JP2020147725A - インクジェット用の紫外線硬化型インクおよび画像形成方法 - Google Patents

インクジェット用の紫外線硬化型インクおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】転写性が良好であり、高精細な画像を形成することができる紫外線硬化型インクを提供すること。【解決手段】本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、可視光線を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する化合物を含む。上記化合物は、水素結合性基を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット用の紫外線硬化型インクおよび画像形成方法に関する。
インクジェット方式による画像形成方法は、簡便かつ安価に画像を作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷を含む様々な印刷分野に応用されている。特に、インクジェット方式による画像形成方法は、版を用いずデジタル印刷が可能であるため、多様な画像を少量ずつ形成するような用途に特に好適である。
インクジェット方式による画像形成方法に用いられるインクジェットインクの一種として、紫外線を照射されることで硬化する液体成分として含有するインク(以下、単に「紫外線硬化型インク」ともいう。)が知られている。上記画像形成方法として、紫外線硬化型インクの液滴を記録媒体の表面に着弾させ、着弾して記録媒体上に付与されたインク液滴に紫外線を照射することにより、インクが硬化してなる硬化膜を記録媒体の表面に形成させる方法がある。上記方法で、インクが硬化してなる硬化膜を形成していくことで、所望の画像を形成することができる。
上記画像形成方法に使用するためのインクジェット用の紫外線硬化型インクは、広く研究されており、所望の画像を形成するために様々な改良が行われている。たとえば、特許文献1には、自己分散型の紫外線重合性化合物、非水溶性のα−アミノケトン紫外線重合開始剤、375nm以上450nm以下の波長領域の紫外線に吸収を持つ非水溶性の増感剤、および水を含む紫外線硬化型水性インクが開示されている。上記紫外線硬化型水性インクは、オフセット(記録媒体が重ねられたときに重ねた記録媒体にインクが転写または記録媒体を巻き取る部材にインクが転写する現象)の発生を抑制して高速記録を実現することができるとされている。
特開2015−168727号公報
特許文献1に開示されている紫外線硬化型水性インクを用いることにより、記録媒体に直接画像を形成方法においては、所望する画像を得ることができる。しかしながら、紫外線硬化型水性インクでは、中間転写体の表面に上記紫外線硬化型水性インクを吐出して、記録媒体に転写する場合には、上記紫外線硬化型水性インクに含まれる水分により、中間転写体上での画像流れを完全に抑制することは難しい。
よって、中間転写体の表面に形成した画像を記録媒体上に転写するという、転写工程を伴う画像形成方法において、中間転写体上で画像流れが生じず、中間転写体から記録媒体上への転写性も良好であるインクジェット用の活性光線硬化型インクが求められている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、転写性が良好であり、高精細な画像を形成することができる紫外線硬化型インクを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、上記紫外線硬化型インクを用いた画像形成方法を提供することを第2の目的とする。
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、紫外線を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、可視光線を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する化合物を含み、前記化合物は、水素結合性基を有する。
本発明の画像形成方法は、インクジェットヘッドから、上述のインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、中間転写体の表面に着弾させて、前記中間転写体の表面に画像を形成する工程と、前記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第1光照射工程と、前記画像を記録媒体に転写する工程と、前記記録媒体に転写された前記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第2光照射工程と、を有する。
本発明のもう一つの画像形成方法は、インクジェットヘッドから、上述のインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、記録媒体の表面に着弾させて、前記記録媒体の表面に画像を形成する工程と、前記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第1光照射工程と、前記画像を加圧または加熱する工程と、前記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第2光照射工程と、を有する。
本発明によれば、転写性が良好であり、高精細な画像を形成することができる紫外線硬化型インクを提供することができる。また、本発明によれば、上記紫外線硬化型インクを用いた画像形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置の例示的な構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
1.紫外線硬化型インク
本発明の一実施の形態は、300nm以上400nm未満の光(紫外線)を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、400nm以上800nm以下の光(可視光線)を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する構造式(1)で表される化合物を含む、インクジェット用の紫外線硬化型インクに関する。
Figure 2020147725
(式(1)中、X、Xは、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子であり、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、水素結合性基からなる群から選択される基であって、上記アルキル基、およびアルコキシ基は上記水素結合性基、またはその他の置換基(例えばハロゲン基、ビニル基、アルキニル基、アリール基など)で置換されていてもよい。R〜R、およびR〜R10のそれぞれ少なくとも1つの基は、上記水素結合性基または上記水素結合性基で置換されたアルキル基またはアルコキシ基である。)
上記構造式(1)で表される化合物は、水素結合性基を有するので、紫外線の照射により硬化した上記紫外線硬化型インクの硬化物中において、紫外線重合性化合物が重合してなる高分子化合物または顔料分散剤(含まれる場合)などと水素結合することができる。これにより、上記化合物は300nm以上400nm未満の光を照射されると固体から液体または液晶に相変化するが、上記高分子化合物または顔料分散剤との間で水素結合を形成しているため、液体または液晶に変化していながらも硬化物中での流動性は抑制されている。そのため、上記紫外線硬化型インクを中間転写体の表面に吐出して画像を形成し、上記画像に対して300nm以上400nm未満の光(紫外線)を照射しても、上記相変化した化合物は上記紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜内から遊離することがない。なお、このとき、中間転写体上で紫外線照射により上記紫外線硬化型インクを硬化させるので、中間転写体上での画像流れを抑制することができる。
また、中間転写体から記録媒体に転写する際に、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)に圧力または熱を加えることにより、上述した水素結合が切断され、その結果、上記化合物は流動性を回復し、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)を軟化させる。これにより、中間転写体から記録媒体への画像の転写性を高めることもできる。なお、記録媒体への転写後に、画像に400nm以上800nm以下の光(可視光線)を照射して、上記構造式(1)で表される化合物を固体に相変化させることで、画像の硬度を高め、画像形成後のブロッキングを抑制することも可能である。
本発明の一実施の形態における上記構造式(1)で表される化合物は、上記XおよびXが、窒素原子であるアゾベンゼン誘導体、または上記XおよびXが、炭素原子であるスチルベン誘導体である。
1−1.アゾベンゼン誘導体、スチルベン誘導体
上記構造式(1)に表されるXおよびXが、窒素原子であるアゾベンゼン誘導体、または上記XおよびXが、炭素原子であるスチルベン誘導体は、紫外線領域光を吸収して、トランス体からシス体に異性化することにより、固体から液体または液晶に相変化し、可視光領域の光を吸収して、シス体からトランス体に異性化することにより、液体または液晶から固体に相変化する。
本発明の一実施の形態おける構造式(1)で表されるアゾベンゼン誘導体、およびスチルベン誘導体におけるRおよびRは、炭素数1〜18のアルキル基またはアルコキシ基であり、RおよびRは、炭素数4〜12のアルキル基またはアルコキシ基であることが好ましく、炭素数4〜8のアルキル基またはアルコキシ基であることがより好ましい。なお、R〜RおよびR〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基からなる群から選択することができる。
上記アルキル基またはアルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの水素結合性基で置換されていることが好ましい。また、上記水素結合性基で置換された炭素数4〜12のアルキル基またはアルコキシ基は、紫外線重合性化合物または高分子化合物との間に水素結合を形成することができるものが好ましい。
また、RおよびRは、同一であってもよいし、異なっていてもよいが、合成の容易さから、同一であることが好ましい。
