JP7244780B1 - ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
Description
実施形態1のラジアルフォイル軸受について説明する。本開示のラジアルフォイル軸受(26)は、例えば冷凍装置(1)のターボ圧縮機(20)に適用される。
図1に示す冷凍装置(1)は、ターボ式圧縮機(以下、圧縮機(20)ともいう)を備える。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(1a)を有する。冷媒回路(1a)は、圧縮機(20)、放熱器(2)、減圧機構(3)、および蒸発器(4)を有する。減圧機構(3)は、膨張弁である。冷媒回路(1a)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
圧縮機(20)の概要について図2を参照しながら説明する。図2は、圧縮機(20)の概略の縦断面図である。本実施形態の圧縮機(20)は、1つの圧縮機構(50)を有する単段式である。圧縮機(20)は、ケーシング(21)、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を有する。ケーシング(21)は、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を収容する。圧縮機(20)は、回転軸(35)を支える軸受を有する。軸受は、ラジアルフォイル軸受(26)およびスラスト軸受(27)を有する。
ケーシング(21)は、胴部(22)と、第1閉塞部(23)と、第2閉塞部(24)とを有する。胴部(22)は、軸方向の両端が開放する筒状に形成される。第1閉塞部(23)は、胴部(22)の軸方向の一端側の開放部を閉塞する。第1閉塞部(23)は、その中央に位置するハウジング(25)を含む。第2閉塞部(24)は、胴部(22)の軸方向の他端側の開放部を閉塞する。
モータ(30)は、固定子(31)と回転子(32)とを有する。固定子(31)は、筒状に形成される。固定子(31)は、ケーシング(21)の胴部(22)の内周面に固定される。回転子(32)は、固定子(31)の内部に設けられる。モータ(30)は、インバータ装置によって運転周波数(回転数)が調節される。言い換えると、圧縮機(20)は、回転数が可変なインバータ式である。このため、モータ(30)の回転数は、比較的低速の回転数から比較的高速の回転数までの間で変化する。
回転軸(35)は、回転子(32)の軸心に固定される。回転軸(35)は、モータ(30)によって回転駆動される。回転軸(35)は、ケーシング(21)の軸方向に沿って延びる。
ラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、2つのラジアルフォイル軸受(26)を有する。ラジアルフォイル軸受(26)の数、および位置は単なる一例である。
スラスト軸受(27)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、1つのスラスト軸受(27)を有する。スラスト軸受(27)の数、および位置は単なる一例である。
圧縮機構(50)は、羽根車(51)の遠心力により流体に運動エネルギーを与え、この運動エネルギーを圧力に変換する遠心式の圧縮機構である。圧縮機構(50)は、ハウジング(25)および羽根車(51)を含む。羽根車(51)は、複数の羽根を有する。圧縮機構(50)では、ハウジング(25)と羽根車(51)との間に圧縮室(52)が形成される。ハウジング(25)には、流体(冷媒)を圧縮室(52)に送る吸入通路(53)が形成される。
ラジアルフォイル軸受(26)について、図3および図4を参照しながら詳細に説明する。ラジアルフォイル軸受(26)は、概ね円筒状に形成される。ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受ハウジング(60)と、バックフォイル(70)と、トップフォイル(80)とを備える。
軸受ハウジング(60)は、本開示のハウジングに対応する。図3に示すように、軸受ハウジング(60)は、トップフォイル(80)およびバックフォイル(70)を収容する。換言すると、軸受ハウジング(60)は、ラジアルフォイル軸受(26)の最外部を構成する。軸受ハウジング(60)は、バックフォイル(70)の径方向外側に配置される。軸受ハウジング(60)は、略円筒状に形成される。軸受ハウジング(60)の軸心は、回転軸(35)の軸心と概ね一致する。
バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)を弾性的に支持する。バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)の径方向外側に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)とトップフォイル(80)との間に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)の内周面に沿って配置される。
トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)と回転軸(35)との間に配置される。換言すると、トップフォイル(80)は、回転軸(35)に対向して配置される。トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)の内面に沿って略円筒状に巻かれる。
次に、圧縮機(20)の運転動作について説明する。
次に、ラジアルフォイル軸受(26)の作用について説明する。
(6-1)
トップフォイル(80)の本体部(81)における第1側縁部(81a)は、第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置する。軸受ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに第1側縁部(81a)が収容される通し溝が形成される。通し溝(61)は、その深さ方向が径方向と一致するように形成される。
トップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。
トップフォイル(80)の本体部(81)は、回転軸(35)の周方向に沿って曲率半径が異なる。言い換えると、トップフォイル(80)の軸受面は、非真円形状に形成される。これにより、回転軸(35)が高速回転したときに生じる不安定な振動をトップフォイル(80)によって抑制することができる。
トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)から取り出したときに、トップフォイル(80)の曲率半径は、回転軸(35)の曲率半径よりも大きい。このため、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に挿入する際に、第1側縁部(81a)を通し溝(61)に配置しやすい。
第2側縁部(81b)は、本体部(81)の内側の面に接触している。第2側縁部(81b)によって本体部(81)を径方向外側に押し付けている。ここで、外乱などによりラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が伝わった場合に、トップフォイル(80)が径方向内側に大きく移動し、第1側縁部(81a)が通し溝(61)から外れて脱落する可能性がある。第1側縁部(81a)が通し溝(61)から外れると、トップフォイル(80)が回転軸(35)の回転に巻き込まれてトップフォイル(80)が焼き付く場合がある。
実施形態2のラジアルフォイル軸受(26)について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態1のラジアルフォイル軸受(26)において、軸受ハウジング(60)およびトップフォイル(80)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態1と異なる点を説明する。
(1-1)軸受ハウジング
軸受ハウジング(60)には、図5および図7に示すように、係合部(62)が形成される。係合部(62)は、後述するトップフォイル(80)の突出部(84)が係合する。係合部(62)は、軸受ハウジング(60)の両側の側面(軸方向両側の端面)にそれぞれ1つずつ形成される。
