JP7248545B2 - 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法 - Google Patents

掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7248545B2
JP7248545B2 JP2019165295A JP2019165295A JP7248545B2 JP 7248545 B2 JP7248545 B2 JP 7248545B2 JP 2019165295 A JP2019165295 A JP 2019165295A JP 2019165295 A JP2019165295 A JP 2019165295A JP 7248545 B2 JP7248545 B2 JP 7248545B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
casing
circumferential groove
monopile
peripheral surface
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019165295A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021042580A (ja
Inventor
憲二 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kajima Corp
Original Assignee
Kajima Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kajima Corp filed Critical Kajima Corp
Priority to JP2019165295A priority Critical patent/JP7248545B2/ja
Publication of JP2021042580A publication Critical patent/JP2021042580A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7248545B2 publication Critical patent/JP7248545B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Landscapes

  • Foundations (AREA)
  • Earth Drilling (AREA)

Description

本発明は、地盤に円周溝を掘削するための掘削装置および洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法に関するものである。
近年、再生可能エネルギーのひとつとして風力発電の建設が盛んになっている。風車の基礎形式の中で最も経済的で実績も多いモノパイル基礎は、一般的に油圧ハンマー等による打撃工法により地盤に打設される。
硬質地盤や岩盤などに基礎を打設する場合には、打撃工法での打設が困難であるため、基礎を建て込みながら先端の地盤を掘削する中掘り工法を併用するのが一般的である。また、立坑掘削機を用いて地盤に立坑を掘削し、立坑に井筒を順次継ぎ足して所定深度に自重沈下させ、井筒内から岩盤に対して支保を施して固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004-84336号公報
しかしながら、モノパイル基礎の設計は風力や地震力といった水平力に支配されるため、硬質地盤や岩盤においてもある程度の根入れが必要である。そのため、中掘り工法を併用する方法や特許文献1記載の方法を用いると施工に時間を要する。また、発生土の処分にも負担がかかる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、硬質地盤や岩盤にモノパイル基礎を効率よく建て込むことができる掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、地盤に円周溝を掘削するための掘削装置であって、外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、を具備し、前記螺旋状リブが、前記内管の下端から前記円周溝の掘削長に対応する高さ付近までの範囲に設けられ、前記螺旋状リブの上方において、前記内管の内周面に掘削ずりかき寄せ翼が設けられ、前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで地盤を掘削して前記円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させ、前記内管の内周面に沿って上昇させた前記掘削ずりが、前記掘削ずりかき寄せ翼を用いて前記ケーシングの中央に向けてかき寄せられることを特徴とする掘削装置である。
第2の発明は、地盤に円周溝を掘削するための掘削装置であって、外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、を具備し、前記螺旋状リブの幅が前記カッタビットの前記内管の内周面側への突出長さより小さく、前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで地盤を掘削して前記円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に前記ケーシングの内側に向けて注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させることを特徴とする掘削装置である。
