(または2コマ分)の停止位置の候補に対して優先度を求める。そして各停止位置の候補の優先度のうち最も優先度の高い停止位置の候補を実際の停止位置として決定する。ただしロジック演算では、内部抽選の結果や押下検出位置などに応じて複数の停止位置の候補に対して同一の優先度が求まる場合があり、最も優先度の高い停止位置の候補が複数となった場合には、後述するテーブル参照処理によって実際の停止位置を決定する。
特に本実施形態の遊技機では、「リプレイ>ボーナス」かつ「小役>ボーナス」の順序で優先順位が定められており、ロジック演算では、2種類以上の役に関する抽選フラグが当選状態に設定されている場合には、各役に対応付けられた優先順位に従って、優先順位の高い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補について優先順位が低い役の入賞形態を構成する図柄を含む停止位置の候補よりも優先度が高くなるように優先度を求める。
なお本実施形態の遊技機では、内部抽選で複数種類の小役が当選した場合における停止位置の候補についての優先度は、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて優先度を求める場合と、小役について予め定められている配当に基づくメダルの払出数に応じて優先度を求める場合とが存在し、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が多くなる停止位置ほど優先度が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求め、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合には、有効ライン上の表示位置に表示されている図柄に対応する小役の配当に基づくメダルの払出数が多くなる停止位置(配当が多い小役を入賞させることができる停止位置)ほど優先順位が高くなるように各停止位置の候補についての優先度を求める。ただし、メダルの払出数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、配当が同一の小役が重複して当選した場合には、それぞれの小役を入賞させることができる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われ、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数に応じて停止位置の候補についての優先度を求める場合に、有効ライン上に表示可能な入賞形態を示す図柄組合せの個数が同数となる停止位置の候補についての優先度はそれぞれ同一のものとして扱われる。
またロジック演算では、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールの停止位置の候補を求める処理として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役を可能な限り入賞させることができるようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役を入賞させることができないようにリールの停止位置の候補についての優先度を求める処理である。このように遊技制御手段102は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないようにリールの停止位置の候補を求めるロジック演算を行っている。
テーブル参照処理では、ロジック演算を行った結果、最も優先度の高い停止位置の候補が複数得られた場合に、いずれの位置を停止位置とするかを、主記憶手段106に記憶されている停止制御テーブルを参照して決定する。
ここで停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と、押下検出位置から実際の停止位置までの回転量を示す滑りコマ数との対応関係が設定されている。なお停止制御テーブルでは、抽選フラグの設定状態に応じて、押下検出位置と実際の停止位置との対応関係が設定されていてもよい。
また遊技制御手段102は、第1リールR1~第3リールR3の停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する入賞判定処理を行う。具体的には、主記憶手段106に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リールR1~第3リールR3の全てが停止した時点で有効ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かなどを判定する。
そして本実施形態の遊技機では、遊技制御手段102が、入賞判定処理の結果に基づいて、役が入賞した場合に入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはメダルの払出制御処理が行われ、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
まず遊技制御手段102は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパーユニットHPに払い出させる制御を行う。
ホッパーユニットHPは、遊技制御手段102によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う装置である。ホッパーユニットHPには、メダルを1枚払い出す毎に作動する払出センサ406が備えられており、遊技制御手段102は、払出センサ406からの入力信号に基づいてホッパーユニットHPから実際に払い出されたメダルの数を管理することができるように構成されている。なお本実施形態の遊技機では、各遊技においてメダルの払い出しが行われる場合には、メダルの払出数が第1メイン表示器DS1に表示されるようになっており、遊技制御手段102は、小役の入賞によってメダルが払い出される場合には、当該小役の入賞に伴うメダルの払出数を第1メイン表示器DS1に表示させる制御を行う。
なおメダルのクレジット記憶(貯留記憶)が許可されている場合には、ホッパーユニットHPによって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、主記憶手段106に記憶されているクレジット数(クレジット記憶されたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。なおメダルの払出数の一部または全部をクレジット数に加算する場合には、遊技制御手段102は、クレジット数の増加分に対応して第2メイン表示器DS2の表示内容を変化させる制御を行う。
また遊技制御手段102は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。すなわち本実施形態の遊技機では、リプレイが入賞した場合には、前回の遊技と同じ枚数分のメダルを遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに自動的に投入する自動投入処理が行われ、前回の遊技と同じ有効ラインを設定した状態で次回のスタートレバーSLに対する遊技開始操作を待機する。
また遊技制御手段102は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理を行う。本実施形態では、滞在している遊技状態を示す情報は、主記憶手段106に格納される。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の予め定められた条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の予め定められた条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を別の遊技状態へ移行させることができる。
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。具体的には、通常状態においてボーナスが当選した場合にボーナス成立状態へ移行する。また通常状態では、主記憶手段106に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、小役、リプレイ、およびボーナスが抽選対象として設定されている内部抽選テーブルを参照して内部抽選が行われる。
ボーナス成立状態は、内部抽選でボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、主記憶手段106に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、通常状態と同じ確率で小役の当否が決定され、ボーナスが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。なおボーナス成立状態においてもリプレイは抽選対象として設定されているが、通常状態とはリプレイの当選確率や当選態様が異なっていてもよいし、同じであってもよい。
またボーナス成立状態では、ボーナスが入賞するまでボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持されたまま小役およびリプレイの当否が決定され、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されると、遊技制御手段102は、ボーナスの入賞に基づいて遊技状態をボーナス成立状態からボーナス状態へ移行させる。
ボーナス状態は、ボーナスの入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス状態では、主記憶手段106に記憶されている複数種類の内部抽選テーブルのうち、小役の当選確率が通常状態およびボーナス成立状態よりも高く設定され、リプレイが抽選対象から除外された内部抽選テーブルを参照した内部抽選が行われる。すなわちボーナス状態では、通常状態やボーナス成立状態よりも小役が頻繁に当選するようになっている点で、通常状態やボーナス成立状態よりも遊技者に有利な遊技状態となっている。
