JP2020197287A - 動圧空気軸受 - Google Patents

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安成 荒井
Yasushige Arai
安成 荒井
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Abstract

【課題】低速回転時における摩擦増加を抑えつつ限界回転速度を高くすることのできる動圧空気軸受を提供する。【解決手段】動圧空気軸受20は、回転軸21の外周に配置される筒状のトップフォイル22と、トップフォイル22の外周面に沿って延設されるとともにトップフォイル22側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイル30と、バンプフォイル30の外周面を支持するハウジング23とを有する。バンプフォイル30は、同バンプフォイル30を回転軸21の軸線方向において分割した形状をなす複数の分割フォイル部31〜36を有する。それら分割フォイル部31〜36は、回転軸21の非回転時における山部311,321,331,341,351,361の突出高さが互いに異なっている。【選択図】図3

Description

本発明は、空気圧を利用して回転軸をラジアル方向に支持する動圧空気軸受に関するものである。
特許文献1に記載の動圧空気軸受は、回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともにトップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、同バンプフォイルの外周面を支持するハウジングとを有している。
上記動圧空気軸受では、回転軸の回転停止時においては、同回転軸の外周面とトップフォイルの内周面とが接触している。そして、回転軸の回転が開始されると、同回転軸の外周面とトップフォイルの内周面との間に空気が侵入して空気膜が形成される。このときトップフォイルが拡径する態様で外周側に変形するため、これに伴い同トップフォイルから回転軸が浮上するようになる。このようにして回転軸は非接触状態で支持される。
また上記動圧空気軸受では、トップフォイルの外周面がバンプフォイルによって弾性的に支持されている。回転軸の回転速度が高くなると、同回転軸の外周面とトップフォイルの内周面との隙間の空気圧力が高くなるため、バンプフォイルの圧縮方向への弾性変形量が大きくなり、トップフォイルの外周側への変形量も大きくなる。このように動圧空気軸受では、回転軸の回転速度が高くなるほど同回転軸とトップフォイルとの隙間が大きくなるといったように、同隙間が自動的に調整される。
特開2002−61645号公報
ここで、バンプフォイルのバネ定数を小さくすることにより、同バンプフォイルが弾性変形しやすくなるため、回転軸の始動に際して同回転軸をトップフォイルから早期に浮上させて非接触状態にすることが可能になる。ただし、回転軸の高速回転時においては、バンプフォイルの弾性変形量が大きくなり易くなるため、回転軸とトップフォイルとの隙間が大きくなって同回転軸の振れ回りが生じやすくなる。これにより、回転軸の回転速度の限界値が低くなるおそれがある。
一方、バンプフォイルのバネ定数を大きくすることにより、そうした回転軸の限界回転速度の低下を抑えることはできる。ただし、この場合には、バンプフォイルが弾性変形し難くなるため、回転軸の低速回転時における上記隙間が小さくなることによって、同回転軸とトップフォイルとの間で発生する摩擦力が大きくなるおそれがある。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低速回転時における摩擦増加を抑えつつ限界回転速度を高くすることのできる動圧空気軸受を提供することにある。
上記課題を解決するための動圧空気軸受は、回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、前記バンプフォイルは、同バンプフォイルを前記回転軸の軸線方向において分割した形状をなす複数の分割フォイル部を有し、前記複数の分割フォイル部は、前記回転軸の非回転時における前記山部の突出高さが互いに異なっている。
上記構成では、回転軸の回転停止時や低速回転時においては、バンプフォイルを構成する複数の分割フォイル部のうち、山部の突出高さが最も高い分割フォイル部のみがトップフォイルに接触する。そして、その接触している分割フォイル部が、回転軸の回転速度の上昇に伴ってトップフォイルともども外周側に弾性変形するようになる。このように、回転軸の回転停止時や低速回転時においては、複数の分割フォイル部のうちの一部のみがトップフォイルに接触するため、それら分割フォイル部からなるバンプフォイルのバネ定数は小さいと云える。そのため上記構成によれば、バンプフォイル、詳しくは上記トップフォイルに接触している分割フォイル部を同トップフォイルと共に速やかに弾性変形させて、同トップフォイルから回転軸を早期に浮上させることができる。したがって、回転軸の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
しかも、回転軸の回転速度が上昇してトップフォイルの外周側への弾性変形量が大きくなると、山部の突出高さが比較的低い分割フォイル部もトップフォイルに接触するようになる。このときには、トップフォイルに接触する分割フォイル部が増加するため、複数の分割フォイル部からなるバンプフォイルのバネ定数は大きくなると云える。上記構成によれば、このときにはバンプフォイル、詳しくは上記トップフォイルに接触している分割フォイル部の弾性変形量を抑えることができるため、トップフォイルと回転軸との隙間が大きくなることを抑えることができる。これにより回転軸の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸の限界回転速度を高くすることができる。
上記課題を解決するための動圧空気軸受は、回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、前記動圧空気軸受は、前記トップフォイルおよび前記バンプフォイルが対をなす機能部を複数有し、前記複数の機能部は、前記バンプフォイルのバネ定数が互いに異なり、且つ、前記回転軸と前記ハウジングとの間に積層される態様で設けられている。
上記構成では、積層された複数の機能部の各バンプフォイルが直列に並んでいる。そして同構成では、各バンプフォイルのバネ定数が互いに異なるため、それらバンプフォイルは、異なるタイミングで弾性変形量が限界に達するようになる。
