JP7241566B2 - 着色剤分散液、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents

着色剤分散液、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、着色剤分散液、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置に関する。
着色硬化性樹脂組成物は、液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイ等の表示装置に使用されるカラーフィルタの製造に用いられている。カラーフィルタを用いた表示装置には、高いコントラストが要求される。
特開2002-179979号公報(特許文献1)には、表示装置のコントラストを改善するために、黄色顔料であるC.I.ピグメントイエロー138を含むカラーペーストにC.I.ピグメントイエロー138のスルホン化誘導体をさらに含有させることが記載されている。
特開2002-179979号公報
本発明の目的は、C.I.ピグメントイエロー138を含む着色剤分散液であって、良好なコントラストを示すカラーフィルタを形成することができる着色剤分散液、該着色剤分散液を含む着色硬化性樹脂組成物、該着色剤分散液又は該着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを含む表示装置を提供することにある。
本発明は、以下に示す着色剤分散液、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置を提供する。
[1] 主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む、着色剤分散液。
Figure 0007241566000001
[式(I)中、
aは、式(I)で表される化合物が有する-CO 及び-S(O)の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である。
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
XはCRを表し、
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
とR、RとR、RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
naは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rnaが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
b+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO 又は-S(O)と一緒になって-COH及びS(O)OHとして存在する。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
mは、Mb+の個数を表す。
nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。
b)aが0である場合、
nは1を表し、かつmは0を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
とR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
は、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)-Rnb1を表す。
ただし、Rが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R~Rは、(ib)及び(iib)の少なくとも一方を充足する。
(ib)R~Rの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
(iib)RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。R~Rのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。またRは、R及びRが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
Xは、式(1a)で表される基を表す。
Figure 0007241566000002
[式(1a)中、
17b及びR18bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
17bとR18bは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
nbは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnbが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
nb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。Rnb1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
nb10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnb10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。]
[2] 式(1a)で表される基が、式(2a)で表される基である、[1]に記載の着色剤分散液。
Figure 0007241566000003
[式(2a)中、
19b及びR20bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
nbは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
[3] 式(I)中、
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
とR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
は、-CO-ORna1、-CO-NH、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1、-CO-H、-CO-Rna1又は-S(O)-Rna1を表す。
ただし、Rが-CO-NH(Rna1)を表す場合、R~Rは、(ia)及び(iia)の少なくとも一方を充足する。
(ia)R~Rの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
(iia)RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R~Rのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
は、シアノ基を表す。
Xは、式(1a-x)で表される基を表す。
Figure 0007241566000004
[式(1a-x)中、
21及びR22は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
21とR22とは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
naは、前記と同じ意味を表す。
na1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rna1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
na10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rna10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
b)aが0である場合、
は、シアノ基を表す、[1]又は[2]に記載の着色剤分散液。
[4] 式(1a-x)で表される基が、式(2a-x)で表される基である、[3]に記載の着色剤分散液。
Figure 0007241566000005
[式(2a-x)中、
23及びR24は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
naは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
[5] ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)をさらに含む、[1]~[4]のいずれかに記載の着色剤分散液。
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む、着色硬化性樹脂組成物。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載の着色剤分散液又は[6]に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される、カラーフィルタ。
[8] [7]に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
本発明に係る着色剤分散液及び着色硬化性樹脂組成物によれば、良好なコントラストを示すカラーフィルタ、及びそれを含む表示装置を提供することができる。
<着色剤分散液>
本発明の着色剤分散液は、C.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む。
上記着色剤分散液によれば、C.I.ピグメントイエロー138(A)を主成分とするにもかかわらず、該着色剤分散液又は該着色剤分散液を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ及びそれを用いた表示装置のコントラストを良好なものとすることができる。
着色剤分散液は、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)をさらに含むことができる。以下、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)を「脂肪族カルボン酸金属塩(C)」ともいう。
以下、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕C.I.ピグメントイエロー138(A)
共分散物に含まれるC.I.ピグメントイエロー138(A)は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている黄色顔料である。
〔2〕式(I)で表される化合物(B)
共分散物は、式(I)で表される化合物(B)を含む。
Figure 0007241566000006
[式(I)中、
aは、式(I)で表される化合物が有する-CO 及び-S(O)の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である。
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
XはCRを表し、
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
とR、RとR、RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
naは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rnaが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
b+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO 又は-S(O)と一緒になって-COH及びS(O)OHとして存在する。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
mは、Mb+の個数を表す。
nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。
b)aが0である場合、
nは1を表し、かつmは0を表す。
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
とR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
は、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)-Rnb1を表す。
ただし、Rが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R~Rは、(ib)及び(iib)の少なくとも一方を充足する。
(ib)R~Rの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
(iib)RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。R~Rのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。またRは、R及びRが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
Xは、式(1a)で表される基を表す。
Figure 0007241566000007
[式(1a)中、
17b及びR18bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
17bとR18bは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
nbは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnbが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
nb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。Rnb1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
nb10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnb10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。]
式(1a)で表される基は、好ましくは式(2a)で表される基である。
Figure 0007241566000008
[式(2a)中、
19b及びR20bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
nbは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
〔2-1〕式(I)で表される化合物(B)の第1態様
式(I)で表される化合物(B)の好ましい一態様である第1態様において、
式(I)中、
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
~Rは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
とR、RとR、及び、RとRの少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
は、-CO-ORna1、-CO-NH、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1、-CO-H、-CO-Rna1又は-S(O)-Rna1を表す。
ただし、Rが-CO-NH(Rna1)を表す場合、R~Rは、(ia)及び(iia)の少なくとも一方を充足する。
(ia)R~Rの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
(iia)RとR、RとR、及び、RとRからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R~Rのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
は、シアノ基を表す。
Xは、式(1a-x)で表される基を表す。
Figure 0007241566000009
[式(1a-x)中、
21及びR22は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
