JP7244780B1 - ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラジアルフォイル軸受の組立加工性を向上させる。【解決手段】ラジアルフォイル軸受(26)は、トップフォイル(80)とハウジング(60)とを備える。トップフォイル(80)の本体部(81)は、回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有する。第1側縁部(81a)は、第2側縁部(81b)よりもハウジング(60)における径方向の外側に位置する。ハウジング(60)の内周面には、第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成される。通し溝(61)は、その深さ方向が径方向と一致するように形成される。【選択図】図3

Description

本開示は、ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置に関する。
従来、冷凍装置の圧縮機に設けられる回転軸を支持する流体潤滑軸受としてフォイル軸受が知られている。特許文献1には、回転軸の径方向に作用する荷重を支持するラジアルフォイル軸受が開示されている。特許文献1のラジアルフォイル軸受は、軸受ハウジングと固定具とトップフォイルとを備える。
軸受ハウジングの内周面には、通し溝が形成されている。固定具は、通し溝に嵌め込まれることで、該通し溝を長さ方向に分割して複数の係合溝を形成する。トップフォイルは、一方の辺側に第1凹凸部を有し、他方の辺側に第2凹凸部を有する。トップフォイルは、第1凹凸と第2凹凸部とが重なるように円筒状に巻かれている。各凹凸部の凸部を係合溝に係合させることにより、トップフォイルを軸受ハウジングに固定している。
特許文献1の通し溝の内周面には、通し溝の長さ方向に沿って係止凹部が形成されている。係止凹部には、各凹凸部の凸部の先端部が係止される。これによって凸部の位置決めを容易にしている。
特開2013-217425号公報
特許文献1のラジアルフォイル軸受では、トップフォイルを組み付ける際に、トップフォイルの両側の辺側を交差させた状態で、係合溝に嵌め込む必要がある。このため、トップフォイルを交差させた状態を維持しつつ、係合溝の位置を確認しながら組み付けなければならず、トップフォイルの組み付け作業性が悪いという問題があった。
また、特許文献1の通し溝に形成された係止凹部は、トップフォイルの板厚程度の幅に形成されるため、ワイヤカットのような微細な加工を行う必要があり加工性も悪いという問題があった。
本開示の目的は、ラジアルフォイル軸受の組立加工性を向上させることである。
第1の態様は、回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有するトップフォイル(80)と、前記トップフォイル(80)の外側に配置され、該トップフォイル(80)を弾性的に支持するバックフォイル(70)と、前記バックフォイル(70)および前記トップフォイル(80)を収容する筒状のハウジング(60)とを備え、前記本体部(81)は、前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部 である第1側縁部(81a)と、前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)における径方向の外側に位置し、前記ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成されるラジアルフォイル軸受である。
第1の態様では、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)が第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するので、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)を交差させてラジアルフォイル軸受(26)を組み立てる場合に比べて、簡単に組み立てることができる。更に、通し溝(61)の深さ方向がハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、通し溝(61)を簡単に加工して形成することができる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の組立加工性を向上できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記トップフォイル(80)は、前記ハウジング(60)に対して該ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。
第2の態様では、トップフォイル(80)がハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成されるので、例えば高速回転によって回転軸(35)が振動した場合に、その振動が伝達されたトップフォイル(80)が移動して周辺の部品と衝突する。この衝突により振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記ハウジング(60)の一方側の側面には、前記軸方向内側に窪むとともに前記通し溝(61)における前記回転方向(P)前側の部分と連通する係合凹部(63)が形成され、前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)から外側に突出し、前記係合凹部(63)に係合する突出部(84)を有する。
第3の態様では、ハウジング(60)の一方側の側面に形成された係合凹部(63)にトップフォイル(80)の突出部(84)が係合するので、トップフォイル(80)の軸方向への大きな移動を規制できる。