上記アルキル基の例には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基などの直鎖状のアルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソアミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、1−メチルデシル基、1−ヘキシルヘプチル基などの分枝状のアルキル基が含まれる。
上記アルコキシ基の例には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基などの直鎖状のアルコキシ基:イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、1−メチルペンチルオキシ基、4−メチル−2−ペンチルオキシ基、3,3−ジメチルブチルオキシ基、2−エチルブチルオキシ基、1−メチルヘキシルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、1−メチルヘプチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、2−プロピルペンチルオキシ基、2,2−ジメチルヘプチルオキシ基、2,6−ジメチル−4−ヘプチルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、1−メチルデシルオキシ基、1−ヘキシルヘプチルオキシ基などの分枝状のアルコキシ基が含まれる。
上記ハロゲン基の例には、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、およびヨード基が含まれる。
上記紫外線重合性化合物または高分子化合物と水素結合を形成する水素結合性基の例には、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミド基、カルボキシ基、アミノ基、チオール基、スルホ基、リン酸基、およびカルボニル基またはウレア基を主鎖に有するアルキル基などが含まれる。上記水素結合性基の中では、カルボキシ基、スルホ基、リン酸基であることが好ましく、カルボキシ基であることがより好ましい。
上記カルボキシ基は上述した他の水素結合性基よりも、水素結合の強さ(結合エネルギー)、が比較的弱く、20〜85℃の加熱で切断することができ、100〜2500kPa/cmの圧力を加えることにより切断することができるからである。これにより、中間転写体から記録媒体に転写する際に熱または圧力をかけると上記画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)が軟化する。よって、転写前に中間転写体の表面で画像が流れるのを抑制できることから高精細な画像を得ることができ、転写時に画像が軟化するので、記録媒体への転写性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態おける構造式(1)で表されるアゾベンゼン誘導体およびスチルベン誘導体において、上記RおよびRで用いられる炭素数1〜18の水素結合性基で置換されたアルキル基またはアルコキシ基は、直鎖状であってもよいし、分岐状であってもよいが、相変化が進行しやすい構造を有する観点から、立体障害の影響を受けにくい直鎖状であることが好ましい。
本発明の一実施の形態に係るアゾベンゼン誘導体、およびスチルベン誘導体は、上述した水素結合性基で置換されたアルキル基またはアルコキシ基を有する。上記アルキル基部分やアルコキシ基部分は熱運動性を有するため、アゾベンゼン誘導体のアゾベンゼン部分、およびスチルベン誘導体のスチルベン部分のπ−π相互作用が支配的な周期構造中に、アルキル基部分やアルコキシ基部分の熱運動によって等方的に乱れた構造が共存する特異的な結晶構造を形成することができる。そのため、局所で、シス−トランス異性化が生じることにより、固体から液体または液晶への相変化、もしくは液体または液晶から固体への相変化が進行し、アゾベンゼン誘導体のアゾベンゼン部分、およびスチルベン誘導体のスチルベン部分のπ−π相互作用が低減することから、系全体で連鎖的に等方的な融解を生じさせるので、上述した相変化がより進行しやすくなる。
また、構造式(1)で表されるアゾベンゼン誘導体、およびスチルベン誘導体の基(RおよびR)の炭素数が4〜12の水素結合性基で置換されたアルキル基部分またはアルコキシ基部分は、高い熱運動性を有しながらも、分子間に働くアルキル−アルキル相互作用が比較的弱いので、シス−トランス異性化が生じやすいので、上述した相変化をより進行しやすくなる。これにより、紫外線照射による軟化速度が向上するとともに、可視光線照射による硬化速度も向上する。
また、構造式(1)で表されるアゾベンゼン誘導体、およびスチルベン誘導体の基(R〜R、R〜R10)が、それぞれ独立して、分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、もしくはアルコキシ基またはハロゲン基からなる群から選択される基で置換されることにより、シス−トランス異性化に有利に作用する格子欠陥の生成や自由体積の発現、π−π相互作用の低減なども生じせるので、上述した相変化がより進行しやすくなる。
具体的には、上記アゾベンゼン誘導体はシス−トランス異性化に有利に作用し、かつ、適度な結合エネルギーを有する水素結合を形成することができる下記構造式(2)〜(14)で表される化合物であることが好ましく、上記スチルベン誘導体は、シス−トランス異性化に有利に作用し、かつ、適度な結合エネルギーを有する水素結合を形成することができる、下記構造式(15)〜(19)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2020147725
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上記アゾベンゼン誘導体の合成方法は、特に制限されず、従来公知の合成方法を適用することができる。たとえば、構造式(1)のRおよびRが水素結合性基で置換されたアルキル基であるアゾベンゼン誘導体の場合、アミノフェニルアルキルカルボン酸のトルエン溶液に二酸化マンガンを加え、加熱撹拌、もしくはアミノフェニルアルキルエステルのトルエン溶液に二酸化マンガンを加え、加熱撹拌後、エステル加水分解することにより、4,4’−アゾベンゼンジカルボン酸を得ることができる。
また、上記スチルベン誘導体の合成方法は、特に制限されず、従来公知の合成方法を適用することができる。たとえば、構造式(1)のRおよびRが水素結合性基で置換されたアルキル基であるスチルベン誘導体の場合、トルエン中、p−アルキルスチレンに対してオレフィンメタセシス反応試薬であるグラブス触媒を用いて加熱、撹拌、必要に応じエステル加水分解することにより、4,4’−ジアルキルスチルベンを得ることができる。
上記アゾベンゼン誘導体、または上記スチルベン誘導体の含有量は、上記紫外線硬化型インクの全質量に対して0.5〜15質量%であることが好ましく、3.0質量%以上7.0質量%以下であることがより好ましい。
上記アゾベンゼン誘導体、または上記スチルベン誘導体の含有量を0.5質量%以上とすることにより、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)がある程度の硬化度を有することにより、中間転写体上での画像流れを抑制することができるので、高精細な画像を得ることができる。また、上記アゾベンゼン誘導体、または上記スチルベン誘導体の含有量を15質量%以下とすることにより、中間転写体上に形成される画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)の硬化度が高くなり過ぎることを抑制するので、記録媒体への転写性を向上させることができる。
1−2.紫外線重合性化合物
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、紫外線重合性化合物を含む。
上記紫外線重合性化合物は、紫外線の照射により架橋または重合する化合物である。また、上記の例には、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物またはそれらの混合物が含まれる。上記の中では、ラジカル重合性化合物が好ましい。なお、上記は、モノマー、重合性オリゴマー、プレポリマーおよびこれらの混合物のいずれであってもよい。
ラジカル重合性化合物とは、分子中にエチレン性不飽和二重結合基を有する化合物である。ラジカル重合性化合物は、単官能または多官能の化合物でありうる。ラジカル重合性化合物の例には、不飽和カルボン酸エステル化合物である、(メタ)アクリレートが含まれる。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートまたはメタアクリレートを意味し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基またはメタアクリロイル基を意味し、「(メタ)アクリル」は、アクリルまたはメタクリルを意味する。
単官能の(メタ)アクリレートの例には、イソアミル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソミルスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル−フタル酸およびt−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートが含まれる。
多官能の(メタ)アクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレートおよびトリプロピレングリコールジアクリレートなどの2官能の(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどの3官能の(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートなどの3官能以上の(メタ)アクリレート;ポリエステルアクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリロイル基を有するオリゴマー、ならびにこれらの変性物などが含まれる。上記変性物の例には、エチレンオキサイド基を挿入したエチレンオキサイド変性(EO変性)アクリレート、およびプロピレンオキサイドを挿入したプロピレンオキサイド変性(PO変性)アクリレートが含まれる。
上記ラジカル重合性化合物は、エステル基、カルボキシ基、アミド基、ヒドロキシ基などの水素結合性基を有することが好ましい。上記水素結合性基で置換されたアルキル基またはアルコキシ基を有するアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体と、上記ラジカル重合性化合物との間に水素結合を形成することができるからである。