図6に示すように、トップフォイル(80)は、本体部(81)と、突出部(84)とを有する。突出部(84)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から周方向外側に突出する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)における軸方向両端部に設けられる。トップフォイル(80)の軸方向(短手方向)の長さをLとしたときに、突出部(84)の軸方向の長さL1は0.05L以上且つ0.4L以下(0.05L≦L1≦0.4L)である。
(2-1)
トップフォイル(80)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から外側に突出する突出部(84)を有する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)の軸方向両端部にそれぞれ形成される。軸受ハウジング(60)の両側の側面には、突出部(84)に係合する係合凹部(63)が形成される。係合凹部(63)は、通し溝(61)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の部分と連通する。
係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される。言い換えると、係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面に達していない。これにより、トップフォイル(80)が径方向へ大きく移動しようとしても、突出部(84)が係合凹部(63)における軸受ハウジング(60)の内周面寄りの面(66)に接触することで、トップフォイル(80)の径方向への大きな移動が規制される。その結果、外乱等によりラジアルフォイル軸受(26)に大きな衝撃が加わったときのトップフォイル(80)の径方向への脱落を抑制できる。
上記実施形態については、以下のような変形例としてもよい。なお、以下の説明では、原則として上記実施形態と異なる点について説明する。
トップフォイル(80)の突出部(84)は、第1側縁部(81a)の中央部寄りに設けられてもよい。言い換えると、突出部(84)は、第1側縁部(81a)における軸方向の端部に設けられていなくてもよい。この場合、軸受ハウジング(60)の係合部(62)は、突出部(84)に対応する位置に設けられる係合孔である。係合孔は、軸受ハウジング(60)の外周面から内側に向かって延びる。言い換えると、係合部(62)は、軸受ハウジング(60)の側面に形成されていない。本変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
実施形態3のラジアルフォイル軸受(26)について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態2のラジアルフォイル軸受(26)において、軸受ハウジング(60)の係合部(62)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態2と異なる点を説明する。
図8に示すように、軸受ハウジング(60)の係合部(62)は、軸方向内側に窪む凹部で構成される係合凹部(63)である。係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の側面を直線状に切り欠くように形成される。係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の外周面から通し溝(61)に向かって斜めに延びる。具体的には、係合凹部(63)は、対応するトップフォイル(80)の突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びる。係合凹部(63)は、通し溝(61)に連通する。なお、係合凹部(63)は、対応するトップフォイル(80)の突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びるとともに通し溝(61)に連通していればよく、軸受ハウジング(60)の外周面を貫通していなくてもよい。
係合凹部(63)は、対応する突出部(84)の延伸方向Eに沿う第1面(64)を有する。回転軸(35)の振動によりトップフォイル(80)が周方向に移動する場合、本構成では、係合凹部(63)の第1面(64)と突出部(84)とが面で接触する。これにより、回転軸(35)の振動エネルギーが係合凹部(63)と突出部(84)との上記接触面で生じる摩擦の熱エネルギーに変換されて、回転軸(35)の振動を減衰できる。加えて、係合凹部(63)と突出部(84)とが面で接触するので、点で接触する場合に比べて、突出部(84)の摩耗を抑制できる。
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
20 圧縮機
26 ラジアルフォイル軸受
35 回転軸
60 軸受ハウジング(ハウジング)
63 係合凹部
64 第1面
70 バックフォイル
80 トップフォイル
81 本体部
81a 第1側縁部
81b 第2側縁部
84 突出部
P 回転方向
Claims (7)
- 回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有するトップフォイル(80)と、
前記トップフォイル(80)の外側に配置され、該トップフォイル(80)を弾性的に支持するバックフォイル(70)と、
前記バックフォイル(70)および前記トップフォイル(80)を収容する筒状のハウジング(60)とを備え、
前記本体部(81)は、
前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、
前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、
前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)における径方向の外側に位置し、
前記ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、
前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成され、
前記ハウジング(60)の一方側の側面には、前記軸方向内側に窪むとともに前記通し溝(61)における前記回転方向(P)前側の部分と連通する係合凹部(63)が形成され、
前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)から外側に突出し、前記係合凹部(63)に係合する突出部(84)を有する
ラジアルフォイル軸受。 - 前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面のそれぞれに形成され、
前記突出部(84)は、前記トップフォイル(80)の前記第1側縁部(81a)における前記軸方向両端部のそれぞれに形成される
請求項1に記載のラジアルフォイル軸受。 - 前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される
請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受。 - 前記係合凹部(63)は、対応する前記突出部(84)の延伸方向に沿う第1面(64)を有する
請求項1~3のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。 - 前記トップフォイル(80)は、前記ハウジング(60)に対して該ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される
請求項1~4のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。 - 請求項1~5のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機。
- 請求項6に記載の圧縮機(20)を備える冷凍装置。
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