JP7246283B2 - ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents
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Description
特許文献2の接着剤は、ブロックポリマー中の親水性ポリマー量が少なく、十分な親水性が得られず、逆に、接着剤が吸水性を有するため、水分により膨潤し、経時による基材の剥がれが発生するおそれがあった。
特許文献3の接着剤は、ヒドロキシプロピルセルロースを添加することによる、親水性付与の効果が不十分であり、衛生材料及び生理用品等の吸液性が不十分となるおそれがあった。
熱可塑性炭化水素樹脂(A)と、酸変性ポリオレフィン樹脂(B)と、親水性可塑剤(C)と、を含む、ホットメルト接着剤組成物であって、
前記(A)は、非晶性α-ポリオレフィンであり、
前記(B)は、無水カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂であり、
前記(C)は、炭素数が8以上18以下の脂肪酸とポリグリセリンとの縮合エステル化合物(C1)と、
数平均分子量が200以上2000以下であるポリオキシエチレン鎖と炭素数が8以上20以下の脂肪酸からなる脂肪酸エステル(C2)と、
ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトポリマー(C3)と、から選ばれる1つ以上を含み、
前記ホットメルト接着剤組成物を、JIS K6768:1999に準じて測定した水による滴下10秒後の接触角が、50°以下であることを特徴とする、ホットメルト接着剤組成物である。
本発明(2)は、
前記ホットメルト接着剤組成物は、平行平板レオメータを用い、周波数1Hz、ずり速度1rad/sの条件で測定した180℃における溶融動粘度が、50,000mPa・s以下であることを特徴とする、前記発明(1)のホットメルト接着剤組成物である。
本発明(3)は、
前記ホットメルト接着剤組成物は、3cm×3cm×高さ3cmに硬化させた硬化物に対し、JIS K7215:1986に準じて測定した23℃におけるデュロメータ―硬さが、D硬度で50°以下であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)のホットメルト接着剤組成物である。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、熱可塑性炭化水素樹脂(A)と、酸変性ポリオレフィン樹脂(B)と、親水性可塑剤(C)と、を含む。
1-1-1.熱可塑性炭化水素樹脂(A)
本発明のホットメルト接着剤組成物は、熱可塑性炭化水素樹脂(A)を含む。本発明にかかる熱可塑性炭化水素樹脂(A)は、非晶性α-ポリオレフィンである。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、酸変性ポリオレフィン樹脂(B)を含む。本発明にかかる酸変性ポリオレフィン樹脂(B)は、無水カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂である。無水カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂を含むことで、高極性基材への密着性を付与することができる。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、親水性可塑剤(C)を含む。本発明にかかる親水性可塑剤(C)は、以下に示す(C1)~(C3)のうち、少なくとも1つを含む。親水性可塑剤(C)を添加することで、ホットメルト接着剤組成物の親水性を高め、減粘することができる。
(C1)炭素数が8以上18以下の脂肪酸とポリグリセリンとの縮合エステル化合物(以下、化合物(C1)と記載する場合がある)
(C2)数平均分子量が、200以上2000以下である、ポリオキシエチレン鎖と炭素数が8以上20以下の脂肪酸からなる脂肪酸エステル(以下、化合物(C2)と記載する場合がある)
(C3)ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトポリマー(以下、化合物(C3)と記載する場合がある)
本発明にかかる化合物(C1)は、炭素数が8以上18以下の脂肪酸とポリグリセリンとの縮合エステル化合物である。
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸の直鎖状飽和脂肪酸;