第4の態様は、第3の態様において、前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面のそれぞれに形成され、前記突出部(84)は、前記トップフォイル(80)の前記第1側縁部(81a)における前記軸方向両端部のそれぞれに形成される。
第4の態様では、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)の軸方向両端部に形成された各突出部(84)が、ハウジング(60)の両側の側面に形成された各係合凹部(63)にそれぞれ係合するので、トップフォイル(80)の軸方向両側への大きな移動を規制できる。
第5の態様は、第3または第4の態様において、前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される。
第5の態様では、係合凹部(63)がハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成されるので、係合凹部(63)はハウジング(60)の内周面に達しない。これにより、突出部(84)が係合凹部(63)におけるハウジング(60)の内周面寄りの面(66)に接触して、トップフォイル(80)の径方向への大きな移動が規制される。
第6の態様は、第3~第5のいずれか1つの態様において、前記係合凹部(63)は、対応する前記突出部(84)の延伸方向に沿う第1面(64)を有する。
第6の態様では、係合凹部(63)の第1面(64)が対応する突出部(84)の延伸方向に沿って形成されるので、回転軸(35)の振動によりトップフォイル(80)が周方向に移動する際に、該第1面(64)と突出部(84)の内面とが面で接触する。これにより、回転軸(35)の振動エネルギーが上記接触面で生じる摩擦の熱エネルギーに変換され、回転軸(35)の振動を減衰できる。
第7の態様は、第1~第6にいずれか1つの態様において、前記トップフォイル(80)の本体部(81)は、前記回転軸(35)の周方向に沿って曲率半径が異なる。
第7の態様では、トップフォイル(80)は周方向に沿って曲率半径が異なるので、トップフォイル(80)の軸受面が非真円形状になる。これにより、回転軸(35)が高速回転したときに生じる不安定な振動を抑制できる。
第8の態様は、第7の態様において、前記トップフォイル(80)を前記ハウジング(60)から取り出したときに、前記トップフォイル(80)の曲率半径は、前記回転軸(35)の曲率半径よりも大きい。
第8の態様では、トップフォイル(80)をハウジング(60)から取り出した状態において、トップフォイル(80)の曲率半径が回転軸の曲率半径よりも大きいので、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)をハウジング(60)の通し溝(61)に配置しやすい。
第9の態様は、第1~第8のいずれか1つの態様のラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機である。
第9の態様では、ラジアルフォイル軸受(26)を圧縮機(20)に適用できる。
第10の態様は、第9の態様の圧縮機(20)を備える冷凍装置である。
第10の態様では、ラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機(20)を冷凍装置(1)に適用できる。
図1は、実施形態1に係る冷凍装置の概略の構成図である。 図2は、ターボ圧縮機の全体構成を示す概略の縦断面図である。 図3は、ラジアルフォイル軸受の側面図である。 図4は、トップフォイルの展開図である。 図5は、実施形態2に係る図3に相当する図である。 図6は、実施形態2に係る図4に相当する図である。 図7は、図5における軸受ハウジングのVII-VII線矢視断面図である。 図8は、実施形態3に係る図3に相当する図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比または数を誇張または簡略化して表す場合がある。
《実施形態1》
実施形態1のラジアルフォイル軸受について説明する。本開示のラジアルフォイル軸受(26)は、例えば冷凍装置(1)のターボ圧縮機(20)に適用される。
(1)冷凍装置の概要
図1に示す冷凍装置(1)は、ターボ式圧縮機(以下、圧縮機(20)ともいう)を備える。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(1a)を有する。冷媒回路(1a)は、圧縮機(20)、放熱器(2)、減圧機構(3)、および蒸発器(4)を有する。減圧機構(3)は、膨張弁である。冷媒回路(1a)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、圧縮機(20)によって圧縮された冷媒が、放熱器(2)において空気に放熱する。放熱した冷媒は、減圧機構(3)によって減圧され、蒸発器(4)において蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(20)に吸入される。
冷凍装置(1)は、空気調和装置である。空気調和装置は、冷房専用機、暖房専用機、あるいは冷房と暖房とを切り換える空気調和装置であってもよい。この場合、空気調和装置は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。膨張機構は、電子膨張弁、感温式膨張弁、膨張機、またはキャピラリーチューブで構成される。
(2)圧縮機の概要
圧縮機(20)の概要について図2を参照しながら説明する。図2は、圧縮機(20)の概略の縦断面図である。本実施形態の圧縮機(20)は、1つの圧縮機構(50)を有する単段式である。圧縮機(20)は、ケーシング(21)、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を有する。ケーシング(21)は、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を収容する。圧縮機(20)は、回転軸(35)を支える軸受を有する。軸受は、ラジアルフォイル軸受(26)およびスラスト軸受(27)を有する。
