JP7242961B2 - 音響整合層用材料、音響整合シート、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置、及び、超音波診断装置、並びに、音響波プローブの製造方法 - Google Patents

音響整合層用材料、音響整合シート、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置、及び、超音波診断装置、並びに、音響波プローブの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、音響整合層用材料、音響整合シート、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置、及び、超音波診断装置、並びに、音響波プローブの製造方法に関する。
音響波測定装置には、音響波を生体等の被検対象に照射し、その反射波(エコー)を受信して信号を出力する音響波プローブが用いられる。この音響波プローブにより受信した反射波は電気信号に変換され、画像として表示される。したがって、音響波プローブを用いることにより、被検対象内部を映像化して観察することができる。
音響波としては、超音波、光音響波などが、被検対象に応じて、また測定条件に応じて適宜に選択される。
例えば、音響波測定装置の1種である超音波診断装置は、被検対象内部に向けて超音波を送信し、被検対象内部の組織で反射された超音波を受信し、画像として表示する。
また、音響波測定装置の1種である光音響波測定装置は、光音響効果によって被検対象内部から放射される音響波を受信し、画像として表示する。光音響効果とは、可視光、近赤外光又はマイクロ波等の電磁波パルスを被検対象に照射したときに、被検対象が電磁波を吸収して発熱し、熱膨張することにより音響波(典型的には超音波)が発生する現象である。
音響波測定装置は、被検対象との間で音響波の送受信を行うため、音響波プローブには被検対象(典型的には人体)と音響インピーダンスの整合させることが要求される。この要求を満たすために、音響波プローブには音響整合層が設けられる。このことを音響波プローブの1種である超音波診断装置用探触子(超音波プローブとも称される)を例に説明する。
超音波プローブは、超音波を送受信する圧電素子と、生体に接触する音響レンズとを備え、圧電素子と音響レンズとの間には音響整合層が配されている。圧電素子から発振される超音波は音響整合層を透過し、さらに音響レンズを透過して生体に入射される。音響レンズと生体との間の音響インピーダンス(密度×音速)には通常は差がある。この差が大きいと、超音波が生体表面で反射されやすく、超音波の生体内への入射効率が低下してしまう。そのため、音響レンズには生体に近い音響インピーダンス特性が求められる。
他方、圧電素子と生体との間の音響インピーダンスの差は一般に大きい。それゆえ、圧電素子と音響レンズとの間の音響インピーダンスの差も通常は大きなものとなる。したがって、圧電素子と音響レンズとの積層構造とした場合には、圧電素子から発せられた超音波は音響レンズ表面で反射し、超音波の生体への入射効率は低下する。この超音波の反射を抑制するために、圧電素子と音響レンズとの間には上記の音響整合層が設けられる。音響整合層の音響インピーダンスは生体又は音響レンズの音響インピーダンスと圧電素子の音響インピーダンスとの間の値をとり、これにより圧電素子から生体への超音波の伝播が効率化する。また、近年では、音響整合層を、音響整合シート(シート状の音響整合層材)を複数積層させた複層構造として、圧電素子側から音響レンズ側に向けて音響インピーダンスに傾斜を設けることにより、超音波の伝播をより効率化した音響整合層の開発が進められている。
音響整合層の音響インピーダンスは、音響整合層の形成材料に金属粒子等のフィラーを配合することにより調整することができる。例えば特許文献1には、エポキシ樹脂等の樹脂を含む結着剤と表面処理金属粒子とを含有する、音響整合層用樹脂組成物が記載されている。
国際公開第2019/088148号
複層構造の音響整合層では、上述の音響インピーダンスの傾斜は、圧電素子に近いほど音響整合シートの音響インピーダンスが大きく、音響レンズに近いほど音響整合シートの音響インピーダンスが小さくなるように設計される。すなわち、圧電素子側では圧電素子の音響インピーダンス(通常は、25Mrayl程度)に近く、音響レンズ側では生体の音響インピーダンス(人体では、1.4~1.7Mrayl)に近い音響整合シートが、それぞれ求められる。
音響整合シートの音響インピーダンスは、シート構成材料の密度と音速とを乗じて決定される。したがって、圧電素子側に用いる音響整合シートの音響インピーダンスを高めようとした場合、高密度で、高音速の材料を用いることが考えられる。しかし、音響インピーダンスを高めるため、比重の大きい金属等のフィラーを音響整合シートに含有させると、シートの密度を向上させることができる一方で、シートの音速が低下することが分かってきた。そのため、音響整合シートに比重の大きい金属等のフィラーを用いる場合、このシートを圧電素子側に用いるためには、上述した音速の低下を抑制することが必要である。しかし、特許文献1には、この点に関する記載はない。
本発明は、金属フィラーとして比重の大きいタングステンカーバイド粒子を用いながら、タングステンカーバイド粒子の配合に起因する音速の低下を抑制して得られる音響整合シートの音響インピーダンスを効果的に高めることができ、この音響整合シート内における音響特性のばらつきも抑えることができる音響整合層用材料を提供することを課題とする。
また本発明は、金属フィラーとしてタングステンカーバイド粒子を用いながら、タングステンカーバイド粒子の配合に起因する音速の低下が抑制されて音響インピーダンスが効果的に高められ、シート内における音響特性のばらつきも少ない音響整合シートを提供することを課題とする。
また本発明は、上記音響整合シートを用いた音響波プローブ及び超音波プローブ、及びこれらを用いた音響波測定装置及び超音波診断装置を提供することを課題とする。
また本発明は、上記音響整合層用材料を用いた音響波プローブの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、エポキシ樹脂と硬化剤とを、特定の表面処理剤で処理したタングステンカーバイド粒子の存在下で硬化反応させて音響整合シートを作製すると、タングステンカーバイド粒子の含有により通常生じる音速の低下を抑えることができること、また、この音響整合シートは音響特性のばらつきも少ないことを見出した。本発明は、これらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は下記の手段により解決された。
<1>
下記成分(A)、(B)及び(C)を含有する音響整合層用材料。
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)アミノシラン化合物、メルカプトシラン化合物、イソシアナトシラン化合物、チオシアナトシラン化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうち少なくとも1種を含む表面処理剤で表面処理された表面処理タングステンカーバイド粒子
<2>
上記成分(B)が、一級アミン及び二級アミンの少なくとも1種を含む、<1>に記載の音響整合層用材料。
<3>
上記表面処理剤が、アミノシラン化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載の音響整合層用材料。
<4>
上記表面処理剤が、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む、<1>~<3>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<5>
上記表面処理剤が、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<6>
上記アルミニウムアルコキシド化合物が、アセトナト構造及びアセタト構造のうちの少なくとも1種を含む、<1>~<5>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<7>
上記アルミニウムアルコキシド化合物が、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含む、<1>~<6>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
一般式(1): R1a m1-Al-(OR2a3-m1
1aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
2aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS1を示す。RS1は置換基を示す。
m1は0~2の整数である。
<8>
上記ジルコニウムアルコキシド化合物が、アセトナト構造及びアセタト構造のうちの少なくとも1種を含む、<1>~<7>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<9>
上記ジルコニウムアルコキシド化合物が、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、<1>~<8>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
一般式(2): R1b m2-Zr-(OR2b4-m2
1bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
2bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS2を示す。RS2は置換基を示す。
m2は0~3の整数である。
<10>
上記チタンアルコキシド化合物が、N、P及びSの少なくとも1種の原子を含む、<1>~<9>のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
<11>
上記チタンアルコキシド化合物が、下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、<1>~<10>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
一般式(3): R1c m3-Ti-(OR2c4-m3
1cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
2cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS3を示す。RS3は置換基を示す。
m3は0~3の整数である。
<12>
上記成分(C)中、上記表面処理剤の含有量が、タングステンカーバイド粒子100質量部に対し、1~50質量部である、<1>~<11>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<13>
上記成分(C)を構成するタングステンカーバイド粒子の平均一次粒子径が1~10μmである、<1>~<12>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料。
<14>
<1>~<13>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料を硬化させてなる音響整合シート。
<15>
<14>に記載の音響整合シートを有する音響波プローブ。
<16>
<14>に記載の音響整合シートを有する超音波プローブ。