2-メチルヘプタン酸、2-メチルエナント酸、2-メチルカプリル酸、2-メチルペラルゴン酸、2-メチルカプリン酸、2-メチルウンデシル酸、2-メチルラウリン酸、2-メチルトリデシル酸、2-メチルミリスチン酸、2-メチルペンタデシル酸、2-メチルパルミチン酸、2-メチルマルガリン酸、3-メチルヘプタン酸、4-メチルヘプタン酸、5-メチルヘプタン酸、6-メチルヘプタン酸、3-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、5-エチルヘキサン酸、4-プロピルペンタン酸、2-メチルヘキサデカン酸、2,2-ジメチルヘキサン酸、2,3-ジメチルヘキサン酸、2,4-ジメチルヘキサン酸、2,5-ジメチルヘキサン酸、3,3-ジメチルヘキサン酸、3,4-ジメチルヘキサン酸、3,5-ジメチルヘキサン酸、4,4-ジメチルヘキサン酸、4,5-ジメチルヘキサン酸、5,5-ジメチルヘキサン酸、2,2,3-トリメチルペンタン酸、2,2,4-トリメチルペンタン酸、2,3,3-トリメチルペンタン酸、2,3,4-トリメチルペンタン酸、3,3,4-トリメチルペンタン酸、3,4,4-トリメチルペンタン酸、等の分岐飽和脂肪酸;
4-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、4-イソブチルシクロヘキサンカルボン酸、4-プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4-ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、シクロヘキシル酢酸、3-ヒドロキシ-1-アダマンタン酢酸等の環状飽和脂肪酸(trans型及びcis型の区別は省略した);
2-ヒドロキシカプリル酸、2-ヒドロキシペラルゴン酸、2-ヒドロキシカプリン酸、2-ヒドロキシウンデシル酸、2-ヒドロキシラウリン酸、2-ヒドロキシトリデシル酸、2-ヒドロキシミリスチン酸、2-ヒドロキシペンタデシル酸、2-ヒドロキシパルミチン酸、2-ヒドロキシマルガリン酸、2-ヒドロキシステアリン酸、3-ヒドロキシカプリル酸、4-ヒドロキシカプリル酸、5-ヒドロキシカプリル酸、6-ヒドロキシカプリル酸、2,2-ジヒドロキシカプリル酸、2,3-ジヒドロキシカプリル酸、2,4-ジヒドロキシカプリル酸、2,5-ジヒドロキシカプリル酸、3,3-ジヒドロキシカプリル酸、3,4-ジヒドロキシカプリル酸、3,5-ジヒドロキシカプリル酸、4,4-ジヒドロキシカプリル酸、4,5-ジヒドロキシカプリル酸、5,5-ジヒドロキシカプリル酸、2,2,3-トリヒドロキシペンタン酸、2,2,4-トリヒドロキシペンタン酸、2,3,3-トリヒドロキシペンタン酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン酸、3,3,4-トリヒドロキシペンタン酸、3,4,4-トリヒドロキシペンタン酸、2-メチル-2-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-3-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-3-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、4-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、4-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、5-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、2-エチル-2-ヒドロキシヘキサン酸、2-プロピル-2-ヒドロキシヘキサン酸、等のヒドロキシ飽和脂肪酸;等を挙げることができる。
ミリストレイン酸(炭素数14)、パルミトレイン酸(炭素数16)、サピエン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、エライジン酸(炭素数18)、バクセン酸(炭素数18)等のモノ不飽和脂肪酸(二重結合を1つ含む不飽和脂肪酸);
リノール酸(炭素数18)等のジ不飽和脂肪酸(二重結合を2つ含む不飽和脂肪酸);
α-リノレン酸(炭素数18)、γ-リノレン酸(炭素数18)、ピノレン酸(炭素数18)、
エレオステアリン酸(炭素数18)、β-エレオステアリン酸(炭素数18)等のトリ不飽和脂肪酸(二重結合を3つ含む不飽和脂肪酸);
ステアリドン酸(炭素数18)等のテトラ不飽和脂肪酸(二重結合を4つ含む不飽和脂肪酸);
ボセオペンタエン酸(炭素数18)等のペンタ不飽和脂肪酸(二重結合を5つ含む不飽和脂肪酸);等を挙げることができる。
