JP7249445B1 - 床材の製造方法、床材及び床材の施工構造 - Google Patents

床材の製造方法、床材及び床材の施工構造 Download PDF

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Abstract

【課題】施工状態において木質製の床材が床面から浮くことを抑制する。【解決手段】基材3の一方側の面に水系熱硬化性接着剤を塗布し、基材3の一方側に第1突板4を載置する第1工程と、第1工程で塗布した水系熱硬化性接着剤が完全固化しない温度下で、基材3の一方側から第1突板4を1MPa以上10MPa以下の荷重で加圧して仮圧締する第2工程と、基材3の他方側の面に水系熱硬化性接着剤を塗布し、第2突板2を載置する第3工程と、第2突板2の上方に位置付けた第1加熱板と第1突板4の下方に位置付けた第2加熱板とを用い、熱により基材3の一方側及び他方側の面に塗布した水系熱硬化性接着剤を硬化させるとともに第1突板4及び第2突板2を厚さ方向に10MPa以上25MPa以下の荷重で加圧することにより、前記第1突板4と前記第2突板2とを基材3に同時に貼着する第4工程とを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、床材の製造方法、床材及び床材の施工構造に関する。
特許文献1には、コンピュータ等の機器に対する電力線等(線部材)を室内の床部(床下部)に配線する場合などに用いる配線用フロアパネル装置が開示されている。前記フロアパネル装置は、床面に配線溝形成用ブロックを所定の間隔をおいて配設して隣り合うブロック間に配線溝(配線部)を形成し、その配線溝の上面開口部をカバー部材で覆い、そのカバー部材および前記ブロックの上面に仕上げ材を非硬化性粘着剤で貼着して敷設するようにしたものである。前記仕上げ材は、具体的にはプラスチックタイル、カーペット、カーペットタイル等である(特許文献1の段落0016を参照)。
実開平7-38402号公報
ところで、特許文献1におけるプラスチックタイル等の前記仕上げ材に代えて木質製の床材を複数用い、この複数の床材を並べて床面を構成することが考えられる。このとき、前記機器の配置換えやメンテナンスのために、配線部を上側に開口させることができるように、木質製の床材を1枚ずつ床面から一時的に取り除ける構成にしたい。
また、木質製の床材は、製造過程、及び製造後の湿度、温度等の環境の影響によって、変形する場合がある。床材が変形すると、床面に浮きが生じ、床材の美観を損ねるという問題がある。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、施工状態において木質製の床材が床面から浮くことを抑制することにある。
第1の発明は、基材と、前記基材の表側及び裏側のいずれか一方側の面に積層された第1突板と、前記基材の他方側の面に積層された第2突板と、前記第1突板の前記基材と反対側の面に積層された樹脂シートとを備える積層体により構成され、複数枚が互いに端面同士を向かい合わせるように並設されて床面を構成する床材を製造する方法であって、前記基材の表側及び裏側のいずれか一方側の面に水系熱硬化性接着剤を塗布し、該基材の一方側に前記第1突板を載置する第1工程と、前記第1工程の後に、前記水系熱硬化性接着剤が完全固化しない温度下で、前記基材の一方側から、前記第1突板を1MPa以上10MPa以下の荷重で加圧して仮圧締する第2工程と、前記第2工程の後に、前記基材の他方側の面に前記水系熱硬化性接着剤を塗布し、前記第2突板を載置する第3工程と、前記第3工程の後に、前記第2突板を上側にして、該第2突板の上方に位置付けた第1加熱板と、前記第1突板の下方に位置付けた第2加熱板とを用い、熱により前記基材の一方側及び他方側の面に塗布した前記水系硬化性接着剤を硬化させるとともに前記第1突板及び前記第2突板を厚さ方向に10MPa以上25MPa以下の荷重で加圧することにより、前記第1突板と前記第2突板とを前記基材に同時に貼着する第4工程とを含む。
この第1の発明は、床材の製造方法に関するものである。従来、水系熱硬化性樹脂を使用して、基材の両側にそれぞれ突板を貼設する場合、上側に加熱板を有するプレス機を用いて、基材の片側ずつ突板を加熱しながらプレスしていた(以下、加熱しながらプレスすることを、「熱圧」という)。すなわち、まず基材の一方側の表面に水系熱硬化性樹脂を塗布し、その表面に突板を載置し、載置された突板を上側に向け、前記加熱板により当該突板を熱圧し冷却養生する。次いで、その基材の他方側の表面に水系熱硬化性樹脂を塗布し、その表面に突板を載置し、載置された突板を上側に向け、同様に前記加熱板により当該突板を熱圧する。そのため、この従来の方法では、片側の突板を貼るごとに突板の乾燥収縮や、熱硬化性樹脂の硬化収縮により、熱をかけた方に縮もうとする大きな反りが発生するので、突板の収縮や接着剤の硬化収縮を矯正及び調整するために、季節ごとの湿気や温度条件が変わるたびに、さらに使用する樹種を変更するたびに、様々な試行錯誤を施さないと平滑な床材を得ることができなかった。
上記の通り、木質基材と木質の突板を使用した場合、平滑な木質製の床材を得るのが難しく、特に、配線のたびに着脱するOA(office automation)フロアに使用する床材は、粘着剤で施工されるため、特にフラットな床材を提供することが求められている。
ここで、第1の発明では、上側の第1加熱板と、下側の第2加熱板とを用いて、第1突板と第2突板とを同時に熱圧するので、第1突板と第2突板とで含水量を同程度にしやすく、且つ基材の表面と裏面とで突板の乾燥収縮と水系熱硬化性樹脂の硬化収縮が同時に起こるため、その収縮を抑制できる。その結果、互いに積層された第2突板、基材及び第1突板の全体の変形を抑制できる。そして、床面に浮きが生じるのを抑制できる。