21とR22とは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
naは、前記と同じ意味を表す。
na1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rna1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
na10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rna10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
b)aが0である場合、
は、シアノ基を表す。
式(1a-x)で表される基は、好ましくは式(2a-x)で表される基である。
Figure 0007241566000010
[式(2a-x)中、
23及びR24は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
naは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
〔2-2〕式(I)で表される化合物(B)の第2態様
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第2態様は、上記第1態様において、aが0である式(IIB)で表される化合物である。
Figure 0007241566000011
[式(IIB)中、
11b~R15bは、それぞれ、式(I)においてaが0である場合のR~Rと同じ意味を表す。
12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
16bは、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)-Rnb1を表す。
ただし、R16bが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R12b~R15bは、(ixb)及び(iixb)の少なくとも一方を充足する。
(ixb)R12b~R15bの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
(iixb)R12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。R12b~R15bのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
1bは、式(1a-xb)で表される基を表す。
Figure 0007241566000012
[式(1a-xb)中、
21b、R22b及び*1は、それぞれ、式(1a)中のR17b、R18b及び*1と同じ意味を表す。]
nb及びRnb1は、前記と同じ意味を表す。]
式(IIB)で表される化合物が有する-COH及び-S(O)OHの合計数は0である。
式(1a-xb)で表される基は、好ましくは式(2a-xb)で表される基である。
Figure 0007241566000013
[式(2a-xb)中、
23b、R24b及び*2は、それぞれ、式(2a)中のR19b、R20b及び*2と同じ意味を表す。
nbは、前記と同じ意味を表す。]
〔2-3〕式(I)で表される化合物(B)の第3態様
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第3態様は、式(I)中のa(すなわち、式(I)で表される化合物が有する-CO 及び-S(O)の合計数)が1~10のいずれかの整数である式(IA)で表される化合物である。
Figure 0007241566000014
[式(IA)中、
1a~R9aは、それぞれ、式(I)においてaが1~10のいずれかの整数である場合のR~Rと同じ意味を表す。
2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、及び、R8aとR9aからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
na及びMb+は、前記と同じ意味を表す。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
aaは、式(IA)で表される化合物が有する-CO 及び-S(O)の合計数を表し、1~10のいずれかの整数である。
maは、Mb+の個数を表す。
naは、na=b×ma/aaの関係を満たす数である。]
〔2-4〕式(I)で表される化合物(B)の第4態様
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第4態様は、式(I)中のaが0である式(IB)で表される化合物である。
Figure 0007241566000015
[式(IB)中、
1b~R5bは、それぞれ、式(I)においてaが0である場合のR~Rと同じ意味を表す。
2bとR3b、R3bとR4b、及び、R4bとR5bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
6bは、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)-Rnb1を表す。
ただし、R6bが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R2b~R5bは、(ibb)及び(iibb)の少なくとも一方を充足する。
(ibb)R2b~R5bの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
(iibb)R2bとR3b、R3bとR4b、及び、R4bとR5bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。R2b~R5bのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
7bは、式(I)においてaが0である場合のRと同じ意味を表す。R7bは、R6b及びR7bが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
は、式(I)においてaが0である場合のXと同じ意味を表す。
nb、Rnb1及びRnb10は、前記と同じ意味を表す。]
式(IB)で表される化合物に含まれる-COH及び-S(O)OHの合計数は0である。
式(IB)で表される化合物において、上記式(1a)で表される基は、好ましくは上記式(2a)で表される基である。
本明細書において、置換基を有する炭化水素基の炭素数は、置換基によって置換される前の炭化水素基の炭素数である。
炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-CO-、-S(O)-、-NRna-、-NRnb-、-NRna10-又は-NRnb10-等に置き換わって形成される基の炭素数は、該基によって置換される前の炭化水素基の炭素数である。
炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-CO-、-S(O)-、-NRna-、-NRnb-、-NRna10-又は-NRnb10-に置き換わることによって形成される基を総称して、以下、「基(Z)」ともいう。
〔2-5〕式(I)で表される化合物(B)及びその第1~第4態様に係る化合物が有する基の説明
~R、R11b~R16b、R1a~R9a、R1b~R7b、Rna、Rnb、Rna1、Rnb1、Rna10、Rnb10、R17b~R24b、R21~R24で表される基は通常、1価の基である。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24で表される炭素数1~40の炭化水素基、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭素数1~35の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基であってもよく、該脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、鎖状又は脂環式であってもよい。
aが1~10のいずれかの整数である場合において、R~R、R1a~R9a、R21~R24及びRnaで表される炭化水素基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基及びイコシル基等の直鎖状アルキル基等;イソプロピル基、(2-メチル)プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、(2-エチル)ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、(1-メチル)ペンチル基、(2-メチル)ペンチル基、(1-エチル)ペンチル基、(3-エチル)ペンチル基、イソヘキシル基、(5-メチル)ヘキシル基、(2-エチル)ヘキシル基、及び(3-エチル)ヘプチル基等の分枝鎖状アルキル基等;ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、イソプロペニル基、(1-メチル)エテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、(1-(2-プロペニル))エテニル基、(1,2-ジメチル)プロペニル基及び2-ペンテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~20であり、さらに好ましくは1~15であり、さらにより好ましくは1~10であり、さらにより一層好ましくは1~8であり、特に好ましくは1~5である。
na1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~28であり、より好ましくは1~18であり、さらに好ましくは1~13であり、さらにより好ましくは1~8であり、さらにより一層好ましくは1~6であり、特に好ましくは1~3である。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1-メチルシクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、3-メチルシクロヘキシル基、4-メチルシクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、1,3-ジメチルシクロヘキシル基、1,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,3-ジメチルシクロヘキシル基、2,4-ジメチルシクロヘキシル基、2,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,6-ジメチルシクロヘキシル基、3,4-ジメチルシクロヘキシル基、3,5-ジメチルシクロヘキシル基、2,2-ジメチルシクロヘキシル基、3,3-ジメチルシクロヘキシル基、4,4-ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、2,4,6-トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキシル基、4-ペンチルシクロヘキシル基、4-オクチルシクロヘキシル基及び4-シクロヘキシルシクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基(例えばシクロヘキサ-2-エン、シクロヘキサ-3-エン)、シクロヘプテニル基及びシクロオクテニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルナン基、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
上記飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~30であり、より好ましくは3~20であり、さらに好ましくは4~20であり、さらにより好ましくは4~15であり、より一層好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10であり、中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基又はシクロオクチル基であることがとりわけ好ましい。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される飽和又は不飽和炭化水素基は、上記に挙げた鎖状炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基であってもよく、例えば、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基及びシクロヘキシルエチル基等の1つ以上の脂環式炭化水素基が結合したアルキル基が挙げられる。
鎖状炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基の炭素数は、好ましくは4~30であり、より好ましくは4~20であり、さらに好ましくは4~15である。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、2,5-ジメチルフェニル基、2,6-ジメチルフェニル基、3,4-ジメチルフェニル基、3,5-ジメチルフェニル基、o-イソプロピルフェニル基、m-イソプロピルフェニル基、p-イソプロピルフェニル基、o-tert-ブチルフェニル基、m-tert-ブチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、メシチル基、2,6-ビス(2-プロピル)フェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフチル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基及びアントリル基等の芳香族炭化水素基;等が挙げられる。
上記芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~15である。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される芳香族炭化水素基は、芳香族炭化水素環を有する炭化水素基である限り特に限定されず、上記に挙げた鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基の少なくとも一つを、上記に挙げた芳香族炭化水素基と組み合わせた基であってもよく、例えば、ベンジル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基及び1-メチル-1-フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニルエテニル基(フェニルビニル基)等のアリールアルケニル基;フェニルエチニル基等のアリールアルキニル基;ビフェニリル基及びターフェニリル基等の1つ以上のフェニル基が結合したフェニル基;シクロヘキシルメチルフェニル基、ベンジルフェニル基、(ジメチル(フェニル)メチル)フェニル基;等が挙げられる。
鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基の少なくとも一つを芳香族炭化水素基と組み合わせた基の炭素数は、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~20であり、さらに好ましくは7~15である。
また、R~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭化水素基は、1価の置換基、又は2価の置換基を有していてもよい。2価の置換基は、2つの結合手が同じ炭素原子に結合して二重結合を形成する置換基であることが好ましい。
1価の置換基としては、
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基及びブチルチオ基等の炭素数1~10のアルキルスルファニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;
ニトロ基;シアノ基;
トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロシクロヘキシル基及びパーフルオロフェニル基等の水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基;
*-CO-SH;
