JP7244312B2 - 地中拡径装置および拡径部形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中拡径装置およびこの地中拡径装置を利用した拡径部形成方法に関する。
柱状の地盤改良体、アンカー体、拡径杭の施工では、地表から削孔した掘削孔を地中において拡径する場合がある。地盤改良において地中で拡径を行うと、地表から最小径にて形成した掘削孔を利用して地中に大きな径の円柱状の地盤改良体を形成できるため、既設の地下埋設物等との干渉を回避できる。また、アンカー体や拡径杭などの施工において拡径部を形成することができれば、より大きな引き抜き抵抗力や支持力を期待することができる。
地盤改良における拡径方法として、改良対象の地盤に高圧の圧縮空気や高圧水を噴射して拡径を行う方法がある(例えば、JSG工法やコラムジェットグラウト工法)。ところが、圧縮空気や高圧水による拡径は、地山状況によっては均等に掘削できないおそれがある。
機械式拡径工法に使用する掘削装置として、例えば特許文献1には、掘削ロッドの先端部に対し拡径可能に支持された拡大翼を備えるものが開示されている。このような機械式拡径工法によれば、地中において拡大翼を用いて地盤を直接撹拌するため、均等に撹拌(掘削)することができる。ところが、従来の機械式拡径工法では、施工機械(掘削機械)の構造が複雑で大規模であるため、地上部において広い作業スペースを確保する必要があり、ロッドの着脱等の施工手順も複雑である。
特開2008-156992号公報
本発明は、簡易な構成で取り扱いやすく、施工時の手間を低減することを可能とした地中拡径装置とこれを利用した拡径部形成方法を提案することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明の地中拡径装置は、地中に配設されるケーシングロッドと、縦向きの状態で前記ケーシングロッド挿通可能な鋼鈑からなる撹拌ブレードと、前記撹拌ブレードを吊持する吊り材とを備えるものである。前記撹拌ブレードは、前記吊り材の下端部において縦回転可能であり、かつ、前記ケーシングロッドの下端部において縦回転により前記ケーシングロッドと交差する向きになった状態で当該ケーシングロッドの下端部に形成された係止溝に係止可能である。
また、この地中拡径装置を利用した拡径部形成方法は、前記ケーシングロッドを地中に挿入して掘削孔を形成する工程と、前記吊り材に吊持された前記撹拌ブレードを前記ケーシングに挿入する工程と、前記ケーシングロッドを引き上げて前記撹拌ブレードを前記ケーシングロッド内に配置する工程と、前記吊り材を引き上げて前記撹拌ブレードを前記ケーシングロッドと交差する向きに配置しつつ前記ケーシングロッドの下端部に係止させる工程と、前記ケーシングロッドを回転させて前記撹拌ブレードにより前記掘削孔の周囲の地盤を撹拌する工程とを備えている。
かかる地中拡径装置によれば、構成要素が少なく、簡易な構成のため、取り扱い易く、施工時の手間を低減することができる。また、大規模な装置を要することなく施工をすることができる。また、1本の吊り材により撹拌ブレードの拡径操作(回動操作)を行うことができるため、特殊な技術や構造を必要としない。また、ケーシングロッドとして多重管を使用する必要がないため、施工機械の制約が少ない。
なお、前記撹拌ブレードに、前記ケーシングロッドの内面下端に係止可能なストッパーが突設されていれば、ストッパーをケーシングロッドに引っ掛けることで、ストッパーを中心に撹拌ブレードが上下方向に回動し、所定の向きに撹拌ブレードを配設することができる。また、前記ストッパーに前記吊り材を挿入可能な凹部が形成されていれば、撹拌ブレードをケーシングロッド内で下降させる際に、吊り材を凹部に挿入させておくことで、撹拌ブレードを一定の向きに保持させることができる。
