JP2014037857A - ラジアルフォイル軸受 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】回転軸1を支持するラジアルフォイル軸受3である。トップフォイル10と、中間フォイル11と、バックフォイル12と、これらを収容する軸受ハウジング13とを備える。軸受ハウジング13の内周面には係合溝14が形成されている。トップフォイル10は、凹凸部を有する金属箔が円筒状に巻かれるとともに、各凸部16a、16bが、それぞれ各凹部を通って軸受ハウジング13側に引き出されて形成されている。軸受ハウジング13側に引き出された凸部16a、16bは、それぞれ係合溝14に係合している。
【選択図】図2
Description
また、特許文献2では、溶接を用いることなく、トップフォイルの両端をそれぞれハウジング内壁の止め壁に突き当てるようにして係止させ、固定している。
また、当該部位における回転軸の支持剛性を下げ過ぎないようにするには、当該部位のバンプフォイルを1山のみ低くする方法が考えられる。しかし、低くする量が数十μmのオーダーと小さいため、その製作は極めて困難である。
前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置される中間フォイルと、前記中間フォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル、前記中間フォイル、及び前記バックフォイルを内挿した状態に収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備え、
前記軸受ハウジングの内周面には、その軸方向に沿って係合溝が形成され、
前記トップフォイルは、矩形状で、一方の辺側に凸部と凹部とを形成してなる第1の凹凸部を有し、前記一方の辺と反対の他方の辺側に凹部と凸部とを形成してなる第2の凹凸部を有する金属箔が、前記第1の凹凸部と前記第2の凹凸部とが重なるように円筒状に巻かれるとともに、前記第1の凹凸部および前記第2の凹凸部における各凸部が、それぞれ前記第2の凹凸部および前記第1の凹凸部における各凹部を通って前記軸受ハウジング側に引き出されて形成され、
前記軸受ハウジング側に引き出された凸部が、前記係合溝に係合していることを特徴とする。
また、トップフォイルとバックフォイルとの間に中間フォイルを備えているので、回転軸が回転時において軸振動(自励振動)を起こしても、トップフォイルと中間フォイルとの間、さらには中間フォイルとバックフォイルとの間が互いに滑ることによって生じる摩擦により、減衰効果が得られる。したがって、この減衰効果によって前記の軸振動(自励振動)を抑制し、該軸振動を収まり易くすることができる。さらに、中間フォイルによってトップフォイルの剛性を補強することもできる。
このようにすれば、中間フォイル間の滑りによる摩擦によって得られる減衰効果が加わることにより、前記の軸振動(自励振動)をより収まり易くすることができる。
このようにすれば、中間フォイルに対してもスポット溶接や曲げ加工を行うことなく、該中間フォイルを軸受ハウジング内に収容・固定することができる。したがって、中間フォイルに歪みが形成されることによってトップフォイルにも歪みが生じるのを防止することができる。
このようにすれば、通し溝を軸受ハウジングの軸方向に沿って一端から他端に連続して形成しているので、例えば放電ワイヤカット加工によって該通し溝を容易に形成することができる。
また、トップフォイルと軸受ハウジングとの間で軸方向のずれが生じた際にも、通し溝が長さ方向に分割されて形成された係合溝に係合する凸部が、該係合溝の端部に規制されてその移動が停止させられることにより、それ以上のずれが防止される。さらに、通し溝と固定具とに、固定具が通し溝の長さ方向に移動するのを規制する規制部が設けられているので、固定具の移動も停止させられている。したがって、トップフォイルが軸受ハウジングから脱落することが確実に防止される。
このようにすれば、トップフォイルの凸部を係止凹部に係止させることで、該凸部の位置決めとその係止を容易に行うことができ、さらにトップフォイルの組立再現性を高めることができる。