<17>
<15>に記載の音響波プローブを備える音響波測定装置。
<18>
<15>に記載の音響波プローブを備える超音波診断装置。
<19>
<1>~<13>のいずれか1つに記載の音響整合層用材料を用いて音響整合層を形成することを含む、音響波プローブの製造方法。
本明細書の説明において、「金属アルコキシド化合物(具体的には、例えば、後述のチタンアルコキシド化合物、アルミニウムアルコキシド化合物及びジルコニウムアルコキシド化合物)」とは、金属原子にアルコキシ基が少なくとも1つ結合した構造を有する化合物を意味する。このアルコキシ基は置換基を有していてもよい。この置換基は1価でもよく、2価(例えばアルキリデン基)でもよい。また、1つの金属原子に結合する2つのアルコキシ基が互いに結合して環を形成していてもよい。
本明細書の説明において、特に断りがない限り、化合物を示す一般式に複数の同一符号の基が存在する場合、これらは互いに同一であっても異なってもよい。また、各基が示す基(例えば、アルキル基)はさらに置換基を有していてもよい。
また、本明細書において「~」とは、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の音響整合層用材料は、金属フィラーとして比重の大きいタングステンカーバイド粒子を用いながら、タングステンカーバイド粒子の配合に起因する音速の低下を抑制して得られる音響整合シートの音響インピーダンスを効果的に高めることができ、この音響整合シート内における音響特性のばらつきも抑えることができる。
また本発明の音響整合シートは、金属フィラーとしてタングステンカーバイド粒子を用いながら、タングステンカーバイド粒子の配合に起因する音速の低下が抑制されて音響インピーダンスが効果的に高められ、シート内における音響特性のばらつきも少ない。
また、本発明の、音響波プローブ、超音波プローブ、音響波測定装置及び超音波診断装置は、上記優れた特性を有する音響整合シートを有する。
また本発明の音響波プローブの製造方法によれば、上記音響整合層用材料を用いた音響波プローブを得ることができる。
図1は、音響波プローブの一態様であるコンベックス型超音波プローブの一例についての斜視透過図である。
<<音響整合層用材料>>
本発明の音響整合層用材料(以下、単に「材料」とも称す。)は、下記成分(A)、(B)及び(C)を含有する。
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)アミノシラン化合物、メルカプトシラン化合物、イソシアナトシラン化合物、チオシアナトシラン化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうち少なくとも1種の表面処理剤で表面処理された表面処理タングステンカーバイド粒子
本発明の材料は、上記成分(A)~(C)を混合してなる組成物の形態を含む。本発明の材料が音響整合層用組成物(以下、本発明の「組成物」とも称する。)の形態である場合、すなわち、上記成分(A)~(C)が混合した状態で容器に含有される場合、上記成分(A)~(C)が反応を生じずに又は十分に抑制して各成分が安定に維持された状態を保つため、上記組成物を-10℃以下で保存することが好ましい。
本発明の材料は、上記成分(A)~(C)がより分けられた状態で容器に含有された音響整合層用セット(以下、本発明の「セット」とも称する。)の形態を含む。このセットの形態として、下記の形態(i)~(iv)が挙げられる。
(i)上記成分(A)及び(B)と、上記成分(C)とを別々に含み、使用時に混合して用いる形態、
(ii)上記成分(A)及び(C)と、上記成分(B)とを別々に含み、使用時に混合して用いる形態、
(iii)上記成分(A)と、上記成分(B)及び(C)とを別々に含み、使用時に混合して用いる形態、並びに、
(iv)上記成分(A)~(C)を別々に含み、使用時に混合して用いる形態
上記形態(i)~(iv)において、各成分が安定に維持された状態を保つため、本発明のセットを-10℃以下で保存することが好ましい。
なお、本発明の材料は、必要に応じて遮光して保存してもよい。
音響整合シートが比重の大きいフィラーを含有すると、シートの音速が低下する。これは、音響波(主に縦波)が音響整合シートに侵入する際の慣性により、フィラー界面で位相が遅れて音速が低下すると推定される。しかし、上記構成を有する本発明の材料を硬化して得られる本発明の音響整合シートは、音速(音速=(シートの弾性率/シートの密度)1/2)の低下が抑制され、かつ音響特性のばらつきが少ない。これらの理由は未だ定かではないが以下のように推定される。本発明の音響整合シート中、成分(C)が特定の表面処理剤で表面処理されていることにより、成分(C)とマトリックス樹脂の界面でシートの弾性率向上に寄与する構造が形成されたり、成分(C)の凝集を抑えながらも、微量の成分(C)同士のわずかな凝集により弾性率が高められたりすること、などが要因として考えられる。
<(A)エポキシ樹脂>
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、通常のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂及びフェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
本発明に用い得るビスフェノールA型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(jER825、jER828及びjER834(いずれも商品名)、三菱化学社製)及びビスフェノールAプロポキシレートジグリシジルエーテル(シグマアルドリッチ社製)が挙げられる。
本発明に用い得るビスフェノールF型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。好ましい具体例として、ビスフェノールFジグリシジルエーテル(商品名:EPICLON830、DIC社製)及び4,4’-メチレンビス(N,N-ジグリシジルアニリン)が挙げられる。
本発明に用い得るフェノールノボラック型エポキシ樹脂は特に制限されず、エポキシ系接着剤の主剤として一般的に用いられるものを広く用いることができる。このようなフェノールノボラック型エポキシ樹脂は、例えば、シグマアルドリッチ社から製品番号406775として販売されている。
<(B)硬化剤>
硬化剤は、エポキシ樹脂の硬化剤として知られているもの(好ましくは有機化合物)を特に制限なく用いることができる。例えば、脂肪族アミン、芳香族アミン、ジシアンジアミド、ジヒドラジド化合物、酸無水物、フェノール化合物などが挙げられる。
架橋密度を高めて、得られる材料の音響特性のばらつきをより少なくする観点からは、一級アミン(無置換アミノ基を有する化合物)及び二級アミン(一置換アミノ基を有する化合物)の少なくとも1種を用いることが好ましく、一級アミンがより好ましい。なお、無置換アミノ基及び一置換アミノ基の両方を有する化合物は、二級アミンに分類するものとする。無置換アミノ基及び一置換アミノ基の少なくとも1種を有する化合物の具体例としては、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、m-フェニレンジアミン、ポリエーテルアミン、ポリアミドアミン、トリエチレンテトラミン及びピぺリジン等を挙げることができる。
<(C)表面処理タングステンカーバイド粒子>
成分(C)は、アミノシラン化合物、メルカプトシラン化合物、イソシアナトシラン化合物、チオシアナトシラン化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む表面処理剤で表面処理された、表面処理タングステンカーバイド粒子である。なお、成分(C)は、成分(B)とは異なる成分である。
本発明に用いられる表面処理タングステンカーバイド粒子を構成するタングステンカーバイド粒子の平均一次粒子径は特に制限されず、音響整合シートの音速低下を抑制する点及び音響整合シートの音響特性のばらつきを少なくする点から、1~30μmが好ましく、1~20μmがより好ましく、1~10μmが更に好ましい。
なお、成分(C)の平均一次粒子径は、1~30μmが好ましく、1~20μmがより好ましく、1~10μmが更に好ましい。
平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy:TEM)により測定した粒子径を平均することで求めることができる。すなわち、TEMにより撮影した電子顕微鏡写真の1つのタングステンカーバイド粒子について、最短径と最長径を測定し、その算術平均値を1つのタングステンカーバイド粒子の粒子径として求める。本発明においては、無作為に選択した300個のタングステンカーバイド粒子の粒子径を平均し、平均一次粒子径として求める。
タングステンカーバイド粒子は市販のものを用いることができ、例えば、アライドマテリアル社製WC(商品名)が挙げられる。
本発明に用いられる表面処理剤は、音響整合シートの音速低下を抑制する点及び音響整合シートの音響特性のばらつきを少なくする点から、アミノシラン化合物、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物の少なくとも1種を含むことが好ましく、アルミニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物の少なくとも1種を含むことがより好ましく、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物の少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
以下、本発明に用いられる表面処理剤について具体的に説明する。
(アミノシラン化合物)
アミノシラン化合物(アミノ基を有するシラン化合物)は、好ましくはアミノ基を有するシランカップリング剤である。ただし、上記アミノシラン化合物はSi-N-Si構造を有しないことが好ましい。なお、「Si-N-Si構造」において、各ケイ素原子は結合手を3つ有し、窒素原子は結合手を1つ有する。
アミノシラン化合物は、下記一般式(A)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
Figure 0007242961000001
式中、R及びRは水素原子又は置換基を示す。L1aは単結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、-O-、-S-、-NR-、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合、チオアミド結合若しくはスルホニル基又はこれらの基若しくは結合を2つ以上組合せてなる2価の基を示す。Rは、水素原子又は置換基を示す。Y1aはヒドロキシ基又はアルコキシ基を示す。Y2a及びY3aはヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキル基又はケトオキシム基を示す。
及びRとして採り得る置換基は、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素数1~8)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~12、より好ましくは炭素数2~8)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~12、より好ましくは炭素数2~8)、アリール基(好ましくは炭素数6~20、より好ましくは炭素数6~10)が挙げられる。これらの置換基は更に置換基を有してもよく、このような置換基としては、R及びR2aとして採り得る置換基として挙げた上記置換基及びアミノ基が挙げられる。
