JP7247677B2 - インクジェット用の紫外線硬化型インクおよび画像形成方法 - Google Patents
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Description
本発明の一実施の形態は、300nm以上400nm未満の光(紫外線)を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、400nm以上800nm以下の光(可視光線)を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する構造式(1)で表される化合物を含む、インクジェット用の紫外線硬化型インクに関する。
上記構造式(1)に表されるX1およびX2が、窒素原子であるアゾベンゼン誘導体、または上記X1およびX2が、炭素原子であるスチルベン誘導体は、紫外線領域光を吸収して、トランス体からシス体に異性化することにより、固体から液体または液晶に相変化し、可視光領域の光を吸収して、シス体からトランス体に異性化することにより、液体または液晶から固体に相変化する。
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、紫外線重合性化合物を含む。
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクには、ゲル化剤を含むことができる。
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、高分子化合物を含んでいてもよい。上記高分子化合物は、後述する顔料を分散させるための分散剤である。
上記紫外線硬化型インクは、必要に応じて重合開始剤をさらに含んでもよい。上記重合開始剤は、上記の重合を開始できるものであればよい。たとえば、上記紫外線硬化型インクがラジカル重合性化合物を有するときは、重合開始剤は光ラジカル開始剤とすることができ、上記紫外線硬化型インクがカチオン重合性化合物を有するときは、重合開始剤は光カチオン開始剤(光酸発生剤)とすることができる。
色材には、顔料および染料が含まれる。インクの分散安定性をより高め、かつ耐候性が高い画像を形成する観点からは、色材は顔料であることが好ましい。
上記紫外線硬化型インクは、重合禁止剤を含有してもよい。
上記紫外線硬化型インクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、カチオン性の活性線重合性化合物、光酸発生剤、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等の硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれる。
本発明の紫外線硬化型インクは、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、吐出時のインクジェットヘッドの温度における粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。たとえば、インクジェットヘッドの温度は、上記紫外線硬化型インクがゲル化剤を含まない場合には50℃程度とすることができ、上記紫外線硬化型インクがゲル化剤を含む場合には80℃程度とすることができる。
上記紫外線硬化型インクは、前述のアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体と、任意のその他の成分とを、加熱下において混合することにより調製することができる。この際、得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
本発明の実施の形態に係る画像形成方法は、上述したインクジェット用の紫外線硬化型インクを用いた、画像形成方法である。具体的には、インクジェットヘッドから、上述したインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、中間転写体の表面に着弾させて、上記中間転写体の表面に画像を形成する工程と、上記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100~1000mJ/cm2である第1光照射工程と、上記画像を記録媒体に転写する工程と、上記記録媒体に転写された上記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100~1000mJ/cm2である第2光照射工程と、を有する、画像形成方法である。
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット用の画像形成装置100の例示的な構成を示す模式図である。
1-1-1.化合物1の合成
5-(4-アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液に2.1当量の二酸価マンガンを加え、100℃で10時間撹拌後、セライト濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固して、固形物を得た。当該固形物を熱エタノールに溶解させた後、冷却して再結晶させた。濾過後、当該結晶を冷エタノールで洗浄することにより、以下の構造式(2)で表される化合物1を得た。化合物1の構造はNMRで確認した。
5-(4-アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液を7-(4-アミノフェニル)ヘプタン酸のトルエン溶液に変更した以外は化合物1と同様にして、以下の構造式(3)で表される化合物2を得た。化合物2の構造はNMRで確認した。
5-(4-アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液を9-(4-アミノフェニル)ノナン酸のトルエン溶液に変更した以外は化合物1と同様にして、以下の構造式(4)で表される化合物3を得た。化合物3の構造はNMRで確認した。
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の5-ブロモ吉草酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(5)で表される化合物4を得た。化合物4の構造はNMRで確認した。
5-ブロモ吉草酸エチルを7-ブロモヘプタン酸エチルに変更した以外は化合物4と同様にして、以下の構造式(6)で表される化合物5を得た。化合物5の構造はNMRで確認した。
5-ブロモ吉草酸エチルを9-ブロモノナン酸エチルに変更した以外は化合物4と同様にして、以下の構造式(7)で表される化合物6を得た。化合物6の構造はNMRで確認した。
