JP7245374B2 - 難燃性樹脂成形体及びその製造方法 - Google Patents
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とするものである。
940nm波長光の透過率が60%以下である熱可塑性樹脂を含む組成物Bで成形された部品Bとが接合されてなる難燃性樹脂成形体であって、接合の少なくとも一部がレーザー溶着である。
組成物Bはリン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含むことが好ましい。
ルキル及び/ 又はアリールもしくはフェニルであり、R3は、直鎖状もしくは分岐状の
C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリーレン、C6~C10-アルキルアリーレン又はC6~C10- アリールアルキレンであり、M はカルシウム(イオン) 、マ
グネシウム(イオン) 、アルミニウム(イオン) 及び/又は亜鉛(イオン)であり、mは2又は3であり、nは1又は3であり、xは1又は2である。]
熱可塑性樹脂は難燃性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂はポリアミド樹脂であることが好ましい。
部品Aと部品Bとは離間して配置されていてもよい。
接合の少なくとも一部がレーザー溶着であるとは、部品Aと部品Bの接合部分が複数箇所ある場合には、その一部の箇所の全てあるいは一部分がレーザー溶着されていてもよいし、複数箇所の接合部分の全てがレーザー溶着されていてもよいことを意味する。また、部品Aと部品Bの接合部分が1箇所の場合にはその一部分がレーザー溶着されていてもよいし、接合部分の全てがレーザー溶着されていてもよいことを意味する。
難燃性ポリアミド樹脂を含む組成物Aは、UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV-1又はV-0の難燃性を示し、940nm波長光の透過率が20%以上である。
UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV-1又はV-0の難燃性は、後述する実施例に記載した方法で測定することができる。
組成物Aの940nm波長光の透過率は20%以上であり、20~50%であることが好ましく、さらには20~35%であることがより好ましい。透過率は後述する実施例に記載した方法で測定することができる。
難燃性ポリアミド樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジアミンとの重縮合物、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物などが挙げられ、具体的にはポリ(カプロラクタム)(以下ポリアミド6と略す)、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(以下ポリアミド66と略す)、ポリ(テトラメチレンアジパミド)(以下ポリアミド46と略す)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(以下ポリアミド610と略す)、ポリ(ヘキサメチレンドデカミド)(以下ポリアミド612と略す)、ポリ(ウンデカメチレンアジパミド)(以下ポリアミド116)、ポリ(ウンデカラクタム)(以下ポリアミド11と略す)、ポリ(ドデカラクタム)(以下ポリアミド12と略す)等の脂肪族ポリアミドやポリ(メタキシリレンアジパミド)(以下ポリアミドMXD6と略す)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)(以下ポリアミド6Tと略す)、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド)(以下ポリアミド6Iと略す)、ポリ(ノナメチレンテレフタルアミド)(以下ポリアミド9Tと略す)、ポリ(テトラメチレンイソフタルアミド)(以下ポリアミド4Iと略す)等の芳香族成分を含むポリアミド及び上記の脂肪族ポリアミド同士や芳香族成分を含むポリアミド同士や脂肪族ポリアミド同士と芳香族成分を含むポリアミドの共重合体や混合物を挙げることができる。
、融点が240℃以上で且つ270℃以下のポリアミド樹脂が好ましい。例えば、ポリアミド66、ポリアミドMXD6、66/6I共重合ポリアミド、66/6I/6T三元共重合ポリアミド、66/6I/6三元共重合ポリアミドである。
組成物Aはリン系難燃剤を含むことが好ましい。
(ホスフィン酸塩及び/又はジホスフィン酸塩)