またボーナス状態では、ボーナス状態でのボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、予め定められた終了予定払出数(例えば、250枚)を超えるメダルが払い出されると、遊技制御手段102は、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。なお本実施形態では、ボーナス状態における払出数についてのカウント情報は主記憶手段106に累計して記憶される。
メインエラー検出手段104は、投入検知センサ401、第1メダル通過センサ402、第2メダル通過センサ403、シュートセンサ305、払出センサ406、およびオーバーフローセンサ313の信号状態を監視して、エラー検出条件を満たしているかを判断して、エラー検出条件を満たしていることに基づいて発生しているメインエラーを特定することによってメインエラーを検出する。なお本実施形態では、いずれかのメインエラーを検出した後(後述するエラーウェイト処理によって解除操作を待機している状況)も、メインエラー検出手段104はタイマ割り込み処理によって定期的に各メインエラーの検出を継続して行っている。
以下では、図5および図6を参照してメインエラーの種別と各メインエラーについてのエラー検出条件とについて説明する。
図5は、投入口から投入されたメダルの流路を説明する図である。
まずメダルの投入が受け付けられている状況では、投入口MIからメダルが投入されると、メダルセレクターSCを通過してメダルの識別および枚数のカウントがなされて、メダルシュートMSを経由してホッパーユニットHPへメダルが送られるようになっている。
一方、遊技を行っている状況や、メダルのクレジット数が最大数に達している状況では、メダルブロッカー404が作動してメダルセレクターSCからメダルシュートMSへの流路が閉塞され、メダルセレクターSCから払出口MOへメダルが返却されるようになっている。
またホッパーユニットHPに貯蔵されているメダルが所定量を超えると、所定量を超えてホッパーユニットHPに送られたメダルはキャッシュボックスCBへと送られるようになっている。
そして本実施形態では、メインエラー検出手段104が、各種センサの信号状態に基づいて、図6に示すように、逆流エラー、エンプティエラー、払出詰まりエラー、払出異常エラー、オーバーエラー、滞留エラー、および投入異常エラーを検出する。
(1)逆流エラー
逆流エラーは、メダルが流路において逆流していることに起因するメインエラーであって、メダルの投入を受け付けている状況において、第1メダル通過センサ402または第2メダル通過センサ403の信号状態(オン/オフ状態)が正しい順序どおりに変化しなかった場合に検出される。メインエラー検出手段104は、第1メダル通過センサ402または第2メダル通過センサ403の信号状態の変化がある毎に、2つのセンサの状態をチェックし、正しい順序どおりに変化しない場合に、逆流エラーが発生したとみなして、主記憶手段106に逆流エラー検出フラグを設定する。
(2)エンプティエラー
エンプティエラーは、ホッパーユニットHPに貯蔵されているメダルがなくなったことに起因するメインエラーであって、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ406の信号状態がオフ状態(払い出されるメダルが検知されていない状態)で一定期間(約2100ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、ホッパーユニットHPに対してメダルの払い出しを指示する信号がオン状態にされると、主記憶手段106に設けられたエンプティエラー検出タイマで計時を行い、エンプティエラー検出タイマの計時情報によって払出センサ406の信号状態がオフ状態のまま一定期間以上となった場合に、エンプティエラーが発生したとみなして主記憶手段106にエンプティエラー検出フラグを設定する。
(3)払出詰まりエラー
払出詰まりエラーは、ホッパーユニットHPにおいて払い出されるべきメダルが詰まって排出されていないことに起因するメインエラーであって、メダルの払い出しが行われている状況において、払出センサ406の信号状態がオン状態(払い出されるメダルが検知されている状態)で一定期間(約172ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、ホッパーユニットHPに対してメダルの払い出しを指示する信号がオン状態にされると、主記憶手段106に設けられた払出詰まりエラー検出タイマで計時を行い、払出詰まりエラー検出タイマの計時情報によって払出センサ406の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、払出詰まりエラーが発生したとみなして主記憶手段106に払出詰まりエラー検出フラグを設定する。
(4)払出異常エラー
払出異常エラーは、メダルの払い出しを行うべきではない状況でメダルの払い出しがあったことに起因するメインエラーであって、メダルの払い出しが行われていない状況において、払出センサ406の信号状態がオン状態で一定期間(約6ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、ホッパーユニットHPに対するメダルの払い出しを指示する信号がオフ状態である状況において、主記憶手段106に設けられた払出異常エラー検出タイマで計時を行い、払出異常エラー検出タイマの計時情報によって払出センサ406の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、払出異常エラーが発生したとみなして主記憶手段106に払出異常エラー検出フラグを設定する。
(5)オーバーエラー
オーバーエラーは、キャッシュボックスCBに貯蔵されている余剰メダルが所定量を超えたことに起因するメインエラーであって、オーバーフローセンサ313の信号状態がオン状態(余剰メダルが所定量を超えたこと示す信号状態)で一定期間(約0.1ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、オーバーフローセンサ313の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段106に設けられたオーバーエラー検出タイマで計時を行い、オーバーエラー検出タイマの計時情報によってオーバーフローセンサ313の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、オーバーエラーが発生したとみなして主記憶手段106にオーバーエラー検出フラグを設定する。
(6)滞留エラー
滞留エラーは、メダルセレクターSC内でメダルが詰まっていることに起因するメインエラーであって、第1メダル通過センサ402または第2メダル通過センサ403の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知していることを示す信号状態)で一定期間(約131ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403の少なくとも一方のセンサの信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段106に設けられた滞留エラー検出タイマで計時を行い、滞留エラー検出タイマの計時情報によって第1メダル通過センサ402または第2メダル通過センサ403の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、滞留エラーが発生したとみなして主記憶手段106に滞留エラー検出フラグを設定する。
(7)投入異常エラー
投入異常エラーは、投入口MI付近でメダルが詰まっていること(第1類型)、メダルブロッカー404を作動させてメダルシュートMSへの流路を閉塞したことによってメダルの流路が切り替えられたにも関わらずにメダルが正規の流路(ここでは払出口MOに返却される流路)とは異なる流路を通過していること(第2類型)、またはメダルセレクターSCを通過したメダルの数とメダルシュートMSを通過したメダルの数とに一定以上の差が生じたこと(第3類型)に起因するメインエラーである。
第1類型の投入異常エラーは、メダルセレクターSC内の投入検知センサ401がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)で一定期間(約532ms)以上継続した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、投入検知センサ401の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段106に設けられた第1投入異常エラー検出タイマで計時を行い、第1投入異常エラー検出タイマの計時情報によって投入検知センサ401の信号状態がオン状態のまま一定期間以上となった場合に、投入異常エラーが発生したとみなして主記憶手段106に投入異常エラー検出フラグを設定する。
第2類型の投入異常エラーは、メダルブロッカー404の作動後に第2メダル通過センサ403によってメダルセレクターSCを通過してメダルシュートMSへ向かって流れるメダルを検知した場合に検出される。メインエラー検出手段104は、メダルブロッカー404が作動している状況において、第2メダル通過センサ403の信号状態がオン状態である場合に、投入異常エラーが発生したとみなして主記憶手段106に投入異常エラー検出フラグを設定する。ただし本実施形態の遊技機では、第2類型の投入異常エラーの発生判断には非監視期間(約270ms)が設けられており、メインエラー検出手段104は、メダルブロッカー404の作動したことに基づいて主記憶手段106に設けられた投入異常非監視タイマで計時を行い、非監視期間が経過した時点で第2メダル通過センサ403の信号状態を確認して投入異常エラーの発生判断を行う。