また、R及びRが組み合わされて、アルキリデン基(好ましくは炭素数2~12、より好ましくは炭素数2~8)を示してもよい。
1aはアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、-O-又は-NR-を示すことが好ましく、アルキレン基、アリーレン基又は-NR-を示すことがより好ましく、アルキレン基を示すことが更に好ましい。
1aはアルコキシ基を示すことが好ましい。
2a及びY3aはヒドロキシ基、アルコキシ基又はアルキル基を示すことが好ましく、アルコキシ基又はアルキル基を示すことがより好ましい。
1aとして採り得るアルキレン基は、直鎖、分岐及び環状のいずれでもよい。アルキレン基の炭素数は、1~30が好ましく、1~25がより好ましく、1~20がより好ましく、1~15がより好ましい。アルキレン基の具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、tert-ブチレン、ペンチレン、シクロへキシレン、へプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン及びウンデシレンが挙げられる。
1aとして採り得るアルケニレン基は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルケニレン基の炭素数は、2~20が好ましく、2~15がより好ましく、2~10がより好ましく、2~6がさらに好ましい。アルケニレン基の具体例として、エテニレン及びプロぺニレンが挙げられる。
1aとして採り得るアルキニレン基は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニレン基の炭素数は、2~20が好ましく、2~15がより好ましく、2~10がより好ましく、2~6がさらに好ましい。アルキニレン基の具体例として、エチニレン及びプロピニレンが挙げられる。
1aとして採り得るアリーレン基の炭素数は6~20が好ましく、6~15がより好ましく、6~12がより好ましく、6~10がさらに好ましい。アリーレン基の具体例として、例えば、フェニレン及びナフチレンを挙げることができる。
-NR-のRとして採り得る置換基は、アルキル基(好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素数1~8)、アルケニル基(好ましくは炭素数2~12、より好ましくは炭素数2~8)、アルキニル基(好ましくは炭素数2~12、より好ましくは炭素数2~8)、アリール基(好ましくは炭素数6~20、より好ましくは炭素数6~10)及び複素環基が挙げられる。Rとして採り得る複素環基を構成する複素環は、飽和又は不飽和の脂肪族複素環でも芳香族複素環でもよく、単環でも縮合環でもよい。また、橋かけ環でもよい。複素環が有するヘテロ原子は、例えば、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子が挙げられる。1つの複素環が含むヘテロ原子の数は、特に制限されないが、1~3個が好ましく、1又は2個がより好ましい。複素環の炭素数は2~10が好ましく、4又は5がより好ましい。複素環は3~7員環が好ましく、3~6員環がより好ましく、3~5員環がさらに好ましい。複素環の具体例として、エポキシ環、3,4-エポキシシクロヘキサン環、フラン環及びチオフェン環が挙げられる。
-NR-としては、例えば、-NH-が挙げられる。
1aとして採り得る、上記基若しくは上記結合を2つ以上組合せてなる2価の基(以下、「L1aとして採り得る組合わせてなる基」とも称す。)を構成する、組合わせる基若しくは結合の数は、2~8が好ましく、2~6がより好ましく、2~4がさらに好ましい。
また、L1aとして採り得る組合わせてなる基の分子量は、20~1000が好ましく、30~500がより好ましく、40~200がさらに好ましい。
1aとして採り得る組合わせてなる基としては、例えば、ウレア結合、チオウレア結合、カルバメート基、スルホンアミド結合、アリーレン-アルキレン、-O-アルキレン、アミド結合-アルキレン、-S-アルキレン、アルキレン-O-アミド結合-アルキレン、アルキレン-アミド結合-アルキレン、アルケニレン-アミド結合-アルキレン、アルキレン-エステル結合-アルキレン、アリーレン-エステル結合-アルキレン、-(アルキレン-O)-、アルキレン-O-(アルキレン-O)-アルキレン(「(アルキレン-O)」はいずれも繰り返し単位)、アリーレン-スルホニル-O-アルキレン及びエステル結合-アルキレンが挙げられる。
1a~Y3aとして採り得るアルコキシ基を構成するアルキル基は、直鎖、分岐及び環状のいずれでもよく、これらの形態を組合わせて有してもよい。本発明において、このアルキル基は直鎖のアルキル基であることが好ましい。アルコキシ基を構成するアルキル基の炭素数は、1~15が好ましく、1~10がより好ましく、1~5がより好ましく、1又は2がさらに好ましい。アルコキシ基を構成するアルキル基の具体例として、メチル、エチル、プロピル、t-ブチル、ペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。
2a及びY3aとして採り得るアルキル基としては、Y1a~Y3aとして採り得るアルコキシ基を構成するアルキル基を挙げることができ、好ましい形態もY1a~Y3aとして採り得るアルコキシ基を構成するアルキル基の好ましい形態と同じである。
2a及びY3aとして採り得るケトオキシム基は下記構造を有する置換基である。
Figure 0007242961000002
上記構造中、R11及びR12は置換基を示し、*はケイ素原子に対する結合部を示す。
11及びR12が採り得る置換基として、上記Rにおける置換基が挙げられ、好ましい形態もRとして採り得る置換基の好ましい形態と同じである。
ケトオキシム基として例えば、ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基及びジエチルケトオキシム基等が挙げられる。
以下、本発明に用いられるアミノシラン化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
3-アミノプロピルトリメトキシシラン
3-アミノプロピルジメチルメトキシシラン
3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
3-アミノプロピルトリエトキシシラン
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン
3-メチルジメトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン
3-メチルジエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン
3-トリメトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン
3-トリエトキシシリル-N-(1,3-ジメチル-ブチリデン)プロピルアミン
N-フェニル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
N-フェニル-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン
N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
N-フェニル-3-アミノプロピルトリエトキシシラン
N-(ビニルベンジル)-2-アミノエチル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン
(メルカプトシラン化合物)
メルカプトシラン化合物(メルカプト基(スルファニル基)を有するシラン化合物)は、好ましくはメルカプト基を有するシランカップリング剤である。メルカプトシラン化合物で表面処理されたタングステンカーバイド粒子は、メルカプトシラン化合物由来のメルカプト基を有することが好ましい。
メルカプトシラン化合物は、下記一般式(B)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
Figure 0007242961000003
1b、Y1b、Y2b及びY3bは、上記一般式(A)のL1a、Y1a、Y2a及びY3aとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下、本発明に用いられるメルカプトシラン化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン
3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン
3-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
メルカプトメチルメチルジエトキシシラン
(メルカプトメチル)メチルジメトキシシラン
(メルカプトメチル)ジメチルエトキシシラン
11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン
(イソシアナトシラン化合物)
イソシアナトシラン化合物(好ましくは、イソシアナト基を有するシラン化合物)は、好ましくはイソシアナト基を有するシランカップリング剤である。イソシアナトシラン化合物で表面処理されたタングステンカーバイド粒子は、イソシアナトシラン化合物由来のイソシアナト基を有することが好ましい。
イソシアナトシラン化合物は、下記一般式(C)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
Figure 0007242961000004
1c、Y1c、Y2c及びY3cは、上記一般式(A)のL1a、Y1a、Y2a及びY3aとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
また、本発明においては、イソシアナトシラン化合物として、上記一般式(C)で表される化合物の縮合物及び上記一般式(C)のイソシアナト基が置換基で保護された化合物を用いることも好ましい。上記置換基は、例えば、アルコール化合物、フェノール化合物、芳香族アミン、ラクタム及びオキシムにより導入することができる。このようなアルコール化合物としては、例えば、アルキルアルコール(好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素数1~8)が挙げられる。また、フェノール化合物としては、例えば、フェノール及びクレゾールが挙げられる。また、ラクタムとしては、例えば、ε-カプロラクタムが挙げられる。
「上記一般式(C)のイソシアナト基が置換基で保護された化合物」とは、上記一般式(C)の-NCOを-NHC(=O)ORに置き換えた化合物である。Rは置換基を示し、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素数1~8)が挙げられる。
以下、本発明に用いられるイソシアナトシラン化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン
3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン
イソシアナトメチルトリメトキシシラン
(以下は、縮合や置換基により保護されたイソシアナトシラン化合物)
トリス(3-トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート
(3-トリエトキシシリルプロピル)-t-ブチルカルバメート
トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート
(チオシアナトシラン化合物)
チオシアナトシラン化合物(チオシアナト基を有するシラン化合物)は、好ましくはチオシアナト基を有するシランカップリング剤である。チオシアナトシラン化合物で表面処理されたタングステンカーバイド粒子は、チオシアナトシラン化合物由来のチオシアナト基を有することが好ましい。
チオシアナトシラン化合物は、下記一般式(D)で表される化合物を少なくとも1種含むことが好ましい。
Figure 0007242961000005
1d、Y1d、Y2d及びY3dは、上記一般式(A)のL1a、Y1a、Y2a及びY3aとそれぞれ同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下、本発明に用いられるチオシアナトシラン化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
3-チオシアナトプロピルトリメトキシシラン
3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン
チオシアナトメチルトリメトキシシラン
(アルミニウムアルコキシド化合物)
アルミニウムアルコキシド化合物は、アセトナト構造及びアセタト構造の少なくとも1種を含むことが好ましい。
アルミニウムアルコキシド化合物は、下記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(1): R1a m1-Al-(OR2a3-m1
1aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
1aとして採り得るアルキル基は、直鎖アルキル基及び分岐アルキル基並びにアラルキル基を含む。このアルキル基の炭素数は1~20が好ましく、1~15がより好ましく、1~10がさらに好ましく、1~8が特に好ましいが、アラルキル基の場合は7~30が好ましい。このアルキル基の好ましい具体例として、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、トリデシル、オクタデシル、ベンジル、及びフェネチルが挙げられる。
1aとして採り得るアルキル基はオキシラン環を有していることも好ましい。R1aとして採り得るエポキシシクロアルキルアルキル基におけるシクロアルキル基(オキシラン環が縮合した構造のシクロアルキル基)の環員数は4~8が好ましく、5又は6がより好ましく、6であること(すなわちエポキシシクロヘキシル基であること)がさらに好ましい。
また、R1aとして採り得るアルキル基はアミノ基、イソシアナト基、メルカプト基、エチレン性不飽和基、及び酸無水物基から選ばれる基を有することも好ましい。
1aとして採り得るシクロアルキル基は、炭素数が3~20が好ましく、3~15がより好ましく、3~10がさらに好ましく、3~8が特に好ましい。このシクロアルキル基の好ましい具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルが挙げられる。
1aとして採り得るアシル基は、炭素数が2~40が好ましく、2~30がより好ましく、2~20がさらに好ましく、2~18が特に好ましい。
1aとして採り得るアリール基は、炭素数が6~20が好ましく、6~15がより好ましく、6~12がさらに好ましく、6~10が特に好ましい。このアリール基の好ましい具体例としては、例えば、フェニル及びナフチルが挙げられ、フェニルがさらに好ましい。
1aとして採り得る不飽和脂肪族基は、炭素-炭素不飽和結合の数が1~5であることが好ましく、1~3がより好ましく、1又は2がさらに好ましく、1であることが特に好ましい。不飽和脂肪族基はヘテロ原子を含んでもよく、炭化水素基であることも好ましい。不飽和脂肪族基が炭化水素基の場合、炭素数は2~20が好ましく、2~15がより好ましく、2~10がさらに好ましく、2~8がさらに好ましく、2~5であることも好ましい。不飽和脂肪族基はより好ましくはアルケニル基又はアルキニル基である。
1aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、又はアリール基が好ましく、アルキル基、又はシクロアルキル基がより好ましい。
一般式(1)の化合物がR1aを2つ以上有する場合、2つのR1aは互いに連結して環を形成していてもよい。
2aは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基(ホスホン酸基)、又は-SOS1を示す。RS1は置換基を示す。
2aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、及びアリール基は、それぞれ、R1aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、及びアリール基と同義であり、各基の好ましい形態も同じである。また、R2aとして採り得るアルキル基は、置換基としてアミノ基を有することも好ましい。
2aとして採り得るアルケニル基は、直鎖アルケニル基及び分岐アルケニル基を含む。このアルケニル基の炭素数は好ましくは2~18であり、より好ましくは2~7であり、さらに好ましくは2~5である。このアルケニル基の好ましい具体例として、例えば、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル及びヘキセニルが挙げられる。このアルケニル基は置換アルケニル基が好ましい。
2aとして採り得るホスホネート基は、-P(=O)(-ORP1)ORP2で表される基である。RP1及びRP2は水素原子又は置換基を示し、この置換基はアルキル基、又はホスホネート基が好ましい。RP1及びRP2として採り得るアルキル基は上述したR1aとして採り得るアルキル基と同義であり、アルキル基の好ましい形態も同じである。RP1及びRP2として採り得るホスホネート基は、R2aとして採り得るホスホネート基と同義であり、好ましい形態も同じである。RP1又はRP2がホスホネート基の場合、このホスホネート基を構成するRP1及びRP2はアルキル基が好ましい。
2aとして採り得るホスホネート基は、RP1及びRP2がともにアルキル基であるか、又は、RP1が水素原子で、RP2がホスホネート基であることが好ましい。
なお、ホスホネート基はホスファイト基(亜リン酸基)と互変異性であるため、本発明においてホスホネート基は、ホスファイト基を含む意味である。
2aとして採り得る-SOS1において、置換基RS1としてはアルキル基又はアリール基が好ましい。RS1として採り得るアルキル基及びアリール基の好ましい形態として、それぞれ、上述したR1aとして採り得るアルキル基及びアリール基の好ましい形態を挙げることができる。なかでもRS1はアルキル基を置換基として有するフェニルが好ましい。このアルキル基の好ましい形態は、上述したR1aとして採り得るアルキル基の好ましい形態と同じである。
一般式(1)で表される化合物がR2aを2つ以上有する場合、2つのR2aは互いに連結して環を形成していてもよい。
m1は0~2の整数である。
上記の一般式(1)において、OR2aの少なくとも1つがアセトナト構造を有することが好ましい。このアセトナト構造は、アセトン又はアセトンが置換基を有した構造の化合物から水素イオンが1つ除かれてAlに配位している構造を意味する。このAlに配位する配位原子は通常は酸素原子である。このアセトナト構造は、アセチルアセトン構造(「CH-C(=O)-CH-C(=O)-CH」)を基本構造とし、そこから水素イオンが1つ除かれて、酸素原子を配位原子としてAlに配位している構造(すなわちアセチルアセトナト構造)が好ましい。上記の「アセチルアセトン構造を基本構造とする」とは、上記アセチルアセトン構造の他、上記アセチルアセトン構造の水素原子が置換基で置換された構造を含む意味である。OR2aがアセトナト構造を有する形態として、例えば、後述する化合物SL-2及びSL-3が挙げられる。
上記の一般式(1)において、OR2aの少なくとも1つがアセタト構造を有することが好ましい。本発明において、アセタト構造は、酢酸もしくは酢酸エステル又はこれらが置換基(酢酸のメチル基が置換基としてアルキル基を有する形態を含む)を有した構造の化合物から水素イオンが1つ除かれてAlに配位している構造を意味する。このAlに配位する配位原子は通常は酸素原子である。このアセタト構造は、アルキルアセトアセタート構造(「CH-C(=O)-CH-C(=O)-O-Ralk」(Ralkはアルキル基(好ましくは炭素数1~20のアルキル基であり、炭素数1~10のアルキル基であってもよく、より好ましくは炭素数1~4のアルキル基であってもよい。)を示す。))を基本構造とし、そこから水素イオンが1つ除かれて、酸素原子を配位原子としてAlに配位している構造(すなわちアルキルアセトアセタト構造)が好ましい。上記の「アルキルアセトアセタート構造を基本構造とする」とは、上記アルキルアセトアセタート構造の他、上記アルキルアセトアセタート構造の水素原子が置換基で置換された構造を含む意味である。OR2aがアセタト構造を有する形態として、例えば、後述する化合物SL-3、SL―4、及びSL―5が挙げられる。
上記R1a又はR2aとして採り得る各基は、対カチオンを有するアニオン性基(塩型の置換基)を置換基として有していてもよい。アニオン性基とは、アニオンを形成し得る基を意味する。上記対カチオンを有するアニオン性基としては、例えば、アンモニウムイオンを対カチオンとするカルボン酸イオンの基が挙げられる。この場合、上記対カチオンは、上記の一般式(1)で表される化合物中において、化合物全体の電荷が0となるように存在していればよい。このことは、後述する、一般式(2)で表される化合物及び一般式(3)で表される化合物についても同様である。
以下、本発明に用いられるアルミニウムアルコキシド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
アルミニウムトリエチレート
アルミニウムトリイソプロピレート
アルミニウムトリsec-ブチレート
アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート
アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)
アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)
ジイソプロポキシアルミニウム-9-オクタデセニルアセトアセテート
アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート
アルミニウムトリスエチルアセトアセテート
アルミニウムトリスアセチルアセトネート
モノsec-ブトキシアルミニウムジイソプロピレート
エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート
ジエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート
アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート
アルミニウムトリスエチルアセトアセテート
アルミニウムオクタデシルアセトアセテートジイソプロピレート
(ジルコニウムアルコキシド化合物)
ジルコニウムアルコキシド化合物は、アセトナト構造、アセタト構造及びラクタト構造の少なくとも1種を含むことが好ましく、アセトナト構造及びアセタト構造の少なくとも1種を含むことがより好ましい。
