JP7244829B2 - 干渉電子顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、波動性を有する粒子線を利用する装置に係り、特に干渉電子顕微鏡などの電子波干渉技術に関する。本明細書は電子顕微鏡に関して記載するが、電子線以外の波動性を有する粒子線を利用する装置にも応用可能な発明である。
電子波干渉技術は、電子波の振幅変化と位相変化を計測することにより、試料構造や物質あるいは真空中の電磁場を定量的に計測する手法である。
図1に、従来型電子線ホログラフィーにおける干渉光学系を示す。電子源1より発せられた電子波2は図示するように進む。第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4により電流密度が調整され、第2の照射電子レンズ4と対物レンズ5との間の光軸片側に試料6が置かれ、試料6を電子線が照射する。対物レンズ5の作用により得られる像は拡大レンズ9により拡大され、試料面12上の第1の領域(試料)を通過した電子波7と試料面12上の第2の領域を通過した電子波8は結像系の電子線バイプリズム10により内側に曲げられ、観察面11において重畳され干渉し干渉縞(以下、ホログラムとも呼ぶ)が検出される。得られたホログラムから再生を行い、試料6による電子波の変化を求める。試料6の情報を反映した、第1の領域を通過した電子波7は、以下物体波7とも記載する。また、第2の領域を通過した電子波8は、以下参照波8とも記載する。
この方法においては、第1の領域を通過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8は試料位置において隣り合っている。試料面換算での干渉領域の幅は、試料面に照射された電子波の試料面内方向の可干渉距離によって制限される(非特許文献1参照)。
この方法における電子波の可干渉距離は、高い輝度の光源を用いるか、照射電流密度を低くすることで、大きくすることが出来る。しかし、光源や伝播中での電子同士の斥力による発散効果があり、光源の輝度には物理限界がある。そのため、可干渉距離を大きくすることと、照射電流密度を高くすることは両立しない。そのため、単位時間当たりの計測感度は制限され、時間分解能や最終的な計測感度が制約を受ける。
この計測感度の制限を解消する方法として、結晶による回折波と透過波を干渉させるアイデアが考案された(非特許文献2参照)。回折波を用いるもう一つの利点としては、従来、干渉顕微鏡には、輝度の高い電界放出型電子銃しか電子源として用いることが出来なかったが、回折波を用いることで光源の輝度への制約がなくなり、例えばLaBのような輝度の低い様々な電子源を用い、干渉顕微鏡が実現することである。
特開2013-246911号公報
A. Tonomura, "Applications of electron holography",Rev. Mod. Phys. 59 (1987), p.639-669. G. Pozzi, "Off-axis image electron holography: a proposal", Optik 47 (1977) No.1, p.105-107.
前記結晶の回折波を用いる手法は、以下の課題を有する。
第一の課題は、結晶に数nm径の電子ビームを照射するため、照射領域へのコンタミや電子線ダメージが起こり、長時間にわたり一定な条件での計測が出来ないことである。
第二の課題は、結晶で回折される回折波の強度が一様ではなく、高精度計測が出来ないことである。試料が無い状態で参照ホログラムを計測しておき、試料を入れたホログラムとの差分で、試料の情報を反映した電子波をある程度求めることができるように考えられる。しかし、第1の領域を通過する電子波7として利用される回折波と試料情報(試料を一様な波動場が透過した際に波動場へ与える変化)との掛け算になるため、参照ホログラムを用いたとしても、第1の領域を通過する電子波の試料照射前の情報と試料情報を分離して算出することは出来ない。
第三の課題は、結晶は三次元構造体であり、理想的な一次元回折を起させることができない。結晶を傾斜させることにより、ある程度一次元回折に近い状態を作ることはできるが、完全な一次元回折を起すことが困難であることに加え、高次の回折までは制御することはできない。
第四の課題は、試料位置での物体波と参照波の距離が結晶の格子面間隔と電子光学系の設計で決まり、観察条件の自由度が無いことである。様々な計測対象への応用を考えた場合、観察条件の自由度を有することは大変重要である。
