JP7246967B2 - 植毛装置 - Google Patents

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Description

本発明は、植毛装置に関する。
従来の植毛装置は、植毛を行うメッシュ状のベース素材を保持し、当該ベース素材の個々のメッシュ穴に対して複数の鉤針を用いて植毛用毛髪の結節を形成し、植毛を行っていた(例えば、特許文献1参照)。
この植毛装置は、一定の把持圧で植毛用毛髪両端部を把持した状態でベース素材に対する植毛動作が行われていた。
特開2018-040084号公報
ベース素材に対する植毛用毛髪の植毛の際には、鉤針が植毛用毛髪を係止して、メッシュ穴に引き込む等の動作が行われるが、従来の植毛装置は、植毛用毛髪の両端部を一定の把持圧で把持しているので、抵抗が大きく、円滑な引き込み動作等の妨げ、植毛用毛髪の損傷、千切れ等のおそれがあった。
本発明は、円滑に植毛動作を行うことをその目的とする。
請求項1記載の発明は、植毛装置において、
ベース素材を保持するベース保持機構と、
保持された前記ベース素材の一方の面側で植毛用毛髪を保持する第一供給部と、
鉤針により前記第一供給部によって供給された前記植毛用毛髪を前記ベース素材に対して結びつける結合機構とを備え、
前記第一供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第一把持機構及び第二把持機構を有し、
前記第一把持機構は、前記植毛用毛髪を摺動可能に把持する二つの摺動板と当該二つの摺動板に把持圧を付与する弾性体と、前記把持圧を調節する調節体とを備え、
前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構の間隔を可変させる可変用アクチュエーターを有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の植毛装置において、
前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構に保持された前記植毛用毛髪の長手方向に対して交差する方向に、前記第一把持機構及び前記第二把持機構を可動させる可動部を備えることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
ベース素材を保持するベース保持機構と、
保持された前記ベース素材の一方の面側で植毛用毛髪を保持する第一供給部と、
鉤針により前記第一供給部によって供給された前記植毛用毛髪を前記ベース素材に対して結びつける結合機構とを備え、
前記第一供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第一把持機構及び第二把持機構を有し、
前記第一把持機構は、前記植毛用毛髪を摺動可能に把持する二つの摺動板と当該二つの摺動板に把持圧を付与する弾性体と、前記把持圧を調節する調節体とを備え、
前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構に保持された前記植毛用毛髪の長手方向に対して交差する方向に、前記第一把持機構及び前記第二把持機構を可動させる可動部を備えることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の植毛装置において、
前記第二把持機構は、前記植毛用毛髪を把持する二つの把持部材と、当該二つの把持部材をそれぞれ個別に昇降させる二つの昇降用アクチュエーターを有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の植毛装置において、
前記第一供給部に前記植毛用毛髪を受け渡す第二供給部を備え、
前記第二供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第三把持機構及び第四把持機構と、前記第一供給部に対する前記植毛用毛髪の受け渡し位置において、前記第三把持機構と前記第四把持機構の間隔を広げて前記植毛用毛髪に張力を付与する張力付与機構とを有することを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項5に記載の植毛装置において、
前記第三把持機構及び前記第四把持機構を支持する支持板と、
前記支持板上において移動可能に支持された前記第三把持機構を前記第四把持機構側へ加圧する加圧バネと、
前記第三把持機構に設けられた当接部材と、
前記支持板が初期位置から前記受け渡し位置へ移動する間に前記当接部材に当接するストッパーと、を備え、
前記支持板が前記受け渡し位置まで移動すると、前記ストッパーに当接した前記当接部材が前記加圧バネに抗して、前記第三把持機構を前記第四把持機構から離隔する方向に押し戻すことにより、前記第三把持機構と前記第四把持機構の間隔を広げて前記植毛用毛髪に張力を付与する張力付与機構を有することを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の植毛装置において、
前記鉤針は、前記植毛用毛髪のループに当該植毛用毛髪の一端部を挿通し、
当該鉤針が捕捉した前記植毛用毛髪の一端部を当該鉤針と共に挟持する毛髪挟持部と、
前記毛髪挟持部及び前記鉤針を、前記ベース保持機構によって保持された前記ベース素材に対して進退移動させる第一進退機構と、
前記鉤針に対して前記毛髪挟持部を進退移動させて、
前記植毛用毛髪の一端部を前記鉤針と共に挟持する挟持位置と前記毛髪挟持部を前記鉤針よりも退避した退避位置とに切り替える第二進退機構とを備えることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の植毛装置において、
前記毛髪挟持部の挟持圧を調整する調整部を有することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7又は8に記載の植毛装置において、
前記毛髪挟持部により前記植毛用毛髪の一端部を前記鉤針に対して挟持状態に切り替えてから解放するまでの前記第一進退機構による前記鉤針の後退移動量を設定する設定部と、
前記設定部で設定された後退移動量に基づいて、前記毛髪挟持部及び前記第一進退機構を制御して前記植毛用毛髪のループの締め付け力を調節する締結制御部を有することを特徴とする。
本発明は、第一把持機構が、植毛用毛髪を摺動可能に把持する二つの摺動板と当該二つの摺動板に把持圧を付与する弾性体と、把持圧を調節する調節体とを備えるので、把持圧の調整により植毛用毛髪に生じる大小の張力及びその変化に対応することができ、円滑に植毛動作を行うことが可能となる。
発明の実施形態である植毛装置の全体構成を示す正面図である。 植毛装置の制御系を示すブロック図である。 図3(A)はベース保持機構の部分断面図、図3(B)はベース保持機構の比較例の部分断面図である。 第一供給部の正面図である。 第一把持機構の位置調整後の第一供給部の正面図である。 図6(A)~図6(D)は第二把持機構の側面図である。 図7(A)~図7(D)は第二把持機構の植毛用毛髪の供給動作示す動作説明図である。 図8(A)は第二供給部の平面図、図8(B)は正面図である。 図9(A)は第二供給部の平面図、図9(B)は正面図である。 図10(A)は第二供給部の平面図、図10(B)は正面図である。 ルーパー機構の斜視図である。 図12(A)はルーパーを開いた状態のルーパー機構の平面図、図12(B)はルーパーを閉じた状態のルーパー機構の平面図である。 第二の捕捉機構の正面図である。 第二の捕捉機構の正面図である。 図15(A)は後述する第二の鉤針の正面図、図15(B)は側面図である。 図16(A)は第二の鉤針の他の先端形状の例を示す正面図、図16(B)は側面図である。 図17(A)は先端を丸くした第二の鉤針が植毛用毛髪を捕捉してループを形成した状態を示し、図17(B)は先端部が尖鋭な第二の鉤針が植毛用毛髪を捕捉してループを形成した状態を示す。 第三の捕捉機構の動作を示した正面図である。 図18に続く第三の捕捉機構の動作を示した正面図である。 図19に続く第三の捕捉機構の動作を示した正面図である。 図20に続く第三の捕捉機構の動作を示した正面図である。 図21に続く第三の捕捉機構の動作を示した正面図である。 図23(A)及び図23(B)はベース素材に対する植毛を実行する範囲を示した平面図である。 図24(A)及び図24(B)はベース素材に対する植毛を実行する範囲を示した側面図である。 植毛パターンデータが定めるメッシュ穴の標準位置を示す標準画像の概念図である。 メッシュ穴の標準位置をメッシュ穴の標準位置に対応付ける処理示す説明図である。 図26に続くメッシュ穴の標準位置をメッシュ穴の標準位置に対応付ける処理示す説明図である。 図27に続くメッシュ穴の標準位置をメッシュ穴の標準位置に対応付ける処理示す説明図である。 図28に続くメッシュ穴の標準位置をメッシュ穴の標準位置に対応付ける処理示す説明図である。 図29に続くメッシュ穴の標準位置をメッシュ穴の標準位置に対応付ける処理示す説明図である。 植毛位置の入力の手法を示す説明図である。 植毛位置の入力の手法を示す説明図である。 植毛動作制御の平面方向の動作説明図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図34(A)は植毛位置の正面図、図34(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図35(A)は植毛位置の正面図、図35(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図36(A)は植毛位置の正面図、図36(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図37(A)は植毛位置の正面図、図37(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図38(A)は植毛位置の正面図、図38(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図39(A)は植毛位置の正面図、図39(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図40(A)は植毛位置の正面図、図40(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図41(A)は植毛位置の正面図、図41(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図42(A)は植毛位置の正面図、図42(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図43(A)は植毛位置の正面図、図43(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図44(A)は植毛位置の正面図、図44(B)は側面図である。 植毛動作制御の動作説明図であって、図45(A)は植毛位置の正面図、図45(B)は側面図である。 植毛動作制御のフローチャートである。 図47(A)は毛髪繊維の左一回転結びを示す説明図、図47(B)は右一回転結びを示す説明図である。