ジルコニウムアルコキシド化合物は、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(2): R1b m2-Zr-(OR2b4-m2
1bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族基として、例えば、上記一般式(1)のR1aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族基を採用することができる。
2bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS2を示す。RS2は置換基を示す。
アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基及びホスホネート基として、例えば、上記一般式(1)のR2aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基を採用することができる。また、RS2として採り得る置換基として、例えば、上記一般式(1)のRS1として採り得る置換基を採用することができる。
m2は0~3の整数である。
上記の一般式(2)において、OR2bの少なくとも1つがアセトナト構造を有することが好ましい。このアセトナト構造は、一般式(1)で説明したアセトナト構造と同義である。OR2bがアセトナト構造を有する形態として、例えば、後述する化合物SZ-3及びSZ-6が挙げられる。
また、上記の一般式(2)において、OR2bの少なくとも1つがアセタト構造を有することが好ましい。このアセタト構造は、一般式(1)で説明したアセタト構造と同義である。OR2bがアセタト構造を有する形態として、例えば、後述するSZ-7が挙げられる。なお、化合物SZ-5は、一般式(1)において、R2bがアシル基である形態に相当する。
また、上記の一般式(2)において、OR2bの少なくとも1つがラクタト構造を有することが好ましい。このラクタト構造は、乳酸イオン(ラクタート)を基本構造とし、そこから水素イオンが1つ除かれてZrに配位している構造を意味する。上記の「乳酸イオンを基本構造とする」とは、上記乳酸イオンの他、上記乳酸イオンの水素原子が置換基で置換された構造を含む意味である。このZrに配位する配位原子は通常は酸素原子である。OR2bがラクタト構造を有する形態として、例えば、後述する化合物SZ-4が挙げられる。
以下、本発明に用いられるジルコニウムアルコキシド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
テトラプロポキシジルコニウム(別名 ジルコニウムテトラn-プロポキシド)
テトラブトキシジルコニウム(別名 ジルコニウムテトラn-ブトキシド)
ジルコニウムテトラアセチルアセトネート
ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート
ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)
ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウムトリブトキシエチルアセトアセテート
ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)
ジルコニウムトリブトキシモノステアレート(別名 ステアリン酸ジルコニウムトリn-ブトキシド)
ステアリン酸ジルコニウム
ジルコニウムラクテートアンモニウム塩
ジルコニウムモノアセチルアセトネート
(チタンアルコキシド化合物)
チタンアルコキシド化合物は、N、P及びSの少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。また、チタンアルコキシド化合物はアセタト構造を有することも好ましい。
チタンアルコキシド化合物は、下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも1種を含むことが好ましい。
一般式(3): R1c m3-Ti-(OR2c4-m3
1cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族基として、例えば、上記一般式(1)のR1aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基及び不飽和脂肪族基を採用することができる。
2cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS3を示す。RS3は置換基を示す。
アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基及びホスホネート基として、例えば、上記一般式(1)のR2aとして採り得るアルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基を採用することができる。また、RS3として採り得る置換基として、例えば、上記一般式(1)のRS1として採り得る置換基を採用することができる。
m3は0~3の整数である。
上記の一般式(3)で表される化合物は、N、P及びSの少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。一般式(3)で表される化合物がNを有する場合、このNをアミノ基として有することが好ましい。
一般式(3)で表される化合物がPを有する場合、このPをホスフェート基(リン酸基)ないしホスホネート基(ホスホン酸基)として有することが好ましい。
一般式(3)で表される化合物がSを有する場合、このSをスルホニル基(-SO-)として有することが好ましい。
また、上記の一般式(3)で表される化合物は、R2cとしてアシル基を有すること、すなわち、OR2cとして上述のアセタト構造を有することも好ましい。
以下、本発明に用いられるジルコニウムアルコキシド化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート
イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート
イソプロピルトリオクタノイルチタネート
イソプロピルトリ(ジオクチルホスファイト)チタネート
イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート
イソプロピルトリ(ジオクチルスルフェート)チタネート
イソプロピルトリクミルフェニルチタネート
イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート
イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート
イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート
イソブチルトリメチルチタネート
ジイソステアロイルエチレンチタネート
ジイソプロピルビス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート
ジオクチルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネート
ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート
ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート
ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート
ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート
テトライソプロピルチタネート
テトラブチルチタネート
テトラオクチルチタネート
テトラステアリルチタネート
テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート
テトラオクチルビス(ジ-トリデシルホスファイト)チタネート
テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ-トリデシル)ホスファイトチタネート
ブチルチタネートダイマー
チタンテトラアセチルアセトネート
チタンエチルアセトアセテート
チタンオクチレングリコレート
チタニウムジ-2-エチルヘキソキシビス(2-エチル-3-ヒドロキシヘキソキシド)
成分(C)中、タングステンカーバイド粒子と表面処理剤との質量比は、特に制限されず、例えば、タングステンカーバイド粒子100質量部に対して、表面処理剤が1~100質量部であること好ましく、1~80質量部であることより好ましく、音響整合シートの音速低下を抑制する点及び音響整合シートの音響特性のばらつきを少なくする点から1~50質量部であることがより好ましく、5~50質量部であることがより好ましく、10~50質量部であることが更に好ましい。
成分(C)中のタングステンカーバイド粒子と表面処理剤との質量比は、表面処理の際のタングステンカーバイド粒子と表面処理剤の使用量の質量比と同義である。成分(C)中のタングステンカーバイド粒子と表面処理剤との質量比は、成分(C)を熱質量測定(TGA)等で500℃以上に加熱することで有機成分を除去して無機成分(タングステンカーバイド粒子)を得て、このタングステンカーバイド粒子の質量と上記成分(C)の質量から算出することができる。
なお、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した表面処理剤以外の表面処理剤を用いてもよい。
上記表面処理の方法それ自体は常法により行うことができる。
成分(C)は、タングステンカーバイド粒子の表面全てが表面処理剤で処理されている必要はなく、例えば、タングステンカーバイド粒子の表面積100%のうちの50%以上が表面処理されていることが好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上が更に好ましい。
成分(C)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
成分(A)~(C)の各含有量の合計100質量部中、成分(C)の含有量は、音響インピーダンスをより高める点から、60質量部以上が好ましく、70質量部以上がより好ましく、80質量部以上がより好ましく、90質量部以上が更に好ましい。また、成分(A)~(C)の各含有量の合計100質量部中、成分(C)の含有量は98質量部以下が好ましく、95質量部以下がより好ましく、94質量部以下がさらに好ましい。成分(C)の含有量を90質量部以上94質量部以下にすることにより、音響特性のばらつきを効果的に抑制することができる。
また、成分(A)~(C)の各含有量の合計100質量部中の成分(A)及び(B)の含有量は、以下の範囲にあることが好ましい。
成分(A)の含有量は1質量部以上が好ましく、2質量部以上がより好ましく、4質量部以上がさらに好ましい。また、10質量部以下が好ましく、9質量部以下がより好ましく、8質量部以下がさらに好ましい。
成分(B)の含有量は0.05質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.14質量部以上がさらに好ましい。また、4質量部以下が好ましく、3質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が更に好ましい。