(2-1)ケーシング
ケーシング(21)は、胴部(22)と、第1閉塞部(23)と、第2閉塞部(24)とを有する。胴部(22)は、軸方向の両端が開放する筒状に形成される。第1閉塞部(23)は、胴部(22)の軸方向の一端側の開放部を閉塞する。第1閉塞部(23)は、その中央に位置するハウジング(25)を含む。第2閉塞部(24)は、胴部(22)の軸方向の他端側の開放部を閉塞する。
(2-2)モータ
モータ(30)は、固定子(31)と回転子(32)とを有する。固定子(31)は、筒状に形成される。固定子(31)は、ケーシング(21)の胴部(22)の内周面に固定される。回転子(32)は、固定子(31)の内部に設けられる。モータ(30)は、インバータ装置によって運転周波数(回転数)が調節される。言い換えると、圧縮機(20)は、回転数が可変なインバータ式である。このため、モータ(30)の回転数は、比較的低速の回転数から比較的高速の回転数までの間で変化する。
(2-3)回転軸
回転軸(35)は、回転子(32)の軸心に固定される。回転軸(35)は、モータ(30)によって回転駆動される。回転軸(35)は、ケーシング(21)の軸方向に沿って延びる。
(2-4)ラジアルフォイル軸受
ラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、2つのラジアルフォイル軸受(26)を有する。ラジアルフォイル軸受(26)の数、および位置は単なる一例である。
一方のラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)の一端部寄りに配置される。他方のラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)の他端部寄りに配置される。各ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受サポート(28)を介して、ケーシング(21)の胴部(22)に固定される。各ラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)を回転可能に支持する。
(2-5)スラスト軸受
スラスト軸受(27)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、1つのスラスト軸受(27)を有する。スラスト軸受(27)の数、および位置は単なる一例である。
スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の一端部寄り(圧縮機構(50)寄り)に位置する。スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の一端部寄りに配置された軸受サポート(28)の中央部に固定される。スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の軸方向の移動を規制する。
(2-6)圧縮機構
圧縮機構(50)は、羽根車(51)の遠心力により流体に運動エネルギーを与え、この運動エネルギーを圧力に変換する遠心式の圧縮機構である。圧縮機構(50)は、ハウジング(25)および羽根車(51)を含む。羽根車(51)は、複数の羽根を有する。圧縮機構(50)では、ハウジング(25)と羽根車(51)との間に圧縮室(52)が形成される。ハウジング(25)には、流体(冷媒)を圧縮室(52)に送る吸入通路(53)が形成される。
(3)ラジアルフォイル軸受の詳細
ラジアルフォイル軸受(26)について、図3および図4を参照しながら詳細に説明する。ラジアルフォイル軸受(26)は、概ね円筒状に形成される。ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受ハウジング(60)と、バックフォイル(70)と、トップフォイル(80)とを備える。
なお、以下の説明において、特にことわらない限り、「軸方向」とは、回転軸(35)の軸心の方向のことであり、「径方向」とは、回転軸(35)の軸心に直交する方向のことであり、「周方向」とは、回転軸(35)の軸心を基準とした周方向である。「径方向内側」とは、回転軸(35)の軸心に近い側であり、「径方向外側」とは、回転軸(35)の軸心に遠い側である。
(3-1)軸受ハウジング
軸受ハウジング(60)は、本開示のハウジングに対応する。図3に示すように、軸受ハウジング(60)は、トップフォイル(80)およびバックフォイル(70)を収容する。換言すると、軸受ハウジング(60)は、ラジアルフォイル軸受(26)の最外部を構成する。軸受ハウジング(60)は、バックフォイル(70)の径方向外側に配置される。軸受ハウジング(60)は、略円筒状に形成される。軸受ハウジング(60)の軸心は、回転軸(35)の軸心と概ね一致する。
軸受ハウジング(60)の内周面には、該軸受ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる通し溝(61)が形成される。通し溝(61)は、後述するトップフォイル(80)の第1側縁部(81a)が収容される。通し溝(61)は、軸受ハウジング(60)の内周面を軸方向に貫通している。通し溝(61)は、軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に向かって凹む。ここで、軸受ハウジング(60)の内周面とは、バックフォイル(70)を保持する面のことである。