[実施形態の全体構成]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態である植毛装置10について詳細に説明する。
図1は植毛装置10の全体構成を示す正面図、図2はその制御系を示すブロック図である。
この植毛装置10は、作業負担を軽減し、円滑に植毛用毛髪Mをベース素材Jに植毛するためのものである。
植毛用毛髪Mは、人間の毛髪に限らず、天然繊維、人工繊維を含む人間の毛髪に見立てた他のあらゆる繊維を対象としている。
ベース素材Jは、繊維状に限らず、平面状或いは曲面状をなすあらゆるシート状材料を含むが、この実施形態では、六角形の格子状のメッシュ穴を有する人間の頭頂部の形状に倣った曲面状のシートを例示する。
なお、メッシュ穴の形状は六角形ではなくとも良い。
図示のように、植毛装置10は、ベース素材Jを保持するベース保持機構20と、保持されたベース素材Jの裏面側から突き通す第一の鉤針41を備え、当該第一の鉤針41により植毛用毛髪Mの端部ではない部分をベース素材Jの裏面側に引き込んで小ループを形成する第一の捕捉機構40と、形成された植毛用毛髪Mの小ループを開いてより大きなループを形成するルーパー機構70と、保持されたベース素材Jの表面から突き通す第二の鉤針51を備え、当該第二の鉤針51により植毛用毛髪Mのループを第一の鉤針41とは別の穴からベース素材Jの表面側に引き出す第二の捕捉機構50と、第二の鉤針51に捕捉された植毛用毛髪Mのループに挿入される第三の鉤針61を備え、当該第三の鉤針61により植毛用毛髪Mの一端部をループに引き込む第三の捕捉機構60と、保持されたベース素材Jの表面(一方の面)側で植毛用毛髪Mを保持する第一供給部80と、当該第一供給部80に植毛用毛髪Mを受け渡す第二供給部90と、保持されたベース素材Jと鉤針41,51,61との相対的な移動動作を行う移動機構25と、ベース保持機構20に保持されたベース素材Jを撮像する撮像部としてのカメラ11と、ベース保持機構20によるベース素材Jの保持動作を実行させるペダル14と、植毛用毛髪Mのベース素材Jへの植毛の動作制御を行う制御装置100と、上記各構成を支持する基台12とを備えている。
上記第一~第三の捕捉機構40,50,60とルーパー機構70とは、植毛用毛髪Mをベース素材Jに対して結びつける結合機構を構成する。
なお、以下の説明において、図1に示すように、水平であって互いに直交する二方向をX軸方向及びY軸方向とし、X軸方向の一方を「左」側、他方を「右」側、Y軸方向の一方を「前」側(図1の紙面垂直方向手前側)、他方を「後」側(図1の紙面垂直方向奥側)とする。また、X軸方向及びY軸方向に直交する鉛直上下方向をZ軸方向とし、その一方を「上」側、他方を「下」側とする。
[ベース保持機構]
図3(A)はベース保持機構20の部分断面図である。
ベース保持機構20は、図1及び図3(A)に示すように、ベース素材Jを載置する略半球殻状の下枠21と、下枠21に載置されたベース素材Jを上から保持する保持枠22とを備えている。
下枠21は頂部に開口部211を有し、保持枠22もこれに対応して開口部221を有している。そして、下枠21と保持枠22とで挟持したベース素材Jに対してこれらの開口部211,221の内側で植毛作業が実施される。
保持枠22は、ベース素材Jを保持するための保持用エアシリンダー23により昇降可能に支持されており、保持枠22を下降させることにより下枠21との協働でベース素材Jを保持し、保持枠22を上昇させることによりベース素材Jを解放することができる。
また、保持枠22の下面における開口部221の周囲には、下枠21に載置されたベース素材Jに対する防滑材24が取り付けられている。この防滑材24は、保持枠22の下面よりも摩擦係数が大きくかつ収縮性に富んだ素材が使用される。
例えば、防滑材24としては、面ファスナーのループ材が好適である。例えば、図3(B)に示すような摩擦係数の大きなゴム等の弾性体のシートを防滑材24Aとして使用した場合、植毛が行われた部分と植毛されていない部分とで厚さに不均一が生じているベース素材Jに対して、保持枠22が部分的にしか接することができないため隙間が発生し十分に保持出来ない可能性がある。
これに対して、面ファスナーのループ材等の摩擦係数が大きくかつ収縮性に富んだ素材を防滑材24とした場合には、厚さに不均一が生じているベース素材Jに対して、防滑材24が各部で収縮し、面全体がベース素材Jに接し効果的に保持することができる。
また、ループ材は、既に他の植毛用毛髪Mの植毛が行われているベース素材Jに絡みにくいという利点がある。
保持用エアシリンダー23は、空圧の供給を行う電磁弁23aがその駆動回路23bを介して制御装置100に接続されている。
制御装置100は、ペダル14の操作に従って、電磁弁23aを介して保持用エアシリンダー23の動作制御を行う。
ペダル14は、中立位置から三段階の踏み込みが可能であり、中立位置及び三段階の踏み込み状態を検知するセンサーが内蔵され、その検出信号が制御装置100に入力される。
そして、制御装置100は、ペダル14の踏み込み状態を識別し、一~三段目のそれぞれの踏み込みに応じて、段階的に加圧力が大きくなる様に保持枠22を下枠21に向かって下降させる。また、ペダル14を中立位置に戻すと、保持枠22を上昇させて、ベース素材Jの解放状態とする。
このように、足でペダル14を操作することで、下枠21上のベース素材Jに対する保持枠22の保持圧を調節することができるので、作業者は両手の使用が可能となり、保持圧を変更しながらベース素材Jの位置や取り付け状態を細かく調節することができ、高い作業性を得ることが可能である。
[移動機構]
移動機構25は、下枠21及び保持枠22をX軸方向とY軸方向に沿って個別に移動可能とするX軸ステージ26及びY軸ステージ27と、下枠21及び保持枠22をX軸方向とY軸方向のそれぞれについて移動させる駆動源となるベース用X軸モーター28及びベース用Y軸モーター29とを備えている。
これにより、下枠21及び保持枠22に保持されているベース素材JをX-Y平面上の任意の位置に移動位置決めすることができる。
[第一供給部]
第二供給部90は、所定の初期位置において、ベース素材Jに対して植毛を行う植毛用毛髪Mが外部(例えば、作業者の手作業又は図示しない供給装置等)からセットされると、当該植毛用毛髪Mを受け渡し位置に搬送する。
第一供給部80は、上記受け渡し位置で第二供給部90から植毛用毛髪Mを受け取り、当該植毛用毛髪Mをベース保持機構20の下枠21及び保持枠22の上側となる植毛作業位置に搬送する。
図4及び図5は第一供給部80の正面図である。
第一供給部80は、植毛用毛髪Mの両端部をそれぞれ把持する第一把持機構81及び第二把持機構82と、これらを支持する支持板83と、第一把持機構81及び第二把持機構82をY軸方向に沿って搬送する可動部84(図4及び図5では図示略)と、第一把持機構81と第二把持機構82の間隔を変更する可変用アクチュエーターとしての間隔調整用エアシリンダー85を備えている。
上記第一把持機構81は、ミシンに搭載されるいわゆる糸調子装置と同じ構造を備えている。即ち、この第一把持機構81は、支持板83に支持されたブラケット811と、植毛用毛髪Mを摺動可能に把持する二つの円板状の摺動板812,813と、当該二つの摺動板812,813に把持圧を付与する弾性体としてコイルバネ814と、摺動板812,813及びコイルバネ814を支持する支軸815と、把持圧を調節する調節体816とを備えている。
ブラケット811は、支軸815をZ軸方向に沿って立設させた状態でその下端部を支持している。このブラケット811は、支持板83の左端部にX軸方向に沿って滑動可能に支持されている。
二つの摺動板812,813は、その中心に貫通孔が形成されており、当該貫通孔には支軸815が挿入されている。そして、二つの摺動板812,813は、支軸815に沿って移動可能に支持されている。
また、上記摺動板812,813は、いずれも、その外周が全周に渡って反り返っている。
支軸815はZ軸方向に沿って立設されており、上から順番にコイルバネ814、摺動板812、摺動板813を並べて支持している。
そして、二つの摺動板812,813は、互いの外周部の反り返り方向を逆向きとした状態でコイルバネ814のバネ圧により、摺動板812,813の互いの中心部の周囲が圧接した状態で保持されている。
支軸815の上端部の外周には雄ネジが形成されている。そして、調節体816は、ナット状であり、支軸815の上端部の雄ネジに螺合する。
この調節体816を支軸815に螺合させて、回転させることにより、コイルバネ814の伸縮量が変化し、二つの摺動板812,813の把持圧を調節することができる。
二つの摺動板812,813は、これらの間に植毛用毛髪Mを挟んで保持することを前提としており、二つの摺動板812,813の把持圧は、植毛用毛髪Mが延びを生じたり、千切れたりしない範囲の張力で引っ張ると摺動して引き抜くことが出来る程度に調節することが望ましい。
また、二つの摺動板812,813は、植毛用毛髪Mに対して摺動を生じる様に、摺動性を有する金属板や樹脂板を使用することが望ましい。
また、二つの摺動板812,813は、いずれも外周が反り返っているので、これらの外周側から相互の間に植毛用毛髪Mを容易に押し込むことが出来るようになっている。
支持板83は、長尺の平板であり、その平板面が水平に向けられ、その長手方向がX軸方向に沿った状態で、可動部84に支持されている。
支持板83は、その左端部近傍において間隔調整用エアシリンダー85を保持している。間隔調整用エアシリンダー85は、プランジャーの進退方向がX軸方向に向けられており、プランジャーの先端部は第一把持機構81に連結されている。これにより、間隔調整用エアシリンダー85は、第一把持機構81に対してX軸方向における移動動作を行うことができる。
なお、間隔調整用エアシリンダー85に替えて、モーターによって第一把持機構81に移動動作を付与してもよい。
この位置切り替えにより、第一把持機構81と第二把持機構82との間隔を縮めることでこれらに保持された植毛用毛髪Mを図4に示す弛みのない状態から図5に示す弛んだ状態とすることが可能となる。
図6(A)~図6(D)は第二把持機構82の側面図である。
第二把持機構82は、図4~図6(D)に示すように、支持板83に支持されたブラケット821と、植毛用毛髪Mを把持する二つの把持部材822,823と、各把持部材822,823を個別に昇降させる昇降用アクチュエーターとしての第一把持用エアシリンダー824及び第二把持用エアシリンダー825(図4及び図5では図示略)とを備えている。
ブラケット821は、支持板83の右端部に固定支持されている。
二つの把持部材822,823は、いずれもY軸方向に長尺な平板状であり、上下に並んで配置され、把持部材822の下面と把持部材823の上面とを互いに対向させた状態で支持されている。
上側の把持部材822は、第一把持用エアシリンダー824によって上位置(図6(B)及び図6(C)参照)と下位置(図6(A)及び図6(D)参照)とに位置切り替えが可能に支持されている。
同様に、下側の把持部材823は、第二把持用エアシリンダー825によって上位置(図6(A)及び図6(C)参照)と下位置(図6(B)及び図6(D)参照)とに位置切り替えが可能に支持されている。
