JP7241566B2 - 着色剤分散液、着色硬化性樹脂組成物、カラーフィルタ及び表示装置 - Google Patents
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Description
[1] 主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む、着色剤分散液。
aは、式(I)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2O-の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である。
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
XはCR8R9を表し、
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2~R9は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、及び、R8とR9からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rnaは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rnaが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Mb+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO2 -又は-S(O)2O-と一緒になって-CO2H及びS(O)2OHとして存在する。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
mは、Mb+の個数を表す。
nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。
nは1を表し、かつmは0を表す。
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R2~R5は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R6は、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)2-Rnb1を表す。
ただし、R6が-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R2~R5は、(ib)及び(iib)の少なくとも一方を充足する。
(ib)R2~R5の少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
(iib)R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。R2~R5のうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R7は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。またR7は、R6及びR7が結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
Xは、式(1a)で表される基を表す。
R17b及びR18bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R17bとR18bは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
Rnbは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnbが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rnb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。Rnb1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rnb10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnb10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。]
R19b及びR20bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rnbは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
R2~R5は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R6は、-CO-ORna1、-CO-NH2、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1)2、-CO-H、-CO-Rna1又は-S(O)2-Rna1を表す。
ただし、R6が-CO-NH(Rna1)を表す場合、R2~R5は、(ia)及び(iia)の少なくとも一方を充足する。
(ia)R2~R5の少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
(iia)R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R2~R5のうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R7は、シアノ基を表す。
Xは、式(1a-x)で表される基を表す。
R21及びR22は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R21とR22とは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
Rnaは、前記と同じ意味を表す。
Rna1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rna1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rna10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rna10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
b)aが0である場合、
R7は、シアノ基を表す、[1]又は[2]に記載の着色剤分散液。
R23及びR24は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rnaは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
[6] [1]~[5]のいずれかに記載の着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む、着色硬化性樹脂組成物。
[7] [1]~[5]のいずれかに記載の着色剤分散液又は[6]に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される、カラーフィルタ。
[8] [7]に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
本発明の着色剤分散液は、C.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む。
上記着色剤分散液によれば、C.I.ピグメントイエロー138(A)を主成分とするにもかかわらず、該着色剤分散液又は該着色剤分散液を含む着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ及びそれを用いた表示装置のコントラストを良好なものとすることができる。
着色剤分散液は、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)をさらに含むことができる。以下、ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)を「脂肪族カルボン酸金属塩(C)」ともいう。
以下、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
共分散物に含まれるC.I.ピグメントイエロー138(A)は、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている黄色顔料である。
共分散物は、式(I)で表される化合物(B)を含む。
aは、式(I)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2O-の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である。
XはCR8R9を表し、
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2~R9は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、R4とR5、R6とR7、及び、R8とR9からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rnaは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rnaが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Mb+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO2 -又は-S(O)2O-と一緒になって-CO2H及びS(O)2OHとして存在する。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
mは、Mb+の個数を表す。
nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。
nは1を表し、かつmは0を表す。
R1は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R2~R5は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R6は、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)2-Rnb1を表す。
ただし、R6が-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R2~R5は、(ib)及び(iib)の少なくとも一方を充足する。
(ib)R2~R5の少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
(iib)R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。R2~R5のうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R7は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。またR7は、R6及びR7が結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
Xは、式(1a)で表される基を表す。
