JP7368754B2 - ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置 - Google Patents

ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置 Download PDF

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Description

本開示は、ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置に関する。
従来、冷凍装置の圧縮機に設けられる回転軸を支持する流体潤滑軸受としてフォイル軸受が知られている。特許文献1には、回転軸の径方向に作用する荷重を支持するラジアルフォイル軸受が開示されている。特許文献1のラジアルフォイル軸受は、円筒状のトップフォイルと、該トップフォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、該バックフォイルおよびトップフォイルを収容する軸受ハウジングとを備える。
特許文献1の軸受ハウジングの両側面には、それぞれ、軸受ハウジングの内周縁から外周縁に向かって延びる係合切欠が形成される。バックフォイルには、軸受ハウジングの周方向における一方の側の両側端部に、それぞれ係合突片が設けられている。バックフォイルの係合突片が、軸受ハウジングの係合切欠に係合することにより、溶接を行うことなくバックフォイルを軸受ハウジングに固定している。
特開2013-87789号公報
特許文献1のラジアルフォイル軸受では、バックフォイルの係合突片が軸受ハウジングの周方向一方の側に設けられている。このため、バックフォイルを軸受ハウジングに固定するためには、軸受ハウジングに形成される係合切片の周方向の幅を、バックフォイルの係合突片が丁度よく嵌る大きさに加工する必要がある。言い換えると、係合切片の幅をバックフォイルの板厚程度の微小な大きさに加工する必要がある。このように加工するためには、ワイヤカットのような微細な加工を行う必要があり、加工に時間がかかり、製造コストが増加してしまうという問題があった。
本開示の目的は、ラジアルフォイル軸受の製造コストを低減することである。
第1の態様は、筒状のハウジング(60)と、前記ハウジング(60)の内周面に沿って配置されるバックフォイル(70)と、前記バックフォイル(70)に弾性的に支持され、該バックフォイル(70)と回転軸(35)との間に配置されるトップフォイル(80)とを備え、前記バックフォイル(70)は、前記ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、前記周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有し、前記ハウジング(60)には、該ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成されるラジアルフォイル軸受である。
第1の態様では、バックフォイル(70)は、周方向の一方側に形成された第1係合爪(N1)と、周方向の他方側に形成された第2係合爪(N2)とを有する。ハウジング(60)の側面には、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がそれぞれ係合する係合部(63)が形成される。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)をそれぞれに対応する係合部(63)に係合させることでハウジング(60)を挟み込む。これにより、バックフォイル(70)がハウジング(60)に保持される。その結果、係合部(63)を各係合爪(N)が丁度嵌る幅に合わせて微細な加工をする必要がなくなり、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向の両側にそれぞれ形成される。
第2の態様では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がバックフォイル(70)における軸方向の両側に形成されるので、バックフォイル(70)の軸方向両側への大きな移動が規制される。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記バックフォイル(70)は、前記ハウジング(60)に対して前記ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。
第3の態様では、バックフォイル(70)がハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動できるので、例えば回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、その振動が伝達されたバックフォイル(70)が周方向、軸方向、および径方向のいずれか一方向に移動して周辺の部品と衝突する。この衝突により、振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
第4の態様は、第1~第3のいずれか1つの態様において、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から前記径方向外側に延びる。
第4の態様では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から径方向外側に延びるので、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がハウジング(60)を周方向に挟み込む。これにより、バックフォイル(70)の周方向への大きな移動を規制できる。
第5の態様は、第1~4のいずれか1つの態様において、前記係合部(63)の幅は、前記バックフォイル(70)の板厚の5倍以上である。
第5の態様では、係合部(63)の幅をバックフォイル(70)の板厚に対して十分大きく形成できるので、微細な加工によって係合部(63)を形成する必要がなく、係合部(63)を形成しやすい。
第6の態様は、第1~5のいずれか1つの態様において、前記係合部(63)の幅は、0.3mm以上である。
第6の態様では、係合部(63)の幅が0.3mm以上なので、例えばワイヤカット加工のような繊細な加工をすることなく係合部(63)を形成できる。
第7の態様は、第1~第6のいずれか1つの態様において、前記バックフォイル(70)は、前記周方向に沿って複数設けられ、互いに隣り合う前記バックフォイル(70)のうち一方のバックフォイル(70)の前記第1係合爪(N1)は、他方のバックフォイル(70)の前記第2係合爪(N2)と対向して配置され、前記一方のバックフォイル(70)の前記第1係合爪(N1)および前記他方のバックフォイル(70)の前記第2係合爪(N2)は、1つの前記係合部(63)に係合する。
第7の態様では、互いに対向して配置される一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)と他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)とを1つの係合部(63)に係合させるので、形成する係合部(63)の数を抑制できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
第8の態様は、第1~第7のいずれか1つの態様において、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの前記係合爪(N)に対応する前記係合部(63)の内面に接触し、前記バックフォイル(70)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、前記ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される。
第8の態様では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部が係合部(63)の内面に接触することにより、バックフォイル(70)がハウジング(60)に保持される。この状態で、各係合爪(N)が弾性変形することにより、バックフォイル(70)がハウジング(60)に対して相対的に移動する。これにより、回転軸が高速回転して振動した場合に、バックフォイル(70)が周辺の部品に衝突して、振動のエネルギーが散逸される。その結果、回転軸(35)の振動を減衰できる。
第9の態様は、第1~第8のいずれか1つの態様において、前記ハウジング(60)は、前記第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、前記第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有し、前記第1の係合部(63)は、前記第1係合爪(N1)の先端部が接触する第1面(64)を有し、前記第2の係合部(63)は、前記第2係合爪(N2)の先端部が接触する第2面(65)を有し、前記ハウジング(60)の軸方向から見たときに、前記バックフォイル(70)における前記第1係合爪(N1)の基端部と前記第2係合爪(N2)の基端部との間の前記周方向の長さA1は、前記ハウジング(60)における前記第1面(64)の径方向内側の端部と前記第2面(65)の径方向内側の端部との間の前記周方向の長さA2よりも長い。
第9の態様では、バックフォイル(70)における周方向の長さA1が、ハウジング(60)における周方向の長さA2よりも長いので、第1係合爪(N1)および第1面(64)の間、ならびに第2係合爪(N2)および第2面(65)の間のそれぞれに周方向に微小隙間(G)が生じる。これにより、回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、第1係合爪(N1)と第1面(64)が接触する、または第2係合爪(N2)と第2面(65)が接触する。その結果、回転軸(35)の振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
第10の態様は、筒状のハウジング(60)と、前記ハウジング(60)の内周面に沿って配置されるバックフォイル(70)と、前記バックフォイル(70)の内側に配置される中間フォイル(90)と、前記バックフォイル(70)に弾性的に支持され、前記中間フォイル(90)と回転軸(35)との間に配置されるトップフォイル(80)とを備え、前記中間フォイル(90)は、前記ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、前記周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有し、前記バックフォイル(70)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)に対応する部分に、溝または切欠きで構成される挿通部(70e)を有し、前記ハウジング(60)には、該ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成され、前記第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、前記挿通部(70e)を介して、前記係合部(63)に係合するラジアルフォイル軸受である。
第10の態様では、第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第11の態様は、第10の態様において、前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記中間フォイル(90)における前記ハウジング(60)の軸方向両側にそれぞれ形成され、前記挿通部(70e)は、前記バックフォイル(70)の前記軸方向両側における前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)に対応する位置に形成される。
第11の態様では、第2の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第12の態様は、第10または第11の態様において、前記バックフォイル(70)および前記中間フォイル(90)は、前記ハウジング(60)に対して該ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。
第12の態様では、第3の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第13の態様は、第10~第12のいずれか1つの態様において、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記中間フォイル(90)における前記ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から前記径方向外側に延びる。
第13の態様では、第4の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第14の態様は、第10~第13のいずれか1つの態様において、前記係合部(63)の幅は、前記中間フォイル(90)の板厚の5倍以上である。
第14の態様では、第5の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第15の態様は、第10~第14のいずれか1つの態様において、前記係合部(63)の幅は、0.3mm以上である。
第15の態様では、第6の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第16の態様は、第10~第15のいずれか1つの態様において、前記中間フォイル(90)は、前記周方向に沿って複数設けられ、互いに隣り合う前記中間フォイル(90)のうち一方の中間フォイル(90)の前記第1係合爪(N1)は、他方の中間フォイル(90)の前記第2係合爪(N2)と対向して配置され、前記一方の中間フォイル(90)の前記第1係合爪(N1)および前記他方の中間フォイル(90)の前記第2係合爪(N2)は、1つの前記係合部(63)に係合する。
第16の態様では、第7の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第17の態様は、第10~第16のいずれか1つの態様において、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの前記係合爪(N)に対応する前記係合部(63)の内面に接触し、前記中間フォイル(90)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、前記ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される。