また、上記ラジカル重合性化合物は、少なくとも一部がエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は感光性が高く、ゲル化剤を含むインクの場合、低温下でゲル化する際に、カードハウス構造を形成しやすいからである。また、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート化合物は、高温下で他のインク成分に対して溶解しやすく、硬化収縮も少ないことから、印刷物のカールも起こりにくい。
また、カチオン重合性化合物とは、分子中にカチオン重合性基を有する化合物である。カチオン重合性化合物の例には、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物およびオキセタン化合物などが含まれる。
上記エポキシ化合物の例には、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンモノエポキサイド、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3′,4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4,1,0]ヘプタン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサノン−メタ−ジオキサンおよびビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテルなどの脂環式エポキシ樹脂、1,4−ブタンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、およびグリセリンなどの脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイドなど)を付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテルなどを含む脂肪族エポキシ化合物、ならびに、ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、およびノボラック型エポキシ樹脂などを含む芳香族エポキシ化合物などが含まれる。
上記ビニルエーテル化合物の例には、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、およびオクタデシルビニルエーテルなどを含むモノビニルエーテル化合物、ならびにエチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、およびトリメチロールプロパントリビニルエーテルなどを含むジまたはトリビニルエーテル化合物などが含まれる。
上記オキセタン化合物の例には、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ベンジルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシエチル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシプロピル−3−フェニルオキセタン、3−ヒドロキシブチル−3−メチルオキセタン、1,4ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタンおよびジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルなどが含まれる。
本発明に係る紫外線硬化型インクは、上記重合性化合物の含有量は、上記紫外線硬化型インクの全質量に対して1.0質量%以上97.0質量%以下であることが好ましく、30.0質量%以上90.0質量%以下とすることがより好ましい。
1−3.ゲル化剤
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクには、ゲル化剤を含むことができる。
ゲル化剤は、常温では固体であるが、加熱すると液体となることにより、紫外線硬化型インクを温度変化に応じてゾルゲル相変移させることができる有機物である。
また、以下の観点から、ゲル化剤は、インクのゲル化温度以下の温度で、インク中で結晶化することが好ましい。ここで、「ゲル化温度」とは、加熱によりゾル化または液体化したインクを冷却していったときに、インクがゾルからゲルに相転移し、インクの粘度が急変する温度をいう。具体的には、ゾル化または液体化したインクを、レオメータ「MCR302」(AntonPaar社製)で粘度を測定しながら冷却していき、粘度が急激に上昇した温度を、そのインクのゲル化温度とすることができる。
ゲル化剤がインク中で結晶化すると、板状に結晶化したゲル化剤によって形成された三次元空間にが内包される構造が形成されることがある(このような構造を、以下「カードハウス構造」という)。カードハウス構造が形成されると、液体のが前記空間内に保持されるため、インクが着弾して形成されたドットがより濡れ広がりにくくなり、インクのピニング性がより高まる。インクのピニング性が高まると、インクが記録媒体に着弾して形成されたドット同士が合一しにくくなると考えられる。
上記ゲル化剤の例には、ジペンタデシルケトン、ジヘプタデシルケトン、ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジミリスチルケトン、ラウリルミリスチルケトン、ラウリルパルミチルケトン、ミリスチルパルミチルケトン、ミリスチルステアリルケトン、ミリスチルベヘニルケトン、パルミチルステアリルケトン、バルミチルベヘニルケトンおよびステアリルベヘニルケトン等の脂肪族ケトン化合物;パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、ステアリン酸ベヘニル、ステアリン酸パルミチル、ステアリン酸ラウリル、パルミチン酸ステアリル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸ステアリル、エルカ酸ステアリル、リノール酸ステアリル、オレイン酸ベヘニルおよびリノール酸アラキジル等の脂肪族エステル化合物;N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−(2−エチルヘキサノイル)−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアミド化合物;1,3:2,4−ビス−O−ベンジリデン−D−グルシトール等のジベンジリデンソルビトール類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス;キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウ、およびホホバエステル等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、および水素化ワックス等の鉱物系ワックス;硬化ヒマシ油または硬化ヒマシ油誘導体;モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体またはポリエチレンワックス誘導体等の変性ワックス;ベヘン酸、アラキジン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸,ラウリン酸、オレイン酸、およびエルカ酸等の高級脂肪酸;ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;12−ヒドロキシステアリン酸等のヒドロキシステアリン酸;12−ヒドロキシステアリン酸誘導体;ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド;N−ステアリルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド等のN−置換脂肪酸アミド;N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミド、およびN,N’−キシリレンビスステアリルアミド等の特殊脂肪酸アミド;ドデシルアミン、テトラデシルアミンまたはオクタデシルアミンなどの高級アミン;ステアリルステアリン酸、オレイルパルミチン酸、グリセリン脂肪酸エステル,ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル化合物;ショ糖ステアリン酸、ショ糖パルミチン酸等のショ糖脂肪酸エステル;ポリエチレンワックス、α−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックス等の合成ワックス;重合性ワックス;ダイマー酸;ダイマージオール等が含まれる。これらのワックスは、1種類のみを単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
ゲル化剤の含有量は、インクの全質量に対して0.01質量%以上7.0質量%以下であることが好ましく、インクの全質量に対して0.2質量%以上6.8質量%以下であることがより好ましい。ゲル化剤の含有量を上記範囲内とすることで、インクのピニング性を十分に高めて、より高精細な画像を形成することができる。
1−4.高分子化合物
本発明のインクジェット用の紫外線硬化型インクは、高分子化合物を含んでいてもよい。上記高分子化合物は、後述する顔料を分散させるための分散剤である。
分散剤の例には、界面活性剤および高分子分散剤などが含まれるが、高分子分散剤が好ましい。
高分子分散剤の例には、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、および顔料誘導体などが含まれる。
分散剤の含有量は、顔料の全質量に対して10.0質量%以上200.0質量%以下であることが好ましい。分散剤の含有量が顔料の全質量に対して10.0質量%以上であると、顔料の分散安定性が高まり、分散剤の含有量が顔料の全質量に対して200.0質量%以下であると、インクジェットヘッドからのインクの吐出性が安定しやすくなる。
1−5.重合開始剤
上記紫外線硬化型インクは、必要に応じて重合開始剤をさらに含んでもよい。上記重合開始剤は、上記の重合を開始できるものであればよい。たとえば、上記紫外線硬化型インクがラジカル重合性化合物を有するときは、重合開始剤は光ラジカル開始剤とすることができ、上記紫外線硬化型インクがカチオン重合性化合物を有するときは、重合開始剤は光カチオン開始剤(光酸発生剤)とすることができる。
ラジカル重合開始剤には、分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤と分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤とが含まれる。
分子内結合開裂型のラジカル重合開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、および2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンなどを含むアセトフェノン系の開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、およびベンゾインイソプロピルエーテルなどを含むベンゾイン類、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドなどを含むアシルホスフィンオキシド系の開始剤、ならびに、ベンジルおよびメチルフェニルグリオキシエステルなどが含まれる。
分子内水素引き抜き型のラジカル重合開始剤の例には、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、および3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンなどを含むベンゾフェノン系の開始剤、2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどを含むチオキサントン系の開始剤、ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどを含むアミノベンゾフェノン系の開始剤、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、ならびにカンファーキノンなどが含まれる。
カチオン系の重合開始剤の例には、光酸発生剤が含まれる。光酸発生剤の例には、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、およびホスホニウムなどを含む芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩など、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物、ならびに鉄アレン錯体などが含まれる。
上記重合開始剤の含有量は、紫外線の照射によって紫外線硬化型インクが十分に硬化し、かつ紫外線硬化型インクの射出性を低下させない範囲において、任意に設定することができる。たとえば、上記重合開始剤の含有量は、紫外線硬化型インクの全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1.0質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。
1−6.色材
色材には、顔料および染料が含まれる。インクの分散安定性をより高め、かつ耐候性が高い画像を形成する観点からは、色材は顔料であることが好ましい。
顔料の例には、カラーインデックスに記載される下記の有機顔料および無機顔料が含まれる。
赤またはマゼンタ顔料の例には、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、および88、ならびにPigment Orange 13、16、20、および36が含まれる。
青またはシアン顔料の例には、pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、および60が含まれる。
緑顔料の例には、Pigment Green 7、26、36、および50が含まれる。
黄顔料の例には、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94、95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、および193が含まれる。
黒顔料の例には、Pigment Black 7、26、および28が含まれる。
染料の例には、各種の油溶性染料が含まれる。
顔料または染料の含有量は、インクの全質量に対して0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0.4質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。顔料または染料の含有量が、インクの全質量に対して0.1質量%以上であると、得られる画像の発色が十分となる。顔料または染料の含有量がインクの全質量に対して20質量%以下であると、インクの粘度が高まりすぎない。
上記顔料は、必要に応じて分散助剤によって分散性を高められていてもよい。
1−7.重合禁止剤
上記紫外線硬化型インクは、重合禁止剤を含有してもよい。
上記重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p−ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−t−ブチル−p−ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ−p−ニトロフェニルメチル、N-(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシム、シクロヘキサノンオキシムが含まれる。
1−8.その他の成分
上記紫外線硬化型インクには、必要に応じて他の成分がさらに含まれていてもよい。他の成分は、カチオン性の活性線重合性化合物、光酸発生剤、各種添加剤や他の樹脂等であってよい。添加剤の例には、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、赤外線吸収剤、抗菌剤、インクの保存安定性を高めるための塩基性化合物等も含まれる。塩基性化合物の例には、塩基性アルカリ金属化合物、塩基性アルカリ土類金属化合物、アミンなどの塩基性有機化合物などが含まれる。他の樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、およびゴム系樹脂等の硬化膜の物性を調整するための樹脂などが含まれる。
1−9.紫外線硬化型インクの物性
本発明の紫外線硬化型インクは、インクジェットヘッドからの吐出性をより高める観点からは、吐出時のインクジェットヘッドの温度における粘度が3mPa・s以上20mPa・s以下であることが好ましい。たとえば、インクジェットヘッドの温度は、上記紫外線硬化型インクがゲル化剤を含まない場合には50℃程度とすることができ、上記紫外線硬化型インクがゲル化剤を含む場合には80℃程度とすることができる。
1−10.インクの調製方法
上記紫外線硬化型インクは、前述のアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体と、任意のその他の成分とを、加熱下において混合することにより調製することができる。この際、得られた混合液を所定のフィルターで濾過することが好ましい。
なお、顔料を含有するインクを調製する際は、顔料を含む顔料分散液を調製し、その後、顔料分散液と他の成分とを混合することが好ましい。顔料分散液は、分散剤をさらに含んでもよい。
顔料分散液は、顔料を分散して調製することができる。顔料の分散は、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカーなどを用いて行えばよい。このとき、分散剤を添加してもよい。
2.画像形成方法
本発明の実施の形態に係る画像形成方法は、上述したインクジェット用の紫外線硬化型インクを用いた、画像形成方法である。具体的には、インクジェットヘッドから、上述したインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、中間転写体の表面に着弾させて、上記中間転写体の表面に画像を形成する工程と、上記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第1光照射工程と、上記画像を記録媒体に転写する工程と、上記記録媒体に転写された上記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第2光照射工程と、を有する、画像形成方法である。
紫外線硬化型インクを吐出して、中間転写体の表面に着弾させる工程では、上述した紫外線硬化型インクを、インクジェットヘッドから吐出する。
互いに組成(たとえば、色材の種類または量)が異なる複数種の上記紫外線硬化型インクの液滴を吐出して着弾させて、多色の画像を形成するときは、上記複数種の上記紫外線硬化型インクの少なくとも一種が上記紫外線硬化型インクである。なお、上記吐出する紫外線硬化型インクのうち2以上のインクが上記紫外線硬化型インクであること(互いに組成が異なる複数種の上記紫外線硬化型インクの液滴が吐出されて記録媒体に着弾すること)が好ましい。上記観点からは、上記吐出する紫外線硬化型インクのすべてが上記紫外線硬化型インクであることがより好ましい。
インクジェットヘッドは、オンデマンド方式およびコンティニュアス方式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。オンデマンド方式のインクジェットヘッドの例には、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型およびシェアードウォール型を含む電気−機械変換方式、ならびにサーマルインクジェット型およびバブルジェット(バブルジェットはキヤノン株式会社の登録商標)型を含む電気−熱変換方式等が含まれる。
また、インクジェットヘッドは、スキャン式およびライン式のいずれのインクジェットヘッドでもよい。
このとき、インク液滴の吐出性を高めるために、インクジェットヘッド内の紫外線硬化型インクを40〜120℃に加熱して、上記加熱された紫外線硬化型インクを吐出する。吐出安定性の観点から、インクジェットヘッド内の温度において、紫外線硬化型インクの粘度は3mPa・s以上20mPa・s未満であることが好ましい。
また、上記インクジェット用の紫外線硬化型インクがゲル化剤を含むときは、インクジェットヘッド内の紫外線硬化型インクの温度を、紫外線硬化型インクのゲル化温度より10℃以上40℃未満高い温度に設定することが好ましい。インクジェットヘッド内の紫外線硬化型インクの温度をゲル化温度+10℃以上にすることで、インクジェットヘッド内もしくはノズル表面で紫外線硬化型インクがゲル化することがなく、紫外線硬化型インクを良好に射出することができる。また、インクジェットヘッド内の紫外線硬化型インクの温度を紫外線硬化型インクのゲル化温度+40℃未満とすることで、インクジェットヘッドの熱的負荷を小さくすることができる。特に、ピエゾ素子を用いたインクジェットヘッドでは、熱的負荷による性能低下が生じやすいため、紫外線硬化型インクの温度を上記範囲内とすることが特に好ましい。
上記吐出した紫外線硬化型インクは、中間転写体の表面に着弾される。