第1、第2の発明の掘削装置によれば、掘削ずりと流体とを螺旋状リブを用いてケーシングの上方に移動させることにより、硬質地盤や岩盤といった溝壁の安定性が期待できる地盤に円周溝を形成することができる。
記ケーシングから前記掘削ずりを排出するためのハンマーグラブをさらに具備することが望ましい。
第1の発明では、螺旋状リブを用いて回収した掘削ずりをケーシングの中央に集めてケーシングの外部に排出することができるので、掘削ずりの残留や落下による円周溝の閉塞を防止できる。
の発明は、洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法であって、外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、を具備する掘削装置を用い、前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで水底の地盤を掘削して円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させる工程aと、前記ケーシングを前記円周溝から引き抜く工程bと、前記円周溝にモノパイルを建て込む工程cと、を具備することを特徴とするモノパイル基礎の施工方法である。
の発明によれば、円周溝を形成することで、地盤の掘削を最小限に留めて作業時間を短縮し、残土処分費を削減し、モノパイルを効率よく建て込むことができる。また、打撃を伴わずにモノパイルを建て込むため、騒音や振動を抑えることができるとともに打撃によって生じるモノパイルへの負担も軽減できる。
前記工程aで、前記内管の内周面に沿って地表付近まで上昇してきた前記掘削ずりを、ハンマーグラブを用いて前記ケーシングの外部に排出することが望ましい。
また、前記螺旋状リブが、前記内管の下端から前記円周溝の掘削長に対応する高さ付近までの範囲に設けられ、前記螺旋状リブの上方において、前記内管の内周面に掘削ずりかき寄せ翼が設けられ、前記工程aで、前記円周溝の全長を掘削した後、前記内管の内周面に沿って地表付近まで上昇してきた前記掘削ずりを、前記掘削ずりかき寄せ翼を用いて前記ケーシングの中央に向けてかき寄せ、前記ハンマーグラブを用いて前記ケーシングの外部に排出することが望ましい。
これにより、螺旋状リブを用いて地表付近に回収した掘削ずりをケーシングの中央に集めてケーシングの外部に排出することができるので、掘削ずりの残留や落下による円周溝の閉塞を防止できる。
前記工程cで、前記円周溝に注入されたグラウト材が硬化するまで前記モノパイルを所定の位置に保持することが望ましい。この場合、例えば、前記工程bで、前記ケーシングを前記円周溝から引き抜きつつ、前記ケーシングの下端付近から前記グラウト材を前記円周溝に注入し、前記工程cで、前記グラウト材が硬化する前に、前記円周溝に前記モノパイルを建て込む。
これにより、モノパイルを適切な姿勢で固定することができる。
前記工程aで、前記ケーシングの上方に据え付けられた全周回転掘削機を用いて、前記ケーシングの上端に連結された前記ケーシングより小径で前記全周回転掘削機による把持及び回転が可能なケーシングパイプを介して、前記ケーシングを回転させつつ前記地盤に圧入することが望ましい。
これにより、既存の全周回転掘削機に適用される小径のケーシングパイプよりも大径でモノパイルを建て込む余裕を有する幅の円周溝を掘削することができる。
前記工程cの後に、前記モノパイルの頂部にトランジッションピースを取り付ける工程dをさらに具備してもよい。
円周溝にモノパイルを建て込むことにより、トランジッションピースを取り付けるタイプのモノパイル、トランジッションピースを省略したプラットフォーム一体型のモノパイルの双方の採用が可能となる。
本発明によれば、硬質地盤や岩盤にモノパイル基礎を効率よく建て込むことができる掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法を提供できる。
掘削装置1を示す図。 掘削装置1のケーシング3を示す図。 大型SEP35を曳航する工程を示す図。 ケーシング3を設置する工程を示す図。 張出部39に全周回転掘削機15を据え付ける工程を示す図。 地盤31を掘削する工程を示す図。 ケーシング3の下端付近を示す図。 地盤31付近の鉛直方向の断面を示す図。 円周溝53にグラウト材51を充填する工程を示す図。 モノパイル45を建て込む工程を示す図。 モノパイル45を固定する工程を示す図。 トランジッションピース55を取り付ける工程を示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は掘削装置1を示す図、図2は掘削装置1のケーシング3を示す図である。図2(a)は、図1の線A-Aによる断面図、図2(b)は、図1の線B-Bによる断面図である。
掘削装置1は、地盤に円周溝を掘削するための装置である。掘削装置1は、ケーシング3、カッタビット5、注入用配管7、螺旋状リブ9、掘削ずりかき寄せ翼11、ケーシングパイプ13、全周回転掘削機15、ハンマーグラブ17等からなる。