リン系難燃剤としては、以下の式(I)で表されるホスフィン酸塩及び/又は以下の式(II)で表されるジホスフィン酸塩を含むことが好ましく、ホスフィン酸塩及び/又はジホスフィン酸塩を組成物A100質量%(組成物Bの場合には組成物B100質量%)に対して1~30質量%含むことが好ましい。
ルキル及び/ 又はアリールもしくはフェニルであり、R3は、直鎖状もしくは分岐状の
C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリーレン、C6~C10-アルキルアリーレン又はC6~C10- アリールアルキレンであり、M はカルシウム(イオン) 、マ
グネシウム(イオン) 、アルミニウム(イオン) 及び/又は亜鉛(イオン)であり、mは2又は3であり、nは1又は3であり、xは1又は2である。]
ゼン-1,4-(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。
また金属成分としてはカルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。
また、ホスフィン酸塩は必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応物あるいは副生成物が多少残存していても良い。
ホスフィン酸塩は難燃剤として作用するが、メラミンとリン酸とから形成される付加物と併用することで少ない難燃剤量で優れた薄肉難燃性と優れた電気特性を発現する。
メラミンとリン酸とから形成される付加物としては、次の化学式(C3H6N6・HPO3)n、(ここでnは縮合度を表す)で示されるもので、メラミンとリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸との実質的に等モルの反応生成物から得られるものを意味し、製法には特に制約はない。通常、リン酸メラミンを窒素雰囲気下、加熱縮合して得られるポリリン酸メラミンを挙げることができる。
また、ポリリン酸メラミンは必ずしも完全に純粋である必要はなく、未反応のメラミンあるいはリン酸、ポリリン酸が多少残存していても良い。
本発明の難燃性樹脂成形体は、上記難燃剤に加えて、金属化合物のような難燃助剤を含むことが好ましい。金属化合物として例えば、ホウ酸金属塩が好ましく、ホウ酸亜鉛、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム等が挙げられる。樹脂の分解で燃料となるガスの発生を抑制し、難燃性を高めるのに必要な不燃層(又は炭化層)の形成効率が高く、即ち難燃性に優れ、さらに300℃以上の熱加工時での安定性にも優れるので、xZnO・yB2O3・zH2O(x>0、y>0、z≧0)で表されるホウ酸亜
鉛が好ましい。さらには、2ZnO・3B2O3・3.5H2O、4ZnO・B2O3・H2O、2ZnO・3B2O3で表されるホウ酸亜鉛が好ましい。
また、これらのホウ酸金属塩はシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で処理されていてもよい。また、平均粒径は、好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは、15μm以下であり、特に好ましくは7μm以下である。
組成物Aはレーザー光透過吸収性成形部材用着色剤を含むことが好ましい。レーザー光透過吸収性成形部材用着色剤とは、添加することによって部品Aをレーザー光の一部を透過しながら、一部を吸収することができるようにするものである。具体的なものとしては、カーボンブラック、アジン系化合物、ニグロシン、アニリンブラック、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポルフィリン、シアニン系化合物、ペリレン、クオテリレン、金属錯体、アゾ染料、アントラキノン、スクエア酸誘導体及びインモニウム染料等が挙げられ、これらの着色剤は用途に応じて、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このようなレーザー光透過吸収性成形部材用着色剤の市販品としては、例えばACWマスターバッチ(オリヱント化学工業:eBIND ACW-9871)を挙げることができる。このようなレーザー光透過吸収性成形部材用着色剤を含ませることにより、溶着強度を高めることができるほか、レーザー溶着時にレーザー溶着する部品間(接合対象物間)に隙間が存在しても接合可能となる。
<熱可塑性樹脂>