中間転写体は、芳香族ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリカーボネート、および芳香族ポリエーテルケトンなどのベンゼン環を含む構造単位を有する樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ならびにこれらの混合物または共重合物などを含む基材層を有する。また、中間転写体は、基材層に加えて、インクの着弾面側に、シリコーンゴム(SR)、クロロプンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)およびエピクロルヒドリンゴム(ECO)などのゴム、エラストマーおよび弾性樹脂など含む弾性層、ならびに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂ならびにアクリル樹脂などを含む表面層、の双方またはいずれかを有してもよい。
あるいは、中間転写体は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、およびアイオノマーフィルムなどの樹脂フィルム、セロハン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体から形成されていてもよい。
上記インクジェット用の紫外線硬化型インクがゲル化剤を含むときは、中間転写体の表面に着弾した紫外線硬化型インクは、ゲル化剤が結晶化してピニングされる。これにより、インクが着弾して形成されたドットがより濡れ広がりにくくなり、インクが上記中間転写体の表面に着弾して形成されたドット同士が合一するのを抑制する。
このとき、インクのピニング性を高めるために、中間転写体の表面温度をゲル化剤のゲル化温度の付近またはそれ以下としてもよい。
本発明の紫外線を照射する第1光照射工程では、上記中間転写体の表面に形成された画像に照射される、300nm以上400nm未満の光(紫外線)の積算光量は100〜1000mJ/cmであり、紫外線硬化型インクに含まれる重合性化合物を重合および架橋させるとともに、上記紫外線硬化型インクに含まれるアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体をトランス体からシス体に異性化させることにより、固体から液体または液晶に相変化させる。このとき、上記アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体は、上記紫外線重合性化合物または上記高分子化合物と水素結合しているため、液体または液晶に変化しながらも固体として上記紫外線硬化型インク内に留まる。そのため、上記紫外線硬化型インクを中間転写体の表面に吐出して画像を形成し、上記画像に対して300nm以上400nm未満の光(紫外線)を照射しても、上記相変化したアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体は上記画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜内)から飛び出さないので、中間転写体上での画像流れを抑制することができる。なお、上記積算光量は、紫外線強度(mW/cm)×硬化時間(sec)で求めることができる。
光源の輻射熱によって紫外線硬化型インクが溶けることによる紫外線硬化型インクの硬化不良の発生を抑制する観点から、紫外線の光源は発光ダイオード(LED)であることが好ましい。紫外線硬化型インクを硬化させるための活性線を照射することができるLED光源の例には、395nm、水冷LED、Phoseon Technology社製、Heraeus社製、京セラ株式会社製、HOYA株式会社製、およびIntegration Technology社製が含まれる。
紫外線のエネルギーを十分に重合および架橋させる観点、および上述した紫外線硬化型インクに含まれるアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を異性化させる観点から、画像に照射する300nm以上400nm未満の光(紫外線)の積算光量は、100〜1000mJ/cmであることが好ましく、250mJ/cm以上500mJ/cm以下であることがより好ましい。上記光(紫外線)の積算光量を100mJ/cm以上とすることにより、上記紫外線重合性化合物を重合および架橋させることができるとともに、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を固体から液体または液晶に相変化させることができる。
また、上記紫外線の積算光量を1000mJ/cm以下とすることにより、顔料および紫外線重合性化合物の劣化、黄変などを抑制することができる。
また、第1光照射工程において、酸素濃度が0.1体積%以上10.0体積%以下の雰囲気で紫外線を照射してもよい。酸素濃度が低い雰囲気で紫外線を照射することで、雰囲気中の酸素による硬化阻害が生じにくくなり、上記インクジェット用の紫外線硬化型インクの硬化感度をより高めることができる。
画像を記録媒体に転写する工程では、上記中間転写体の表面に形成された画像を加圧部で加圧する。上記画像を加圧する際の、上記加圧部の圧力は、100〜2500kPa/cmであることが好ましく、200kPa/cm以上1500kPa/cm以下であることがより好ましい。また、上記画像を加圧する際の、上記加圧部の温度は、20℃以上90℃以下であることが好ましく、20℃以上85℃以下であることがより好ましい。上記加圧部を上記圧力および上記温度にすることにより、上記アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体と、上記紫外線重合性化合物または上記高分子化合物との間に形成されている水素結合が切断されて、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)が軟化する。これにより、転写性を低下させることなく、上記画像を中間転写体から上記記録媒体に転写することができる。
第2光照射工程では、上記記録媒体上に転写された画像に照射される400nm以上800nm以下の光(可視光線)の積算光量は100〜1000mJ/cmであり、上記光(可視光線)を照射して、上記画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)を固化させる。これにより、画像形成後のブロッキングを抑制することができる。
また、上述した紫外線硬化型インクに含まれるアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を液体または液晶から固体に相変化させる観点から、上記記録媒体に転写された画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)に照射する400nm以上800nm以下の光(可視光線)の積算光量は100〜1000mJ/cmであることが好ましく、200mJ/cm以上800mJ/cm以下であることがより好ましい。上記光(可視光線)の積算光量を100mJ/cm以上とすることにより、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体の相変化を速やかに進行させることができる。また、上記可視光線の積算光量を1000mJ/cm以下とすることにより、顔料および紫外線重合性化合物の劣化、黄変などを抑制することができる。
なお、上記画像形成方法では、上記インクジェット用の紫外線硬化型インクを中間転写体上に着弾させ、上記中間転写体に付与された紫外線硬化型インクに紫外線を照射して画像を形成した後、上記画像を記録媒体に転写し、転写された画像に可視光線を照射する方法を説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、上記インクジェット用の紫外線硬化型インクを直接記録媒体の表面に着弾させ、上記記録媒体に紫外線を照射し、上記記録媒体を加熱および/または加圧した後、可視光線を照射して画像を形成してもよい。なお、記録媒体は、画像を形成できる媒体であればよく、例えば、アート紙、コート紙、軽量コート紙、微塗工紙およびキャスト紙を含む塗工紙ならびに非塗工紙を含む吸収性の媒体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体、ならびに金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体を用いることができる。
3.画像形成装置
図1は、本発明の実施形態に係るインクジェット用の画像形成装置100の例示的な構成を示す模式図である。
本発明の画像形成装置100は、インクジェットヘッド140から、インクジェット用の紫外線硬化型インクを吐出する、インク吐出部と、吐出されたインクジェット用の紫外線硬化型インクを着弾させる記録媒体110を搬送して、中間転写体120の表面に上記紫外線硬化型インクを着弾させる搬送路130と、搬送路130の記録媒体110が搬送される面に対向して配置された、中間転写体120の表面に紫外線硬化型インクを付与して中間画像を形成する中間画像形成部141と、形成された中間画像に紫外線を照射する第1光照射部150と、紫外線硬化型インクを含む中間画像を記録媒体110に転写する転写部160と、転写部160で中間画像を加圧する加圧部161と、無端状ベルトの形状を有する中間転写体120を張架する3つの支持ローラ170、171および172と、記録媒体110に転写された中間画像に可視光線を照射する第2光照射部180と、記録媒体110に転写されずに中間転写体120の表面に残存した紫外線硬化型インクを中間転写体120の表面から除去するクリーニング部190と、を有する。
搬送路130は、例えば、金属ドラムで構成され、中間画像を転写される記録媒体110を搬送する。搬送路130は、中間転写体120の一部の表面に接して配置され、加圧部161よって中間転写体120の上記接する表面が加圧されることで、転写ニップが形成される。搬送路130は、記録媒体110の先端を固定する爪(不図示)を有してもよい。搬送路130は、当該爪に記録媒体110の先端を固定し、図1における反時計回り方向に回転することで、記録媒体110を転写ニップに搬送する。
中間転写体120は、3つの支持ローラ170、171および172を有する。中間転写体120は無端状ベルトで構成され、3つの支持ローラ170、171および172によって逆三角形状に張架され、中間画像形成部141によって中間転写体120の表面に形成された中間画像を転写部160に搬送する。
3つの支持ローラ170、171および172のうち、少なくとも1つのローラは、駆動ローラであり、中間転写体120をA方向に回転させる。