第17の態様では、第8の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第18の態様は、第10~第17のいずれか1つの態様において、前記ハウジング(60)は、前記第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、前記第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有し、前記第1の係合部(63)は、前記第1係合爪(N1)が接触する第1面(64)を有し、前記第2の係合部(63)は、前記第2係合爪(N2)が接触する第2面(65)を有し、前記中間フォイル(90)は、前記第1係合爪(N1)と該第1係合爪(N1)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第1接触部(90a)と、前記第2係合爪(N2)と該第2係合爪(N2)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第2接触部(90b)とを有し、前記ハウジング(60)の軸方向から見たときに、前記第1接触部(90a)と前記第2接触部(90b)との間の前記周方向の長さB1は、前記ハウジング(60)における前記第1面(64)の径方向内側の端部と前記第2面(65)の径方向内側の端部との間の前記周方向の長さB2よりも長い。
第18の態様では、第9の態様と同様の作用効果を得ることができる。
第19の態様は、第10~第18のいずれか1つの態様において、前記バックフォイル(70)は、前記周方向両側の側縁部から前記ハウジング(60)の径方向内側に延びる曲げ部(70d)を有する。
第19の態様では、バックフォイル(70)が曲げ部(70d)を有するので、曲げ部(70d)によって中間フォイル(90)に対するバックフォイル(70)の位置が保持される。その結果、バックフォイル(70)が周方向に大きく移動してその位置がずれることにより、バックフォイル(70)が脱落することを抑制できる。
第20の態様は、第1~第19のいずれか1つの態様において、前記トップフォイル(80)は、前記回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有し、前記本体部(81)は、前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)の径方向外側に位置し、前記ハウジング(60)の内周面には、該ハウジング(60)の軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成される。
第20の態様では、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)は、第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するので、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)を交差させて軸受を組み立てる場合に比べて、簡単に軸受を組み立てられる。さらに、通し溝(61)の深さ方向がハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、通し溝(61)を加工しやすい。これにより、ラジアルフォイル軸受の組立加工性を向上できる。
第21の態様は、第20の態様において、前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向の両側にそれぞれ形成され、前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)における前記ハウジング(60)の軸方向両側の端部からそれぞれ外側に突出する突出部(84)を有し、前記ハウジング(60)の両側の側面には、前記通し溝(61)に連通し、前記突出部(84)が係合する係合凹部(62)が形成され、前記係合凹部(62)は、前記突出部(84)の延伸方向に沿う第3面(66)を有するとともに、前記係合部(63)に設けられる。
第21の態様では、ハウジング(60)の係合凹部(62)にトップフォイル(80)の突出部(84)が係合するので、トップフォイル(80)の軸方向への大きな移動を規制できる。さらに、係合凹部(62)の第3面(66)は突出部(84)の延伸方向に沿うので、回転軸(35)の振動によりトップフォイル(80)が周方向に移動する際に、該第3面(66)と突出部(84)の内面とが面で接触する。これにより、回転軸(35)の振動エネルギーが上記接触面で生じる摩擦の熱エネルギーに変換され、回転軸の振動を減衰できる。加えて、係合凹部(62)が係合部(63)に設けられるので、ハウジング(60)を加工する回数が減少する。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
第22の態様は、第1~第21のいずれか1つの態様のラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機である。
第22の態様では、ラジアルフォイル軸受(26)を圧縮機(20)に適用できる。
第23の態様は、第22の態様の圧縮機を備える冷凍装置である。
第23の態様では、ラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機(20)を冷凍装置(1)に適用できる。
図1は、実施形態1に係る冷凍装置の概略の構成図である。 図2は、ターボ圧縮機の全体構成を示す概略の縦断面図である。 図3は、ラジアルフォイル軸受の側面図である。 図4は、ラジアルフォイル軸受の要部を示す斜視図である。 図5は、平坦化したバックフォイルの平面図である。 図6は、平坦化したバックフォイルの側面図である。 図7は、ラジアルフォイル軸受における第1バックフォイルの周辺を拡大した側面図である。 図8は、実施形態1の変形例1に係る図3に相当する図である。 図9は、実施形態1の変形例1に係る図4に相当する図である。 図10は、実施形態1の変形例2に係る図4に相当する図である。 図11は、実施形態1の変形例2に係る図6に相当する図である。 図12は、実施形態2に係る図3に相当する図である。 図13は、実施形態2に係る図4に相当する図である。 図14は、実施形態2に係る平坦化したバックフォイルと中間フォイルの側面図である。 図15は、実施形態2に係る平坦化したバックフォイルと中間フォイルの側面図である。 図16は、実施形態2に係る図7に相当する図である。 図17は、実施形態2の変形例2に係る図4に相当する図である。 図18は、実施形態2の変形例3に係る図5に相当する図である。 図19は、実施形態2の変形例3に係る図6に相当する図である。 図20は、実施形態2の変形例4に係る図6に相当する図である。 図21は、実施形態3に係る図3に相当する図である。 図22は、実施形態3に係るトップフォイルの展開図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本開示は、以下に示される実施形態に限定されるものではなく、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲内で各種の変更が可能である。各図面は、本開示を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために必要に応じて寸法、比または数を誇張または簡略化して表す場合がある。
《実施形態1》
実施形態1のラジアルフォイル軸受について説明する。本開示のラジアルフォイル軸受(26)は、例えば冷凍装置(1)のターボ圧縮機(20)に適用される。
(1)冷凍装置の概要
図1に示す冷凍装置(1)は、ターボ式圧縮機(以下、圧縮機(20)ともいう)を備える。冷凍装置(1)は、冷媒が充填された冷媒回路(1a)を有する。冷媒回路(1a)は、圧縮機(20)、放熱器(2)、減圧機構(3)、および蒸発器(4)を有する。減圧機構(3)は、膨張弁である。冷媒回路(1a)は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷凍サイクルでは、圧縮機(20)によって圧縮された冷媒が、放熱器(2)において空気に放熱する。放熱した冷媒は、減圧機構(3)によって減圧され、蒸発器(4)において蒸発する。蒸発した冷媒は、圧縮機(20)に吸入される。
冷凍装置(1)は、空気調和装置である。空気調和装置は、冷房専用機、暖房専用機、あるいは冷房と暖房とを切り換える空気調和装置であってもよい。この場合、空気調和装置は、冷媒の循環方向を切り換える切換機構(例えば四方切換弁)を有する。冷凍装置(1)は、給湯器、チラーユニット、庫内の空気を冷却する冷却装置などであってもよい。冷却装置は、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナなどの内部の空気を冷却する。膨張機構は、電子膨張弁、感温式膨張弁、膨張機、またはキャピラリーチューブで構成される。
(2)圧縮機の概要
圧縮機(20)の概要について図2を参照しながら説明する。図2は、圧縮機(20)の概略の縦断面図である。本実施形態の圧縮機(20)は、1つの圧縮機構(50)を有する単段式である。圧縮機(20)は、ケーシング(21)、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を有する。ケーシング(21)は、モータ(30)、回転軸(35)、および圧縮機構(50)を収容する。圧縮機(20)は、回転軸(35)を支える軸受を有する。軸受は、ラジアルフォイル軸受(26)およびスラスト軸受(27)を有する。
(2-1)ケーシング
ケーシング(21)は、胴部(22)と、第1閉塞部(23)と、第2閉塞部(24)とを有する。胴部(22)は、軸方向の両端が開放する筒状に形成される。第1閉塞部(23)は、胴部(22)の軸方向の一端側の開放部を閉塞する。第1閉塞部(23)は、その中央に位置するハウジング(25)を含む。第2閉塞部(24)は、胴部(22)の軸方向の他端側の開放部を閉塞する。
(2-2)モータ
モータ(30)は、固定子(31)と回転子(32)とを有する。固定子(31)は、筒状に形成される。固定子(31)は、ケーシング(21)の胴部(22)の内周面に固定される。回転子(32)は、固定子(31)の内部に設けられる。モータ(30)は、インバータ装置によって運転周波数(回転数)が調節される。言い換えると、圧縮機(20)は、回転数が可変なインバータ式である。このため、モータ(30)の回転数は、比較的低速の回転数から比較的高速の回転数までの間で変化する。
(2-3)回転軸
回転軸(35)は、回転子(32)の軸心に固定される。回転軸(35)は、モータ(30)によって回転駆動される。回転軸(35)は、ケーシング(21)の軸方向に沿って延びる。
(2-4)ラジアルフォイル軸受
ラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の径方向に作用する荷重(ラジアル荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、2つのラジアルフォイル軸受(26)を有する。ラジアルフォイル軸受(26)の数、および位置は単なる一例である。
一方のラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)の一端部寄りに配置される。他方のラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)の他端部寄りに配置される。各ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受サポート(28)を介して、ケーシング(21)の胴部(22)に固定される。各ラジアルフォイル軸受(26)は、回転軸(35)を回転可能に支持する。
(2-5)スラスト軸受
スラスト軸受(27)は、回転軸(35)に作用する荷重のうち、回転軸(35)の軸方向に作用する荷重(スラスト荷重)を支持する。本実施形態の圧縮機(20)は、1つのスラスト軸受(27)を有する。スラスト軸受(27)の数、および位置は単なる一例である。
スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の一端部寄り(圧縮機構(50)寄り)に位置する。スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の一端部寄りに配置された軸受サポート(28)の中央部に固定される。スラスト軸受(27)は、回転軸(35)の軸方向の移動を規制する。
(2-6)圧縮機構
圧縮機構(50)は、羽根車(51)の遠心力により流体に運動エネルギーを与え、この運動エネルギーを圧力に変換する遠心式の圧縮機構である。圧縮機構(50)は、ハウジング(25)および羽根車(51)を含む。羽根車(51)は、複数の羽根を有する。圧縮機構(50)では、ハウジング(25)と羽根車(51)との間に圧縮室(52)が形成される。ハウジング(25)には、流体(冷媒)を圧縮室(52)に送る吸入通路(53)が形成される。
(3)ラジアルフォイル軸受の詳細
ラジアルフォイル軸受(26)について、図3~図7を参照しながら詳細に説明する。ラジアルフォイル軸受(26)は、概ね円筒状に形成される。ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受ハウジング(60)と、バックフォイル(70)と、トップフォイル(80)とを備える。
なお、以下の説明において、特にことわらない限り、「軸方向」とは、回転軸(35)の軸心の方向のことであり、「径方向」とは、回転軸(35)の軸心に直交する方向のことであり、「周方向」とは、回転軸(35)の軸心を基準とした周方向である。「径方向内側」とは、回転軸(35)の軸心に近い側であり、「径方向外側」とは、回転軸(35)の軸心に遠い側である。
(3-1)軸受ハウジング
軸受ハウジング(60)は、本開示のハウジングに対応する。図3に示すように、軸受ハウジング(60)は、トップフォイル(80)およびバックフォイル(70)を収容する。換言すると、軸受ハウジング(60)は、ラジアルフォイル軸受(26)の最外部を構成する。軸受ハウジング(60)は、バックフォイル(70)の径方向外側に配置される。軸受ハウジング(60)は、略円筒状に形成される。軸受ハウジング(60)の軸心は、回転軸(35)の軸心と概ね一致する。