このようにすれば、通し溝に対してその長さ方向に固定具が移動するのを確実に規制することができ、これによってトップフォイルが軸受ハウジングから脱落することが確実に防止される。また、係止溝の加工についても、例えば放電ワイヤカット加工によって容易に行うことができる。
このようにすれば、トップフォイルの両端部が弾性変形し易くなり、該両端部において回転軸を締め付ける力(局所的なプリロード)が生じるのが抑制される。
このようにすれば、この薄肉部では、回転軸に対向する面と反対の側の面側、すなわち外周面側を支持するバックフォイルとの間に隙間が形成され、したがって該薄肉部において回転軸を締め付ける力(局所的なプリロード)が生じるのが確実に防止される。
また、中間フォイルを備えているので、この中間フォイルと他のフォイルとの間の滑りによる摩擦によって減衰効果が得られることにより、回転軸の軸振動(自励振動)を収まり易くすることができ、さらに、中間フォイルによってトップフォイルの剛性を補強することもできる。したがって、軸受の動特性(剛性と減衰)を充分に高めることができる。
また、インペラ2は静止側となるハウジング6内に配置されており、ハウジング6との間にチップクリアランス7を有している。
また、回転軸1には、スラストカラー4より中央側に、ラジアルフォイル軸受3が外挿されている。
図2(a)、(b)は、このような構成のターボ機械に適用されたラジアルフォイル軸受の第1実施形態を示す図である。この第1実施形態のラジアルフォイル軸受3は、図2(a)に示すように回転軸1に外挿されて該回転軸1を支持する円筒状のもので、回転軸1に対向して配置される円筒状のトップフォイル10と、該トップフォイル10の径方向外側に配置される中間フォイル11と、該中間フォイル11の径方向外側に配置されるバックフォイル12と、該バックフォイル12の径方向外側に配置される軸受ハウジング13とを備えて構成されている。
なお、このバンプフォイル(バックフォイル)12は、本実施形態では従来と同様に、スポット溶接等によって軸受ハウジング13に固定されている。
回転軸1が停止した状態では、トップフォイル10はバックフォイル12によって中間ファイル11を介して回転軸1側に付勢されることで回転軸1に密着している。なお、本実施形態では、トップフォイル10の両端部が薄肉部22となっているので、これら薄肉部22では回転軸1を締め付ける力(局所的なプリロード)がほとんど生じないようになっている。
また、軸受ハウジング13に対するトップフォイル10や中間フォイル11の溶接が無いため、溶接不良などによる組立て不良や組立てのバラツキが無くなる。したがって、再現性が高くなり、量産性に優れたものとなる。
また、トップフォイル10の両端部に薄肉部22を形成しているので、例えば従来のようにトップフォイルの両端部を軸受ハウジングの内曲面(内周面)になじませるための、熱処理工程が不要になる。
さらに、トップフォイル10の両端部に薄肉部22を形成したことで、周囲流体が流入する側のトップフォイル10の端部側(従来型の自由端側に相当)が柔らかくなっているため、前記したように周囲流体がトップフォイル10と回転軸1との間に流入し易くなる。
したがって、より低い回転数で流体潤滑膜が形成されるようになり、始動性が向上する。
次に、本発明のラジアルフォイル軸受の第2実施形態を説明する。図6(a)〜(d)は、図1に示したターボ機械に適用されたラジアルフォイル軸受の第2実施形態を示す図であり、図6(a)中符号30はラジアルフォイル軸受である。このラジアルフォイル軸受30が図2(a)に示したラジアルフォイル軸受3と異なるところは、トップフォイル及び中間フォイルの形状と、これらに対応する軸受ハウジングの係合溝の形状である。
次に、本発明のラジアルフォイル軸受の第3実施形態を説明する。図7(a)、(b)は、図1に示したターボ機械に適用されたラジアルフォイル軸受の第3実施形態を示す図であり、図7(a)中符号40はラジアルフォイル軸受である。このラジアルフォイル軸受40が図2(a)に示したラジアルフォイル軸受3と異なるところは、軸受ハウジングの係合溝の構造と、バックフォイルの構造である。
なお、固定具46は、例えば厚さが3〜4mm程度のステンレス等からなる金属板をワイヤカット放電加工することにより、形成することができる。
このようにして溝62、係合凹部61を形成した後、係止部材60を軸受ハウジング41の内周面側から係合凹部61および溝62に嵌め込み、係止させることにより、係合凸部63aを容易に形成することができる。