ケーシング3は、外管19と内管21とを有する鋼製の二重管構造である。ケーシング3の直径は陸上で杭の打設に用いる一般的なケーシングパイプの最大直径である3m程度より大きく、例えば4~8m程度である。
カッタビット5は、ケーシング3の下端23に、ケーシング3の周方向に間隔をおいて設けられる。カッタビット5は例えばダイヤモンドビットである。カッタビット5は、図2(a)の左半部に示すように、外管19の外周面26側と内管21の内周面25側にそれぞれ突出し、外周面26側より内周面25側の方が突出長さが大きい。外周面26側の突出は外管19と地盤との摩擦を軽減すること(フリクションカット)を目的とし、内周面25側の突出は掘削ずりの取り込みを目的とする。
注入用配管7は、外管19と内管21との間の空間内に、ケーシング3の周方向に間隔をおいて設けられる。外管19と内管21の下端23は閉塞するものとするが、注入用配管7の先端は、ケーシング3の下端23付近に位置し露出させるものとする。
螺旋状リブ9は、内管21の内周面25に沿って上昇するように設けられる。螺旋状リブ9は、ケーシング3の内管21の下端23から円周溝の掘削長27に対応する高さ付近までの範囲に設けられる。螺旋状リブ9の幅10は、カッタビット5の内周面25側への突出長さより若干小さめとする。
掘削ずりかき寄せ翼11は、螺旋状リブ9の上方において、内管21の内周面25に設けられる。図2(b)に示すように、掘削ずりかき寄せ翼11は掘削ずりをかき寄せやすいように平面視において湾曲していてもよい。
ケーシングパイプ13は、ケーシング3の上端24に連結される。ケーシングパイプ13はケーシング3より小径である。ケーシングパイプ13とケーシング3とは中心軸が一致し、内空が連通している。ケーシングパイプ13は一般に使用される全周回転掘削機15で使用可能なものとし、上方に継ぎ足し可能である。
全周回転掘削機15は、ケーシングパイプ13を介してケーシング3を回転させる。ハンマーグラブ17は、内部の掘削ずりを排出するためにケーシングパイプ13を通してケーシング3の内部に出し入れされる。
次に、洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法について説明する。図3は、大型SEP35を曳航する工程を示す図であり、図3(a)は鉛直方向の断面図、図3(b)は上方から見た図である。
図3に示すように、大型SEP35は、本体36、レグ37、張出部39、挿入用ガイド41、クレーン43等を有する。レグ37は、本体36に対して上下方向に移動可能である。張出部39は本体36から水平方向に張り出した部分であり、図3(b)に示すように本体36に一方の端部が固定された2本の横架材40の他方の端部によって形成される。挿入用ガイド41は、張出部39上に設置されたり本体36上に退避したりする。クレーン43は本体36上に設置される。
図3に示す工程では、ケーシング3、全周回転掘削機15、モノパイル45等を載せた大型SEP35を、モノパイル基礎の建込予定位置まで曳船33で曳航する。曳航時には、レグ37は水底の地盤31に接触しない高さに固定される。
図4は、ケーシング3を設置する工程を示す図であり、図4(a)は鉛直方向の断面図、図4(b)は上方から見た図である。図4に示す工程では、まず、モノパイル基礎の建込予定位置まで曳航してきた大型SEP35のレグ37を水底の地盤31に着底させる。そして、大型SEP35の本体36を水上の所定高さに固定する。地盤31は硬質地盤または岩盤であるので、全てのレグ37を地盤31上に着底させることにより、大型SEP35を安定して据え付けることができる。
大型SEP35を所定高さに固定したら、挿入用ガイド41を張出部39上に移動させて固定する。そして、クレーン43でケーシング3を揚重し、挿入用ガイド41の筒状部42に沿って挿入する。ケーシング3の位置が決まったら、図示しない把持手段を用いてケーシング3の位置を仮固定する。
図5は、張出部39に全周回転掘削機15を据え付ける工程を示す図であり、図5(a)は鉛直方向の断面図、図5(b)は上方から見た図である。図5に示す工程では、まず、ケーシング3の位置を仮固定した状態で挿入用ガイド41を張出部39上から本体36上に移動させる。そして、張出部39上に掘削機用架台47を載せて全周回転掘削機15を据え付ける。全周回転掘削機15は、ケーシング3の上方に据え付けられ、ケーシングパイプ13の上端部が挿入される。
図6は、地盤31を掘削する工程を示す図であり、図6(a)は掘削中の状態の鉛直方向の断面図、図6(b)は掘削が完了した状態の鉛直方向の断面図である。図7は、ケーシング3の下端付近を示す図であり、図7(a)は図6(a)に示す範囲Cの拡大図、図7(b)は図7(a)に示す線F-Fによる断面図である。図8は、地盤31付近の鉛直方向の断面を示す図であり、図8(a)は図7(a)に示す範囲Dの拡大図、図8(b)は図7(b)に示す範囲Eの拡大図である。
図6(a)に示す工程では、全周回転掘削機15を用いてケーシングパイプ13を介してケーシング3を回転させつつ地盤31に圧入する。このとき、掘削に伴ってケーシングパイプ13を上端に継ぎ足していく。
ケーシング3を回転させつつ地盤31に圧入すると、図7に示すようにカッタビット5が地盤31を掘削し、円周溝53が形成される。上述したようにカッタビット5はケーシング3の内周面25側および外周面26側に突出しているので、円周溝53の幅54は、ケーシング3の厚さ50よりも内周面25側の余掘り部49bと外周面26側の余掘り部49aの分だけ大きくなる。このように余掘り部49a、49bを形成することにより、円周溝53の壁面とケーシング3の内周面25および外周面26との間の摩擦が低減される。