また、地中拡径装置は、2本の前記撹拌ブレードを備えていてもよい。このとき、2本の前記撹拌ブレードは、1本の前記吊り材により吊持されているとともに、前記吊り材の下端において反対方向に回動可能とする。かかる拡径装置によれば、左右に開いた状態で配設された2本の拡径ロッドにより地盤を撹拌することができるため、効率的である。
本発明の地中拡径装置および拡径部形成方法によれば、構成要素が少なく、取り扱い易いため、地表から削孔した掘削孔を地中にて拡径する場合における施工時の手間を低減することができる。
第一実施形態に係る地中拡径装置であって、(a)は縦断面図、(b)は横断面図、(c)は撹拌ブレードがセットされた状態を示す縦断面図である。 (a)および(b)は地中拡径装置の下端部を示す拡大図である。 ストッパーを示す断面図である。 (a)は本実施形態の吊り材を示す正面図、(b)は他の形態の吊り材を示す正面図である。 第一実施形態の拡径部形成方法の各工程を示す断面図であって、(a)は削孔工程、(b)は撹拌ブレード配置工程、(c)は撹拌ブレード露出工程、(d)は撹拌ブレード係止工程である。 第一実施形態の拡径部形成方法の各工程を示す断面図であって、(a)は図5(d)に続く撹拌ブレード係止工程、(b)は撹拌ブレード回収工程、(c)は(b)に続く撹拌ブレード回収工程である。 第二実施形態の拡径部形成方法の各工程を示す断面図であって、(a)は撹拌ブレード配置工程、(b)は撹拌ブレード露出工程、(c)は撹拌ブレード係止工程、(d)は(c)に続く撹拌ブレード係止工程、(e)は撹拌ブレード回収工程である。 (a)は他の形態に係る地中拡径装置を示す断面図、(b)はその他の形態に係る地中拡径装置の撹拌ブレード露出工程を示す断面図、(c)は(b)示す地中拡径装置の撹拌ブレード係止工程を示す断面図、(d)はその他の形態に係る地中拡径装置の撹拌ブレード係止工程を示す断面図、(e)は(d)に示す地中拡径装置の回収工程を示す断面図である。
<第一実施形態>
第一実施形態では、地表から形成した掘削孔を利用して、掘削孔よりも大きな径の改良体を形成する拡径部形成方法について説明する。この拡径部形成方法では、図1に示す地中拡径装置1を利用する。
地中拡径装置1は、図1(a)および(b)に示すように、地中に配設されるケーシングロッド2と、ケーシングロッド2を挿通可能な撹拌ブレード3と、撹拌ブレード3を吊持する吊り材4とを備えている。
ケーシングロッド2は、地盤を削孔するための筒体である。ケーシングロッド2は、縦向きの撹拌ブレード3を挿通可能な内径を有している。図2(a)および(b)に示すように、ケーシングロッド2の下端には、撹拌ブレード3を係止するための係止溝21が形成されている。係止溝21は、ケーシングロッド2と交差する向き(横向き)の撹拌ブレード3の上部を係止可能である。係止溝21は、少なくともケーシングロッド2の中心を挟んで対向する位置にそれぞれ形成されている。係止溝21は、上に向かうにしたがって幅が小さくなるように台形状を呈しているが、係止溝21の形状は限定されるものではなく、例えば半円状であってもよい。また、本実施形態では、ケーシングロッド2の中心を挟んで対向する一対の係止溝21が同形状であるが、例えば、一方の係止溝21を他方の係止溝21よりも小さくするなど、各係止溝21の形状は異なっていてもよい。また、係止溝21の数および配置は限定されるものではなく、例えば、ケーシングロッド2の下端に所定の間隔をあけて複数形成されていてもよい。
撹拌ブレード3は、鋼板により形成されており、図1(a)~(c)に示すように、吊り材4の下端部において、撹拌ブレード3を上下方向に回動可能に吊持されている。なお、撹拌ブレード3を構成する材料は限定されるものではない。
図1(a)に示すように、撹拌ブレード3の先端部(図1において下側の端部)と基端部(図1において上側の端部)は、撹拌ブレード3の長手方向に対して傾斜していて、鋭角になっている。本実施形態では、先端部と基端部との傾斜角が異なっているが、先端部および基端部の傾斜角は同一であってもよい。また、先端部および下端部は、必ずしも直線状である必要はなく、曲線状であってもよい。