第3類型の投入異常エラーは、投入されたメダルが第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403を正しい順序で通過してから一定期間(約1490ms)を経過するまでの間に、第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサ305の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定範囲(例えば、-8~7)に収まっていない場合、または投入されたメダルが第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403を正しい順序で通過してから一定期間(約1490ms)を経過した時点において、第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数と、シュートセンサ305の信号状態がオン状態(メダルの存在を検知している信号状態)となった回数との差が、所定数(例えば、5)以上となった場合に検出される。メインエラー検出手段104は、第1メダル通過センサ402および第2メダル通過センサ403の信号状態がオフ状態であって、かつシュートセンサ305の信号状態がオン状態である状況において、主記憶手段106に設けられた第2投入異常エラー検出タイマで計時を行いながら、主記憶手段106に設けられたシュートカウンタによって第1メダル通センサ402および第2メダル通過センサ403を正しい順序で通過したと検知されたメダルの数とシュートセンサ305の信号状態がオン状態となった回数との差を監視して、この差が上記条件を満たした場合に投入異常エラーが発生したとみなして主記憶手段106に投入異常エラー検出フラグを設定する。
メインエラー管理手段105は、主記憶手段106にいずれかのエラー検出フラグが設定されると、エラーウェイト処理を行って所定の解除操作が行われるのを待機し、このエラーウェイト処理において、メインエラー検出手段104によって検出されたメインエラーを第1メイン表示器DS1によって報知するとともに、所定の解除操作が行われたことに基づいてエラー検出フラグ等をクリアする解除処理を行う。なお本実施形態では、メインエラー管理手段105によるエラーウェイト処理の実行中においては遊技制御手段102でのメインループ処理が中断され、発生しているメインエラーについて解除処理が完了した後にメインループ処理が再開される。
具体的に説明すると、メインエラー管理手段105は、メインエラー検出手段104によってメインエラーが検出されて、検出されたメインエラーに対応するエラー検出フラグが主記憶手段106に設定されると、エラーウェイト処理において、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードを第1メイン表示器DS1に表示させる。
本実施形態の遊技機では、図6に示すように、各種メインエラーに対応してE1~E6およびE9のエラーコードが割り当てられており、逆流エラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS1に「E1」を表示し、エンプティエラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS2に「E2」を表示し、払出詰まりエラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS1に「E3」を表示し、払出異常エラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS1に「E4」を表示し、オーバーエラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS1に「E5」を表示し、滞留エラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器306に「E6」を表示し、投入異常エラー検出フラグが設定されている場合には、第1メイン表示器DS1に「E9」を表示する。なお主記憶手段106に複数種類のエラー検出フラグが設定されている場合には、そのなかで最も早く検出されたエラー検出フラグに対応するエラーコードを第1メイン表示器DS1に表示する。ただし、エラーコードに優先順位を予め設けて、最も優先順位の高いエラーコードを第1メイン表示器DS1に表示するようにしてもよい。
またメインエラー管理手段105は、エラーウェイト処理において、設定変更ボタンSBが押下されたことを解除操作として受け付けて、この解除操作によって設定変更スイッチ301から信号が入力されると、解除操作が行われたと判断して、図7に示すように、主記憶手段107に記憶されている検出フラグやタイマの計時情報等のエラー関連情報をクリア(消去)する解除処理を行う。なおエラーウェイト処理では、第1メイン表示器306にエラーコードを表示した後に、主記憶手段106に設けられたエラーウェイトタイマを用いてタイマウェイト処理を行い、タイマウェイト処理が行われている期間(約108ms)を経過した後から解除操作を受け付けるようになっている。
そして本実施の形態では、メインエラー管理手段105が、メインエラー検出手段104によって所定のエラーが検出された場合には、解除操作が行われたことに基づいて検出されたメインエラーに対応する解除処理を行うとともに、検出されたメインエラーに関連するエラーとして予め定められた他のメインエラーについてもそのエラーが発生していたか否かに関わらずに、発生したメインエラーに関連づけられた他のメインエラーに対応する解除処理も行うようになっている。
まずメインエラー管理手段105は、逆流エラーがメインエラー検出手段104によって検出された場合には、解除操作が行われたことに基づいて、逆流エラーに対応する解除処理を行うとともに、投入異常エラーおよび滞留エラーに対応する解除処理も行う。
またメインエラー管理手段105は、滞留エラーがメインエラー検出手段104によって検出された場合には、解除操作が行われたことに基づいて、滞留エラーに対応する解除処理を行うとともに、投入異常エラーに対応する解除処理も行う。
このように本実施形態では、メインエラーが検出されると、検出されたメインエラーが第1メイン表示器306を通じて報知されて発生したメインエラーの解除を促すことができるようになっており、メインエラーの発生によって呼び出されるエラーウェイト処理において解除操作が行われると、メインエラーに対応する解除処理が行われるようになっている。特に本実施形態では、検出されたエラーに対応する解除処理の実行をエラーウェイト処理で待機している状況においても継続してメインエラーの検出を行っているため、発生中のメインエラーの原因を取り除く作業に付随して他のメインエラーを検出してしまう可能性があるが、遊技場の店員等により解除操作が行われると、当初において検出されたメインエラーに対応する解除処理を行うとともに、検出されたメインエラーに関連するエラーとして予め定められた他のメインエラーについての解除処理についても他のメインエラーが発生していたか否かに関わらずに実行するようにしているため、エラー解除の際の手間がかからないようにすることができるようになっている。
また本実施形態では、主制御部10から副制御部20への情報の送信はシリアル通信によってコマンドを送信することによって実現されているが、主制御部10から副制御部20へ送信されるコマンドに含まれる情報としては、設定値、遊技状態、メダルの投入数や払出数、内部抽選の結果、各種スイッチの信号状態、リールの停止制御の内容、入賞判定の結果、発生したメインエラーに関するもの等がある。
特に本実施形態では、メインエラーが発生した場合に、主制御部10が、エラー検出フラグが設定されているエラー種別に対応するエラー発生コマンドや設定変更ボタンSBに対する解除操作が行われたことを示すエラー解除コマンドを副制御部20に送信し、ドア開閉スイッチ302の信号状態が変化した場合には、信号状態がオフ状態(前面扉FDが閉まっていることを示す信号状態)からオン状態(前面扉FDが開いていることを示す信号状態)へ変化したことに基づいてドア開コマンドを副制御部20に送信し、信号状態がオン状態からオフ状態へ変化したことに基づいてドア閉コマンドを送信する。そして本実施形態では、前面扉FDが開放されていても、それ自体はメインエラーとしては取り扱わずに他のメインエラーが発生していなければメインループ処理は続行可能となっている。また本実施形態では、所定期間毎(例えば、15ms毎)において主制御部10から副制御部20に対して断線監視コマンドを定期的に送信する制御も行っている。
メイン電断復帰手段107は、電源投入に応答して主制御部10を復帰させるための処理(メイン電断復帰処理)を行う。本実施形態では、電源がオンからオフになる時(以下、電断時という)に主制御部10の状態を主記憶手段106にバックアップする機能を有しており、メイン電断復帰手段107は、電源投入時((電源がオフからオンになった時)に主記憶手段106にバックアップされたデータをチェックして、正常/異常の判断を行い、バックアップされたデータが正常であると判断される場合、主制御部10によって制御される各種装置を電源断の直前の状態に復帰させるメイン電断復帰処理を行う。本実施形態では、メイン電断復帰処理として、例えば、第1メイン表示器DS1や第2メイン表示器DS2の表示内容を電源断の直前の状態に復帰させる等の処理を行う。
続いて副制御部20について説明する。副制御部20は、演出制御手段201と、サブエラー検出手段202と、サブエラー管理手段203と、副記憶手段204と、サブ電断復帰手段205とを含む。