地盤31をある程度掘削したら、ケーシング3の下端23付近に位置する注入用配管7の先端からケーシング3の内側に向けて図示しない流体を注入する。流体は清水、泥水または空気であり、カッタビット5で掘削された掘削部に充填される。ケーシング3を掘削方向(カッタビットの刃先方向)に回転させながら流体を注入すると、ケーシング3の内部に螺旋状の流れが発生する。そして、発生した流れで地盤31の掘削によって生じた掘削ずり57と掘削部に充填された流体とが上に押し上げられ、螺旋状リブ9の間に取り込まれ、図7(a)の矢印に示すように内管21の内周面25に沿って上昇する。こうして掘削ずり57を上昇させることにより、ケーシング3をさらに圧入して掘削を進めることができる。なお、掘削ずり57を確実に上昇させるために、必要に応じて圧入を停止して回転のみを実施してもよい。
ケーシング3で地盤31を掘削している間は、図8(a)に示すように、ケーシング3の内側において地盤31の表面付近をすり鉢状とし、内管21の内周面25に沿って地盤31の表面付近まで上昇してきた掘削ずり57がケーシング3の中央部に落ちて集まるようにする。そして、中央部に集まった掘削ずり57をハンマーグラブ17ですくってケーシング3の外部に排出する。
図6(b)に示すようにケーシング3による掘削深さが掘削長27に達したら、掘削を完了する。掘削が完了したら、ケーシング3を圧入せずに掘削方向に回転させる。掘削ずり57は螺旋状リブ9との間の摩擦が大きく流体よりも上昇させやすいと考えられるので、ケーシング3を圧入せずに回転させると、螺旋状リブ9上の掘削ずり57が地表近くまで回収されても流体は円周溝53内に残留する。そのため、掘削ずり57の回収が終了すると、円周溝53内は流体で置換される。
掘削ずり57の回収が終了したら、図8(b)に示すように、内管21の内周面25に沿って地盤31の表面付近まで上昇してきた掘削ずり57を掘削ずりかき寄せ翼11を用いてケーシング3の中央に向けてかき寄せる。かき寄せた掘削ずり57は、ハンマーグラブ17を用いてケーシング3の外部に排出する。
図9は、円周溝53にグラウト材51を充填する工程を示す図であり、図9(a)は鉛直方向の断面図、図9(b)は図9(a)に示す線G-Gによる断面図である。図9に示す工程では、ケーシング3の下端23付近からグラウト材51を円周溝53に注入しながら、ケーシング3を円周溝53から引き抜く。グラウト材51は注入用配管7を通るものであり、例えば遅延型の水中不分離性モルタル等である。グラウト材51の注入量は、ケーシング3の引き抜き速度に応じて調整される。引き抜いたケーシング3は、図示しない把持装置を用いて仮固定する。グラウト材51は、円周溝53の形成後、別の方法で円周溝53内の流体と置換してもよい。
ケーシング3を引き抜く際に掘削ずり57が円周溝53内に落下すると円周溝53が閉塞する可能性があるので、ケーシング3内の掘削ずり57は掘削完了後に残さず排出しておく。掘削完了後にケーシング3内の掘削ずり57を排出しきれなかった場合には、ケーシング3の螺旋状リブ9同士の間に掘削ずり57が残るが、残った掘削ずり57はケーシング3を引き抜くことによってケーシング3ごと円周溝53から撤去する。
図10は、モノパイル45を建て込む工程を示す図である。図10に示す工程では、クレーン43を用いて、図9に示す全周回転掘削機15および掘削機用架台47を張出部39上から移動させ、仮固定されたケーシング3およびケーシングパイプ13を大型SEP35上に戻す。そして、張出部39上に挿入用ガイド41を設置し、クレーン43でモノパイル45を揚重して挿入用ガイド41に通し、グラウト材51が硬化する前にモノパイル45を円周溝53内に吊り降ろして建て込む。
建て込み時、モノパイル45が円周溝53の壁面に接触して削れた地盤31が円周溝53内に落下すると、モノパイル45を建て込む際に円周溝53内で高止まりする可能性がある。そのため、図1や図6(b)に示す掘削長27を設定する際に、モノパイル45の根入れ深さに深さ方向の余掘り部59を加えることが望ましい。
円周溝53の幅54は、モノパイル45の厚さよりも大きい。そのため、円周溝53のゆがみ等によって誤差が生じた場合でも、モノパイル45をスムーズに建て込むことができる。
図11は、モノパイル45を固定する工程を示す図である。図11に示す工程では、モノパイル45を円周溝53の所定の深さまで挿入して位置決めし、グラウト材51が硬化するまでモノパイル45を保持する。これにより、モノパイル45が傾かないように適切な姿勢で固定することができる。
図12は、トランジッションピース55を取り付ける工程を示す図である。図12に示す工程では、図11に示す挿入用ガイド41を移動させ、クレーン43を用いてモノパイル45の頂部にトランジッションピース55を取り付けて、洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工を完了する。その後、トランジッションピース55の上部に風車を設置する。