本発明の目的は、上記の課題を解決し、干渉電子顕微鏡における照射電流密度を高くでき、結晶を用いることによる課題がなく、試料面での物体波と参照波の距離を自由にコントロールすることができる干渉電子顕微鏡を提供することにある。
上記の目的を達成するための、本発明の「干渉電子顕微鏡」の一例を挙げるならば、
電子源と、前記電子源から放出された電子線を試料に照射する照射レンズ系と、前記試料の像を結像する結像レンズ系と、前記結像レンズ系による前記試料の像を観察する観察面と、を備え、電子波を干渉させる干渉電子顕微鏡であって、
前記電子源と前記照射レンズ系との間に設置され、前記電子源から放出された電子線を回折して第1の電子波と第2の電子波を作成する、電子波の照射領域が数100nm~数10μmであり、その領域に数10本~数100本の格子を有する人工格子と、前記照射レンズ系に設置され、前記第1の電子波と前記第2の電子波を偏向し、前記第1の電子波を試料を通過させて物体波とし、前記第2の電子波を参照波とする、電子波進行方向と平行な平行平板の間に電極フィラメントを設置した照射系の電子線バイプリズムと、前記結像レンズ系に設置され、前記物体波と前記参照波を偏向し、前記観察面において前記物体波と前記参照波を重畳して像を得る結像系の電子線バイプリズムと、を備え、前記照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントが、前記人工格子の回折波の0次回折波を遮る位置に設置されているものである。
本発明によれば、干渉電子顕微鏡における照射電流密度を高くでき、結晶を用いることによる課題がなく、試料面での物体波と参照波の距離を自由にコントロールすることができる干渉電子顕微鏡を提供することができる。
従来方法による、干渉電子顕微鏡の一例の模式図である。 本発明の干渉電子顕微鏡の原理構成を示す模式図である。 第1の実施例に係る、干渉電子顕微鏡の構成図である。 第2の実施例に係る、マスクを備えた干渉電子顕微鏡の構成図である。 第2の実施例に係る、マスクの構成の一例を示す図である。 第3の実施例に係る、電子線バイプリズム機能を兼ね備えたマスクを備えた干渉電子顕微鏡の構成図である。 第3の実施例に係る、電子線バイプリズム機能を兼ね備えたマスクの構成の一例を示す図である。 第4の実施例に係る、電子源を励起するレーザー源を備えた干渉電子顕微鏡の構成図である。 第5の実施例に係る、面光源を励起するレーザー源を備えた干渉電子顕微鏡の構成図である。
種々の干渉電子顕微鏡の実施例を説明する前に、図2の模式図を用いて、本発明の透過型電子顕微鏡を利用した干渉電子顕微鏡の原理構成を説明する。なお、以下に説明する原理構成の説明は、後に説明する各実施例の干渉電子顕微鏡に適用できる。
図2において、電子源1から放出された電子波2は、電子線の流れる方向の下流方向に配置された人工格子13に照射される。
人工格子13は例えば集束イオンビーム装置で作製された二次元構造体であり、電子波2の照射領域は数100nm~数十マイクロメートルであり、その領域に数十~数百本の格子を有する。人工格子13への電子波2の照射領域が、結晶による回折波を用いる場合の、結晶への電子波2の照射領域である数nmに比べ桁違いに広いため、人工格子13への電子線照射によるコンタミやダメージはほぼ無視できる。また、結晶の場合に起こるわずかな結晶の曲がりによる回折波の不均一性や、結晶の厚さの変化による回折波の不均一性も、人工格子では無視でき、一様な回折波を得ることができる。
人工格子13の格子は等間隔で平行なパターンに限定されず、意図的に回折波に対して特定の位相分布を持せることも含む。例えば、顕微鏡のレンズの収差を補正する目的で、レンズの収差の逆成分を回折波に与えるようにすることも可能である。また、フォーク状格子を作製することで、螺旋波を発生させることも可能である。
この人工格子13で回折された回折波の間に配置された、照射系の電子線バイプリズム14により、電子波は光軸に対して内側もしくは外側に偏向され、試料位置での第1の領域を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面を照射する位置が制御される。そして、第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4の作用により、試料6のおかれた第1の領域を透過する電子波7と、試料6のおかれていない第2の領域を通過する電子波8の試料面12上での電流密度が制御され、試料面上の二つの領域をそれぞれ二つの電子波7、8が照射する。