熱可塑性樹脂としては、芳香族ビニル化合物重合体、芳香族ビニル化合物共重合体、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド66/6、芳香環含有ポリアミド、脂肪族環含有ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンから選ばれる少なくとも1種以上であることが好ましい。より好ましくは、芳香族ビニル化合物共重合体、芳香環含有ポリアミド、脂肪族環含有ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォンから選ばれる少なくとも1種以上である。さらに好ましくは、芳香族ビニル化合物共重合体、芳香環含有ポリアミド、脂肪族環含有ポリアミド、液晶ポリマーから選ばれる少なくとも1種以上である。
結晶性熱可塑性樹脂は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<ハロゲン系難燃剤>
ハロゲン系難燃剤としては、ハロゲン元素を含む難燃剤であれば、特に限定されるものではなく、例えば、塩素系難燃剤や臭素系難燃剤などが挙げられる。
ハロゲン系難燃剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよ
い。
プラス25<登録商標>)、及び無水ヘット酸などが挙げられる。
量部に対して、好ましくは30~60質量部であり、より好ましくは35~55質量部であり、さらに好ましくは40~50質量部である。
ハロゲン系難燃剤の含有量を30質量部以上とすることにより、難燃性に優れるポリアミド樹脂組成物を得ることができる。また、ハロゲン系難燃剤の含有量を60質量部以下とすることにより、溶融混練時に分解ガスの発生、成形加工時の流動性の低下や、成形金型に汚染性物質の付着を抑制することができる。さらに、靭性及び剛性などの機械物性や成形品外観の低下も抑制することができる。
これらの難燃助剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における組成物A及び組成物Bは強化材を含んでいてもよい。強化材を含むことにより、更なる難燃性、機械特性の向上を図ることができる。
強化材としては、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、石膏繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカ繊維、マイカ、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ウォラストナイト、アパタイト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、酸化チタン等の繊維状、粒状、板状、あるいは針状の無機質強化材が挙げられる。これらの強化材は二種以上組み合わせて用いてもよい。特にガラス繊維等の繊維状強化材が燃焼時のドリップ抑制効果が高く、また、燃焼時に生成する不燃層(又は炭化層)強化を行い、発泡した不燃層(又は炭化層)の形状を維持し、高い難燃化を実現できるので好ましく使用される。
剤、光安定剤、酸化防止剤、抗菌・防かび剤、助色剤、分散剤、安定剤、可塑剤、改質剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、結晶促進剤及び結晶核剤等が挙げられる。これらの添加剤は1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。但し、組成物Aの場合は、厚み1mm厚の成形品で940nmの光線透過率が20%以上となるように、組成物Bの場合には、厚み1mm厚の成形品で940nmの光線透過率が60%以下となるようにする。
組成物A及びBの製造方法は、特に限定はない。組成物A及びBがともに難燃剤を含む場合について説明すると、組成物Aの場合には、難燃性ポリアミド樹脂と、難燃剤や難燃助剤を、組成物Bの場合には、熱可塑性樹脂と、難燃剤や難燃助剤を、常用の単軸又は2軸の押出機やニーダー等の混練機を用いて、樹脂の融点等に応じて、200~350℃の温度で溶融混練することが一般的であるが、強化材を添加する場合には、機械特性を維持するために、樹脂と難燃剤や難燃助剤を充分に溶融混練された後に添加することが好ましい。
組成物A及びBは、射出成形、押出成形、ブロー成形など公知の方法によって部品A及び部品Bに成形することができる。
本発明の難燃性樹脂成形体の製造方法は、部品Aと部品Bとのレーザー溶着を、部品Aにレーザー光を照射して行うものである。従来、UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV-1又はV-0の難燃性を示す部品は、レーザー溶着で使用する領域の波長800~1600nmの赤外光線、800~1100nmに発振波長を有するレーザー光の透過率が低く、レーザー溶着を行うことができなかったが、本発明の部品Aは、940nm波長光の透過率が20%以上であるので、部品Aにレーザー光を照射することで部品Bと溶着することができる。