また、第1の発明では、第2工程で第1突板を仮圧締することにより、裏返したり搬送したりしたときに剥がれない程度に第1突板が基材に弱く貼着されている。その後、第3工程で基材に第2突板を載置するので、第2突板を載置する際に、第1突板が位置ずれしにくい。
第2の発明は、第1の発明において、前記第4工程では、前記第1加熱板の温度を120℃以上150℃以下とし、前記第2加熱板の温度を110℃以上130℃以上且つ前記第1加熱板の前記温度よりも10℃以上30℃以下の範囲で低くする。
この第2の発明では、第1の発明において床材の変形をさらに抑制するために、第4工程において、上側の第1加熱板及び下側の第2加熱板の温度を調整した。具体的に、第2の発明では、第4工程の時点で、第1突板が第1工程を経たことにより、第2突板よりも少し含水量が分散している点、及び第1工程で基材の一方側の面に塗布した接着剤が、第4工程で他方側の面に塗布した接着剤よりも水分が木質の基材に分散すると共に、硬化が進行しやすくなる点を考慮した。本願の発明者の検討の結果、第4工程において、第1加熱板の温度を120℃以上150℃以下とし、第2加熱板の温度を110℃以上130℃以上且つ第1加熱板の前記温度よりも10℃以上30℃以下の範囲で低くすることにより、床材の変形をさらに抑制できることが分かった。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記基材は、木質繊維板又は木質切片板である。
この第3の発明では、基材が(水分の影響を受けて反りやすい)木質繊維板又は木質切片板により構成されていても、床材の変形を抑制することができる。
第4の発明は、複数枚が互いに端面同士を向かい合わせるように並設されて床面を構成する床材であって、基材と、前記基材の表側及び裏側のいずれか一方側の面に水系熱硬化性樹脂により積層一体化された第1突板と、前記基材の他方側の面に水系熱硬化性樹脂により積層一体化された第2突板と、前記第1突板の前記基材と反対側の面に接着剤により積層一体化された樹脂シートとを備える積層体により構成され、雄実が設けられた第1端面と、前記雄実と嵌合する形状の雌実が設けられた第2端面とを有する。
この第4の発明は、第1端面の雄実と、第2端面の雌実とを互いに嵌合させて、複数枚を並設されて床面を構成するものである。当該床面を構成する複数の床材から、一枚の床材を撓ませて上方に持ち上げれば、雄雌実の嵌合が解除され、一枚の床材を取り外すことができる。そして、床材は、基材が第2突板及び第1突板により補強され、強度が高いので、床材を床面から取り除く際に撓ませても、破損しにくくなる。さらに、第1端面の雄実と、第2端面の雌実とを互いに嵌合させて床面を構成するので、床面の浮きを抑制できる。
第5の発明は、第4の発明において、前記雄実は、前記基材を含み、前記第1端面の厚さ方向の一部分が前記第1端面から突出して構成され、前記雌実は、前記雄実との嵌合状態において前記雄実の表側に配置される表側雌実と、前記雄実との嵌合状態において前記雄実の裏側に配置される裏側雌実とを有し、前記表側雌実は、前記第2突板を含み、前記裏側雌実は、前記第1突板を含む。
この第5の発明では、雌雄実の嵌合状態では、表側雌実が雄実の表側に配置され、裏側雌実が雄実の裏側に配置されるように、雌実が雄実を表側及び裏側から挟み込む構成となる。そして、表側雌実は第2突板により補強され、裏側雌実は第1突板により補強されるので、雌雄実の嵌合を解除する際に、雌実が破損しにくくなる。したがって、床材がさらに破損しにくくなる。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、厚さ方向視で矩形状に形成され、前記第1端面と、該第1端面とは反対側に位置する前記第2端面と、平坦な第3端面と、該第3端面とは反対側に位置する平坦な第4端面とを有する。
この第6の発明では、床材は矩形状であり、第1端面及び第2端面には雄実及び雌実がそれぞれ設けられている一方、第3端面及び第4端面には雄実及び雌実が設けられておらず平坦である。このため、雌雄実の嵌合を解除して、床材を床面から取り除く際には、床材を1つの方向に沿って撓ませればよい。床材を1つの方向のみに沿って撓ませることは、床材を2つの方向に沿って撓ませることと比べて、床材にかける負担が少なくなる。したがって、床材がさらに破損しにくくなる。
第7の発明は、第4の発明において、厚さ方向視で矩形状に形成され、前記第1端面と、前記第1端面とは反対側に位置する前記第2端面と、雄実が設けられた第3端面と、前記第3端面とは反対側に位置し、前記第3端面の前記雄実と嵌合する形状の雌実が設けられた第4端面とを有し、前記第2端面における雌実及び前記第4端面における雌実は、いずれも、前記第2突板を含む表側雌実と、前記樹脂シートの厚さ方向のすべて又は厚さ方向の一部により構成された裏側雌実とを有し、前記樹脂シートは可撓性を有する。
第7の発明では、第1端面~第4端面のすべてに雌雄実が設けられているので、隣接する床材同士で、第1端面の雄実と、第2端面の雌実とを互いに嵌合させることに加え、第3端面の雄実と、第4端面の雌実とを互いに嵌合させることで、床面の浮きをさらに抑制できる。また、裏側雌実は、樹脂シートの厚さ方向のすべて又は厚さ方向の一部により構成されており、樹脂シートは可撓性を有するので、床材を床面から取り除く際に、裏側雌実を撓ませても裏側雌実が破損しない。このため、第1端面~第4端面のすべてに雌雄実が設けられていても、床材が破損しにくくなる。