電子線バイプリズムは、電子波進行方向と平行な平行平板の間に、電極フィラメントを設置する。そして、電極フィラメントに電位を印加することで発生する、フィラメント電極と平行平板との間の電場により、電極フィラメントの左右を通過する電子波を光軸に対して、内側もしくは外側に偏向する機能を有する。一般的に、光軸に対して回転する機構、光軸に対して垂直な面内で電子線バイプリズムを移動させる機構を有するシステムが市販されている。なお、本明細書において、電子線バイプリズムについて、光学系の中で厳密に電極フィラメントを示す場合は『電子線バイプリズムの電極フィラメント』もしくは、『電極フィラメント』と表記し、電子線の偏向器として慣用する場合には『電子線バイプリズム』とのみ表記するが、符号に関しては同じものを用いる。
試料6の像は、試料6よりも下流側に設置された対物レンズ5にて結像される。この結像作用は、対物レンズ5よりも下流側の拡大レンズ9に引き継がれ、最終的に電子線装置である透過型電子顕微鏡を利用した干渉電子顕微鏡の観察面11に結像される。
また、試料面を通過した第1の領域におかれた試料6を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8は、二つの電子波の影の領域に設置された結像系の電子線バイプリズム10によって電子線が光軸に対し偏向される。そして、干渉電子顕微鏡の観察面11上で重畳され、干渉することによってホログラムが得られる。得られたホログラムは、電子顕微鏡フィルムやCCDカメラなどの電子線検出器によって検出される。
以上説明した構成の干渉電子顕微鏡と、試料と電子線検出器の間に、一個でなく複数のバイプリズムを装備するホログラフィー電子顕微鏡とを組み合わせると、干渉縞間隔、干渉領域の幅が任意に調整可能となる。
以上概説した、本発明の干渉電子顕微鏡の態様によれば、電子源と試料の間に設置された人工格子の回折波を物体波と参照波に用いることにより、干渉性を担保したまま照射電流密度を高くすることができる。また、照射系に設置された照射系の電子線バイプリズムにより、第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面上での面内距離を制御し、照射系レンズの作用により、第1の領域におかれた試料を透過する第1の電子波7と、第2の領域を通過する第2の電子波8の試料面上での電流密度が制御可能となる。また、結像系の第2の電子線バイプリズムにより、第1の電子波と第2の電子波を観察面上で重畳させ、高い照射電流密度で高いコントラストのホログラムを得ることが可能となる。
これにより干渉電子顕微鏡の単位時間あたりの計測感度が向上し、電磁場観察などの観察において時間分解能を向上させる効果が期待される。
また、従来の電子線ホログラフィーでは観察出来なかった、薄膜試料のエッジからみて内側の領域を高い倍率で、コントラストの高いホログラムを、高い電流密度で得ることも可能となり、ホログラムを位相再生する際の再生位相像のノイズを軽減し、高精度位相解析が可能となる。
以下、本発明の数々の実施例を図面に従い説明する。
図3は、第1の実施例に関する干渉電子顕微鏡の光学系を模式的に示す図である。
図3において、物理的な電子源18が電子線の流れる方向の最上流部に位置する。第1引き出し電極15、第2引き出し電極16、加速電極17に電圧が印加され、物理的な電子源18から放出された電子波は、加速され、電子光学上の電子源1に収束される。本明細書では、第1引き出し電極15、第2引き出し電極16、加速電極17をまとめて加速管39と定義する。印加される電圧の制御により、電子線はその波長が変化し、その軌道も変化する。電子光学系としては、電子光学上の電子源から電子波が放出すると言えるので、以下では、電子光学上の電子源1を電子源1と記載する。
電子源1から電子線の流れる方向の下流方向であって、加速管39と試料6との間に、人工格子13が設置される。図3では加速管39と人工格子13の間に照射系のレンズや絞りは図示されていないが、人工格子13への電子波照射領域を調整するために、絞りや、レンズを使用することは一般的な顕微鏡とかわらないため、ここでは図示を割愛している。そして、人工格子13と試料6の間に位置する、照射系の電子線バイプリズム14により、電子波は光軸に対して偏向され、第2の照射電子レンズ4に向かう。