通し溝(61)は、軸方向から見て、略矩形状に形成される。通し溝(61)は、図3における矢印Aで示す深さ方向の長さが、図3における矢印Bで示す幅方向の長さよりも短い。通し溝(61)は、その深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向と一致するように形成される。通し溝(61)は、その幅方向が該通し溝(61)における深さ方向と概ね垂直な方向に形成される。回転軸(35)の直径Dとしたとき、通し溝(61)の幅D1は、0.08D以上且つ0.4D以下(0.08D≦D1≦0.4D)である。
通し溝(61)の深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、通し溝(61)を簡単に加工できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の加工性を向上できる。また、通し溝(61)の幅方向の長さがある程度大きく形成できるので、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)を通し溝(61)に配置しやすい。
(3-2)バックフォイル
バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)を弾性的に支持する。バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)の径方向外側に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)とトップフォイル(80)との間に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)の内周面に沿って配置される。
バックフォイル(70)は、薄板状に形成される。本実施形態のバックフォイル(70)は、バンプフォイルである。バックフォイル(70)は、バンプフォイル以外のもの(例えば、スプリングフォイルなど)でもよい。
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)には、軸受ハウジング(60)の周方向に沿って複数(3つ)のバックフォイル(70)が設けられる。各バックフォイル(70)は、波板状に形成される。各バックフォイル(70)は、軸方向から見て、略円弧状に形成される。3つのバックフォイル(70)は、全体として略円筒状になるように配置される。
互いに隣り合うバックフォイル(70)は、所定の間隔を空けて配置される。詳細には、各バックフォイル(70)を、通し溝(61)の位置を基準として時計回り方向に順に、第1バックフォイル(71)、第2バックフォイル(72)、第3バックフォイル(73)とする。このとき、第1バックフォイル(71)と第2バックフォイル(72)とは、所定の間隔を空けて近接して配置される。第2バックフォイル(72)と第3バックフォイル(73)とは、所定の間隔を空けて近接して配置される。第3バックフォイル(73)と第1バックフォイル(71)とは、通し溝(61)を挟んで配置される。換言すると、通し溝(61)は、バックフォイル(70)に覆われていない。
各バックフォイル(70)は、周方向に沿って、軸受ハウジング(60)に接する谷部と、トップフォイル(80)に接する山部とが交互に形成される。各バックフォイル(70)は、その山部によってトップフォイル(80)を弾性的に支持する。ラジアルフォイル軸受(26)は、バックフォイル(70)の山部および谷部によって軸方向に流体の通路が形成される。
ラジアルフォイル軸受(26)は、バックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に溶接した溶接部(90)を有する。溶接部(90)は、各バックフォイル(70)の周方向一端部を軸受ハウジング(60)の内周面にスポット溶接することによって形成される。この溶接部(90)によって、各バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)に固定される。
(3-3)トップフォイル
トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)と回転軸(35)との間に配置される。換言すると、トップフォイル(80)は、回転軸(35)に対向して配置される。トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)の内面に沿って略円筒状に巻かれる。
図4に示すように、トップフォイル(80)は、金属で構成される薄板状に形成される。トップフォイル(80)は、周方向を長辺とし、軸方向を短辺とする矩形状に形成される。
トップフォイル(80)は、回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有する。本実施形態のトップフォイル(80)は、本体部(81)のみで構成される。本体部(81)は、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とを有する。第1側縁部(81a)は、回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である。第2側縁部(81b)は、回転軸(35)の回転方向(P)後側の側縁部である。
図3に示すように、トップフォイル(80)は、第1側縁部(81a)が第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するように巻かれている。トップフォイル(80)は、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが突き合わされておらず、交差もしていない。
第2側縁部(81b)は、本体部(81)の内側の面に接触している。具体的には、第2側縁部(81b)によって本体部(81)を径方向外側に押し付けている。