中間転写体120は、芳香族ポリイミド(PI)、芳香族ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、芳香族ポリカーボネート、および芳香族ポリエーテルケトンなどのベンゼン環を含む構造単位を有する樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ならびにこれらの混合物または共重合物などを含む基材層を有する。中間転写体120は、基材層に加えて、インクの着弾面側に、シリコーンゴム(SR)、クロロプンゴム(CR)、ニトリルゴム(NBR)およびエピクロルヒドリンゴム(ECO)などのゴム、エラストマーおよび弾性樹脂など含む弾性層、ならびに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、およびポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素樹脂ならびにアクリル樹脂などを含む表面層、の双方またはいずれかを有してもよい。
あるいは、中間転写体120は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレン(PS)フィルム、ポリプロピレン(PP)フィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリエチレン(PE)フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、およびアイオノマーフィルムなどの樹脂フィルム、セロハン、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体から形成されていてもよい。
中間転写体120における、逆三角形状の左右の頂点部分に位置する支持ローラ170および171に張架された部分は、それぞれのインクジェットヘッドから吐出されたインクの着弾面となっている。中間転写体120における、逆三角形状の下側の頂点部分に位置する支持ローラ172(加圧部161)は、中間転写体120を搬送路130に向けて所定のニップ圧により加圧する加圧ローラであり、それぞれのインクジェットヘッドから吐出されたインクが着弾して形成された中間画像を記録媒体110に転写する加圧部として機能する。
インク吐出部でもある中間画像形成部141は、インクジェット法により中間画像を形成するインク付与部であり、それぞれY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色の紫外線硬化型インクをノズルから吐出して中間転写体120の表面に着弾させる、インクジェットヘッド140Y、140M、140Cおよび140Kを有する。インクジェットヘッド140Y、140M、140Cおよび140Kは、上記各色の紫外線硬化型インクを、中間転写体120の表面のうち形成されるべき画像に応じた位置に着弾させて、中間画像を形成する。
第1光照射部150は、中間画像形成部141の下流側に配置され、搬送路130の表面に向けて紫外線を照射する。これにより、第1光照射部150は、中間転写体上に形成された画像に紫外線を照射して、画像を構成する紫外線硬化型インクに含まれる紫外線重合性化合物を重合および架橋させるとともに、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を固体から液体または液晶に相変化させる。これにより、中間転写体120の表面に、記録媒体に転写可能な画像が形成される。
転写部160は、中間転写体120と搬送路130とが最接近した転写ニップを含む部分であって、加圧部161によって中間転写体120が搬送路130の方向に付勢されることにより、中間転写体120が接する搬送路130の表面を加圧部161で加圧する。中間転写体120の表面に形成されて搬送されてきた画像と、搬送路130の表面に配置されて搬送されてきた記録媒体110とは、転写ニップにおいて接触され、加圧部161を介して中間転写体120から搬送路130側に加圧されることで、記録媒体に転写される。
第2光照射部180は、搬送路130による記録媒体110の搬送方向における、転写部160より下流側に配置され、搬送路130の表面に向けて活性線を照射する。これにより、第2光照射部180は、記録媒体110に転写された画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)に可視光線を照射して、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を液体または液晶から固体に相変化させて、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)を固化させる。これにより、記録媒体110の表面に、画像が定着する。
クリーニング部190は、ウェブローラやスポンジローラ等のクリーニングローラであり、転写部160の下流側で、中間転写体120の表面に接触する。クリーニング部190は、上記クリーニングローラが駆動回転することで、転写部160において記録媒体110に転写されずに中間転写体120の表面に残存した残インク(残塗布物)を除去する。
なお、図示しないものの、画像形成装置100は、中間転写体120のうちインクが着弾する位置の表面温度を60℃以下に調整する温度調整部を有してもよい。
また、図示しないものの、画像形成装置100は、雰囲気の酸素濃度を0.1体積%以上10体積%以下の所望の値に調整することができる酸素濃度調整部を有していてもよい。
また、上記説明では中間転写体を有する画像形成装置について説明したが、本発明の画像形成装置は、中間転写体を有さず、インク吐出部から吐出された紫外線硬化型インクを搬送路を搬送される記録媒体に直接に着弾させる構成であってもよい。
本発明を以下の試験を用いてさらに具体的に説明するが、本発明は以下の試験に限定されない。
1−1.アゾベンゼン誘導体の合成
1−1−1.化合物1の合成
5−(4−アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液に2.1当量の二酸価マンガンを加え、100℃で10時間撹拌後、セライト濾過し、濾液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固して、固形物を得た。当該固形物を熱エタノールに溶解させた後、冷却して再結晶させた。濾過後、当該結晶を冷エタノールで洗浄することにより、以下の構造式(2)で表される化合物1を得た。化合物1の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−2.化合物2の合成
5−(4−アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液を7−(4−アミノフェニル)ヘプタン酸のトルエン溶液に変更した以外は化合物1と同様にして、以下の構造式(3)で表される化合物2を得た。化合物2の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−3.化合物3の合成
5−(4−アミノフェニル)ペンタン酸のトルエン溶液を9−(4−アミノフェニル)ノナン酸のトルエン溶液に変更した以外は化合物1と同様にして、以下の構造式(4)で表される化合物3を得た。化合物3の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−4.化合物4の合成
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の5−ブロモ吉草酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(5)で表される化合物4を得た。化合物4の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−5.化合物5の合成
5−ブロモ吉草酸エチルを7−ブロモヘプタン酸エチルに変更した以外は化合物4と同様にして、以下の構造式(6)で表される化合物5を得た。化合物5の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−6.化合物6の合成
5−ブロモ吉草酸エチルを9−ブロモノナン酸エチルに変更した以外は化合物4と同様にして、以下の構造式(7)で表される化合物6を得た。化合物6の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−7.化合物7の合成
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3−ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(8)で表される化合物7を得た。化合物7の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−8.化合物8の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物8の合成)
化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで2.5当量の3−ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌して、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層を分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(9)で表される化合物8を得た。化合物8の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−9.化合物9の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物9の合成)
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3−ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(10)で表される化合物9を得た。化合物9の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−10.化合物10の合成
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンを3−ブロモ−4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(11)で表される化合物10を得た。化合物10の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−11.化合物11の合成