第8の発明は、第4~第7の発明のいずれか1に係る床材の施工構造であって、配線可能な配線部が設けられた床下部と、前記床下部の上部に設けられた粘着部と、前記床下部の上部に、前記粘着部の粘着力により貼着され、前記床下部から引き剥がし可能な前記床材とを備える。
この第8の発明は、床下部にケーブル、コード等の線部材が配線可能な配線部が設けられた施工構造に関するものである。このような施工構造では、床材を床下部から一時的に引き剥がせる構成にする必要がある。第5の発明によると、床材が粘着部により床下部の上部に取り付けられているので、比較的小さな外力で床材を床下部から引き剥がすことができる。
以上説明したように、本発明によると、施工状態において木質製の床材が床面から浮くことを抑制することができる。
第1実施形態に係る床材を第3端面側から見た断面図である。 第1実施形態に係る床材を第2端面側から見た断面図である。 床材の施工構造を示す概略断面図である。 床材の製造方法の第1工程及び第2工程を示す概略図である。 床材の製造方法の第3工程を示す概略図である。 床材の製造方法の第4工程を示す概略図である。 床材の製造方法の第5工程を示す概略図である。 第2実施形態に係る図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物又はその用途を制限することを意図しない。
[第1実施形態]
図1及び2は、第1実施形態に係る床材1を示す。床材1は、後述の施工構造で説明するように、複数枚が互いに端面同士を向かい合わせるように並設されて床面Sfを構成する。
床材1は、厚さ方向視で、2つの長辺と2つの短辺とを有する長方形状(矩形状)に形成されている。なお、「厚さ方向」とは、図1及び2に示す表裏方向を意味する。また、以下では、「長さ方向」とは、床材1の長辺に沿った方向を意味し、「幅方向」とは、床材1の短辺に沿った方向を意味する。
床材1の寸法は、例えば長さ(長辺の長さ)1830mm、幅(短辺の長さ)310mm及び厚さ3.2mm以上12.2mm以下である。床材1の寸法は、これに限定されない。
床材1は、基材3と、基材3の表側及び裏側のいずれか一方側(例えば、裏側)の面に積層された第1突板4と、基材3の他方側(例えば、表側)の面に積層された第2突板2と、第1突板4の裏側に積層された樹脂シート5とを備える、積層体により構成されている。第1突板4、第2突板2、基材3及び樹脂シート5は、接着剤により互いに接着されて一体となっている。用いられる接着剤は、水系熱硬化性接着剤であり、例えば尿素メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、イソシアネート系樹脂等の水系熱硬化性樹脂が挙げられる。また、用いられる接着剤は、前記熱硬化性樹脂と、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ラテックス系樹脂、ゴム系樹脂、ビニルウレタン系樹脂等又はこれらの変性物との、混合物であってもよい。
(突板)
第1突板4及び第2突板2は、木質製のものであれば限定されないが、可撓性及び強度の高さの観点から選択することが好ましい。例えば、第1突板4及び第2突板2としては、ブナ、ホオ、サクラ、カバ、カツラ、シナ等の散孔材、又はナラ、ホワイトオーク等の環孔材が挙げられる。第2突板2の厚さは、可撓性及び強度の高さの観点から、0.1mm以上0.6mm以下のものが好ましい。
第1突板4及び第2突板2は、互いに含水量を等しくして変形を抑制するように製造しやすいという観点から、互いに厚さが同じであることが好ましい。また、同じ観点から、一方が散孔材であれば、他方も散孔材であることが好ましく、一方が環孔材であれば、他方も環孔材であることが好ましく、第1突板4及び第2突板2の樹種が互いに同じであることがより好ましい。
なお、第1突板4及び第2突板2は、導管、仮道管、師管等の管組織中に樹脂が充填され固化された、WPC突板であってもよい。
(基材)
基材3は、木質製のものであれば限定されないが、後述する施工構造で使用するものとしては、可撓性を有するものが好ましい。可撓性を有する好ましい基材3としては、例えば合板、木質切片板であるパーティクルボード、木質繊維板である中比重木質繊維板(MDF)及び硬質繊維板(HDF)等が挙げられ、耐久性、可撓性(撓ませながらの着脱のしやすさ)及び強度の高さの観点から、中比重木質繊維板(MDF)が特に好ましい。基材3の厚さは、可撓性及び強度の高さの観点から、2mm以上6mm以下が好ましい。基材3の平均比重は、0.35以上0.85以下であることが好ましい。
(樹脂シート)
樹脂シート5は、クッション性のある樹脂製のものであれば限定されない。また、樹脂シート5は、床材1が裏側からの湿気の影響を受けにくくするという観点から、さらに防湿性を有するものが好ましい。樹脂シート5は、可撓性を有していることが好ましい。また、後述の施工構造で説明する、裏側に用いられるピールアップボンドとの粘着強度が得られ且つピールアップボンドにより変質しにくく且つ劣化しにくいものであることが好ましい。以上のような観点から、樹脂シート5としては、例えば、樹脂製不織布、樹脂製発泡体、フィラーを入れた樹脂シート等が用いられるが、ピールアップボンドで浮きを抑えるためには、好適には、樹脂製発泡体、炭酸カルシウム、酸化チタン又は硫酸バリウム等のフィラーを入れた樹脂シートが用いられる。さらに、樹脂シート5を構成する樹脂の種類は、例えば、オレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、合成ゴム系樹脂、ポリエステル系樹脂等、若しくはこれらの樹脂の変性物、又は再生プラスチック等が好ましく、前記ピールアップボンドとの適合性を考慮することに加え、表側に用いられる前記水系熱硬化性接着剤との適合性(接着強度など)も考慮して、選択することが好ましい。以上の観点、基材との接着のしやすさ及び入手しやすさの観点から、樹脂シート5としては、塩化ビニル樹脂にフィラーを添加した樹脂シートが特に好ましい。樹脂シートの厚さは、1mm以上5mm以下が好ましい。ここで、厚さが0.5mmに満たない樹脂シートの場合、不陸への追従の効果が期待できず、厚さが5mm超える樹脂シートの場合、着脱をする時に重量が重くなるとともに、着刷を行う時に撓ませにくくなる。