図6(A)に示すように、上側の把持部材822が下位置、下側の把持部材823が上位置にある場合に、上側の把持部材822の下面と下側の把持部材823の上面とが密接し、相互間で植毛用毛髪Mを把持することが出来る。
また、上側の把持部材822の下面の前端部と下側の把持部材823の上面の前端部には、いずれも防滑処理が行われており、第一把持機構81の場合と異なり、第二把持機構82で把持されている植毛用毛髪Mは抜けにくくなっている。
図7(A)~図7(D)は第二把持機構82の植毛用毛髪Mの供給動作示す動作説明図である。
第二把持機構82は、第二供給部90により張設状態で支持された植毛用毛髪Mを把持して受け取る構造であることから、植毛用毛髪Mに対して上側の把持部材822と下側の把持部材823とがいずれも昇降動作を行って上下から植毛用毛髪Mを挟持することが望ましい。
また、第二把持機構82は、可動部84によって前進移動して、下枠21及び保持枠22の上方に植毛用毛髪Mを供給するので、前進移動の際には、下枠21や保持枠22、さらにはその周辺の構成との干渉を回避する必要がある。
したがって、図7(A)及び図7(B)に示すように、第二把持機構82は、上側の把持部材822を上位置、下側の把持部材823を下位置とした状態から上側の把持部材822を下位置、下側の把持部材823を上位置として植毛用毛髪Mを上下から把持する。
そして、図7(C)に示すように、可動部84により前進移動の際には、下側の把持部材823が上位置に位置するので下側に位置する下枠21や保持枠22等の障害物Gとの干渉を回避することが出来る。
また、植毛用毛髪Mを解放する際には、把持の場合と異なり、上側の把持部材822と下側の把持部材823の両方が移動する必要はないので、例えば、図7(D)に示すように周囲に干渉しない上側の把持部材822のみを上位置に移動して、植毛用毛髪Mを解放することができる。
可動部84は、基台12に対して固定支持されると共に、支持板83をスライドガイドによってY軸方向に沿って滑動可能に支持している。
また、可動部84は、可動用モーター841を駆動源として、周知の直動機構であるボールネジ機構、ベルト機構等を介して、支持板83をY軸方向について任意に移動させることができる。
[第二供給部]
図8(A),図9(A),図10(A)は第二供給部90の平面図、図8(B),図9(B),図10(B)は正面図である。
図示のように、第二供給部90は、植毛用毛髪Mの両端部をそれぞれ把持する第三把持機構91及び第四把持機構92と、これらを支持する支持板93と、第三把持機構91及び第四把持機構92をX軸方向に沿って搬送する可動部94と、前述した受け渡し位置において、第三把持機構91と第四把持機構92の間隔を広げて植毛用毛髪Mに張力を付与する張力付与機構95を備えている。
支持板93は、長尺の平板であり、その平板面が水平に向けられ、その長手方向がX軸方向に沿った状態で、可動部94に支持されている。
支持板93は、その上面の左端部近傍において第三把持機構91をX軸方向に沿って滑動可能に支持し、その上面の右端部において第四把持機構92を固定支持している。
第三把持機構91は、支持板93に支持された土台911と、植毛用毛髪Mを把持する上側の把持部材912及び下側の把持部材913と、把持部材912を昇降させる第三把持用エアシリンダー914(図2参照、図8(A)~図10(B)では図示略)とを備えている。
土台911は、ブロック状であり、その上面で下側の把持部材913を固定支持し、さらに、その上に重ねて設けられた上側の把持部材912を昇降可能に支持している。
二つの把持部材912,913は、いずれもY軸方向に長尺な平板状であり、把持部材912の下面と把持部材913の上面とを互いに対向させた状態で上下に並んで配置されている。
上側の把持部材912は、第三把持用エアシリンダー914によって上位置と下位置とに位置切り替えが行われる。
第四把持機構92は、支持板93に支持された土台921と、植毛用毛髪Mを把持する上側の把持部材922及び下側の把持部材923と、把持部材922を昇降させる第四把持用エアシリンダー924(図2参照、図8(A)~図10(B)では図示略)とを備えている。
土台921は、ブロック状であり、その上面で下側の把持部材923を固定支持し、さらに、その上に重ねて設けられた上側の把持部材922を昇降可能に支持している。
二つの把持部材922,923は、いずれもY軸方向に長尺な平板状であり、把持部材922の下面と把持部材923の上面とを互いに対向させた状態で上下に並んで配置されている。
上側の把持部材922は、第四把持用エアシリンダー924によって上位置と下位置とに位置切り替えが行われる。
可動部94は、基台12に固定支持された支持板941と、支持板941上で土台911をX軸方向に沿って滑動可能に支持するスライドレール942と、土台911をX軸方向に沿って滑動させる可動用モーター943(図2参照、図8(A)~図10(B)では図示略)とを備えている。
支持板941は、X軸方向に長尺な平板状であり、その上面にスライドレール942が設けられている。
スライドレール942は、X軸方向に平行に設けられており、土台911側に設けられた図示しないスライドブロックにより土台911を滑動可能とする。
可動用モーター943は、例えば、動作量が制御装置100によって制御可能なステッピングモーター等が使用される。この可動用モーター943は、回転動作を直動動作に変換するボールネジ機構やベルト機構等の周知の伝達機構を介して土台911に移動動作を付与する。なお、直動式のモーターを可動用モーター943としても良い。
可動部94は、第三把持機構91及び第四把持機構92の可動範囲における一端部(左端部)が前述した初期位置、他端部(右端部)が前述した受け渡し位置に設定されている。
受け渡し位置では、第三把持機構91と第四把持機構92に対して、後方に待機していた第一供給部80の第一把持機構81と第二把持機構82が第三把持機構91と第四把持機構92の間に移動する。そして、第三把持機構91と第四把持機構92によって張設支持されていた植毛用毛髪Mを第一把持機構81と第二把持機構82が把持することで受け渡しが行われる。
このため、第一把持機構81と第二把持機構82が植毛用毛髪Mを把持する高さと第三把持機構91と第四把持機構92が植毛用毛髪Mを把持する高さとは一致するように設定されている。
張力付与機構95は、支持板93上においてX軸方向に沿って第三把持機構91を移動可能に支持する支柱951と、第三把持機構91を第四把持機構92側に加圧する弾性体としての加圧バネ952と、第三把持機構91の土台911に設けられた当接部材953と、支持板93を初期位置から受け渡し位置に移動する場合に、受け渡し位置の手前で当接部材953に当接するストッパー954とを備えている。
支柱951は、第三把持機構91の土台911をX軸方向に沿って移動可能に支持しており、加圧バネ952は一端部(左端部)が支持板93に連結され、他端部(右端部)が土台911に連結されている。
そして、支持板93が初期位置に位置する状態(図8(A)及び図8(B)の位置)において、加圧バネ952は自然長まで延びて、土台911をその可動範囲の右端部(最も第四把持機構92側となる位置)に滞留するように位置保持を行う。
当接部材953は、土台911の進路から外れる方向(例えば、前方)に張り出されており、ストッパー954は、支持板941上において土台911の進路から外れた位置(例えば、前側)に設けられている。
したがって、支持板93が、初期位置から受け渡し位置に向かって移動すると、当該受け渡し位置に到達する直前に当接部材953はストッパー954に当接する(図9(A)及び図9(B)の状態)。
さらに、支持板93が受け渡し位置まで移動すると、当接部材953は加圧バネ952に抗して、第三把持機構91の土台911を第四把持機構92から離隔する方向に押し戻し、第三把持機構91と第四把持機構92の間隔が広げられる(図10(A)及び図10(B)の状態)。
これにより、第三把持機構91と第四把持機構92の間で保持されていた植毛用毛髪Mに弛みが生じていた場合でも、植毛用毛髪Mが弛みのない状態に張設することができる。
なお、第三把持機構91と第四把持機構92の間隔が広げられる際に、植毛用毛髪Mが千切れないように、第三把持機構91又は第四把持機構92のいずれか一方又は双方の把持部材912,913,922,923が植毛用毛髪Mに対して摺動可能な程度の把持圧で把持する構成とするか、把持部材912,913,922,923の把持する面が摺動性を有する素材とすることが望ましい。
[ルーパー機構]
図11はルーパー機構70の斜視図、図12はルーパー機構70の主要部の平面図である。図示のように、ルーパー機構70は、下枠21の下側において基台12により固定支持された支持ブラケット71と、支持ブラケット71の上面において移動機構72によりY軸方向に沿って移動可能であるヘッド73と、ヘッド73に設けられた左右一対のルーパー74,75とを備えている。
支持ブラケット71は、上面が水平であって、移動機構72及びヘッド73を載置支持している。
移動機構72は、スライド機構と直動系のアクチュエーターである進退用モーター721を備えている。スライド機構は、スライドガイドとスライドレールからなり、ヘッド73をY軸方向に沿って滑動可能とする。
進退用モーター721は、例えば、周知の直動機構であるベルト機構によりヘッド73に対してY軸方向に沿った推力を付与する。なお、進退用モーター721は、直動式のモーターを使用しても良い。
一対のルーパー74,75は、先が尖ったくちばし状で上方から見て左右対称形状となっている。
これらのルーパー74,75は、ヘッド73から前方に延出され、それぞれの後端部がヘッド73によりZ軸回りに回動可能に支持されている。そして、互いのその先端部が離れた開状態(図12(A)の状態)と互いにその先端部が接近した閉状態(図12(B)の状態)とに切り替えることができ、また、これら開閉の切り替えを行うルーパー開閉用アクチュエーター77がヘッド73の内部に格納装備されている。
なお、植毛動作において、ルーパー74,75は、それぞれ個別に植毛用毛髪Mのループを係止した状態となり、その後、それぞれのループから各ルーパー74,75を引き抜く必要があるが、各ルーパー74,75が閉状態の場合も、互いの先端部は植毛用毛髪Mが通過できる程の隙間が形成されているので、ループの引き抜きを円滑に行うことが可能である。
また、各ルーパー74,75は、いずれも先端部近傍において、内側に凹んだ凹部741,751が形成されている。左右のルーパー74,75は、閉状態で前進移動して植毛用毛髪Mの小ループに突入し、開状態となることで凹部741,751に植毛用毛髪Mを保持しつつ小ループを拡開させてより大きなループの状態にすることができる。
[第二の捕捉機構]
図13及び図14は第二の捕捉機構50の正面図、図15(A)は後述する第二の鉤針51の正面図、図15(B)は側面図である。
第二の捕捉機構50は、図1,図13及び図14に示すように、下枠21及び保持枠22の開口部211,221の上方に配置されており、先端部を下方に向けて配置された第二の鉤針51と、第二の鉤針51を進退移動させる第二の捕捉用モーター52と、第二の鉤針51を支持する支持ブロック53と、支持ブロック53をZ軸方向に沿って昇降可能に支持する支持ブラケット54と、第二の鉤針51をZ軸回りに回動させる回動モーター55(図2参照)とを備えている。