*-CO-S-CH、*-CO-S-CHCH、*-CO-S-CH-CH-CH、及び*-CO-S-CH-CH-CH-CH等のアルキル基(該アルキル基の炭素数は1~10)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;
*-CO-S-C等のアリール基(該アリール基の炭素数は6~20)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;
*-OP(O)(ORnb2
*-Si(Rnb2)(Rnb3)(Rnb4);等が挙げられる。
[前記式中、
*は、上記炭化水素基との結合手を表す。
nb2、Rnb3、Rnb4は、同一であってもよく異なっていてもよく、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-、-Nnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
nb10は、前記と同じ意味を表す。
nb2、Rnb3、Rnb4の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。]
2価の置換基としては、チオキソ基、イミノ基、炭素数1~20(好ましくは炭素数1~10)のアルキル基が置換したイミノ基、及び炭素数6~20のアリール基が置換したイミノ基等が挙げられる。
アルキル基が置換したイミノ基としては、CH-N=、CH-CH-N=、CH-(CH-N=、CH-(CH-N=等が挙げられる。
アリール基が置換したイミノ基としては、C-N=等が挙げられる。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭化水素基の置換基としては、
ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20の炭化水素基;チオカルボニル基;*-OP(O)(ORnb2;*-Si(Rnb2)(Rnb3)(Rnb4);等が好ましく、
ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20の炭化水素基;チオカルボニル基;等がより好ましく、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~10の炭化水素基;チオカルボニル基;等がさらに好ましい。
aが1~10のいずれかの整数である場合、R~R、R1a~R9a、R21~R24で表される炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
aが0である場合、R~R、R、R11b~R15b、R1b~R5b、R7b、R17b~R24bで表される炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
na1で表される炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
nb1で表される炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
炭化水素基に含まれる-CH-が-O-、-CO-、-S(O)-、-NRna-、-NRnb-、-NRna10-又は-NRnb10-に置き換わることによって形成される基(Z)としては、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、(2-エチル)ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、フェニルオキシ基、及びo-トリルオキシ基等の炭素数が1~20、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;
エポキシ基;
ホルミル基;
アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、tert-ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2-エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、及びベンゾイル基等の炭素数が2~22、好ましくは炭素数が2~12のアシル基(好ましくはアルカノイル基);
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2-エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基及びオクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、及びo-トリルオキシカルボニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;
アミノ基;
N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N,N-ジプロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N,N-ジブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N,N-ジイソブチルアミノ基、N-sec-ブチルアミノ基、N,N-ジsec-ブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N,N-ジtert-ブチルアミノ基、N-ペンチルアミノ基、N,N-ジペンチルアミノ基、N-(1-エチルプロピル)アミノ基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)アミノ基、N-ヘキシルアミノ基、N,N-ジヘキシルアミノ基、N-(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N-ヘプチルアミノ基、N,N-ジヘプチルアミノ基、N-オクチルアミノ基、N,N-ジオクチルアミノ基、N-ノニルアミノ基、N,N-ジノニルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-エチルメチルアミノ基、N,N-プロピルメチルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、N,N-ブチルメチルアミノ基、N,N-tert-ブチルメチルアミノ基、及びN,N-フェニルメチルアミノ基等の1つ又は2つの炭素数1~10、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基で置換されたアミノ基;
スルファモイル基;
N-メチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N,N-ジプロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N,N-ジイソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N,N-ジブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N,N-ジイソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N,N-ジsec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N,N-ジtert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N,N-ジペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジヘキシルスルファモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N,N-ジヘプチルスルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N,N-ジオクチルスルファモイル基、N,N-オクチルメチルスルファモイル基、N-ノニルスルファモイル基、N,N-ジノニルスルファモイル基、N-フェニルスルファモイル基、N,N-ジフェニルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、及びN,N-フェニルメチルスルファモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたスルファモイル基;
ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、2,2-ジメチルプロパノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、(2-エチル)ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、ヘンイコサノイルアミノ基、及びベンゾイルアミノ基等の炭素数1~22、好ましくは炭素数1~12のアルカノイルアミノ基;
ヒドロキシ基;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、(2-エチル)ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、及びベンゾイルオキシ基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10のアルカノイルオキシ基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2-エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、及びp-トリルスルホニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が置換したスルホニル基;
カルバモイル基;
N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N-ノニルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N,N-ジフェニルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、及びN,N-フェニルメチルカルバモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基;
*-COCORnb2
*-OCON(Rnb2
*-N(Rnb2)COORnb2;等が挙げられる。
[前記式中、
*は、結合手を表す。
nb2は、複数個存在する場合、同一であってもよく異なっていてもよく、前記と同じ意味を表す。]
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される複素環基は、単環であってもよいし多環であってもよく、好ましくは環の構成要素としてヘテロ原子を含む複素環である。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子等が挙げられる。
上記複素環基の炭素数は、好ましくは2~30であり、より好ましくは3~22であり、さらに好ましくは3~20であり、さらにより好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~15であり、特に好ましくは3~14である。
aが1~10のいずれかの整数である場合において、R~R、R21~R24、Rna及びRna1で表される複素環基は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
窒素原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン及びピペラジン等の単環系飽和複素環;2,5-ジメチルピロール等のピロール、2-メチルピラゾール及び3-メチルピラゾール等のピラゾール、並びに、イミダゾール、1,2,3-トリアゾール及び1,2,4-トリアゾール等の5員環系不飽和複素環;ピリジン、ピリダジン及び6-メチルピリミジン等のピリミジン、ピラジン、並びに、1,3,5-トリアジン等の6員環系不飽和複素環;インダゾール、インドリン、イソインドリン、インドール、インドリジン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、5,6,7,8-テトラヒドロ(3-メチル)キノキサリン及び3-メチルキノキサリン等のキノキサリン、キナゾリン、シンノリン、フタラジン、ナフチリジン、プリン、プテリジン、ベンゾピラゾール、並びに、ベンゾピペリジン等の縮合二環系複素環;カルバゾール、アクリジン及びフェナジン等の縮合三環系複素環;下記式で表される環等が挙げられる。
Figure 0007241566000016

[式中、*は結合手を表す。]
酸素原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、オキシラン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン、及び1-シクロペンチルジオキソラン等の単環系飽和複素環;1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン、及び1,4-ジオキサスピロ[4.5]ノナン等の二環系飽和複素環;α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン、及びδ-バレロラクトン等のラクトン系複素環;2,3-ジメチルフラン、及び2,5-ジメチルフラン等のフラン等の5員環系不飽和複素環;2H-ピラン、及び4H-ピラン等の6員環系不飽和複素環;1-ベンゾフラン、及び4-メチルベンゾピラン等のベンゾピラン、ベンゾジオキソール、クロマン、並びに、イソクロマン等の縮合二環系複素環;キサンテン、及びジベンゾフラン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
硫黄原子のみをヘテロ原子として含む複素環としては、ジチオラン等の5員環系飽和複素環;チアン、1,3-ジチアン、及び2-メチル1,3-ジチアン等の6員環系飽和複素環;3-メチルチオフェン、及び2-カルボキシチオフェン等のチオフェン、4H-チオピラン、並びに、ベンゾテトラヒドロチオピラン等のベンゾチオピラン等の5員環系不飽和複素環;ベンゾチオフェン等の縮合二環系複素環等;チアントレン、及びジベンゾチオフェン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
窒素原子及び酸素原子をヘテロ原子として含む複素環としては、モルホリン、2-ピロリドン、2-メチル-2-ピロリドン、2-ピペリドン、2-メチル-2-ピペリドン等の単環系飽和複素環;4-メチルオキサゾール等のオキサゾール、2-メチルイソオキサゾール、3-メチルイソオキサゾール等のイソオキサゾール等の単環系不飽和複素環;ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾオキサジン、ベンゾジオキサン、ベンゾイミダゾリン等の縮合二環系複素環;フェノキサジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
窒素原子及び硫黄原子をヘテロ原子として含む複素環としては、3-メチルチアゾール、及び2,4-ジメチルチアゾール等のチアゾール等の単環系複素環;ベンゾチアゾール等の縮合二環系複素環;フェノチアジン等の縮合三環系複素環;等が挙げられる。
上記複素環基は、上記に挙げた炭化水素基を組み合わせた基であってもよく、例えば、テトラヒドロフリルメチル基、メチルテトラヒドロフリル基等が挙げられる。
なお、上記の複素環の結合位は、各環に含まれる任意の水素原子が脱離した部分である。
aが1~10のいずれかの整数である場合、R~R、R1a~R9a、R21~R24で表される複素環基は、環を構成しない-CH-を含むとき、該-CH-が、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
aが0である場合、R~R、R、R11b~R15b、R1b~R5b、R7b、R17b~R24bで表される複素環基は、環を構成しない-CH-を含むとき、該-CH-が、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
na1で表される複素環基は、環を構成しない-CH-を含むとき、該-CH-が、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
nb1で表される環を構成しない-CH-を含むとき、該-CH-が、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