(本実加工)
床材1は4つの端面6a~6dを有する。以下、厚さ方向視で長辺を構成する2つの端面を、第1端面6a及び第2端面6bといい、厚さ方向視で短辺を構成する2つの端面を、第3端面6c及び第4端面6dという。すなわち、第2端面6bは、第1端面6aとは反対側に位置し、第4端面6dは、第3端面6cとは反対側に位置する。
第1端面6a及び第2端面6bには、図1に示すように本実加工が施されており、第3端面6c及び第4端面は、図2に示すように平坦に形成されている。なお、本発明でいう本実加工とは、雌雄実嵌合される種々の実形状に加工することである。
具体的に、第1端面6aには雄実7aが設けられ、第2端面6bには、雄実7aと嵌合する形状の雌実7b,7cが設けられている。雄実7aは、第1端面6aにおいて、基材3を厚さ方向に略3当分した中央部分が第1端面6aから突出して構成されている。雌実7b,7cは、雌雄実の嵌合状態において、雄実7aの表側に配置される表側雌実7bと、雄実7aの裏側に配置される裏側雌実7cとから構成されている。表側雌実7bは、第2端面6bにおいて、第2突板2と、基材3を厚さ方向に略3当分した表側部分とが、第2端面6bから突出して構成されている。裏側雌実7cは、第3端面6cにおいて、基材3を厚さ方向に略3当分した裏側部分と、第1突板4と、樹脂シート5とが第2端面6bから突出して構成されている。
(施工構造)
図3は、床材1を用いた施工構造10を示す。施工構造10は、例えばオフィスフロアの構造であり、コンピュータ等の機器のコード、ケーブル等の線部材Cを配線可能な複数のスペース11,…,11(配線部)が設けられた床下部12を備える。
床下部12は、金属製の複数の支持部材13,…,13と、支持部材13の上部に配置された、剛性を有する複数のパネル14,…,14とを有する。支持部材13は、パネル14,…,14を下方で支持し、且つ、スペース11,…,11を仕切っている。各パネル14は、剛性を有していればよく、例えば金属製であってもよく、パーティクルボード等の木質製であってもよい。なお、床下部12は、基礎Bの上部に設けられている。
施工構造10は、パネルの上面において、ピールアップボンドにより形成された粘着部15を備える。粘着部15の上部には、床面Sfを構成する複数の床材1,…,1が粘着部15の粘着力により貼着されている。床材1は、隣接する床材1との雌雄実の嵌合を解除し、且つ粘着部15の粘着力に抗して上方に引き上げるように外力を加えることで、床下部12から引き剥がすことができる。
(床材の製造方法)
図4~7は、床材1の製造方法を示す。床材1の製造方法は、まず、第1工程St1~第5工程St5を、この順番に実施して、第2突板2、基材3及び第1突板4から構成された積層体を得る。その後、図示しないが、第6工程及び第7工程をこの順番に実施して、床材1を得る。
第1工程St1では、図4に示すように、基材3の裏面(一方側の面)に水系熱硬化性接着剤を塗布し、基材3の裏側に第1突板4を載置する。載置する第1突板4は、乾燥させずに保管された未乾燥状態ものであってもよく、割れが生じないように乾燥させた乾燥状態のものであってもよい。未乾燥状態の第1突板4を用いる場合には、0.1mm以上0.6mm以下の厚さにスライスされていることが好ましい。乾燥状態の第1突板4を用いる場合には、0.2mm以上0.6mm以下の厚さにスライスされていることが好ましい。
第2工程St2では、第1工程St1で塗布した水系熱硬化性接着剤が完全固化しない温度下で、基材3の裏側から、第1突板を1MPa以上10MPa以下の荷重で加圧して仮圧締する。なお、水系熱硬化性接着剤が完全固化しない温度とは、接着剤の種類によっても異なるので、限定されないが、10℃以上40℃以下が好ましく、15℃以上35℃以下がより好ましく、さらには、特段の温度調整をせず、工場内の雰囲気温度(いわゆる常温)で養生してもよい。
第3工程St3では、図5に示すように、基材3の表面(他方側の面)に、第1工程St1で塗布したものと同じ水系熱硬化性接着剤を塗布し、第2突板2を載置する。載置する第2突板2は、第1突板4と同様に選択すればよいが、含水量が、第1突板4の含水量に、できるだけ近い方が好ましい。このため、第1工程St1で、第1突板4として未乾燥状態のものを選択した場合は、第2突板2も未乾燥状態のものを選択することが好ましく、第1突板4として乾燥状態のものを選択した場合は、第2突板2も乾燥状態のものを選択することが好ましい。