電子線光軸上において、電子源1が照射系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される面に、照射系の電子線バイプリズム14の電極フィラメントが設置されている。そして、人工格子13を通過した0次回折波が、照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントで遮られ、左右の+-1次回折波がそれぞれ物体波7、参照波8として利用される。物体波7と参照波8はほぼ同じ振幅分布であり、物体波7と参照波8の位相分布に関しては、逆符号であるが絶対値ではほぼ同じ位相分布を有する干渉顕微鏡が実現される。
電極フィラメント14で人工格子13を通過した0次回折波を遮る場合、電子波の加速電圧に対応して、電子波を透過させないだけの厚さが必要である。このため、一般的に、電極フィラメントは断面形状が円形のガラス線の表面に白金などの伝導性を有する金属をコートして製作されるが、本実施例に用いられる電極フィラメントは、電子線を遮るため、電子線伝播方向に厚さを有する形状であることが望ましい。
また、照射系の電子線バイプリズムは二段構成とすることも可能である。照射系の一つの電子線バイプリズムの電極フィラメントを、光源の電子源が照射系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される面に設置することで、物体波7と参照波8の試料面上での距離を制御することができる。また、もう一方の照射系の電子線バイプリズムを、光学的に試料6と等価な試料面の関係となる照射系の位置に設置することで、物体波7と参照波8が試料面を照射する角度を制御することが可能となる。照射系に備えた二段バイプリズムにより、二つの電子波に対して上記制御を与えるホログラフィー電子顕微鏡自身は、特許文献1に詳細が開示されている。また、複数の照射系レンズを用いた場合、光学的に電子源と等価な面と、結像系における光学的に試料面と等価な面は複数存在し、照射系に設置する電子線バイプリズムの設置可能な箇所は複数箇所となる。このような場合における照射系の電子線バイプリズムの設置方法も、特許文献1に詳細が開示されている。
第1の照射電子レンズ3と第2の照射電子レンズ4の作用により、第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面上での電流密度と位置が制御され、試料面上の二つの領域をそれぞれ二つの電子波が照射する。
図3の干渉電子顕微鏡において、物理的な電子源18や加速管39への印加電圧、試料微動機構36、人工格子微動機構40、および電子レンズの励磁状態、電子線バイプリズムへの印加電圧は、制御パーソナルコンピュータ(PC)34に接続された制御系38でコントロールされている。実際の干渉電子顕微鏡ではこの模式図で示した他に、電子線の進行方向を変化させる偏向系、電子線の透過する領域を制限する絞り機構などが存在し、それらの要素もまた制御PC34に接続された制御系38でコントロールされている。しかし、これらの装置は本明細書に開示される干渉電子顕微鏡には直接的な関係が無いので、この図では割愛している。
なお、制御用PC34は、相互に接続された処理部である中央処理部(Central Processing Unit:CPU)、記憶部であるメモリ、入出力インタフェース部等を有する通常のコンピュータ構成を備えている。本明細書においては、装置の制御を行う、これらのPC34、制御系38を纏めて装置の制御部と呼ぶ場合がある。なお、この制御部は一台のコンピュータで構成されている必要はなく、例えば電子線バイプリズムを制御するコンピュータを、干渉電子顕微鏡を構成する他の要素を制御するコンピュータと別に備えるよう構成することもできる。この場合は、複数のコンピュータを纏めて制御部と称する。また、この模式図に示すごとく、電子光学要素は真空容器である顕微鏡本体33中に組み立てられ、真空ポンプにて継続的に真空排気されている。真空系についても、本願発明の干渉顕微鏡とは直接の関係がないため図示、説明は割愛する。
図3の構成において、照射系の電子線バイプリズム14には制御PC34に接続された制御系38より任意の電位を印加することが可能で、試料6の位置における、第1の領域に置かれた試料を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面上での距離を任意にコントロールすることが出来る。また、試料6の位置における、第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面上での距離は照射系のレンズ作用によってもコントロールすることが出来る。