また、前記複素環が、その構成元素として窒素原子を含んでいる場合、この窒素原子には、上述したRが結合していてもよい。
~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される複素環基の置換基としては、R~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R17bとR18b、R21とR22、R12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、R8aとR9a、R2bとR3b、R3bとR4b、R4bとR5b、R6bとR7b、又はR21bとR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、この環は、炭化水素環であってもよく、複素環であってもよい。炭化水素環としては、脂肪族炭化水素環、芳香族炭化水素環等が挙げられる。
脂肪族炭化水素環としては、シクロプロパン環、メチルシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、メチルシクロヘキサン環、1,1-ジメチルシクロヘキサン環、1,2-ジメチルシクロヘキサン環、1,3-ジメチルシクロヘキサン環、1,4-ジメチルシクロヘキサン環、シクロオクタン環、1,3,5-トリメチルシクロヘキサン環、1,1,3,3-テトラメチルシクロヘキサン環、ペンチルシクロヘキサン環、オクチルシクロヘキサン環、及びシクロヘキシルシクロヘキサン環等のシクロアルカン環;シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、及びシクロオクテン環等のシクロアルケン環;ノルボルナン、アダマンタン、及びビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の炭素数は、例えば、3~30であり、好ましくは3~20であり、より好ましくは4~20であり、さらに好ましくは4~15であり、さらにより好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10である。
芳香族炭化水素環としては、ベンゼン、トルエン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレン、イソプロピルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、メシチレン、1,5-ビス(2-プロピル)ベンゼン、ナフタレン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、フルオレン、フェナントレン、及びアントラセン;等が挙げられる。
芳香族炭化水素環の炭素数は、例えば、6~30であり、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~15である。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R17bとR18b、R21とR22、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、R8aとR9a、R2bとR3b、R3bとR4b、R4bとR5b、R6bとR7b、又はR21bとR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、該環は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R17bとR18b、R21とR22、R12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、R8aとR9a、R2bとR3b、R3bとR4b、R4bとR5b、R6bとR7b、又はR21bとR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成する場合であって、該環が環を構成しない-CH-を含むとき、該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-、-NRna-又は-NRnb-に置き換わっていてもよく、この場合、該環は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR、R17bとR18b、R21とR22、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、R8aとR9a、R2bとR3b、R3bとR4b、R4bとR5b、R6bとR7b、又はR21bとR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、該環は、複素環であってもよい。
とR、RとR、RとR、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、該複素環基は、R~R、R12b~R15b、R2a~R5a、又はR2b~R5bが結合するベンゼン環と共に2環以上の環構造を有している。この2環以上の環構造を有する複素環としては、例えば、下記式の構造を有する複素環が挙げられる。
Figure 0007241566000017

[式中のベンゼン環は、式(I)で表される化合物が有するイソインドリン構造中のベンゼン環に相当する。]
~R、R17b及びR18bの少なくとも1つ、好ましくはR~R、R17b及びR18bの少なくとも1つ、より好ましくはR及びRの一方と、R及びRの一方、又はR及びRの一方と、R17b及びR18bの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
11b~R16b、R21b及びR22bの少なくとも1つ、好ましくはR16b、R21b及びR22bの少なくとも1つ、より好ましくはR16bと、R21b及びR22bの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
1a~R9aの少なくとも1つ、好ましくはR6a~R9aの少なくとも1つ、より好ましくはR6a及びR7aの一方とR8a及びR9aの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
1b~R7b、R17b及びR18bの少なくとも1つ、好ましくはR6b、R7b、R17b及びR18bの少なくとも1つ、より好ましくはR6b及びR7bの一方と、R17b及びR18bの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
-CO-ORna1、-CO-ORnb1としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2-エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、ウンデシルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等の炭素数1~35の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基等が好ましく、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基等が挙げられる。
-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1としては、N-メチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N-ノニルカルバモイル基、N-デシルカルバモイル基、N-ウンデシルカルバモイル基、N-ドデシルカルバモイル基、N-イコシルカルバモイル基及びN-フェニルカルバモイル基等の1つの炭素数1~35の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等;
N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N,N-ブチルオクチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N,N-オクチルメチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N,N-デシルメチルカルバモイル基、N,N-ウンデシルメチルカルバモイル基、N,N-ドデシルメチルカルバモイル基、N,N-イコシルメチルカルバモイル基、N,N-フェニルメチルカルバモイル基及びN,N-ジフェニルカルバモイル基等の2つの炭素数1~35の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が好ましく、より好ましくは1つ又は2つの炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が挙げられる。
-CO-Rna1、-CO-Rnb1としては、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2,2-ジメチルプロパノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2-エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ウンデカノイル基、ドデカノイル基、ヘンイコサノイル基、ベンゾイル基、フェニルメチルカルボニル基、フェニルエチルカルボニル基及びフェニルプロピルカルボニル基等の炭化水素基であって炭素数が1~35の基が結合したカルボニル基が好ましく、好ましくは炭化水素基であって炭素数が1~10の基が結合したカルボニル基等が挙げられる。
炭化水素基が結合したカルボニル基である-CO-Rna1、-CO-Rnb1において、該炭化水素基が、塩素原子等のハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基等の炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;等を有していてもよい。
-CO-Rna1において、炭化水素基が結合したカルボニル基では、該炭化水素基が-CO 及び-S(O)等を有していてもよい。
-S(O)-Rna1、-S(O)-Rnb1としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2-エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、ウンデシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、イコシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、及びp-トリルスルホニル基等の炭素数1~35の炭化水素基が結合したスルホニル基等が好ましく、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したスルホニル基等が挙げられる。
とR、RとR、RとR、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環は、式(I)、式(IIB)、式(IA)、又は式(IB)のイソインドリン骨格のベンゼン環と縮合している。
とR、RとR、RとR、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環と前記ベンゼン環との縮合環構造としては、インデン、ナフタレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、N-メチルフタルイミド、N-(1-フェニルエチル)フタルイミド及びテトラセン等の炭化水素系縮環構造及びその部分還元体(例えば、9,10-ジヒドロアントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン等);インドール、イソインドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン等の含窒素縮合複素環及びその部分還元体;3-ヒドロベンゾフラン2-オン等の含酸素縮合複素環及びその部分還元体が挙げられる。
6aとR7a、又はR8aとR9aが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環は、式(IA)のイソインドリン骨格のエキソメチレン(C=CH)と結合しており、該環をこのエキソメチレン(C=CH)を含んだ構造として挙げると、例えば、下記群Aの様なカルボニル基とエキソメチレンとカルボニル基とがこの順で並ぶ構造が例示できる。**は、イソインドリン骨格との結合手を表す。
[群A]
Figure 0007241566000018
[式中、R25及びR26は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、置換基として-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R25、R26の具体例及び好ましい例は、Rna1と同様である。]
21とR22が、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環は、式(I)のイソインドリン骨格のエキソメチレン(C=CH)と結合しており、該環をこのエキソメチレン(C=CH)を含んだ構造として挙げると、例えば、下記群Bの様なカルボニル基とエキソメチレンとカルボニル基とがこの順で並ぶ構造が例示できる。**は、イソインドリン骨格との結合手を表す。
[群B]
Figure 0007241566000019

[式中、R23及びR24は、前記と同じ意味を表す。]
17bとR18b、又はR21bとR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環は、式(IIB)のイソインドリン骨格のエキソメチレン(C=CH)と結合しており、該環をこのエキソメチレン(C=CH)を含んだ構造として挙げると、例えば、下記群Cの様なカルボニル基とエキソメチレンとカルボニル基とがこの順で並ぶ構造が例示できる。**は、イソインドリン骨格との結合手を表す。
[群C]
Figure 0007241566000020

[式中、R23b及びR24bは、前記と同じ意味を表す。]
とR、RとR、RとR、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、R~R、R11b~R15b、R1a~R9a、R1b~R5b、R7b、Rna、Rnb、R17b~R24b、R21~R24、Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
~R、R17b、R18b、R21、R22、R12b~R15b、R21b及びR22b、R2a~R9a、R2b~R5b及びR7bで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
b+は、ヒドロン又はLi、Na、K等の1価の金属イオン、2価以上の金属陽イオンであることが好ましく、ヒドロン又は2価以上の金属陽イオンであることがより好ましく、ヒドロンであることがさらに好ましい。
2価以上の金属陽イオンとしては、元素の周期律表の2族~15族の金属の陽イオンが挙げられ、好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+及びMn2+等の2価の金属陽イオン;Al3+、Fe3+及びCr3+等の3価の金属陽イオン;Sn4+、Mn4+、Ce4+等の4価の金属陽イオンが挙げられ、より好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Sn4+及びMn4+が挙げられ、さらに好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+が挙げられる。
なお、Mb+がヒドロンである場合、該ヒドロンは、-CO 又は-S(O)と結合し、-COOH又は-S(O)OHとして存在する。
aは、好ましくは0~10のいずれかの整数であり、より好ましくは0~5のいずれかの整数であり、さらに好ましくは0又は2~4のいずれかの整数である。
式(I)で表される化合物(B)の第1態様において、R~R、R21、R22、Rna1、Rna2、Mb+、aは、以下のとおりであることが好ましい。
としては、水素原子が好ましい。
~Rとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;-CO ;-S(O)等が好ましい。
としては、-CO-ORna1、-CO-NH、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1又は-CO-Rna1が好ましい。
