以下、図面を用いて本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
<1.実施形態>
(1.1.情報処理装置1の概要)
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置1の概要を説明する。図1に示すように、情報処理装置1は1つまたは複数のサーバ(コンピュータ)により実現される。情報処理装置1は、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)2に接続されることにより、ユーザ端末3と通信可能に構成される。
ユーザ端末3は、ゲームユーザ(以下、単にユーザともいう)が所有するスマートフォンなどの携帯端末(コンピュータ)で実現されている。情報処理装置1は、ユーザ端末3を介してユーザからのオブジェクトの提供についての要求(以下、単に提供要求ともいう)を受け付ける。ここで、「オブジェクト」とは、ゲームの進行のためにユーザによって用いられる電子データの総称である。オブジェクトは、具体的には、例えばキャラクタ、アイテム、カード、またはアバタ、などを含んでもよい。以下の実施形態においてはオブジェクトとしてキャラクタを提供する例で説明する。
情報処理装置1は、ユーザからオブジェクトの提供要求を受け付けると、提供可能なオブジェクトの中から1つまたは複数のオブジェクトを選択してユーザに提供する。なお、情報処理装置1は、ユーザに提供可能なオブジェクトについて、予め定められた個数以上に重複して提供しないように構成されてもよい。これにより、ユーザは、所望のオブジェクトを取得するまでの必要なコストを予測可能としてもよい。
(1.2.情報処理装置1のハードウェア構成)
図2を参照し、情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、制御部11と記憶部12とを備えている。制御部11は、情報処理装置1全体の動作を制御する。記憶部12は、制御部11による各種プログラムの実行時のワークエリアとして機能する。記憶部12には、各種プログラムおよび各種データ等が予め記憶されている。
さらに、情報処理装置1は、通信回線を介してユーザ端末3と接続され、各種データの送受信を行う通信部13を備えている。また、キーボードおよびマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部14、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ15を備えていてもよい。
これら制御部11、記憶部12、通信部13、操作入力部14、モニタ15は、システムバス16を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部11は、記憶部12へのアクセス、操作入力部14に対する操作状態の把握、モニタ15に対する画像の表示、並びに通信部13を介してユーザ端末3などの他の情報処理装置等との各種データの送受信等を行なうことができる。
(1.3.ユーザ端末3のハードウェア構成)
図3を参照し、ユーザ端末3のハードウェア構成を説明する。ユーザ端末3は、一例として、プロセッサ等を含む制御部221と、不揮発性メモリ等を含む記憶部222と、無線通信または/および有線通信を行うための通信部223と、表示部224と、スピーカ225と、マイク226と、カメラ227と、操作ボタン228とを備える。ユーザ端末3の具体的構成に限定はなく、各種の携帯端末、スマートフォン、タブレット端末、あるいはノートPCなどでもよい。ユーザ端末3がタッチパネルディスプレイを持つ場合には、表示部224と操作ボタン228とがタッチパネルディスプレイに一体化されてもよい。操作ボタン228とマイク226は、ユーザ端末3でユーザが各種の入力操作を行うための入力インターフェイス(あるいは入力手段)となる。
(1.4.情報処理装置1の機能構成)
図4を用いて、情報処理装置1の機能構成を説明する。
図4に示すように、情報処理装置1は、第1付与部22aと第2付与部22bとを備える。第1付与部22aおよび第2付与部22bは、制御部11の機能として実現される。第1付与部22aは、ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ第1の選択を行う。「第1の選択」における具体的なオブジェクト選択方法には様々なバリエーションがある。「第1の選択」は、例えば第1付与部22aが抽選でオブジェクトを選ぶものでもよく、第1付与部22aがユーザ操作指定に従ってオブジェクトを選ぶものでもよく、第1付与部22aが抽選以外の所定規則に従ってオブジェクトを選ぶものでもよい。実施形態では一例として第1の選択が抽選であるものとして説明する。
第2付与部22bは、第2の選択と第3の選択とを行う。「第2の選択」は、上記第1の選択の実行で所定条件が満たされた前記ユーザに対して、第2付与部22bが、異なる複数のモードのなかからモードを選ぶものである。
「所定条件」は、第1の選択の実行に応じて様々に決定できる任意の条件である。所定条件の一例は、同一ユーザによる第1の選択の実行回数が所定回数(例えば10回)に達したときに、そのユーザについて所定条件が満たされたと判定するとともに、実行回数カウンタを0回に戻すというものでもよい。ここでいう実行回数は、一例として通算実行回数でもよい。通算実行回数は、所定期間内での実行回数を通算したものでもよい。所定条件の他の例は、予め定めた所定オブジェクトの獲得数が所定個に達した場合に、そのユーザについて所定条件が満たされたと判定してもよい。所定条件の他の例は、現在保有するオブジェクトの中に重複して保有するオブジェクトがある場合に、重複オブジェクトの種類の数や、一つのオブジェクトの重複個数などが、所定の閾値に達した場合に、そのユーザについて所定条件が満たされたと判定してもよい。
「異なる複数のモード」は、互いに異なる任意の個数のモードを予め設定できる。実施形態では一例として2つのモード(第1モード、第2モード)が予め設定される。
「第3の選択」では、第2付与部22bが、第2の選択で選んだモードにおいてユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ。「第3の選択」における具体的なオブジェクト選択方法には様々なバリエーションがある。「第3の選択」は、例えば第2付与部22bが抽選でオブジェクトを選ぶものでもよく、例えば第2付与部22bがユーザ操作指定に従ってオブジェクトを選ぶものでもよく、例えば第2付与部22bが抽選以外の所定規則に従ってオブジェクトを選ぶものでもよい。第3の選択は、第1の選択と異なる選択方法であってもよいし、同じ選択方法であってもよい。
図5には、情報処理装置1の機能構成を具体化した例が記載されている。図5では、第1付与部22aおよび第2付与部22bとともにその周辺機能部が例示される。図5の例では、情報処理装置1は、ゲーム提供部20と、ゲーム情報記憶部20aと、提供要求受付部21と、オブジェクト付与部22と、オブジェクト記憶部23と、プレイ履歴記憶部24と、確率データ記憶部25と、操作受付部26と、を備える。オブジェクト付与部22は、図4で述べた第1付与部22aと第2付与部22bとを含む。
ゲーム提供部20は、ゲーム情報記憶部20aから読みだしたプログラム等の情報を用いて、ユーザ端末3と通信することでユーザへゲームを提供する。ユーザのプレイ履歴は、ゲーム提供部20を介してプレイ履歴記憶部24に記憶される。ゲーム提供部20が提供するゲームの具体的内容に限定はない。ゲーム提供部20が提供するゲームは、例えば、ロールプレイングゲームでもよく、アクションゲームでもよく、シューティングゲームでもよく、パズルゲームでもよく、レースゲームでもよく、テーブルゲームでもよく、シミュレーションゲームでもよく、あるいは音楽ゲーム等でもよい。提供されるゲームの詳細も様々に設定されてよく、例えばシミュレーションゲームであれば、一例としてスポーツを題材としたものでもよく、他の例として育成または経営を題材したものでもよい。或いは、ここで列挙した複数のゲームシステムの2つ以上を組み合わせたゲームでもよい。プレイ履歴は、ゲーム内に設定された一つ又は複数の「クエスト」それぞれのクリア履歴等も含まれる。