このように、本実施形態では、全周回転掘削機15に適用される小径のケーシングパイプ13をケーシング3の上端に連結した掘削装置1を用いることにより、地盤31が硬質地盤や岩盤であっても、ケーシングパイプ13よりも径が大きい円周溝53を地盤31に形成することができる。円周溝53を形成することで、地盤31の掘削を最小限に留めて作業時間を短縮し、掘削ずり57の処分費を削減し、モノパイル45を効率よく建て込むことができる。また、打撃を伴わずにモノパイル45を建て込むため、騒音や振動を抑えることができるとともに打撃によって生じるモノパイルへの負担も軽減できる。
掘削装置1では、掘削ずり57と注入用配管7から注入された流体とをケーシング3を回転させることで螺旋状リブ9の間に取り込んで内管21の内周面25に沿って上昇させる。また、所定の掘削長27まで掘削した後は、掘削ずりかき寄せ翼11を用いて地盤31の表面付近の掘削ずり57をケーシング3の中央に集める。地盤31の表面付近に集まった掘削ずり57は、ハンマーグラブ17によってケーシング3の外部に排出される。これにより、掘削ずり57の残留や落下による円周溝53の閉塞を防止できる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本実施形態では地盤31に固定したモノパイル45の頂部にトランジッションピース55を取り付けたが、トランジッションピースを省略したプラットフォーム一体型のモノパイルを円周溝53に建て込んでもよい。
本実施形態ではグラウト材51を円周溝53に注入しながらケーシング3を円周溝53から引き抜いたが、上記したようにグラウト材51の注入方法はこれに限らない。ケーシング3を円周溝53から引き抜いた後にグラウト材51を円周溝53に注入し、グラウト材51が固化する前にモノパイル45を建て込んでもよい。また、ケーシング3を円周溝53から引き抜いた後に充填用の孔を設けたモノパイル45を建て込み、充填用の孔からモノパイル45と円周溝53との間にグラウト材51を注入してもよい。
1………掘削装置
3………ケーシング
5………カッタビット
7………注入用配管
9………螺旋状リブ
10、54………幅
11………掘削ずりかき寄せ翼
13………ケーシングパイプ
15………全周回転掘削機
17………ハンマーグラブ
19………外管
21………内管
23………下端
24………上端
25………内周面
26………外周面
27………掘削長
31………地盤
33………曳船
35………大型SEP
36………本体
37………レグ
39………張出部
40………横架材
41………挿入用ガイド
42………筒状部
43………クレーン
45………モノパイル
47………掘削機用架台
49a、49b、59………余掘り部
50………厚さ
51………グラウト材
53………円周溝
55………トランジッションピース
57………掘削ずり

Claims (10)

  1. 地盤に円周溝を掘削するための掘削装置であって、
    外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、
    前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、
    前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、
    前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、
    を具備し、
    前記螺旋状リブが、前記内管の下端から前記円周溝の掘削長に対応する高さ付近までの範囲に設けられ、
    前記螺旋状リブの上方において、前記内管の内周面に掘削ずりかき寄せ翼が設けられ、
    前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで地盤を掘削して前記円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させ、前記内管の内周面に沿って上昇させた前記掘削ずりが、前記掘削ずりかき寄せ翼を用いて前記ケーシングの中央に向けてかき寄せられることを特徴とする掘削装置。
  2. 地盤に円周溝を掘削するための掘削装置であって、
    外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、
    前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、
    前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、
    前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、
    を具備し、
    前記螺旋状リブの幅が前記カッタビットの前記内管の内周面側への突出長さより小さく、
    前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで地盤を掘削して前記円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に前記ケーシングの内側に向けて注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させることを特徴とする掘削装置。
  3. 前記ケーシングから前記掘削ずりを排出するためのハンマーグラブをさらに具備することを特徴とする請求項1または請求項2記載の掘削装置。
  4. 洋上風力発電用のモノパイル基礎の施工方法であって、
    外管と内管とを有する二重管構造のケーシングと、