演出制御手段201は、副記憶手段202に記憶されている演出データに基づいて、表示ユニット501(例えば、液晶ディスプレイLCD)を用いて行う演出や、スピーカSPを用いて行う演出や、ランプユニット503(例えば、外周ランプAL等)を用いて行う演出に関する制御を行う。例えば、メダルの投入や1ベットボタンB0A、MAXベットボタンB0B、スタートレバーSL、ストップボタンB1~B3に対する操作、遊技状態の変動などの遊技イベントの発生に応じてランプやLEDを点灯あるいは点滅させたり、液晶ディスプレイLCDの表示内容を変化させたり、スピーカSPから音を出力させたりすることにより、遊技の進行状況に応じて、遊技を盛り上げたり、遊技を補助するための演出の実行制御を行う。
特に本実施形態では、MAXベットボタンB0Bに内蔵されているMAXベットランプ604によって投入操作が受付可能であるかどうかが報知されるようになっており、主制御部10のメインループ処理においてメダルの投入が受け付けられている状況においてMAXベットランプ604を点灯し、メダルの投入を受け付けていない状況ではMAXベットランプ604が消灯するように制御される。また本実施形態では、主制御部10のメインループ処理において少なくともリールが回転している状況ではバックライトユニットLUで各リールの図柄表示位置を照明することによって各リールに配列された図柄の視認性を確保するようになっており、リールの停止時や役の入賞時等の予め定められた契機において消灯や点滅等するようにバックライトユニットLUの制御が行われる。
また遊技において実行される演出の内容は、副記憶手段204に記憶されている演出抽選テーブルを、遊技状態、演出状態、内部抽選の結果等に対応して主制御部10から送信されるコマンドに応じて決定される。なお本実施形態では、副記憶手段204のROM領域に記憶されている画像データを副記憶手段204に設けられたイメージバッファに読み込んで、イメージバッファに読み込まれた画像データに基づく画像が液晶ディスプレイLCDに出力され、副記憶手段204のROM領域に記憶されているサウンドデータを副記憶手段204に設けられたサウンドバッファに読み込んで、サウンドバッファに読み込まれたサウンドデータに基づく音がスピーカSPから出力されるようになっている。
サブエラー検出手段202は、主制御部10から送信されたドア開コマンドおよび断線監視コマンドに基づいて、エラー検出条件を満たしているかを判断して、エラー検出条件を満たしていることに基づいて発生しているサブエラーを特定することによってサブエラーを検出する。なお本実施形態では、いずれかのサブエラーを検出した後(後述する主制御部10からのエラー解除コマンドの受信を待機している状況)も、サブエラー検出手段202はタイマ割り込み処理によって定期的に各サブエラーの検出を継続して行っている。
そして本実施形態では、サブエラー検出手段202が、図8に示すように、ドア開閉エラーおよび通信エラーを検出する。
(1)ドア開放エラー
ドア開放エラーは、前面扉FDが開いていることに起因するサブエラーであって、前面扉FDが開くことによって作動するドア開閉スイッチ302の信号状態がオン状態(前面扉FDが開いていることを示す信号状態)に変化したことを示すドア開コマンドを受信してから一定期間(約48ms)以上経過した場合に検出される。サブエラー検出手段202は、ドア開コマンドを受信した状況において、副記憶手段204に設けられたドア開放エラー検出タイマで計時を行い、ドア開放エラー検出タイマの計時情報によって一定期間以上となった場合に、ドア開放エラーが発生したとみなして副記憶手段204にドア開放エラー検出フラグを設定する。
(2)通信エラー
通信エラーは、メイン基板MAINとサブ基板SUBとの間の通信ケーブルの断線等による通信不良に起因するサブエラーであって、主制御部10から定期的に送信される断線監視コマンドの受信から一定期間(例えば、20ms)以上経過した場合に検出される。サブエラー検出手段202は、断線監視コマンドを受信したことを契機として、副記憶手段204に設けられた通信エラー検出タイマをリセットするとともに計時を開始し、通信エラー検出タイマの計時情報によって一定期間以上となった場合に、通信エラーが発生したとみなして副記憶手段204に通信エラー検出フラグを設定する。
またサブエラー検出手段202は、主制御部10から送信されたエラー発生コマンドを受信すると、エラー発生コマンドによって特定されるメインエラーに対応するエラー検出フラグを副記憶手段204に設定する。
サブエラー管理手段203は、副記憶手段204にエラー検出フラグが設定されると、報知対象のエラーを決定してエラーに対応した演出態様で演出装置の制御を行うエラー報知処理を行って主制御部10からエラー解除コマンドやドア閉コマンドが送信されるのを待機し、このエラー報知処理において、報知対象のエラーを報知するとともに、復帰条件が成立したことに基づいて副記憶手段204に設定されているエラー検出フラグ等をクリアして演出装置の状態を元に戻す復帰処理を行う。なお本実施形態では、副制御部20から主制御部10へは何らの情報も送信されない関係で、サブエラーの発生が遊技制御手段102でのメインループ処理の進行に影響を与えることはなく、メインエラーが発生していなければサブエラーが発生している状況でも遊技制御手段102がメインループ処理を続行可能となっている。
そして本実施形態では、副記憶手段204にサブエラーに対応するエラー検出フラグが設定されている場合には、サブエラー管理手段203が、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードを設定して、設定されたエラーコードをサブ表示器DS3に表示させる。
具体的には、図8に示すように、各種サブエラーに対応してE8およびEFのエラーコードが割り当てられており、ドア開放エラー検出フラグが設定されている場合には、サブ表示器DS3に「E8」を表示し、通信エラー検出フラグが設定されている場合には、サブ表示器DS3に「EF」を表示する。なお副記憶手段204にドア開放エラー検出フラグおよび通信エラー検出フラグの双方が設定されている場合には、優先順位の高い通信エラー検出フラグに対応するエラーコードがサブ表示器DS3に表示される。
またサブエラー管理手段203は、エラーウェイト処理の実行中において、副記憶手段204に設定されているエラー検出フラグに対応する各種エラーについてドア開放エラー<メインエラー<通信エラーの優先順位で報知対象のエラーを決定して、最も優先順位の高いエラーを外周ランプALやスピーカSP等によって報知する。
具体的に説明すると、ドア開放エラーが発生しているが、メインエラーや通信エラーが発生していない状況ではドア開放エラーを報知対象として決定し、メインエラーに対応するエラー発生コマンドを受信した場合には最先に受信したエラー発生コマンドによって特定されるメインエラーを報知対象として決定し、ドア開放エラー検出フラグが副記憶手段204に設定されている状況でメインエラーに対応するエラー発生コマンドを受信した場合には、受信したエラー発生コマンドによって特定されるメインエラーをドア開放エラーに優先して報知対象として決定し、通信エラー検出フラグが副記憶手段204に設定された場合には、他のエラーに優先して通信エラーを報知対象として決定する。
そして本実施形態では、図9に示すように、エラー種別に応じて4系統の報知パターンが設定されている。
例えば、報知対象のエラーが逆流エラー、払出異常エラー、または投入異常エラーのいずれかである場合には、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点灯し、MAXベットランプ604およびバックライトユニットLUを消灯し、かつ警告音Aを鳴らしつつ「係員をお呼びください」とのメッセージAをスピーカSPによって出力するメインエラー報知処理が実行される。
また例えば、報知対象のエラーがエンプティエラー、払出詰まりエラー、オーバーエラー、または滞留エラーのいずれかである場合には、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、MAXベットランプ604およびバックライトユニットLUを消灯し、かつ警告音Bを鳴らしつつ「係員をお呼びください」とのメッセージAをスピーカSPによって出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示するメインエラー報知処理が実行される。
また例えば、報知対象のエラーがドア開放エラーである場合には、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、バックライトユニットLUを消灯し、かつ警告音Bを鳴らしつつ「ドアが開いています」とのメッセージBをスピーカSPによって出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示するドア開放エラー報知処理が実行される。なおドア開放エラーが発生していてもメインエラーが発生していない場合には、主制御部10においてメインループ処理が進行可能であるため、MAXベットランプ604についてはメインループ処理の進行状況に依存して点灯制御される。また本実施形態では、ドア開放エラーを報知対象とした場合には、ドア閉コマンドを受信してから所定期間(約2秒)を経過するまでは復帰処理が行われないため前面扉FDが閉まった後もエラー報知処理を継続して行うようになっている。
また例えば、報知対象のエラーが通信エラーである場合には、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、バックライトユニットLUを消灯し、かつ警告音Bを鳴らしつつ「係員をお呼びください」とのメッセージAをスピーカSPによって出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示する通信エラー報知処理が実行される。なお通信エラーが発生していてもメインエラーが発生していない場合には、主制御部10においてメインループ処理が進行可能であるため、MAXベットランプ604についてはメインループ処理の進行状況に依存して点灯制御される。
またサブエラー管理手段203は、主制御部10からエラー発生コマンドを受信したことによりメインエラー報知処理が実行されている状況において、主制御部10からエラー解除コマンドを受信すると、図10に示すように、副記憶手段204に記憶されている検出フラグ等のメインエラー関連情報をクリア(消去)するとともに、演出装置の状態を元の状態に復帰させる復帰処理を行う。