ゲーム提供部20と提供要求受付部21とオブジェクト付与部22と操作受付部26は、制御部11の機能として実現される。ゲーム情報記憶部20aとオブジェクト記憶部23とプレイ履歴記憶部24と確率データ記憶部25は、記憶部12の機能として実現される。各機能部の具体的動作は後述する。
上述した機能構成は、制御部11として実装されたCPU(Central Processing Unit)が、プログラムを実行することによって各種機能を実現してもよいし、ハードウェアによって実現してもよい。
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、記憶部12に格納してもよく、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。また、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、またはDRPなどの種々の回路によって実現してもよい。
(1.5.テーブル構成)
図6A~図6Cと図7A~図7Cと図8A~図8Cとを用いて、オブジェクト記憶部23とプレイ履歴記憶部24と確率データ記憶部25とがそれぞれ記憶するテーブルを説明する。
図6A~図6Cの各テーブルは、いずれもオブジェクト記憶部23に記憶される。
図6Aのオブジェクトテーブル(キャラクタテーブル)T1は、ゲーム要素として提供されるキャラクタについての情報を記憶する。オブジェクトテーブルT1は、キャラクタID列と、名称列を備える。キャラクタID列は、キャラクタを一意に識別するためのキャラクタIDを保持する。名称列は、各キャラクタの名称を保持する。
図6AのユーザテーブルT2は、当該ゲームを利用するユーザについての情報を記憶する。ユーザテーブルT2は、ユーザID列と、氏名列を備える。ユーザID列は、ユーザを一意に識別するためのユーザIDを保持する。氏名列は、各ユーザの氏名を保持する。
図6Aのオブジェクト母集団テーブルT3は、オブジェクト母集団を記憶する。オブジェクト母集団テーブルT3は、母集団ID列と、名称列を備える。「オブジェクト母集団」とは、オブジェクトの集合である。1つのオブジェクト母集団には1つまたは複数のオブジェクトが含まれる。母集団ID列は、オブジェクト母集団を一意に識別するための母集団IDを保持する。名称列は、各オブジェクト母集団の名称を保持する。
図6Bの母集団設定テーブルT4-1~T4-9は、各オブジェクト母集団に含まれるオブジェクトを設定するためのテーブルである。母集団設定テーブルT4は、No列とキャラクタID列を備える。No列は、テーブル内のレコードを一意に識別するための連番を保持する。キャラクタID列はテーブルに対応したオブジェクト母集団に含まれるキャラクタのキャラクタIDを保持する。
なお実施形態では、一例として、オブジェクト母集団テーブルに、抽選時の各キャラクタの当選確率列も併記される。つまり、母集団設定テーブルT4-1~T4-9は、「オブジェクト当選確率テーブル」としても機能する。
実施形態では、図6Bに示すように、オブジェクト母集団B01,B02,...,B09ごとに母集団設定テーブルT4-1,T4-2,...,T4-9が設定される。それぞれのテーブルにおいて、各オブジェクト母集団に含まれるキャラクタ(および抽選時の当選確率)が規定されている。ただし図6Bは一例であり、オブジェクト母集団の数に限定はなく、さらに多くのオブジェクト母集団が任意に設定されうる。
図6Cを参照して、母集団設定テーブルのバリエーションを例示する。図6Cの母集団設定テーブルT4-1a、T4-1b、T4-1cそれぞれは、図6Bの母集団設定テーブルT4-1と部分的に異なるオブジェクト母集団B01a、B01b、B01cを規定する。その相違点は、相違点D1、D2、D3である。相違点D1は、レコードNo.050のキャラクタがC120とC150とで異なることである。このように一部(一つ或いは複数)のキャラクタが相違し、他のキャラクタが共通する複数のオブジェクト母集団テーブルが設けられてもよい。相違点D2は、レコードNo.050のキャラクタは同じだが、当選確率が1%と30%とで異なることである。このように、複数のオブジェクト母集団テーブルで、一部(一つ或いは複数)のキャラクタについて当選確率が相違させられてもよい。相違点D3は、全キャラクタの当選確率が異なることであり、より具体的な例としてレコードNo.050のキャラクタC120に当選確率100%を与えている。これはつまり、母集団設定テーブルT4-1cで抽選をすると、必ずキャラクタC120が当選する、というものである。このように、一部(一つ或いは複数)のキャラクタを高確率にしたオブジェクト母集団テーブルが設けられてもよい。なお100%に限らず、99%~90%等の任意の高確率でもよい。あるいはテーブル内の一部のキャラクタに確率100%を割り振ってもよい。例えば二つのキャラクタに、50%:50%の割合や、30%:70%の割当などで配分してもよい。なお、他の母集団設定テーブルT4-2~T4-9それぞれについても、図6Cに例示した各バリエーションが同様に追加されてもよい。
図7A~図7Cの各テーブルは、いずれもプレイ履歴記憶部24に記憶される。プレイ履歴記憶部24には、ゲームの進行に伴う各ユーザのプレイ履歴が蓄積されている。
ここで、「プレイ履歴」は、ゲーム提供部20から提供されたゲームをユーザがプレイすることで蓄積される履歴である。プレイ履歴は、ゲーム進行に応じた各種の履歴を含んでもよい。一例を述べると、プレイ履歴は、具体的には、例えば過去のオブジェクト提供結果を含んでもよく、例えば過去の第1の選択の結果を含んでもよく、例えば過去の第2の選択の結果を含んでもよく、あるいは例えば「過去又は現在に特定のステージ、クエスト、又はイベントのプレイがなされているかどうかや、そのプレイ回数等」を含んでもよい。
図7Aのプレイ履歴テーブル(オブジェクト提供結果テーブル)T5aは、ユーザに提供されたオブジェクトを特定するための情報を、ユーザごとに記憶するテーブルである。プレイ履歴テーブルT5aは、テーブル内のレコードを一意に識別するためのNo列と、ユーザID列と、母集団ID列と、キャラクタID列と備える。ユーザID列は、オブジェクトの提供要求を行ったユーザのユーザIDを保持する。母集団ID列は、当該提供要求に応じてユーザに提供したキャラクタが含まれるオブジェクト母集団の母集団IDを保持する。キャラクタID列は、当該提供要求に応じてユーザに提供したキャラクタのキャラクタIDを保持する。プレイ履歴テーブルT5aには、ユーザにオブジェクトを提供するごとに、提供したキャラクタと、当該キャラクタが含まれるオブジェクト母集団の情報が登録される。
なお、プレイ履歴テーブルT5aに、実施形態のオブジェクト付与以外の他の経路(例えばクエストの報酬や期間限定イベントの報酬など)におけるオブジェクト提供履歴が加算されてもよい。あるいは、プレイ履歴テーブルT5aの他にさらに「他のプレイ履歴テーブル」が設けられてもよく、この他のプレイ履歴テーブルに、実施形態のオブジェクト付与以外の他の経路(例えばクエストの報酬や期間限定イベントの報酬など)でユーザに提供されたオブジェクトが記憶されてもよい。この「他のプレイ履歴テーブル」がプレイ履歴テーブルT5aに加算されてもよい。