撹拌ブレード3には、吊り材4を係止するための長孔31が他方の端部側に形成されている。長孔31は、撹拌ブレード3の長手方向に延在している。なお、長孔31の形成箇所は限定されるものではなく、例えば、撹拌ブレード3の中央部に形成されていてもよい。
撹拌ブレード3は、先端側の板厚(図2(a)参照)が基端側の板厚(図2(b)参照)よりも大きくなっており、図2(a)および(b)に示すように、撹拌ブレード3の先端側と基端側では、係止溝21への挿入深さが異なっている。なお、撹拌ブレード3は、部分的に板厚が変化していてもよいし、徐々に板厚が変化していてもよい。また、撹拌ブレード3の板厚は、必ずしも変化している必要はなく、一定の厚さであってもよい。
また、撹拌ブレード3には、ケーシングロッド2の内面下端に係止可能なストッパー5が突設されている。ストッパー5は、撹拌ブレード3の側面(図1(a)において左側の面)の他方の端部側(図1(a)において上端側)に形成されている。ストッパー5には、吊り材4を挿入可能な凹部51が形成されている。凹部51は、撹拌ブレード3と反対側の面おいて開口している。なお、ストッパー5は、別部材を撹拌ブレード3に固定することにより形成してもよいし、撹拌ブレード3の一部を加工することにより一体に形成してもよい。また、ストッパー5は必要に応じて形成すればよく、省略してもよい。また、ストッパー5の凹部51は、必要に応じて形成すればよい。
吊り材4は、ワイヤーにより形成されている。吊り材4の下端部は、図4(a)に示すように、吊材分岐部41において二又に分岐されている。すなわち、吊り材4の下端部は、逆Y字状を呈している。また、吊り材4の下端には、撹拌ブレード3の長孔31に挿通するための吊材係止部42が形成されている。本実施形態の吊材係止部42は、棒状部材を吊り材4の下端に固定することにより形成されている。吊材係止部42から吊材分岐部41までの距離は、撹拌ブレード3の長孔31の基端側の被り(撹拌ブレード3の鉛直にした際の長孔31の基端側端部から撹拌ブレード3の基端面までの距離)と同等以上の長さを確保している。なお、吊り材4の下端部の構成は限定されるものではなく、例えば、ワイヤーの端部を環状に折り返して固定することにより形成してもよい。また、吊り材4は、ワイヤーに限定されるものではなく、例えば、図4(b)に示すように、吊り材4の下端部をワイヤーとし、その他の部分を棒材43にしてもよい。吊り材4を棒材43により構成すれば、吊り材4(棒材43)に下方に押し込む力を加えた場合であっても棒材43が撓まないため、ケーシングロッド2の内面に付着した土砂などにより撹拌ブレード3を降下させる際に抵抗がある場合であっても吊り材4を介して撹拌ブレード3を押し込むことができる。
以下、地中拡径装置1を利用した拡径部形成方法について説明する。まず、図5(a)に示すように、ケーシングロッド2を地中に挿入して掘削孔6を形成する(削孔工程)。掘削孔6の削孔は、複数のケーシング部材をつぎ足しながら圧入することで、所定の深さまで行う。
ケーシングロッド2の下端が所定の深さに到達したら、図5(b)に示すように、吊り材4に吊持された撹拌ブレード3をケーシングロッド2に挿入し、撹拌ブレード3をケーシングロッド2内に配置する(ブレード配置工程)。撹拌ブレード3は、先端が掘削孔6の底面に当接するまで下降させるのが望ましい。撹拌ブレード3をケーシングロッド2に挿通する際は、吊り材4をストッパー5の凹部51に挿入しておく。このようにすると、吊り材4は、吊材分岐部41の直上においてストッパー5に係止された状態となり、吊材係止部42は長孔31の下部に位置した状態となる。こうすることで、下降時の撹拌ブレード3のブレが抑制され、また、撹拌ブレード3は、鉛直に対して傾斜した状態で挿入される。
撹拌ブレード3をケーシングロッド2内の下部に配置させたら、図5(c)に示すように、ケーシングロッド2を引き上げて撹拌ブレード3を掘削孔6の下端部に露出させる(ブレード露出工程)。