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3-ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(8)で表される化合物7を得た。化合物7の構造はNMRで確認した。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで2.5当量の3-ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌して、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層を分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(9)で表される化合物8を得た。化合物8の構造はNMRで確認した。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3-ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(10)で表される化合物9を得た。化合物9の構造はNMRで確認した。
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンを3-ブロモ-4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(11)で表される化合物10を得た。化合物10の構造はNMRで確認した。
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンを3-メチル-4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(12)で表される化合物11を得た。化合物11の構造はNMRで確認した。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
上述した化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2-ブロモエタンスルホン酸を加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(13)で表される化合物12を得た。化合物12の構造はNMRで確認した。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(14)で表される化合物13を得た。化合物13の構造はNMRで確認した。
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンを3-メトキシ-4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(15)で表される化合物14を得た。化合物14の構造はNMRで確認した。
1-2-1.化合物15の合成
1,3-ジメチルプロピレンウレアにヨウ化ニッケル水和物(0.53g、1.3mmol)、4,4’-ジメチトキシー2,2’’-ビピリジン(0.3g、1.3mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.2g、8.3mmol)、4,4’-ジブロモスチルベン(8.6g、25.5mmol)、ピリジン(0.1mL、1.3mmol)、7-ブロモヘプタン酸(10.9g、52.0mmol)を加え60℃で30分攪拌後、亜鉛粉末(3.4g、52.0mmol)を加えて、さらに15分攪拌した。反応液を冷却後、セライト濾過し、有機層を飽和塩化アンモニウム水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濾過した後、溶媒を減圧留去し、得られた固形物を酢酸エチルとヘキサンの混合液を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、以下の構造式(16)で表される化合物15を得た。
4,4’-ジヒドロスチルベンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の7-ブロモヘプタン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(17)で表される化合物16を得た。化合物16の構造の確認はNMRで行った。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロスチルベンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応溶液を濃縮乾固した後、ジクロロメタンおよび、1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3-ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌して、混合液を得た。上記混合液に水を加え、分液ロートで有機層と水層を分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(18)で表される化合物17を得た。化合物17の構造の確認はNMRで行った。
上述した化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2-ブロモエタンスルホン酸を加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(19)で表される化合物18を得た。化合物18の構造の確認はNMRで行った。
(化合物Aの合成)
4,4’-ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert-ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2-ブロモエチルホスホン酸ジエチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール-クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(20)で表される化合物19を得た。化合物19の構造の確認はNMRで行った。
上記誘導体1~18以外の化合物として、以下の構造式(21)で示される化合物20、構造式(22)で示される化合物21、およびHMペクチン(GENU pectin type USP-H、CP Kelco社製)を入手した。
1-4-1.顔料分散液の調製
シアン顔料「Lionol Blue FG-7400-G」(トーヨーカラー株式会社製)(20質量部)と、分散剤「BYKJET-9151」(BYK社製、「BYKJET」は同社の登録商標)(6.5質量部)と、(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート)(73.2質量部)と、光重合禁止剤「IrgastabUV10」(BASF社製、「Irgastab」は同社の登録商標)(0.3質量部)と、0.3mmのジルコニアビーズ「YTZボール」(株式会社ニッカトー製)と、を100mLのポリ容器に入れ、ペイントシェーカーにて3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除き、顔料分散液を得た。
上記顔料分散液(10.0質量%)と、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(38.9質量%)と、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(25.0質量部)と、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(15.0質量%)と、光開始剤「IRGACURE819」(BASF社製、「Irgacure」は同社の登録商標)(6.0質量%)と、化合物1(5.0質量%)と、IrgastabUV10(0.1質量%)と、加え、105℃で45分撹拌した後、3μmメンブランフィルター(ADVANTEC社製のテフロン(登録商標))で濾過して、インク1を得た。