第4工程St4では、不図示の第1加熱板及び第2加熱板を備えるプレス機を用いて、図6に示すように、第2突板2の上方及び第1突板4の下方から、それぞれ熱圧する。具体的に、第2突板2を上側にして、第2突板2の上方に位置付けた第1加熱板と、第1突板4の下方に位置付けた第2加熱板とを用い、熱により基材3の裏側及び表側における水系硬化性接着剤を硬化させるとともに第2突板2及び第1突板4を厚さ方向に10MPa以上25MPa以下の荷重で加圧することにより、第2突板2と第1突板4とを基材3に同時に貼着する。第4工程St4では、第2突板2と第1突板4とでの含水量をできるだけ同程度にし、基材3の表側と裏側とでの含水量をできるだけ同程度にするという観点から、第1加熱板の温度を120℃以上150℃以下とし、第2加熱板の温度を110℃以上130℃以上とすることが好ましい。また、同様の観点から、第2加熱板の温度を第1加熱板の温度よりも10℃以上30℃以下の範囲で低くすることが好ましい。また、同様の観点から第1加熱板の温度を140℃以上150℃以下とし、第2加熱板の温度を120℃以上130℃以下とすることがより好ましい。
第5工程では、第4工程で得られた基材3の両面に両突板2,4が貼着されて構成された、複数の積層体を、図7に示すように、第2突板2,2同士及び第1突板4,4同士をそれぞれ向かい合わせるようにして、静置する。静置する時間は、例えば24時間であり、静置する温度は例えば常温である。
第6工程では、第5工程で得た積層体の裏面に、水系又は非水系の接着剤を用いて、樹脂シートを貼設する。なお、積層体を好ましい形状及び寸法に切断してもよい。
第7工程では、第6工程後に、第1端面6a及び第2端面6bに本実加工を施す。また、第2突板2の表面に着色し、又は透明若しくは半透明塗膜層を設けるなど、化粧加工を施してもよく、さらに、第1端面6a~第4端面6dの面取り加工を施してもよい。
(作用・効果)
本実施形態では、第1端面6aの雄実7aと、第2端面6bの雌実7b,7cとを互いに嵌合させて、複数枚を並設されて床面Sfを構成するものである。当該床面Sfを構成する複数の床材1,…,1から、一枚の床材1を撓ませて上方に持ち上げれば、雌雄実の嵌合が解除され、一枚の床材1を取り除くことができる。なお、このように床材1を上方に持ち上げる際には、公知である吸盤を有する道具を用いて、床材1の表面を吸盤に吸着させて持ち上げればよい。そして、床材1は、基材3が第2突板2及び第1突板4により補強され、強度が高いので、床材1を床面Sfから取り除く際に撓ませても、破損しにくくなる。さらに、第1端面6aの雄実7aと、第2端面6bの雌実7b,7cとを互いに嵌合させて床面Sfを構成するので、床面Sfの浮きを抑制できる。
また、本実施形態では、床材1は、厚さが12.2mm以下であるので床面Sfから取り除く際に撓ませやすい。また、床材1は、厚さが3.2mm以上であるので破損しないように十分な強度も付与できる。
また、本実施形態では、雌雄実の嵌合状態では、表側雌実7bが雄実7aの表側に配置され、裏側雌実7cが雄実7aの裏側に配置されるように、雌実7b,7cが雄実7aを表側及び裏側から挟み込む構成となる。そして、表側雌実7bは第2突板2を含み、裏側雌実7cは第1突板4を含むので、雌雄実の嵌合を解除する際に、雌実7b,7cが破損しにくくなる。したがって、床材1がさらに破損しにくくなる。
また、本実施形態では、床材1は矩形状であり、第1端面6a及び第2端面6bには雄実7a及び雌実7b,7cがそれぞれ設けられている一方、第3端面6c及び第4端面6dには雄実及び雌実が設けられておらず平坦である。このため、雌雄実の嵌合を解除して、床材1を床面Sfから取り除く際には、床材1を幅方向のみに沿って撓ませればよい。床材1を幅方向のみに沿って撓ませることは、床材1を幅方向及び長さ方向の2つの方向に沿って撓ませることと比べて、床材1にかける負担が少なくなる。したがって、床材1がさらに破損しにくくなる。
また、本実施形態では、第2突板2及び第1突板4として、互いに同じ種類(例えば同じ樹種)のものを使用できるので、仮に第2突板2として使用する予定の突板に美観を損ねる欠点があったとしても、これを第1突板4として使用できるので、無駄が少なくなる。
また、本実施形態の施工構造10では、床下部12に線部材Cが配線可能なスペース11,…,11が設けられている。このような施工構造10では、床材1を床下部12から一時的に引き剥がせる構成にする必要がある。本実施形態の施工構造10によると、床材1が粘着部15により床下部12の上部に取り付けられているので、比較的小さな外力で床材1を床下部12から引き剥がすことができる。
また、本実施形態の製造方法では、上側の第1加熱板と、下側の第2加熱板とを用いて、第2突板2と第1突板4とを同時に熱圧するので、第2突板2と第1突板4とで表裏の突板の乾燥収縮、及び熱硬化性樹脂の硬化収縮を同程度且つ同時発生しやすく、且つ基材3の表面と裏面とで収縮量の偏りを抑制できる。その結果、互いに積層された第2突板2、基材3及び第1突板4の全体の変形を抑制できる。そして、床面Sfに浮きが生じるのを抑制できる。
また、本実施形態の製造方法では、第2工程St2で第1突板4を仮圧締することにより、裏返したり搬送したりするときに剥がれない程度に弱く第1突板4が基材3に貼着されている。その後、第3工程St3で基材3の表側に第2突板2を載置するので、第2突板2を載置する際に、第1突板4が位置ずれしにくい。
また、本実施形態の製造方法では、第4工程St4において、第1加熱板の温度を120℃以上150℃以下とし、第2加熱板の温度を110℃以上130℃以上且つ第1加熱板の前記温度よりも10℃以上30℃以下の範囲で低くすることにより、床材1の変形をさらに抑制できる。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態に係る床材1を示す。以下では、第1実施形態と同じ構成については説明を省略する。
本実施形態に係る床材1は、第3端面6cにも第1端面6aと同じ雄実7aが設けられている。床材1は、第4端面6dにも第2端面6bと同じ雌実7b,7cが設けられている。