軸受ハウジング(60)の両側の側面(軸方向両側の端面)には、それぞれ複数(3つ)の係合部(63)が形成される。なお、ここで示す係合部(63)の数は単なる一例である。係合部(63)は、後述するバックフォイル(70)の係合爪(N)が係合する。各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の一方側の側面において、周方向に所定の間隔を空けて形成される。本実施形態では、係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の側面を周方向に概ね3等分割する位置に形成される。
3つの係合部(63)のうち1つの係合部(第1係合部(63a))の幅(周方向の長さ)は、他の2つの係合部(第2係合部(63b)および第3係合部(63c))の幅よりも長い。軸受ハウジング(60)における両側面の第1係合部(63a)の間の内周面には、後述するトップフォイル(80)の第1側縁部(81a)が溶接される。言い換えると、ラジアルフォイル軸受(26)は、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に溶接する溶接部(W)を有する。溶接部(W)は、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)を軸受ハウジング(60)の内周面にスポット溶接することによって形成される。この溶接部(W)によってトップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に固定される。
各係合部(63)は、軸方向内側に窪む凹部で構成される。各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の内周面から外周面に亘って径方向外側に延びる。言い換えると、各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)を径方向に貫通する。各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)を切り欠くことによって形成される。なお、係合部(63)は、軸方向から見て、軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に切り欠かれていればよく、軸受ハウジング(60)の外周面を貫通していなくてもよい。
係合部(63)の幅(周方向の長さ)は、バックフォイル(70)の板厚の5倍以上である。このように係合部(63)の幅がバックフォイル(70)の板厚に対して十分大きい。これにより、係合部(63)をワイヤカットのような特殊で微細な加工によって形成する必要が無く、エンドミル等による一般的な切削加工で形成できる。
係合部(63)の幅は、0.3mm以上である。言い換えると、係合部(63)の幅は、ワイヤカットによる加工の上限幅よりも大きい。これにより、係合部(63)をワイヤカットのような微細な加工によって形成することなく、一般的な切削加工によって形成できる。これにより、係合部(63)を加工する時間が短くなり、製造コストを低減できる。
(3-2)バックフォイル
バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)を弾性的に支持する。バックフォイル(70)は、トップフォイル(80)の径方向外側に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)とトップフォイル(80)との間に配置される。バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)の内周面に沿って配置される。
バックフォイル(70)は、薄板状に形成される。本実施形態のバックフォイル(70)は、バンプフォイルである。バックフォイル(70)は、バンプフォイル以外のもの(例えば、スプリングフォイルなど)でもよい。
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)には、軸受ハウジング(60)の周方向に沿って複数(3つ)のバックフォイル(70)が設けられる。図5および図6に示すように、各バックフォイル(70)は、波板状に形成される。各バックフォイル(70)は、軸方向から見て、略円弧状に形成される。3つのバックフォイル(70)は、全体として略円筒状になるように配置される。
各バックフォイル(70)と軸受ハウジング(60)との間には、周方向に不均一な隙間(C)が形成される。言い換えると、3つのバックフォイル(70)は、全体として、非真円形状に配置される。これにより、バックフォイル(70)によって支持された軸受面(トップフォイル(80))が非真円形状に形成され、回転軸(35)が高速回転したときに生じる不安定化力(回転軸(35)を振れ回らせる力)の発生を抑制できる。
互いに隣り合うバックフォイル(70)は、所定の間隔を空けて配置される。詳細には、各バックフォイル(70)を、第1係合部(63a)の位置を基準として時計回り方向に順に、第1バックフォイル(71)、第2バックフォイル(72)、第3バックフォイル(73)とする。このとき、第1バックフォイル(71)と第2バックフォイル(72)とは、第2係合部(63b)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。第2バックフォイル(72)と第3バックフォイル(73)とは、第3係合部(63c)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。第3バックフォイル(73)と第1バックフォイル(71)とは、第1係合部(63a)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。換言すると、各係合部(63)は、バックフォイル(70)に覆われていない。
各バックフォイル(70)は、周方向に沿って、軸受ハウジング(60)に接する平坦な谷部(70a)と、トップフォイル(80)に接する湾曲した山部(70b)とが交互に形成される。山部(70b)は、軸受ハウジング(60)に挿入された状態で径方向内方に突出する。各バックフォイル(70)は、その山部(70b)によってトップフォイル(80)を弾性的に支持する。ラジアルフォイル軸受(26)は、バックフォイル(70)の山部(70b)および谷部(70a)によって軸方向に流体の通路が形成される。
各バックフォイル(70)は、4つの係合爪(N)を有する。係合爪(N)は、各バックフォイル(70)における軸受ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、軸受ハウジング(60)の周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを含む。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、バックフォイル(70)における軸受ハウジング(60)の軸方向の両側の端部にそれぞれ形成される。なお、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、バックフォイル(70)における軸方向の一方側の端部にのみ形成されてもよい。
各係合爪(N)は、バックフォイル(70)における軸受ハウジング(60)の軸方向に延びる側縁部から径方向外側に延びる。言い換えると、図6に示すように、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、山部(70b)が突出する方向と反対方向に向かって概ね直角に折り曲げられることで形成される。
各バックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、対応する軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合する。このように第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)によって周方向に軸受ハウジング(60)を挟み込むことにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。これにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)から径方向に脱落することを抑制できる。本構成では、溶接によってバックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に固定しないので、バックフォイル(70)に溶接による歪みが生じない。このため、軸受としての性能を低下させることなくラジアルフォイル軸受(26)を製造できる。
各バックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)の先端部は、それぞれの係合爪(N)が係合する係合部(63)の内側面に接触する。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、弾性変形可能に構成される。これにより、バックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に係合させたときに、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)の先端部に周方向に軸受ハウジング(60)を挟み込む力が生じるので、バックフォイル(70)の脱落をより抑制できる。
加えて、バックフォイル(70)がトップフォイル(80)から径方向の力を受けると、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がその先端部を支点に弾性変形することにより、軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動する。このように各バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動できることにより、回転軸(35)が高速回転して振動した場合に、各バックフォイル(70)が周辺の部品に衝突し振動のエネルギーが散逸される。その結果、回転軸(35)の振動を減衰できる。
ここで、図7に示すように、第1バックフォイル(71)の第1係合爪(N1)が係合する第2係合部(63b)は、該第1係合爪(N1)の先端部が接触する第1面(64)を有する。第1バックフォイル(71)の第2係合爪(N2)が係合する第1係合部(63a)は、該第2係合爪(N2)の先端部が接触する第2面(65)を有する。第2係合部(63b)は、本開示の第1の係合部(63)に対応する。第1係合部(63a)は、本開示の第2の係合部(63)に対応する。
軸受ハウジング(60)を軸方向から見たときに、第1バックフォイル(71)における第1係合爪(N1)の基端部と第2係合爪(N2)の基端部との間の周方向の長さA1は、軸受ハウジング(60)における第1面(64)の径方向内側の端部と第2面の径方向内側の端部との間の周方向の長さA2よりも長い。なお、ここでいう「周方向の長さ」とは、軸受ハウジング(60)の内周面の曲率半径と同じ曲率半径の仮想曲線における長さである。
第1バックフォイル(71)における周方向の長さA1は、軸受ハウジング(60)における周方向の長さA2よりも長いので、第1係合爪(N1)と第1面(64)との間、および第2係合爪(N2)と第2面(65)との間にそれぞれ微小隙間(G)が形成される。これにより、回転軸(35)が高速回転して振動した場合に、第1係合爪(N1)と第1面(64)とが接触し、または第2係合爪(N2)と第2面(65)とが接触する。その結果、振動のエネルギーが散逸されて、回転軸(35)の振動が減衰できる。なお、微小隙間(G)は、第2バックフォイル(72)と軸受ハウジング(60)との間、および第3バックフォイル(73)と軸受ハウジング(60)との間にも形成される。
図4に示すように、互いに隣り合うバックフォイル(70)のうち一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)は、他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。具体的には、第1バックフォイル(71)の第1係合爪(N1)は、第2バックフォイル(72)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。第2バックフォイル(72)の第1係合爪(N1)と第3バックフォイル(73)の第2係合爪(N2)とは対向して配置される。第3バックフォイル(73)の第1係合爪(N1)と第1バックフォイル(71)の第2係合爪(N2)とは対向して配置される。
本実施形態では、互いに対向して配置される一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)と他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)とは、1つの係合部(63)に係合する。具体的には、第1係合部(63a)には、第3バックフォイル(73)の第1係合爪(N1)、および第1バックフォイル(71)の第2係合爪(N2)が係合する。第2係合部(63b)には、第1バックフォイル(71)の第1係合爪(N1)、および第2バックフォイル(72)の第2係合爪(N2)が係合する。第3係合部(63c)には、第2バックフォイル(72)の第1係合爪(N1)、および第3バックフォイル(73)の第2係合爪(N2)が係合する。
このように、互いに対向して配置される一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)と他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)とが1つの係合部(63)に係合するので、軸受ハウジング(60)に形成する係合部(63)の数が、1つの係合爪(N)に対応して1つの係合部(63)を形成する場合に比べて減少する。これにより、係合部(63)を加工する工程が減少するので、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)に対して、該軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。本実施形態のバックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成される。