照射電子レンズをさらに増やし、複数枚の照射電子レンズを有する装置構成においては、試料6の位置における、第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面上での距離の制御範囲およびそれぞれの電流密度の調整範囲を広げることが可能となる。
また、電磁レンズの場合、試料面上での電流密度を変化させるために照射系のレンズ作用を変化させる際、電子線が顕微鏡内を螺旋状に回転しながら収束される関係上、試料位置における第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の位置関係が面内に回転し、その距離が変化する。試料面上での電流密度を変化させても、試料面における第1の領域(試料)を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の位置関係が面内で回転しないようにするため、照射系のレンズ電流と連動して、人工格子13とバイプリズムの向きを光軸に垂直な面内で回転させることが可能である。
この連動関係は装置固有に決まった関係となるため、制御PC34に連動操作のデータファイルをメモリしておき、照射系のレンズ電流を変化させると同時に前記データファイルを呼び出し、制御系38により人工格子13と電子線バイプリズムの向きをデータファイルに登録されている方向に登録されている量回転させることが出来る。上記制御により、ユーザはストレス無く、試料面上での電流密度を変化させ、試料位置における第1の領域に置かれた試料を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8の試料面内回転方向の位置関係を容易に保持することが出来る。
試料6の像は、試料6よりも電子線進行方向の下流側の対物レンズ5にて結像される。この結像作用は、対物レンズ5よりも下流側の拡大レンズ9に引き継がれ、最終的に干渉電子顕微鏡の観察面11に結像される。
また、試料面を通過した第1の領域に置かれた試料を透過する電子波7と第2の領域を通過する電子波8は二つの電子波の間の影の領域に設置された結像系の電子線バイプリズム10によって電子線が光軸に対し偏向される。そして、干渉電子顕微鏡の観察面11上で重畳され干渉することによって得られる干渉像は、電子顕微鏡フィルムやCCDカメラなどの電子線検出器37によって検出される。
試料6と観察面11の間には図示されない複数の拡大レンズ、複数のバイプリズムを装備可能で、任意の干渉条件を作ることが出来る。照射系のレンズ電流とバイプリズムの向きを連動させることで、特定の干渉条件を安定して提供できることを説明したように、結像系においても同様に結像系レンズ電流と結像系バイプリズムそれぞれの向きを連動させ回転させることは有効である。これら連動条件は制御PC34にメモリされ、必要なときに呼び出され適切な操作を行う。
拡大レンズをさらに増やし、複数枚の拡大レンズを有する装置構成においては、拡大倍率、結像系での電子線バイプリズムの電極フィラメントと像面の位置関係、および、結像系での電子線バイプリズムの電極フィラメントと電子線が収束する位置の関係を制御する範囲を広げることが可能となり、観察倍率、干渉縞間隔、干渉領域の幅を任意に制御することが可能となる。また、電子線検出器37にて検出された干渉縞は制御系38を介し制御PC34で即座に、もしくは一度制御PC34に保存した後に、再生処理され、再生像がモニタ35に映し出される。再生処理は既に確立された方法が既知であるためここでは詳細を記載しない。
本実施例によれば、上記本発明の原理構成に記載した効果に加えて、電子線光軸上において、電子源が照射系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される面に、照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントを配置し、人工格子を通過した0次回折波が、照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントで遮られるように構成したので、0次回折波を除いた高精度な観察が可能となる。また、照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントで0次回折波を遮るので、次の実施例2で記述するマスクが不要となる。