第1端面6a及び第3端面6cにおける雄実7aは、いずれも、厚さ方向で、基材3の裏側略1/4の部分と第1突板4と樹脂シート5の表側略1/7~1/8の部分とが、それぞれの端面6a,6cから突出して構成されている。
第2端面6b及び第4端面6dにおける表側雌実7bは、いずれも、厚さ方向で、第2突板2と基材3の表側略3/4の部分とが、それぞれの端面6b,6dから突出して構成されている。第2端面6b及び第4端面6dにおける裏側雌実7cは、いずれも、厚さ方向で、樹脂シート5の裏側略7/8~6/7の部分が、それぞれの端面6b,6dから突出して構成されている。
樹脂シート5は、可撓性を有している。
本実施形態では、第1端面6a~第4端面6dのすべてに雌雄実が設けられているので、隣接する床材1,1同士で、第1端面6aの雄実7aと、第2端面6bの雌実7b,7cとを互いに嵌合させることに加え、第3端面6cの雄実7aと、第4端面6dの雌実7b,7cとを互いに嵌合させることで、床面Sfの浮きをさらに抑制できる。また、裏側雌実7cは、樹脂シート5の厚さ方向のすべて又は厚さ方向の一部により構成されており、樹脂シート5は可撓性を有するので、床材1を床面Sfから取り除く際に、裏側雌実7cを撓ませても裏側雌実7cが破損しない。このため、第1端面6a~第4端面6dのすべてに雌雄実が設けられていても、床材1が破損しにくくなる。
[変形例]
以下に、第1実施形態及び第2実施形態において、樹脂シート5の構成を変えた変形例を説明する。以下では、前記各実施形態と同じ構成については説明を省略する。
樹脂シート5の表面及び裏面には、樹脂シート5の表側の接着強度、裏側の粘着強度及び防湿性を高くするという観点から、例えばシーラー処理、コロナ処理、プラズマ放電処理等の処理が施されたものを用いてもよい。
また、前記と同じ観点から、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の10μm~150μm程度の薄い樹脂シート5の両面に紙が熱溶着された構成にしてもよい。また、この構成に代えて樹脂シート5と不織布とが熱圧により一体化された構成にしてもよい。
また、塩化ビニル樹脂に無機フィラーを充填して、樹脂シート5を形成してもよい。この構成によれば、樹脂シート5の寸法変化を抑制できる。さらに、施工構造10におけるパネル14表面に凹凸形状がある場合にも、樹脂シート5が当該凹凸形状に追従しやすくなり、その結果、床材1が、粘着部15によりパネル14表面に粘着させやすくなる。
無機フィラーが充填された樹脂シート5は、例えば、塩化ビニル樹脂に対して無機フィラーを充填し、混練後、カレンダー押出成形法によりシート状に成形できる。この方法において、塩化ビニル樹脂100重量部に対する無機フィラーの充填量は、樹脂シート5の寸法変化を抑制しやすくするという観点から、100重量部以上であることが好ましく、樹脂シート5を成形しやすくするという観点から1000質量部以下であることが好ましい。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、カーボンブラック、金属粉、金属酸化物等が挙げられる。
[その他の実施形態]
床材1は、厚さ方向視での形状が、長方形状でなくてもよく、例えば正方形状でもよい。床材1は、複数枚が互いに端面同士を向かい合わせるように並設されて床面Sfを構成できればよいので、隣接する床材1,1同士で向かい合う辺同士を互いに平行にできる多角形状でもよい。
以下、本発明に係る床材1の反りを評価した実施例1,2及び比較例1,2について説明する。また、施工構造10に用いた床材1を、実用性の観点から評価した実施例3~6及び比較例3~6について説明する。
[実施例1]
長さ1830mm×幅310mm×厚さ2.7mmのMDF(基材)の裏面に尿素メラミン系接着剤を50g/m塗布した。裏側から、長さ1830mm×幅310mm×厚さ0.2mmの、未乾燥状態の、広葉樹生単板であるオーク化粧用突板(第1突板)を載置し(第1工程)、常温で5分間、5MPaの荷重でプレスして仮圧締した(第2工程)。
第2工程で得た、第1突板が仮圧締された基材を反転させ、基材の表面に尿素メラミン系接着剤を50g/m塗布した。表側から、長さ1830mm×幅310mm×厚さ0.2mmの、未乾燥状態の、広葉樹生単板であるオーク化粧用突板(第2突板)を載置した(第3工程)。第2突板の上方に配置された第1加熱板及び第1突板の下方に配置された第2加熱板を有するプレス機を用い、両面同時に熱圧した(第4工程)。このとき、第1加熱板の温度を145℃とし、第2加熱板の温度を125℃とし、両加熱板によりかける荷重を20MPaとし、熱圧の時間を60秒とした。
第4工程での熱圧後、得られた積層体をすぐに取り出し、積層体を複数枚、積み重ねた。このとき、上下に隣接する積層体は、互いに第2突板2,2同士及び第1突板4,4同士が向かい合うようにした。そして積み重ねた積層体の上部及び下部に、それぞれ厚さ12mmの合板を配置し、これにより、2枚の合板が、積み重ねた積層体を上下で挟む構成にした。この状態で、24時間常温で静置した(第5工程)。
第5工程で得られた積層体の長さ方向及び幅方向の反りの程度を目視により確認し、反りがほとんど無い場合をAと判定し、反りがAよりも大きいが比較的小さい場合をBと判定し、反りがBよりも大きい場合をCと判定し、反りがCよりもさらに大きい場合をDと判定した。判定結果を表1に示す。
Figure 0007249445000002
[実施例2]