部品Aと部品Bとが当接している場合でも、部品Aは、940nm波長光の透過率が20%以上であるので、部品Aにレーザー光を照射すると照射された部分が溶融するため部品Bと溶着させることができる。
また、部品Aと部品Bとが離間していても、部品Aにレーザー光を照射すると照射された部分が溶融し、溶融した部分が部品Bと接触することで接合させることができる。
本発明の難燃性樹脂成形体は、例えば、パソコン、ハードディスクDVD(digital video disk)ドライブレコーダー、デジタルビデオカメラ、携帯型デジタル音楽プレーヤー、携帯電話等のデジタル家電製品に使用されるハードディスクの内部部品や各種コンピューター及びその周辺機器等の内部部品、IC(integrated circuit)トレー材料、各種ディスクプレーヤー等のシャーシー、キャビネット等の電気・電子部品、リレーブロック材料等に代表されるオートバイ、電動自転車、自動車の電装部品、自動車用耐熱部品あるいは事務機器用耐熱部品に好適である。中でも精密成形が必要とされるハードディスクの内部部品、オートバイ、電動自転車、自動車の電装部品として好適に使用される。
オートバイ、電動自転車、自動車の電装部品としては、例えば電池ケースやバッテリーケースが挙げられる。
なお、実施例及び比較例に用いた原材料及び測定方法を以下に示す。
[(a)ポリアミド樹脂]
(a-1):下記ポリアミド製造例のポリアミド66(PA66)硫酸相対粘度2.79
(b-1):ガラス繊維(GF) 日本電気硝子(株)製 商品名 ECS03T275H/PL(平均繊維径10.5μm)
(c-1):ホスフィン酸塩:特開平08-73720号公報に記載されている製法を参考にして、製造されたジエチルホスフィン酸アルミニウム(以下、DEPAlと記載する)。
(c-2):メラミンとリン酸とから形成される付加物:ポリリン酸メラミン(以下、MPPと記載する) チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製 商品名 Melapur200/70
(c-3):臭素化ポリスチレン:ALBEMARLE CORPORATION製 商品名 SAYTEXHP-7010G(元素分析より臭素含有率:63質量%、塩素含有率:170ppm。GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)より数平均分子量(Mn):11000、重量平均分子量(Mw):101000)
(d-1):ホウ酸亜鉛:2ZnO・3B2O3(ホウ酸亜鉛A)U.S.Borax社製 商品名 Firebrake500
(d-2):三酸化二アンチモン 第一エフ・アール(株)製 商品名 三酸化アンチモン
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.40kgとアジピン酸0.1kg、及び純水2.5kgを5Lのオートクレーブの中に仕込み良く撹拌した。充分窒素置換した後、撹拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気による自然圧で内圧はゲージ圧で1.76MPaになるが、1.76MPa以上の圧にならないよう水を反応系外に除去しながら加熱を続けた。さらに2時間後内温が260℃に到達したら、加熱は続けながら、オートクレーブのバルブの開閉調整を行い、ゆっくり約40分かけて、内圧が0.2MPaになるまで降圧する。その後、約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレーブを開け、約2kgのポリマーを取りだし粉砕した。得られたポリアミドは、融点264℃、硫酸相対粘度2.79であった。
上記で製造したポリアミド66と、各成分の組成を表1に記載のとおりとし、ロスインウェイトフィーダー(K-TRON社製LWF-D5)を用いて、二軸押出機(東芝機械(株)製TEM35BS、二軸同方向スクリュー回転型、L/D=47.6)の第一供給口へ供給した。バレル温度260℃、吐出量30kg/hr、スクリュー回転数150rpmで押出しを行った。押出機のスクリューは、2つの混練ブロックを設けた。押出機先端ノズルからストランド状にポリマーを排出し、水冷、カッティングを行い、ポリアミド樹脂組成物ペレット(材料1~6)を得た。
上記材料1~6の無着色ペレットをシリンダー温度285℃に設定した成形機(住友重機械工業製SE50D)に導入し、金型温度80℃で成形した平板(60×60×1mm)からサンプルを切り出し、分光光度計(日本分光株式会社製分光光度計V-670)にて940nm光波長の透過率を測定した。測定した結果を表1に示す。