第二の鉤針51は、図15に示すように、Z軸方向に沿った状態で先端部が下方に向けられて配設されている。さらに、第二の鉤針51は、先端部が尖鋭な針状であって、先端部近傍の外周における前側部分が切り欠かれ、当該切り欠きの内側には上方に向いたかえし状の鉤部511が形成されている。この鉤部511は鉤の先端部が上方を向いているので、ベース素材Jの上方から第二の鉤針51を下降させて鉤部511まで突き通した後に上昇させると、ベース素材Jの下側でルーパー機構70に保持されている植毛用毛髪Mのループを鉤部511に引っ掛けてベース素材Jの表側に引き上げ、表面側に植毛用毛髪Mのループを形成することができる。
また、第二の鉤針51は、切り欠きの内側であって鉤部511の両側を深くえぐる逃げ用の溝512が形成されている。この溝512は、植毛用毛髪Mを鉤部511により捕捉して引き上げた際に、当該溝512の内側に植毛用毛髪Mを逃がすことで、植毛用毛髪Mの第二の鉤針51の両側(Z軸に直交する方向)への広がりを抑制することが可能となる。この溝512により、ベース素材Jから第二の鉤針51を容易に引き抜くことが可能となるが、ベース素材Jがメッシュのような無数の穴を有する素材の場合には、溝512は必須ではない。
また、第二の鉤針51は、先端部を尖鋭としないでも良い。図16(A)は第二の鉤針51の他の先端形状の例を示す正面図、図16(B)は側面図である。
このように、第二の鉤針51の先端部を丸くしてもよい。
図17(A)は先端を丸くした第二の鉤針51が植毛用毛髪Mを捕捉してループを形成した状態を示し、図17(B)は先端部が尖鋭な第二の鉤針51が植毛用毛髪Mを捕捉してループを形成した状態を示す。
植毛の際には、第二の鉤針51が植毛用毛髪Mを捕捉して形成したループに後述する第三の鉤針61を挿入する作業が行われる。
図17(A)に示すように、先端を丸くした第二の鉤針51の場合は、植毛用毛髪Mのループの内側に広い領域Rを確保することができ、第三の鉤針61を容易に挿入することができるので、植毛作業をより安定的に行うことが可能である。また、尖鋭な先端部がベース素材Jを傷つけることを低減し抑制することができる。
なお、先端を丸くした第二の鉤針51の場合も、ベース素材Jがメッシュのような無数の穴を有する素材の場合には、溝512は設けなくともよい。
また、第二の鉤針51は、先端が丸い場合に限らず、第二の鉤針51の長手方向に対して垂直な平滑面を有する平らな形状としても、植毛用毛髪Mのループの内側に広い領域Rを確保することが可能である。
第二の鉤針51は、上方から見て下枠21の開口部211の中心近傍であって、後述する第一の鉤針41より幾分後方に配置されている。
これに対して、ルーパー機構70に保持された植毛用毛髪Mは、第一の鉤針41と第二の鉤針51のとの間、即ち、第二の鉤針51よりも僅かに前方に位置しており、第二の鉤針51が下降したときには、ルーパー機構70が植毛用毛髪Mを第二の鉤針51側、即ち、後方に移動させて、第二の鉤針51の外周における前側に当接させる。これにより、鉤部511が植毛用毛髪Mをより確実に捕捉することができる。
支持ブロック53は、第二の鉤針51をZ軸回りに回転可能に支持すると共に、Z軸方向について第二の鉤針51と一体的に昇降動作を行うように連結されている。
この支持ブロック53は、図示しないスライドガイドを介して支持ブラケット54により昇降可能に支持されている。
支持ブラケット54は、基台12に固定支持されている。
前述した第二の鉤針51は、非使用時には図13に示す最も後退した退避位置にあり、使用時には図14に示す位置まで突出する。
そして、支持ブラケット54の下端部には、退避位置にある第二の鉤針51の先端部より進出方向前方(下方)において、当該第二の鉤針51の先端部に近接対向する位置に保護カバー57が設けられている。
この保護カバー57は、第二の鉤針51の長手方向に対して垂直な平板状であり、その中央部には第二の鉤針51を遊挿可能な貫通孔571が設けられている。したがって、第二の鉤針51の使用時には、その進出動作を妨げない構造となっている。
この保護カバー57を設けることで、第二の鉤針51の退避時において、第二の鉤針51の先端部に作業者の手やベース素材J、植毛用毛髪Mを誤って引っ掛ける等の不慮の事故を低減抑制することが可能となる。
なお、保護カバー57は、平板状であることは必須ではなく、第二の鉤針51の通過を可能としつつ、退避位置にある第二の鉤針51の先端部より進出方向前方において人や物の接触を妨げる構造であれば良い。例えば、棒状又はパイプ状のフレームで第二の鉤針51の通過領域の周囲を囲む構造等でも良いし、円筒状のフレームでも良い。
第二の捕捉用モーター52は、基台12に支持され、図示しない直動式の動作伝達機構、例えば、ボールネジ機構やベルト機構等を介して、支持ブロック53に対して昇降動作を付与する。なお、第二の捕捉用モーター52は、直動式のモーターを使用しても良い。
第二の鉤針51は、その上部に図示しないスプライン溝が形成されており、上端部近傍にはスプラインナット56が装備されている。そして、このスプラインナット56に図示しないベルト機構を介して回動モーター55から回転力が入力される。これにより第二の鉤針51は、昇降動作を行いつつ回転することができ、第二の鉤針51が捕捉した植毛用毛髪Mのループに捻り部分を形成することができる。
[第一の捕捉機構]
第一の捕捉機構40は、その配置及び向きを除いて、第二の捕捉機構50と多くの構成が共通している。したがって、共通する構成については詳細な説明は省略する。
第一の捕捉機構40は、図1に示すように、下枠21及び保持枠22の開口部211,221の下方に配置されており、先端部を上方に向けて配置された第一の鉤針41と、第一の鉤針41を上下動させる駆動源である第一の捕捉用モーター42(図2参照)と、第一の鉤針41を支持する支持ブロック43と、支持ブロック43をZ軸方向に沿って昇降可能に支持する支持ブラケット44とを備えている。
第一の鉤針41は、Z軸方向に沿った状態で先端部が上方に向けられて配設されている。さらに、第一の鉤針41は、当該先端部が尖鋭な針状であって、先端部近傍の外周における後側には下方に向いたかえし状の鉤部が形成されている(図示略)。この鉤部は鉤の先端部が下方を向いているので、ベース素材Jの下方から第一の鉤針41を上昇させて鉤部まで突き通した後に下降させると、ベース素材Jの上側で第一供給部80に保持された植毛用毛髪Mの途中部分を鉤部411に引っ掛けてベース素材Jの裏側に引き込み、小ループを形成することができる。
なお、第一の鉤針41は、前述した第二の鉤針51と同一構造である。そして、この第一の鉤針41も、先端部を丸く又は平坦に形成しても良い。
支持ブロック43及び支持ブラケット44は、前述した第二の捕捉機構50の支持ブロック53及び支持ブラケット54と同一構造だが、その向きは上下逆さまで配置されている。
また、第一の捕捉用モーター42は、基台12に支持され、図示しない直動式の動作伝達機構、例えば、ボールネジ機構やベルト機構等を介して、第一の鉤針41に対して昇降動作を付与する。なお、第一の捕捉用モーター42も、直動式のモーターを使用しても良い。
また、支持ブラケット44は、支持ブラケット54と同様に、保護カバーが設けられており、退避位置にある第一の鉤針41に周囲の物や作業者との接触を低減し抑制することができる。
第一の鉤針41は、鉤部が後側を向いた状態で、上方から見て下枠21の開口部211の中心に配置されている。そして、第一の鉤針41が上昇したときには、第一供給部80が植毛用毛髪Mを第一の鉤針41の後方から第一の鉤針41の外周における後側に当接させる。これにより、鉤部411が植毛用毛髪Mをより確実に捕捉することができる。
[第三の捕捉機構]
図18~図22は第三の捕捉機構60の動作を順番に示した正面図である。
第三の捕捉機構60は、図示のように、下枠21及び保持枠22の開口部211,221の右斜め上方に配置されており、先端部を左斜め下側に向けて配置された第三の鉤針61と、第三の鉤針61が捕捉した植毛用毛髪Mの一端部を第三の鉤針61と共に挟持する毛髪挟持部62と、第三の鉤針61及び毛髪挟持部62をベース保持機構20によって保持されたベース素材Jに対して進退移動させる第一進退機構63と、第三の鉤針61に対して毛髪挟持部62を進退移動させて、植毛用毛髪Mの一端部を第三の鉤針61と共に挟持する挟持位置と毛髪挟持部62を第三の鉤針61よりも退避した退避位置とに切り替える第二進退機構64と、これら全体を支持する支持板65とを備えている。
第三の鉤針61は、左斜め下に位置する下枠21及び保持枠22の開口部211,221に向けられて配設されている。さらに、第三の鉤針61は、先端部が尖鋭な針状であって、先端部近傍の外周における前側には先端部とは逆側に向いたかえし状の鉤部611が形成されている。この鉤部611は鉤の先端部が右斜め上を向いているので、ベース素材Jの上方で第二の鉤針51が形成している植毛用毛髪Mのループ内に第三の鉤針61を鉤部611まで突き通し、さらに鉤部611をベース素材Jの上面近くの植毛用毛髪Mまで下降させた後に後退させると、植毛用毛髪Mの一端部を捕捉して、そのループに挿通させることができる。
また、第三の鉤針61はその中心線の延長線が、ベース素材Jの上方で第二の鉤針51の中心線の延長線と交差するか僅かに後方にずれるように第三の捕捉機構60が配置されている。
毛髪挟持部62は、第三の鉤針61の鉤部611に捕捉された植毛用毛髪Mを第三の鉤針61と共に挟持するチャック部材621と、当該チャック部材621の挟持と解放とを切り替えるチャック挟持用エアシリンダー622(図2参照)と、チャック挟持用エアシリンダー622に供給される空気圧の圧力を調節するレギュレーター623とを備えている。
チャック部材621は、対をなす挟持部が接離移動可能であり、接近動作によって第三の鉤針61を挟持し、離隔動作によって第三の鉤針61を解放する。
チャック部材621は、第二進退機構64に支持されており、前述した挟持位置において、第三の鉤針61の鉤部611を挟持することが可能な位置に位置決めされ、退避位置において、第三の鉤針61の根元側に位置決めされる。
チャック挟持用エアシリンダー622は、チャック部材621の挟持部に接近動作と離隔動作とを付勢する。
レギュレーター623は、チャック挟持用エアシリンダー622に供給される空気圧を調節ネジにて手動調節可能であり、これによって、チャック部材621による第三の鉤針61及び植毛用毛髪Mの挟持圧を任意に調節する調整部として機能する。
第一進退機構63は、第三の鉤針61及び毛髪挟持部62の進退移動の駆動源となる第三の捕捉用モーター631(図2参照)と、第三の鉤針61、毛髪挟持部62及び第二進退機構64を支持する可動ブロック632と、支持板65上で可動ブロック632を滑動可能に支持するスライドガイド633とを備えている。
可動ブロック632は、第三の鉤針61を固定支持すると共に、支持板65に対して、第三の鉤針61の長手方向と同じ方向に滑動可能となるようにスライドガイド633によって支持されている。なお、支持板65は、基台12に固定支持されている。
第三の捕捉用モーター631は、支持板65上に設けられ、図示しない直動式の動作伝達機構、例えば、ボールネジ機構やベルト機構等を介して、可動ブロック632に対して第三の鉤針61の長手方向に沿った進退移動動作を付与する。なお、第三の捕捉用モーター631は、直動式のモーターを使用しても良い。