上記構成によれば、回転軸の低速回転時においては、各バンプフォイルの弾性変形量が小さく限界に達しないことから、いずれかのバンプフォイルの弾性変形量が限界に達する場合と比較して、直列に並ぶ各バンプフォイルの合成バネ定数を小さくすることが可能になる。そのため、各機能部のバンプフォイルをトップフォイルと共に速やかに弾性変形させて、最も内周側の機能部のトップフォイルから回転軸を早期に浮上させることができる。したがって、回転軸の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
しかも上記構成によれば、回転軸の回転速度の上昇に伴って複数の機能部のバンプフォイルのうちのいずれかの弾性変形量が限界に達すると、同バンプフォイルがバネ部材として機能しなくなる分だけ、直列に並んだ各バンプフォイルの合成バネ定数を大きくすることが可能になる。これにより、弾性変形量が限界に達していない残りのバンプフォイルの弾性変形量が小さく抑えられるため、最も内周側に配置される機能部のトップフォイルと回転軸との隙間が大きくなることを抑えることができる。したがって、回転軸の振れ回りの発生を抑えることができ、同回転軸の限界回転速度を高くすることができる。
上記課題を解決するための動圧空気軸受は、回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、前記山部は、前記バンプフォイルの弾性変形量が小さいときの同バンプフォイルのバネ定数と比較して、前記バンプフォイルの弾性変形量が大きいときの同バンプフォイルのバネ定数が大きくなる形状をなしている。
上記構成によれば、回転軸の低速回転時、すなわちバンプフォイルの弾性変形量が小さいときには、バンプフォイルをバネ定数の小さい状態にすることができるため、同バンプフォイルをトップフォイルと共に速やかに弾性変形させて、トップフォイルから回転軸を早期に浮上させることができる。したがって、回転軸の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
しかも、回転軸の高速回転時、すなわちバンプフォイルの弾性変形量が大きいときには、バンプフォイルをバネ定数の大きい状態にすることができるため、同バンプフォイルを弾性変形し難い状態にして、トップフォイルと回転軸との隙間が大きくなることを抑えることができる。これにより回転軸の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸の限界回転速度を高くすることができる。
本発明にかかる動圧空気軸受によれば、低速回転時における摩擦増加を抑えつつ限界回転速度を高くすることができる。
第1実施形態の動圧空気軸受の分解斜視図。 非変形時における動圧空気軸受の側端面図。 非変形時における動圧空気軸受の一部を拡大して示す側断面図。 非変形時における動圧空気軸受の側端面図。 非変形時における動圧空気軸受の側端面図。 小変形時における動圧空気軸受の側端面図。 小変形時における動圧空気軸受の一部を拡大して示す側断面図。 大変形時における動圧空気軸受の側端面図。 大変形時における動圧空気軸受の一部を拡大して示す側断面図。 第2実施形態の動圧空気軸受の分解斜視図。 非変形時における動圧空気軸受の側断面図。 変形時における動圧空気軸受の側断面図。 第3実施形態の動圧空気軸受の分解斜視図。 バンプフォイルの山部およびその周辺の構造を示す側断面図。 第4実施形態のバンプフォイルの山部およびその周辺の構造を示す側断面図。
(第1実施形態)
以下、第1実施形態の動圧空気軸受について説明する。
図1および図2に示すように、動圧空気軸受20は、軸支対象である回転軸21の外周に配置されるトップフォイル22と、トップフォイル22の外周に配置されて同トップフォイル22を弾性的に支持するバンプフォイル30とを備えている。バンプフォイル30の外周には、同バンプフォイル30の外周面を支持する円筒状のハウジング23が設けられている。動圧空気軸受20は、回転軸21の外周面とハウジング23の内周面との間に、トップフォイル22およびバンプフォイル30が介設された構造になっている。本実施形態の動圧空気軸受20は、回転軸21を非接触状態でラジアル方向に支持するフォイル軸受である。
なお、回転軸21の回転方向は、図2における時計回りの方向、すなわち図2中に矢印Xで示す方向である。以下では、回転軸21の軸線Lの延びる方向を軸線方向と称し、同軸線Lを中心とする周方向を単に周方向と称し、同軸線Lを中心とする径方向を単に径方向と称する。
トップフォイル22は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を筒状に丸めることにより形成されている。トップフォイル22の周方向の一端部22Aは保持端であり、周方向における他端部22Bは自由端である。一端部22Aは、径方向の外側に向けて突出するとともに、ハウジング23の内周面に形成された凹溝24内に挿入されている。他端部22Bは、周方向において一端部22Aとの間に隙間を有している。トップフォイル22は、全体として略円筒状をなしている。回転軸21の非回転時において、同回転軸21の外周面とトップフォイル22の内周面とは当接した状態になる。
バンプフォイル30はトップフォイル22の外周面に沿って延設されている。バンプフォイル30は、全体として、略筒状をなしている。本実施形態では、バンプフォイル30が6つの分割フォイル部31,32,33,34,35,36によって構成されている。各分割フォイル部31〜36は、上述したバンプフォイル30を軸線方向において6つに分割した形状をなしている。したがって各分割フォイル部31〜36は基本構造が同一になっている。
以下、これら分割フォイル部31〜36の基本構造について説明する。なお分割フォイル部31〜36の基本構造は同一であるため、以下では分割フォイル部31の基本構造についてのみ説明し、他の分割フォイル部32〜36の基本構造についての重複する説明は省略する。
図2および図3に示すように、分割フォイル部31は、上記トップフォイル22側に突出する山部311が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなしている。各山部311の軸線方向に直交する方向における断面形状は半円形状をなしている。分割フォイル部31における隣り合う山部311の間には谷部312が形成されている。各谷部312の軸線方向に直交する方向における断面形状は、ハウジング23の内周面に沿って延びる円弧状をなしている。分割フォイル部31は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を波形状に曲げつつ筒状に丸めるといったように形成されている。