図7Bのプレイ履歴テーブル(第1の選択の実行回数)T5b1は、各ユーザについて実行された第1の選択の実行回数を蓄積するテーブルである。プレイ履歴テーブルT5b1は、テーブル内のレコードを一意に識別するためのNo列と、ユーザID列と、第1の選択の実行回数列とを備える。各ユーザがユーザ端末3から提供要求受付部21へオブジェクト提供要求を送ることに応じて、第1付与部22aが第1の選択を実行する。実行のたびに、各ユーザについて、第1の選択の実行回数列の数値が加算されていく。なお、プレイ履歴テーブルT5b1の実行回数は、所定タイミングや所定条件の成立に応じてリセット又は減算されてもよい。例えば予め定めた一定期間ごとにリセット等されてもよい。
図7Bのプレイ履歴テーブル(モード選出回数)T5b2は、各ユーザについて実行された第2の選択の実行結果(つまりモード選択結果)を蓄積するテーブルである。実施形態では、一例として、「第2の選択で第1モードが選択された回数」が蓄積される。プレイ履歴テーブルT5b2は、は、テーブル内のレコードを一意に識別するためのNo列と、ユーザID列と、第1モード選択回数列とを備える。各ユーザに第1付与部22aが第1の選択を実行したときにある時点で所定条件が満たされると、その所定条件が満たされたユーザについてさらに第2付与部22bが第2の選択(および第3の選択)を実行する。第2の選択が実行されるたびに、第1モードと第2モードとの何れかが選択される。各ユーザについて第1モードが選択されるたびに、プレイ履歴テーブルT5b2の数値が加算されていく。この第1モード選択回数の数値は、第2モードが選択されたときにリセット又は減算されてもよい。具体例は後ほど図10を参照して説明する。
図7Cのプレイ履歴テーブル(クエスト履歴)T5cは、各ユーザのクエスト達成度合いを記憶するテーブルである。プレイ履歴テーブルT5cは、は、テーブル内のレコードを一意に識別するためのNo列と、ユーザID列と、各クエストQ001~Q009のクリア回数列とを備える。各ユーザは、ゲーム提供部20から提供されるゲーム内で各クエストQ001~Q009をプレイし、クリアする。クリア回数に応じてプレイ履歴テーブルT5cが更新される。
図8A~図8Cの各テーブルは、確率データ記憶部25に記憶される。
図8A~図8Cのモード選択確率テーブルT6-1~T6-3は、第2の選択における第2モードの選ばれる確率(以下「選択確率」とも称す)を制御するためのものである。図8A~図8Cそれぞれに示すように、第2モードの選択確率weightは、第1モードの選択回数カウンタcnt_mの値、第1の選択の実行回数カウンタcnt_iの値、およびクエスト履歴のカウンタcnt_qの値それぞれに基づいて、段階的に決定される。各テーブルを用いて第2モードの選択確率を制御することができる。なお、実施形態では第1、2モードのいずれかが選ばれるので、第1モード選択確率は100%から第2モード選択確率を差し引いた値である。
なお、図7Cのプレイ履歴テーブルT5cから各ユーザのクエスト履歴カウンタcnt_qを換算する方法は、様々に設定できる。一例として、カウンタcnt_qは、特定のクエスト(例えばQ009のみ)のクリア回数であってもよい。他の例として、カウンタcnt_qは、複数のクエストのクリア回数についての統計値でもよい。統計値は、例えばクリア回数の合計値、平均値、最大値または最小値等でもよい。
なお、実施形態では一例として各種テーブルを網羅的に説明したが、実施形態はこれら全てのテーブルを必須とするものではない。少なくとも、後述するシーケンスごとに、必要なテーブルが設けられればよい。
(1.6.オブジェクト付与の流れ)
図9および図10を参照し、実施形態に係るオブジェクト付与の流れを説明する。いくつかの図では、提供要求受付部21、第1付与部22aおよび第2付与部22bそれぞれの処理の流れとともに、図5の機能ブロック構成(操作受付部26は、オブジェクト記憶部23、プレイ履歴記憶部24、確率データ記憶部25)を処理ステップの隣に図示することがある。しかしながらこれは便宜上のものであり、そのような図示がない処理ステップでも必要に応じて図5の機能ブロック構成とのデータ授受が行われうる。
図9は、実施形態に係るオブジェクト付与の流れの全体像を図示している。まず、ユーザは、ユーザ端末3を操作して、情報処理装置1にオブジェクトの提供要求をおこなう(図1参照)。ここでは、一例として、提供要求が、抽選の実行要求であるものとする。この抽選は、課金を伴ってもよいが、課金を伴わないものでもよい。また、便宜上、提供要求を行ったユーザが「ユーザU01」である場合を例にして説明することがある。
ステップS110で、提供要求受付部21が提供要求を受け付ける。第1付与部22aは、提供要求を確認し(ステップS120)、第1の選択(ステップS130)を実行する。一例として、第1の選択では抽選でオブジェクトが選ばれるものとして説明する。この場合、ステップS120の提供要求確認において、第1付与部22aは、ユーザテーブルT2を参照して該当ユーザU01を確定する。さらに、第1付与部22aは、オブジェクト母集団テーブルT3の母集団B01~B09のなかから、今回の提供要求に対応するオブジェクト母集団を選択する。第1付与部22aは、選択したオブジェクト母集団に対応する母集団設定テーブルの当選確率を適用して、抽選を行う。この抽選において当選したオブジェクトが、今回の第1の選択の結果としてユーザU01に付与されるべきオブジェクトである。
さらに、第1付与部22aは、ステップS140において結果登録を実行する。結果登録により、当選したオブジェクトをユーザU01へ付与することができる。結果登録では、具体的には、図7Aのプレイ履歴テーブルT5aが更新され、新たなレコードNo.が追加され、ユーザID(今回の例ではU01)とともに、当選したオブジェクトのキャラクタIDが登録される。これによりユーザU01のユーザ端末3において、上記当選したオブジェクトが、ユーザU01の保有するオブジェクトとして取り扱われる。これに加えて、第1付与部22aは、図7Bのプレイ履歴テーブルT5b1において、ユーザU01の第1の選択の実行回数に1を加算する。
次に、処理は第2付与部22bに受け渡される。ステップS160において、第2付与部22bは、ユーザU01について所定条件が成立しているか否かを判定する。所定条件の一例として、ユーザU01による第1の選択の実行回数が所定回数(例えば10回)に達したときに、ユーザU01について所定条件が満たされたと判定する。この判定は、プレイ履歴記憶部24のプレイ履歴テーブルT5b1におけるユーザU01のレコードを参照するとともに、実行回数の値を所定値(例えば10)と比較することで実施できる。所定条件が成立していない場合、今回の処理が終了(リターン)する。
ステップS160で所定条件が成立していると判定された場合、第2付与部22bは、第2の選択(ステップS170)とこれに続く第3の選択(ステップS180)を行う。ここからは図10を参照して説明する。
ステップS170における第2の選択では、まずプレイ履歴が取得される(ステップS171)。ここで取得されるプレイ履歴は過去の第2の選択の結果であり、具体的には図7Bのプレイ履歴テーブル(第1の選択の実行回数)T5b1が参照される。図7Bの例ではユーザU01の第1モード選択回数(cnt_m)が3回である。
次に、ステップS172において、第2付与部22bがモードの選択処理を行う。具体的には、第2付与部22bは、確率データ記憶部25のモード選択確率テーブルT6-1(図8A参照)にアクセスし、cnt_m=3に対応する選択確率weight=50%を読み出す。これにより、第2モードの選択確率を50%に設定して(つまり残り50%が第1モードの選択確率)、二択の抽選処理を実行する。なお、cnt_mは「複数のモードのうち一つのモード(第1モード)が第2の選択で選ばれた回数」であり、選択確率weightは「複数のモードのうち他のモード(第2モード)の選ばれる確率」である。