上記材料1~6の無着色ペレットを用いて、270℃に設定したスクリューインライン型射出成形機に供給し、金型温度80℃の条件で、UL-94垂直燃焼試験測定用テストピースを射出成形した(厚み:1mm)。このようにして成形したそれぞれ5本の試験片を用いて、UL-94垂直燃焼試験に基づき難燃性を評価し、難燃性V-0、V-1、V-2、HBの判定を実施した。測定した結果を表1に示す。
上記材料1にレーザー溶着用着色マスターバッチ(オリヱント化学工業:eBIND ACW-9871、以下単にACWと記載する)を20倍から200倍までの希釈倍率でドライブレンドした材料で板厚1mmの平板を成形した(材料7~12)。具体的には、上記材料1に各希釈倍率のACWを添加してペレットを製造し、このペレットをシリンダー温度285℃に設定した成形機(住友重機械工業製SE50D)に導入し、金型温度80℃で成形した平板(60×60×1mm)サンプルを切り出し、分光光度計(日本分光株式会社製分光光度計V-670)にて940nm光波長の透過率と光線反射率を測定した。
上記各材料のペレットを、シリンダー温度285℃に設定した成形機(住友重機械工業製SE50D)に導入し、金型温度80℃で平板(60×60×1mm)を成形した。この平板を部材A又は部材Bとして用い、2枚の板厚1mmの平板を固定した状態で、レーザー溶着機のヘッドを走査速度62.8mm/secで走査径φ20mmの円を描くようにレーザーを照射し、同時にその部分をエアーで冷却し、溶着後の溶着状態を確認して、以下の基準で評価した。
AA:溶着状態/外観共に良好、剥離評価で母材破壊が発生し、溶着部を引き剥がせない
A:溶着状態良好、剥離評価で溶着部が破壊するが溶着痕が観察された
B:溶着するが、剥離試験で溶着部が容易に剥離し溶着痕が不鮮明
C:溶着せず
結果を表3に示す。なお、表3のFH772標準黒色は旭化成株式会社製レオナ(登録商標)樹脂FH772の標準黒色、材料3標準黒色とは表1の材料3に一次粒径27nmのカーボンブラックで着色した材料である。
Claims (11)
- UL94耐炎性試験準拠の垂直難燃性試験において、1mm厚の試験片でV-1又はV-0の難燃性を示し、940nm波長光の透過率が20%以上である、難燃性ポリアミド樹脂を含む組成物Aで成形された部品Aと、
940nm波長光の透過率が16.3%以下であるポリアミド樹脂を含む組成物Bで成形された部品Bとが接合されてなる難燃性樹脂成形体であって、前記接合の少なくとも一部がレーザー溶着である難燃性樹脂成形体。 - 前記組成物Aがリン系難燃剤を含む請求項1記載の難燃性樹脂成形体。
- 前記組成物Bがリン系難燃剤又はハロゲン系難燃剤を含む請求項1又は2記載の難燃性樹脂成形体。
- 前記リン系難燃剤が、以下の式(I)で表されるホスフィン酸塩及び/又は以下の式(II)で表されるジホスフィン酸塩を含み、前記ホスフィン酸塩及び/又は前記ジホスフィン酸塩を前記組成物A100質量%又は前記組成物B100質量%に対して1~30質量%含む請求項2又は3記載の難燃性樹脂成形体。
ルキル及び/ 又はアリールもしくはフェニルであり、R3は、直鎖状もしくは分岐状の
C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリーレン、C6~C10-アルキルアリーレン又はC6~C10- アリールアルキレンであり、M はカルシウム(イオン) 、マ
グネシウム(イオン) 、アルミニウム(イオン) 及び/又は亜鉛(イオン)であり、mは2又は3であり、nは1又は3であり、xは1又は2である。] - 前記リン系難燃剤が、さらにメラミンとリン酸とから形成される付加物を、前記組成物A100質量%又は前記組成物B100質量%に対して1~30質量%含む請求項4記載の難燃性樹脂成形体。
- さらにホウ酸金属塩を、前記組成物A100質量%又は前記組成物B100質量%に対して0.1~10質量%含む請求項4又は5記載の難燃性樹脂成形体。
- 前記組成物Aが、さらにレーザー光透過吸収性成形部材用着色剤を含む請求項1~6いずれか1項記載の難燃性樹脂成形体。
- 前記難燃性樹脂成形体が電池ケース又はバッテリーケースである請求項1~7いずれか1項記載の難燃性樹脂成形体。
- 請求項1から8いずれか1項記載の難燃性樹脂成形体の製造方法であって、前記部品Aと前記部品Bとのレーザー溶着を、前記部品Aにレーザー光を照射して行う難燃性樹脂成形体の製造方法。
- 前記部品Aと前記部品Bとが当接して配置されている請求項9記載の難燃性樹脂成形体の製造方法。
- 前記部品Aと前記部品Bとが離間して配置されている請求項9記載の難燃性樹脂成形体の製造方法。
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