またサブエラー管理手段203は、ドア開放エラーの発生によって実行されているエラーウェイト処理においては、主制御部10からドア閉コマンドを受信してから所定期間(例えば、2秒)を経過したことを復帰条件としてドア開放エラーに関する検出フラグやタイマの計時情報等をクリア(消去)するとともに、演出装置の状態を元の状態に復帰させる復帰処理を行う。
また本実施形態では、通信エラーに関して、電断復帰による副記憶手段204の初期化のみによって復帰可能となっており、エラー管理手段203は、遊技機の電源供給が絶たれるまで、通信エラー報知処理を続行して通信エラーを報知している状態を維持する。ただし、電断復帰によって通信エラーが一時的に解除されても断線の状況が解消されていない場合には、主制御部10からの断線監視コマンドの受信不良によりサブエラー検出手段202によって再度通信エラーが検出されることになる。
サブ電断復帰手段205は、電源投入に応答して副制御部20を復帰させるための処理(サブ電断復帰処理)を行う。本実施形態では、電源がオンからオフになる時(以下、電断時という)に副制御部20の状態を副記憶手段204にバックアップする機能を有しており、サブ電断復帰手段205は、電源投入時((電源がオフからオンになった時)に副記憶手段204にバックアップされたデータをチェックして、正常/異常の判断を行い、バックアップされたデータが正常であると判断される場合、副制御部20によって制御される各種装置を電源断の直前の状態に復帰させるサブ電断復帰処理を行う。
本実施形態では、主制御部10と副制御部20とにおける起動電圧の関係で副制御部20が主制御部10よりも早い段階で起動する。すなわち遊技機の電源投入がなされると、主制御部10よりも先に副制御部20が起動し、主制御部10からのコマンド受信を待機する状況を形成する。
そしてサブ電断復帰手段205は、前面扉FDが開放された状態で遊技機の電源投入がなされた場合、上部パネルランプUPLをメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)より先に動作を開始させ、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLをメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)より後に動作を開始させる制御を行う。すなわち本実施形態では、前面扉FDが開放された状態で遊技機の電源投入がなされた場合、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLが上部パネルランプUPLより後に動作を開始し、外周ランプALおよび下部ランプパネルDPLについては前面扉FDが開放されていることを報知する動作態様で動作する。上部パネルランプUPLについては、前面扉FDの開閉によっては動作態様が変化せず、遊技機の電源投入により副制御部20が起動して上部パネルランプUPLが内蔵するLEDユニットに通電されると、前面扉FDの開閉に関わらずに点灯した状態が維持される。
なお本実施形態の機能ブロック構成は、コンピュータシステム(ゲームシステムを含む)に関しても適用することができる。これらのシステムでは、本実施形態の遊技制御手段100としてコンピュータを機能させるプログラムを、CD、DVD等の情報記憶媒体あるいはインターネット上のWebサーバからネットワークを介してダウンロードすることによって、その機能を実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、1ベットスイッチ307、MAXベットスイッチ308、スタートスイッチ309、ストップスイッチ311等は、キーボードやポインティングデバイス(マウス等)、タッチパネル、あるいはコントローラなどの操作手段に対してそれらの機能を仮想的に割り当てることにより実現することができる。また上記コンピュータシステムでは、リールユニット310、ホッパーユニットHPなどは必須の構成要件ではなく、これらのユニットは、ディスプレイに表示出力される画像の制御によってそれらの機能を仮想的に実現することができる。
2.本実施形態の手法
以下では、図11~図20に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態の遊技機において採用されている各種の制御手法を具体的に説明する。
図11は、本実施形態の遊技機における遊技の進行を制御するメインループ処理を示すフローチャートである。
まず遊技を行うために必要なメダルの投入を受け付ける投入受付処理が行われる(ステップS100)。投入受付処理では、遊技者がメダル投入口MIにメダルを投入することにより投入されたメダルを投入状態に設定し、遊技者が1ベットボタンB0AやMAXベットボタンB0Bを押下してベットスイッチ308が作動することにより予め遊技機内にクレジットされたメダルを投入状態に設定する。また、前回の遊技でリプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダルを要さずに、遊技機側で自動的に前回の遊技と同じ投入数のメダルを投入状態に設定する。そして遊技開始条件として設定されている規定投入数(例えば、3枚)のメダルの投入が完了すると(ステップS101でY)、スタートレバーSLの押下操作を待機する(ステップS102)。なお副制御部20では、投入受付処理が行われており、メダルの投入を受け付けている状況においてMAXベットランプ604を点灯し、規定投入数のメダルの投入が完了すると、MAXベットランプ604を消灯する。また前回の遊技での遊技演出によってリールのバックライトユニットLUが消灯している場合には副制御部20がメダルの投入や1ベットボタンB0AやMAXベットボタンB0Bに対する投入操作を契機として消灯しているリールのバックライトユニットLUを再点灯する。
そして遊技者がスタートレバーSLを押下してスタートスイッチ230が作動すると(ステップS102でY)、内部抽選が行われるとともに(ステップS103)、第1リールR1~第3リールR3を駆動するステッピングモータへ駆動パルスの供給が開始されて各リールの回転駆動が開始される(ステップS104)。内部抽選では、スタートスイッチ309の作動に伴って取得した乱数値を、遊技状態に応じて選択される内部抽選テーブルと比較することによって役の当否を決定し、当選した役(当選役)のフラグを当選状態に設定する。
そして各リールの回転速度が所定速度に達すると(ステップS105でY)、ストップボタンB1~B3に対する操作が有効化され(ステップS106)、ストップボタンの押下操作に応答して回転中のリールを停止させるリール停止制御を行う(ステップS107~ステップS109)。
具体的には、遊技者がストップボタンを押下すると(ステップS107でY)、押下されたストップボタンに対する操作を無効化してから、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールの停止位置が決定され、押下されたストップボタンに対応した回転中のリールを回転駆動しているステッピングモータへ全相励磁の駆動パルスを供給することによりリールを停止させる(ステップ108)。
そして、全てのリールが停止すると(ステップS109でY)、各リールの停止状態に基づいて入賞判定処理が行われる(ステップS110)。本実施形態では、有効ラインL1に役の入賞形態を示す図柄組合せが表示されたか否かに基づいて、役の入賞の有無を判定する。そして入賞判定処理の結果、役が入賞したと判定された場合には(ステップS10でY)、入賞した役に応じた入賞時処理を行って一連の処理を終了する(ステップS111)。
図12は、メインエラーの発生が検出された場合に呼び出される主制御部10でのエラーウェイト処理を示すフローチャートである。
まず主記憶手段106にエラー検出フラグが設定されていると(ステップS200でY)、第1メイン表示器306の状態を主記憶手段106に設けられた退避バッファに退避させてから(ステップS201)、エラー検出フラグの種類に対応したエラーコードを設定し(ステップS202)、設定したエラーコードを第1メイン表示器DS1に表示してエラーの発生と発生したエラーの内容を報知する(ステップS203)。
そしてエラーに関する報知が行われると、主記憶手段106にエラーウェイトタイマを設定して(ステップS204)、エラーウェイトタイマが所定期間(約107ms)を計時してタイムアップするまでタイマウェイト処理を行ってから(ステップS205)、解除操作の受け付けを開始する(ステップS206)。
そして本実施の形態では、設定変更ボタンSBが押下されて設定変更スイッチ301の信号状態がオン状態となった場合に解除操作が行われたと判断され(ステップS206でY)、エラー解除処理が行われる(ステップS207)。そしてエラー解除処理が完了すると、第1メイン表示器DS1の状態を元の状態に復帰させて一連の処理を終了する(ステップS208)。
図13は、逆流エラー、払出異常エラー、滞留エラー、または投入異常エラーのいずれかのメインエラー発生時における主制御部10でのエラーウェイト処理で呼び出される解除処理を示すフローチャートである。
まずエラーウェイト処理のステップS202で設定されたエラーコードが「E1」(逆流エラー)または「E6」(滞留エラー)であった場合には(ステップS300でY、またはステップS301でY)、第1投入異常エラー検出タイマ、第2投入異常エラー検出タイマ、シュートカウンタ、投入異常非監視タイマ、および投入異常エラー検出フラグをクリアする投入異常エラーの解除処理(ステップS304)と、滞留エラー検出タイマおよび滞留エラー検出フラグをクリアする滞留エラーの解除処理(ステップS306)と、逆流エラー検出フラグをクリアする逆流エラーの解除処理(ステップS307)と、を行ってからエラーコードを含むエラー検出結果をクリアする(ステップS308)。