図4は、実施例2の干渉電子顕微鏡を示す模式図である。本実施例の干渉電子顕微鏡は、人工格子13、マスク19、照射系の電子バイプリズム14、試料6の順に構成されている。電子顕微鏡装置の構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
電子源1から電子線の下流方向であって、電子源1が、照射系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される面に、マスク19が設置される。そして、人工格子13を通過した0次回折波および2次以上の高次回折波が遮られ、左右の+-1次回折波のみを、それぞれ物体波7、参照波8として通過させる。これにより、高次の回折波により干渉パターンが複雑になることを避けることができ、高精度な観察が可能となる。
図5にマスクの一例を示す。マスク19には、第一の電子波(物体波)を通過させる穴20と第二の電子波(参照波)を通過させる穴21が形成されている。
照射系の電子線バイプリズム14の電極フィラメントは、マスクの影の位置に設置され、照射系の電子線バイプリズム14の作用により、物体波7と参照波8の試料面での距離が制御される。
実施例2は上述した本発明の原理を最も簡易に実現する構成である。また、図5に示すマスク19は二つの穴を有する構造で、人工格子13を通過した0次回折波をマスクで遮る構造であるが、実施例1と組み合わせ、人工格子13を通過した0次回折波を照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントで遮り、マスク自体の穴は一つという構造であっても良い。また、図4ではマスク19は照射系の電子線バイプリズム14の近傍に設置されているが、光学的に等価な、光軸におけるいずれの位置であってもよい。ここで言う等価な位置とは、照射系に限るものではなく、電子源1が、照射系と結像系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される結像系の面であってもよい。
また、本発明における物体波7と参照波8の選び方は、人工格子13により回折された、左右の+-1次回折波のみに限るものではなく、0次と+-1次回折波のいずれかを選択してもよい。特に試料が厚い場合などには、物体波は明るい必要があるため、人工格子13の0次回折波を物体波7として選択することは有効である。
本実施例の本質は、マスク19により人工格子13による回折波のうち、物体波7と参照波8として選択しなかった波を遮ることにあり、図4に示す装置構成に限るものではない。
本実施例によれば、上記本発明の原理構成に記載した効果に加えて、マスク19により人工格子13による回折波のうち、物体波7と参照波8として選択しなかった波を遮るので、任意の回折波を選択して観察することができる。
図6は、実施例3の干渉電子顕微鏡を示す模式図である。本実施例の干渉電子顕微鏡は、人工格子13、電圧印加型マスク22、試料6の順に構成されている。電子顕微鏡装置の構成は実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
電子源1から電子線の流れの下流方向に、人工格子13、電圧印加型マスク22、試料6の順に配置される。
電子源1が、照射系の電子レンズの作用により虚像もしくは実像として結像される面に、電圧印加型マスク22が設置される。そして、人工格子13を通過した0次回折波が遮られ、左右の+-1次回折波のみを、それぞれ物体波7、参照波8として通過させる。これにより、高次の回折波により干渉パターンが複雑になることを避けることができ、高精度な観察が可能となる。
図7に電圧印加型マスク22の一例を示す。電圧印加型マスク22は、中央の第一電極23と両側の第二電極24a,24bの間に電場を発生させることができ、照射系の電子線バイプリズム14の機能を兼ね備える。この電圧印加型マスク22の作用により、物体波7と参照波8の試料面での距離が制御される。
本実施例の本質は、電圧印加型マスク22により人工格子13による回折波のうち、物体波7と参照波8として選択しなかった波を遮り、その二つの電子波の試料面での距離を電圧印加型マスク22の作用により制御することにあり、図6に示す装置構成に限るものではない。
また、本発明における物体波7と参照波8の選び方は、人工格子13により回折された、左右の+-1次回折波のみに限るものではなく、0次と+-1次回折波のいずれかを選択してもよい。
本実施例によれば、上記本発明の原理構成に記載した効果に加えて、電圧印加型マスクを用いることにより、人工格子による回折波のうち、物体波と参照波8として選択しなかった波を遮るとともに、二つの電子波の試料面での距離を制御することができる。