本実施形態の動圧空気軸受20では、分割フォイル部31の各谷部312がハウジング23の内周面に支持された状態で、同分割フォイル部31の各山部311がトップフォイル22の外周面に当接することによって、同トップフォイル22が弾性的に支持されている。
分割フォイル部31の周方向における一端部31Aは保持端であり、周方向における他端部31Bは自由端である。一端部31Aは、径方向の外側に向けて突出するとともに、トップフォイル22の一端部22Aに重ね合わされた状態でハウジング23の凹溝24内に挿入されている。したがって、凹溝24内には、トップフォイル22の一端部22Aと分割フォイル部31の一端部31Aとが重ね合わされた状態で挿入されている。これにより、トップフォイル22および分割フォイル部31がハウジング23内において回り止めされた状態で保持されている。分割フォイル部31の一端部31Aと他端部31Bとの間には、周方向における隙間が形成されている。なお、分割フォイル部31の他端部31Bは、1つの谷部312により構成されている。
本実施形態の動圧空気軸受20では、回転軸21の非回転時における各分割フォイル部31〜36の山部311,321,331,341,351,361の突出高さが、それら分割フォイル部31〜36間において互いに異なっている。以下、各分割フォイル部31〜36の山部311〜361の突出高さについて、図2〜図9を参照して説明する。なお図2〜図9では、理解を容易にするために、各分割フォイル部31〜36の山部311〜361の突出高さの差や、トップフォイル22と各分割フォイル部31〜36との隙間を誇張して示している。実際には、各山部311〜361の突出高さの差や、トップフォイル22と各分割フォイル部31〜36との隙間は小さく、例えば最大値が10マイクロメートルになるように設定される。
図2および図3に示すように、軸線方向における両端に配置される分割フォイル部31,36は、6つの分割フォイル部31〜36の中で、回転軸21の非回転時における山部311,361の突出高さが最も大きくなっている。これら分割フォイル部31,36は同一形状をなしており、図2には分割フォイル部31のみを示している。分割フォイル部31,36の山部311,361の突出高さは、図3中にH1で示している。これら分割フォイル部31,36は、回転軸21の非回転時において山部311,361の突端がトップフォイル22の外周面に当接する形状をなしている。
図3および図4に示すように、分割フォイル部31,36と隣り合うよう配置される分割フォイル部32,35は、6つの分割フォイル部31〜36の中で、回転軸21の非回転時における山部321,351の突出高さが中程度になっている。これら分割フォイル部32,35は同一形状をなしており、図4には分割フォイル部32のみを示している。分割フォイル部32,35の山部321,351の突出高さは、図3中にH2で示している。これら分割フォイル部32,35は、回転軸21の非回転時において山部321,351の突端とトップフォイル22の外周面との間に隙間を有する形状をなしている。
図3および図5に示すように、軸線方向における中央に配置される分割フォイル部33,34は、6つの分割フォイル部31〜36の中で、回転軸21の非回転時における山部331,341の突出高さが最も小さくなっている。これら分割フォイル部33,34は同一形状をなしており、図5には分割フォイル部33のみを示している。分割フォイル部33,34の山部331,341の突出高さは、図3中にH3で示している。これら分割フォイル部33,34は、回転軸21の非回転時において山部331,341の突端とトップフォイル22の外周面との間に隙間を有する形状をなしている。
図3に示すように、本実施形態の動圧空気軸受20では、回転軸21の非回転時における分割フォイル部32,35の山部321,351とトップフォイル22との隙間よりも、回転軸21の非回転時における分割フォイル部33,34の山部331,341とトップフォイル22との隙間のほうが大きくなっている。
以下、本実施形態の動圧空気軸受20による作用について説明する。
動圧空気軸受20では、各分割フォイル部31〜36の谷部312,322,332,342,352,362がハウジング23の内周面に支持された状態になっている。そして、図2および図3に示すように、回転軸21の非回転時においては、トップフォイル22に対して、分割フォイル部31,36の山部311,361が当接した状態になる一方で、他の分割フォイル部32〜35の山部321〜351が離間した状態になる。このときには6つの分割フォイル部31〜36のうち、2つの分割フォイル部31,36のみがトップフォイル22に接触した状態になっている。
そして、この状態で回転軸21が始動されると、回転軸21の外周面とトップフォイル22の内周面との間に空気が進入して空気膜が形成される。これに伴い、トップフォイル22の外周面に山部311,361が当接している分割フォイル部31,36がトップフォイル22ともども外周側に弾性変形するようになる。
本実施形態の動圧空気軸受20では、トップフォイル22を弾性的に支持するバネ部材として機能する分割フォイル部31〜36を並列に並ぶ状態で6つ有しているとはいえ、回転軸21の回転停止時や低速回転時においては、それら分割フォイル部31〜36のうちの2つのみが機能するようになる。そのため、このときにおける6つの分割フォイル部31〜36からなるバンプフォイル30のバネ定数、詳しくはトップフォイル22に接触している2つの分割フォイル部31,36の合成バネ定数は小さくなっていると云える。したがって、回転軸21の始動に際して、バンプフォイル30、詳しくは上記トップフォイル22に接触している2つの分割フォイル部31,36を同トップフォイル22と共に速やかに弾性変形させて、同トップフォイル22から回転軸21を早期に浮上させることができる。これにより、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