トップフォイル(80)の本体部(81)は、滴状部(82)と、延伸部(83)とを有する。滴状部(82)は、トップフォイル(80)を軸方向から見たときに、第2側縁部(81b)を頂点とする涙滴形状に形成される部分である。延伸部(83)は、本体部(81)における滴状部(82)以外の部分である。延伸部(83)は、第1側縁部(81a)側に形成される部分である。
滴状部(82)は、周方向に沿って曲率半径が異なる。具体的には、滴状部(82)においてバックフォイル(70)の山部に支持されている領域(第2側縁部(81b)から遠い部分)の曲率半径は、回転軸(35)の曲率半径と略同じである。一方、滴状部(82)においてバックフォイル(70)の山部に支持されていない領域(第2側縁部(81b)に近い部分)の曲率半径は、バックフォイル(70)の山部に支持されている領域の曲率半径よりも大きい。言い換えると、トップフォイル(80)には、非真円形状の軸受面が形成される。
延伸部(83)は、滴状部(82)の所定の位置における接線方向に延びる。具体的には、トップフォイル(80)と、第1バックフォイル(71)における通し溝(61)に最も近い山部の頂点とが接触する位置を接点Cとする。このとき、延伸部(83)は、滴状部(82)における接点Cの接線方向(図3に示す延伸方向E)に延びている。
第1側縁部(81a)は、軸受ハウジング(60)の通し溝(61)に収容される。第1側縁部(81a)は、通し溝(61)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の内側面に接触可能に配置される。これにより、第1側縁部(81a)が通し溝(61)の内側面に接触することで、トップフォイル(80)の周方向への大きな移動が規制される。
トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、いずれにも固定されていない。言い換えると、第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、自由に移動できるように構成されている。第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、溶接等によって固定されていないので、溶接時の熱によるトップフォイル(80)の歪みを抑制できる。
トップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に対して、該軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。本実施形態のトップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成される。
具体的には、ラジアルフォイル軸受(26)を組み立てる際に、トップフォイル(80)は、周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動できる程度の余裕を持たせて巻かれ、軸受ハウジング(60)に挿入される。これにより、トップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動可能に構成される。ここで、「僅かに移動」とは、トップフォイル(80)が軸受ハウジング(60)から外れて脱落しない程度の移動量のことである。
トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)から取り出したとき、トップフォイル(80)全体の曲率半径は、回転軸(35)の曲率半径よりも大きい。このようにトップフォイル(80)が構成されるので、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に挿入する際に、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)を軸受ハウジング(60)の通し溝(61)に配置しやすい。
(4)圧縮機の運転動作
次に、圧縮機(20)の運転動作について説明する。
モータ(30)に電力が供給されると、モータ(30)の回転子(32)が回転する。これにより、回転軸(35)及びインペラが回転する。羽根車(51)が回転することにより、吸入通路(53)から圧縮室(52)へ冷媒が吸入され、圧縮される。圧縮されて高圧となった冷媒は、吐出通路(図示省略)を経由して、圧縮室(52)から外部へ吐出される。
(5)ラジアルフォイル軸受の作用
次に、ラジアルフォイル軸受(26)の作用について説明する。
回転軸(35)が停止した状態では、トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)によって回転軸(35)側に付勢され、回転軸(35)に密着している。モータ(30)に電力が供給されると、回転軸(35)が図1に示す回転方向(P)に回転を始める。回転軸(35)は、低速で回転し始め、その後徐々に加速して高速で回転する。回転軸(35)が高速回転すると、トップフォイル(80)の第2側縁部(81b)とバックフォイル(70)の一端との間から周囲流体が引き入れられ、トップフォイル(80)と回転軸(35)との間に周囲流体が流入する。これにより、トップフォイル(80)と回転軸(35)との間に流体潤滑膜が形成される。
(6)特徴
(6-1)
トップフォイル(80)の本体部(81)における第1側縁部(81a)は、第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置する。軸受ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに第1側縁部(81a)が収容される通し溝が形成される。通し溝(61)は、その深さ方向が径方向と一致するように形成される。