第二進退機構64は、毛髪挟持部62のチャック部材621の進退移動の駆動源となるチャック進退用エアシリンダー641と、チャック部材621を支持する支持板642と、可動ブロック632に対して第三の鉤針61の長手方向に沿って支持板642を滑動可能に支持するスライドガイド643とを備えている。
支持板642は、第三の鉤針61の長手方向に沿った長尺の平板であり、その一端部でチャック部材621を支持している。
チャック進退用エアシリンダー641は、可動ブロック632上において、そのプランジャーの進退移動方向が第三の鉤針61の長手方向と平行となるように固定支持されており、当該プランジャーの先端部は支持板642に連結されている。
そして、チャック進退用エアシリンダー641のプランジャーの進出動作時には、チャック部材621を第三の鉤針61の鉤部611を挟持することが可能な挟持位置に移動させ、チャック進退用エアシリンダー641のプランジャーの後退動作時には、チャック部材621を第三の鉤針61の後端部側の退避位置に移動させる。
上記構成からなる第三の捕捉機構60は、ベース素材Jに対して形成された植毛用毛髪Mのループに当該植毛用毛髪Mの一端部を引き込むと共に張力を加えてループを締め付ける動作を行うことができる。
この動作を図18~図22に基づいて順番に説明する。
まず、図18に示すように、チャック部材621は解放状態で退避位置に位置しており、可動ブロック632も第三の鉤針61の先端部が植毛用毛髪Mに届かない初期位置に待機している。
そして、図19に示すように、可動ブロック632が第三の捕捉用モーター631の駆動により前進移動すると、第三の鉤針61の先端部は植毛用毛髪Mのループの内側を通り、鉤部611はその先にある植毛用毛髪Mの一端部を捕捉する。
そして、図20に示すように、第三の鉤針61が植毛用毛髪Mの一端部を捕捉すると、可動ブロック632が第三の捕捉用モーター631の駆動により後退移動を行う。これにより、植毛用毛髪Mの一端部はそのループを通過するように引き込まれる。
植毛用毛髪Mの一端部がループに引き込まれた後に、タイミングを計って、チャック進退用エアシリンダー641を作動させて、チャック部材621を挟持位置に移動させる。さらに、チャック挟持用エアシリンダー622を作動させて、挟持状態に切り替える。
これにより、図21に示すように、植毛用毛髪Mの一端部は第三の鉤針61の鉤部に固定された状態で、可動ブロック632の後退移動に伴って、引っ張られ、植毛用毛髪Mのループが締め付けられて小さくなる。
そして、図22に示すように、ループが十分に締め付けられて小さくなると、チャック挟持用エアシリンダー622を作動させて、チャック部材621を解放状態に切り替える。
これにより、植毛用毛髪Mのループを締め付ける張力はループ側に伝わらなくなり、植毛用毛髪Mの自由端となる一端部側のみが第三の鉤針61に引っ張られて、ループを完全に通過する。これにより、植毛用毛髪Mをベース素材Jに結びつける植毛動作が完了する。
なお、図20に示すように、チャック挟持用エアシリンダー622を挟持状態に切り替えてから解放状態に切り替えるまでの間の第三の捕捉用モーター631の後退移動動作距離は、後述する操作パネル15から任意に設定することができる。
即ち、操作パネル15は、毛髪挟持部62により植毛用毛髪Mの一端部を第三の鉤針61に対して挟持状態に切り替えてから解放するまでの第一進退機構63による第三の鉤針61の後退移動量を設定する「設定部」として機能する。
この後退移動動作距離を調整することにより、植毛用毛髪Mのループを締め付ける力を調節することができる。即ち、後退移動動作距離を長くすると、締め付け力を大きくすることができる。
また、制御装置100は、設定されたに後退移動量に基づいて、毛髪挟持部62及び第一進退機構63を制御して植毛用毛髪Mのループの締め付け力を調節する「締結制御部」として機能する。
これにより、ベース素材Jに植毛用毛髪Mを結びつけて植毛する際の締め付け力を任意に調節することが可能となっている。
なお、この第三の捕捉機構60も、第一及び第二の捕捉機構40,50と同様に、図示しない保護カバーが設けられている。この第三の捕捉機構60の場合には、第三の鉤針61を遊挿可能な貫通孔が形成された保護カバーが、可動ブロック632の最前進位置であって進出状態にあるチャック部材621の前側近傍となる位置(図20のチャック部材621の進出方向前側近傍)で支持板65に支持されている。
[カメラ]
カメラ11は、下枠21の下側において、下枠21及び保持枠22の開口部211,221を通じて、ベース保持機構20に保持されたベース素材Jを下方から撮像することが可能である。
なお、このカメラ11は、第一~第三の捕捉機構40~60が植毛動作を実行していないタイミングで撮像を行い、植毛動作中は、第一~第三の捕捉機構40~60と干渉しない位置に退避させることができる。
[植毛装置の制御系:制御装置]
植毛装置10の制御装置100は、図2に示すように、植毛の動作制御を行うためのプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)102と、演算処理の作業領域地となるRAM(Random Access Memory)103と、各種設定データなどを記憶する記憶手段としての書き換え可能な不揮発性のデータメモリ104と、ROM102内のプログラムを実行するCPU101(Central Processing Unit)とを備えている。
また、CPU101は、モーター駆動回路28a,29a,42a,52a,55a,631a,721a,841a,943aを介してベース用X軸モーター28,ベース用Y軸モーター29,第一の捕捉用モーター42,第二の捕捉用モーター52,回動モーター55,第三の捕捉用モーター631,進退用モーター721,可動用モーター841,可動用モーター943の駆動を制御する。
さらに、CPU101は、駆動回路77aを介して開閉用アクチュエーター77の駆動を制御する。
さらに、CPU101は、保持用エアシリンダー23,チャック挟持用エアシリンダー622,チャック進退用エアシリンダー641,第一把持用エアシリンダー824,第二把持用エアシリンダー825,間隔調整用エアシリンダー85,第三把持用エアシリンダー914,第四把持用エアシリンダー924のそれぞれを作動させる電磁弁23a,622a,641a,824a,825a,85a,914a,924aを制御するための駆動回路23b,622b,641b,824b,825b,85b,914b,924bと接続されている。
また、CPU101は、画像処理装置16を介してカメラ11と接続されている。
さらに、CPU101は、保持枠22によるベース素材Jの保持圧を調節するペダル14と接続されている。
また、CPU101は、各種の情報を表示する表示部としての機能と各種の入力を行うための入力部としての機能とを備えた操作パネル15と接続されている。
[第一位置制御部としての処理]
上記構成により制御装置100が行う各種の処理、制御について個別に説明する。
まず、制御装置100のCPU101は、画像処理装置16との協働により、移動機構25を制御して、ベース素材Jの複数のメッシュ穴の標準位置に対する植毛位置を定めた植毛パターンデータに基づいて植毛を行う第一位置制御部として機能する。
植毛パターンデータはデータメモリ104に格納されている。
植毛パターンデータは、ベース素材Jの複数のメッシュ穴の標準位置を基準としてこれに対する植毛位置を定めている。ここでいう複数のメッシュ穴の標準位置とは、ベース素材Jの表面を平面とみなし、メッシュ穴が全て歪みのない正六角形で均一の間隔で敷き詰められていることを前提とした場合の平面内の複数のメッシュ穴の位置をいう。
図23はベース素材Jに対する植毛を実行する範囲を示した平面図、図24は側面図である。
ベース素材Jは、頭部に装着することを前提とするために、図23(A)及び図24(A)に示すように、球面を変形させた曲面状に形成されている。したがって、図24(A)に示すように、高低差hが大きくなると、平面的な位置設定に基づいて全ての植毛位置を定めることは困難である。
そこで、植毛パターンデータは、ベース素材Jの表面(一方の面)を複数に均一に分割した単位区画の範囲内について複数のメッシュ穴の標準位置に対する植毛位置を定めている。
この分割した単位区画は、狭い範囲とすることが望ましい。例えば、一辺を数ミリから数センチの長さとする正方形又は長方形の範囲とする。
これにより、図23(B)に示すように、全体が曲面状であるベース素材Jの表面も細かく区画された一つ一つの範囲は平面に近くなり、また、図24(B)に示すように個々の区画における高低差hが低減されるので、実際のベース素材Jの表面に対して植毛パターンデータに定められた植毛位置の平面的な位置設定を当てはめることが容易となる。
このように、植毛パターンデータに狭い単位区画の範囲内について複数のメッシュ穴の標準位置に対する植毛位置が定められ、狭い単位区画ごとに植毛動作を行うことにより、曲面状のベース素材Jに対して良好に植毛を行うことが可能となる。
図25は植毛パターンデータが定めるメッシュ穴の標準位置を示す標準画像の概念図である。図示のように、植毛パターンデータでは、メッシュ穴が全て歪みのない正六角形で均一の間隔で敷き詰められている平面上の各位置に植毛を行う順番と共に複数の植毛位置が設定されている。図中の符号Kは、前述した単位区画を示している。この単位区画K内に72個のメッシュ穴が存在し、これらのメッシュ穴には並び順によって番号が定められている。即ち、単位区画K内において、図示の右下側の角の近傍に図示しない原点が定められており、当該原点を含む位置にあるメッシュ穴を「1」を定めている。さらに、「1」のメッシュ穴を起点として、左斜め下と左斜め上を交互に繰り返すジグザグの列となるメッシュ穴に続きの番号が順番に付されており、上の列にはその続きの番号が順番に付されて、最終的に「72」までの番号が付されている。
また、単位区画内の「〇」は植毛位置を示している。植毛位置は、必ず、互いに隣接する二つのメッシュ穴の境界位置となるので、隣接する二つのメッシュ穴の番号によって特定することができる。各植毛位置は、植毛を行う順番も定められている。
前述したカメラ11は、単位区画Kと概ね同程度であって幾分広い範囲の撮像を行う。
ベース素材Jは、伸縮性や変形性に富む材料からなる場合が多く、ベース保持機構20にセットする際に引っ張りや歪みが生じやすい。このため、実際にベース素材Jを撮像した場合の撮像画像は、メッシュ穴の標準位置を示す画像に比べて伸びや変形が生じ易い。また、セットの際に正確に方向を合わせることが難しいので傾きが生じる場合もある。
したがって、変形又は傾斜した実位置の各メッシュ穴と植毛パターンデータに定められた標準位置の各メッシュ穴とを対応させて、実位置の各メッシュ穴に1~72の番号を付する処理が行われる。
そこで、CPU101は、第一位置制御部としての処理を実行する場合において、カメラ11によるベース素材Jの撮像画像からメッシュ穴の実位置を認識し、標準位置のメッシュ穴の並び順と同様に順番に番号を付して、同じ番号となる実位置のメッシュ穴と標準位置のメッシュ穴とを対応させる。そして、植毛位置を特定する二つの番号に対応する実位置のメッシュ穴から撮像画像内の植毛位置を特定し、メッシュ穴の実位置に植毛を行う。