ケーシングロッド2内で吊り下げた状態の撹拌ブレード3の重心点と吊り下げ力の作用点は異なる(偏心力が作用する)ため、ケーシングロッド2から解放された撹拌ブレード3は自ずと傾いた状態となる。さらに撹拌ブレード3の三角形状の先端が掘削孔6の底面に当接することも、撹拌ブレード3が自ずと傾いた状態となることを妨げない。また、仮にケーシングロッド2の内側の土砂付着などにより図4(b)に示す棒材43で撹拌ブレード3を押し込んだ際においても、同様に撹拌ブレード3はケーシングロッド2から解放された段階で傾いた状態となる。
続いて、図5(d)に示すように、吊り材4を引き上げて、撹拌ブレード3をケーシングロッド2と交差する向きに配置する(ブレード係止工程)。撹拌ブレード3の基端部は三角に傾斜しているため、吊り材4を引き上げると、傾いた状態の撹拌ブレード3の上端がケーシングロッド2の下端に接触し、この接触点を中心にして撹拌ブレード3が縦回転する。そして、さらに吊り材4を引き上げると、ケーシングロッド2の下端にストッパー5が当接し、ケーシングロッド2とストッパー5との当接部を軸に撹拌ブレード3が縦回転(上下方向に回転)して、撹拌ブレード3が横向きになる。図6(a)に示すように、撹拌ブレード3が横向きになったら、吊り材4をさらに引き上げて、撹拌ブレード3をケーシングロッド2の下端部(係止溝21)に係止させる(図2(a)および(b)参照)。このとき、ケーシングロッド2を回転させることで、撹拌ブレード3と係止溝21との位置合わせをすることができる。
ケーシングロッド2に撹拌ブレード3を係止させたら、ケーシングロッド2を回転させて撹拌ブレード3により掘削孔6の周囲の地盤を撹拌して、拡径部61を形成する(撹拌工程)。このとき、撹拌ブレード3への回転力は、ケーシングロッド2のみから伝達される。なお、ケーシングロッド2と撹拌ブレード3とが離隔することないように、吊り材4による引張力は維持させておく。本実施形態では、撹拌ブレード3による地盤の撹拌に伴い、ケーシングロッド2から地中に地盤改良材を供給する。地盤改良体は限定されるものではないが、本実施形態ではセメントミルクを使用する。なお、拡径部61は、ケーシングロッド2を上下動させることで、図6(b)に示すように、所定の高さを有した円柱状に形成する。
所定の大きさの拡径部61を形成したら、吊り材4の緊張を緩和させた状態で、ケーシング2を引き上げることで、撹拌ブレード3をケーシングロッド2から切り離す(ブレード回収工程)。このとき、撹拌ブレード3は、先端側と基端側においてケーシングロッド2の係止溝21に対するはめ込み深さが異なっているため、撹拌ブレード3の先端側と基端側の抵抗の違いから、ケーシングロッド2から切り離しやすい。また、係止溝21への挿入深さが浅い先端側が先にケーシングロッド2から切り離されるため、先端側が下側になるように切り離され、撹拌ブレード3は、地中(拡径部61内)において縦回転して縦向きになる。これに伴い、吊り材4の下端(吊材係止部42)は長孔31の基端(上端)に移動する。吊材係止部42から吊材分岐部41までの距離が、撹拌ブレード3の長孔31の基端側の被りと同等以上であるため、撹拌ブレード3をほぼ鉛直に吊持することができる。
撹拌ブレード3は、図6(c)に示すように、吊り材4により略鉛直に吊持した状態で引き上げることで、ケーシングロッド2を挿通させて回収する。
本実施形態の地中拡径装置1によれば、構成要素が少なく、簡易な構成のため、取り扱い易い。そのため、施工時の手間を低減することができる。また、ケーシングロッド2として多重管を使用する必要がなく、施工機械の制約が少ないため、大規模な装置を要することなく施工をすることができる。大規模な装置を使用しなければ、地上部の作業スペースの省スペース化が可能である。また、1本の吊り材4により撹拌ブレード3の拡径操作(回動操作)を行うことができるため、特殊な技術や構造を必要としない。