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンを3−メチル−4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(12)で表される化合物11を得た。化合物11の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−12.化合物12の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物12の合成)
上述した化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2−ブロモエタンスルホン酸を加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(13)で表される化合物12を得た。化合物12の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−13.化合物13の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物13の合成)
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2−ブロモエチルホスホン酸ジエチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(14)で表される化合物13を得た。化合物13の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−1−14.化合物14の合成
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンを3−メトキシ−4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンに変更した以外は化合物8と同様にして、以下の構造式(15)で表される化合物14を得た。化合物14の構造はNMRで確認した。
Figure 2020147725
1−2.スチルベン誘導体の合成
1−2−1.化合物15の合成
1,3−ジメチルプロピレンウレアにヨウ化ニッケル水和物(0.53g、1.3mmol)、4,4’−ジメチトキシー2,2’’−ビピリジン(0.3g、1.3mmol)、ヨウ化ナトリウム(1.2g、8.3mmol)、4,4’−ジブロモスチルベン(8.6g、25.5mmol)、ピリジン(0.1mL、1.3mmol)、7−ブロモヘプタン酸(10.9g、52.0mmol)を加え60℃で30分攪拌後、亜鉛粉末(3.4g、52.0mmol)を加えて、さらに15分攪拌した。反応液を冷却後、セライト濾過し、有機層を飽和塩化アンモニウム水、次いで飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を濾過した後、溶媒を減圧留去し、得られた固形物を酢酸エチルとヘキサンの混合液を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、以下の構造式(16)で表される化合物15を得た。
Figure 2020147725
1−2−2.化合物16の合成
4,4’−ジヒドロスチルベンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の7−ブロモヘプタン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(17)で表される化合物16を得た。化合物16の構造の確認はNMRで行った。
Figure 2020147725
1−2−3.化合物17の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロスチルベンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応溶液を濃縮乾固した後、ジクロロメタンおよび、1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物17の合成)
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の3−ブロモプロピオン酸エチルを加え、室温で6時間撹拌して、混合液を得た。上記混合液に水を加え、分液ロートで有機層と水層を分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(18)で表される化合物17を得た。化合物17の構造の確認はNMRで行った。
Figure 2020147725
1−2−4.化合物18の合成
上述した化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2−ブロモエタンスルホン酸を加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(19)で表される化合物18を得た。化合物18の構造の確認はNMRで行った。
Figure 2020147725
1−2−5.化合物19の合成
(化合物Aの合成)
4,4’−ジヒドロキシアゾベンゼンのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加え、30分撹拌した。次いで、2.5当量の(2−ブロモエトキシ)−tert−ブチルジメチルシランを加え、室温で2時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Aを得た。
(化合物Bの合成)
上記化合物AのTHF溶液を0℃に冷却し、3.0当量のテトラブチルアンモニウムフルオライド(TBAF)を加え、室温で1時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液を濃縮乾固した後、ジクロロメタン、および1Nの塩酸をpH2になるまで加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層をロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−酢酸エチル)で精製することにより、化合物Bを得た。
(化合物19の合成)
上記化合物Bのジクロロメタン溶液を0℃に冷却し、2.1当量のtert−ブトキシカリウムを加えた後、30分撹拌した。次いで、2.5当量の2−ブロモエチルホスホン酸ジエチルを加え、室温で6時間撹拌し、反応液を得た。上記反応液に水を加え、分液ロートで有機層と水層とに分離した。上記分離した有機層に1Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えて撹拌し、水層を分取した。上記分取した水層にpH2になるまで1Nの塩酸を加えた後、酢酸エチルで分液分取し、酢酸エチルをロータリーエバポレーターで濃縮乾固し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(メタノール−クロロホルム)で精製することにより、以下の構造式(20)で表される化合物19を得た。化合物19の構造の確認はNMRで行った。
Figure 2020147725
1−3.その他化合物
上記誘導体1〜18以外の化合物として、以下の構造式(21)で示される化合物20、構造式(22)で示される化合物21、およびHMペクチン(GENU pectin type USP−H、CP Kelco社製)を入手した。
Figure 2020147725
Figure 2020147725
1−4.インクの調製
1−4−1.顔料分散液の調製
シアン顔料「Lionol Blue FG−7400−G」(トーヨーカラー株式会社製)(20質量部)と、分散剤「BYKJET−9151」(BYK社製、「BYKJET」は同社の登録商標)(6.5質量部)と、(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート)(73.2質量部)と、光重合禁止剤「IrgastabUV10」(BASF社製、「Irgastab」は同社の登録商標)(0.3質量部)と、0.3mmのジルコニアビーズ「YTZボール」(株式会社ニッカトー製)と、を100mLのポリ容器に入れ、ペイントシェーカーにて3時間分散した後、ジルコニアビーズを取り除き、顔料分散液を得た。
1−4−2.インクの調製
上記顔料分散液(10.0質量%)と、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(38.9質量%)と、4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(25.0質量部)と、3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート(15.0質量%)と、光開始剤「IRGACURE819」(BASF社製、「Irgacure」は同社の登録商標)(6.0質量%)と、化合物1(5.0質量%)と、IrgastabUV10(0.1質量%)と、加え、105℃で45分撹拌した後、3μmメンブランフィルター(ADVANTEC社製のテフロン(登録商標))で濾過して、インク1を得た。
表1にインク1〜16の、表2にインク17〜26の各成分の含有量(単位は質量部)を示す。
表1で示される各略号は次のとおりである。
PEG400DA :ポリエチレングリコール#400ジアクリレート
4EO−PETTA :4EO変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート
TMP(PO)3TA :3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート
819 :Irgacure 819
UV10 :Irgastab UV10
Figure 2020147725
Figure 2020147725
2.画像形成評価
調製したインク1〜26を用いて転写性および画質の評価を行った。
(画像形成方法)
インク1〜26を、ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッドを有するインクジェット記録装置(KM512MHX、コニカミノルタ製)に導入し、ペルチェ冷却ユニットを用いて25℃とした中間転写体に対し、解像度720×720dpiの条件でそれぞれベタ画像(100%印字)を印字した。上記ベタ画像に対して、395nmの紫外線を積算350mJ/cmで照射し、その後ペルチェ加温ユニットにて中間転写体を40℃に加熱するとともに、1000kPa/cmの圧力をかけて印刷用コート紙(OKトップコート、米坪量128g/m、王子製紙株式会社製)に加圧転写を行った。
2−1.転写性評価
上記画像形成時に使用したインク射出量(単位:μg)を、記録媒体の重量の増量分(単位:μg)および中間転写体上の転写残りの重量(単位:μg)から算出し、記録媒体の重量の増量分/射出インク重量により転写率(%)を算出した。なお、△以上を合格とする。