このように本実施の形態では、逆流エラーが検出された場合に、エラーウェイト処理中において解除操作が行われたことに基づいて、逆流エラーに対応する解除処理を行うとともに、投入異常エラーおよび滞留エラーに対応する解除処理についても行うようにしている。このため本実施の形態によれば、メダルの流路において発生している逆流エラーの原因を取り除く作業に付随して投入異常エラーや滞留エラーを検出してしまっても、逆流エラーの解除処理に伴って投入異常エラーや滞留エラーについても解除処理が行われるので、エラー解除の際の手間がかからないようにすることができる。
また本実施の形態では、滞留エラーが検出された場合に、エラーウェイト処理中において解除操作が行われたことに基づいて、滞留エラーに対応する解除処理を行うとともに、投入異常エラーに対応する解除処理を行うようにしている。このため本実施の形態によれば、投入口MIの付近において発生している滞留エラーの原因を取り除く作業に付随して投入異常エラーを検出してしまっても、滞留エラーの解除処理に伴って投入異常エラーについても解除処理が行われるので、エラー解除の際の手間がかからないようにすることができる。
またエラーコードが「E4」(払出異常エラー)であった場合には(ステップS302でY)、払出異常エラー検出タイマおよび払出異常エラー検出フラグをクリアする払出異常エラーの解除処理(ステップS305)と、滞留エラー検出タイマおよび滞留エラー検出フラグをクリアする滞留エラーの解除処理(ステップS306)と、逆流エラー検出フラグをクリアする逆流エラーの解除処理(ステップS307)と、を行ってからエラーコードを含むエラー検出結果をクリアする(ステップS308)。
またエラーコードが「E9」(投入異常エラー)であった場合には(ステップS303でN)、第1投入異常エラー検出タイマ、第2投入異常エラー検出タイマ、およびシュートカウンタ、投入異常非監視タイマ、および投入異常エラー検出フラグをクリアする投入異常エラーの解除処理(ステップS304)と、滞留エラー検出タイマおよび滞留エラー検出フラグをクリアする滞留エラーの解除処理(ステップS306)と、逆流エラー検出フラグをクリアする逆流エラーの解除処理(ステップS307)と、を行ってからエラーコードを含むエラー検出結果をクリアする(ステップS308)。
このように本実施の形態では、第1類型、第2類型、または第3類型のいずれかの投入異常エラーが検出された場合に、エラーウェイト処理中において解除操作が行われたことに基づいて、いずれにも対応できるように共通の解除処理を行うようにしている。このようにすれば、投入口MI付近で発生している第1類型の投入異常エラーと、メダルの流路において発生している第2類型および第3類型の投入異常エラーとを互いに関連するエラーと考えて1つのエラー群として取り扱い、いずれかのエラーの発生が検出されている状況において、その原因を取り除く行に付随して発生し得るエラーを含めて解除処理が行われるようになるので、エラー解除の際の手間がかからないようにすることができる。
またエラーコードが「E1」、「E4」、「E6」、および「E9」のいずれでもなかった場合には(ステップS303でY)、滞留エラー検出タイマおよび滞留エラー検出フラグをクリアする滞留エラーの解除処理(ステップS306)と、逆流エラー検出フラグをクリアする逆流エラーの解除処理(ステップS307)と、を行ってからエラーコードを含むエラー検出結果をクリアする(ステップS308)。
なお本実施の形態では、エンプティエラー(エラーコードE2)、払出詰まりエラー(エラーコードE3)、オーバーエラー(エラーコードE5)、については個別に解除処理が行われるようになっている。ただし、払出異常エラーに対応する解除処理を行う場合には、払出詰まりエラーについても解除処理を行うようにしたり、また払出詰まりエラーに対応する解除処理を行うようにした場合には、払出異常エラーに対応する解除処理を行う等、エラーの検出に際して同じセンサの監視をしているようなエラーについては関連性のあるエラーとして一方の解除処理が行われる場合には、他方の解除処理が行われるようにしてもよい。
図14は、メインエラーの発生に係る副制御部20でのエラー検出に係る処理を示すフローチャートである。
主制御部10から送信されたエラー発生コマンドを受信すると(ステップS400でY)、エラー発生コマンドに含まれるメインエラーのエラー種別に対応したエラー検出フラグを設定する(ステップS401)。
図15は、ドア開放エラーに係る副制御部20でのエラー検出に係る処理を示すフローチャートである。
主制御部10から送信されたドア開コマンドを受信すると(ステップS500でY)、ドア開放エラー検出タイマの計時を開始し(ステップS501)、ドア開放エラー検出タイマの計時情報がタイムアップすると(ステップS502でY)、ドア開放エラーが発生したと判断してドア開放エラー検出フラグを設定する(ステップS503)。
図16は、通信エラーに係る副制御部20でのエラー検出に係る処理を示すフローチャートである。
副制御部20では、通信エラー検出タイマによって主制御部10から定期的に送信されてくる断線監視コマンドの受信間隔を計っており、通信エラー検出タイマがカウントアップしていない状況では(ステップS600でN)、主制御部10からの断線監視コマンドを受信すると(ステップS601でY)、通信エラー検出タイマの計時情報がリセットされて計時を再開する(ステップS602)。そして通信エラー検出タイマがタイムアップしてしまうと(ステップS600でY)、通信エラーが発生したと判断して通信エラー検出フラグを設定する(ステップS603)。
図17は、副制御部20での報知対象となるエラーを決定する処理を示すフローチャートである。本実施形態では、通信エラー、メインエラー、ドア開放エラーの順にエラーの発生を定期的にチェックし、通信エラー>メインエラー>ドア開放エラーの優先順位で報知対象を決定する。
具体的に説明すると、まず副記憶手段204に通信エラー検出フラグが設定されているか否かに基づいて通信エラーが発生しているか否かをチェックし(ステップS700)、通信エラーが発生していると判断される場合には(ステップS700でN)、通信エラーを報知対象として設定する(ステップS703)。
次に通信エラーが発生していない場合には(ステップS700でY)、副記憶手段204にいずれかのメインエラーに対応するエラー検出フラグが設定されているか否かに基づいてメインエラーが発生しているか否かをチェックし(ステップS701)、いずれかのメインエラーが発生していると判断される場合には(ステップS701でN)、副記憶手段204に設定されているエラー検出フラグに対応するメインエラーを報知対象として設定する(ステップS704)。
最後にメインエラーが発生していない場合には(ステップS701でY)、副記憶手段204にドア開放エラー検出フラグが設定されているか否かに基づいてドア開放エラーが発生しているか否かをチェックし(ステップS702)、ドア開放エラーが発生していると判断される場合には(ステップS702でN)、ドア開放エラーを報知対象として設定する(ステップS704)。
図18は、メインエラーを報知対象とした副制御部20でのエラー報知処理を示すフローチャートである。
まず全ての演出装置の状態を副記憶手段204に設けられた退避バッファに退避させてから(ステップS800)、報知対象となっているメインエラーのエラー種別に応じてメインエラー報知処理を実行する(ステップS801~ステップS803)。
例えば、報知対象となっているメインエラーのエラー種別が、逆流エラー(E1)、払い出し異常エラー(E4)、または投入異常エラー(E9)のいずれかである場合には(ステップS801でE1,E4,E9)、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点灯し、MAXベットランプおよびバックライトユニットLUを消灯し、スピーカSPから警告音AとメッセージAとを出力する演出態様のメインエラー報知処理を実行する(ステップS802)。
また例えば、報知対象となっているメインエラーのエラー種別が、エンプティエラー(E2)、払い出し詰まりエラー(E3)、オーバーエラー(E5)、または滞留エラー(E6)のいずれかである場合には(ステップS801でE2,E3,E5,E6)、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、MAXベットランプおよびバックライトユニットLUを消灯し、スピーカSPから警告音BとメッセージAとを出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示する演出態様のメインエラー報知処理を実行する(ステップS803)。
そしてメインエラー報知処理が実行されている状況では、主制御部10からのエラー解除コマンドを待機し(ステップS804)、エラー解除コマンドを受信した場合に(ステップS804でY)、復帰処理が行われる(ステップS805)。復帰処理では副記憶手段204に設定されたメインエラーに関するエラー検出フラグ等の情報をクリアするとともに、退避バッファに退避させた情報に基づいて各演出装置の状態を元の状態に復帰させて一連の処理を終了する。
図19は、ドア開放エラーを報知対象とした副制御部20でのエラー報知処理を示すフローチャートである。
まずMAXベットランプを除く演出装置の状態を副記憶手段204に設けられた退避バッファに退避させてから(ステップS900)、報知対象となっているドア開放エラーに対応するエラーコード(E8)を設定してサブ表示器DS3にエラーコード(E8)を表示してから(ステップS901)、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、バックライトユニットLUを消灯し、スピーカSPから警告音BとメッセージBとを出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示する演出態様のドア開放エラー報知処理を実行する(ステップS902)。なおMAXベットランプについてはドア開放エラー報知処理の対象外デバイスとなっているため、メインループ処理の進行に応じて主制御部10から送信されてくる制御コマンドに応じてMAXベットランプの点灯制御が行われる。