PEG400DA :ポリエチレングリコール#400ジアクリレート
4EO-PETTA :4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート
TMP(PO)3TA :3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
819 :Irgacure 819
UV10 :Irgastab UV10
調製したインク1~26を用いて転写性および画質の評価を行った。
インク1~26を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置(KM512MHX、コニカミノルタ製)に導入し、ペルチェ冷却ユニットを用いて25℃とした中間転写体に対し、解像度720×720dpiの条件でそれぞれベタ画像(100%印字)を印字した。上記ベタ画像に対して、395nmの紫外線を積算350mJ/cm2で照射し、その後ペルチェ加温ユニットにて中間転写体を40℃に加熱するとともに、1000kPa/cm2の圧力をかけて印刷用コート紙(OKトップコート、米坪量128g/m2、王子製紙株式会社製)に加圧転写を行った。
上記画像形成時に使用したインク射出量(単位:μg)を、記録媒体の重量の増量分(単位:μg)および中間転写体上の転写残りの重量(単位:μg)から算出し、記録媒体の重量の増量分/射出インク重量により転写率(%)を算出した。なお、△以上を合格とする。
◎:転写率95%以上
○:転写率90~95%
△:転写率80~90%
×:転写率80%以下
(評価方法)
上記画像形成方法で得られた5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、濃度ムラの評価を行った。なお、△以上を合格とする。
◎:5cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められ
るが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
110 記録媒体
120 中間転写体
130 搬送路
140 インクジェットヘッド
141 中間画像形成部
150 第1光照射部
160 転写部
161 加圧部
170、171、172 支持ローラ
180 第2光照射部
190 クリーニング部
Claims (12)
- 紫外線を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、可視光線を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する化合物を含み、
前記化合物は、水素結合性基を有し、
前記水素結合性基は、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミド基、カルボキシ基、アミノ基、チオール基、スルホ基、リン酸基、およびカルボニル基またはウレア基を主鎖に有するアルキル基からなる群から選択される基である、
インクジェット用の紫外線硬化型インク。 - 紫外線および可視光線の照射により相変化する前記化合物は、式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物は、R1およびR6が、それぞれ独立して、炭素数1~18のアルキル基または炭素数1~18のアルコキシ基であり、前記アルキル基またはアルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの前記水素結合性基で置換されている、請求項2に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物は、R1およびR6が、それぞれ独立して、炭素数4~12のアルキル基または炭素数4~12のアルコキシ基であり、前記アルキル基またはアルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの前記水素結合性基で置換されている、請求項2または請求項3に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物は、R1およびR6が、それぞれ独立して、炭素数4~12のアルコキシ基であり、前記アルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの前記水素結合性基で置換されている、請求項2~4のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物は、紫外線重合性化合物または高分子化合物と水素結合を形成する、請求項2~5のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)中、R2~R5のうち少なくとも1つの基は、分岐を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、もしくはアルコキシ基またはハロゲン基からなる群から選択される基であり、かつ、R7~R10のうち少なくとも1つの基は、分岐を有していてもよい炭素数1~4のアルキル基、もしくはアルコキシ基またはハロゲン基からなる群から選択される基である、請求項2~6のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物は、X1およびX2が、窒素原子である、請求項2~7のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記式(1)で表される化合物の含有量は、前記インクジェット用の紫外線硬化型インクの全質量に対して、0.5~15質量%である、請求項2~8のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- 前記水素結合性基は、カルボキシ基である、請求項1~9のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- ゲル化剤を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
- インクジェットヘッドから、請求項1~11のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、中間転写体の表面に着弾させて、前記中間転写体の表面に画像を形成する工程と、
前記画像に照射する、波長が300nm以上400nm未満である光の積算光量が100~1000mJ/cm2である第1光照射工程と、
前記画像を記録媒体に転写する工程と、
前記記録媒体に転写された前記画像に照射する、波長が400nm以上800nm以下である光の積算光量が100~1000mJ/cm2である第2光照射工程と、
を有する、
画像形成方法。
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