成分(A)と成分(B)の含有量比は、用いる成分(B)の種類等に応じて適宜に調整するればよい。例えば、質量比で、成分(A)/成分(B)=99/1~20/80とすることができ、90/1~40/60が好ましく、90/1~75/25が更に好ましい。
<表面改質工程>
また、音響整合シートの音速低下を抑制する点及び音響整合シートの音響特性のばらつきを少なくする観点で、本発明に用いられる表面処理タングステンカーバイド粒子が、上記表面処理剤で表面処理される前に、水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させることにより、タングステンカーバイド粒子に対する表面改質を行ってもよい。
表面改質工程は、水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させて、変性タングステンカーバイド粒子を得る工程である。
上記水溶液のpHは、例えば7超であり、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、12超が更に好ましく、13以上が特に好ましく、13超が最も好ましい。
上記水溶液のpHの上限に制限はなく、例えば、14以下である。
上記水溶液のpHは、上記タングステンカーバイド粒子と上記酸化剤とを含んでいる状態における上記水溶液のpHを意味する。つまり、上記水溶液は、水と、タングステンカーバイド粒子と、酸化剤とを少なくとも含む。
上記水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させる時間は、0.1~24時間が好ましく、0.5~10時間がより好ましく、1.5~6時間が更に好ましい。
また、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させる際の上記水溶液の温度は、1~95℃が好ましく、25~80℃がより好ましく、45~65℃が更に好ましい。
上記水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させる方法に制限はなく、例えば、ロッキングミル、ピースミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、ジェットミル、スターバースト、又は、ペイントコンディショナー等の粉砕機又は解砕機を用いた処理で混合して接触させる方法、スリーワンモーター等のメカニカルスターラー又はマグネチックスターラー等を用いて攪拌処理しながら接触させる方法、及び、タングステンカーバイド粒子を充填したカートリッジに酸化剤等を含む酸化剤水溶液をポンプで循環させながら接触させる方法が挙げられる。
また、上記水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させる方法として、上記水溶液中でタングステンカーバイド粒子又は変性タングステンカーバイド粒子を可能な限り破壊しない方法を選択してもよい。ここでいう破壊とは、例えば、処理対象のタングステンカーバイド粒子が凝集状のタングステンカーバイド粒子である場合に、その凝集形態が破壊されることが挙げられる。
上記水溶液中で、タングステンカーバイド粒子と酸化剤とを接触させた後、得られた変性タングステンカーバイド粒子を上記水溶液中から取り出すことが好ましい。
上記水溶液から変性タングステンカーバイド粒子を取り出す方法に制限はなく、例えば、上記水溶液をろ過して、ろ物として変性タングステンカーバイド粒子を分取(ろ取)する方法が挙げられる。
取り出された変性タングステンカーバイド粒子を、水及び/又は有機溶媒等で洗浄することも好ましい。
(酸化剤)
上記水溶液は、酸化剤を含む。
酸化剤に制限はなく、例えば、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、及び、過硫酸アンモニウムのような過硫酸塩;硝酸セリウムアンモニウム、硝酸ナトリウム、及び、硝酸アンモニウムのような硝酸塩;過酸化水素、及び、tert-ブチルヒドロペルオキシドのような過酸化物;過マンガン酸カリウムのような過マンガン酸塩;二価の銅化合物、及び、遷移金属化合物;過ヨウ素酸カリウム、及び、過ヨウ素酸ナトリウムのような超原子価ヨウ素化合物;ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、及び、クロラニルのようなキノン化合物;並びに、次亜塩素酸ナトリウム、及び、亜塩素酸ナトリウムのようなハロゲンオキソ酸の塩が挙げられる。
中でも酸化剤は、過硫酸塩を含むことが好ましく、過硫酸塩であることがより好ましい。
また、酸化剤の作用を補助するために、酸化剤とは別に触媒を使用してもよい。上記触媒としては、例えば、二価の鉄化合物(FeSO等)、及び、三価の鉄化合物が挙げられる。
なお、酸化剤及び/又は触媒は水和物であってもよい。
また、酸化剤は、標準酸化還元電位が、0.30V以上であることが好ましく、1.50V以上であることがより好ましく、1.70以上であることが更に好ましい。酸化剤の、標準酸化還元電位の上限に制限はなく、例えば、4.00V以下であることが好ましく、2.50V以下であることがより好ましい。
上記標準酸化還元電位は、標準水素電極を基準とする。
上記水溶液中、酸化剤の含有量は、上記水溶液における水100質量部に対して、0.05~20質量部が好ましく、0.1~20質量部がより好ましく、1~20質量部が更に好ましい。
酸化剤は、一種単独で使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
上記水溶液が触媒を含む場合、その含有量は、上記水溶液における水100質量部に対して、0.005~2質量部が好ましく、0.01~2質量部がより好ましく、0.1~2質量部が更に好ましい。
上記水溶液中、触媒の含有量は、上記水溶液における酸化剤100質量部に対して、0.1~80質量部が好ましく、1~50質量部がより好ましく、5~20質量部が更に好ましい。
触媒は、一種単独で使用してもよく、二種以上を使用してもよい。
また、タングステンカーバイド粒子と接触させる酸化剤の量は、タングステンカーバイド粒子の100質量部に対して、0.1~1000質量部が好ましく、1~250質量部がより好ましく、15~120質量部が更に好ましい。
(アルカリ源)
上記水溶液は、上記水溶液のpHを調製するために、上述の成分以外にアルカリ源を含むことも好ましい。
上記アルカリ源としては、例えば、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム等)、及び、アルカリ土類金属水酸化物のような無機塩基;並びに、有機塩基が挙げられる。
上記水溶液中、アルカリ源の含有量は、上記水溶液のpHを所望の温度に調整できるように適宜調整すればよく、例えば、上記水溶液における水100質量部に対して、0.1~10質量部である。
<その他の成分>
本発明の材料は、成分(A)~(C)以外に、例えば、硬化遅延剤、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤および熱伝導性向上剤等が挙げられる。
<音響整合層用材料の調製>
本発明の材料が成分(A)~(C)を混合してなる音響整合層用組成物の形態の場合は、混合方法は各成分を実質的に均一混合できれば特に制限されない。例えば、自転公転撹拌機を用いて混練りすることにより目的の均一混合ができる。この混合物を成形しながら硬化することにより、音響整合シート又はその前駆体を調製することができる。
また、本発明の材料が、例えば、成分(A)と成分(C)とを含む主剤と、成分(B)の硬化剤とを含む音響整合層用セット(上述の形態(ii)とする)の形態の場合には、主剤は成分(A)と成分(C)とを混合することにより得ることができる。音響整合シートの作製時に、この主剤と硬化剤とを混合し、この混合物を成形して硬化することにより、音響整合シート又はその前駆体を調製することができる。
[音響整合シート(音響整合層)]
本発明の音響整合シートは、上記の各成分の混合物を成形して硬化し、その後、必要により所望の厚さ又は形状へと切削、ダイシング等することにより得ることができる。また、この音響整合シートを常法によりさらに所望の形状へと加工することもできる。
具体的には、例えば、本発明の材料を、硬化反応を生じない低温域、又は硬化速度が十分に遅い低温域で所望のシート状に成形する。次いで、必要により加熱等することにより硬化させて硬化物を得て、この硬化物を必要により所望の厚さ又は形状へと切削、ダイシング等することにより、音響整合シートとする。つまり、形成される音響整合シートは、好ましくは、本発明の材料を構成する各成分の混合物を硬化させた硬化物である。この音響整合シートは音響波プローブの音響整合層として用いられる。音響整合層を含む音響波プローブの構成については後述する。
[音響波プローブ]
本発明の音響波プローブは、本発明の音響整合シートを音響整合層の少なくとも1層として有する。
本発明の音響波プローブの構成について、その一例を図1に示す。図1に示す音響波プローブは、超音波診断装置における超音波プローブである。なお、超音波プローブとは、音響波プローブにおける音響波として、特に超音波を使用するプローブである。そのため、超音波プローブの基本的な構造は音響波プローブにそのまま適用することができる。
<超音波プローブ>
超音波プローブ10は、超音波診断装置の主要構成部品であって、超音波を発生するとともに、超音波ビームを送受信する機能を有するものである。超音波プローブ10の構成は、図1に示すように、先端(被検対象である生体に接する面)部分から音響レンズ1、音響整合層2、圧電素子層3、バッキング材4の順に設けられている。なお、近年、高次高調波を受信することを目的に、送信用超音波振動子(圧電素子)と、受信用超音波振動子(圧電素子)を異なる材料で構成し、積層構造としたものも提案されている。
(圧電素子層)
圧電素子層3は、超音波を発生する部分であって、圧電素子の両側に電極が貼り付けられており、電圧を加えると圧電素子が伸縮と膨張を繰り返し振動することにより、超音波が発生する。
圧電素子を構成する材料としては、水晶、LiNbO、LiTaOおよびKNbOなどの単結晶、ZnOおよびAlNなどの薄膜ならびにPb(Zr,Ti)O系などの焼結体を分極処理した、いわゆるセラミックスの無機圧電体が広く利用されている。一般的には、変換効率のよいPZT:チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電セラミックスが使用されている。
また、高周波側の受信波を検知する圧電素子には、より広い帯域幅の感度が必要である。このため、高周波、広帯域に適した圧電素子として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの有機系高分子物質を利用した有機圧電体が使用されている。
さらに、特開2011-071842号公報等には、優れた短パルス特性および広帯域特性を示し、量産性に優れ、特性ばらつきの少ないアレイ構造が得られる、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用したcMUTが記載されている。
本発明においては、いずれの圧電素子材料も好ましく用いることができる。
(バッキング材)
バッキング材4は、圧電素子層3の背面に設けられており、余分な振動を抑制することにより超音波のパルス幅を短くし、超音波診断画像における距離分解能の向上に寄与する。
(音響整合層)
音響整合層2は、圧電素子層3と被検対象間での音響インピーダンスの差を小さくし、超音波を効率よく送受信するために設けられる。
(音響レンズ)