ステップS173では、ステップS172のモード選択結果に応じて処理が分岐する。第2モードが選択されなかった場合(つまり第1モードが選択された場合)は、ステップS174に進み、第1モード選択回数のカウンタ値cnt_mに1が加算される。今回のユーザU01の場合には3→4に更新される。一方、第2モードが選択された場合は、ステップS175に進み、第1モード選択回数のカウンタ値cnt_mがゼロにリセットされる。なお、変形例として、リセットの代わりに、所定値(例えばマイナス1回やマイナス2回等)だけ減らすことでモード選択確率テーブルT6の当選確率を減らすという処理でもよい。
第2の選択で選ばれたモードに応じて、第3の選択が行われる。以下それぞれを説明する。
第2の選択で第1モードが選ばれると、処理はステップS170からステップS180aへ進む。ステップS180aは、第1モードにおける第3の選択の処理である。実施形態では、一例として第1モードを、ユーザU01に付与するオブジェクトを抽選(ステップS181a)で選ぶモードとする。実施形態では、この第1モードにおけるステップS181aの抽選は、第1の選択の抽選(ステップS130)とは幾つかの点で相違してもよい。相違の一例として、抽選が適用されるオブジェクト母集団が異なっていてもよい。好ましい例を述べると、例えば図6Bのオブジェクト母集団B01に含まれるキャラクタC001~C120は、ゲーム提供部20が提供するゲームにおいて、相対的に付与頻度が高いオブジェクト(つまり低希少価値オブジェクト)であるとする。一方、例えば図6Bのオブジェクト母集団B09に含まれるキャラクタC910~C990は、ゲーム提供部20が提供するゲームにおいて、相対的に付与頻度が低いオブジェクト(つまり高希少価値オブジェクト)であるとする。この場合、第1の選択の抽選(ステップS130)で図6Bの母集団設定テーブルT4-1が使用され、第1モードの抽選(ステップS181a)では図6Bの母集団設定テーブルT4-9が使用されてもよい。抽選によってオブジェクトが当選することで、ステップS182aにおいてユーザU01に付与するオブジェクトが決定される。
一方、第2の選択で第2モードが選ばれると、処理はステップS170からステップS180bへ進む。ステップS180bは、第2モードにおける第3の選択の処理である。実施形態では、一例として、第2モードは、ユーザ端末3からのユーザ操作を受け付けて、オブジェクトをユーザに自ら選択(指定)させるモードとする。
まず、ステップS181bでは、第2付与部22bが、ユーザの選択候補として表示されるべき複数の候補オブジェクトのキャラクタIDをユーザ端末3に送信する。ユーザ端末3が候補オブジェクトのキャラクタIDを受信すると、ユーザ端末3は、オブジェクト提示画面28を表示部224に表示する。オブジェクト提示画面28のテンプレート画像はユーザ端末3に予め記憶されていてもよい。オブジェクト提示画面28には一例として3体の候補オブジェクトが表示されてもよく、一例としてこれらの候補オブジェクトから1体を選ぶことができる。提示された候補オブジェクト数よりも少ない任意個数(複数体でもよい)を選べるようにしてもよい。なお、ここで提示される所定個数のオブジェクトの選出方法にはいくつかのバリエーションがある。例えば固定された特定のオブジェクトでもよく、例えばプレイ履歴に基づいて選択されるオブジェクトでもよく、例えば提示すべきオブジェクトを設定した提示用テーブルが設けられてもよく、例えば予め定めた提示用選択規則に従って任意の母集団設定テーブルから抽出が行われてもよい。
実施形態では、一例としてオブジェクト提示画面28のうち、各候補オブジェクトのオブジェクト表示領域がタップされると、当該表示領域の候補オブジェクトが指定されるものとする。そのような操作がユーザ端末3で行われると、当該ユーザ操作が操作受付部26を介して第2付与部22bへと入力される(ステップS182b)。ステップS182bでユーザU01からの指定があったオブジェクトが、ユーザU01に付与するオブジェクトとして決定される(ステップS183b)。
その後、第1付与部22aがステップS140で行ったのと同様に、第2付与部22bがステップS190の結果登録を実行する。この結果登録により、第3の選択で選ばれたオブジェクトをユーザU01へ付与することができる。具体的には、図7Aのプレイ履歴テーブルT5aが更新され、新たなレコードNo.が追加され、ユーザID(今回の例ではU01)とともに、ステップS182a、S182bで決定したオブジェクトのキャラクタIDが登録される。これによりユーザU01のユーザ端末3において、第3の選択で選ばれたオブジェクトが、ユーザU01の保有オブジェクトとして取り扱われる。
なお図10のシーケンス例では、ステップS171、S172において、第1モード選択回数(カウンタ値cnt_m)に応じたモード選択確率テーブルT6-1を利用している。しかしながらこれに限定されるものではない。他の例として、第1の選択の実行回数カウンタcnt_iを設定し、これに基づいてモード選択確率テーブルT6-2(図8B参照)から第2モードが選ばれる確率を決めてもよい。さらに他の例として、クエスト履歴カウンタcnt_qを設定し、これに基づいてモード選択確率テーブルT6-3(図8C参照)から第2モードが選ばれる確率を決めてもよい。
<2.変形例>
上記の実施形態は一例であり、様々な変形、追加または省略などを行うことが可能である。以下、図11から図21も参照しつつ、各種の変形例を述べる。これらの変形例は、互いに適用を阻害しない限り、任意に組み合わせて用いられてもよい。
(2.1.第1変形例)
図11で例示する第1変形例では、ステップS180bの第3の選択(第2モード)において、ユーザにオブジェクト母集団テーブルを指定させる処理を設ける。まず、ステップS184bにおいて、母集団が提示される。母集団の提示は、具体的には、母集団設定テーブルT4-1~T4-9のうち幾つかが、選択候補としてユーザに提示される。
ステップS184bの母集団提示は、一例として次の処理で実現されてもよい。まず第2付与部22bが、母集団設定テーブルT4-1~T4-9のうち今回提示すべきテーブルを特定するための提示テーブル特定情報をユーザ端末3へ送信する。提示テーブル特定情報を受け取ったユーザ端末3は、その提示テーブル特定情報が指し示す母集団設定テーブルの情報を、表示部224に表示する。一例として、表示部224に各々のオブジェクト母集団の名称(オブジェクト母集団テーブルT3参照)が提示されてもよい。他の例として、表示部224に母集団IDと紐付けられた任意のアイコンが選択候補として提示されてもよい。
母集団提示の後と、操作受付部26は、ユーザ端末3からのユーザ操作を受け付ける。ここでは一例として、オブジェクト母集団B05を選ぶユーザ操作があったものとする。第2付与部22bは、当該ユーザ操作に基づき、オブジェクト母集団B05を今回の第3の選択における選出元オブジェクト母集団に決定する(ステップS185b)。
次に、ステップS186bにおいて、第2付与部22bは、ステップS185bで選択されたオブジェクト母集団から、ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ。図11のステップS186bでは一例として、第2付与部22bが、抽選によりオブジェクトを選ぶ。具体的には、第2付与部22bは、上記オブジェクト母集団B05に対応する母集団設定テーブルT4-5をオブジェクト記憶部23から読出し、当該テーブル内のオブジェクトの抽選を行う。抽選結果に基づき、ユーザU01へ付与するオブジェクトが選ばれる(ステップS183b)。
一方、第1モード(ステップS180a)は図10の例と同様である。この第1モードでは、ユーザ操作によらずに決まるオブジェクト母集団のなかから抽選が行われ(ステップS181a)、ユーザU01へ付与するオブジェクトが決定される(ステップS182a)。
なお、ステップS186の処理は抽選に限られず、第2付与部22bが任意の選択方法でオブジェクトを選んでもよい。他の例として、オブジェクト母集団が決まった後に、そのオブジェクト母集団の各オブジェクトを選択候補としてユーザに提示してもよく、図10のステップS181~S182bで例示したようにユーザ指示操作に基づくオブジェクトの選択処理が行われてもよい。