21及びR22が、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R21としては、-CO-ORna2、-CO-NH、-CO-NH(Rna2)、-CO-N(Rna2、-CO-H、-CO-Rna2又は-S(O)-Rna2が好ましく、-CO-ORna2、-CO-NH、-CO-NH(Rna2)、-CO-N(Rna2又は-CO-Rna2がより好ましく、R22としては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、RとR21とは、同一の基であることが好ましい。
na2は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。Rna2の具体例及び好ましい例は、Rna1と同様である。Rna2が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
21及びR22が、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Bの構造を形成することが好ましく、式(2a-x)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a-x)において、R23及びR24としては、水素原子が好ましい。
21及びR22は、環を形成しないことも好ましい。
na1、Rna2としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;ベンジル基(フェニルメチル基ともいう)、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、-CO 又は-S(O)を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、-CO 、-S(O)を有することが好ましい。
b+としては、ヒドロン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+からなる群より選ばれる一種が好ましく、ヒドロンがより好ましい。
aとしては、1~10のいずれかの整数が好ましく、1~5のいずれかの整数がより好ましい。aが0であることも好ましい。
式(I)で表される化合物(B)の第2態様に係る式(IIB)で表される化合物において、R11b~R16b、R21b~R24b、Rnb1、Rnb5は、以下のとおりであることが好ましい。
11bとしては、水素原子が好ましい。
12b~R15bとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基等が好ましい。
16bとしては、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1又は-CO-Rnb1が好ましい。
21b及びR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R21bとしては、-CO-ORnb5、-CO-NH、-CO-NH(Rnb5)、-CO-N(Rnb5、-CO-H、-CO-Rnb5又は-S(O)-Rnb5が好ましく、-CO-ORnb5、-CO-NH、-CO-NH(Rnb5)、-CO-N(Rnb5又は-CO-Rnb5がより好ましく、R22bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R16bとR21bとは、同一の基であることが好ましい。
nb5は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。Rnb5の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。Rnb5が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
21b及びR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Cの構造を形成することが好ましく、式(2a-xb)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a-xb)において、R23b及びR24bとしては、水素原子が好ましい。
21b及びR22bは、環を形成しないことも好ましい。
nb1、Rnb5としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよい。
式(I)で表される化合物(B)の第3態様に係る式(IA)で表される化合物において、R1a~R9a、Rna4、Mb+、aは、以下のとおりであることが好ましい。
1aとしては、水素原子が好ましい。
2a~R5aとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;-CO ;-S(O)等が好ましい。
6aとしては、-COO、-CO-ORna4、-CO-NH、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4、-CO-H、-CO-Rna4又は-S(O)-Rna4が好ましく、-CO-ORna4、-CO-NH、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4又は-CO-Rna4がより好ましい。
na4は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。Rna4の具体例及び好ましい例は、Rna1と同様である。Rna2が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
7aとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)が好ましく、シアノ基がより好ましい。
8a及びR9aが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R8aとしては、-COO、-CO-ORna4、-CO-NH、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4、-CO-H、-CO-Rna4又は-S(O)-Rna4が好ましく、-CO-ORna4、-CO-NH、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4又は-CO-Rna4がより好ましく、R7aとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R6aとR8aとは、同一の基であることが好ましい。
8a及びR9aが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Aの構造を形成することが好ましく、式(QQ18)で表される環を形成することが好ましい。式(QQ18)において、R25及びR26としては、水素原子が好ましい。
8a及びR9aは、環を形成しないことも好ましい。
na4としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、-CO 又は-S(O)を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、-CO 、-S(O)を有することが好ましい。
b+としては、ヒドロン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+からなる群より選ばれる一種が好ましく、ヒドロンがより好ましい。
aとしては、1~5のいずれかの整数が好ましい。
式(I)で表される化合物(B)の第4態様に係る式(IB)で表される化合物において、R1b~R7b、R17b~R18b、Rnb1、Rnb6は、以下のとおりであることが好ましい。
1bとしては、水素原子が好ましい。
2b~R5bとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基等が好ましい。
6bとしては、-CO-ORnb1、-CO-NH、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1又は-CO-Rnb1が好ましい。
7bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO 又は-S(O)が好ましく、シアノ基がより好ましい。
17b及びR18bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R17bとしては、-CO-ORnb6、-CO-NH、-CO-NH(Rnb6)、-CO-N(Rnb6、-CO-H、-CO-Rnb6又は-S(O)-Rnb6が好ましく、-CO-ORnb6、-CO-NH、-CO-NH(Rnb6)、-CO-N(Rnb6又は-CO-Rnb6がより好ましく、R18bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R6bとR17bとは、同一の基であることが好ましい。
nb6は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH及び-S(O)OHを形成することはない。Rnb6の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。Rnb6が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
17b及びR18bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Cの構造を形成するものが好ましく、式(2a)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a)において、R19b及びR20bとしては、水素原子が好ましい。
17b及びR18bは、環を形成しないことも好ましい。
nb1、Rnb6としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよい。
-CO-ORna1、-CO-ORna2、-CO-ORnb1、-CO-ORnb5、-CO-ORna4、-CO-ORnb6としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルキル基の炭素数が1~10の炭化水素基(特にアルキル基)が結合したオキシカルボニル基が好ましい。
-CO-Rna1、-CO-Rna2、-CO-Rnb1、-CO-Rnb5、-CO-Rna4、-CO-Rnb6としては、ベンゾイル基等の炭素数6~10の芳香族環が結合したカルボニル基;エチルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基;フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の炭素数1~10の芳香族環が結合した炭素数1~10のアルキル基が結合したカルボニル基が好ましい。
-CO-Rna1、-CO-Rna2、-CO-Rna4、のRna1、Rna2、Rna4は、-CO 又は-S(O)を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、該芳香族環が結合したカルボニル基;アルキル基が結合したカルボニル基;芳香族環が結合したアルキル基が結合したカルボニル基等の炭素原子には、-CO ;-S(O);メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;等が結合していてもよい。
-CO-NH(Rna1)、-CO-NH(Rna2)、-CO-NH(Rnb1)、-CO-NH(Rnb5)、-CO-NH(Rna4)、-CO-NH(Rnb6)としては、メチルアミノカルボニル基等の炭素数1~10のアルキル基が結合したアミノカルボニル基が好ましい。また、該アルキル基が結合したアミノカルボニル基、芳香族炭化水素環が結合したアミノカルボニル基等の炭素原子には、-CO が結合していてもよい。
-CO-N(Rna1、-CO-N(Rna2、-CO-N(Rnb1、-CO-N(Rnb5、-CO-N(Rna4、-CO-N(Rnb6としては、ジメチルアミノカルボニル基等の炭素数1~10のアルキル基が2つ結合したアミノカルボニル基が好ましい。
〔2-6〕式(I)で表される化合物(B)の具体例
式(I)で表される化合物(B)の好ましい態様の一つは、上記〔2-3〕で述べた第3態様である。第3態様において、好ましくは、式(IA)におけるaaは2であり、R1aは水素原子であり、R6a及びR7aの一方がシアノ基であり、R8a及びR9aの一方がシアノ基であり、Mb+はヒドロンであり、bは1であり、maは2であり、naは1である。
式(I)で表される化合物(B)のより好ましい一例は、式(P)で表される化合物である。
Figure 0007241566000021
[式(P)中、L及びLは、互いに独立に、炭素数1~10の2価の炭化水素基を表し、該炭化水素基が-CH-を含む場合、該-CH-は、-NH-に置き換わっていてもよい。Rは、水素原子又は置換基を表し、pは1~4のいずれかの整数を表す。波線は、E体、Z体、又はこれらの双方を表す。]
上記2価の炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基(例えばフェニレン基)が挙げられる。
式(I)で表される化合物(B)のより好ましい他の一例は、式(P)において、2つのCOOH基が-S(O)OH基に置き換わった化合物である。
式(I)、式(IA)、式(IB)又は式(IIB)で表される化合物の具体例としては、例えば、
下記式(Ia)で表される化合物において、R31、L、L、R32、B、n、m及びMb+の組み合わせが表1~表4に記載のいずれかである化合物、並びに、
下記式(Ib)で表される化合物において、R33、L、B、n、m及びMb+の組み合わせが表5~表6に記載のいずれかである化合物
が挙げられる。
なお、R31、R32、R33は、式(HH1)~式(HH18)で表されるいずれかの部分構造を表す。Bは、式(BB1)~式(BB9)で表されるいずれかの部分構造を表す。
Figure 0007241566000022

[式中、波線は、E体、Z体、又はこれらの双方を表す。]
Figure 0007241566000023
Figure 0007241566000024
Figure 0007241566000025
Figure 0007241566000026
Figure 0007241566000027
Figure 0007241566000028
Figure 0007241566000029
Figure 0007241566000030
表に示した化合物のうち、化合物番号28~31、37~40、46~49、55~58、73~76、82~85、91~94、136~139、154~157、190~193、199~202、208~211、244~247、298~301の化合物が好ましい。
〔2-7〕式(I)で表される化合物(B)の製造方法
式(I)で表される化合物(B)は、Rが水素原子のとき、式(pt1)で表される化合物(以下、フタロニトリル化合物ということがある。)を式(pt2)で表される化合物(以下、アルコキシド化合物ということがある。)と反応させた後、式(pt3)で表される化合物(以下、化合物(pt3)ということがある。)と式(pt4)で表される化合物(以下、化合物(pt4)ということがある。)とをさらに酸の存在下で反応させることで製造できる。
Figure 0007241566000031
[式(pt1)~式(pt8)及び式(1)中、
~R、X、Mb+、a、m、及びnは、前記と同じ意味を表す。
41及びR42は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
及びMは、アルカリ金属原子を表す。
LG及びLGは、互いに独立に、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、クロロメチルスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。
Mは、金属原子を表す。]
41、R42で表される炭素数1~20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基等が挙げられ、好ましくは炭素数1~6のアルキル基が挙げられる。
、Mで表されるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子及びカリウム原子が挙げられる。