植毛位置を正しく展開するためには、撮像画像内の複数の実位置のメッシュ穴を標準値のメッシュ穴に適正に対応させる必要がある。図26~図30は撮像画像からメッシュ穴の位置を認識するための手順を示した説明図である。なお、実際の撮像範囲は図25と同様に72個のメッシュ穴が余裕を持って撮像可能な広さを有するが、図26~図30では撮像範囲の一部のみを図示している。
まず、図26に示すように、ベース素材Jの撮像画像に対してマッチング処理等の手法でメッシュ穴を探索し、取得したメッシュ穴について個々に重心の位置を算出する。ここでいう重心とは、図形上の重心、即ち、図形上に一様に質量を分布させたときの質量中心をいう。図26の黒丸点は取得した重心を示している。
CPU101は、第一位置制御部としての処理を実行する場合において、撮像によって認識されたメッシュ穴の実位置に対して、複数のメッシュ穴の標準位置の位置関係を示す配置条件に基づいて、標準位置への対応付けを行う。
複数のメッシュ穴の標準位置の位置関係を示す配置条件とは、例えば、正六角形のメッシュ穴が並ぶ場合の相互の重心位置について幾何学的に生じる位置関係等である。
まず、CPU101は、図27に示すように、撮像範囲内に予め設定されている原点oを含むメッシュ穴を「1」のメッシュ穴と特定する。以下、図27~図30について、番号が決まったメッシュ穴についてはその重心を黒丸点ではなくて、決まった番号が記入された白丸点で表示する。
正六角形のメッシュ穴が敷き詰められた場合、一つのメッシュ穴に対して周囲に六つのメッシュ穴が隣接する。
したがって、CPU101は、「1」のメッシュ穴の重心の周囲に60°間隔で周囲六方向にメッシュ穴の重心が存在することを配置条件として、次の「2」のメッシュ穴を特定する。
即ち、図28に示すように、「1」のメッシュ穴の重心を起点として、「1」のメッシュ穴の重心に対して、六方向の内の一方向である図示左下側の60°の角度範囲内の直近の重心を有するメッシュ穴を「2」のメッシュ穴とする。
「2」のメッシュ穴を特定すると、CPU101は、配置条件に従い、図29に示すように、「2」のメッシュ穴の重心に対して、六方向の内の一方向である図示左上側の60°の角度範囲内の直近の重心を有するメッシュ穴を「3」のメッシュ穴とする。
図28及び図29のように、左下側60°の角度範囲のメッシュ穴の探索と左上側60°の角度範囲のメッシュ穴の探索とを交互に繰り返すことにより、ジグザグとなる横方向一列分のメッシュ穴の番号を特定する。
前述した図25に示す植毛パターンデータでは、横方向一列につき九つのメッシュ穴が並び、当該メッシュ穴の横方向の列が図示上下方向に八本並ぶことを前提としている。したがって、横方向に「9」までのメッシュ穴の特定を行うと、CPU101は、図30に示すように、「1」のメッシュ穴の重心に対して、六方向の内の一方向である図示上側の60°の角度範囲内の直近の重心を有するメッシュ穴を「10」のメッシュ穴とする。
その後、CPU101は、「1」~「9」のメッシュ穴の列と同様に、八本の列に並んだメッシュ穴について番号を特定することで、撮像範囲内の72個のメッシュ穴について個別に「1」~「72」の番号を特定する。
そして、特定された実位置の「1」~「72」のメッシュ穴は、植毛パターンデータの標準位置の「1」~「72」のメッシュ穴に個別に対応するので、植毛パターンデータに定められた植毛位置を特定する二つのメッシュ穴の番号を適用して、撮像画像内における植毛位置を特定することができる。
例えば、植毛パターンデータにおいて「1」のメッシュ穴と「11」のメッシュ穴との境界が植毛位置に設定されている場合には、CPU101は、実位置の「1」のメッシュ穴と「11」のメッシュ穴の境界となる六角形の一辺の中点を植毛位置として、移動機構25により、当該植毛位置が第一~第三の捕捉機構40,50,60とルーパー機構70によって定まる作業位置に位置決めされるようにベース素材Jを搬送し、植毛用毛髪Mの植毛を実行する。
[第二位置制御部としての処理]
制御装置100のCPU101は、第一位置制御部としての処理を行わないときには、移動機構25を制御して、位置入力部としての操作パネル15からベース素材Jの撮像画像に対して入力された植毛位置に基づいて植毛を行う第二位置制御部として処理を行うことが可能である。
第二位置制御部としての処理を行う場合において、CPU101は、操作パネル15から例えば、ポインタの位置を動かして、決定された位置に対して忠実に植毛を行ってもよいが、次のような方法で植毛位置の入力を行ってもよい。
図31と図32は植毛位置の入力の手法を示す説明図である。
例えば、CPU101は、カメラ11によるベース素材Jの撮像画像から、各メッシュ穴の重心位置を抽出する。重心位置の特定は、第一位置制御部において説明したように、マッチング処理等の手法でメッシュ穴を探索し、それぞれの重心を取得することにより行われる。
操作パネル15からは、上記重心位置が求められた各メッシュ穴のいずれかに対して、図31に示すように、A~Fのいずれの辺に対応する位置に植毛を行うべきかを選択することができ、CPU101は、選択されたメッシュ穴及び選択されたA~Fの辺によって定まる位置に対して植毛動作を実行する。
また、二つのメッシュ穴を選択することにより、境界となる辺を選択可能としても良い。
或いは、CPU101は、図32に示すように、重心gの位置が求められたメッシュ穴に対して、操作パネル15からポインタpが操作され、重心gの周囲のいずれかの位置に対して位置決定が行われた場合に、重心gに対してポインタpの位置決定が行われた位置の延長線上にあるメッシュ穴の外縁部に対して植毛動作を実行してもよい。
[鉤針退避時の各捕捉機構に対する制御]
制御装置100のCPU101が、第一~第三の捕捉機構40,50,60に対して行う鉤針退避時の制御について説明する。
CPU101は、植毛作業のために鉤針が進出動作の実行中以外は、各捕捉機構40,50,60の鉤針41,51,61を退避位置まで後退移動させて待機する。その際の退避位置は、保護カバーよりも後方に格納されるまで後退した第一退避位置と、保護カバーに格納されない第二退避位置(鉤針41,51,61の先端部がセットされたベース素材Jからは離れているが、保護カバーよりも前方に進出した状態)の二種類が設定されている。
そして、CPU101は、植毛作業中又は植毛動作と植毛動作とが連続する場合の合間の場合には、第二退避位置まで鉤針が退避させ、植毛作業中以外の場合であって次の植毛動作が予定されていない場合には第一退避位置まで鉤針を退避させるように、各捕捉用モーター42,52,631の動作制御を実行する。
また、制御装置100のCPU101は、図示しない電源装置と接続されており、主電源のオン状態からオフ状態への切り替えを常に監視している。そして、オフ状態への切り替えが検出されて場合には、制御装置100や電源装置に搭載されたキャパシタの残留電荷を電源として利用して、第一~第三の捕捉機構40,50,60の鉤針41,51,61を前述した第一退避位置まで後退移動するように、各捕捉用モーター42,52,631の動作制御を実行する。
[制御装置による植毛動作制御]
上記構成からなる植毛装置10の制御装置100のCPU101が制御プログラムに従って実行する植毛動作制御の動作説明図を図33~図45(B)に示す。
また、制御装置100が制御プログラムに従って実行する植毛動作制御の全体的な流れを示すフローチャートを図46に示す。
図46に示すように、植毛装置10では、まず、ベース保持機構20の下枠21上にベース素材Jが作業者によってセットされ、ペダル14の操作によって保持枠22が下降してベース素材Jが保持される(ステップS1)。
また、第二供給部90は、初期位置にある第三把持機構91及び第四把持機構92に植毛用毛髪Mの一端部と他端部とが作業者によってセットされ(ステップS3)、操作パネル15又はペダル14から植毛動作の開始が入力されると、ベース保持機構20に保持されたベース素材Jが下方からカメラ11によって撮像される(ステップS5)。
CPU101は、ベース素材Jの撮像画像から各メッシュ穴の重心を取得する。
さらに、操作パネル15によって、第一位置制御部としての処理が選択されている場合には、植毛パターンデータに定められた植毛位置が読み込まれ、撮像画像のメッシュ穴の実位置に基づいて補正され、撮像画像上に補正された植毛位置が展開される。
また、操作パネル15によって、第二位置制御部としての処理が選択されている場合には、操作パネル15によって撮像画像に対する植毛位置の入力を受け付けて、植毛位置が特定される。
そして、CPU101は、展開された植毛位置又は入力された植毛位置に基づいて、各鉤針41,51,61が植毛を実行する作業位置に植毛位置が位置決めされるように、移動機構25を制御して、ベース素材Jの位置決めを実行する(ステップS7)。
次いで、第二供給部90は、第三把持機構91及び第四把持機構92を受け渡し位置まで搬送し、第一供給部80の第一把持機構81及び第二把持機構82が、第三把持機構91及び第四把持機構92の後方から植毛用毛髪Mを受け取り、ベース保持機構20に保持されたベース素材Jの上方まで植毛用毛髪Mを搬送する(ステップS9)。
次いで、CPU101は、第一~第三の捕捉機構40~60及びルーパー機構70を制御して、ベース素材Jの目標となる植毛位置に対して植毛用毛髪Mの植毛動作を実行する(ステップS11)。
そして、第一位置制御部としての処理が選択されている場合には、CPU101は、植毛パターンデータに定められた全ての植毛位置に対する植毛が完了したか否かを判定する(ステップS13)。
その結果、まだ、植毛が行われていない植毛位置がある場合には、ステップS7に処理を戻してベース素材Jを次の植毛位置に位置決めする。
また、全ての植毛位置に対する植毛が完了した場合には、植毛動作制御が終了となる。
なお、第二位置制御部としての処理が選択されている場合には、CPU101は、ステップS13の処理を行うことなく、植毛動作制御が終了となる。
[植毛動作の詳細]
次に、上述したステップS11の植毛動作についてより詳細に説明する。以下の説明における動作も全てCPU101の制御に基づいて実行される。
CPU101は、図33に示すように、予め、カメラ11により第二の鉤針51の針落ち位置Tを撮像し、画像処理装置16による撮像範囲の中心位置Cに対する第二の鉤針51の針落ち位置Tの座標を算出し、記録するキャリブレーションを実行して、撮像画像内の位置座標と第二の鉤針51の針落ち位置との対応関係を取得しておく。
また、図34(A)及び図34(B)に示すように、第一供給部80によって植毛用毛髪Mはベース素材Jの表面近傍で水平かつ当該表面に沿った状態で張設されている。
そして、第一の鉤針41による植毛用毛髪Mの捕捉動作が行われる。即ち、図35(A)及び図35(B)に示すように、CPU101は、第一の捕捉用モーター42を作動させて、第一の鉤針41を上昇させる。これにより、ベース素材Jの裏面側からメッシュ穴H1に第一の鉤針41が突入する。
そして、第一供給部80の第一及び第二把持機構81,82を第一の鉤針41に向かって前進させて、植毛用毛髪Mを第一の鉤針41の鉤部411側に引き寄せる。これにより、植毛用毛髪Mは鉤部411によって捕捉可能な配置となる。