図10および図11のシーケンスは次の点で共通する。いずれも、ステップS180b(第2モードでの第3の選択)において、第2付与部22bが「操作受付部26からのユーザ操作に基づいて指定される1つ以上のオブジェクト」のなかからユーザへ付与するオブジェクトを選ぶことができる。つまり、図10では候補オブジェクト29a~29cのうち「操作受付部26からのユーザ操作に基づいて指定される1つのオブジェクト」が、ユーザに付与するオブジェクトに決定される。また、図11では、操作受付部26からのユーザ操作に基づいて、「1つ以上のオブジェクトを含む母集団設定テーブル」が指定され、そのなかから任意の方法(抽選やユーザ指定等)により、ユーザに付与するオブジェクトが決定される。
(2.2.第2変形例)
図12および図13で例示する第2変形例では、第1の選択が複数種類設けられている。一例としてn個(第1種~第n種)の第1の選択が設けられているものとし、nは任意の整数とする。これらn個の第1の選択は、一例として、対応付けられたオブジェクト母集団(つまり抽選に使用する母集団設定テーブル)が互いに異なっていてもよい。このオブジェクト母集団の相違は、オブジェクト内容とオブジェクト個数と当選確率とのうち1つ又は複数の点での相違でもよい。
第2変形例では、ユーザがこれらn個の第1の選択から、所望の第1の選択を指定したうえで提供要求を行う。一例として、次のような処理によって提供要求処理が実施されてもよい。ユーザ端末3は、n個の第1の選択のリスト画面を予め記憶しており、ユーザが提供要求を行おうとするときにこのリスト画面を表示部224に表示してもよい。リスト画面は、例えば第1種~第n種の第1の選択が互いに異なるアイコンやバナー、名称リスト等で提示された画面でもよい。ユーザは、表示部224のリストのなかの特定の第1の選択を選んで、ユーザ端末3から提供要求を送信する。ユーザ端末3は、提供要求に加えて、第1の選択の種別を特定する種別特定情報を送信する。
例えばユーザU01からの提供要求(図10のステップS110)があった場合に、提供要求受付部21は、ユーザ端末3からの提供要求と第1の選択の種別とを、第1付与部22aに伝達する。第1付与部22aは、ステップS120aの提供要求確認において「何れの第1の選択を対象として提供要求が出されたか」を確認する。例えばユーザU01が、「第1種の第1の選択」を指定(例えば該当アイコン等をタップ)して提供要求を出したものとする。この場合、第1付与部22aは、種別毎に設けられた複数の第1の選択(第1種、第2種・・・第n種にそれぞれ対応するステップS131-1、S131-2・・・S131-n)のうち、「第1種の第1の選択」の処理(ステップS131-1)を実行する。具体的には、第1付与部22aが、第1種の第1の選択に予め紐付けられた母集団設定テーブルを用いて抽選を行う。
続くステップS132で、第1付与部22aは、実行した第1の選択の種別に応じたカウンタ値に1を加算する。第1種の第1の選択が実行されたのであれば、カウンタ値cnt_i1に1が追加される。ユーザごとに、第1種から第n種の第1の選択それぞれに対応するカウンタ値cnt_i1~cnt_inが設けられている。例えばユーザU01の提供要求が第1種の第1の選択に集中していれば、ユーザU01におけるカウンタ値cnt_i1のみが顕著に大きくなる。
その後、図9のシーケンスと同様に、抽選で選ばれたオブジェクトをユーザへ付与するための結果登録が行われる(ステップS140)。図9のシーケンスと同様にステップS160で所定条件が成立した場合には、ステップS170a(第2の選択)で第2変形例特有の処理が行われる。
ステップS170aの第2の選択では、まず、図10のステップS171(プレイ履歴取得)に代えて、第1の選択の実行種別が特定される。具体的には、今回のステップS160の直前に実行されたステップS131で、いずれの種別の第1の選択が実行されたかが特定される。その特定方法に限定はないが、例えばステップS132において最後に更新(カウンタ値加算)があった第1の選択の種別を読み出すという処理でもよい。
ここでは一例として、今回のステップS160の直前に第1種の第1の選択(ステップS131-1)が実行されたものとする。この場合、第2付与部22bは、図13に示すモード選択確率テーブルT8-1、T8-2・・・T8-nのなかで、第1種の第1の選択に対応するテーブルT8-1を参照する。続いて、第2付与部22bは、ユーザU01の現在のカウンタ値cnt_i1に基づいて、テーブルT8-1から第2モード選択確率weight_i1を読み出す。その後、第2付与部22bは、図10のステップS172(モード選択処理)と同様に、第2モード選択確率weight_i1を用いてモードの選択処理を実行する。続くステップS173~S175の処理、およびその後のステップS180(第3の選択)は、図10のシーケンスと同様である。
この第2変形例によれば、第1種~第n種の第1の選択の実行回数cnt_i1~cnt_inに違いがある場合に、その違いを第2の選択におけるモード選択確率に反映できる。これにより複数の第1の選択それぞれに対するユーザの熱中度合いの違いに応じて、モード選択確率を調節できる利点がある。なお、図13にはテーブルT8-1~T8-nの選択確率の具体例が示されているが、選択確率の数値はテーブルT8-1~T8-n同士で同じでもよく或いは相違してもよい。
(2.3.第3変形例)
第3変形例は、図7Aのプレイ履歴テーブルT5aと図14に例示するモード選択確率テーブルT9とを用いて、図10のステップS171、S172の処理を変形するものである。これにより、第3変形例は、「第1の選択で予め定めたオブジェクトが付与された回数」に応じたモード確率制御を実施する。
第3変形例における「予め定められたオブジェクト」は、一例として「低希少価値オブジェクト(低レアリティオブジェクト)」としてもよい。この低希少価値オブジェクトは、ゲーム提供部20が提供するゲームにおいて、予め定めた「希少価値の低いオブジェクト」である。「希少価値」は、任意の観点で定めることができる。一例として、各オブジェクトに、複数段階の「希少性パラメータ」が事前に割り振られていてもよい。この希少性パラメータの列が、オブジェクトテーブルT1や母集団設定テーブルT4-1~T4-9などのテーブルに追加されてもよい。例えば3段階の希少性パラメータが設定された場合、最高希少度(希少度3)のオブジェクトを除く希少度1~2のオブジェクトを、所定希少価値オブジェクトに設定してもよい。他の例として、図6Bの母集団設定テーブルT4-1~T4-9で、当選確率が高い(例えば5%~10%以上など)オブジェクトを、低希少価値オブジェクトに設定してもよい。或いは、第1の選択で過去に当選した回数が予め定めた所定回数以上であるオブジェクトは、多数当選されていて希少価値が低いオブジェクトとみなしてもよく、これを上記低希少価値オブジェクトとしてもよい。
図10を参照して説明すると、第3変形例では、第2付与部22bがプレイ履歴として図7Aのプレイ履歴テーブルT5aを参照する。第2付与部22bは、プレイ履歴テーブルT5aから、現在の該当ユーザ(例えばユーザU01)に提供されたオブジェクト(具体的にはキャラクタ)のオブジェクトリストを生成する。
第1の選択で上記予め定めたオブジェクトが付与された回数を数えるために、第3変形例では、第2付与部22bが「過去の第1の選択で付与されたオブジェクトのみ」を抽出してオブジェクトリストを作成する。一例として、別途専用テーブルを設けて、第1の選択で付与されたオブジェクトのキャラクタIDをユーザIDとともに順次記憶しておいてもよい。あるいは、後述する図19のプレイ履歴テーブルT5a1を設けることで、第1の選択(獲得経路Select1)が付与されたレコードのみを上記オブジェクトリストに抽出してもよい。