このような構成のもとに、軸受ハウジング41の係合凸部63aには、図9(a)および図10(a)に示すようにバックフォイル片42aの係合切欠42dが係合している。
また、凸部16a、16b、凸部19a、19bは、それぞれの幅が、前記通し溝43と固定具46とによって形成された係合溝50の長さに対応して、これとほぼ一致するように形成されている。
回転軸1が停止した状態では、トップフォイル10はバックフォイル42(3つのバックフォイル片42a)によって中間ファイル11を介して回転軸1側に付勢されることで回転軸1に密着している。なお、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様にトップフォイル10の両端部が薄肉部22となっているので、これら薄肉部22では回転軸1を締め付ける力(局所的なプリロード)がほとんど生じないようになっている。
また、流体潤滑膜が形成されるまでの過渡状態においては、回転軸1とトップフォイル10との間に固体摩擦が生じ、これが始動時の抵抗になる。しかし、前記したようにトップフォイル10の両端部でプリロードが生じなくなっていることや、周囲流体が流入する側のトップフォイル10が薄肉部22となっていて柔らかくなっており、トップフォイル10と回転軸1との間が開口し易くなっていることにより、回転軸1が始動すると早期に流体潤滑膜が形成され、回転軸1はトップフォイル10に対して非接触状態で回転するようになる。
また、トップフォイル10及び中間フォイル11と軸受ハウジング13との間で軸方向のずれが生じた際にも、通し溝43が長さ方向に分割されて形成された係合溝50に係合する凸部16a、16b及び凸部19a、19bが、該係合溝50の端部(隔壁片49)に規制されてその移動が停止させられることにより、それ以上のずれを防止することができる。さらに、通し溝43の係止溝44と固定具46の折曲片48とにより、固定具46が通し溝43の長さ方向に移動するのを規制する規制部を形成しているので、固定具46の移動も停止させることができる。したがって、トップフォイル10及び中間フォイル11が軸受ハウジング13から脱落することを確実に防止することができる。
また、軸受ハウジング41に対するトップフォイル10や中間フォイル11の溶接が無いため、溶接不良などによる組立て不良や組立てのバラツキが無くなる。したがって、再現性が高くなり、量産性に優れたものとなる。
また、トップフォイル10の両端部に薄肉部22を形成しているので、例えば従来のようにトップフォイルの両端部を軸受ハウジングの内曲面(内周面)になじませるための、熱処理工程が不要になる。
さらに、トップフォイル10の両端部に薄肉部22を形成したことで、周囲流体が流入する側のトップフォイル10の端部側(従来型の自由端側に相当)が柔らかくなっているため、前記したように周囲流体がトップフォイル10と回転軸1との間に流入し易くなる。したがって、より低い回転数で流体潤滑膜が形成されるようになり、始動性が向上する。
次に、本発明のラジアルフォイル軸受の第4実施形態を説明する。
本実施形態のラジアルフォイル軸受も、図1に示したターボ機械に適用されたラジアルフォイル軸受の実施形態となるものである。このラジアルフォイル軸受が第3実施形態のラジアルフォイル軸受41と異なるところは、トップフォイル及び中間フォイルの形状と、これらに対応する軸受ハウジングの係合溝の形状である。
例えば、前記実施形態では中間フォイルを一枚のみ用いているが、中間フォイルを複数枚重ねて多層化してもよい。このようにバックフォイルとトップフォイルとの間に中間フォイルを多層化して配置することにより、トップフォイルと中間フォイルとの間や中間フォイルとバックフォイルとの間が互いに滑ることで生じる摩擦によって得られる減衰効果に、中間フォイル間の滑りによる摩擦によって得られる減衰効果が加わる。したがって、回転軸の軸振動(自励振動)を抑制して該軸振動をより収まり易くすることができる。
また、薄肉部22については、例えばその表裏両面をエッチング加工し、薄厚(薄肉)に形成してもよい。
逆に、前記第3実施形態、第4実施形態においては、3つのバックフォイル片42aからなるバックフォイル42に代えて、前記第1実施形態、第2実施形態に示した単一のバックフォイル12を用い、これを軸受ハウジングに固定してもよい。