また本実施形態の動圧空気軸受20では、回転軸21の非回転時において、6つの分割フォイル部31〜36のうち、軸線方向の両端に配置される分割フォイル部31,36の山部311,361の突出高さが、それ以外の分割フォイル部32〜35の山部321〜351の突出高さよりも高くなっている。そのため、回転軸21の低速回転時においては、トップフォイル22の外周面における軸線方向の両端部分が、同部分に対向する分割フォイル部31,36によって各別に支持されるようになる。したがって、このとき6つの分割フォイル部31〜36のうちの2つによってトップフォイル22が支持されるとはいえ、トップフォイル22の弾性変形に際して同トップフォイル22が回転軸21に対して傾いた状態になることを抑えることができる。
図6および図7に示すように、回転軸21の回転速度が上昇して、トップフォイル22と回転軸21との隙間の圧力が高くなると、トップフォイル22および分割フォイル部31,36の外周側への弾性変形量が大きくなる。この場合には、分割フォイル部31,36に加えて、山部の突出高さが中程度の分割フォイル部32,35もトップフォイル22に接触するようになる。
そして、以降においては、6つの分割フォイル部31〜36のうちの4つがトップフォイル22を弾性的に支持するバネ部材として機能するようになる。そのため、このときには6つの分割フォイル部31〜36からなるバンプフォイル30のバネ定数、詳しくはトップフォイル22に接触している4つの分割フォイル部31,32,35,36の合成バネ定数が中程度になると云える。このことから、回転軸21の中速回転時においては、回転軸21の低速回転時と比較して、バンプフォイル30およびトップフォイル22が弾性変形し難くなる。これにより、トップフォイル22の外周側への変形を抑えることができるため、トップフォイル22の内周面と回転軸21の外周面との隙間の急峻な拡大を抑えて、回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができる。
図8および図9に示すように、回転軸21の回転速度が上昇して、トップフォイル22と回転軸21との隙間の圧力がさらに高くなると、トップフォイル22および分割フォイル部31,32,35,36の外周側への弾性変形量が大きくなる。この場合には、分割フォイル部31,32,35,36に加えて、山部の突出高さが最も小さい分割フォイル部33,34もトップフォイル22に接触するようになる。
そして、以降においては、6つの分割フォイル部31〜36の全てがトップフォイル22を弾性的に支持するバネ部材として機能するようになる。そのため、このときのバンプフォイル30のバネ定数、詳しくは6つの分割フォイル部31〜36の合成バネ定数は大きくなると云える。したがって、このときにはバンプフォイル30によってトップフォイル22を弾性的に支持する機能を維持しつつ、同トップフォイル22の外周側への弾性変形量が不要に大きくなることを抑えることができる。これにより、トップフォイル22と回転軸21との隙間が大きくなることを抑えることができるため、回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができる。したがって、回転軸21の回転速度の限界値を高くすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)バンプフォイル30を、回転軸21の軸線方向において分割した形状をなす6つの分割フォイル部31〜36によって構成するようにした。そして、分割フォイル部31,36の山部311,361の突出高さと、分割フォイル部32,35の山部321,351の突出高さと、分割フォイル部33,34の山部331,341の突出高さとを回転軸21の非回転時において互いに異なる高さになるようにした。そのため、回転軸21の低速回転時における同回転軸21とトップフォイル22との間の摩擦増加を抑えることができる。しかも、高速回転時における回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
(2)回転軸21の非回転時において、6つの分割フォイル部31〜36のうち、軸線方向の両端に配置される分割フォイル部31,36の山部311,361の突出高さを、それ以外の分割フォイル部32〜35の山部321〜351の突出高さよりも高くした。そのため、このとき6つの分割フォイル部31〜36のうちの2つによってトップフォイル22が支持されるとはいえ、トップフォイル22の弾性変形に際して同トップフォイル22が回転軸21に対して傾いた状態になることを抑えることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態の動圧空気軸受について、第1実施形態の動圧空気軸受との相違点を中心に説明する。なお以下では、本実施形態の動圧空気軸受の各構成のうち、先の第1実施形態の動圧空気軸受と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付すとともに、それら構成についての重複する説明は省略する。
図10および図11に示すように、本実施形態の動圧空気軸受40は、第1トップフォイル41および第1バンプフォイル42が対をなす第1機能部43と、第2トップフォイル44および第2バンプフォイル45が対をなす第2機能部46とを有している。動圧空気軸受40では、回転軸21の外周に第1機能部43を配置するとともに同第1機能部43の外周に第2機能部46を配置するといったように、第1機能部43および第2機能部46が回転軸21とハウジング23との間に積層される態様で設けられている。
第1機能部43の第1トップフォイル41は、回転軸21の外周に配置されている。第1トップフォイル41は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を筒状に丸めることにより形成されている。第1トップフォイル41は、全体として略円筒状をなしている。
第1機能部43の第1バンプフォイル42は、第1トップフォイル22の外周面に沿って延設されている。第1バンプフォイル42は、全体として、略筒状をなしている。第1バンプフォイル42は、上記第1トップフォイル41側に突出する第1山部421が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなしている。各第1山部421の軸線方向に直交する方向における断面形状は円弧状をなしている。第1バンプフォイル42における隣り合う第1山部421の間には第1谷部422が形成されている。各第1谷部422の軸線方向に直交する方向における断面形状は、第2機能部46の第2トップフォイル44の内周面に沿って延びる円弧状をなしている。第1バンプフォイル42は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を波形状に曲げつつ筒状に丸めるといったように形成されている。