具体的には、ラジアルフォイル軸受(26)を組み立てる際に、バックフォイル(70)は、周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動できる程度の余裕を持たせて巻かれ、軸受ハウジング(60)に挿入される。これにより、バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動可能に構成される。ここで、「僅かに移動」とは、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)から外れて脱落しない程度の移動量のことである。
(3-3)トップフォイル
トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)と回転軸(35)との間に配置される。換言すると、トップフォイル(80)は、回転軸(35)に対向して配置される。トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)の内面に沿って略円筒状に巻かれる。
トップフォイル(80)は、金属で構成される薄板状に形成される。トップフォイル(80)は、周方向を長辺とし、軸方向を短辺とする矩形状に形成される。トップフォイル(80)は、回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有する。本実施形態のトップフォイル(80)は、本体部(81)のみで構成される。
本体部(81)は、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とを有する。第1側縁部(81a)は、回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である。第2側縁部(81b)は、回転軸(35)の回転方向(P)後側の側縁部である。第1側縁部(81a)には、溶接部(W)が形成されている。この溶接部(W)によって、トップフォイル(80)は、軸受ハウジング(60)に固定されている。
(4)圧縮機の運転動作
次に、圧縮機(20)の運転動作について説明する。
モータ(30)に電力が供給されると、モータ(30)の回転子(32)が回転する。これにより、回転軸(35)及びインペラが回転する。羽根車(51)が回転することにより、吸入通路(53)から圧縮室(52)へ冷媒が吸入され、圧縮される。圧縮されて高圧となった冷媒は、吐出通路(図示省略)を経由して、圧縮室(52)から外部へ吐出される。
(5)ラジアルフォイル軸受の作用
次に、ラジアルフォイル軸受(26)の作用について説明する。
回転軸(35)が停止した状態では、トップフォイル(80)は、バックフォイル(70)によって回転軸(35)側に付勢され、回転軸(35)に密着している。モータ(30)に電力が供給されると、回転軸(35)が図1に示す回転方向(P)に回転を始める。回転軸(35)は、低速で回転し始め、その後徐々に加速して高速で回転する。回転軸(35)が高速回転すると、トップフォイル(80)の第2側縁部(81b)とバックフォイル(70)の一端との間から周囲流体が引き入れられ、トップフォイル(80)と回転軸(35)との間に周囲流体が流入する。これにより、トップフォイル(80)と回転軸(35)との間に流体潤滑膜が形成される。
(6)特徴
(6-1)
本実施形態では、バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有する。軸受ハウジング(60)の側面には、該軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成される。
これによれば、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)をそれぞれに対応する係合部(63)に係合させることで軸受ハウジング(60)を挟み込む。これにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。その結果、係合部(63)を各係合爪(N)が丁度嵌る幅に合わせて微細な加工をする必要がなくなり、エンドミルによる切削加工のような一般的な加工方法によって係合部(63)を形成できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
ところで、従来のラジアルフォイル軸受では、溶接等によりバックフォイルにおける周方向一方側の両端部を軸受ハウジング(60)に固定している。言い換えると、バックフォイルにおける周方向他方側が自由に移動できる。このため、外乱などによりラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が加わると、バックフォイルの位置が大きくずれてしまい、トップフォイルを適切に支持できない。その結果、ラジアルフォイル軸受としての性能が発揮できない場合があった。
これに対し、本実施形態のバックフォイル(70)の周方向の両側に係合爪(N)を設け、該係合爪(N)を軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合させることにより、バックフォイル(70)を固定している。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が加わっても、バックフォイル(70)の大きな位置ずれを抑制でき、トップフォイル(80)を適切に支持できる。その結果、ラジアルフォイル軸受(26)としての性能を維持できる。
更に、本実施形態のバックフォイル(70)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)によって軸受ハウジング(60)を挟み込むことで、軸受ハウジング(60)に固定される。このようにバックフォイル(70)を溶接等によって軸受ハウジング(60)に固定しないので、バックフォイル(70)に溶接熱による歪みが生じない。これにより、軸受面に歪みが生じないので、ラジアルフォイル軸受(26)としての性能が低下することを抑制できる。
(6-2)
本実施形態では、係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の両側の側面に形成される。バックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、軸方向の両側にそれぞれ形成される。これによれば、バックフォイル(70)の軸方向両側への大きな移動が規制される。
(6-3)
本実施形態では、バックフォイル(70)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成される。これによれば、例えば回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、その振動が伝達されたバックフォイル(70)が周方向、軸方向、および径方向のいずれか一方向に移動して周辺の部品と衝突する。この衝突により、振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
(6-4)
本実施形態では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、バックフォイル(70)における軸受ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から径方向外側に延びる。これによれば、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が軸受ハウジング(60)を周方向に挟み込む。これにより、バックフォイル(70)の周方向への大きな移動を規制できる。
(6-5)
本実施形態では、係合部(63)の幅は、バックフォイル(70)の板厚の5倍以上である。これによれば、係合部(63)の幅をバックフォイル(70)の板厚に対して十分大きく形成できるので、微細な加工によって係合部(63)を形成する必要がなく、係合部(63)を形成しやすい。
(6-6)
本実施形態では、係合部(63)の幅は、0.3mm以上である。これによれば、係合部(63)の幅が0.3mm以上なので、例えばワイヤカット加工のような繊細な加工をすることなく係合部(63)を形成できる。
(6-7)
本実施形態では、バックフォイル(70)は、周方向に沿って複数設けられる。互いに隣り合うバックフォイル(70)のうち一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)は、他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。一方のバックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および他方のバックフォイル(70)の第2係合爪(N2)は、1つの係合部(63)に係合する。
これによれば、1つの係合部(63)に2つの係合爪(N)が係合するので、形成する係合部(63)の数を抑制できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
(6-8)
本実施形態では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの係合爪(N)に対応する係合部(63)の内面に接触する。バックフォイル(70)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される。
これによれば、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部が係合部(63)の内面に接触することにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。この状態で、各係合爪(N)が弾性変形することにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動する。これにより、回転軸が高速回転して振動した場合に、バックフォイル(70)が周辺の部品に衝突して、振動のエネルギーが散逸される。その結果、回転軸(35)の振動を減衰できる。
(6-9)
本実施形態では、軸受ハウジング(60)は、第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有する。第1の係合部(63)は、第1係合爪(N1)の先端部が接触する第1面(64)を有する。第2の係合部(63)は、第2係合爪(N2)の先端部が接触する第2面(65)を有する。軸受ハウジング(60)の軸方向から見たときに、第1係合爪(N1)の基端部と第2係合爪(N2)の基端部との間の周方向の長さA1は、第1面(64)の径方向内側の端部と第2面(65)の径方向内側の端部との間の周方向の長さA2よりも長い。
これによれば、バックフォイル(70)における周方向の長さA1が、軸受ハウジング(60)における周方向の長さA2よりも長いので、第1係合爪(N1)および第1面(64)の間、ならびに第2係合爪(N2)および第2面(65)の間のそれぞれに周方向に隙間(C)が生じる。これにより、回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、第1係合爪(N1)と第1面(64)が接触する、または第2係合爪(N2)と第2面(65)が接触する。その結果、回転軸(35)の振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
(7)変形例
上記実施形態については、以下のような変形例としてもよい。なお、以下の説明では、原則として上記実施形態と異なる点について説明する。
(7-1)変形例1
図8および図9に示すように、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、バックフォイル(70)の1つの係合爪(N)が、軸受ハウジング(60)の1つの係合部(63)に係合してもよい。言い換えると、軸受ハウジング(60)の係合部(63)は、バックフォイル(70)の係合爪(N)と同じ数設けられてもよい。
具体的には、本変形例の軸受ハウジング(60)の両側の側面には、それぞれ6つの係合部(63)が形成される。各係合部(63)を、トップフォイル(80)の溶接部(W)の位置を基準に時計回り方向に第1~第6係合部(63a,63b,63c,63d,63e,63f)としたとき、第2係合部(63b)と第3係合部(63c)は近接して形成される。第4係合部(63d)と第5係合部(63e)は近接して形成される。第6係合部(63f)と第1係合部(63a)は、溶接部(W)を挟んで、近接して形成される。
第1係合部(63a)には、第1バックフォイル(71)の第2係合爪(N2)が係合する。第2係合部(63b)には、第1バックフォイル(71)の第1係合爪(N1)が係合する。第3係合部(63c)には、第2バックフォイル(72)の第2係合爪(N2)が係合する。第4係合部(63d)には、第2バックフォイル(72)の第1係合爪(N1)が係合する。第5係合部(63e)には、第3バックフォイル(73)の第2係合爪(N2)が係合する。第6係合部(63f)には、第3バックフォイル(73)の第1係合爪(N1)が係合する。
加えて、バックフォイル(70)の係合爪(N)と、該係合爪(N)に対応する係合部(63)の第1面(64)または第2面(65)との間に微小隙間が形成されなくてもよい。
(7-2)変形例2
図10および図11に示すように、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、バックフォイル(70)の山部(70b)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が延びる方向に突出してもよい。言い換えると、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、山部(70b)が突出する方向に概ね直角に折り曲げられている。山部(70b)は、軸受ハウジング(60)に挿入された状態で径方向外側に突出する。本変形例では、各バックフォイル(70)は、その谷部(70a)によってトップフォイル(80)を弾性的に支持する。
図10に示すように、本変形例のバックフォイル(70)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)の基端部の角の位置が、対応する係合部(63)の角の位置と一致していない。これにより、本変形例のバックフォイル(70)は、実施形態1のバックフォイルに比べて、係合爪(N)の基端部の角と該係合爪(N)に対応する係合部(63)の角との位置を合わせる必要がないので、係合部(63)の角を面取りする必要がない。
(7-3)変形例3