そしてドア開放エラー報知処理が実行されている状況では、主制御部10からのドア閉コマンドを待機し(ステップS903)、ドア閉コマンドを受信すると(ステップS903でY)、副記憶手段204に復帰ウェイトタイマを設定して(ステップS904)、復帰ウェイトタイマが所定期間(約2秒)を計時してタイムアップするまでタイマウェイト処理を行ってから(ステップS905)、復帰処理が行われる(ステップS906)。復帰処理では副記憶手段204に設定されたドア解放エラー検出フラグやドア開放エラー検出タイマ等のドア開放エラーに関連する情報をクリアするとともに、退避バッファに退避させた情報に基づいて各演出装置の状態を元の状態に復帰させて一連の処理を終了する。
図20は、通信エラーを報知対象とした副制御部20でのエラー報知処理を示すフローチャートである。
まずMAXベットランプを除く演出装置の状態を副記憶手段204に設けられた退避バッファに退避させてから(ステップS1000)、報知対象となっている通信エラーに対応するエラーコード(EF)を設定してサブ表示器DS3にエラーコード(EF)を表示してから(ステップS1001)、外周ランプALおよび下部パネルランプDPLを点滅させ、バックライトユニットLEを消灯し、スピーカSPから警告音BとメッセージAとを出力し、液晶ディスプレイLCDにエラー内容を表示する演出態様の通信エラー報知処理を実行する(ステップS1002)。なおMAXベットランプについては通信エラー報知処理の対象外デバイスとなっているため、メインループ処理の進行に応じて主制御部10から送信されてくる制御コマンドに応じてMAXベットランプの点灯制御が行われる。
そして本実施形態では、通信エラーについては電断復帰によってのみ解除可能となっているため、ひとたび通信エラーが発生すると遊技機の電源が落とされるまで演出装置の状態が復帰することはなく通信エラーを報知する状態が継続することになる。
また本実施の形態では、副制御部20によって制御される上部パネルランプUPL、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPが存在し、上部パネルランプUPLは、前面扉FDの開閉によっては動作態様が変化せず、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPは、前面扉FDの開放を報知する動作態様が存在し、副制御部20が、前面扉FDが開放された状態で遊技機の電源投入がなされた場合、上部パネルランプUPLを、主制御部10によって制御されるメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)より先に動作を開始させ、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPを上部パネルランプUPLより後に動作を開始させる制御を行う手法を採用している。
図21は、本実施形態の手法を適用した第1実施態様に関するタイミングチャートを示す図である。第1実施態様では、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)よりも後に動作を開始する。
本実施形態の遊技機では、電源投入を行う場合、前面扉FDを開放する必要がある。この前面扉FDが開放されている状態を前面扉開放状態とする。前面扉開放状態で遊技機の電源投入がなされると、副制御部20が主制御部10に先立って起動し、主制御部10からのコマンドを受信可能な状態で主制御部10の起動完了を待機する。
副制御部20によって制御されるサブ表示器DS3、上部パネルランプUPL、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのうち、エラー報知に関連しない上部パネルランプUPLについては副制御部20の起動直後のタイミングT1(例えば、電源投入から約0.5秒後)において点灯して通常動作を開始する。
続いて主制御部10が正常に起動してメインエラーが発生していない場合には、主制御部10の起動直後のタイミングT2(例えば、電源投入から約1.5秒後)においてメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)が電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。主制御部10の起動が完了すると主制御部10から副制御部20にドア開コマンドが送信され、ドア開コマンドを受信した副制御部20ではドア開放エラーを検出し、タイミングT3(例えば、電源投入から約1.8秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが前面扉FDの開放を報知するエラー報知動作を開始する。
その後、前面扉FDが閉扉されると、主制御部10からドア閉コマンドが送信され、ドア閉コマンドを受信した副制御部20では直ちに復帰処理を行わずにサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのエラー報知動作を僅かの間だけ維持し、副制御部20による復帰処理が完了したタイミングT4(例えば、閉扉から約2秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。
第1実施態様において、タイミングT2とタイミングT3との差は、タイミングT1とタイミングT2との差よりも十分に短いことが好ましい。このようにすればサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPの動作開始により主制御部10の正常な起動をいち早く察知することができる。
図22は、本実施形態の手法を適用した第2実施態様に関するタイミングチャートを示す図である。第2実施態様では、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)と略同時に動作を開始する。
第2実施態様でも第1実施態様の場合と同様に、前面扉開放状態で遊技機の電源投入がなされると、副制御部20が主制御部10に先立って起動し、主制御部10からのコマンドを受信可能な状態で主制御部10の起動完了を待機する。
副制御部20によって制御されるサブ表示器DS3、上部パネルランプUPL、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのうち、エラー報知に関連しない上部パネルランプUPLについては副制御部20の起動直後のタイミングT1(例えば、電源投入から約0.5秒後)において点灯して通常動作を開始する。
続いて主制御部10が正常に起動してメインエラーが発生していない場合には、主制御部10の起動後のタイミングT2(例えば、電源投入から約1.5秒後)においてメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)が電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。主制御部10の起動が完了すると主制御部10から副制御部20にドア開コマンドが送信され、ドア開コマンドを受信した副制御部20ではドア開放エラーを検出し、メイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)と略同時のタイミングT2(例えば、電源投入から約1.5秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが前面扉FDの開放を報知するエラー報知動作を開始する。
その後、前面扉FDが閉扉されると、主制御部10からドア閉コマンドが送信され、ドア閉コマンドを受信した副制御部20では直ちに復帰処理を行わずにサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのエラー報知動作を僅かの間だけ維持し、副制御部20による復帰処理が完了したタイミングT3(例えば、閉扉から約2秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。
第2実施態様では、メイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)の動作開始とサブ表示器DS3、下部ランプパネルDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPの動作開始とについて極めて短い時間であればズレが生じていてもよい。またサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPの全てがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)と略同時に動作を開始する必要はなく、サブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのうち最も早く動作を開始するデバイスがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)と略同時に動作を開始すればよい。
図23は、本実施形態の手法を適用した第3実施態様に関するタイミングチャートを示す図である。第3実施態様では、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、サブ表示器DS3、およびスピーカSPがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)よりも前に動作を開始する。