また、小口径なボーリング孔を利用して施工することが可能なため、施工個所が制限され難い。例えば、商業施設などの一部で、地表付近に埋設された配管を回避してピンポイントで小規模な地盤改良を行う場合であっても、施工が可能である。
<第二実施形態>
第二実施形態では、第一実施形態と同様に、掘削孔6を利用して、地中に拡径部61を形成する場合について説明する。
第二実施形態の地中拡径装置1は、図7(a)に示すように、地中に配設されるケーシングロッド2と、ケーシングロッド2を挿通可能な2本の撹拌ブレード3と、両撹拌ブレード3を吊持する1本の吊り材4とを備えている。なお、ケーシングロッド2および吊り材4の詳細は、第一実施形態で示した内容と同様なため、詳細な説明は省略する。
2本の撹拌ブレード3は、く字状に曲がっており、対向する向きで吊持されている。撹拌ブレード3の折れ点よりも下側の部分は、折れ点よりも上側の部分よりも長い。また、撹拌ブレード3の折れ点よりも上側の部分には、長孔31が形成されている。
次に、第二実施形態の地中拡径装置1を利用した拡径方法について説明する。まず、ケーシングロッド2を地中に挿入して掘削孔6を形成する(削孔工程)。掘削孔6の削孔は、複数のケーシング部材をつぎ足しながら圧入することで、所定の深さまで行う(図7(a)参照)。
ケーシングロッド2の下端が所定の深さに到達したら、図7(a)に示すように、吊り材4に吊持された2本の撹拌ブレード3,3をケーシングロッド2内に配置する(ブレード配置工程)。撹拌ブレード3,3は、先端が掘削孔6の底面に当接するまで下降させるのが望ましい。
撹拌ブレード3,3をケーシングロッド2内の下部に配置させたら、図7(b)に示すように、ケーシングロッド2を引き上げて撹拌ブレード3,3を掘削孔6の下端部に露出させる(ブレード露出工程)。撹拌ブレード3,3を掘削孔6の下端部に露出させた状態で、吊り材4を下降させると、吊材係止部42が長孔31の下端側に移動する。吊材係止部42が長孔31の下側に移動するのにともない、撹拌ブレード3,3の上部が互いに離れるように離隔する。撹拌ブレード3,3の上部が離隔することで、撹拌ブレード3,3の上端は、ケーシングロッド2の外側に位置する。この状態で、吊り材4を引き上げると、図7(c)および(d)に示すように、撹拌ブレード3,3が下端において反対方向に回動して、互いに離隔するように左右に広がる。
撹拌ブレード3,3を広げたら、吊り材4をさらに引き上げて、撹拌ブレード3,3をケーシングロッド2の下端部(係止溝21)に係止させる。ケーシングロッド2に撹拌ブレード3を係止させたら、ケーシングロッド2を回転させて撹拌ブレード3により掘削孔6の周囲の地盤を撹拌して、拡径部61を形成する(撹拌工程)。このとき、撹拌ブレード3への回転力は、ケーシングロッド2のみから伝達される。なお、ケーシングロッド2と撹拌ブレード3とが離隔することないように、吊り材4による引張力は維持させておく。なお、拡径部61は、ケーシングロッド2を上下動させることで所定の高さを有した円柱状に形成する。
所定の大きさの拡径部61を形成したら、吊り材4の緊張を緩和させた状態で、ケーシング2を引き上げることで、撹拌ブレード3をケーシングロッド2から切り離す(ブレード回収工程)。撹拌ブレード3,3は、地中(拡径部61内)において縦回転して縦向きになる。撹拌ブレード3,3は、図7(e)に示すように、吊り材4により略鉛直に吊持した状態で引き上げることで、ケーシングロッド2を挿通させて回収する。
以上、第二実施形態の地中拡径装置1によれば、第一実施形態の地中拡径装置1と同様な効果を得ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、前述の実施形態に限られず、前記の各構成要素については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