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、係合爪(N)が、バックフォイル(70)における周方向に延びる側縁部の両端部から径方向外側に延びてもよい。言い換えると、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、軸方向に軸受ハウジング(60)を挟み込むことでバックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に保持する。
この場合には、係合爪(N)に対応する係合部(63)は、係合爪(N)の大きさに合わせて形成される。具体的には、本変形例の係合部(63)は、実施形態1の係合部(63)に比べて、幅(周方向の長さ)が長くなるとともに高さ(軸方向の長さ)が短くなる。
(7-4)変形例4
本実施形態における軸受ハウジング(60)の各係合部(63)は、穴で構成されてもよい。言い換えると、各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の側面に形成されなくてもよい。具体的には、各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の軸方向中央寄りの位置に形成されてもよい。軸受ハウジング(60)の内周面から外周面へ向かって延びる。
この場合、各バックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、穴で構成された係合部(63)に対応する位置に形成される。これにより、バックフォイル(70)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合する。
《実施形態2》
実施形態2について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態1のラジアルフォイル軸受(26)において、その構成に中間フォイル(90)を追加したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態1と異なる点を説明する。
(1)ラジアルフォイル軸受
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、図12~図15を参照しながら詳細に説明する。ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受ハウジング(60)と、バックフォイル(70)と、トップフォイル(80)と、中間フォイル(90)とを備える。
図12に示すように、軸受ハウジング(60)は、トップフォイル(80)、バックフォイル(70)、および中間フォイル(90)を収容する。中間フォイル(90)は、バックフォイル(70)とトップフォイル(80)との間に配置される。中間フォイル(90)は、バックフォイル(70)の径方向内側に配置される。トップフォイル(80)は、中間フォイル(90)と回転軸(35)との間に配置される。
(1-1)バックフォイル
バックフォイル(70)は、中間フォイル(90)およびトップフォイル(80)を弾性的に支持する。本実施形態のバックフォイル(70)は、実施形態1のバックフォイルと異なり、係合爪(N)が設けられていない。本実施形態では、係合爪(N)は、中間フォイル(90)に設けられる。
本実施形態のバックフォイル(70)は、4つの挿通部(70e)を有する。挿通部(70e)は、後述する中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が挿通される。挿通部(70e)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)に対応する位置に形成される。具体的には、挿通部(70e)は、各バックフォイル(70)の周方向両側の端部かつ軸方向両側の端部に形成される。言い換えると、挿通部(70e)は、バックフォイル(70)の四隅に形成される。図13に示すように、本実施形態の挿通部(70e)は、切欠きで構成される。
波板状に形成された各バックフォイル(70)の山部(70b)は、中間フォイル(90)に接する。このようにバックフォイル(70)の山部(70b)によって、中間フォイル(90)を介して、トップフォイル(80)を弾性的に支持している。
(1-2)中間フォイル
中間フォイル(90)は、回転軸(35)の振動をより減衰させるためのものである。中間フォイル(90)は、薄板状に形成される。中間フォイル(90)は、バックフォイル(70)の内面に沿って巻かれる。
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)には、軸受ハウジング(60)の周方向に沿って複数(3つ)の中間フォイル(90)が設けられる。各中間フォイル(90)は、軸方向から見て、略円弧状に形成される。3つの中間フォイル(90)は、全体として略円筒状になるように配置される。
互いに隣り合う中間フォイル(90)は、所定の間隔を空けて配置される。詳細には、各中間フォイル(90)を、第1係合部(63a)の位置を基準として時計回り方向に順に、第1中間フォイル(91)、第2中間フォイル(92)、第3中間フォイル(93)とする。このとき、第1中間フォイル(91)と第2中間フォイル(92)とは、第2係合部(63b)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。第2中間フォイル(92)と第3中間フォイル(93)とは、第3係合部(63c)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。第3中間フォイル(93)と第1中間フォイル(91)とは、第1係合部(63a)を挟んで、所定の間隔を空けて配置される。換言すると、各係合部(63)は、中間フォイル(90)に覆われていない。
各中間フォイル(90)は、4つの係合爪(N)を有する。係合爪(N)は、各中間フォイル(90)における軸受ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、軸受ハウジング(60)の周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを含む。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、中間フォイル(90)における軸受ハウジング(60)の軸方向の両側の端部にそれぞれ形成される。なお、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、中間フォイル(90)における軸方向の一方側の端部にのみ形成されてもよい。
図14および図15に示すように、各係合爪(N)は、中間フォイル(90)における軸受ハウジング(60)の軸方向に延びる側縁部から径方向外側に延びる。言い換えると、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、バックフォイル(70)の山部(70b)が突出する方向と反対方向に向かって概ね直角に折り曲げられることで形成される。
各中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)を介して、対応する軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合する。このように第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)によって周方向に軸受ハウジング(60)を挟み込むことにより、中間フォイル(90)およびバックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。これにより、中間フォイル(90)およびバックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)から径方向に脱落することを抑制できる。本構成では、溶接によってバックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に固定しないので、バックフォイル(70)に溶接による歪みが生じない。このため、軸受としての性能を低下させることなくラジアルフォイル軸受(26)を製造できる。
各中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)の先端部は、それぞれの係合爪(N)が係合する係合部(63)の内側面に接触する。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、弾性変形可能に構成される。これにより、中間フォイル(90)をバックフォイル(70)介して軸受ハウジング(60)に係合させたときに、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)の先端部に周方向に軸受ハウジング(60)を挟み込む力が生じるので、バックフォイル(70)の脱落をより抑制できる。
加えて、中間フォイル(90)がトップフォイル(80)から径方向の力を受けると、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)がその先端部を支点に弾性変形することにより、軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動する。このように各中間フォイル(90)が軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動できることにより、回転軸(35)が高速回転して振動した場合に、各中間フォイル(90)が周辺の部品に衝突し振動のエネルギーが散逸される。その結果、回転軸(35)の振動を減衰できる。
ここで、図16に示すように、第2係合部(63b)は、第1中間フォイル(91)の第1係合爪(N1)の先端部が接触する第1面(64)を有する。第1係合部(63a)は、第1中間フォイル(91)の第2係合爪(N2)の先端部が接触する第2面(65)を有する。第2係合部(63b)は、本開示の第1の係合部(63)に対応する。第1係合部(63a)は、本開示の第2の係合部(63)に対応する。
第1中間フォイル(91)は、第1接触部(90a)と第2接触部(90b)とを有する。第1接触部(90a)は、第1係合爪(N1)と該第1係合爪(N1)が挿通する第1バックフォイル(71)の挿通部(70e)とが接触する部分である。第2接触部(90b)は、第2係合爪(N2)と該第2係合爪(N2)が挿通する第1バックフォイル(71)の挿通部(70e)とが接触する部分である。
軸受ハウジング(60)を軸方向から見たときに、第1中間フォイル(91)の第1接触部(90a)と第2接触部(90b)との間の周方向の長さB1は、軸受ハウジング(60)における第1面(64)の径方向内側の端部と第2面の径方向内側の端部との間の周方向の長さB2よりも長い。なお、ここでいう「周方向の長さ」とは、軸受ハウジング(60)の内周面の曲率半径と同じ曲率半径の仮想曲線における長さである。
第1中間フォイル(91)における周方向の長さB1は、軸受ハウジング(60)における周方向の長さB2よりも長いので、第1係合爪(N1)と第1面(64)との間、および第2係合爪(N2)と第2面(65)との間にそれぞれ微小隙間(G)が形成される。これにより、回転軸(35)が高速回転して振動した場合に、第1係合爪(N1)と第1面(64)とが接触し、または第2係合爪(N2)と第2面(65)とが接触する。その結果、振動のエネルギーが散逸されて、回転軸(35)の振動が減衰できる。なお、微小隙間(G)は、第2中間フォイル(92)と軸受ハウジング(60)との間、および第3中間フォイル(93)と軸受ハウジング(60)との間にも形成される。
図12および図13に示すように、互いに隣り合う中間フォイル(90)のうち一方の中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)は、他方の中間フォイル(90)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。具体的には、第1中間フォイル(91)の第1係合爪(N1)は、第2中間フォイル(92)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。第2中間フォイル(92)の第1係合爪(N1)と第3中間フォイル(93)の第2係合爪(N2)とは対向して配置される。第3中間フォイル(93)の第1係合爪(N1)と第1中間フォイル(91)の第2係合爪(N2)とは対向して配置される。
本実施形態では、互いに対向して配置される一方の中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)と他方の中間フォイル(90)の第2係合爪(N2)とは、1つの係合部(63)に係合する。具体的には、第1係合部(63a)には、第3中間フォイル(93)の第1係合爪(N1)、および第1中間フォイル(91)の第2係合爪(N2)が係合する。第2係合部(63b)には、第1中間フォイル(91)の第1係合爪(N1)、および第2中間フォイル(92)の第2係合爪(N2)が係合する。第3係合部(63c)には、第2中間フォイル(92)の第1係合爪(N1)、および第3中間フォイル(93)の第2係合爪(N2)が係合する。
このように、互いに対向して配置される一方の中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)と他方の中間フォイル(90)の第2係合爪(N2)とが1つの係合部(63)に係合するので、軸受ハウジング(60)に形成する係合部(63)の数が、1つの係合爪(N)に対応して1つの係合部(63)を形成する場合に比べて減少する。これにより、係合部(63)を加工する工程が減少するので、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
中間フォイル(90)は、軸受ハウジング(60)に対して、該軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される。本実施形態の中間フォイル(90)は、軸受ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成される。
具体的には、ラジアルフォイル軸受(26)を組み立てる際に、中間フォイル(90)は、周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動できる程度の余裕を持たせて巻かれ、軸受ハウジング(60)に挿入される。これにより、中間フォイル(90)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向に僅かに移動可能に構成される。ここで、「僅かに移動」とは、中間フォイル(90)が軸受ハウジング(60)から外れて脱落しない程度の移動量のことである。