式(pt2)で表されるアルコキシド化合物の使用量は、式(pt1)で表されるフタロニトリル化合物1モルに対して、通常、0.1モル以上10モル以下であり、好ましくは0.2モル以上5モル以下であり、より好ましくは0.3モル以上3モル以下であり、さらに好ましくは0.4モル以上2モル以下である。
化合物(pt3)及び化合物(pt4)の使用量の合計は、式(pt1)で表されるフタロニトリル化合物1モルに対して、通常、2モル以上20モル以下であり、好ましくは2モル以上10モル以下であり、より好ましくは2モル以上6モル以下であり、さらに好ましくは2モル以上4モル以下である。なお化合物(pt3)と化合物(pt4)は、同じ化合物であってもよい。
酸としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、フルオロスルホン酸、リン酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸等のスルホン酸;酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸及び酒石酸等のカルボン酸が挙げられ、好ましくは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びカルボン酸が挙げられ、より好ましくは酢酸が挙げられる。
酸の使用量は、フタロニトリル化合物1モルに対して、通常1モル以上20モル以下であり、好ましくは1モル以上10モル以下であり、より好ましくは1モル以上8モル以下であり、さらに好ましくは1モル以上6モル以下である。
フタロニトリル化合物、アルコキシド化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応は、通常、溶媒の存在下に実施される。
溶媒としては、水;アセトニトリル等のニトリル溶媒;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;アセトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;N,N-ジメチルホルムアルデヒド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒が挙げられ、好ましくは、水、ニトリル溶媒、アルコール溶媒、エーテル溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、アミド溶媒及びスルホキシド溶媒が挙げられ、より好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、さらに好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンN-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、とりわけ好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。
溶媒の使用量は、フタロニトリル化合物1質量部に対して、通常1質量部以上1000質量部以下である。
フタロニトリル化合物、アルコキシド化合物、化合物(pt3)及び化合物(pt4)の反応温度は、通常0℃以上200℃以下であり、好ましくは0℃以上100℃以下であり、より好ましくは0℃以上50℃以下である。反応時間は、通常0.5時間以上300時間以下である。
さらに化合物(pt6)を反応させることにより、Rが水素原子でない式(I)で表される化合物(B)を得ることができる。化合物(pt6)の使用量は、Rが水素原子である式(I)で表される化合物(B)1モルに対し、通常、1モル以上10モル以下であり、好ましくは1モル以上5モル以下であり、より好ましくは1モル以上3モル以下であり、さらに好ましくは1モル以上2モル以下である。
化合物(pt6)を反応させる場合、塩基を共存させることが好ましい。塩基としては、トリエチルアミン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピリジン、ピリジン、ピペリジン等の有機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムtert-ブトキシド、カリウムtert-ブトキシド等の金属アルコキシド;ブチルリチウム、tert-ブチルリチウム及びフェニルリチウム等の有機金属化合物;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等の無機塩基が挙げられる。
塩基の使用量は、Rが水素原子である式(I)で表される化合物(B)1モルに対し、通常1モル以上10モル以下であり、好ましくは1モル以上5モル以下であり、より好ましくは1モル以上3モル以下であり、さらに好ましくは1モル以上2モル以下である。
また化合物(pt6)の反応は、通常、溶媒の存在下に実施される。溶媒は、前記と同じ範囲から選択できる。
溶媒の使用量は、Rが水素原子ではない式(I)で表される化合物(B)1質量部に対して、通常1質量部以上1000質量部以下である。化合物(pt6)との反応温度は、通常-90℃以上200℃以下であり、好ましくは-80℃以上100℃以下であり、より好ましくは0℃以上50℃以下である。反応時間は、通常0.5時間以上300時間以下である。
式(I)で表される化合物(B)がスルホ基を有していない場合、式(I)で表される化合物(B)と発煙硫酸又はクロロスルホン酸等のスルホ化剤とを反応させることによって、スルホ基を導入することができる。
発煙硫酸中のSOの使用量は、式(I)で表される化合物(B)1モルに対し、通常1モル以上50モル以下であり、好ましくは5モル以上40モル以下であり、より好ましくは5モル以上30モル以下であり、さらに好ましくは5モル以上25モル以下である。発煙硫酸中の硫酸の使用量は、式(I)で表される化合物(B)1モルに対し、通常1モル以上200モル以下であり、好ましくは10モル以上100モル以下であり、より好ましくは10モル以上75モル以下であり、さらに好ましくは10モル以上50モル以下である。
クロロスルホン酸の使用量は、式(I)で表される化合物(B)1モルに対し、通常1モル以上500モル以下であり、好ましくは10モル以上300モル以下であり、より好ましくは10モル以上200モル以下であり、さらに好ましくは10モル以上150モル以下である。
スルホ化の反応温度は、通常-20℃以上200℃以下であり、好ましくは-10℃以上100℃以下であり、より好ましくは0℃以上50℃以下である。反応時間は、通常0.5時間以上300時間以下である。
式(I)で表される化合物(B)が、カルボキシ基又はスルホ基を有する場合、化合物(pt7)と化合物(pt8)とを反応させて、金属イオンMb+を含む式(I)で表される化合物(B)を製造してもよい。
反応混合物から、式(I)で表される化合物(B)を取り出す方法は特に限定されず、公知の種々の方法で取り出すことができる。例えば、反応終了後、反応混合物をろ過することによって式(I)で表される化合物(B)を取り出すことができる。また、ろ過した後、得られた残渣を溶媒で洗浄してもよい。また、ろ過した後、カラムクロマトグラフィー、再結晶又は昇華精製してもよい。
〔3〕C.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物、及びこれを含む着色剤分散液
着色剤分散液は、主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む。該共分散物を含む着色剤分散液によれば、例えば、C.I.ピグメントイエロー138(A)の分散液と、式(I)で表される化合物(B)の分散液とを別途に調製し、これらを混合してなる着色剤分散液に比べて、有意にコントラストを向上させることができる。
主成分とは、着色剤分散液に含まれる着色剤のうち、含有率(質量基準)が最も高い成分をいう。
着色剤とは、顔料及び染料に代表される色素の総称をいう。
共分散物は、C.I.ピグメントイエロー138(A)とともに式(I)で表される化合物(B)を、必要に応じて分散剤の共存下に、あるいはさらに必要に応じて樹脂の共存下に、溶剤中に分散させることにより調製できる。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂は、後述する樹脂(D)から選択されてもよい。溶剤は、後述する溶剤(G)から選択されてもよい。
共分散物は、例えば、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)を溶剤(G)の一部又は全部と混合し、必要に応じて分散剤の共存下に、あるいはさらに必要に応じて樹脂(D)の一部又は全部の共存下に、着色剤の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させることによって調製することができる。
分散剤を用いる場合、その使用量は、着色剤の総量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である。分散剤の使用量が上記の範囲にあると、均一な分散状態の共分散物が得られやすい傾向にある。
樹脂を用いる場合、その使用量は、着色剤の総量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である。樹脂の使用量が上記の範囲にあると、均一な分散状態の共分散物が得られやすい傾向にある。
共分散物及び着色剤分散液において、C.I.ピグメントイエロー138(A)の含有量は、コントラストを高める観点から、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部中、好ましくは50.1質量部以上99.9質量部以下であり、より好ましくは60質量部以上99質量部以下であり、さらに好ましくは85質量部以上99質量部以下である。
共分散物及び着色剤分散液において、式(I)で表される化合物(B)の含有量は、コントラストを高める観点から、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部中、好ましくは0.1質量部以上49.9質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上40質量部以下であり、さらに好ましくは1質量部以上15質量部以下である。
共分散物及び着色剤分散液は、それぞれ、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)以外の他の成分を含むことができる。
他の成分としては、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)以外の他の着色剤(顔料、染料)、溶剤、分散剤、樹脂、脂肪族カルボン酸金属塩(C)等が挙げられる。脂肪族カルボン酸金属塩(C)については後述する。
共分散物及び着色剤分散液は、それぞれ、他の成分を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
他の顔料としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料;
等が挙げられる。
他の顔料は、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)ともに共分散物中に共分散されていてもよいし、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)を含む共分散物に添加されて着色剤分散液に含まれていてもよい。
C.I.ピグメントイエロー138(A)、式(I)で表される化合物(B)及び他の顔料は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
染料としては、特に限定されず公知の染料を使用することができ、例えば、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられる。
染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)及び染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
また、化学構造によれば、染料としては、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
染料は、共分散物に含まれていてもよいし、共分散物に添加されて着色剤分散液に含まれていてもよい。
樹脂は、後述する樹脂(D)から選択されてもよい。溶剤は、後述する溶剤(G)から選択されてもよい。
C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計含有量は、共分散物又は着色剤分散液に含まれる着色剤100質量部中、好ましくは5質量部以上であり、より好ましくは10質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上であり、よりさらに好ましくは50質量部以上であり、とりわけ好ましくは80質量部以上であり、最も好ましくは90質量部以上である。上記合計含有量は、共分散物又は着色剤分散液に含まれる着色剤100質量部中、100質量部であってもよい。
C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計含有量は、共分散物又は着色剤分散液に含まれる固形分の総量100質量部中、好ましくは10質量部以上90質量部以下であり、より好ましくは15質量部以上80質量部以下であり、さらに好ましくは20質量部以上70質量部以下である。
本明細書において、共分散物、着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物に含まれる「固形分の総量」とは、共分散物、着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
〔4〕脂肪族カルボン酸金属塩(C)
着色剤分散液は、上記他の成分として、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含むことができる。脂肪族カルボン酸金属塩(C)をさらに含有させることは、コントラスト向上に有利となる。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、共分散物に含まれていてもよいし、共分散物に添加されて着色剤分散液に含まれていてもよい。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、金属カチオンと、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンとからなる塩である。以下、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸を「脂肪族カルボン酸(X)」ともいう。
本明細書において「脂肪族カルボン酸」とは、芳香環を有さないカルボン酸を意味する。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
脂肪族カルボン酸(X)は、カルボキシ基の炭素も含めた炭素数が1~40であり、直鎖状であってもよいし、分岐鎖状であってもよいし、環状であってもよく、直鎖状構造、分岐鎖構造及び環状構造からなる群より選択される2種以上の構造を組み合わせたものであってもよい。
脂肪族カルボン酸(X)は不飽和結合を含んでいてもよい。
脂肪族カルボン酸(X)は、分子内にヒドロキシ基を1以上有する。
脂肪族カルボン酸(X)は、分子内にカルボキシ基を1以上有する。カルボキシ基の数は、通常10以下である。
脂肪族カルボン酸(X)の炭素数は、コントラストを高める観点から、1~40であり、好ましくは10~36であり、より好ましくは12~24である。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、脂肪族カルボン酸(X)のアニオンを少なくとも1つ有していればよい。脂肪族カルボン酸金属塩(C)が有する金属カチオンの価数が2以上である場合、脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、2種以上の脂肪族カルボン酸(X)のアニオンを有していてもよく、脂肪族カルボン酸(X)のアニオンと、脂肪族カルボン酸(X)のアニオン以外の他のアニオンとを有していてもよい。
上記他のアニオンとしては特に制限されず、ハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン等であってもよいが、好ましくは脂肪族カルボン酸(X)以外の脂肪族カルボン酸のアニオンである。