さらに、図36(A)及び図36(B)に示すように、CPU101は、第一の捕捉用モーター42を作動させて、第一の鉤針41を下降させる。これにより、植毛用毛髪Mはメッシュ穴H1に内に下方に引き込まれ、ベース素材Jの裏面側で第一の鉤針41が植毛用毛髪Mの小ループを形成する。
なお、第一の鉤針41に向かって前進していた第一及び第二把持機構81,82は幾分後方に戻される。
次いで、ルーパー機構70による植毛用毛髪Mの拡開が行われる。
即ち、図37(A)及び図37(B)に示すように、CPU101は、ルーパー進退用のモーター721を作動させて、ヘッド73を前進移動させる。これにより、閉じた状態の各ルーパー74,75の先端部が植毛用毛髪Mの小ループの内側に侵入し、凹部741,751(図12参照)に植毛用毛髪Mが入り込んだ状態となる。
さらに、CPU101は、図38(A)及び図38(B)に示すように、ルーパー開閉用アクチュエーター77を作動させて、各ルーパー74,75を開状態とする。これにより、植毛用毛髪Mの小ループは左右に拡開されてより大きなループが形成される。
次いで、CPU101は、図39(A)及び図39(B)に示すように、移動機構25を制御して、第二の鉤針51の真下にメッシュ穴H1の後隣のメッシュ穴H2の重心位置が来るようにベース素材Jを前方に移動する。
そして、第二の捕捉用モーター52を制御して第二の鉤針51を下降させる。
そして、図40(A)及び図40(B)に示すように、CPU101は、第一の捕捉用モーター42を微小タイミングで上昇方向に作動させてから下降方向に切り替える。これにより、第一の鉤針41は僅かに上昇してから下降する。また、第一の鉤針41が僅かに上昇するタイミングでルーパー機構70のヘッド73を後退させる。これにより、第一の鉤針41に捕捉されていた植毛用毛髪Mのループは、鉤部411から外れてルーパー74,75のみに保持され、かつ、第二の鉤針51の鉤部511に押し付けられる。
次いで、図41(A)及び図41(B)に示すように、CPU101は、間隔調整用エアシリンダー85を制御して、第一把持機構81を第二把持機構82から一旦離してから再び第二把持機構82側に寄せて植毛用毛髪Mを弛ませる。さらに、第二の捕捉用モーター52を作動させて第二の鉤針51を上昇させる。これにより、鉤部511が植毛用毛髪Mのループをメッシュ穴H2からベース素材Jの表面側に引き出す。
さらに、図42(A)及び図42(B)に示すように、CPU101は、回動モーター55を制御して、第二の鉤針51を上から見て左回りに270°回転させる。これにより、植毛用毛髪Mのループは前後方向を向いた状態から左右方向を向いた状態となる。
次いで、第三の鉤針61による結び目の締め付けの形成動作が行われる。
即ち、図43(A)及び図43(B)に示すように、CPU101は、第三の捕捉用モーター631を作動させて、第三の鉤針61を突出させる。これにより、第三の鉤針61は、第二の鉤針51が捕捉している植毛用毛髪Mのループに突入し、さらに、第三の鉤針61の鉤部611がベース素材Jに接近する。このとき、第一把持機構81及び第二把持機構82を後退させて、植毛用毛髪Mを第三の鉤針61の鉤部611に押し当てる。
さらに、図44(A)及び図44(B)に示すように、CPU101は、間隔調整用エアシリンダー85を制御して、第一把持機構81を第二把持機構82から離間させると共に、第二の捕捉用モーター52を作動させて第二の鉤針51をループ制作位置まで上昇させ、植毛用毛髪Mの張力を高める。
さらに、開閉用アクチュエーター77を制御して各ルーパー74,75を閉じ、第三の捕捉用モーター631を作動させて第三の鉤針61を後退させて、メッシュ穴H1から第一把持機構81側に延びる植毛用毛髪Mを鉤部611で捕捉して、植毛用毛髪Mのループ内に引き込むように引き上げる。
ついで、図45(A)及び図45(B)に示すように、CPU101は、間隔調整用エアシリンダー85を制御して、第一把持機構81を第二把持機構82側に寄せて植毛用毛髪Mを弛ませてから、ルーパー進退用のモーター721を作動させて、ヘッド73を後退させて、各ルーパー74,75を植毛用毛髪Mから引き抜く。
さらに、第二の捕捉用モーター52を微小タイミングで下降方向に作動させてから上昇方向に切り替えると共に、回動モーター55を制御して、第二の鉤針51を上から見て右回りに180°回転させる。これにより、鉤部511から植毛用毛髪Mのループが外れ、鉤針51が以降の仕上げ動作に干渉しない位置まで上昇する。
一方、第三の捕捉機構60では、植毛用毛髪Mの一端部がループに引き込まれた後に、タイミングを計って、チャック進退用エアシリンダー641により、チャック部材621を挟持位置に移動させ、チャック挟持用エアシリンダー622により、チャック部材621を挟持状態に切り替える(図20参照)。
また、CPU101は、第三の捕捉用モーター631を作動させて第三の鉤針61をさらに後退させ、同時に、第一把持機構81及び第二把持機構82を後退させて、植毛用毛髪Mのループを締め付ける(図21参照)。
その後、CPU101は、第三の捕捉用モーター631を制御して第三の鉤針61を僅かに前進させて、植毛用毛髪Mの張力を均一化し、再び、第三の鉤針61を締め上げ高さまで上昇させる。
さらに、チャック挟持用エアシリンダー622により、チャック部材621を解放状態に切り替え、第三の鉤針61を退避位置まで上昇させる。これにより、植毛用毛髪Mの自由端となる一端部側がループを完全に通過して、植毛用毛髪Mをベース素材Jに結びつける動作が完了する(図22参照)。
以上のようにして一本の植毛用毛髪Mの植毛動作が完了する。
[実施形態の技術的効果]
上記植毛装置10は、第一供給部80の第一把持機構81が、植毛用毛髪Mを摺動可能に把持する二つの摺動板812,813とコイルバネ814と調節体816とを備える構成なので、植毛動作において、植毛用毛髪Mに過大な張力が加わる前に摺動を生じ、植毛用毛髪Mを保護しつつ適度な張力を良好な植毛を実現することが可能となる。
また、クランプして植毛用毛髪Mを保持する場合と異なり、植毛動作の途中でクランプと解除とを細かく切り替える必要性が低減され、円滑な植毛動作を実現することが可能となる。
また、第一供給部80は、第一把持機構81と第二把持機構82の間隔を可変させる可変用アクチュエーターとしての間隔調整用エアシリンダー85を有するので、植毛用毛髪Mの張力調整や弛みにより余裕を持たせる動作を良好に行うことが可能となる。
また、第一供給部80は、第一把持機構81と第二把持機構82を前後方向に可動させる可動部84を備えるので、各鉤針41~61に対して植毛用毛髪Mを押し当て又はその解除、植毛用毛髪Mの張力調整を行うことが可能となる。
また、第一供給部80の第二把持機構82が、植毛用毛髪Mを把持する二つの把持部材912,913と、当該二つの把持部材912,913をそれぞれ個別に昇降させる二つの昇降用アクチュエーターとしての第三把持用エアシリンダー914,第四把持用エアシリンダー924を有するので、把持動作に加えて、把持部材912,913の移動を可能とし、狭いエリア内でも把持部材912,913が周囲に干渉することなく自在に移動することが可能である。
また、第二供給部90が、第一供給部80に対する前記植毛用毛髪の受け渡し位置において、第三把持機構91と第四把持機構92の間隔を広げて植毛用毛髪Mに張力を付与する張力付与機構95を有するので、植毛用毛髪Mを弛むことなく張った状態で第一供給部80に受け渡すことができ、良好な植毛動作を実現することが可能となる。
また、第二供給部90の張力付与機構95は、支持板93が受け渡し位置まで移動すると、ストッパー954に当接した当接部材953が加圧バネ952に抗して、第三把持機構91を第四把持機構92から離隔する方向に押し戻すことにより、第三把持機構91と第四把持機構92の間隔を広げて植毛用毛髪Mに張力を付与する構成となっている。このため、植毛用毛髪Mに張力を付与するための独立したアクチュエーター等を不要とし、部品点数低減やこれに伴う装置の製造コストの低減を図ることが可能となる。
また、第三の捕捉機構60は、第三の鉤針61が捕捉した植毛用毛髪Mの一端部を当該鉤針61と共に挟持する毛髪挟持部62と、毛髪挟持部62及び第三の鉤針61をベース保持機構20によって保持されたベース素材Jに対して進退移動させる第一進退機構63と、第三の鉤針61に対して毛髪挟持部62を進退移動させる第二進退機構64とを備えている。
これにより、植毛用毛髪Mのベース素材J上のループの締め付けを可能としつつも、締め付けを行わないときには、毛髪挟持部62を退避させておくことができ、第三の鉤針61を広範囲で移動させることが可能となる。
また、第三の捕捉機構60は、調整部としてのレギュレーター623を有するので、第三の鉤針61に対する植毛用毛髪Mの挟持圧を自在に調整することが可能となる。
さらに、第三の捕捉機構60の動作において、毛髪挟持部62により植毛用毛髪Mの一端部を第三の鉤針61に対して挟持状態に切り替えてから解放するまでの第一進退機構63による第三の鉤針61の後退移動量を設定部としての操作パネル15にて設定することができ、制御装置100のCPU101が設定されたに後退移動量に基づいて、毛髪挟持部62及び第一進退機構63を制御するので、植毛用毛髪Mのループの締め付け力を任意に調節することが可能となる。したがって、植毛用毛髪Mの種類や性質に応じて、適切な植毛を行うことが可能となる。
また、植毛装置10では、各鉤針41~61の先端を平ら又は丸く形成した場合には、当該先端部を周囲に引っ掛けることを低減抑制し、また、当該先端部を引っ掛けることで鉤針を破損することを低減抑制することが可能となる。
また、鉤針で植毛用毛髪Mを引っ掛けてループを形成する場合に、ループを広く確保することが可能となる。
また、各捕捉機構40~60は、退避時の鉤針41~61を格納する保護カバーを有するので、この場合も、先端部を周囲に引っ掛けることを低減抑制し、また、当該先端部を引っ掛けることで鉤針を破損することを低減抑制することが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、主電源が切れると、各鉤針を保護カバーまで後退させる制御を行うので、装置の非使用時における鉤針の先端部の引っ掛け、引っ掛けによる破損を効果的に低減することが可能となる。
さらに、制御装置100のCPU101は、植毛動作中又は植毛動作が連続する場合には、保護カバーに格納されない第二退避位置まで鉤針を退避させ、非植毛動作時であって次の植毛動作が予定されていない場合には保護カバーに格納される第一退避位置まで鉤針を退避させる制御を行うので、鉤針の先端部の引っ掛けを効果的に低減しつつ、作業必要時には鉤針を迅速に使用可能な状態にすることが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、移動機構25を制御して、ベース素材Jの複数のメッシュ穴の標準位置に対する植毛位置を定めた植毛パターンデータに基づいて植毛を行う第一位置制御部として機能するので、自動的に連続して複数の植毛用毛髪Mの植毛動作を行うことができ、一つ一つの植毛位置を指定するなどの繁雑な作業を行うことなく効率的な植毛動作を実現することが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、第一位置制御部に基づく制御として、カメラ11によるベース素材Jの撮像画像からメッシュ穴の実位置を認識し、当該実位置に植毛パターンデータの複数のメッシュ穴の標準位置を対応付けて、メッシュ穴の実位置に植毛を行う。