音響レンズ1は、屈折を利用して超音波をスライス方向に集束し、分解能を向上させるために設けられる。また、被検対象である生体と密着し、超音波を生体の音響インピーダンス(人体では、1.4~1.7Mrayl)と整合させること、および、音響レンズ1自体の超音波減衰量が小さいことが求められている。
すなわち、音響レンズ1の材料としては、音速が人体の音速よりも十分小さく、超音波の減衰が少なく、また、音響インピーダンスが人体の皮膚の値に近い材料を使用することで、超音波の送受信感度が高められる。
このような構成の超音波プローブ10の動作を説明する。圧電素子の両側に設けられた電極に電圧を印加して圧電素子層3を共振させ、超音波信号を音響レンズから被検対象に送信する。受信時には、被検対象からの反射信号(エコー信号)によって圧電素子層3を振動させ、この振動を電気的に変換して信号とし、画像を得る。
[音響波プローブの製造]
本発明の音響波プローブは、本発明の材料を用いること以外は、常法により作製することができる。すなわち、本発明の音響波プローブの製造方法は、圧電素子側に、本発明の材料を用いて音響整合層を形成することを含む。圧電素子はバッキング材上に常法により設けることができる。
また、音響整合層上には、音響レンズの形成材料を用いて常法により音響レンズが形成される。
[音響波測定装置]
本発明の音響波測定装置は、本発明の音響波プローブを有する。音響波測定装置は、音響波プローブで受信した信号の信号強度を表示したり、この信号を画像化したりする機能を備える。
本発明の音響波測定装置は、超音波プローブを用いた超音波測定装置であることも好ましい。
以下に本発明を、音響波として超音波を用いた実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本発明は超音波に限定されるものではなく、被検対象及び測定条件等に応じて適切な周波数を選択してさえいれば、可聴周波数の音響波を用いてもよい。
[調製例]表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)の調製例
3-アミノプロピルトリメトキシシラン3.0質量部、メタノール100質量部、蒸留水3.3質量部を混合した後、23℃で1時間静置してメトキシ基の加水分解を進行させた。この溶液にタングステンカーバイド粒子(アライドマテリアル社製、商品名「WC60S」、平均一次粒子径6.5μm)10.0質量部を入れた。この混合物をホモジナイザー(日本精機社製「ED-7型オートエクセルホモジナイザー」(商品名))を用いて、液温度が50℃を超えない様に冷却しながら、回転数10,000rpmで60分間撹拌し、粉砕しながら表面処理を行った。
上記で撹拌し粉砕した後の混合物を濾別し、得られた固形物を100℃で30分加熱乾燥し、粉末状の表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)(成分(C))を得た。
表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)の調製において、原料を下記表1の組成で用いたこと以外は、表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)と同様にして表面処理タングステンカーバイド粒子(C-2)~(C-30)を調製した。なお、後記表1-1~1-6を纏めて表1と称する。
表面処理タングステンカーバイド粒子(C-2)~(C-30)の調製において、原料のタングステンカーバイド粒子は、いずれも10.0質量部用いた。
なお、表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)の調製において、タングステンカーバイド粒子に代えてタングステン粒子を用いたところ、十分に表面処理できず、凝集してしまい使用できなかった。
[調製例]表面処理タングステンカーバイド粒子(C-31)の調製例
NaOH水(NaOH:40g/水:400ml)にタングステンカーバイド粒子(50g)を添加して攪拌した。上記NaOH水に、更に、過硫酸ナトリウム水(過硫酸ナトリウム:9.6g/水:100ml)を添加した後、上記NaOH水を50℃に昇温し、更に3時間攪拌した(変性工程)。攪拌には新東科学株式会社製スリーワンモーターを用い、150rpmで行った。
上記NaOH水を室温まで冷却した後、上記NaOH水中のタングステンカーバイド粒子をろ取し、ろ取されたタングステンカーバイド粒子を、水(500ml)と、アセトニトリル(250ml)とで洗浄することで変性タングステンカーバイド粒子を得た。
表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)の調製において、タングステンカーバイド粒子の代わりに変性タングステンカーバイト粒子を用いたこと以外は、表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)と同様にして表面処理タングステンカーバイド粒子(C-31)を調製した。
表面処理タングステンカーバイド粒子(C-31)の調製において、原料を下記表1の組成で用いたこと以外は、表面処理タングステンカーバイド粒子(C-31)と同様にして表面処理タングステンカーバイド粒子(C-32)~(C-48)を調製した。
Figure 0007242961000006
Figure 0007242961000007
<表の注>
[タングステンカーバイド粒子(W)]
(W-1):
無処理タングステンカーバイド粒子(アライドマテリアル社製、商品名「WC30S」、平均一次粒子径3μm)
(W-2):
無処理タングステンカーバイド粒子(アライドマテリアル社製、商品名「WC60S」、平均一次粒子径6.5μm)
(W-3):
無処理タングステンカーバイド粒子(アライドマテリアル社製、商品名「WC80S」、平均一次粒子径9μm)
(W-4):
無処理タングステンカーバイド粒子(アライドマテリアル社製、商品名「WC100S」、平均一次粒子径15μm)
[表面処理剤(S)]
<アミノシラン化合物>
(SA-1):
3-アミノプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製、商品名「SIA0611.0」)
<メルカプトシラン化合物>
(SM-1):
3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製、商品名「SIM6476.0」)
(SM-2):
11-メルカプトウンデシルトリメトキシシラン(Gelest社製、商品名「SIM6480.0」)
<イソシアナトシラン化合物>
(SI-1):
3-イソシアナトプロピルトリメトキシシラン(Gelest社製、商品名「SII6456.0」)
(SI-2):
イソシアナトメチルトリメトキシシラン(Gelest社製、商品名「SII6453.8」)
<チタンアルコキシド化合物>
(ST-1):
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(味の素ファインテクノ社製、商品名「プレンアクトTTS」
Figure 0007242961000008
(ST-2):
ジオクチルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネート(味の素ファインテクノ社製「プレンアクト46B」
Figure 0007242961000009
(ST-3):
イソプロピルトリ(N-アミノエチル-アミノエチル)チタネート(味の素ファインテクノ社製、商品名「プレンアクト44」)
Figure 0007242961000010
<アルミニウムアルコキシド化合物>
(SL-1):
アルミニウムトリsec-ブチレート(川研ファインケミカル社製、商品名「ASBD」)
Figure 0007242961000011
(SL-2):
アルミニウムトリスアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスAL-3100」)
Figure 0007242961000012
(SL-3):
アルミニウムビスエチルアセトアセテートモノアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスAL-3200」)
Figure 0007242961000013
(SL-4):
アルミニウムトリスエチルアセトアセテート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスAL-3215」)
Figure 0007242961000014
(SL-5):
アルミニウムオクタデシルアセトアセテートジイソプロピレート(味の素ファインテクノ社製、商品名「プレンアクトAL-M」)
Figure 0007242961000015
<ジルコニウムアルコキシド化合物>
(SZ-1):
ジルコニウムテトラn-プロポキシド(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZA-45」)
Figure 0007242961000016
(SZ-2):
ジルコニウムテトラn-ブトキシド(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZA-65」)
Figure 0007242961000017
(SZ-3):
ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC-150」)
Figure 0007242961000018
(SZ-4):
ジルコニウムラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC-300」)
Figure 0007242961000019
(SZ-5):
ステアリン酸ジルコニウムトリブトキシド(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC-320」)
Figure 0007242961000020
(SZ-6):
ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC-540」)
Figure 0007242961000021
(SZ-7):
ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)(マツモトファインケミカル社製、商品名「オルガチックスZC-580」)
Figure 0007242961000022
<酸化剤>
過硫酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
次亜塩素酸ナトリウム(富士フイルム和光純薬株式会社製)
<比較例で使用する表面処理剤>
(SA-2):
N-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(Gelest社製、商品名「SIT8415.0」、50%メタノール水溶液)
(SC-1):
メチルトリクロロシラン
(SC-2):
ビニルトリクロロシラン
(SC-3):
3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
<1>音響整合層用材料の調製
(1)実施例1で用いる音響整合層用材料の調製
エポキシ樹脂(下記表1の成分(A)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学社製「jER825」(商品名)、エポキシ当量170))5.6質量部、イソホロンジアミン(下記表1の成分(B))1.4質量部、上記調製例で準備した表面処理タングステンカーバイド粒子(C-1)(下記表1の成分(C))93質量部を、内部空間が直径40mmの円柱状である容器に混合後の厚さが3mmになるように加えて、自転公転装置(商品名:ARV-310、シンキー社製)により混合して、実施例1で用いる音響整合層用材料を調製した。