脂肪族カルボン酸(X)以外の脂肪族カルボン酸とは、ヒドロキシ基を有さない脂肪族カルボン酸を意味し、例えば、ヒドロキシ基を有しない以外は、脂肪族カルボン酸(X)と同様の構造を有するものが挙げられる。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)が有するアニオンは、脂肪族カルボン酸(X)のアニオンのみから構成されることが好ましい。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)が有する金属カチオンは、コントラストを高める観点から、2価以上10価以下の金属カチオンであることが好ましい。2価以上の金属カチオンとしては、元素の周期律表の2族~15族に属する金属のカチオンが挙げられる。金属カチオンは、好ましくは2価以上6価以下の金属カチオンである。
金属カチオンは、
より好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+及びMn2+等の2価の金属カチオン;Al3+、Fe3+、Co3+及びCr3+等の3価の金属カチオン;Sn4+及びMn4+等の4価の金属カチオンであり、
さらに好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Co3+、Cr3+、Sn4+及びMn4+であり、
とりわけ好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Co3+、Cr3+及びMn4+であり、
一層好ましくは、Fe2+、Co2+、Fe3+及びCo3+である。
脂肪族カルボン酸金属塩(A)は、2種以上の金属カチオンを有していてもよい。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、具体的には、以下の式(Aa)で表される化合物であってよい。
Figure 0007241566000032
[式(Aa)中、
Dは、ヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素を表す。
aは、1~10のいずれかの整数を表し、好ましくは1~3のいずれかの整数である。aが複数存在するとき、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
Dの炭素数+aは、1~40のいずれかの整数である。
bは、1以上のいずれかの整数を表す。bが2以上のいずれかの整数を表すとき、『[D]-(CO 』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
k-は、『[D]-(CO 』以外のアニオンを表す。
kは、1~10のいずれかの整数を表し、好ましくは1~6のいずれかの整数である。
mは、0以上のいずれかの整数を表す。mが2以上のいずれかの整数を表すとき、『Jk-』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
c+は、c価の金属カチオンを表し、具体例は上述のとおりである。
cは、2~10のいずれかの整数を表し、好ましくは2~6のいずれかの整数である。
dは、1以上のいずれかの整数を表す。dが2以上のいずれかの整数を表すとき、『Ac+』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
ただし、
Figure 0007241566000033

及び
Figure 0007241566000034

の合計の価数と、
Figure 0007241566000035

の価数とは等しい。]
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、例えば、脂肪族カルボン酸(X)をアルカリ水溶液に溶解させた後、金属カチオンを有する塩(例えばハロゲン化物等)を添加することによって生じる沈殿物として得ることができる。得られた脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、必要に応じて、洗浄等の精製処理に供されてもよい。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)としては、具体的には、例えば、下記の式(AA)において、M、L、p及びqが各々、下記の[表A]で表される化合物、[表A]の化合物AA1~AA22において、MがFe2+の代わりにMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Co2+、Sn2+、Pb2+、又はMn2+である化合物、[表B]で表される化合物、[表B]の化合物AA23~AA44において、MがFe3+の代わりにAl3+、Co3+又はCr3+である化合物、及び[表C]で表される化合物が挙げられる。
(AA)
Figure 0007241566000036
Figure 0007241566000037
Figure 0007241566000038
Figure 0007241566000039
また、脂肪族カルボン酸(X)のアニオンと、脂肪族カルボン酸(X)のアニオン以外の他のアニオンとを有する脂肪族カルボン酸金属塩(C)としては、例えば下記式で表される塩が挙げられる。
Figure 0007241566000040
共分散物又は着色剤分散液が脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含む場合、脂肪族カルボン酸金属塩(C)の含有量は、共分散物又は着色剤分散液に含まれる固形分の総量100質量部中、好ましくは0.01質量部以上25質量部以下であり、より好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、さらに好ましくは0.2質量部以上15質量部以下であり、とりわけ好ましくは0.3質量部以上10質量部以下である。脂肪族カルボン酸金属塩(C)の含有量が上記の範囲内にあると、コントラストを有意に向上させることができる。
また、脂肪族カルボン酸金属塩(C)の含有量は、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以上15質量部以下であり、さらに好ましくは0.5質量部以上13質量部以下である。
<着色硬化性樹脂組成物>
着色硬化性樹脂組成物は、上記着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む。
着色硬化性樹脂組成物は、重合性化合物(E)及び重合開始剤(F)をさらに含むことが好ましく、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及び溶剤(G)をさらに含むことがより好ましい。
着色硬化性樹脂組成物は、重合開始助剤(F1)及び/又はレベリング剤(H)をさらに含んでいてもよい。
上記着色硬化性樹脂組成物によれば、それから形成されるカラーフィルタ及びそれを用いた表示装置のコントラストを良好なものとすることができる。
以下、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
〔1〕着色硬化性樹脂組成物における着色剤分散液の含有量
明度の観点から、着色剤分散液は、それに含まれる着色剤の含有量(又はC.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計含有量)が、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部中、好ましくは0.1質量部以上90質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上80質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上70質量部以下となるように、着色硬化性樹脂組成物に含有される。
〔2〕樹脂(D)
樹脂(D)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」ということがある。)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。
樹脂(D)は、さらに、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」ということがある。)に由来する構造単位、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」ということがある。)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
(a)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群より選ばれる少なくとも一種)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体であることが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が好ましい。
側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位を有する樹脂は、(a)と(c)との共重合体に(b)を付加させるか、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させることにより製造することができる。該樹脂は、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させさらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂であってもよい。
樹脂(D)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3000以上100000以下であり、より好ましくは5000以上50000以下であり、さらに好ましくは5000以上30000以下である。
樹脂(D)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1以上6以下であり、より好ましくは1.2以上4以下である。
樹脂(D)の酸価は、固形分換算で、好ましくは20mg-KOH/g以上170mg-KOH/g以下であり、より好ましくは30mg-KOH/g以上150mg-KOH/g以下、さらに好ましくは40mg-KOH/g以上135mg-KOH/g以下である。
酸価は、樹脂(D)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
樹脂(D)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部中、好ましくは7質量部以上65質量部以下であり、より好ましくは13質量部以上60質量部以下であり、さらに好ましくは17質量部以上55質量部以下である。
〔3〕重合性化合物(E)
重合性化合物(E)は、重合開始剤(F)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合し得る化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
中でも、重合性化合物(E)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
重合性化合物(E)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2900以下、より好ましくは250以上1500以下である。
重合性化合物(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部中、好ましくは7質量部以上65質量部以下であり、より好ましくは13質量部以上60質量部以下であり、さらに好ましくは15質量部以上55質量部以下である。
〔4〕重合開始剤(F)
重合開始剤(F)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始し得る化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
重合開始剤(F)の含有量は、樹脂(D)及び重合性化合物(E)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上20質量部以下である。重合開始剤(F)の含有量が、上記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
〔5〕重合開始助剤(F1)
重合開始助剤(F1)は、重合開始剤(F)によって重合が開始された重合性化合物(E)の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(F1)を含む場合、通常、重合開始剤(F)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(F1)としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントン、N-フェニルグリシン等が挙げられる。
重合開始助剤(F1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(D)及び重合性化合物(F)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤(F1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
〔6〕溶剤(G)
溶剤(G)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
溶剤(G)としては、
乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤);
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤);
3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤);
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤);
ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤);
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;等が挙げられる。
溶剤(G)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンがより好ましい。
溶剤(G)を含む場合、溶剤(G)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量100質量部中、好ましくは70質量部以上95質量部以下であり、より好ましくは75質量部以上92質量部以下である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量は、着色硬化性樹脂組成物の総量100質量部中、好ましくは5質量部以上30質量部以下、より好ましくは8質量部以上25質量部以下である。
溶剤(G)の含有量が上記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
〔7〕レベリング剤(H)
レベリング剤(H)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
フッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
レベリング剤(H)を含む場合、レベリング剤(F)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量100質量部中、好ましくは0.001質量部以上0.2質量部以下であり、より好ましくは0.002質量部以上0.1質量部以下である。なお、この含有量に、分散剤の含有量は含まれない。レベリング剤(H)の含有量が上記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
〔8〕その他の成分
着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
該添加剤は、上記着色剤分散液又は共分散物に含まれていてもよい。
〔9〕着色硬化性樹脂組成物の製造方法
着色硬化性樹脂組成物は、着色剤分散液及び樹脂(D)、並びに必要に応じて用いられる重合性化合物(E)、重合開始剤(F)、溶剤(G)、重合開始助剤(F1)、レベリング剤(H)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
<カラーフィルタの製造方法>
着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。