仮に、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とを突き合わせてまたは交差させて組み立てる場合には、両者を突き合せた状態または両者を交差させた状態で軸受ハウジングに挿入してトップフォイルの位置を調整する必要があった。これに対し、本構成では、第1側縁部(81a)が第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するので、トップフォイル(80)の巻き状態を気にすることなく、簡単に軸受ハウジング(60)に挿入して組み立てることができる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の組立性を向上できる。
加えて、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが交差しないので、外乱などによってラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が伝わっても、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが衝突して破損することを抑制できる。
更に、通し溝(61)の深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、キー溝加工などに用いられるような一般的な加工方法によって通し溝(61)を形成することができる。言い換えると、ワイヤカット加工のような特殊な加工方法を用いることなく通し溝(61)を形成することができるので、通し溝(61)を簡単に加工できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の加工性を向上できる。
ここで、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に保持するために、通し溝(61)の内側面に凹部や凸部を設けて、トップフォイル(80)の先端を係止することが考えられる。このような場合にも、通し溝(61)の内側面にワイヤカットのような微細で特殊な加工方法を用いて凹部や凸部を形成する必要がある。これに対し、本実施形態では、深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように形成された通し溝(61)にトップフォイル(80)が係合することで、トップフォイル(80)が軸受ハウジング(60)に保持されるので、通し溝(61)の内側面への微細な加工が必要なく、通し溝(61)を簡単に加工できる。
(6-2)
トップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。
例えば、回転軸が高速回転したことによって振動した場合に、その振動がトップフォイル(80)に伝達される。このようにトップフォイル(80)が周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成されるので、伝達された振動によってトップフォイル(80)が移動して周囲の部品と衝突する。この衝突により、振動のエネルギーが散逸され、回転軸(35)の振動を減衰させることができる。
(6-3)
トップフォイル(80)の本体部(81)は、回転軸(35)の周方向に沿って曲率半径が異なる。言い換えると、トップフォイル(80)の軸受面は、非真円形状に形成される。これにより、回転軸(35)が高速回転したときに生じる不安定な振動をトップフォイル(80)によって抑制することができる。
(6-4)
トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)から取り出したときに、トップフォイル(80)の曲率半径は、回転軸(35)の曲率半径よりも大きい。このため、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に挿入する際に、第1側縁部(81a)を通し溝(61)に配置しやすい。
(6-5)
第2側縁部(81b)は、本体部(81)の内側の面に接触している。第2側縁部(81b)によって本体部(81)を径方向外側に押し付けている。ここで、外乱などによりラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が伝わった場合に、トップフォイル(80)が径方向内側に大きく移動し、第1側縁部(81a)が通し溝(61)から外れて脱落する可能性がある。第1側縁部(81a)が通し溝(61)から外れると、トップフォイル(80)が回転軸(35)の回転に巻き込まれてトップフォイル(80)が焼き付く場合がある。
これに対し、本構成では、第2側縁部(81b)によって本体部(81)を径方向外側に押し付けているので、ラジアルフォイル軸受(26)が大きな衝撃を受けても、トップフォイル(80)の径方向への大きな移動が抑制され、第1側縁部(81a)が通し溝(61)から外れることを抑制できる。その結果、トップフォイル(80)の焼き付きを抑制できる。
《実施形態2》
実施形態2のラジアルフォイル軸受(26)について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態1のラジアルフォイル軸受(26)において、軸受ハウジング(60)およびトップフォイル(80)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態1と異なる点を説明する。
(1)ラジアルフォイル軸受
(1-1)軸受ハウジング
軸受ハウジング(60)には、図5および図7に示すように、係合部(62)が形成される。係合部(62)は、後述するトップフォイル(80)の突出部(84)が係合する。係合部(62)は、軸受ハウジング(60)の両側の側面(軸方向両側の端面)にそれぞれ1つずつ形成される。
係合部(62)は、軸方向内側に窪む凹部で構成される係合凹部(63)である。係合凹部(63)は、軸方向から見て、軸受ハウジング(60)の外周面から内側に向かって略矩形状に切り欠くように形成される。なお、係合凹部(63)は、軸方向から見て、軸受ハウジング(60)の内周面に向かって切り欠かれていればよく、軸受ハウジング(60)の外周面を貫いていなくてもよい。