基材の裏面及び表面に塗布した尿素メラミン系接着剤の単位面積あたりの量が、いずれも55g/mであったこと、並びに第1突板及び第1突板として未乾燥状態のオーク化粧用突板(厚さ0.2mm)に代えて乾燥状態のオーク化粧用突板(厚さ0.3mm)を用いたことを除き、実施例1と同様に第1工程~第5工程を実施し、積層体を得て、実施例1と同様に反りを判定した。
[比較例1]
長さ1830mm×幅310mm×厚さ2.7mmのMDF(基材)の裏面に尿素メラミン系接着剤を50g/m塗布した。裏側から、長さ1830mm×幅310mm×厚さ0.2mmの、未乾燥状態の、広葉樹生単板であるオーク化粧用突板を載置し、実施例1で用いたものと同じプレス機を用いて熱圧した。第1加熱板の温度を145℃とし、第2加熱板の温度を125℃とし、両加熱板によりかける荷重を20MPaとし、熱圧の時間を60秒とした。
熱圧して得た積層体を反転させ、表面に尿素メラミン系接着剤を50g/m塗布し、表側から長さ1830mm×幅310mm×厚さ0.2mmの未乾燥状態の、広葉樹生単板であるオーク化粧用突板を載置し、裏面と同じ条件で熱圧した。
熱圧により得た積層体を、実施例1の第5工程と同様に、積み重ね、24時間常温で静置した。実施例1と同様に反りを判定した。
[比較例2]
基材の裏面及び表面に塗布した尿素メラミン系接着剤の単位面積あたりの量が、いずれも55g/mであったこと、並びに第1突板及び第1突板として未乾燥状態のオーク化粧用突板(厚さ0.2mm)に代えて乾燥状態のオーク化粧用突板(厚さ0.3mm)を用いたことを除き、比較例1と同様に積層体を得て、比較例1と同様に反りを判定した。
[結果]
以上説明したように、実施例1,2では、第4工程で同時に熱圧したのに対し、比較例1,2では、両突板を異なるタイミングで熱圧した。実施例1では、反りが比較的小さく、実施例2では、反りがほとんど無い積層体を得た。一方、比較例1では、反りが著しく大きく、比較例2では、反りが比較的大きな積層体を得た。このように、実施例1,2の製造方法により、比較例1,2の製造方法よりも、反りの小さな積層体が得られることが分かる。
[実施例3]
実施例1で得た積層体の裏面に水系ビニル接着剤を70g/m塗布し、裏側から厚さ1.6mmの塩化ビニル製の樹脂シートを載置した。この状態で、常温で15分圧締した後、24時間常温で静置し、積層体を得た。
次いで、得た積層体を長方形状に切断した。短辺に位置する両端面は、第1実施形態の第3端面6c及び第4端面6dのように、切断されたままの平坦面とし、表側の角部には、図2に示すような面取り加工を施した。一方、長辺に沿った両端面には、図1に示すように、一方の端面に雄実を、他方の端面に雌実を、それぞれ形成し、表側の角部には、図1に示すような面取り加工を施した。
なお、雄実及び雌実の形状は、図1に示すものと略同じであり、雄実は基材のみを含み、表側雌実は第2突板と基材の一部とを含み、裏側雌実は基材の一部と第1突板と樹脂シートとを含んでいた。また、床材の端面同士を雌雄実嵌合させた際に、隣接する床材の表面が面一となるように、雄実及び雌実を形成した。
次いで、表面基材を顔料系着色剤で着色し、さらにアクリル系透明塗膜層を設け、床材を得た。
次いで、得られた床材を、約6畳の広さの環境試験室に施工し、以下のように環境試験を行った。この環境試験室は、配線可能な床下部(第1実施形態の床下部12に相当)を備え、床材は、床下部の上部に設けられたパーティクルボード(第1実施形態のパネル14に相当)表面に、ピールアップボンド(第1実施形態の粘着部15に相当)により貼設した。複数の床材を、隣接する床材の端面同士を雌雄実嵌合させながら、レンガ張にて施工し、床面を構成した。
環境試験室を、温度20℃、湿度60%として、この状態で24時間経過させた。次いで、環境試験室の温湿度を、温度40℃、湿度90%に切り替え、24時間経過させた。このように、途中で温湿度を一度切り替えた合計48時間経過させたステップを、さらに2回繰り返した。すなわち、合計3ステップを行い、合計144時間経過させた。その3ステップ中又は3ステップ終了時、床材又は床面を、目視により以下(1)~(5)の観点で評価した:
観点(1) 床材がピールアップボンドにより問題なく貼設されているか、
観点(2) 短辺同士を向かい合わせて隣接する床材間に隙間が生じていないか、
観点(3) 長辺同士を向かい合わせて隣接する床材間に隙間が生じていないか、
観点(4) 床面に浮きが生じていないか、
観点(5) すべての端面に他の床材が隣接している一枚の床材を、吸盤を有する道具を用いて、幅方向に変形させながら床面から取り除いた際に、破損が生じないか、また、取り除いた床材を元の位置に戻す際に、破損が生じないか。
結果を表2に示す。
Figure 0007249445000003
[実施例4]
雄実及び雌実の構成が異なる点を除き、実施例3と同様に、床材を得て、評価した。雄実及び雌実は、長辺に沿った両端面だけでなく、短辺に沿った両端面にも、一方に雄実、他方に雌実を、それぞれ形成した。雄実及び雌実は、図1に示すような形状に形成した。すなわち、雄実は、基材のみを含むように形成し、表側雌実は、第2突板と基材の一部とを含むように形成し、裏側雌実は、基材の一部と裏面側突板と樹脂シートとを含むように形成した。
[実施例5]
雄実及び雌実の構成が異なる点を除き、実施例3と同様に、床材を得て、評価した。雄実及び雌実は、長辺に沿った両端面だけでなく、短辺に沿った両端面にも、一方に雄実、他方に雌実を、それぞれ形成した。雄実及び雌実は、図8に示すような形状に形成した。すなわち、雄実は、基材の一部と第1突板と樹脂シートの一部とを含むように形成し、表側雌実は、第2突板と基材の一部とを含むように形成し、裏側雌実は、樹脂シートのみ含むように形成した。