ここで、軸受ハウジング(60)の係合部(63)の幅(周方向の長さ)は、中間フォイル(90)の板厚の5倍以上である。このように係合部(63)の幅が中間フォイル(90)の板厚に対して十分大きい。これにより、係合部(63)をワイヤカットのような特殊で微細な加工によって形成する必要が無く、エンドミル等による一般的な切削加工で形成できる。
(2)特徴
(2-1)
本実施形態では、中間フォイル(90)は、軸受ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有する。バックフォイル(70)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)に対応する部分に、溝または切欠きで構成される挿通部(70e)を有する。軸受ハウジング(60)の側面には、該軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成される。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれは、挿通部(70e)を介して係合部(63)に係合する。
これによれば、中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)をそれぞれに対応する軸受ハウジング(60)の係合部(63)に、バックフォイル(70)の挿通部(70e)を介して係合させることで軸受ハウジング(60)を挟み込む。これにより、バックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。その結果、係合部(63)を各係合爪(N)が丁度嵌る幅に合わせて微細な加工をする必要がなくなり、エンドミルによる切削加工のような一般的な加工方法によって係合部(63)を形成できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
ところで、従来のラジアルフォイル軸受では、溶接等によりバックフォイルにおける周方向一方側の両端部を軸受ハウジング(60)に固定している。言い換えると、バックフォイルにおける周方向他方側が自由に移動できる。このため、外乱などによりラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が加わると、バックフォイルの位置が大きくずれてしまい、トップフォイルを適切に支持できない。その結果、ラジアルフォイル軸受としての性能が発揮できない場合があった。
これに対し、本実施形態の中間フォイル(90)の周方向の両側に係合爪(N)を設け、該係合爪(N)を軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合させることにより、中間フォイル(90)と軸受ハウジング(60)との間に配置されたバックフォイル(70)を固定している。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が加わっても、バックフォイル(70)の大きな位置ずれを抑制でき、トップフォイル(80)を適切に支持できる。その結果、ラジアルフォイル軸受(26)としての性能を維持できる。
更に、本実施形態の中間フォイル(90)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)によって軸受ハウジング(60)を挟み込むことで、バックフォイル(70)を軸受ハウジング(60)に固定する。このようにバックフォイル(70)を溶接等によって軸受ハウジング(60)に固定しないので、バックフォイル(70)に溶接熱による歪みが生じない。これにより、軸受面に歪みが生じないので、ラジアルフォイル軸受(26)としての性能が低下することを抑制できる。
加えて、本実施形態では、実施形態1と異なり、バックフォイル(70)に係合爪(N)を設ける必要がないので、バックフォイル(70)の加工が容易になる。
(2-2)
本実施形態では、係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の両側の側面に形成される。第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、中間フォイル(90)における軸方向両側にそれぞれ形成される。挿通部(70e)は、バックフォイル(70)の軸方向両側における第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)に対応する位置に形成される。これによれば、中間フォイル(90)およびバックフォイル(70)の軸方向両側への大きな移動が規制される。
(2-3)
本実施形態では、バックフォイル(70)および中間フォイル(90)は、軸受ハウジング(60)に対して周方向、軸方向、および径方向に相対的に移動可能に構成される。これによれば、例えば回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、その振動が伝達された中間フォイル(90)またはバックフォイル(70)が周方向、軸方向、および径方向のいずれか一方向に移動して周辺の部品と衝突する。この衝突により、振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
さらに、中間フォイル(90)が設けられることによって周辺部品との衝突箇所が増え、中間フォイル(90)が設けられていないラジアルフォイル軸受(26)に比べて、振動エネルギーが散逸され易くなる。
(2-4)
本実施形態では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、中間フォイル(90)における軸受ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から径方向外側に延びる。これによれば、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が軸受ハウジング(60)を周方向に挟み込む。これにより、中間フォイル(90)およびバックフォイル(70)の周方向への大きな移動を規制できる。
(2-5)
本実施形態では、係合部(63)の幅は、中間フォイル(90)の板厚の5倍以上である。これによれば、係合部(63)の幅を中間フォイル(90)の板厚に対して十分大きく形成できるので、微細な加工によって係合部(63)を形成する必要がなく、係合部(63)を形成しやすい。
(2-6)
本実施形態では、係合部(63)の幅は、0.3mm以上である。これによれば、係合部(63)の幅が0.3mm以上なので、例えばワイヤカット加工のような繊細な加工をすることなく係合部(63)を形成できる。
(2-7)
本実施形態では、中間フォイル(90)は、周方向に沿って複数設けられる。互いに隣り合う中間フォイル(90)のうち一方の中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)は、他方の中間フォイル(90)の第2係合爪(N2)と対向して配置される。一方の中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および他方の中間フォイル(90)の第2係合爪(N2)は、1つの係合部(63)に係合する。
これによれば、1つの係合部(63)に2つの係合爪(N)が係合するので、形成する係合部(63)の数を抑制できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
(2-8)
本実施形態では、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの係合爪(N)に対応する係合部(63)の内面に接触する。中間フォイル(90)は、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される。
これによれば、第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部が係合部(63)の内面に接触することにより、中間フォイル(90)およびバックフォイル(70)が軸受ハウジング(60)に保持される。この状態で、各係合爪(N)が弾性変形することにより、中間フォイル(90)が軸受ハウジング(60)に対して相対的に移動する。これにより、回転軸が高速回転して振動した場合に、中間フォイル(90)またはバックフォイル(70)が周辺の部品に衝突して、振動のエネルギーが散逸される。その結果、回転軸(35)の振動を減衰できる。
さらに、中間フォイル(90)が設けられることにより周辺部品との衝突箇所が増え、中間フォイル(90)が設けられていないラジアルフォイル軸受(26)に比べて、振動エネルギーが散逸され易くなる。
(2-9)
本実施形態では、軸受ハウジング(60)は、第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有する。第1の係合部(63)は、第1係合爪(N1)が接触する第1面(64)を有する。第2の係合部(63)は、第2係合爪(N2)が接触する第2面(65)を有する。中間フォイル(90)は、第1係合爪(N1)と該第1係合爪(N1)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第1接触部(90a)と、前記第2係合爪(N2)と該第2係合爪(N2)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第2接触部(90b)とを有する。軸受ハウジング(60)の軸方向から見たときに、中間フォイル(90)の第1接触部(90a)と第2接触部(90b)との間の周方向の長さB1は、軸受ハウジング(60)における第1面(64)の径方向内側の端部と第2面(65)の径方向内側の端部との間の周方向の長さB2よりも長い。
これによれば、中間フォイル(90)における周方向の長さB1が、軸受ハウジング(60)における周方向の長さB2よりも長いので、第1係合爪(N1)および第1面(64)の間、ならびに第2係合爪(N2)および第2面(65)の間のそれぞれに周方向に微小隙間(G)が生じる。これにより、回転軸(35)が高速に回転して振動した場合に、第1係合爪(N1)と第1面(64)が接触する、または第2係合爪(N2)と第2面(65)が接触する。その結果、回転軸(35)の振動のエネルギーが散逸されるので、回転軸(35)の振動を減衰できる。
さらに、中間フォイル(90)が設けられることにより周辺部品との衝突箇所が増え、中間フォイル(90)が設けられていないラジアルフォイル軸受(26)に比べて、振動エネルギーが散逸され易くなる。
(2-10)
本実施形態では、バックフォイル(70)は、周方向両側の側縁部から軸受ハウジング(60)の径方向内側に延びる曲げ部(70d)を有する。これによれば、曲げ部(70d)によって中間フォイル(90)に対するバックフォイル(70)の位置が保持される。その結果、バックフォイル(70)が周方向に大きく移動してその位置がずれることにより、バックフォイル(70)が脱落することを抑制できる。
(3)変形例
上記実施形態については、以下のような変形例としてもよい。なお、以下の説明では、原則として上記実施形態と異なる点について説明する。
(3-1)変形例1
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、中間フォイル(90)の1つの係合爪(N)が軸受ハウジング(60)の1つの係合部(63)に係合してもよい。言い換えると、軸受ハウジング(60)の係合部(63)は、中間フォイル(90)の係合爪(N)と同じ数設けられてもよい。具体的には、本変形例の軸受ハウジング(60)は、実施形態1の変形例1と同様に、その両側の側面に、それぞれ6つの係合部(63)が形成される。
第1係合部(63a)には、第1中間フォイル(91)の第2係合爪(N2)が係合する。第2係合部(63b)には、第1中間フォイル(91)の第1係合爪(N1)が係合する。第3係合部(63c)には、第2中間フォイル(92)の第2係合爪(N2)が係合する。第4係合部(63d)には、第2中間フォイル(92)の第1係合爪(N1)が係合する。第5係合部(63e)には、第3中間フォイル(93)の第2係合爪(N2)が係合する。第6係合部(63f)には、第3中間フォイル(93)の第1係合爪(N1)が係合する。
加えて、中間フォイル(90)の係合爪(N)と、該係合爪(N)に対応する係合部(63)の第1面(64)または第2面(65)との間に微小隙間が形成されなくてもよい。
(3-2)変形例2
図17に示すように、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、バックフォイル(70)の挿通部(70e)は、各バックフォイル(70)の四隅に形成された溝で構成されてもよい。具体的には、各バックフォイル(70)は、該バックフォイル(70)の周方向端部に突片部(70c)を有する。突片部(70c)は、バックフォイル(70)の端部から軸方向外側に延びる。挿通部(70e)は、突片部(70c)の内側に形成されたスリット状の溝で構成される。本変形例の挿通部(70e)を介して中間フォイル(90)の係合爪(N)が軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合することにより、突片部(70c)が周方向外側への大きな移動を規制するので、バックフォイル(70)の脱落を抑制できる。
(3-3)変形例3
図18および図19に示すように、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、挿通部(70e)は、各バックフォイル(70)の周方向一方側および他方側に形成された溝で構成されてもよい。言い換えると、挿通部(70e)は、各バックフォイル(70)の四隅に形成されなくてもよい。
具体的には、例えば、図19に示すように、1つの挿通部(70e)は、バックフォイル(70)の周方向一端部の山部(70b)と該一端部の山部(70b)の隣の山部(70b)との間の谷部(70a)に軸方向に延びるスリット状の溝で構成される。別の挿通部(70e)は、バックフォイル(70)の周方向他端部の山部(70b)と該他端部の山部(70b)の隣の山部(70b)との間の谷部(70a)に軸方向に延びるスリット状の溝で構成される。
この場合には、中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、中間フォイル(90)における挿通部(70e)に対応する位置に形成される。このように本変形例の挿通部(70e)を介して中間フォイル(90)の係合爪(N)が軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合することにより、周方向両側への大きな移動を規制するので、バックフォイル(70)の脱落を抑制できる。