係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される。言い換えると、係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面に達していない。係合凹部(63)は、通し溝(61)の径方向外側に形成される。係合凹部(63)は、通し溝(61)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の部分に連通する。
なお、係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の一方側または他方側の側面に1つ形成されてもよい。
(1-2)トップフォイル
図6に示すように、トップフォイル(80)は、本体部(81)と、突出部(84)とを有する。突出部(84)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から周方向外側に突出する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)における軸方向両端部に設けられる。トップフォイル(80)の軸方向(短手方向)の長さをLとしたときに、突出部(84)の軸方向の長さL1は0.05L以上且つ0.4L以下(0.05L≦L1≦0.4L)である。
各突出部(84)は、対応する軸受ハウジング(60)の係合凹部(63)に差し込まれて係合する。このとき、第1側縁部(81a)は、軸受ハウジング(60)の通し溝(61)に嵌って収容される。各突出部(84)は、トップフォイル(80)が軸受ハウジング(60)に収容された状態において、本体部(81)の延伸部(83)の延伸方向Eに延びている。
(2)特徴
(2-1)
トップフォイル(80)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から外側に突出する突出部(84)を有する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)の軸方向両端部にそれぞれ形成される。軸受ハウジング(60)の両側の側面には、突出部(84)に係合する係合凹部(63)が形成される。係合凹部(63)は、通し溝(61)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の部分と連通する。
トップフォイル(80)の突出部(84)は、軸受ハウジング(60)の通し溝(61)を経由して、対応する係合凹部(63)に差し込まれて係合する。これにより、トップフォイル(80)が軸方向へ大きく移動しようとしても、突出部(84)の軸方向内縁部(84a)が係合凹部(63)の底面(65)に接触することにより、トップフォイル(80)の軸方向両側への大きな移動を規制できる。その結果、外乱等によりラジアルフォイル軸受(26)に大きな衝撃が加わったときのトップフォイル(80)の軸方向への脱落を抑制できる。
(2-2)
係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される。言い換えると、係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面に達していない。これにより、トップフォイル(80)が径方向へ大きく移動しようとしても、突出部(84)が係合凹部(63)における軸受ハウジング(60)の内周面寄りの面(66)に接触することで、トップフォイル(80)の径方向への大きな移動が規制される。その結果、外乱等によりラジアルフォイル軸受(26)に大きな衝撃が加わったときのトップフォイル(80)の径方向への脱落を抑制できる。
(3)変形例
上記実施形態については、以下のような変形例としてもよい。なお、以下の説明では、原則として上記実施形態と異なる点について説明する。
(3-1)変形例1
トップフォイル(80)の突出部(84)は、第1側縁部(81a)の中央部寄りに設けられてもよい。言い換えると、突出部(84)は、第1側縁部(81a)における軸方向の端部に設けられていなくてもよい。この場合、軸受ハウジング(60)の係合部(62)は、突出部(84)に対応する位置に設けられる係合孔である。係合孔は、軸受ハウジング(60)の外周面から内側に向かって延びる。言い換えると、係合部(62)は、軸受ハウジング(60)の側面に形成されていない。本変形例においても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
《実施形態3》
実施形態3のラジアルフォイル軸受(26)について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態2のラジアルフォイル軸受(26)において、軸受ハウジング(60)の係合部(62)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態2と異なる点を説明する。
(1)軸受ハウジング
図8に示すように、軸受ハウジング(60)の係合部(62)は、軸方向内側に窪む凹部で構成される係合凹部(63)である。係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の側面を直線状に切り欠くように形成される。係合凹部(63)は、軸受ハウジング(60)の外周面から通し溝(61)に向かって斜めに延びる。具体的には、係合凹部(63)は、対応するトップフォイル(80)の突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びる。係合凹部(63)は、通し溝(61)に連通する。なお、係合凹部(63)は、対応するトップフォイル(80)の突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びるとともに通し溝(61)に連通していればよく、軸受ハウジング(60)の外周面を貫通していなくてもよい。