本発明にかかる化合物(C2)は、数平均分子量が200以上2000以下のポリオキシエチレン鎖と、炭素数が8以上20以下である脂肪酸と、からなる脂肪酸エステルである。化合物(C2)は、数平均分子量が200以上2000以下のポリエチレングリコールと、炭素数が8以上20以下である脂肪酸とを、混合、加熱などし、エステル化反応させて得られる化合物である。
本発明にかかる化合物(C2)は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、モノエステル及びジエステルを含むことができる。
(式2)
カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸の直鎖状飽和脂肪酸;
2-メチルヘプタン酸、2-メチルエナント酸、2-メチルカプリル酸、2-メチルペラルゴン酸、2-メチルカプリン酸、2-メチルウンデシル酸、2-メチルラウリン酸、2-メチルトリデシル酸、2-メチルミリスチン酸、2-メチルペンタデシル酸、2-メチルパルミチン酸、2-メチルマルガリン酸、2-メチルステアリン酸、2-メチルノナデシル酸、3-メチルヘプタン酸、4-メチルヘプタン酸、5-メチルヘプタン酸、6-メチルヘプタン酸、3-エチルヘキサン酸、4-エチルヘキサン酸、5-エチルヘキサン酸、4-プロピルペンタン酸、2-メチルヘキサデカン酸、2,2-ジメチルヘキサン酸、2,3-ジメチルヘキサン酸、2,4-ジメチルヘキサン酸、2,5-ジメチルヘキサン酸、3,3-ジメチルヘキサン酸、3,4-ジメチルヘキサン酸、3,5-ジメチルヘキサン酸、4,4-ジメチルヘキサン酸、4,5-ジメチルヘキサン酸、5,5-ジメチルヘキサン酸、2,2,3-トリメチルペンタン酸、2,2,4-トリメチルペンタン酸、2,3,3-トリメチルペンタン酸、2,3,4-トリメチルペンタン酸、3,3,4-トリメチルペンタン酸、3,4,4-トリメチルペンタン酸、等の分岐飽和脂肪酸;
4-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4-ブチルシクロヘキサンカルボン酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、4-イソブチルシクロヘキサンカルボン酸、4-プロピルシクロヘキサンカルボン酸、4-ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、シクロヘキシル酢酸、3-ヒドロキシ-1-アダマンタン酢酸等の環状飽和脂肪酸(trans型及びcis型の区別は省略した);
2-ヒドロキシカプリル酸、2-ヒドロキシペラルゴン酸、2-ヒドロキシカプリン酸、2-ヒドロキシウンデシル酸、2-ヒドロキシラウリン酸、2-ヒドロキシトリデシル酸、2-ヒドロキシミリスチン酸、2-ヒドロキシペンタデシル酸、2-ヒドロキシパルミチン酸、2-ヒドロキシマルガリン酸、2-ヒドロキシステアリン酸、2-ヒドロキシノナデシル酸、2-ヒドロキシアラキジン酸、3-ヒドロキシカプリル酸、4-ヒドロキシカプリル酸、5-ヒドロキシカプリル酸、6-ヒドロキシカプリル酸、2,2-ジヒドロキシカプリル酸、2,3-ジヒドロキシカプリル酸、2,4-ジヒドロキシカプリル酸、2,5-ジヒドロキシカプリル酸、3,3-ジヒドロキシカプリル酸、3,4-ジヒドロキシカプリル酸、3,5-ジヒドロキシカプリル酸、4,4-ジヒドロキシカプリル酸、4,5-ジヒドロキシカプリル酸、5,5-ジヒドロキシカプリル酸、2,2,3-トリヒドロキシペンタン酸、2,2,4-トリヒドロキシペンタン酸、2,3,3-トリヒドロキシペンタン酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン酸、3,3,4-トリヒドロキシペンタン酸、3,4,4-トリヒドロキシペンタン酸、2-メチル-2-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-3-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、2-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-3-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、3-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、4-メチル-4-ヒドロキシヘプタン酸、4-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、5-メチル-5-ヒドロキシヘプタン酸、2-エチル-2-ヒドロキシヘキサン酸、2-プロピル-2-ヒドロキシヘキサン酸、等のヒドロキシ飽和脂肪酸;等を挙げることができる。