(3-4)変形例4
図20に示すように、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)では、バックフォイル(70)は、周方向両側の側縁部に軸受ハウジング(60)の径方向内側へ延びる曲げ部(70d)を有してもよい。具体的には、曲げ部(70d)は、バックフォイル(70)の周方向両側の側縁部を、中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)が延びる方向と反対の方向に折り曲げることにより形成される。これにより、バックフォイル(70)の挿通部(70e)を介して中間フォイル(90)の係合爪(N)が軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合したときに、曲げ部(70d)によって中間フォイル(90)に対するバックフォイル(70)の位置が保持される。その結果、バックフォイル(70)が周方向に大きく移動してその位置がずれることにより、バックフォイル(70)が脱落することを抑制できる。
(3-5)変形例5
本実施形態における軸受ハウジング(60)の各係合部(63)は、穴で構成されてもよい。言い換えると、各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の側面に形成されなくてもよい。具体的には、各係合部(63)は、軸受ハウジング(60)の軸方向中央寄りの位置に形成されてもよい。軸受ハウジング(60)の内周面から外周面へ向かって延びる。
この場合、各中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、穴で構成された係合部(63)に対応する位置に形成される。各バックフォイル(70)の挿通部(70e)も、係合部(63)に対応する位置に形成される。これにより、中間フォイル(90)の第1係合爪(N1)および第2係合爪(N2)は、バックフォイル(70)の挿通部(70e)を介して軸受ハウジング(60)の係合部(63)に係合する。
《実施形態3》
実施形態3について説明する。本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、実施形態2のラジアルフォイル軸受(26)において、軸受ハウジング(60)およびトップフォイル(80)の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、実施形態1と異なる点を説明する。
(1)ラジアルフォイル軸受
本実施形態のラジアルフォイル軸受(26)について、図21および図22を参照しながら詳細に説明する。ラジアルフォイル軸受(26)は、軸受ハウジング(60)と、バックフォイル(70)と、トップフォイル(80)と、中間フォイル(90)とを備える。
(1-1)軸受ハウジング
本実施形態の軸受ハウジング(60)の内周面には、該軸受ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる通し溝(61)が形成される。通し溝(61)は、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)が収容される。通し溝(61)は、軸受ハウジング(60)の内周面を軸方向に貫通している。通し溝(61)は、軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に向かって凹む。ここで、軸受ハウジング(60)の内周面とは、バックフォイル(70)を保持する面のことである。
通し溝(61)は、軸方向から見て、略矩形状に形成される。通し溝(61)は、深さ方向の長さが幅方向の長さよりも短い。通し溝(61)は、その深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向と一致するように形成される。通し溝(61)は、その幅方向が該通し溝(61)における深さ方向と概ね垂直な方向に形成される。
通し溝(61)の深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、通し溝(61)を簡単に加工できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の加工性を向上できる。また、通し溝(61)の幅方向の長さがある程度大きく形成できるので、トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)を通し溝(61)に配置しやすい。
本実施形態の軸受ハウジング(60)には、係合凹部(62)が形成される。係合凹部(62)は、後述するトップフォイル(80)の突出部(84)が係合する。係合凹部(62)は、軸受ハウジング(60)の両側の側面(軸方向両側の端面)にそれぞれ1つずつ形成される。係合凹部(62)は、軸受ハウジング(60)の第1係合部(63a)に設けられる。言い換えると、第1係合部(63a)は、係合凹部(62)を兼ねている。
係合凹部(62)は、軸方向内側に窪む凹部で構成される。係合凹部(62)は、軸方向から見て、軸受ハウジング(60)の内周面から外周面に亘って径方向外側に向かって略矩形状に切り欠くように形成される。言い換えると、係合凹部(62)は、径方向に軸受ハウジング(60)を貫通している。なお、係合凹部(62)は軸受ハウジング(60)の内周面から径方向外側に向かって切り欠かれていればよく、軸受ハウジング(60)の外周面を貫いていなくてもよい。係合凹部(62)は、通し溝(61)の径方向外側に形成される。係合凹部(62)は、通し溝(61)に連通している。
係合凹部(62)は、図3に示す突出部(84)の延伸方向Eに沿って延びる側面である第3面(66)を有する。第3面(66)は、係合凹部(62)における回転軸(35)の回転方向(P)前側の内側面の一部である。第3面(66)は、係合凹部(62)の回転方向(P)前側の内側面のうち軸受ハウジング(60)の外周縁寄りの内側面である。
(1-2)トップフォイル
図22に示すように、トップフォイル(80)は、本体部(81)と、突出部(84)とを有する。突出部(84)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から周方向外側に突出する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)における軸方向両端部に設けられる。
ここで、図21に示すように、トップフォイル(80)は、第1側縁部(81a)が第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するように巻かれている。トップフォイル(80)は、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが突き合わされておらず、交差もしていない。
第2側縁部(81b)は、本体部(81)の内側の面に接触している。具体的には、第2側縁部(81b)によって本体部(81)を径方向外側に押し付けている。
トップフォイル(80)の本体部(81)は、滴状部(82)と、延伸部(83)とを有する。滴状部(82)は、トップフォイル(80)を軸方向から見たときに、第2側縁部(81b)を頂点とする涙滴形状に形成される部分である。延伸部(83)は、本体部(81)における滴状部(82)以外の部分である。延伸部(83)は、第1側縁部(81a)側に形成される部分である。本体部(81)が滴状部(82)を有することによって、トップフォイル(80)には、非真円形状の軸受面が形成される。
延伸部(83)は、滴状部(82)の所定の位置における接線方向に延びる。具体的には、トップフォイル(80)と、第1中間フォイル(91)の第2係合爪(N2)の基端部とが接触する位置を接点Fとする。このとき、延伸部(83)は、滴状部(82)における接点Fの接線方向(図21に示す延伸方向E)に延びている。
各突出部(84)は、通し溝(61)の内側面を経由して、係合凹部(62)の第3面(66)に接するように差し込まれて係合される。言い換えると、突出部(84)は、第3面(66)に案内されて係合凹部(62)に差し込まれる。このとき、第1側縁部(81a)は、軸受ハウジング(60)の通し溝(61)に嵌って収容される。各突出部(84)は、トップフォイル(80)が軸受ハウジング(60)に収容された状態において、本体部(81)の延伸部(83)の延伸方向Eに延びている。
トップフォイル(80)の第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、いずれにも固定されていない。言い換えると、第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、自由に移動できるように構成されている。第1側縁部(81a)および第2側縁部(81b)は、溶接等によって固定されていないので、溶接時の熱によるトップフォイル(80)の歪みを抑制できる。
(2)特徴
(2-1)
本実施形態では、トップフォイル(80)の本体部(81)における第1側縁部(81a)は、第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置する。軸受ハウジング(60)の内周面には、その軸方向に沿って延びるとともに第1側縁部(81a)が収容される通し溝が形成される。通し溝(61)は、その深さ方向が径方向と一致するように形成される。
仮に、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とを突き合わせてまたは交差させて組み立てる場合には、両者を突き合せた状態または両者を交差させた状態で軸受ハウジングに挿入してトップフォイルの位置を調整する必要があった。これに対し、本構成では、第1側縁部(81a)が第2側縁部(81b)よりも径方向外側に位置するので、トップフォイル(80)の巻き状態を気にすることなく、簡単に軸受ハウジング(60)に挿入して組み立てることができる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の組立性を向上できる。
加えて、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが交差しないので、外乱などによってラジアルフォイル軸受(26)に衝撃が伝わっても、第1側縁部(81a)と第2側縁部(81b)とが衝突して破損することを抑制できる。
更に、通し溝(61)の深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように通し溝(61)が形成されているので、キー溝加工などに用いられるような一般的な加工方法によって通し溝(61)を形成することができる。言い換えると、ワイヤカット加工のような特殊な加工方法を用いることなく通し溝(61)を形成することができるので、通し溝(61)を簡単に加工できる。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の加工性を向上できる。
ここで、トップフォイル(80)を軸受ハウジング(60)に保持するために、通し溝(61)の内側面に凹部や凸部を設けて、トップフォイル(80)の先端を係止することが考えられる。このような場合にも、通し溝(61)の内側面にワイヤカットのような微細で特殊な加工方法を用いて凹部や凸部を形成する必要がある。これに対し、本実施形態では、深さ方向が軸受ハウジング(60)の径方向になるように形成された通し溝(61)にトップフォイル(80)が係合することで、トップフォイル(80)が軸受ハウジング(60)に保持されるので、通し溝(61)の内側面への微細な加工が必要なく、通し溝(61)を簡単に加工できる。
(2-2)
本実施形態のトップフォイル(80)は、本体部(81)の第1側縁部(81a)から外側に突出する突出部(84)を有する。突出部(84)は、第1側縁部(81a)の軸方向両端部にそれぞれ形成される。軸受ハウジング(60)の両側の側面には、突出部(84)に係合する係合凹部(62)が形成される。係合凹部(62)は、通し溝(61)に連通する。
トップフォイル(80)の突出部(84)は、軸受ハウジング(60)の通し溝(61)を経由して、対応する係合部(63)に差し込まれて係合する。これにより、トップフォイル(80)が軸方向へ大きく移動しようとしても、突出部(84)の軸方向内縁部(84a)が係合凹部(62)の底面(67)に接触することにより、トップフォイル(80)の軸方向両側への大きな移動を規制できる。その結果、外乱等によりラジアルフォイル軸受(26)に大きな衝撃が加わったときのトップフォイル(80)の軸方向への脱落を抑制できる。
加えて、本実施形態では、係合凹部(62)は、対応する突出部(84)の延伸方向Eに沿う第3面(66)を有する。回転軸(35)の振動によりトップフォイル(80)が周方向に移動する場合、本構成では、係合凹部(62)の第3面(66)と突出部(84)とが面で接触する。これにより、回転軸(35)の振動エネルギーが係合凹部(62)と突出部(84)との上記接触面で生じる摩擦の熱エネルギーに変換されて、回転軸(35)の振動を減衰できる。加えて、係合凹部(62)と突出部(84)とが面で接触するので、点で接触する場合に比べて、突出部(84)の摩耗を抑制できる。
更に、本実施形態では、係合凹部(62)が軸受ハウジング(60)の係合部(63)に設けられるので、係合凹部(62)を別に設ける場合に比べて、軸受ハウジング(60)を加工する回数が減少する。これにより、ラジアルフォイル軸受(26)の製造コストを低減できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、2つの圧縮機構(50)を有する二段式のターボ圧縮機(20)に適用されてもよい。
上記実施形態のラジアルフォイル軸受(26)は、ターボ圧縮機(20)以外の圧縮機に適用されてもよい。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態、変形例、及びその他の実施形態は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上に述べた「第1」、「第2」、「第3」…という記載は、これらの記載が付与された語句を区別するために用いられており、その語句の数や順序までも限定するものではない。
以上説明したように、本開示は、ラジアルフォイル軸受、圧縮機、および冷凍装置について有用である。
1 冷凍装置
20 圧縮機
26 ラジアルフォイル軸受
35 回転軸
60 軸受ハウジング(ハウジング)
62 係合凹部