例えば、地中拡径装置1を利用目的は、地盤改良に限定されるものではなく、アンカー体の形成や、拡径杭の施工、または地中汚染物質の不溶化施工に使用してもよい。
また、前記実施形態では、撹拌ブレード3の先端側を基端側よりもケーシングロッド2から横方向に突出させた状態で拡径部61を形成する場合について説明したが、図8(a)に示すように、撹拌ブレード3の先端側と基端側の突出長は同等であってもよい。なお、撹拌ブレード3の突出長の調整は、例えば、長孔31とストッパー5との位置関係を調整することにより行えばよい。
また、前記実施形態では、1本の吊り材4により撹拌ブレード3を吊持する場合について説明したが、図8(b)および(c)に示すように、2本の吊り材4により撹拌ブレード3を吊持してもよい。2本の吊り材4を使用すれば、一方の吊り材4を停止させた状態で他方の吊り材4を引き上げる等して吊り材4を操作することで、撹拌ブレード3を縦回転させて、撹拌ブレード3を縦向きから横向きに変化させることができる。撹拌ブレード3を横向きにしたら、2本の吊り材4を引き上げることで、撹拌ブレード3をケーシングロッド2の下端部(係止溝21)に係止させる(図2(a)および(b)参照)。撹拌ブレード3の吊り材4の取付部は、必ずしも長孔31である必要はない。
2本の吊り材4,4を使用する場合には、図8(d)および(e)に示すように、吊り材4,4を同一のリング7に挿通させてもよい。このようにすれば、2本の吊り材4,4の水平移動が制限されるため、一方の吊り材4を操作して撹拌ブレード3を縦回転させる際に、長孔31に対する一方の吊り材4の位置を制御することができ、その結果、撹拌ブレード3の回転をよりスムーズに行うことができる。
1 地中拡径装置
2 ケーシングロッド
21 係止溝
3 撹拌ブレード
31 長孔
4 吊り材
5 ストッパー
51 凹部
6 掘削孔

Claims (5)

  1. 地中に配設されるケーシングロッドと、縦向きの状態で前記ケーシングロッド挿通可能な鋼鈑からなる撹拌ブレードと、前記撹拌ブレードを吊持する吊り材と、を備える地中拡径装置であって、
    前記撹拌ブレードは、前記吊り材の下端部において縦回転可能であり、かつ、前記ケーシングロッドの下端部において、縦回転により前記ケーシングロッドと交差する向きになった状態で当該ケーシングロッドの下端部に形成された係止溝に係止可能であることを特徴とする、地中拡径装置。
  2. 前記撹拌ブレードに、前記ケーシングロッドの内面下端に係止可能なストッパーが突設されていることを特徴とする、請求項1に記載の地中拡径装置。
  3. 前記ストッパーに前記吊り材を挿入可能な凹部が形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の地中拡径装置。
  4. 2本の前記撹拌ブレードを備えており、
    2本の前記撹拌ブレードは、1本の前記吊り材により吊持されているとともに、前記吊り材の下端において反対方向に回動可能であることを特徴とする、請求項1に記載の地中拡径装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の地中拡径装置を利用した拡径部形成方法であって、
    前記ケーシングロッドを地中に挿入して掘削孔を形成する工程と、
    前記吊り材に吊持された前記撹拌ブレードを前記ケーシングロッド内に配置する工程と、
    前記ケーシングロッドを引き上げて前記撹拌ブレードを前記掘削孔の下端部に露出させる工程と、
    前記吊り材を引き上げて、前記撹拌ブレードを前記ケーシングロッドと交差する向きに配置しつつ前記ケーシングロッドの下端部に係止させる工程と、
    前記ケーシングロッドを回転させて前記撹拌ブレードにより前記掘削孔の周囲の地盤を撹拌する工程と、を備えていることを特徴とする、拡径部形成方法。
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