第2機能部46の第2トップフォイル44は、第1機能部43の第1バンプフォイル42の外周に配置されている。第2トップフォイル44は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を筒状に丸めることにより形成されている。第2トップフォイル44は、全体として略円筒状をなしている。
第2機能部46の第2バンプフォイル45は、第2トップフォイル44の外周面に沿って延設されている。第2バンプフォイル45は、全体として、略筒状をなしている。第2バンプフォイル45は、上記第2トップフォイル44側に突出する第2山部451が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなしている。各第2山部451の軸線方向に直交する方向における断面形状は円弧状をなしている。第2バンプフォイル45における隣り合う第2山部451の間には第2谷部452が形成されている。各第2谷部452の軸線方向に直交する方向における断面形状は、ハウジング23の内周面に沿って延びる円弧状をなしている。第2バンプフォイル45は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を波形状に曲げつつ筒状に丸めるといったように形成されている。
動圧空気軸受40では、第1機能部43の第1バンプフォイル42の第1山部421の突端と第2機能部46の第2バンプフォイル45の第2谷部452の底とが径方向において並ぶように、第1機能部43および第2機能部46が配置されている。
第1トップフォイル41、第1バンプフォイル42、第2トップフォイル44、および第2バンプフォイル45の周方向における一端部47は保持端であり、周方向における他端部48は自由端である。各フォイル41,42,44,45の一端部47は、径方向の外側に向けて突出するとともに、重ね合わされた状態でハウジング23の凹溝24内に挿入されている。これにより、各フォイル41,42,44,45がハウジング23内において回り止めされた状態で保持されている。また、各フォイル41,42,44,45の一端部47と他端部48との間には、周方向における隙間が形成されている。なお、第1バンプフォイル42の他端部48は1つの第1谷部422によって構成されており、第2バンプフォイル45の他端部48は1つの第2谷部452によって構成されている。
本実施形態の動圧空気軸受20では、第1バンプフォイル42の各第1谷部422がハウジング23の内周面に支持された状態で、同第1バンプフォイル42の各第1山部421が第1トップフォイル41の外周面に当接することによって、同第1トップフォイル41が弾性的に支持されている。また、第2バンプフォイル45の各第2谷部452が第1機能部43の第1バンプフォイル42の内周面に支持された状態で、同第2バンプフォイル45の各第2山部451が第2トップフォイル44の外周面に当接することによって、同第2トップフォイル44が弾性的に支持されている。
このように本実施形態の動圧空気軸受20では、第1バンプフォイル42が第1トップフォイル41を弾性的に支持するバネ部材として機能し、第2バンプフォイル45が第2トップフォイル44を弾性的に支持するバネ部材として機能する。そして、第1バンプフォイル42のバネ定数が第2バンプフォイル45のバネ定数よりも大きくなっている。具体的には、このようにバネ定数の関係を定めるために、第1バンプフォイル42の第1山部421と第2バンプフォイル45の第2山部451とが略同一形状にされるとともに、第1機能部43の第1バンプフォイル42を構成する金属板材の板厚が、第2機能部46の第2バンプフォイル45を構成する金属板材の板厚の二倍にされている。
以下、本実施形態の動圧空気軸受40による作用について説明する。
動圧空気軸受40では、第1機能部43と第2機能部46とが径方向に積層される態様で設けられている。これにより、第1機能部43の第1バンプフォイル42と第2機能部46の第2バンプフォイル45とが径方向において直列に並んでいる。また動圧空気軸受40では、第1バンプフォイル42のバネ定数が第2バンプフォイル45のバネ定数よりも大きくなっている。これにより、回転軸21の回転速度の上昇に際して、第1バンプフォイル42の弾性変形量が限界に達する前に、第2バンプフォイル45の弾性変形量が限界に達するようになっている。
こうした動圧空気軸受40では、回転軸21が始動されると、回転軸21の外周面と第2機能部46の第2トップフォイル44の内周面との間に空気が進入して空気膜が形成される。そして、これに伴って各トップフォイル41,44および各バンプフォイル42,45が外周側に弾性変形するようになる。
回転軸21の低速回転時においては、第2トップフォイル44と回転軸21との隙間の圧力がさほど高くならないことから、各バンプフォイル42,45の弾性変形量も小さく限界に達しない。そのため、いずれかのバンプフォイル42,45の弾性変形量が限界に達する場合と比較して、径方向において直列に並ぶバンプフォイル42,45の合成バネ定数を小さくすることが可能になる。したがって、各機能部43,46のバンプフォイル42,45をトップフォイル41,44と共に速やかに弾性変形させて、第2トップフォイル44から回転軸21を早期に浮上させることができる。これにより、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
しかも、図12に示すように、回転軸21の回転速度が上昇して、第2トップフォイル44と回転軸21との隙間の圧力が高くなると、第2機能部46の第2バンプフォイル45の弾性変形量が限界に達する。このとき第2バンプフォイル45がバネ部材として機能しなくなる分だけ、径方向において直列に並んだ各バンプフォイル42,45の合成バネ定数を大きくすることが可能になる。これにより、弾性変形量が限界に達していない第1機能部43の第1バンプフォイル42の弾性変形量が小さく抑えられるため、第2トップフォイル44の外周側への弾性変形量が不要に大きくなることを抑えることができる。そのため、第2機能部46の第2トップフォイル44と回転軸21との隙間が大きくなることを抑えることができ、同回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができる。したがって、回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。