    前記ケーシングの下端に、前記ケーシングの周方向に間隔をおいて設けられたカッタビットと、
    前記外管と前記内管との間に設けられた注入用配管と、
    前記内管の内周面に設けられた螺旋状リブと、
    を具備する掘削装置を用い、
    前記ケーシングを回転させて前記カッタビットで水底の地盤を掘削して円周溝を形成しつつ、生じた掘削ずりと前記注入用配管から前記ケーシングの下端付近に注入された流体とを前記ケーシングを回転させることで前記螺旋状リブの間に取り込んで前記内管の内周面に沿って前記掘削ずりを上昇させる工程aと、
    前記ケーシングを前記円周溝から引き抜く工程bと、
    前記円周溝にモノパイルを建て込む工程cと、
    を具備することを特徴とするモノパイル基礎の施工方法。
  5. 前記工程aで、前記内管の内周面に沿って地表付近まで上昇してきた前記掘削ずりを、ハンマーグラブを用いて前記ケーシングの外部に排出することを特徴とする請求項4記載のモノパイル基礎の施工方法。
  6. 前記螺旋状リブが、前記内管の下端から前記円周溝の掘削長に対応する高さ付近までの範囲に設けられ、
    前記螺旋状リブの上方において、前記内管の内周面に掘削ずりかき寄せ翼が設けられ、
    前記工程aで、前記円周溝の全長を掘削した後、前記内管の内周面に沿って地表付近まで上昇してきた前記掘削ずりを、前記掘削ずりかき寄せ翼を用いて前記ケーシングの中央に向けてかき寄せ、前記ハンマーグラブを用いて前記ケーシングの外部に排出することを特徴とする請求項5記載のモノパイル基礎の施工方法。
  7. 前記工程cで、前記円周溝に注入されたグラウト材が硬化するまで前記モノパイルを所定の位置に保持することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれかに記載のモノパイル基礎の施工方法。
  8. 前記工程bで、前記ケーシングを前記円周溝から引き抜きつつ、前記ケーシングの下端付近から前記グラウト材を前記円周溝に注入し、
    前記工程cで、前記グラウト材が硬化する前に、前記円周溝に前記モノパイルを建て込むことを特徴とする請求項7記載のモノパイル基礎の施工方法。
  9. 前記工程aで、前記ケーシングの上方に据え付けられた全周回転掘削機を用いて、前記ケーシングの上端に連結された前記ケーシングより小径で前記全周回転掘削機による把持及び回転が可能なケーシングパイプを介して、前記ケーシングを回転させつつ前記地盤に圧入することを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載のモノパイル基礎の施工方法。
  10. 前記工程cの後に、前記モノパイルの頂部にトランジッションピースを取り付ける工程dをさらに具備することを特徴とする請求項4から請求項9のいずれかに記載のモノパイル基礎の施工方法。
JP2019165295A 2019-09-11 2019-09-11 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法 Active JP7248545B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019165295A JP7248545B2 (ja) 2019-09-11 2019-09-11 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019165295A JP7248545B2 (ja) 2019-09-11 2019-09-11 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021042580A JP2021042580A (ja) 2021-03-18
JP7248545B2 true JP7248545B2 (ja) 2023-03-29

Family

ID=74864485

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019165295A Active JP7248545B2 (ja) 2019-09-11 2019-09-11 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7248545B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172987A (ja) 1999-12-16 2001-06-26 Shimizu Corp 杭基礎構造およびその施工方法
JP2004084336A (ja) 2002-08-27 2004-03-18 Chikoji Gakuen 洋上風力発電装置の基礎の構築方法及び洋上風力発電装置の地下構造
JP2011026955A (ja) 2010-11-09 2011-02-10 Kazunari Furuki 地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機
JP2014084611A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Taiyo Kiso Kogyo Kk 埋設杭の引き抜き装置
JP2014129707A (ja) 2012-12-29 2014-07-10 Seibu Koken:Kk 硬質地盤掘削工法