(評価基準)
◎:転写率95%以上
○:転写率90〜95%
△:転写率80〜90%
×:転写率80%以下
2−2.画質評価
(評価方法)
上記画像形成方法で得られた5cm×5cmのベタ画像を目視評価し、濃度ムラの評価を行った。なお、△以上を合格とする。
(評価基準)
◎:5cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
○:15cm離れた位置から観測して、画像に濃度ムラが認められない
△:15cm離れた位置から観測すると、画像の一部において濃度ムラが認められ
るが、30cm離した位置からは、濃度ムラが認められない
×:30cm離した位置から観測して、画像に濃度ムラが認められる
各評価結果を表3に示す。
Figure 2020147725
アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を含まないインク23、および水素結合性基を有しない化合物19、20、HMペクチンを含むインク24、25、26と比較して、紫外線硬化型インクの構成成分として、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を含むインク1〜22を用いることにより、転写性が良好であり、高精細な画像を形成することができた。これは、上記アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体が有する水素結合性基と、紫外線重合性化合物または高分子化合物が有する水素結合性基と、が水素結合しているため、液体または液晶に変化していながらも固体として、上記紫外線硬化型インク内に留まらせることができる。よって、上記相変化したアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体は、上記紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜内から飛び出すことがないため、中間転写体上での画像流れを抑制することができることから、高精細な画像が得られたと考えられる。
また、上記アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体が有する水素結合性基と、紫外線重合性化合物または高分子化合物が有する水素結合性基との間に形成される水素結合は、熱および/または圧力をかけることにより、その結合を切断することができる。これにより、中間転写体の表面に形成された画像を記録媒体に転写する際に、水素結合を切断し、画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)を軟化させることができるため、転写性を高めることもできる。また、可視光線による硬化速度も向上するので、画像形成後のブロッキングを抑制することができる。
また、インク1〜11、14、および15〜18に示されるように、上記アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体が有する水素結合性基が、特にカルボキシ基の場合に、転写性が良好であり高精細な画像を形成することができることが分かった。これは、カルボキシ基の水素結合エネルギーが他の水素結合性基よりも小さいため、過度な加熱または圧力を要せずとも容易に切断されるからであると考えられる。
また、アゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を紫外線硬化型インクの全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下とすることにより、転写性が良好であり、高精細な画像を形成することができた。とくに、アゾベンゼン誘導体を5.0質量%〜10質量%としたときに、転写性は良好な結果となった。これは、上記範囲内でアゾベンゼン誘導体またはスチルベン誘導体を含有することにより、中間転写体の表面に形成される画像(紫外線硬化型インクが硬化してなる硬化膜)の硬化度が転写するのに適した状態にすることができるからであると考えられる。
本発明の紫外線硬化型インクによれば、インクジェット法による印刷の適用の幅を広げ、同分野の技術の進展および普及に貢献することが期待される。
100 画像形成装置
110 記録媒体
120 中間転写体
130 搬送路
140 インクジェットヘッド
141 中間画像形成部
150 第1光照射部
160 転写部
161 加圧部
170、171、172 支持ローラ
180 第2光照射部
190 クリーニング部

Claims (14)

  1. 紫外線を照射することにより固体から液体または液晶に相変化し、かつ、可視光線を照射することにより、液体または液晶から固体に相変化する化合物を含み、
    前記化合物は、水素結合性基を有する、
    インクジェット用の紫外線硬化型インク。
  2. 紫外線および可視光線の照射により相変化する前記化合物は、式(1)で表される化合物である、請求項1に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
    Figure 2020147725
    (式(1)中、X、Xは、それぞれ独立して、炭素原子または窒素原子であり、R〜R10は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、水素結合性基からなる群から選択される基であって、前記アルキル基、およびアルコキシ基は前記水素結合性基、またはその他の置換基で置換されていてもよい。ただし、R〜Rのうち少なくとも1つの基は、水素結合性基、水素結合性基で置換されたアルキル基および水素結合性基で置換されたアルコキシ基のいずれかであり、かつ、R〜R10のうち少なくとも1つの基は、水素結合性基、水素結合性基で置換されたアルキル基および水素結合性基で置換されたアルコキシ基のいずれかである。)
  3. 前記式(1)で表される化合物は、RおよびRが、それぞれ独立して、炭素数1〜18のアルキル基または炭素数1〜18のアルコキシ基であり、前記アルキル基またはアルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの水素結合性基で置換されている、請求項2に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  4. 前記式(1)で表される化合物は、RおよびRが、それぞれ独立して、炭素数4〜12のアルキル基または炭素数4〜12のアルコキシ基であり、前記アルキル基またはアルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの水素結合性基で置換されている、請求項2または請求項3に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  5. 前記式(1)で表される化合物は、RおよびRが、それぞれ独立して、炭素数4〜12のアルコキシ基であり、前記アルコキシ基は、それぞれ少なくとも1つの水素結合性基で置換されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  6. 前記式(1)で表される化合物は、紫外線重合性化合物または高分子化合物と水素結合を形成する、請求項2〜5のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  7. 前記水素結合性基は、ヒドロキシ基、アルデヒド基、アミド基、カルボキシ基、アミノ基、チオール基、スルホ基、リン酸基、およびカルボニル基またはウレア基を主鎖に有するアルキル基からなる群から選択される基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  8. 前記水素結合性基は、カルボキシ基である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  9. 前記式(1)中、R〜Rのうち少なくとも1つの基は、分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、もしくはアルコキシ基またはハロゲン基からなる群から選択される基であり、かつ、R〜R10のうち少なくとも1つの基は、分岐を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、もしくはアルコキシ基またはハロゲン基からなる群から選択される基である、請求項2〜8のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  10. 前記式(1)で表される化合物は、XおよびXが、窒素原子である、請求項2〜9のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  11. 前記式(1)で表される化合物の含有量は、前記インクジェット用の紫外線硬化型インクの全質量に対して、0.5〜15質量%である、請求項2〜10のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  12. ゲル化剤を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インク。
  13. インクジェットヘッドから、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、中間転写体の表面に着弾させて、前記中間転写体の表面に画像を形成する工程と、
    前記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第1光照射工程と、
    前記画像を記録媒体に転写する工程と、
    前記記録媒体に転写された前記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第2光照射工程と、
    を有する、
    画像形成方法。
  14. インクジェットヘッドから、請求項1〜12のいずれか一項に記載のインクジェット用の紫外線硬化型インクの液滴を吐出して、記録媒体の表面に着弾させて、前記記録媒体の表面に画像を形成する工程と、
    前記画像に照射する300nm以上400nm未満の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第1光照射工程と、
    前記画像を加圧または加熱する工程と、
    前記画像に照射する400nm以上800nm以下の光の積算光量が100〜1000mJ/cmである第2光照射工程と、
    を有する、
    画像形成方法。
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