なお図12では、理解を容易にするために、第2トップフォイル44と回転軸21との隙間を誇張して示している。このときの第2トップフォイル44と回転軸21との実際の隙間は小さく、例えば10マイクロメートルに設定される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(3)第1トップフォイル41および第1バンプフォイル42を備える第1機能部43と、第2トップフォイル44および第2バンプフォイル45を備える第2機能部46とが、回転軸21とハウジング23との間に積層される態様で設けられている。また、第1バンプフォイル42のバネ定数が第2バンプフォイル45のバネ定数よりも大きくなっている。そのため、回転軸21の低速回転時における同回転軸21と第2トップフォイル44との間の摩擦増加を抑えることができる。しかも、高速回転時における回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
(4)外周側の第1機能部43の第1バンプフォイル42における第1山部421の突端と、内周側の第2機能部46の第2バンプフォイル45における第2山部451に挟まれた第2谷部452の底とが、回転軸21の径方向において並んでいる。これにより、第1バンプフォイル42および第1トップフォイル41の接触部分の周方向位置と、第2バンプフォイル45および第1トップフォイル41の接触部分の周方向位置とが同一になる。そのため、各バンプフォイル42,45の弾性変形に際して、第1バンプフォイル42による押圧によって第1トップフォイル41の上記接触部分が内周側に不要に変形することや、第2バンプフォイル45による押圧によって第1トップフォイル41の上記接触部分が外周側に不要に変形することを抑えることができる。したがって、内周側の第1機能部43の第1バンプフォイル42を外周側の第2機能部46の第2バンプフォイル45によって外周側からしっかりと支持することができる。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態の動圧空気軸受について、第1実施形態の動圧空気軸受および第2実施形態の動圧空気軸受との相違点を中心に説明する。なお以下では、本実施形態の動圧空気軸受の各構成のうち、先の第1実施形態および第2実施形態と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付すとともに、それら構成についての重複する説明は省略する。
図13および図14に示すように、本実施形態の動圧空気軸受50のバンプフォイル51は、トップフォイル52の外周面に沿って延設されている。バンプフォイル51は、全体として、略筒状をなしている。バンプフォイル51は、上記トップフォイル52側に突出する山部511が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなしている。
図14に示すように、各山部511の軸線方向に直交する方向における断面形状は、山部511の突出形状を「山」として見た場合に、同「山」の麓側の部分をなす麓部53の曲げ半径と比較して、「山」の頂点側の部分をなす頂部54の曲げ半径が大きくなる形状をなしている。
バンプフォイル51における隣り合う山部511の間には谷部512が形成されている。各谷部512の軸線方向に直交する方向における断面形状は、ハウジング23の内周面に沿って延びる円弧状をなしている。バンプフォイル51は、例えばステンレス鋼などの可撓性を有する金属板材を波形状に曲げつつ筒状に丸めるといったように形成されている。
本実施形態の動圧空気軸受50では、バンプフォイル51の各谷部512がハウジング23の内周面に支持された状態で、同バンプフォイル51の各山部511がトップフォイル52の外周面に当接することによって、同トップフォイル52が弾性的に支持されている。
バンプフォイル51の周方向における一端部51Aは保持端であり、周方向における他端部51Bは自由端である。一端部51Aは、径方向の外側に向けて突出するとともに、トップフォイル52の一端部52Aに重ね合わされた状態でハウジング23の凹溝24内に挿入されている。したがって、凹溝24内には、トップフォイル52の一端部52Aとバンプフォイル51の一端部51Aとが重ね合わされた状態で挿入されている。これにより、トップフォイル52およびバンプフォイル51がハウジング23内において回り止めされた状態で保持されている。バンプフォイル51の一端部51Aと他端部51Bとの間には、周方向における隙間が形成されている。なお、バンプフォイル51の他端部51Bは、1つの谷部512によって構成されている。
以下、本実施形態の動圧空気軸受50による作用について説明する。
回転軸21の非回転時においては、トップフォイル52にバンプフォイル51が当接した状態になっている。
そして、その状態で回転軸21が始動されると、回転軸21の外周面とトップフォイル52の内周面との間に空気が進入して空気膜が形成される。これに伴い、トップフォイル52の外周面に当接しているバンプフォイル51がトップフォイル52ともども外周側に弾性変形するようになる。
ここで、金属板材を用いてバンプフォイルを形成する場合、板厚が同一の条件のもとでは、その山部の曲げ半径が小さいほど、同バンプフォイルのバネ定数が大きくなる。
本実施形態の動圧空気軸受50では、各山部511の軸線方向に直交する方向における断面形状が、麓部53の曲げ半径と比較して、頂部54の曲げ半径が大きくなる形状をなしている。そのため、回転軸21の低速回転時、すなわちバンプフォイル51の弾性変形量が小さいときには、その山部511におけるトップフォイル52に当接する部分であり、且つ、曲げ半径が大きいために変形し易い部分である頂部54を主に変形させることができ、バンプフォイル51をバネ定数の小さい状態にすることができる。そのため、バンプフォイル51をトップフォイル52と共に速やかに弾性変形させて、トップフォイル52から回転軸21を早期に浮上させることができるようになる。したがって、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