なお第3実施態様については、例えば、主制御部10側でメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)の復帰処理に先んじて副制御部20にドア開コマンドを送信する構成とすることで実現することができる。また例えば、ドア開閉スイッチ302の入力信号が副制御部20にも直接入力される構成として、副制御部20側で主制御部10からのドア開コマンドを待たずにドア開放エラーを検出することが可能であるようにしても第3実施態様を実現することができる。
第3実施態様でも第1実施態様や第2実施態様の場合と同様に、前面扉開放状態で遊技機の電源投入がなされると、副制御部20が主制御部10に先立って起動し、主制御部10からのコマンドを受信可能な状態で主制御部10の起動完了を待機する。
副制御部20によって制御されるサブ表示器DS3、上部パネルランプUPL、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのうち、エラー報知に関連しない上部パネルランプUPLについては副制御部20の起動直後のタイミングT1(例えば、電源投入から約0.5秒後)において点灯して通常動作を開始する。
続いて主制御部10が正常に起動してメインエラーが発生していない場合には、主制御部10の起動が完了すると主制御部10から副制御部20にドア開コマンドが送信され、ドア開コマンドを受信した副制御部20ではドア開放エラーを検出し、タイミングT3(例えば、電源投入から約1.2秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが前面扉FDの開放を報知するエラー報知動作を開始する。一方、主制御部10の起動後のタイミングT3(例えば、電源投入から約1.5秒後)においてメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)が電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。
その後、前面扉FDが閉扉されると、主制御部10からドア閉コマンドが送信され、ドア閉コマンドを受信した副制御部20では直ちに復帰処理を行わずにサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのエラー報知動作を僅かの間だけ維持し、副制御部20による復帰処理が完了したタイミングT4(例えば、閉扉から約2秒後)においてサブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPが電断直前の状態に復帰して通常動作を開始する。
第3実施態様では、サブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPの全てがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)よりも先に動作を開始する必要はなく、サブ表示器DS3、下部パネルランプDPL、外周ランプAL、およびスピーカSPのうち一部のデバイスがメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)よりも先に動作を開始し、残りのデバイスはメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)と略同時またはメイン表示器(第1メイン表示器DS1および第2メイン表示器DS2)よりも後に動作を開始するようにしてもよい。
このように本実施の形態では、副制御部20の起動によって前面扉FDの開閉に関わらずに通常動作の態様で動作が可能な上部パネルランプUPLは他のデバイスよりもいち早く動作を開始し、エラー報知動作の態様で動作するサブ表示器DS3、外周ランプAL、下部パネルランプDPL、およびスピーカSPは主制御部10からのコマンド受信を待って、副制御部20がドア開コマンドを受信したことによってドア開放エラーを報知する態様でエラー報知動作を開始する。
このため本実施形態の手法によれば、前面扉FDが開放された状態で遊技機の電源投入がなされた場合、上部パネルランプUPLの動作開始によって電源投入に対する通電が正常に行われていることを速やかに察知することができ、サブ表示器DS3、外周ランプAL、下部パネルランプDPL、およびスピーカSPの動作開始によって主制御部10の起動を察知することができるため、作業者の状況確認の利便性を向上させることができる。特に本実施の形態では、サブ表示器DS3、外周ランプAL、下部パネルランプDPLの動作開始の察知は、遊技機の設置環境や作業環境によっては視認が困難である場合もあるが、スピーカSPからの音出力によるエラー報知動作によって前面扉FDの裏面側で作業をしている作業者がエラー報知動作を察知しやすい状況を提供できる。
また本実施の形態では、前面扉FDの開放によって発生するドア開放エラーの発生をサブ基板SUB(副制御部20)で監視し、ドア開放エラーの発生中もメイン基板MAIN(主制御部10)では遊技を進行させるメインループ処理を続行可能として、前面扉を開放したまま遊技機の動作チェックが可能となっているため、遊技機のメンテナンス作業の効率を向上させることができる。
特に本実施の形態では、サブ基板SUB(副制御部20)で点灯制御を行うランプユニットとして前面扉FDを電飾する外周ランプALとメダルの投入操作が可能であるか否かを示すMAXベットボタンB0Bに内蔵されたMAXベットランプとについて、ドア開放エラーの発生している状況において外周ランプALでドア開放エラー発生の報知を行う一方で、メインループ処理の進行に応じてMAXベットランプの点灯制御を行うようにしたので、MAXベットボタンB0Bに対する投入操作が正常に受け付けられるかどうかの動作チェックを通常の遊技と同様の動作環境で違和感なく進めることができ、遊技機のメンテナンス作業におけるインターフェース環境を向上させることができる。
また本実施の形態のような遊技機では、主記憶手段106のメモリ容量が大きいものを搭載することが禁じられているため、遊技機を設計する上ではメモリ使用量の厳密な管理が要求される。そして本実施の形態のようにドア開放エラーをメイン基板MAIN側で管理するのではなく、メイン基板MAINよりも搭載するメモリ容量の自由度が高いサブ基板SUB側で管理に移すことで、メンテナンス作業の効率が向上するばかりではなく、メイン基板MAINのメモリ使用量も削減することができる。
なお本実施の形態では、サブエラー(ドア開放エラー、通信エラー)の発生した状況において、バックライトユニットLUを消灯する演出態様のエラー報知処理を行うようにした場合について説明をしたが、ドア開放エラー報知処理および通信エラー報知処理においてバックライトユニットLUをMAXベットランプと同様に報知処理の対象外デバイスとしてメインループ処理の進行に応じて点灯制御を行うようにしてもよい。
このようにすれば、前面扉FDを開放した状態でも通常の遊技と同様の動作環境で第1リールR1~第3リールR3の挙動を確認しやすくなり、前面扉FDを開放したまま行うようなメンテナンス作業におけるインターフェース環境を向上させることができる。
なお各リールに配列された図柄の視認性確保という観点からはバックライトユニットLUについてサブエラーが発生した状況では、エラー報知処理の対象デバイスとするが、上記実施形態のようにエラー報知処理においてバックライトユニットLUを消灯するのではなく点灯させたままとするようにしてもよい。
特にドア開放エラー報知処理において、バックライトユニットLUを点灯させたままとする場合には、メインループ処理の進行状況に応じてリールの停止時にバックライトユニットLUを消灯させたり、役の入賞時にバックライトユニットLUを点滅させたりする演出態様での点灯制御を行うように構成されていても、前面扉FDが閉まっている状況では、メインループ処理の進行状況に応じた演出態様で点灯制御を行うが、前面扉FDが開放されてドア開放エラーが発生し、ドア開放エラー報知処理を行っている状況では、バックライトユニットLUを点灯させたままとするがメインループ処理においてリールの停止や役の入賞等の演出発生条件が成立してもメインループ処理の進行に応じた演出態様での点灯制御は行わないようにすることができる。
また本実施の形態では、副制御部20でのドア開放エラーの検出について、主制御部10からのドア開コマンドを受信してから所定期間を経過したことによってドア開放エラーが発生したと判断するようにしたが、ドア開コマンドを受信した場合に即座にドア開放エラーが発生したと判断するようにしてもよい。また主制御部10においてドア開放スイッチ302の信号状態がオン状態に変化したことに基づいて計時を行い、所定期間を経過したことによって副制御部20に対してドア開コマンドを送信し、ドア開コマンドを受信した副制御部20ではドア開コマンドを受信したことを契機としてドア開放エラーが発生したと判断するようにしてもよい。
また本実施の形態では、メインエラーおよびサブエラーのいずれが発生している状況でもエラー報知処理では、液晶ディスプレイLCDによってエラー内容を表示するようにしたが、サブエラーのうちドア開放エラーが発生している状況では、液晶ディスプレイLCDをエラー報知処理の対象外デバイスとして、メインループ処理の進行に応じて表示内容の制御が行われるようにしてもよい。
また本実施の形態では、遊技を行う際にメダル等の遊技媒体を投入し、役の入賞によって遊技媒体を払い出すようにした遊技機であったが、遊技媒体を用いずに電子的情報としての遊技価値を消費または付与することによって遊技を行わせるようにしてもよい。例えば、遊技機または遊技機に接続される外部ユニットにおいて遊技者の所有する遊技価値の情報を記憶することができるようにして、遊技価値の数を減算することによって遊技価値を消費することを遊技媒体の投入に置き換え、遊技価値の数を加算することによって遊技価値を付与することを遊技媒体の払い出しに置き換えた構成としてもよい。すなわち上記実施形態の発明は、有体物としてのメダル(遊技価値)を用いて遊技を行うスロットマシンに限られるものではなく、有体物としてのメダルを用いずに電子的情報である電子メダル(遊技価値)を遊技媒体として用いて遊技を行う遊技機であるスマートパチスロ(「スマスロ」あるいは「メダルレス遊技機」とも称される。)にも適用することができる。