このため、ベース素材Jがベース保持機構20に対して延びや傾きを生じた状態で取り付けられた場合やベース素材Jそのものが変形等を生じていた場合であっても、ベース素材Jに対して植毛パターンデータの複数のメッシュ穴の標準位置を正しく反映することができ、良好な植毛動作を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、第一位置制御部に基づく制御として、ベース素材Jの撮像画像から取得したメッシュ穴の実位置に対して、複数のメッシュ穴の標準位置の位置関係を示す配置条件に基づいて、実位置の標準位置への対応付けを行う。
このため、配置条件に応じて、ベース素材Jの延びや傾き、ベース素材Jの変形等の影響をより低減して、ベース素材Jに対して植毛パターンデータの複数のメッシュ穴の標準位置をより正しく反映することができ、良好な植毛動作を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、ベース素材Jの撮像画像から認識したメッシュ穴の重心の中で、予め定められた原点位置に最も近いメッシュ穴の重心を起点とし、メッシュ穴の重心を中心とする60°の角度範囲ごとに隣のメッシュ穴の重心が存在することを配置条件として、起点となるメッシュ穴の重心から隣のメッシュ穴の重心を求め、同様にさらに隣のメッシュ穴の重心を求める処理を繰り返すことで実位置の標準位置への対応付けを行っている。
上記のように、配置条件がかなり柔軟性を有するので、ベース素材Jの延びや傾き、ベース素材Jの変形等が大きく生じていても各メッシュ穴の重心を特定することができ、これらの影響を抑えて、ベース素材Jに対して植毛パターンデータの複数のメッシュ穴の標準位置をより正しく反映することができ、良好な植毛動作を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、カメラ11によるベース素材Jの撮像画像から植毛位置を入力する操作パネル15と、移動機構25を制御して、操作パネル15から入力された植毛位置に基づいて植毛を行う第二位置制御部として機能するので、植毛パターンデータに定める植毛位置だけでなく、個別に入力した植毛位置にも植毛を行うことができ、画一的な植毛だけではなく、個々の必要性に対応した多様な植毛を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、第二位置制御部に基づく制御として、カメラ11によるベース素材Jの撮像画像からメッシュ穴の実位置を認識し、操作パネル15から入力された植毛位置と認識されたメッシュ穴の実位置とに基づいて決定された位置に植毛を行う。
これにより、より適正な位置に植毛位置の入力を受けることが出来、良好な植毛を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、植毛パターンデータには、ベース素材Jの一方の面を複数に均一に分割した単位区画の範囲内について、複数のメッシュ穴の標準位置に対する植毛位置を定められており、制御装置100のCPU101は、単位区画の範囲ごとに植毛動作を行うので、ベース素材Jが曲面形状である場合であっても、単位区画を十分に狭く設定することで二次元上に設定された植毛パターンデータに定める植毛位置を適正に曲面状に展開することができ、良好な植毛を行うことが可能となる。
また、制御装置100のCPU101は、ペダル操作を受けて、ベース保持機構20の保持枠22について、ベース素材Jの押さえ圧を解放、弱押さえ、強押さえの三段階で保持することができ、ベース保持機構20にベース素材Jをセットする際に、その位置調節などを容易に行うことができ、容易に適正な位置にベース素材Jを配置することが可能となる。
また、ベース保持機構20の保持枠22の下面に面ファスナー等の伸縮性を有する防滑材24を装備しているので、部分的に厚さが異なるベース素材Jの場合でも、各部の厚さに対応して良好な保持を行うことが可能となる。
[その他]
上記実施形態では、図47(A)に示すように、結節方法として左半回転結びで植毛用毛髪Mをベース素材Jに植毛する場合を例示したが、図47(B)に示すように、結節方法として右半回転結びで植毛用毛髪Mをベース素材Jに植毛しても良い。
なお、ベース素材Jとしてメッシュを示したがシート状のものであればこれに限定されない。
例えば、繊維質のベース素材や樹脂製シート等のベース素材でもよい。これらはメッシュ穴を有していないが、第一の鉤針41と第二の鉤針51とが別の位置に差し込まれ、これらが別の穴を形成すれば、それらの穴の間で植毛用毛髪Mの結節を形成することができる。
10 植毛装置
11 カメラ(撮像部)
14 ペダル
15 操作パネル
16 画像処理装置
20 ベース保持機構
21 下枠
22 保持枠
23 保持用エアシリンダー
24,24A 防滑材
25 移動機構
40 第一の捕捉機構
41 第一の鉤針
42 第一の捕捉用モーター
50 第二の捕捉機構
51 第二の鉤針
52 第二の捕捉用モーター
57 保護カバー
60 第三の捕捉機構
61 第三の鉤針
62 毛髪挟持部
621 チャック部材
622 チャック挟持用エアシリンダー
623 レギュレーター(調整部)
63 第一進退機構
631 第三の捕捉用モーター
64 第二進退機構
641 チャック進退用エアシリンダー
70 ルーパー機構
80 第一供給部
81 第一把持機構
812,813 摺動板
814 コイルバネ(弾性体)
816 調節体
82 第二把持機構
822,823 把持部材
824 第一把持用エアシリンダー(昇降用アクチュエーター)
825 第二把持用エアシリンダー(昇降用アクチュエーター)
84 可動部
85 間隔調整用エアシリンダー(可変用アクチュエーター)
90 第二供給部
91 第三把持機構
92 第四把持機構
95 張力付与機構
953 当接部材
954 ストッパー
100 制御装置
101 CPU(第一位置制御部,第二位置制御部)
J ベース素材
H1 メッシュ穴
H2 メッシュ穴
M 植毛用毛髪

Claims (9)

  1. ベース素材を保持するベース保持機構と、
    保持された前記ベース素材の一方の面側で植毛用毛髪を保持する第一供給部と、
    鉤針により前記第一供給部によって供給された前記植毛用毛髪を前記ベース素材に対して結びつける結合機構とを備え、
    前記第一供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第一把持機構及び第二把持機構を有し、
    前記第一把持機構は、前記植毛用毛髪を摺動可能に把持する二つの摺動板と当該二つの摺動板に把持圧を付与する弾性体と、前記把持圧を調節する調節体とを備え、
    前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構の間隔を可変させる可変用アクチュエーターを有することを特徴とする植毛装置。
  2. 前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構に保持された前記植毛用毛髪の長手方向に対して交差する方向に、前記第一把持機構及び前記第二把持機構を可動させる可動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の植毛装置。
  3. ベース素材を保持するベース保持機構と、
    保持された前記ベース素材の一方の面側で植毛用毛髪を保持する第一供給部と、
    鉤針により前記第一供給部によって供給された前記植毛用毛髪を前記ベース素材に対して結びつける結合機構とを備え、
    前記第一供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第一把持機構及び第二把持機構を有し、
    前記第一把持機構は、前記植毛用毛髪を摺動可能に把持する二つの摺動板と当該二つの摺動板に把持圧を付与する弾性体と、前記把持圧を調節する調節体とを備え、
    前記第一供給部は、前記第一把持機構と前記第二把持機構に保持された前記植毛用毛髪の長手方向に対して交差する方向に、前記第一把持機構及び前記第二把持機構を可動させる可動部を備えることを特徴とする植毛装置。
  4. 前記第二把持機構は、前記植毛用毛髪を把持する二つの把持部材と、当該二つの把持部材をそれぞれ個別に昇降させる二つの昇降用アクチュエーターを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の植毛装置。
  5. 前記第一供給部に前記植毛用毛髪を受け渡す第二供給部を備え、
    前記第二供給部は、前記植毛用毛髪の両端部をそれぞれ把持する第三把持機構及び第四把持機構と、前記第一供給部に対する前記植毛用毛髪の受け渡し位置において、前記第三把持機構と前記第四把持機構の間隔を広げて前記植毛用毛髪に張力を付与する張力付与機構とを有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の植毛装置。
  6. 前記第三把持機構及び前記第四把持機構を支持する支持板と、
    前記支持板上において移動可能に支持された前記第三把持機構を前記第四把持機構側へ加圧する加圧バネと、
    前記第三把持機構に設けられた当接部材と、
    前記支持板が初期位置から前記受け渡し位置へ移動する間に前記当接部材に当接するストッパーと、を備え、
    前記支持板が前記受け渡し位置まで移動すると、前記ストッパーに当接した前記当接部材が前記加圧バネに抗して、前記第三把持機構を前記第四把持機構から離隔する方向に押し戻すことにより、前記第三把持機構と前記第四把持機構の間隔を広げて前記植毛用毛髪に張力を付与する張力付与機構を有することを特徴とする請求項5に記載の植毛装置。
  7. 前記鉤針は、前記植毛用毛髪のループに当該植毛用毛髪の一端部を挿通し、
    当該鉤針が捕捉した前記植毛用毛髪の一端部を当該鉤針と共に挟持する毛髪挟持部と、
    前記毛髪挟持部及び前記鉤針を、前記ベース保持機構によって保持された前記ベース素材に対して進退移動させる第一進退機構と、
    前記鉤針に対して前記毛髪挟持部を進退移動させて、前記植毛用毛髪の一端部を前記鉤針と共に挟持する挟持位置と前記毛髪挟持部を前記鉤針よりも退避した退避位置とに切り替える第二進退機構とを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の植毛装置。
  8. 前記毛髪挟持部の挟持圧を調整する調整部を有することを特徴とする請求項7に記載の植毛装置。
  9. 前記毛髪挟持部により前記植毛用毛髪の一端部を前記鉤針に対して挟持状態に切り替えてから解放するまでの前記第一進退機構による前記鉤針の後退移動量を設定する設定部と、
    前記設定部で設定された後退移動量に基づいて、前記毛髪挟持部及び前記第一進退機構を制御して前記植毛用毛髪のループの締め付け力を調節する締結制御部を有することを特徴とする請求項7又は8に記載の植毛装置。
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