係合凹部(63)は、突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びる側面である第1面(64)を有する。第1面(64)は、係合凹部(63)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の側面である。トップフォイル(80)の突出部(84)は、通し溝(61)の内側面を経由して、係合凹部(63)の第1面(64)に接するように差し込まれて係合される。言い換えると、突出部(84)は、第1面(64)に案内されて係合凹部(63)に差し込まれる。なお、本実施形態の係合部(62)は、実施形態2の変形例と同様に、係合孔であってもよい。
(2)特徴
係合凹部(63)は、対応する突出部(84)の延伸方向Eに沿う第1面(64)を有する。回転軸(35)の振動によりトップフォイル(80)が周方向に移動する場合、本構成では、係合凹部(63)の第1面(64)と突出部(84)とが面で接触する。これにより、回転軸(35)の振動エネルギーが係合凹部(63)と突出部(84)との上記接触面で生じる摩擦の熱エネルギーに変換されて、回転軸(35)の振動を減衰できる。加えて、係合凹部(63)と突出部(84)とが面で接触するので、点で接触する場合に比べて、突出部(84)の摩耗を抑制できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、中間フォイルを備えてもよい。中間フォイルは、トップフォイル(80)とバックフォイル(70)との間に配置される。中間フォイルは、バックフォイル(70)の内面に沿って巻かれる。中間フォイルは、回転軸(35)の振動をより減衰させるためのものである。
上記実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、2つの圧縮機構(50)を有する二段式のターボ圧縮機(20)に適用されてもよい。
上記実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、ターボ圧縮機(20)以外の圧縮機に適用されてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
20 圧縮機
26 ラジアルフォイル軸受
35 回転軸
60 軸受ハウジング(ハウジング)
63 係合凹部
64 第1面
70 バックフォイル
80 トップフォイル
81 本体部
81a 第1側縁部
81b 第2側縁部
84 突出部
P 回転方向

Claims (7)

  1. 回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有するトップフォイル(80)と、
    前記トップフォイル(80)の外側に配置され、該トップフォイル(80)を弾性的に支持するバックフォイル(70)と、
    前記バックフォイル(70)および前記トップフォイル(80)を収容する筒状のハウジング(60)とを備え、
    前記本体部(81)は、
    前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、
    前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、
    前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)における径方向の外側に位置し、
    前記ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、
    前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成され
    前記ハウジング(60)の一方側の側面には、前記軸方向内側に窪むとともに前記通し溝(61)における前記回転方向(P)前側の部分と連通する係合凹部(63)が形成され、
    前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)から外側に突出し、前記係合凹部(63)に係合する突出部(84)を有する
    ラジアルフォイル軸受。
  2. 前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面のそれぞれに形成され、
    前記突出部(84)は、前記トップフォイル(80)の前記第1側縁部(81a)における前記軸方向両端部のそれぞれに形成される
    請求項に記載のラジアルフォイル軸受。
  3. 前記係合凹部(63)は、前記ハウジング(60)の内周面よりも外側の部分に形成される
    請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受。
  4. 前記係合凹部(63)は、対応する前記突出部(84)の延伸方向に沿う第1面(64)を有する
    請求項1~3のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  5. 前記トップフォイル(80)は、前記ハウジング(60)に対して該ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される
    請求項1~4のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  6. 請求項1~のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機。
  7. 請求項に記載の圧縮機(20)を備える冷凍装置。
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