また、回転軸21の回転速度が高くなって、バンプフォイル51の弾性変形量が大きくなると、バンプフォイル51の山部511における頂部54の弾性変形量が大きくなって同頂部54が変形し難くなるため、比較的曲げ半径が小さいために変形し難い部分である山部511における麓部53が主に変形するようになる。このときにはバンプフォイル51をバネ定数の大きい状態にすることができるため、バンプフォイル51を弾性変形し難い状態にして、トップフォイル52と回転軸21との隙間が大きくなることを抑えることができる。これにより回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(5)弾性変形量が小さいときのバンプフォイル51のバネ定数と比較して、弾性変形量が大きいときのバンプフォイル51のバネ定数が大きくなるように、同バンプフォイル51の山部511の形状を定めた。そのため、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。しかも、回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
(6)バンプフォイル51の山部511における麓部53の曲げ半径と比較して、同山部511における頂部54の曲げ半径を大きくした。これにより、弾性変形量が小さいときにはバンプフォイル51をバネ定数の小さい状態にするとともに、弾性変形量が大きいときにはバンプフォイル51をバネ定数の大きい状態にするといった構成を実現することができる。
(第4実施形態)
以下、第4実施形態の動圧空気軸受について、第1〜第3実施形態の動圧空気軸受との相違点を中心に説明する。
本実施形態の動圧空気軸受と先の第3実施形態の動圧空気軸受とは、バンプフォイルの山部の形状のみが異なる。以下、本実施形態のバンプフォイルの山部の形状について説明する。なお以下では、本実施形態の動圧空気軸受の各構成のうち、先の第1〜第3実施形態の動圧空気軸受と同様の構成については同一の符号もしくは対応する符号を付すとともに、それら構成についての重複する説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態の動圧空気軸受60のバンプフォイル61は、全体として、略筒状をなしている。このバンプフォイル61は、上記トップフォイル52側に突出する山部611が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなしている。各山部611の軸線方向に直交する方向における断面形状は、半円形状をなしている。
また、各山部611の突出形状を「山」として見た場合に、同「山」の麓側の部分をなす麓部63の板厚と比較して、「山」の頂点側の部分をなす頂部64の板厚が薄くなっている。各山部611は、詳しくは、バンプフォイル61の谷部512側の端部から山部611の頂点に向かうに連れて板厚が徐々に薄くなる形状をなしている。
以下、本実施形態の動圧空気軸受60による作用について説明する。
回転軸21の非回転時においては、トップフォイル52にバンプフォイル61が当接した状態になっている。
そして、この状態で回転軸21が始動されると、回転軸21の外周面とトップフォイル52の内周面との間に空気が進入して空気膜が形成される。これに伴い、トップフォイル52の外周面に当接しているバンプフォイル61がトップフォイル52ともども外周側に弾性変形するようになる。
ここで、金属板材を用いてバンプフォイルを形成する場合、曲げ半径が同一の条件のもとでは、その山部を構成する部分の板厚が薄いほど、同バンプフォイルのバネ定数が小さくなる。
本実施形態の動圧空気軸受60では、各山部611の軸線方向に直交する方向における断面形状が、麓部63の板厚と比較して、頂部64の板厚が薄くなる形状をなしている。そのため、回転軸21の低速回転時、すなわちバンプフォイル61の弾性変形量が小さいときには、その山部611におけるトップフォイル52に当接する部分であり、且つ、板厚が薄いために変形し易い部分である頂部64を主に変形させることができ、バンプフォイル61をバネ定数の小さい状態にすることができる。そのため、バンプフォイル61をトップフォイル52と共に速やかに弾性変形させて、トップフォイル52から回転軸21を早期に浮上させることができるようになる。したがって、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。
また、回転軸21の回転速度が高くなって、バンプフォイル61の弾性変形量が大きくなると、バンプフォイル61の山部611における頂部64の弾性変形量が大きくなって同頂部64が変形し難くなるため、比較的板厚が厚いために変形し難い部分である山部611における麓部63が主に変形するようになる。このとき、バンプフォイル61をバネ定数の大きい状態にすることができるため、バンプフォイル61を弾性変形し難い状態にして、トップフォイル52と回転軸21との隙間が大きくなることを抑えることができる。これにより回転軸21の振れ回りの発生を抑えることができるため、同回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(7)弾性変形量が小さいときのバンプフォイル61のバネ定数と比較して、弾性変形量が大きいときのバンプフォイル61のバネ定数が大きくなるように、同バンプフォイル61の山部611の形状を定めた。そのため、回転軸21の低速回転時における摩擦増加を抑えることができる。しかも、回転軸21の限界回転速度を高くすることができる。
(8)バンプフォイル61の山部611における麓部63の板厚と比較して、同山部611における頂部64の板厚を薄くした。これにより、弾性変形量が小さいときにはバンプフォイル61をバネ定数の小さい状態にするとともに、弾性変形量が大きいときにはバンプフォイル61をバネ定数の大きい状態にするといった構成を実現することができる。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・第1実施形態において、各分割フォイル部31〜36の軸線方向の配設位置と山部311〜361の突出高さとの関係は、例えば以下の(例1)および(例2)に記載する関係のように、任意に変更することができる。(例1)軸線方向における中央に配置される2つの分割フォイル部を、6つの分割フォイル部の中で、回転軸21の非回転時における山部の突出高さが最も大きくなるように形成する。通常、回転軸の回転時におけるトップフォイルとバンプフォイルとの隙間の空気圧力は、軸線方向の中央にあたる部分に近づくに連れて高くなる。上記構成によれば、そうした軸線方向の中央にあたる部分、すなわち空気圧力が高くなる部分に、山部の突出高さが最も高い2つの分割フォイル部を配置することができる。そのため、回転軸21の始動後において、軸線方向の中央に配置される上記山部の突出高さが最も高い分割フォイル部を速やかに弾性変形させて早期に非接触状態にすることができる。(例2)軸線方向における一方の端部側に山部の突出高さが最も高い分割フォイル部を配置するとともに、残りの分割フォイル部を、軸線方向における他方の端部に向かうに連れて山部の突出高さが低くなるように配置する。