JP2015031106A (ja) 2013-08-06 2015-02-16 株式会社大林組 削孔ケーシング、削孔機、及び削孔ケーシングの延長方法
JP2018091028A (ja) 2016-12-02 2018-06-14 株式会社ケー・エフ・シー 打設施工管理装置、打設施工管理方法、及び打設施工管理プログラム
JP2018115636A (ja) 2017-01-20 2018-07-26 五洋建設株式会社 水上風力発電施設支持構造物およびその施工方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62228591A (ja) * 1985-12-12 1987-10-07 日進基礎工業株式会社 竪孔掘削工法とこれに用いるケ−シングパイプ
JPH0758033B2 (ja) * 1989-10-31 1995-06-21 日進基磯工業株式会社 竪穴掘削用のケーシングビット
JP2528434Y2 (ja) * 1991-12-20 1997-03-12 三和機材株式会社 削孔装置における回転ケーシングの掘削トルク検出装置
JP3037609B2 (ja) * 1996-01-18 2000-04-24 株式会社絹田熔工 掘削装置
JP3229565B2 (ja) * 1997-07-04 2001-11-19 株式会社ハネックス 二重ケーシングオーガ及び地下埋設物撤去方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001172987A (ja) 1999-12-16 2001-06-26 Shimizu Corp 杭基礎構造およびその施工方法
JP2004084336A (ja) 2002-08-27 2004-03-18 Chikoji Gakuen 洋上風力発電装置の基礎の構築方法及び洋上風力発電装置の地下構造
JP2011026955A (ja) 2010-11-09 2011-02-10 Kazunari Furuki 地中掘削用ハンマ及びそれを備えた回転式掘削機
JP2014084611A (ja) 2012-10-23 2014-05-12 Taiyo Kiso Kogyo Kk 埋設杭の引き抜き装置
JP2014129707A (ja) 2012-12-29 2014-07-10 Seibu Koken:Kk 硬質地盤掘削工法
JP2015031106A (ja) 2013-08-06 2015-02-16 株式会社大林組 削孔ケーシング、削孔機、及び削孔ケーシングの延長方法
JP2018091028A (ja) 2016-12-02 2018-06-14 株式会社ケー・エフ・シー 打設施工管理装置、打設施工管理方法、及び打設施工管理プログラム
JP2018115636A (ja) 2017-01-20 2018-07-26 五洋建設株式会社 水上風力発電施設支持構造物およびその施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021042580A (ja) 2021-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4875318B2 (ja) 水上構造物基礎部の防護方法
JP2021165468A (ja) 鋼管杭の施工方法
CN103015408A (zh) 灌注桩同步跟管成孔施工方法
CN113373925B (zh) 在砂岩地层中用旋挖钻机安装钢板桩的方法及装置
JP6319935B2 (ja) 管状杭の打設方法
JP7139277B2 (ja) 締固め地盤改良方法
CN112901074A (zh) 一种海上大直径斜桩旋挖机嵌岩钻进成孔工艺
JP2007332559A (ja) 既設地中杭の撤去方法
JP7248545B2 (ja) 掘削装置およびモノパイル基礎の施工方法
CN107700508A (zh) 一种型钢搅喷水泥土帷幕支护桩的施工方法
GB2154630A (en) Construction method for foundation piling
CN108222040A (zh) 钢板桩围堰施工方法
JP6735138B2 (ja) 土留壁構造の構築方法および土留壁構造
Spagnoli et al. Support for offshore monopile installation through the trench cutter technology
KR100708408B1 (ko) 토류벽 시공공법
JP3224008B2 (ja) 水深下地盤改良工法
JP4400700B2 (ja) 既設杭の切断・引き抜き工法及びその装置
KR101237749B1 (ko) 쉴드공법에 사용되는 추진장치의 헤드
KR200318783Y1 (ko) 굴착날개를 갖는 강관파일
JP2007146514A (ja) 掘削機
JP4523716B2 (ja) 基礎杭の施工方法
CN111705806B (zh) 一种深水区基坑水下土石方开挖方法
JP2013024005A (ja) 構造物の支持工法
JPS5941520A (ja) 基礎杭の施工法及び堀削装置
JP2005240395A (ja) 杭の回転埋設工法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7248545

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150