ミリストレイン酸(炭素数14)、パルミトレイン酸(炭素数16)、サピエン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、エライジン酸(炭素数18)、バクセン酸(炭素数18)、ガドレイン酸(炭素数19)、エイコセン酸(炭素数20)等のモノ不飽和脂肪酸(二重結合を1つ含む不飽和脂肪酸);
リノール酸(炭素数18)、エイコサジエン酸(炭素数20)等のジ不飽和脂肪酸(二重結合を2つ含む不飽和脂肪酸);
α-リノレン酸(炭素数18)、γ-リノレン酸(炭素数18)、ピノレン酸(炭素数18)、
エレオステアリン酸(炭素数18)、β-エレオステアリン酸(炭素数18)、ミード酸(炭素数20)、ジホモ-γ-リノレン酸(炭素数20)、エイコサトリエン酸(炭素数20)等のトリ不飽和脂肪酸(二重結合を3つ含む不飽和脂肪酸);
ステアリドン酸(炭素数18)、アラキドン酸(炭素数20)、エイコサテトラエン酸(炭素数20)等のテトラ不飽和脂肪酸(二重結合を4つ含む不飽和脂肪酸);
ボセオペンタエン酸(炭素数18)等のペンタ不飽和脂肪酸(二重結合を5つ含む不飽和脂肪酸);等を挙げることができる。
本発明にかかる化合物(C3)は、ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトポリマーである。ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトポリマーは、ポリプロピレンとポリオキシエチレンとが、ブロック・グラフト共重合したポリマーである。ポリプロピレンとポリオキシエチレンの構成比は、特に限定されない。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、粘着付与剤を含むことができる。粘着付与剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されない。粘着付与剤としては、例えば、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂等の天然樹脂;石油樹脂(炭化水素樹脂)、水素添加(水添)石油樹脂(炭化水素樹脂)、スチレン系樹脂、クマロン-インデン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等の合成樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等のロジン;水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン等の変性ロジン;これらロジン、変性ロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、α-ピネン、β-ピネン、ジペンテン等を主成分とするテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。(水添)石油樹脂としては、(水添)脂肪族系(C5系)石油樹脂、(水添)芳香族系(C9系)石油樹脂、(水添)共重合系(C5/C9系)石油樹脂、(水添)ジシクロペンタジエン系石油樹脂、脂環式飽和炭化水素樹脂等が挙げられる。上記スチレン系樹脂としては、ポリαメチルスチレン、αメチルスチレン/スチレン共重合体、スチレン系モノマー/脂肪族系モノマー共重合体、スチレン系モノマー/αメチルスチレン/脂肪族系モノマー共重合体、スチレン系モノマー共重合体、スチレン系モノマー/スチレン系モノマー以外の芳香族系モノマー共重合体等を挙げることができる。これらは、単独で、又は、組み合せて用いることができる。これらのうち、石油樹脂及び水添石油樹脂が、他の添加物との相溶性が良好であるため好ましく、脂肪族系炭化水素樹脂、水添脂環族炭化水素系樹脂、脂肪酸/芳香族炭化水素系樹脂がより好ましい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、上述した各成分以外に、必要に応じて、各種の添加剤を含有することができる。添加剤としては、例えば、充填剤、可塑剤、顔料、染料、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、接着性付与剤、抗菌剤、光安定剤、安定剤、分散剤、溶剤、親水性付与剤等が挙げられる。
1-2-1.ホットメルト接着剤組成物の親水性