次に、第2付与部22bが、取得したオブジェクトリストを検索して、上記予め定めたオブジェクト(低希少価値オブジェクト)がヒットするたびに計数カウンタ値cnt_clrに1を加算してもよい。これにより上記「低希少価値オブジェクト」の個数が計数されてもよい。
例えば、第1の選択によってユーザU01に提供された低希少価値オブジェクトの数が5であったとする。この場合、図14のモード選択確率テーブルT9で、「cnt_clr=5」に対応する選択確率50%が読み出される。その後、第2付与部22bは、第2モード選択確率weight(50%)を用いて、図10のステップS172(モード選択処理)を実行する。続くステップS173~S175の処理、およびその後のステップS180(第3の選択)以降は、図10等のシーケンスと同様である。
なお、他の変形例として、上記「予め定めたオブジェクト」が、例えば予め定めた回数よりも付与回数が少ない高希少価値オブジェクトであってもよい。あるいは、希少性に関わらず、ゲーム提供者が任意に指定したオブジェクトが「予め定めたオブジェクト」とされてもよい。
(2.4.第4変形例)
図15および図16を用いて第4変形例を説明する。第4変形例は、第2変形例と同様に第1の選択が複数種類設けられている。図15を参照すると、第4変形例にかかる第1付与部22aは、図12のシーケンスと同様にn個の第1の選択(ステップS131-1~S131-n)のうち一つを実行する。続いて、第1付与部22aは、図15のステップS132aで、直近に実行された第1の選択の種別を保持つまり記憶する。ここでは具体例として、今回のステップS132aの直前に、ステップS131-1が実行されたものとする。この場合には、ステップS132aで「第1種」という情報が記憶される。続いて図12等と同様にステップS140~S160の処理が実行され、ステップS160で所定条件が成立したものとする。さらに、その後のステップS170(第2の選択)で、第2モードが選択されたものとする。
続いて図16を参照する。ステップS180b(第2モードでの第3の選択)において、第2付与部22bは、ステップS132aで保持した種別を読み出す(ステップS187b)。上記の具体例に基づいて、今回読み出される種別は「第1種」であるものとする。
続いて、第2付与部22bは、指定候補の決定および提示を行う(ステップS188b)。このステップでは図17のテーブルT10が参照される。テーブルT10は、第1の選択の種別(第1種~第n種)に母集団IDを予め対応付けたテーブルの一例である。テーブルT10はオブジェクト記憶部23に予め設定されているものとする。便宜上、第1種をS1Aと表記し、第2種をS1Bと表記し、第3種をS1Cと表記し、・・・第n種をS1Nと表記している。ステップS188bでは、ステップS187で読み出された種別に基づいてテーブルT10から母集団IDが決定される。例えば今回読み出される種別が「第1種」である場合、第1種S1Aに紐付けられた母集団IDはB01である。この場合、第2付与部22bは、オブジェクト母集団B01をユーザ指定候補に決定し、表示部224にオブジェクト母集団B01の各オブジェクトを表示させる。例えば、ユーザ端末3が第2付与部22bからの表示指示を受け取ったら、ユーザ端末3がオブジェクト提示画面28を表示部224に表示してもよい。
なお、上記の処理は一例であり、ステップS188bの処理は様々に変形可能である。例えばテーブルT10のように母集団IDを対応付けなくともよく、例えば所定個数のキャラクタIDを各々の種別S1A、S1B・・・S1Nに紐付けたテーブルを用いてもよい。また、各々のオブジェクト母集団の全オブジェクトをユーザ指定候補にするのではなく、その中から選出した幾つかのオブジェクトのみをユーザ指定候補にしてもよい(その場合の選出方法も任意であり、例えば抽選でもよく、あるいは抽選以外の規則的な絞り込み処理などでもよい)。
その後、第2付与部22bは、ステップS182b(ユーザ操作受付)でユーザから指定のあったオブジェクトを、ユーザに付与するオブジェクトに決定する(ステップS183b)。
(2.5.第5変形例)
第5変形例は、第2モードにおいて、予め設定した所定規則に基づいてユーザに付与するオブジェクトを選ぶ。この点は単なる抽選やユーザ操作指定などと異なる。具体的には、図18に例示する第5変形例では、ステップS180b(第2モードでの第3の選択)において、ステップS189b1~S189b3の処理(過去の付与頻度に応じたオブジェクト付与)が設けられている。
第5変形例のステップS180bでは、まずステップS189b1で、第2付与部22bが母集団読出を行う。図18の例では、第1モードのオブジェクト抽選(ステップS181a)と第2モードの母集団読出(ステップS189b1)とで、同じオブジェクト母集団(一例として母集団B01)を読み出す例が記載されている。ただしこれは一例であり、ステップS181aとステップS189b1とでオブジェクト母集団を相違させてもよい。
次に、第2付与部22bは、プレイ履歴読出を行い、図19のプレイ履歴テーブル(オブジェクト提供結果テーブル)T5aを参照する(ステップS189b2)。プレイ履歴テーブルT5a1は、獲得経路列を備える。獲得経路列には、第1の選択(Select1)と、第1モードの第3の選択(Select3_m1)と、第2モードの第3の選択(Select3_m2)とに、オブジェクトの獲得経路が区別して記録される。プレイ履歴テーブルT5a1は、結果登録(ステップS140、S190)で随時更新される。これにより、例えば現在の提供要求元のユーザがユーザU01である場合に、このユーザU01に対して第1の選択で付与されたオブジェクト付与履歴を参照することができる。なお同じオブジェクトが異なる時期に付与された場合には、その履歴は異なるレコードに記録される。テーブル内における個々のキャラクタIDの出現頻度に基づいて、各オブジェクトの付与回数をユーザごとに容易に特定できる。
続いて、第2付与部22bは、付与頻度判定を行う(ステップS189b3)。付与頻度判定では、ステップS189b2で得られた情報に基づいて、各ユーザへの各オブジェクトの付与頻度が判定される。具体的には、ユーザごとに、付与頻度(具体的には付与回数)が予め定めた基準頻度以下のオブジェクトが抽出される。予め定めた基準頻度は、一例としてゼロ回(一度も付与されていない)でもよく、あるいは1~数回(殆ど付与されていない)でもよい。他の例として、予め定めた基準頻度は、テーブル内のキャラクタID出現頻度のなかの最小値としてもよい。この場合は、予め定めた基準頻度が「最少付与回数」となり、付与頻度判定により最も付与頻度の低いオブジェクトが抽出される。同じ付与頻度を持つ複数のオブジェクトが抽出された場合には、さらにそこから抽選を行ってもよく、あるいは他の絞込規則で絞り込んでもよい。他の絞込規則は任意に定めてよいが、例えば付与された時期が古いほうを優先抽出する等でもよい。なお、付与頻度の判定は、例えば所定期間内の付与回数に限定して行ってもよく、一例として過去数ヶ月~数年にさかのぼった付与回数に限定して行ってもよい。その場合、プレイ履歴テーブルT5a1に、オブジェクトが付与された日時を記録する「付与日時列」が設けられてもよい。
次に、第2付与部22bは、付与頻度判定により抽出したオブジェクトを、ユーザへ付与するオブジェクトに決定する(ステップS183b)。これ以降の処理は図10等のシーケンスと同様である。
(2.6.第6変形例)
第6変形例は、第1モードのみならず第2モードでも、第3の選択としてオブジェクトの抽選を行う。図20に例示するように、第6変形例では、ステップS180b(第2モードの第3の選択)において、オブジェクト抽選の処理が行われる(図11のステップS186bと同様)。ただし、第1モードと第2モードとでは抽選の内容に差異がある。