図8は、実施例4の干渉電子顕微鏡を示す模式図である。本実施例の干渉電子顕微鏡は、レーザー源42からの電子源励起レーザー光41を電子源に照射することを特徴とする、実施例1に記載の干渉顕微鏡装置である。実施例1と類似しているため、実施例1と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
物理的な電子源18を電子源励起レーザー光41により励起し、電子線が放出されるタイミングを制御する。一方、図示されない試料を照射するレーザー光などにより試料の状態を制御することを可能とする顕微鏡であり、試料状態の制御と、電子線放出のタイミングを同期させることで、試料の動的挙動のある時間のみを記録することが可能である。
なお、本実施例の本質は、人工格子13による回折波のうち、二つの波を物体波7と参照波8として選択し、それら電子波の試料面での距離を電子線バイプリズムの作用で制御する装置であって、電子波2を発生させるタイミングを電子源励起レーザー光41で制御することにあり、図8に示す装置構成に限るものではない。例えば、図4に記載の実施例2や図6に記載の実施例3に記載の電子源を電源励起レーザー光41で励起し、電子波を発生するタイミングを制御してもよい。
本実施例によれば、上記本発明の原理構成に記載した効果に加えて、電子源を電子源励起レーザー光により励起し、電子線が放出されるタイミングを制御し、試料状態の制御と、電子線放出のタイミングを同期させることで、試料の動的挙動のある時間のみを記録することが可能となる。
図9は、実施例5の干渉電子顕微鏡を示す模式図である。本実施例の干渉電子顕微鏡は、実施例4に記載の干渉電子顕微鏡と類似しているため、実施例4と同じ部分の記載は省略し、装置構成の異なる点に関して記載する。
本実施例の干渉電子顕微鏡は、面光源43を電子源として有し、レーザー源42からの電子源励起レーザー光41を面光源43に照射することを特徴とする。この面光源とは、例えば負の電子親和性(Negative Electron Affinity)を持つ面光源が例として挙げられるが、それ以外の面光源であってもよい。なお、面光源として負の電子親和性を持つ表面を利用する場合には、面光源をメンテナンスする目的で、表面処理装置が電子源近傍に設置されていることが好ましいが、これらに関わる付属的な構造物は本発明に関わらないため、ここでは記載してない。
面光源43から発せられた電子波2は照射系のレンズの作用で集束される。電子波が集束される位置には、人工格子13の回折波も集束される。この位置に、照射系の電子線バイプリズム14を設置する。人工格子13により回折された回折波のうち二つの波を物体波7と参照波8として利用し、照射系の電子線バイプリズム14の作用により、物体波7と参照波8の試料面での距離が制御される。
一方、図示されない試料を照射するレーザー光などにより試料の状態を制御することを可能とする顕微鏡であり、試料状態の制御と、電子線放出のタイミングを同期させることで、試料の動的挙動のある時間のみを記録することが可能である。
本実施例の本質は、人工格子13による回折波のうち、二つの波を物体波7と参照波8として選択し、それら電子波の試料面での距離を電子線バイプリズムの作用で制御する装置であって、電子波を発生させるタイミングを面光源43に照射する電子源励起レーザー光41で制御することにあり、図9に示す装置構成に限るものではない。例えば、図4に記載の実施例2や図6に記載の実施例3に記載の電子源を面光源43に置き換え、電子源励起レーザー光41で励起し、電子波を発生されるタイミングを制御してもよい。
本実施例によれば、上記本発明の原理構成に記載した効果に加えて、電子源として面光源を有し、電子波を発生させるタイミングを面光源に照射する電子源励起レーザー光で制御することにより、試料状態の制御と、電子線放出のタイミングを同期させることで、試料の動的挙動のある時間のみを記録することが可能である。
以上説明した、本発明の干渉電子顕微鏡は、電子線干渉装置、電子線ホログラフィー装置に実用化され、本発明をこれらの装置にて実施することにより、ナノ構造の解析と、ナノスケールの構造が有する磁場や電場の観察、材料中の電子スピンの分布などを、高感度に計測できるとともに、時間分解能を向上させ、動的な観察を可能にする。また、照射系の電子線バイプリズムの作用により自由度の高い観察が可能であり、基礎材料、半導体デバイス、スピントロクス材料の時間分解能観察を可能とし、スピントロニクスデバイスの研究および開発に活用できると期待される。さらには単粒子解析的なアプローチと組み合わせることで、生体の電磁場解析を可能とし、新薬創生に貢献することも期待される。