・第1実施形態において、バンプフォイル30の分割数、すなわち分割フォイル部の数は、2つ〜5つにしたり、7つ以上にしたりするなど、任意に変更することができる。
・第2実施形態において、第1機能部43の第1バンプフォイル42のバネ定数と第2機能部46の第2バンプフォイル45のバネ定数とを互いに異なる値にするために、第1バンプフォイル42の第1山部421の数と第2バンプフォイル45の第2山部451の数とを異なる数にしてもよい。
・第2実施形態において、第1機能部43の第1バンプフォイル42の第1山部421の突端と第2機能部46の第2バンプフォイル45の第2谷部452の底とを、周方向位置がずれた位置になるように配置してもよい。
・第2実施形態において、外周側に配置される第1機能部43の第1バンプフォイル42のバネ定数が内周側に配置される第2機能部46の第2バンプフォイル45のバネ定数よりも小さくなるように、各バンプフォイル42,45のバネ定数を定めてもよい。要は、以下の(条件1)および(条件2)を共に満たす態様であれば、各バンプフォイル42,45のバネ定数は任意に変更可能である。(条件1)各バンプフォイル42,45の一方の弾性変形量が他方の弾性変形量よりも早く限界値に達する。(条件2)一方のバンプフォイルの弾性変形量が限界値に達する前における各バンプフォイル42,45の合成バネ定数よりも、一方のバンプフォイルの弾性変形量が限界値に達した後における各バンプフォイル42,45の合成バネ定数のほうが大きくなる。
・トップフォイルおよびバンプフォイルが対をなす機能部を、回転軸21とハウジング23との間に積層される態様で、3つ以上設けるようにしてもよい。
・第3実施形態および第4実施形態において、弾性変形量が小さいときのバンプフォイルのバネ定数と比較して弾性変形量が大きいときのバンプフォイルのバネ定数を大きくするための特段構成として、バンプフォイルの各山部の軸線方向に直交する方向における断面形状を階段形状にする構成を採用してもよい。同構成によれば、バンプフォイルの山部の弾性変形に伴って、同山部におけるトップフォイルに当接する部分、詳しくは階段形状におけるステップにあたる部分の数を段階的に増加させることができるため、バンプフォイルのバネ定数を段階的に大きくすることができる。その他、上記特段構成としては、バンプフォイルの山部の麓部をヤング率の高い材料によって形成するとともに同山部の頂部をヤング率の低い材料によって形成するなどといったように、バンプフォイルの山部の各部分をヤング率の異なる複数種の材料によって形成するといった構成を採用することもできる。
20…動圧空気軸受、21…回転軸、22…トップフォイル、22A…一端部、22B…他端部、23…ハウジング、24…凹溝、30…バンプフォイル、31〜36…分割フォイル部、311,321,331,341,351,361…山部、312,322,332,342,352,362…谷部、31A…一端部、31B…他端部、40…動圧空気軸受、41…第1トップフォイル、42…第1バンプフォイル、421…第1山部、422…第1谷部、43…第1機能部、44…第2トップフォイル、45…第2バンプフォイル、451…第2山部、452…第2谷部、46…第2機能部、47…一端部、48…他端部、50…動圧空気軸受、51…バンプフォイル、511…山部、512…谷部、51A…一端部、51B…他端部、52…トップフォイル、52A…一端部、53…麓部、54…頂部、60…動圧空気軸受、61…バンプフォイル、611…山部、63…麓部、64…頂部。

Claims (7)

  1. 回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、
    前記バンプフォイルは、同バンプフォイルを前記回転軸の軸線方向において分割した形状をなす複数の分割フォイル部を有し、
    前記複数の分割フォイル部は、前記回転軸の非回転時における前記山部の突出高さが互いに異なっている
    ことを特徴とする動圧空気軸受。
  2. 前記回転軸の非回転時において、前記複数の分割フォイル部のうち、前記軸線方向の両端に配置される前記分割フォイル部の前記山部の突出高さが、前記両端に配置される前記分割フォイル部以外の前記分割フォイル部の前記山部の突出高さよりも高くなっている
    請求項1に記載の動圧空気軸受。
  3. 回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、
    前記動圧空気軸受は、前記トップフォイルおよび前記バンプフォイルが対をなす機能部を複数有し、
    前記複数の機能部は、前記バンプフォイルのバネ定数が互いに異なり、且つ、前記回転軸と前記ハウジングとの間に積層される態様で設けられている
    ことを特徴とする動圧空気軸受。
  4. 隣接する2つの前記機能部のうち、内周側の前記機能部の前記バンプフォイルにおける前記山部に挟まれた谷部の底と、外周側の前記機能部の前記山部の突端と、が前記回転軸の径方向において並んでいる
    請求項3に記載の動圧空気軸受。
  5. 回転軸の外周に配置される筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの外周面に沿って延設されるとともに前記トップフォイル側に突出する山部が周方向に間隔を置いて並ぶ波形状をなすバンプフォイルと、前記バンプフォイルの外周面を支持するハウジングと、を有する動圧空気軸受において、
    前記山部は、前記バンプフォイルの弾性変形量が小さいときの同バンプフォイルのバネ定数と比較して、前記バンプフォイルの弾性変形量が大きいときの同バンプフォイルのバネ定数が大きくなる形状をなしている
    ことを特徴とする動圧空気軸受。
  6. 前記バンプフォイルは、前記山部における麓側の部分をなす麓部の曲げ半径と比較して、前記山部における頂点側の部分をなす頂部の曲げ半径が大きくなっている
    請求項5に記載の動圧空気軸受。
  7. 前記バンプフォイルは、前記山部における麓側の部分をなす麓部の厚さと比較して、前記山部における頂点側の部分をなす頂部の厚さが薄くなっている
    請求項5に記載の動圧空気軸受。
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