(2)実施例2~60及び比較例1~5で用いる音響整合層用材料の調製
下記表1に記載の組成に代えたこと以外は、実施例1で用いる音響整合層用材料の調製と同様にして、実施例2~60及び比較例1~5で用いる音響整合層用材料を調製した。
<2>音響整合シートの作製
(1)実施例1の音響整合シートの作製
実施例1で用いる音響整合層用材料を混合後、上記容器に入れた状態のまま、80℃で18時間、その後150℃で1時間硬化させることにより直径40mm、厚さ3mmの円形の音響整合シートを作製した。このシートを、ダイサーで直径40mm、厚さ1mmの円形の音響整合シート3枚に切り分け、中央の1枚の音響整合シート(厚さ1mm)を後記試験例に用いた。
(2)実施例2~60及び比較例1~5の音響整合シートの作製
実施例1で用いる音響整合層用材料に代えて、実施例2~60及び比較例1~5で用いる音響整合層用材料を用いたこと以外は、実施例1で用いる音響整合シートと同様にして音響整合シート(厚さ1mm)を作製し、後記試験例に用いた。
<3>基準音響整合シートの作製
下記[試験例2]で用いる基準音響整合シートは以下のようにして作製した。
(1)実施例1の評価に用いる基準音響整合シートの作製
実施例1で用いる音響整合層用材料に代えて、エポキシ樹脂(下記表1の成分(A)、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学社製「jER825」(商品名)、エポキシ当量170))80質量部、及び、イソホロンジアミン(下記表1の成分(B))20質量部を用いたこと以外は、実施例1で用いる音響整合シートと同様にして、実施例1の評価に用いる基準音響整合シート(厚さ1mm)を作製し、後記試験例2に用いた。
(2)実施例2~60及び比較例1~5の評価に用いる基準音響整合シートの作製
実施例1に用いる基準音響整合シートの作製において、エポキシ樹脂と硬化剤との配合比を表1記載の配合比に代えたこと以外は、実施例1の評価に用いる基準音響整合シートの作製と同様にして、実施例2~60及び比較例1~5の評価に用いる基準音響整合シートを作製した。
[試験例1]音速の測定
超音波音速は、JIS Z2353(2003)に従い、シングアラウンド式音速測定装置(超音波工業株式会社製、商品名「UVM-2型」)を用いて25℃において測定した。上記で得た直径40mm、厚さ1mmの円形の音響整合シートについて、互いに重ならない直径1.5cmの3つの円形領域について、これら円形領域3カ所の内部全体(単チャンネルの小プローブサイズ)を測定対象とした。上記3つの円形領域の音速の算術平均値を算出し、下記式から得られた音速低下の割合(%)を下記評価基準に当てはめ評価した。S~Dが本試験の合格である。結果を下記後記表2に記載する。なお、後記表2-1~2-7を纏めて表2と称する。
音速低下の割合(%)=100×(基準音響整合シートの音速の算術平均値-実施例又は比較例の音響整合シートの音速の算術平均値)/基準音響整合シートの音速の算術平均値
-評価基準-
S:5%未満
A:5%以上7%未満
B:7%以上9%未満
C:9%以上11%未満
D:11%以上13%未満
E:13%以上15%未満
F:15%以上
[試験例2]音響インピーダンス(AI)のばらつき
上記の試験例1の各音速測定対象(直径1.5cmの円形)から、10mm×10mmの試験片を切り出した。25℃における試験片の密度を、JIS K7112(1999)に記載のA法(水中置換法)の密度測定方法に準じて、電子比重計(アルファミラージュ社製、商品名「SD-200L」)を用いて測定した。各実施例及び比較例の音響整合シートについて、3か所の円形領域ごとに音響インピーダンス(密度×音速)を算出し、3つの音響インピーダンスの標準偏差を求め、下記評価基準に当てはめ音響特性のばらつきを評価した。A~Cが本試験の合格である。結果を下記後記表2に記載する。
-評価基準-
A:0.5Mrayl未満
B:0.5Mrayl以上0.6Mrayl未満
C:0.6Mrayl以上0.7Mrayl未満
D:0.7Mrayl以上1Mrayl未満
E:1Mrayl以上
Figure 0007242961000023
Figure 0007242961000024
Figure 0007242961000025
Figure 0007242961000026
<表の注>
「EX」:実施例
「CEX」:比較例
粒子径:平均一次粒子径
「php」:100×表面処理剤の質量部/タングステンカーバイド粒子100質量部
比較例1は、W-2(無処理タングステンカーバイド粒子)を比較のために成分(C)の行に記載している。
[エポキシ樹脂]
(A-1):ビスフェノールAジグリシジルエーテル(三菱化学社製「jER825」(商品名)、エポキシ当量170)
(A-2):ビスフェノールFジグリシジルエーテル(DIC社製「EPICLON830」(商品名)、エポキシ当量170)
(A-3):エポキシノボラック樹脂(シグマアルドリッチ社製、製品番号406775、エポキシ当量170)
(B-1):
イソホロンジアミン
(B-2):
トリエチレンテトラミン
(B-3):
2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(ナカライテスク社製、商品名「ルベアックDMP-30」)
(B-4):
ポリアミドアミン(DIC社製、商品名「ラッカマイドEA-330」)
(B-5):
メンセンジアミン
(B-6):
m-フェニレンジアミン
(B-7):
ポリエーテルアミン T-403(商品名、BASF社製)
(B-8):
2-エチル-4-メチルイミダゾール
(B-9):
ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化工業社製、商品名「リカシッドHH」)
表2に示されているように、無処理のタングステンカーバイド粒子を用いた比較例1の音響整合シートは、音速低下が著しく、またAIのばらつきが大きかった。
メチルトリクロロシランで表面処理したタングステンカーバイド粒子を用いた、比較例2の音響整合シートは、この粒子をエポキシ樹脂と混合する際の相溶性が悪く、発熱により上記粒子が不均一に分散したシートとなったため、音速低下が著しく、またAIのばらつきが大きかった。
ビニルトリクロロシランで表面処理したタングステンカーバイド粒子を用いた、比較例3の音響整合シート、及び、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理したタングステンカーバイド粒子を用いた、比較例4の音響整合シートは、比較例2と同様の理由で音速低下が著しく、またAIのばらつきが大きかった。
これに対して、本発明で規定する表面処理タングステンカーバイド粒子を用いた実施例1~60の音響整合シートは、すべて音速低下を効果的に抑制することができ、音響特性のばらつきも抑えることができることがわかる。
なお、実施例1~60の音響整合シートはいずれも圧電素子側の音響整合層として用いるのに十分なAIを有していた。
1 音響レンズ
2 音響整合層
3 圧電素子層
4 バッキング材
7 筐体
9 コード
10 超音波探触子(プローブ)

Claims (16)

  1. 下記成分(A)、(B)及び(C)を含有する音響整合層用材料。
    (A)エポキシ樹脂
    (B)硬化剤
    (C)アミノシラン化合物、メルカプトシラン化合物、イソシアナトシラン化合物、チオシアナトシラン化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうち少なくとも1種を含む表面処理剤で表面処理された表面処理タングステンカーバイド粒子
  2. 前記成分(B)が、一級アミン及び二級アミンの少なくとも1種を含む、請求項1に記載の音響整合層用材料。
  3. 前記表面処理剤が、アミノシラン化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載の音響整合層用材料。
  4. 前記表面処理剤が、ジルコニウムアルコキシド化合物及びチタンアルコキシド化合物のうちの少なくとも1種を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
  5. 前記表面処理剤が前記ジルコニウムアルコキシド化合物を含み、前記ジルコニウムアルコキシド化合物が、アセトナト構造及びアセタト構造のうちの少なくとも1種を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
  6. 前記表面処理剤が前記ジルコニウムアルコキシド化合物を含み、前記ジルコニウムアルコキシド化合物が、下記一般式(2)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
    一般式(2): R1b m2-Zr-(OR2b4-m2
    1bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
    2bは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS2を示す。RS2は置換基を示す。
    m2は0~3の整数である。
  7. 前記表面処理剤が前記チタンアルコキシド化合物を含み、前記チタンアルコキシド化合物が、N、P及びSの少なくとも1種の原子を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
  8. 前記表面処理剤が前記チタンアルコキシド化合物を含み、前記チタンアルコキシド化合物が、下記一般式(3)で表される化合物の少なくとも1種を含む、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
    一般式(3): R1c m3-Ti-(OR2c4-m3
    1cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アリール基、又は不飽和脂肪族基を示す。
    2cは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アシル基、アルケニル基、アリール基、ホスホネート基、又は-SOS3を示す。RS3は置換基を示す。
    m3は0~3の整数である。
  9. 前記成分(C)中、前記表面処理剤の含有量が、タングステンカーバイド粒子100質量部に対し、1~50質量部である、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
  10. 前記成分(C)を構成するタングステンカーバイド粒子の平均一次粒子径が1~10μmである、請求項1~のいずれか1項に記載の音響整合層用材料。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の音響整合層用材料を硬化させてなる音響整合シート。
  12. 請求項11に記載の音響整合シートを有する音響波プローブ。
  13. 請求項11に記載の音響整合シートを有する超音波プローブ。
  14. 請求項12に記載の音響波プローブを備える音響波測定装置。
  15. 請求項12に記載の音響波プローブを備える超音波診断装置。
  16. 請求項1~10のいずれか1項に記載の音響整合層用材料を用いて音響整合層を形成することを含む、音響波プローブの製造方法。
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