1 電子源(電子光学上の電子源)
2 電子波
3 第1の照射電子レンズ
4 第2の照射電子レンズ
5 対物レンズ
6 試料
7 第1の領域を通過する電子波(物体波)
8 第2の領域を通過する電子波(参照波)
9 拡大レンズ
10 結像系の電子線バイプリズム
11 観察面
12 試料面
13 人工格子
14 照射系の電子線バイプリズム
15 第一引き出し電極
16 第二引き出し電極
17 加速電極
18 物理的な電子源
19 マスク
20 第一の電子波を通過させる穴
21 第二の電子波を通過させる穴
22 電圧印加型マスク
23 第一電極
24a,24b 第二電極
33 顕微鏡本体
34 制御PC
35 モニタ
36 試料微動機構
37 電子線検出器
38 制御系
39 加速管
40 人工格子微動機構
41 電子源励起レーザー光
42 レーザー源
43 面光源

Claims (7)

  1. 電子源と、
    前記電子源から放出された電子線を試料に照射する照射レンズ系と、
    前記試料の像を結像する結像レンズ系と、
    前記結像レンズ系による前記試料の像を観察する観察面と、
    を備え、電子波を干渉させる干渉電子顕微鏡であって、
    前記電子源と前記照射レンズ系との間に設置され、前記電子源から放出された電子線を回折して第1の電子波と第2の電子波を作成する、電子波の照射領域が数100nm~数10μmであり、その領域に数10本~数100本の格子を有する人工格子と、
    前記照射レンズ系に設置され、前記第1の電子波と前記第2の電子波を偏向し、前記第1の電子波を試料を通過させて物体波とし、前記第2の電子波を参照波とする、電子波進行方向と平行な平行平板の間に電極フィラメントを設置した照射系の電子線バイプリズムと、
    前記結像レンズ系に設置され、前記物体波と前記参照波を偏向し、前記観察面において前記物体波と前記参照波を重畳して像を得る結像系の電子線バイプリズムと、
    を備え
    前記照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントが、前記人工格子の回折波の0次回折波を遮る位置に設置されている干渉電子顕微鏡。
  2. 請求項1に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記照射系の電子線バイプリズムに印加する電位を調節する制御部を備え、前記第1の電子波と前記第2の電子波の試料面を照射する位置を調整することを特徴とする干渉電子顕微鏡。
  3. 請求項1に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記観察面上に結像された試料の干渉像を観察もしくは記録することを特徴とする干渉電子顕微鏡。
  4. 請求項に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記照射系の電子線バイプリズムの電極フィラメントの断面形状が、電子線伝播方向に厚みを持つことを特徴とする干渉電子顕微鏡。
  5. 請求項1に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記照射系の電子線バイプリズムと前記結像系の電子線バイプリズムとによる前記第1の電子波と前記第2の電子波への偏向作用により、前記観察面上に構成された重畳領域内に観察もしくは記録可能な電子線干渉縞が構成されることを特徴とする干渉電子顕微鏡。
  6. 請求項1に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記照射レンズ系に二つの電子線バイプリズムを備え、
    前記照射レンズ系の二つの電子線バイプリズムが電子波に与える偏向作用により、前記第1の電子波と前記第2の電子波が試料面を照射する位置と角度を制御することを特徴とする干渉電子顕微鏡。
  7. 請求項1に記載の干渉電子顕微鏡において、
    前記結像レンズ系に複数の電子線バイプリズムを備え、
    前記結像レンズ系の複数の電子線バイプリズムが電子波に与える偏向作用により、前記観察面における干渉領域と干渉縞間隔を制御することを特徴とする干渉電子顕微鏡。
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