63 係合部
64 第1面
65 第2面
66 第3面
70 バックフォイル
70d 曲げ部
70e 挿通部
80 トップフォイル
81 本体部
81a 第1側縁部
81b 第2側縁部
84 突出部
90 中間フォイル
90a 第1接触部
90b 第2接触部
N 係合爪
N1 第1係合爪
N2 第2係合爪
P 回転方向

Claims (21)

  1. 筒状のハウジング(60)と、
    前記ハウジング(60)の内周面に沿って配置されるバックフォイル(70)と、
    前記バックフォイル(70)に弾性的に支持され、該バックフォイル(70)と回転軸(35)との間に配置されるトップフォイル(80)とを備え、
    前記バックフォイル(70)は、前記ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、前記周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有し、
    前記ハウジング(60)には、該ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成され、
    前記トップフォイル(80)は、前記回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有し、
    前記本体部(81)は、
    前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、
    前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、
    前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)の径方向外側に位置し、
    前記ハウジング(60)の内周面には、該ハウジング(60)の軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、
    前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成され、
    前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、
    前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向の両側にそれぞれ形成され、
    前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)における前記ハウジング(60)の軸方向両側の端部からそれぞれ外側に突出する突出部(84)を有し、
    前記ハウジング(60)の両側の側面には、前記通し溝(61)に連通し、前記突出部(84)が係合する係合凹部(62)が形成され、
    前記係合凹部(62)は、前記突出部(84)の延伸方向に沿う第3面(66)を有するとともに、前記係合部(63)に設けられる
    ラジアルフォイル軸受。
  2. 前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、
    前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向の両側にそれぞれ形成される
    請求項1に記載のラジアルフォイル軸受。
  3. 前記バックフォイル(70)は、前記ハウジング(60)に対して前記ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される
    請求項1または2に記載のラジアルフォイル軸受。
  4. 前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記バックフォイル(70)における前記ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から前記径方向外側に延びる
    請求項1~3のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  5. 前記係合部(63)の幅は、前記バックフォイル(70)の板厚の5倍以上である
    請求項1~4のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  6. 前記係合部(63)の幅は、0.3mm以上である
    請求項1~5のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  7. 前記バックフォイル(70)は、前記周方向に沿って複数設けられ、
    互いに隣り合う前記バックフォイル(70)のうち一方のバックフォイル(70)の前記第1係合爪(N1)は、他方のバックフォイル(70)の前記第2係合爪(N2)と対向して配置され、
    前記一方のバックフォイル(70)の前記第1係合爪(N1)および前記他方のバックフォイル(70)の前記第2係合爪(N2)は、1つの前記係合部(63)に係合する
    請求項1~6のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  8. 前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの前記係合爪(N)に対応する前記係合部(63)の内面に接触し、
    前記バックフォイル(70)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、前記ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される
    請求項1~7のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  9. 前記ハウジング(60)は、前記第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、前記第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有し、
    前記第1の係合部(63)は、前記第1係合爪(N1)の先端部が接触する第1面(64)を有し、
    前記第2の係合部(63)は、前記第2係合爪(N2)の先端部が接触する第2面(65)を有し、
    前記ハウジング(60)の軸方向から見たときに、前記バックフォイル(70)における前記第1係合爪(N1)の基端部と前記第2係合爪(N2)の基端部との間の前記周方向の長さA1は、前記ハウジング(60)における前記第1面(64)の径方向内側の端部と前記第2面(65)の径方向内側の端部との間の前記周方向の長さA2よりも長い
    請求項1~8のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  10. 筒状のハウジング(60)と、
    前記ハウジング(60)の内周面に沿って配置されるバックフォイル(70)と、
    前記バックフォイル(70)の内側に配置される中間フォイル(90)と、
    前記バックフォイル(70)に弾性的に支持され、前記中間フォイル(90)と回転軸(35)との間に配置されるトップフォイル(80)とを備え、
    前記中間フォイル(90)は、前記ハウジング(60)の周方向の一方側に形成される第1係合爪(N1)と、前記周方向の他方側に形成される第2係合爪(N2)とを有し、
    前記バックフォイル(70)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)に対応する部分に、溝または切欠きで構成される挿通部(70e)を有し、
    前記ハウジング(60)には、該ハウジング(60)の内周面から径方向外側に延びるとともに、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれが係合する係合部(63)が形成され、
    前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれは、前記挿通部(70e)を介して、前記係合部(63)に係合し、
    前記トップフォイル(80)は、前記回転軸(35)の外周面に沿って巻かれた本体部(81)を有し、
    前記本体部(81)は、
    前記回転軸(35)の回転方向(P)前側の側縁部である第1側縁部(81a)と、
    前記回転方向(P)後側の側縁部である第2側縁部(81b)とを有し、
    前記第1側縁部(81a)は、前記第2側縁部(81b)よりも前記ハウジング(60)の径方向外側に位置し、
    前記ハウジング(60)の内周面には、該ハウジング(60)の軸方向に沿って延びるとともに前記第1側縁部(81a)が収容される通し溝(61)が形成され、
    前記通し溝(61)は、その深さ方向が前記径方向と一致するように形成され、
    前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、
    前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記中間フォイル(90)における前記ハウジング(60)の軸方向の両側にそれぞれ形成され、
    前記トップフォイル(80)は、前記第1側縁部(81a)における前記ハウジング(60)の軸方向両側の端部からそれぞれ外側に突出する突出部(84)を有し、
    前記ハウジング(60)の両側の側面には、前記通し溝(61)に連通し、前記突出部(84)が係合する係合凹部(62)が形成され、
    前記係合凹部(62)は、前記突出部(84)の延伸方向に沿う第3面(66)を有するとともに、前記係合部(63)に設けられる
    ラジアルフォイル軸受。
  11. 前記係合部(63)は、前記ハウジング(60)の両側の側面に形成され、
    前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記中間フォイル(90)における前記ハウジング(60)の軸方向両側にそれぞれ形成され、
    前記挿通部(70e)は、前記バックフォイル(70)の前記軸方向両側における前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)に対応する位置に形成される
    請求項10に記載のラジアルフォイル軸受。
  12. 前記バックフォイル(70)および前記中間フォイル(90)は、前記ハウジング(60)に対して該ハウジング(60)の周方向、軸方向、および径方向の少なくとも一方向に相対的に移動可能に構成される
    請求項10または11に記載のラジアルフォイル軸受。
  13. 前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)は、前記中間フォイル(90)における前記ハウジング(60)の軸方向に沿って延びる側縁部から前記径方向外側に延びる
    請求項10~12のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  14. 前記係合部(63)の幅は、前記中間フォイル(90)の板厚の5倍以上である
    請求項10~13のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  15. 前記係合部(63)の幅は、0.3mm以上である
    請求項10~14のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  16. 前記中間フォイル(90)は、前記周方向に沿って複数設けられ、
    互いに隣り合う前記中間フォイル(90)のうち一方の中間フォイル(90)の前記第1係合爪(N1)は、他方の中間フォイル(90)の前記第2係合爪(N2)と対向して配置され、
    前記一方の中間フォイル(90)の前記第1係合爪(N1)および前記他方の中間フォイル(90)の前記第2係合爪(N2)は、1つの前記係合部(63)に係合する
    請求項10~15のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  17. 前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)のそれぞれの先端部は、それぞれの前記係合爪(N)に対応する前記係合部(63)の内面に接触し、
    前記中間フォイル(90)は、前記第1係合爪(N1)および前記第2係合爪(N2)が弾性変形することにより、前記ハウジング(60)に対して相対的に移動可能に構成される
    請求項10~16のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  18. 前記ハウジング(60)は、前記第1係合爪(N1)が係合する第1の係合部(63)と、前記第2係合爪(N2)が係合する第2の係合部(63)とを有し、
    前記第1の係合部(63)は、前記第1係合爪(N1)が接触する第1面(64)を有し、
    前記第2の係合部(63)は、前記第2係合爪(N2)が接触する第2面(65)を有し、
    前記中間フォイル(90)は、
    前記第1係合爪(N1)と該第1係合爪(N1)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第1接触部(90a)と、
    前記第2係合爪(N2)と該第2係合爪(N2)に対応するバックフォイル(70)の挿通部(70e)とが接触する第2接触部(90b)とを有し、
    前記ハウジング(60)の軸方向から見たときに、前記中間フォイル(90)の前記第1接触部(90a)と前記第2接触部(90b)との間の前記周方向の長さB1は、前記ハウジング(60)における前記第1面(64)の径方向内側の端部と前記第2面(65)の径方向内側の端部との間の前記周方向の長さB2よりも長い
    請求項10~17のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  19. 前記バックフォイル(70)は、前記周方向両側の側縁部から前記ハウジング(60)の径方向内側に延びる曲げ部(70d)を有する
    請求項10~18のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受。
  20. 請求項1~19のいずれか1つに記載のラジアルフォイル軸受(26)を備える圧縮機。
  21. 請求項20に記載の圧縮機(20)を備える冷凍装置。
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