[比較例3]
実施例1で得た積層体に代えて、比較例1で得た積層体を用いた点を除き、実施例3と同様に、床材を得て、評価した。
[比較例4]
実施例1で得た積層体に代えて、比較例2で得た積層体を用いた点を除き、実施例3と同様に、床材を得て、評価した。
[比較例5]
すべての端面に本実加工を施さず、いずれの端面にも雌雄実がない平坦面としたことを除き、実施例3と同様に、床材を得て、評価した。
[結果]
観点(1)の評価によると、実施例3~5及び比較例5では、3サイクル終了時においても、ピールアップボンドで問題なく床材の裏面全体をパーティクルボードに貼着できていた。これに対し、比較例3,4では、床材の大きな反りにより、施工直後から、ピールアップボンドで床材の裏面全体をパーティクルボードに貼着できていなかった。
観点(2)の評価によると、実施例3~5及び比較例5では、3サイクル終了時に、短辺同士を向かい合わせて隣接する床材間に、目立たない程度の小さな隙間が生じていた。なお、比較例3,4では、床材の大きな反りにより評価ができなかった。
観点(3)の評価によると、実施例3~5では、3サイクル終了時に、長辺同士を向かい合わせて隣接する床材間に、隙間が生じていなかった。これに対して、比較例5では、3サイクル終了時に、いずれの端面にも雄実及び雌実が設けられていなかったことにより、長辺に沿って小さな隙間が見られた。なお、比較例3,4では、床材の大きな反りにより評価ができなかった。
観点(4)の評価によると、実施例3~5では、3サイクル終了時に、床面に浮きは生じていなかった。これに対して、比較例5では、3サイクル終了時に、いずれの端面にも雄実及び雌実が設けられていなかったことにより、長辺に沿って浮きが見られた。このことから、床材の製造後に床材に反りがない場合であっても、本発明に係る床材1のように、いずれかの2つの端面に、互いに雌雄実嵌合できる本実加工を施すことによって、床面の浮きを抑制できるといえる。なお、比較例3,4では、床材の大きな反りにより評価ができなかった。
観点(5)の評価によると、実施例3,5及び比較例5では、一枚の床材を幅方向に変形させながら床面から取り除いた際に、破損は生じず、また、取り除いた床材を元の位置に戻す際にも、破損は生じなかった。これに対して、実施例4では、一枚の床材を幅方向に変形させながら床面から取り除いた際に、裏側雌実に破損が生じた。このため、すべての端面に本実加工が施されている場合には、図8に示すように、裏側雌実を樹脂シートのみで構成することが好ましいといえる。
なお、実施例4の床材を着脱する方法として、四周本実を施した床材を1枚だけで着脱するのは難しいが、四周本実を互いに嵌合させた床材を、周辺の床材を含めて複数の床材を一度に引きはがし、配線作業後に、剥がした複数の床材を端から雌雄実を嵌合させながら取り付ける方法もある。このような特殊且つ高度な着脱の技術を適用すれば、着脱は可能なため、本発明の趣旨は、基材の両面に同時に突板をはつことでピールアップボンドで着脱可能な床材を提供することにあり、本発明では実施例4とした。
本発明は、床材、床材の施工構造及び床材の製造方法として有用である。
1 床材
2 第2突板
3 基材
4 第1突板
5 樹脂シート
6a 第1端面
6b 第2端面
6c 第3端面
6d 第4端面
7a 雄実
7b 表側雌実(雌実)
7c 裏側雌実(雌実)
10 施工構造
11 スペース(配線部)
12 床下部
15 粘着部
St1 第1工程St
St2 第2工程St
St3 第3工程St
St4 第4工程St

Claims (3)

  1. 基材と、
    前記基材の表側及び裏側のいずれか一方側の面に積層された第1突板と、
    前記基材の他方側の面に積層された第2突板と、
    前記第1突板の前記基材と反対側の面に積層された樹脂シートと
    を備える積層体により構成され、
    複数枚が互いに端面同士を向かい合わせるように並設されて床面を構成する床材を製造する方法であって、
    前記基材の表側及び裏側のいずれか一方側の面に水系熱硬化性接着剤を塗布し、該基材の一方側に前記第1突板を載置する第1工程と、
    前記第1工程の後に、前記水系熱硬化性接着剤が完全固化しない温度下で、前記基材の一方側から、前記第1突板を1MPa以上10MPa以下の荷重で加圧して仮圧締する第2工程と、
    前記第2工程の後に、前記基材の他方側の面に前記水系熱硬化性接着剤を塗布し、前記第2突板を載置する第3工程と、
    前記第3工程の後に、前記第2突板を上側にして、該第2突板の上方に位置付けた第1加熱板と、前記第1突板の下方に位置付けた第2加熱板とを用い、熱により前記基材の一方側及び他方側の面に塗布した前記水系硬化性接着剤を硬化させるとともに前記第1突板及び前記第2突板を厚さ方向に10MPa以上25MPa以下の荷重で加圧することにより、前記第1突板と前記第2突板とを前記基材に同時に貼着する第4工程と
    を含む、床材の製造方法。
  2. 請求項1に記載の床材の製造方法において、
    前記第4工程では、前記第1加熱板の温度を120℃以上150℃以下とし、前記第2加熱板の温度を110℃以上130℃以上且つ前記第1加熱板の前記温度よりも10℃以上30℃以下の範囲で低くする、床材の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の床材の製造方法において、
    前記基材は、木質繊維板又は木質切片板である、床材の製造方法。
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