着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物が、上記共分散物を含むことにより、コントラストに優れたカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
以下、実施例によって本発明について、より詳細に説明する。例中の「%」及び「部」は、特記ない限り、質量%及び質量部である。
<合成例1:化合物(I)の調製>
フタロニトリル(東京化成工業(株)製)3部とメタノール300部を混合した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)2.71部を、30分かけて滴下し、5℃で6時間撹拌した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、酢酸14部を加えた。得られた混合物に、4-(2-シアノアセチル)安息香酸(US2680731に記載の方法に準じて合成)14部を加え、45℃で26時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、残渣を水300部、メタノール300部、N,N-ジメチルホルムアミド15部の順で洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥して、下記式で表される化合物(I)を10部得た(収率83%)。
Figure 0007241566000041
[化合物(I)の同定]
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H] 490
Exact Mass: 489
<合成例2:化合物(II)の調製>
フタロニトリル(東京化成工業(株)製)7.02部とメタノール61.6部を混合した。得られた混合物の温度を2℃に保ちながら、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)8.20部とメタノール74.6部との混合物を、1時間30分かけて滴下した。得られた混合物を、2℃で6時間15分撹拌した。得られた混合物の温度を4℃以下に保ちながら、酢酸10.7部を加えた。得られた混合物に、ベンゾイルアセトニトリル(東京化成工業(株)製)17.6部を加え、室温で44時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、残渣をメタノール800部で洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥して、下記式で表される化合物(IIa)を18.0部得た。
Figure 0007241566000042
[化合物(IIa)の同定]
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H] 402
Exact Mass: 401
次に、3℃の発煙硫酸(25%)(和光純薬工業(株)製)7.6部を撹拌しながら、上で得られた化合物(IIa)0.513部を加えた。得られた混合物に発煙硫酸(25%)(和光純薬工業(株)製)3.8部を加えた。得られた混合物を撹拌しながら、3時間30分かけて15℃まで上げた。得られた混合物に氷水139部を加え、さらに塩化ナトリウム38.2部を加えた。得られた混合物をろ過し、得られた残渣を21.5%塩化ナトリウム水溶液64部で洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥して、下記式で表される化合物(II)(化合物(IIa)に2個のスルホ基が結合された化合物)1.02部を得た。
Figure 0007241566000043
[化合物(II)の同定]
(質量分析)イオン化モード=ESI-: m/z=[M-H] 560
Exact Mass: 561
<合成例3:樹脂(D)の調製>
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)289部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約6時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分35.1%の共重合体(樹脂(D))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度は2.08、固形分換算の酸価は77mg-KOH/gであった。樹脂(D)は下記構造単位を有する。
Figure 0007241566000044
樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン(THF)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を分散度とした。
<合成例4:脂肪族カルボン酸金属塩(C)分散液(分散液(C))の調製>
(脂肪族カルボン酸金属塩(C)の合成)
ビーカーに100部の純水及び5部の12-ヒドロキシステアリン酸(東京化成工業(株)製)を混合した。この混合物に、70℃で1%水酸化ナトリウム水溶液65部を加えた。これを70℃~75℃を保ちながら、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業(株)製)2部と水40部の混合物を約2時間30分かけて滴下した。この混合物を70℃~75℃に保ちながら約1時間撹拌した。この混合物を35℃まで冷却し、ろ過した。
得られた残渣を水245部で3回洗浄し、60℃で減圧乾燥して、アニオン成分として12-ヒドロキシステアリン酸アニオンを含むカルボン酸鉄(III)塩(下記式(c)で表される塩)を得た。以下、この塩を脂肪族カルボン酸金属塩(C)という。
Figure 0007241566000045
(分散液(C)の調製)
脂肪族カルボン酸金属塩(C) 2.50部;
分散剤1 4.00部;
溶剤(G):PGMEA 68.50部;及び
溶剤(G):DAA 25.00部;を混合して、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を分散させることにより、分散液(C)を得た。
配合成分の詳細は次のとおりである。
〔1〕脂肪族カルボン酸金属塩(C):合成例4で得られた脂肪族カルボン酸金属塩(C)
〔2〕分散剤1:分散剤(DISPERBYK-111;ビックケミー・ジャパン(株)製)
〔3〕PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔4〕DAA:ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)
<実施例1~7、比較例1~5:着色剤分散液の調製>
表7に示す着色剤、分散剤2、合成例3で得られた樹脂(D)溶液、合成例4で得られた分散液(C)〔使用しない例あり〕、及び表7に示す溶剤(G)を混合し、ビーズミルを用いて、各着色剤分散液を得た。
実施例1、実施例4、実施例6及び比較例2の着色剤分散液は、2種の着色剤の共分散物を含む。実施例2、実施例3、実施例5、実施例7、比較例3及び比較例4の着色剤分散液は、2種の着色剤の共分散物及び分散液(C)(脂肪族カルボン酸金属塩(C)分散液)を含む。
各実施例、比較例で得られた着色剤分散液の組成を表7に示す。表7の数値の単位は、質量部である。表7における溶剤(G)には、樹脂(D)溶液中及び分散液(C)中の溶剤が含まれている。
Figure 0007241566000046
着色剤分散液に含まれる配合成分の詳細は次のとおりである。
〔1〕Y138:C.I.ピグメントイエロー138
〔2〕Y185:C.I.ピグメントイエロー185
〔3〕化合物(I):合成例1で得られた化合物(I)
〔4〕化合物(II):合成例2で得られた化合物(II)
〔5〕脂肪族カルボン酸金属塩(C):合成例4で得られた脂肪族カルボン酸金属塩(C)
〔6〕分散剤2:分散剤(BYK-LP N 6919;ビックケミー・ジャパン(株)製)
〔7〕樹脂(D):合成例3で得られた樹脂(D)溶液中に含まれる樹脂(D)
〔8〕PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔9〕DAA:ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)
<実施例8~16、比較例6~10>
(1)着色硬化性樹脂組成物の調製
実施例8~14及び比較例6~10においては、それぞれ実施例1~7、比較例1~5の着色剤分散液と、樹脂(D)溶液、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及びレベリング剤(H)とを混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
実施例15及び16においては、実施例1の着色剤分散液と、合成例4で得られた分散液(C)と、樹脂(D)溶液、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及びレベリング剤(H)とを混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
なお、着色硬化性樹脂組成物の調製にあたり、着色硬化性樹脂組成物の固形分が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を添加した。
各実施例、比較例で使用した着色剤分散液、及び、各実施例、比較例で得られた着色硬化性樹脂組成物における溶剤(G)を除く組成を表8に示す。表8における各成分の配合量の単位は、質量部である。
Figure 0007241566000047
重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及びレベリング剤(H)の詳細は次のとおりである。
〔1〕重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)
〔2〕重合開始剤(F):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASFジャパン社製)
〔3〕レベリング剤(H):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
(2)着色塗膜の作製
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cmの露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後の着色組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に24℃で10秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
(3)膜厚測定
上記(2)で得られた着色塗膜について、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定した。
得られた着色塗膜の膜厚は、いずれの実施例及び比較例においても2.0μmであった。
(4)色度評価
上記(2)で得られた着色塗膜について、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)を測定した。結果を表8に示す。
(5)コントラスト評価
上記(2)で得られた着色塗膜について、コントラスト計(CT-1;壺坂電機社製、色彩色差計BM-5A;トプコン社製、光源;F-10、偏光フィルム;壷坂電機(株)製)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。結果を表8に示す。着色塗膜におけるコントラストが高ければ、着色パターンにおいても同様に高コントラストであるといえる。
本発明によれば、コントラストの改善されたカラーフィルタ、及びそれを含む表示装置を提供することができる。

Claims (8)

  1. 主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む、着色剤分散液であって、
    C.I.ピグメントイエロー138(A)の含有量は、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部中、60質量部以上99質量部以下である着色剤分散液
    Figure 0007241566000048

    [式(I)中、
    aは、式(I)で表される化合物が有する-CO 及び-S(O)の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である
    式(1a-x)で表される基を表す。
    Figure 0007241566000049

    (式(1a-x)中、
    21 は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH -及び該複素環基が環を構成しない-CH -を含むときの該-CH -は、-O-、-CO-、-S(O) -又は-NR na -に置き換わっていてもよい。ただし、-CH -が置き換わることで-COOH又は-S(O) OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    22 は、シアノ基を表す。
    na は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    *1は、イソインドリン環との結合手を表す。)
    、水素原子を表
    ~R は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH-及び該複素環基が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna(R na は、前記と同じ意味を表す。)に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-S(O) 有していてもよい。
    とR、RとR及び、とR らなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH-を含むときの該-CH-は、-O-、-CO-、-S(O)-又は-NRna(R na は、前記と同じ意味を表す。)に置き換わっていてもよい。ただし、-CH-が置き換わることで-COOH又は-S(O)OHを形成することはない。該環は、-CO 及び-S(O)からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    は、-CO-R na1 を表す。
    na1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 及び-S(O) からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
    は、シアノ基を表す。
    b+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO 又は-S(O)と一緒になって-COH及びS(O)OHとして存在する。
    bは、1~6のいずれかの整数を表す。
    mは、Mb+の個数を表す。
    nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。
  2. 21 は、-CO-R na2 を表し、R na2 は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す、請求項1に記載の着色剤分散液。
  3. aは、0~5のいずれかの整数である、請求項1又は2に記載の着色剤分散液。
  4. b+ は、ヒドロンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色剤分散液。
  5. ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の着色剤分散液。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む、着色硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1~5のいずれか1項に記載の着色剤分散液又は請求項6に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される、カラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
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