一例として、図20では、第1モードのオブジェクト抽選(図20のステップS181a)では、母集団設定テーブルT4-1(図6B参照)が使用される。その一方で、第2モードのオブジェクト抽選(図20のステップS186b)では、母集団設定テーブルT4-1a(図6C参照)が使用される。これにより、第2モードの排出対象母集団に対して、「第1モードで排出対象ではないオブジェクト(具体的には図6Cにおける相違点D1のキャラクタC150)」を含ませることができる。このキャラクタC150は、例えば、高希少価値オブジェクトであってもよい。例えば3段階の希少性パラメータで希少度を規定する例であれば、最高希少度(希少度3)のオブジェクトが高希少価値オブジェクトとされてもよい。
図20の例は、さらに各種の変形が可能である。例えば、第1モードのオブジェクト抽選(ステップS181a)では、母集団設定テーブルT4-1(図6B参照)が使用されてもよい。その一方で、第2モードのオブジェクト抽選(図20のステップS186b)では、母集団設定テーブルT4-1bまたはT4-1c(図6C参照)が使用されてもよい。これにより、第1モードと第2モードとがいずれも抽選だが、少なくとも1つの所定オブジェクトで排出確率(当選確率)を相違させることができる。母集団設定テーブルT4-1bのように一部のオブジェクト(キャラクタC120)のみで当選確率を相違させてもよく、母集団設定テーブルT4-1cのように全てのオブジェクトで当選確率を相違させてもよい。
(2.7.モードのバリエーションについて)
実施の形態で述べたように、第2付与部22bでは、複数のモードのなかからモードを選ぶ第2の選択が行われる。個々のモードは、第3の選択が行われる際の選択方式を定めたものである。第3の選択とは、選択されたモードで、ユーザへ付与するオブジェクトを第2付与部22bが選ぶことである。
実施形態およびいくつかの変形例では、第1モードにおける第3の選択が「抽選」で統一されているが、第1モードはこれに限定されない。抽選以外の第1モードでもよく、例えば、実施形態および第1~第6変形例で例示した複数の第2モード180bそれぞれと同一内容に構築された複数の第1モードが設けられてもよい。具体的には、例えば図10と図11と図16と図18と図20に例示された複数のステップS180bの処理(第2モードの第3の選択)のうち、一つを第1モードとして、他の一つを第2モードとしてもよい。このような場合でも、内容が重複しないように第1モードと第2モードとを設定し、第2付与部22bが第2の選択によってモードを選べばよい。これにより第2付与部22bによる特別なオブジェクト獲得機会を変化に富ませることができる。
より網羅的に述べると、複数のモードは、次に述べる一つまたは複数の観点で互いに相違させられてもよい。一例として、複数のモードは、「選択方法」という観点で相違してもよく、「選択対象」という観点で相違してもよく、「外部影響(の有無)」という観点で相違してもよく、「母集団異同」という観点で相違してもよく、「選択確率異同」という観点で相違してもよい。これらの二つ以上の観点を任意に組み合わせて、モード間に違いをつけてもよい。例えば選択方法が同じであっても選択対象の違いがあれば、モード間の違いがある。例えば選択方法と選択対象とが同じであっても、外部影響等の観点で違いがあれば、モード間の違いがある。
モードにおける選択方法の違いとは、例えばユーザ選択と非ユーザ選択との違いでもよい。ユーザ選択はユーザ操作でユーザが能動的に指定しオブジェクトを、ユーザに付与するオブジェクトに選ぶという選択方法である。非ユーザ選択は、ユーザ操作によらずにサーバ、端末、プログラム等が自動的にオブジェクトを選ぶ、という選択方法である。これはユーザにとっては受動的なオブジェクト選択といえる。非ユーザ選択はさらに細分化されてもよく、例えば少なくとも抽選と所定規則選択(つまり抽選以外のルールベース選択)とに区別されてもよく、両者がモード間の相違として用いられてもよい。
モードにおける選択対象の違いとは、オブジェクトを選ぶのみなのか、それともオブジェクト母集団を選んでからオブジェクトを選ぶのか、という違いである。オブジェクト母集団の選択がないときには、同じオブジェクト母集団から毎回選択がおこなわれてもよいが、その一種類のオブジェクト母集団の中身は固定でもよく随時変更されてもよい。なおモード間でオブジェクトの選択個数が違う場合にも、この選択対象の違いに含まれるものとする。
モードにおける外部影響の違いとは、例えば「プレイ履歴」の影響を含むかどうかの違いでもよい。プレイ履歴には幾つかの種類があることを述べたが、モード内の処理に取り込むプレイ履歴の種類や履歴蓄積期間などが相違することを、モード間の相違点としてもよい。
モードにおける母集団異同の違いとは、あるモードと他のモードとでオブジェクト母集団が同じかそれとも異なるかということである。モード間で少なくとも一部のオブジェクトが相違していれば、モード間のオブジェクト母集団の違いがあるといえる。例えば、オブジェクト母集団の異同が、完全一致と部分一致と完全相違(重複なし)とのように段階的に区別されてもよい。
モードにおけるオブジェクト当選確率の違いとは、選択方法が非ユーザ選択である場合に、オブジェクトの当選確率にモード間で違いがあるかどうかである。具体的にはオブジェクトの当選確率の数値に違いがあるかどうかであり、その違いは完全一致と部分一致と完全相違(重複なし)とのように段階的に区別されてもよい。
図21は、情報処理装置1の機能構成の他の具体例を示すブロック図である。図20に例示するように、各モードの処理を予め記憶したモード記憶部27が設けられていてもよい。前述したようにモードのバリエーションは多岐にわたり、第2付与部22bに3つ以上のモードを設けることもできるため、この場合にはモード記憶部27を別途設けることで利便性が高まりやすい。
(2.8.モードの有利/不利)
上述した実施形態およびいくつかの変形例における第2モードが、「有利なモード」として扱われてもよい。「有利」とは、オブジェクト獲得の面でユーザにとって有利であるという意味である。ここでいうモードの有利/不利は、第2の選択で選択候補となる複数のモード同士の相対比較で決まる。
一例として、実施形態(図10、図11)や第1変形例(図11)では、第2モードにおいて、ユーザ指示によりオブジェクトやテーブルが選択される。このような第2モードは、第1モードと比較して、ユーザがオブジェクト等の選択に能動的に関与できる面で、ユーザにとって有利なモードといえる。
他の例として、図20に例示したように第1モードと第2モードで取り扱うオブジェクト母集団が相違する場合、第2モードのオブジェクト母集団をユーザにとって有利にしてもよい。ここでは一例として、図6Bのオブジェクト母集団B09のキャラクタC910~C980が、他のオブジェクト母集団B01~B08のキャラクタに比べて、平均的に希少性が高い(つまり平均的に付与頻度が低い)ものとする。この場合、第2モードでは母集団設定テーブルT4-9を使用して、キャラクタC910~C980からユーザに付与するオブジェクトを選ぶようにしてもよい。このような第2モードは、第1モードと比較して、高希少価値オブジェクトを獲得しやすい面で、ユーザにとって相対的に有利なモードといえる。
更に他の例として、図20に例示したように第1モードと第2モードとで抽選を行う場合、第2モードのほうがユーザにとって有利な当選確率を設定してもよい。例えば図6Cの母集団設定テーブルT4-1b,T4-1cはキャラクタC120の当選確率が高く設定されており、図20のシーケンス例における第2モードがこれらのテーブルを使用してもよい。このような第2モードは、第1モードと比較して、ユーザが特定のオブジェクトを獲得する可能性が高まる面で、ユーザにとって有利なモードといえる。
更に他の例として、図18で例示したように、第2モードではユーザにとって既に獲得済みのオブジェクトと重複しにくくなるようにオブジェクトが選ばれてもよい。重複したオブジェクトがユーザにとって不要である可能性が高いという面で、このような第2モードも、第1モードと比較してユーザにとって有利なモードといえる。