また、前記第3実施形態、第4実施形態では、図9(a)、(b)に示したようにバックフォイル片42aの係合切欠42dを係止部材60で形成した係合凸部63aに係合させることにより、該バックフォイル片42aを軸受ハウジング41に固定するようにしたが、本発明に係るバックフォイルは、このような構造に限定されることなく、例えば図14(a)、(b)に示すような係止部材51を用いて、各バックフォイル片42aを軸受ハウジング41に固定するようにしてもよい。
また、前記実施形態では、軸受ハウジングを円筒状に形成したが、一方の側面又は両方の側面に環状のフランジを一体に形成し、全体を略円筒状に形成してもよい。フランジを形成することにより、ターボ機械のハウジングなどへの取付を容易にすることができる。
Claims (8)
- 回転軸に外挿されて該回転軸を支持するラジアルフォイル軸受であって、
前記回転軸に対向して配置される円筒状のトップフォイルと、前記トップフォイルの径方向外側に配置される中間フォイルと、前記中間フォイルの径方向外側に配置されるバックフォイルと、前記トップフォイル、前記中間フォイル、及び前記バックフォイルを内挿した状態に収容する円筒状の軸受ハウジングと、を備え、
前記軸受ハウジングの内周面には、その軸方向に沿って係合溝が形成され、
前記トップフォイルは、矩形状で、一方の辺側に凸部と凹部とを形成してなる第1の凹凸部を有し、前記一方の辺と反対の他方の辺側に凹部と凸部とを形成してなる第2の凹凸部を有する金属箔が、前記第1の凹凸部と前記第2の凹凸部とが重なるように円筒状に巻かれるとともに、前記第1の凹凸部および前記第2の凹凸部における各凸部が、それぞれ前記第2の凹凸部および前記第1の凹凸部における各凹部を通って前記軸受ハウジング側に引き出されて形成され、
前記軸受ハウジング側に引き出された凸部が、前記係合溝に係合していることを特徴とするラジアルフォイル軸受。 - 前記中間フォイルは複数枚重ねられていることを特徴とする請求項1記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記中間フォイルは、矩形状で、少なくとも一方の辺側に凸部と凹部とを有してなる凹凸部を有し、該凹凸部における凸部が、前記係合溝に係合していることを特徴とする請求項1又は2に記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記軸受ハウジングの内周面には、その軸方向に沿って一端から他端に連続する通し溝が形成され、
前記通し溝には、該通し溝をその長さ方向に分割することで前記係合溝を複数形成する固定具が嵌め込まれ、
前記通し溝と前記固定具とには、前記固定具が前記通し溝の長さ方向に移動するのを規制する規制部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のラジアルフォイル軸受。 - 前記通し溝の内側面には、前記トップフォイルの凸部の先端部を係止させる係止凹部が、前記通し溝の長さ方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項4記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記規制部は、前記軸受ハウジングの両側面において前記通し溝の両端部にそれぞれ連通して該軸受ハウジングの厚さ方向に形成された係止溝と、前記固定具の両端部にそれぞれ形成されて前記係止溝に係止する折曲片と、によって構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記トップフォイルには、前記一方の辺側と前記他方の辺側とに、これらの間の中央部に比べて薄厚な薄肉部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のラジアルフォイル軸受。
- 前記薄肉部の、前記回転軸に対向する面と反対の側の面は、前記中央部の、前記回転軸に対向する面と反対の側の面より凹んだ状態に形成されていることを特徴とする請求項7記載のラジアルフォイル軸受。
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