本発明のホットメルト接着剤組成物は親水性である。ホットメルト接着剤組成物の親水性は、ホットメルト接着剤組成物を成膜し、水を用いた場合の接触角を測定することで評価することができる。
ホットメルト接着剤組成物の製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造可能である。例えば、一軸又は二軸押出機等の連続混練機、もしくは、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー、プラネタリーミキサー、高剪断Z翼ミキサー等のバッチ式混練機に、上述した原料を投入し、所定時間混練すればよい。
次に、本発明のホットメルト接着剤組成物の具体的な適用方法の一例を説明する。なお本例では、ホットメルト接着剤組成物をスプレー塗布する場合について説明するが、本発明のホットメルト接着剤組成物の適用方法はこれには限定されず、公知の方法により接着対象面に塗布されてもよい。
本発明のホットメルト接着剤組成物は、接着剤、シーリング材、プライマー、塗料、コーティング剤などの用途に好適であるが、親水性を必要とされる被着体に用いる接着剤として、より好適である。特に、衛生部材、使い捨てオムツ、生理用ナプキン等の、急速に吸液する必要がある基材の接合に適している。
そして、基材は、しかるべき粘度の液体等を分離吸収する吸収体である。例えば使い捨てオムツにおいて、前記吸収体は、中間層として、その一方の表面に液体透過層であるトップシートを、その反対側の表面に、液体漏洩防止シート、又は、防水バックシート等を、積層して構成される。ホットメルト接着剤組成物は、前記トップシートと中間層との界面、及び/又は、液体漏洩防止シート等と中間層との界面に塗布される。なお、中間層は、透水するよう、例えばドット状、螺旋旋回状、ストライプ状等のパターンで設けられる。
下記原料を、表1及び表2に記載する配合量にて、プラネタリーミキサーにて、150℃15分混練して、各実施例及び各比較例にかかるホットメルト接着剤組成物を得た。
・熱可塑性炭化水素樹脂(A)
P-1:VESTPLAST 408(EVONIK社)、軟化点118℃、数平均分子量48,000
P-2:VESTPLAST V2094(EVONIK社)、軟化点94℃、数平均分子量50,000
P-3:VESTPLAST 792(EVONIK社)、軟化点108℃、数平均分子量118,000
・酸変性ポリオレフィン(B)
AM-1:PMA-T(東洋紡社)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、軟化点80℃
AM-2:PMA-KH(東洋紡社)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、軟化点100℃
AM-3:PMA-L(東洋紡社)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、軟化点75℃
AM-4:リケエイドMG-400W(理研ビタミン社)、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、軟化点126℃
・親水性可塑剤(C)
H-1:リケマールO-71-DE(理研ビタミン社)モノステアリン酸ポリグリセリル、軟化点-20℃(融点)
H-2:SY Glyster ML-3L(理研ビタミン社)モノラウリン酸トリグリセリル、軟化点80℃
H-3:ノニオンDO-6(日油社)ポリオキシエチレンジオレート(PEGの数平均分子量 600)、軟化点20℃
H-4:イオネットDO-1000(三洋化成社)ポリオキシエチレンジオレート(PEGの数平均分子量 1000)、軟化点40℃(融点)
H-5:メルアクア350L(三洋化成社)ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトコポリマー、軟化点 113℃
H-6:ノニオンID-209(日油社)ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、 軟化点15℃
・粘着付与剤(D)
T-1:T-rez RC115(JX-TG社)、脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点115℃
T-2:Quintone RX110(日本ゼオン社)、脂肪族系炭化水素樹脂、軟化点110℃
T-3:アルコン P125(荒川化学社)、水素添加脂環族炭化水素系樹脂、軟化点125℃
T-4:Escorez 5415(Exxon Moble社)、水素添加脂環族炭化水素系樹脂、軟化点118℃