(2.8.他の変形例)
実施形態および各変形例では、第2付与部22bが行う第2の選択は、一例としてモード選択確率テーブルを用いた抽選としたが、これに限られない。抽選以外の予め定めた所定選択規則に基づいて第2付与部22bがモードを選ぶように、第2の選択が構築されてもよい。所定選択規則の例としては、例えばプレイ履歴が所定選択条件を満たしているときには第2モードを選び、そうでないときには第1モードを選ぶ、というものでもよい。この所定選択条件は様々に設定できるが、一例として、ある特定のクエストをクリアしてから予め定めた所定期間内であるかどうか等でもよいし、他の例として、ある特定のイベントの開催期間内であるかどうか等でもよい。
本発明は、上述の情報処理装置1を実現させるためのサーバを機能させるプログラムとして実現することもできる。
さらに、本発明は、上述のプログラムを格納する、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
<3.実施形態及び変形例の特徴>
本発明の実施形態およびその変形例の特徴は、下記(1)~(11)のようにまとめられてもよい。
(1)本発明の一態様では、第1付与部22aと第2付与部22bとを備える情報処理装置1が提供される。第1付与部22aが第1の選択(オブジェクト抽選)を行う。第2付与部22bが第2の選択(モードの選択)と第3の選択(オブジェクトの選択)とを行う。第2の選択のモードが複数種類(第1モード、第2モード)提供されることで、異なるモードでオブジェクトの付与を受ける機会をユーザに提供できる。これにより、第2付与部22bによる特別なオブジェクト獲得機会を変化に富ませることができる。
(2)ユーザのプレイ履歴(図7A~図7C等参照)に基づいて、第2の選択における各モードの選ばれる確率が設定されてもよい(図8A~図8C、図13等参照)。これにより、モードの選択確率をプレイ履歴と関連付けることができるので、特別なオブジェクト獲得機会がより一層変化に富む利点がある。有利なモードでオブジェクト提供を受けるために、ゲームをプレイする動機を強めることもできる。
(3)第2付与部22bが、ユーザごとに第1モードが選ばれた回数(カウンタ値cnt_m)に応じて第2モードが選ばれる確率を設定してもよい(図8A参照)。これにより、第2の選択が行われるたびに各モードの選択頻度を調整することができるので、特別なオブジェクト獲得機会がより一層変化に富む利点がある。
(4)第2付与部22bが、第2の選択で第2モードが選ばれたときに、確率制御の設定において加えられた分を減らしてもよい。具体的には、一例として、図10のステップS175でカウンタ値cnt_mがリセットされることで、モード選択確率テーブルにおける第2モード選択確率が最低確率に戻されてもよい。これにより第2モードが頻繁に選ばれすぎないように確率を調節できる。
(5)第2付与部22bが、第1の選択の実行回数(カウンタ値cnt_i)に応じて第2の選択において各モードが選ばれる確率を設定してもよい(図8B参照)。これにより、第1の選択が行われるたびに各モードの選択頻度を調整することができるので、特別なオブジェクト獲得機会がより一層変化に富む利点がある。
(6)実施の形態の第2変形例(図12、図13参照)で例示したように、第2付与部22bが、n種の第1の選択それぞれの実行回数(図12のカウンタ値cnti1~cnt_in)に応じて、各々の第1の選択の実行で所定条件(ステップS160)が満たされたときの第2の選択において各モードが選ばれる確率の設定を行ってもよい。各々の第1の選択の実行回数に違いがある場合に、その違いを第2の選択における各モードの選ばれる確率に反映できる。これにより複数の第1の選択それぞれに対するユーザの熱中度合いの違いに応じて各モードが選ばれる確率を調節できる。
(7)実施の形態の第3変形例(図14参照)で例示したように、第2付与部22bが、第1の選択で予め定めたオブジェクトが付与された回数(カウンタ値cnt_clr)に応じて、第2の選択において各モードが選ばれる確率を設定してもよい。これにより、第1の選択における予め定めたオブジェクトの付与頻度に応じて、第2の選択におけるモードの選択傾向を調整することができる。
(8)上記「モードの有利/不利」で述べたように、実施形態および幾つかの変形例において、第2付与部22bは、第1モードよりもオブジェクトの獲得においてユーザにとって有利なモードを第2モードとして選んでもよい。相対的に不利/有利な複数のモードが含まれることで、特別なオブジェクト獲得機会がより一層変化に富む利点がある。
(9)第2付与部22bが、第2モード(例えば図10または図11のステップS180b参照)ではユーザ操作(操作受付部26)に基づいて指定される1つ以上のオブジェクトのなかから第3の選択でユーザへ付与するオブジェクトを選んでもよい。また、第2付与部22bは、第1モード(ステップS180a)では、ユーザ操作によらず定められた1つ以上のオブジェクトのなかから第3の選択でユーザへ付与するオブジェクトを選んでもよい。第2モードではユーザがオブジェクトの選択に関与できるので、第1モードとの違いが明確となり、特別なオブジェクト獲得機会がより一層変化に富む利点がある。
(10)実施の形態の第4変形例(図15~図17参照)で例示したように、第1付与部22aが、選択候補のオブジェクトが互いに異なるn種の第1の選択を実行してもよい。さらに、第2付与部22bは、n種の第1の選択のうち所定条件の成立時(ステップS160)に実行された第1の選択に応じて、第2モードにおけるユーザ操作の指定候補となるオブジェクトをユーザに提示してもよい(ステップS188b)。これにより、ユーザが特定種類の第1の選択についての提供要求を発したときに、その特定種類の第1の選択に対応付けられた指定候補オブジェクトを提示できる。従って、ユーザが欲している可能性の高いオブジェクトを、指定候補として提供しやすくなる利点がある。
(11)実施の形態の第5変形例(図18、図19参照)で例示したように、第2付与部22bは、第1モードではオブジェクト母集団のなかから抽選を行うことでオブジェクトを選んでもよい。さらに、第2付与部22bは、第2モードでは第1モードと同じオブジェクト母集団に属し且つ過去の第1の選択での付与頻度が予め定めた基準以下のオブジェクトをユーザへ付与するオブジェクトに選んでもよい(図18のステップS189b1~S189b3)。これにより、あるユーザにとって第1の選択で獲得しにくいオブジェクトを、そのユーザに優先的に提供しやすくなる利点がある。
(12)本発明の他の態様では、コンピュータにオブジェクトを選ばせるプログラムが提供される。このプログラムは、ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ第1の選択をコンピュータに実行させ、前記第1の選択の実行で所定条件が満たされた前記ユーザに対して異なる複数のモードのなかからモードを選ぶ第2の選択をコンピュータに実行させ、前記第2の選択で選んだモードにおいて前記ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ第3の選択をコンピュータに実行させる。
(13)本発明の他の態様では、情報処理方法が提供される。この情報処理方法では、ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ第1の選択をコンピュータが行い、前記第1の選択の実行で所定条件が満たされた前記ユーザに対して異なる複数のモードのなかからモードを選ぶ第2の選択をコンピュータが行い、前記第2の選択で選んだモードにおいて前記ユーザへ付与するオブジェクトを選ぶ第3の選択をコンピュータが行う。
本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。