T-5:FTR0100 (三井化学)、脂肪酸/芳香族炭化水素系樹脂、軟化点100℃
各実施例及び各比較例のかかるホットメルト接着剤組成物を、以下に従い評価した。
<溶融動粘度>
各実施例及び各比較例のかかるホットメルト接着剤組成物の180℃における溶融動粘度を、レオメータ(アントンパール社製、MCR302)にパラレルプレートを装着して、周波数1Hz、ずり速度1rad/sの条件の下で測定を行った。結果を表1及び表2に示した。
各実施例及び各比較例のホットメルト接着剤組成物を、厚さ25μmのPETフィルム上に、縦1cm×横5cm×厚み100μmとなるよう成膜したのち、測定試料とした。測定試料の水に対する接触角を、接触角測定装置(協和界面科学社製:CA-D)を用いて測定した。測定は、23℃の環境下で、JIS K6768:1999『プラスチック-フィルム及びシート-ぬれ張力試験方法』に準じて行い、測定用の水としてイオン交換水10mlを用いた。水を試料表面上に滴下したのち、10秒後の接触角を測定した。結果を表1及び表2に示した。
各実施例及び各比較例のホットメルト接着剤組成物を使用した際の吸水速度を次の手順で行った。縦100cm×横100cm×厚み5mmの大きさのウレタンフォームの表面全体に、調製した各ホットメルト接着剤組成物をスプレー状に塗布し(塗布温度:180℃、塗布量:10g/m2、ノズル径:1mm、吐出圧力:0.01Pa)、100mm×100mm×100μmのポリプロピレン不織布を重ね合わせ、25℃雰囲気下で24時間放置したものを測定試料とした。測定試料の不織布を上面して、内径50mmの円柱管を試料の不織布表面対し垂直に固定した。青色インクで着色した水を20mL秤量し、前記円柱管の内側に注ぎ込み、円柱管上方から着色した水が試験試料に完全に吸収される(不織布表面から着色した水が見えなくなるまでの)時間を測定した。結果を表1及び表2に示した。
各実施例及び各比較例のホットメルト接着剤組成物の接着強度を、次の手順で測定した。ポリプロピレン製の不織布と、パルプ紙とを、180℃に加熱して溶融状態としたホットメルト接着剤組成物で貼り合わせた。ホットメルト接着剤組成物は、ポリプロピレン不織布一方の表面全体に塗布量が10g/m2となるように塗布した。貼り合わせた後、25℃雰囲気下において、24時間静置したものを測定試料とした。測定試料を材料試験機(エーアンドディー社製:テンシロンRAC-1150A)に設置して、測定を行った。測定は、JIS K6854-3:1999『接着剤-はく離接着強さ試験方法-第3部:T形はく離』に準じて行った。結果を表1及び表2に示した。
各実施例及び各比較例のホットメルト接着剤組成物の硬化物の硬度を、次の手順で測定した。溶融状態のホットメルト接着剤組成物を、縦3cm×横3cm×厚み3mmの型に流し込んで、湿気硬化させた。金型から硬化物を取り出し、デュロメータ(アスカ-社製、DL型)を用いて測定した。測定は23℃の環境下で行った。結果を表1及び表2に示した。
Claims (3)
- 熱可塑性炭化水素樹脂(A)と、酸変性ポリオレフィン樹脂(B)と、親水性可塑剤(C)と、を含む、ホットメルト接着剤組成物であって、
前記(A)は、非晶性α-ポリオレフィンであり、
前記(B)は、無水カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂であり、
前記(C)は、炭素数が8以上18以下の脂肪酸とポリグリセリンとの縮合エステル化合物(C1)と、
数平均分子量が200以上2000以下であるポリオキシエチレン鎖と炭素数が8以上20以下の脂肪酸からなる脂肪酸エステル(C2)と、
ポリプロピレン-ポリオキシエチレングラフトポリマー(C3)と、から選ばれる1つ以上を含み、
前記ホットメルト接着剤組成物を、JIS K6768:1999に準じて測定した水による滴下10秒後の接触角が、50°以下であることを特徴とする、ホットメルト接着剤組成物。 - 前記ホットメルト接着剤組成物は、平行平板レオメータを用い、周波数1Hz、ずり速度1rad/sの条件で測定した180℃における溶融動粘度が、50,000mPa・s以下であることを特徴とする、請求項1に記載のホットメルト接着剤組成物。
- 前記ホットメルト接着剤組成物は、3cm×3cm×高さ3cmに硬化させた硬化物に対し、JIS K7215:1986に準じて測定した23℃におけるデュロメータ―硬さが、D硬度で50°以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のホットメルト接着剤組成物。
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