R17b及びR18bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R17bとR18bは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
Rnbは、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnbが複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rnb1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。Rnb1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rnb10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表す。Rnb10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。]
R19b及びR20bは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rnbは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
式(I)で表される化合物(B)の好ましい一態様である第1態様において、
式(I)中、
a)aが1~10のいずれかの整数である場合、
R2~R5は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5の少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R6は、-CO-ORna1、-CO-NH2、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1)2、-CO-H、-CO-Rna1又は-S(O)2-Rna1を表す。
ただし、R6が-CO-NH(Rna1)を表す場合、R2~R5は、(ia)及び(iia)の少なくとも一方を充足する。
(ia)R2~R5の少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
(iia)R2とR3、R3とR4、及び、R4とR5からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。R2~R5のうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R7は、シアノ基を表す。
Xは、式(1a-x)で表される基を表す。
R21及びR22は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R21とR22とは、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。]
Rnaは、前記と同じ意味を表す。
Rna1は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。Rna1が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
Rna10は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、Rna10が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。
R7は、シアノ基を表す。
R23及びR24は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rnaは、前記と同じ意味を表す。
*2は、イソインドリン環との結合手を表す。]
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第2態様は、上記第1態様において、aが0である式(IIB)で表される化合物である。
R11b~R15bは、それぞれ、式(I)においてaが0である場合のR1~R5と同じ意味を表す。
R12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R16bは、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)2-Rnb1を表す。
ただし、R16bが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R12b~R15bは、(ixb)及び(iixb)の少なくとも一方を充足する。
(ixb)R12b~R15bの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
(iixb)R12bとR13b、R13bとR14b、及び、R14bとR15bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。R12b~R15bのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
X1bは、式(1a-xb)で表される基を表す。
R21b、R22b及び*1は、それぞれ、式(1a)中のR17b、R18b及び*1と同じ意味を表す。]
Rnb及びRnb1は、前記と同じ意味を表す。]
R23b、R24b及び*2は、それぞれ、式(2a)中のR19b、R20b及び*2と同じ意味を表す。
Rnbは、前記と同じ意味を表す。]
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第3態様は、式(I)中のa(すなわち、式(I)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2O-の合計数)が1~10のいずれかの整数である式(IA)で表される化合物である。
R1a~R9aは、それぞれ、式(I)においてaが1~10のいずれかの整数である場合のR1~R9と同じ意味を表す。
R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R6aとR7a、及び、R8aとR9aからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rna及びMb+は、前記と同じ意味を表す。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
aaは、式(IA)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2O-の合計数を表し、1~10のいずれかの整数である。
maは、Mb+の個数を表す。
naは、na=b×ma/aaの関係を満たす数である。]
式(I)で表される化合物(B)の他の好ましい一態様である第4態様は、式(I)中のaが0である式(IB)で表される化合物である。
R1b~R5bは、それぞれ、式(I)においてaが0である場合のR1~R5と同じ意味を表す。
R2bとR3b、R3bとR4b、及び、R4bとR5bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R6bは、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2、-CO-H、-CO-Rnb1又は-S(O)2-Rnb1を表す。
ただし、R6bが-CO-NH(Rnb1)を表す場合、R2b~R5bは、(ibb)及び(iibb)の少なくとも一方を充足する。
(ibb)R2b~R5bの少なくとも一つが、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
(iibb)R2bとR3b、R3bとR4b、及び、R4bとR5bからなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成しており、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。R2b~R5bのうち環を形成しないものは、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
R7bは、式(I)においてaが0である場合のR7と同じ意味を表す。R7bは、R6b及びR7bが結合する炭素原子と一緒になって環を形成していてもよい。
Xbは、式(I)においてaが0である場合のXと同じ意味を表す。
Rnb、Rnb1及びRnb10は、前記と同じ意味を表す。]
炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRna-、-NRnb-、-NRna10-又は-NRnb10-等に置き換わって形成される基の炭素数は、該基によって置換される前の炭化水素基の炭素数である。
炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-CO-、-S(O)2-、-NRna-、-NRnb-、-NRna10-又は-NRnb10-に置き換わることによって形成される基を総称して、以下、「基(Z)」ともいう。
R1~R9、R11b~R16b、R1a~R9a、R1b~R7b、Rna、Rnb、Rna1、Rnb1、Rna10、Rnb10、R17b~R24b、R21~R24で表される基は通常、1価の基である。
aが1~10のいずれかの整数である場合において、R1~R9、R1a~R9a、R21~R24及びRnaで表される炭化水素基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
Rna1、Rnb1、Rna10及びRnb10で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~28であり、より好ましくは1~18であり、さらに好ましくは1~13であり、さらにより好ましくは1~8であり、さらにより一層好ましくは1~6であり、特に好ましくは1~3である。
上記飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~30であり、より好ましくは3~20であり、さらに好ましくは4~20であり、さらにより好ましくは4~15であり、より一層好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10であり、中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基又はシクロオクチル基であることがとりわけ好ましい。
鎖状炭化水素基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基の炭素数は、好ましくは4~30であり、より好ましくは4~20であり、さらに好ましくは4~15である。
上記芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~15である。
鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基の少なくとも一つを芳香族炭化水素基と組み合わせた基の炭素数は、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~20であり、さらに好ましくは7~15である。
メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基及びブチルチオ基等の炭素数1~10のアルキルスルファニル基;
フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;
ニトロ基;シアノ基;
トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロヘプチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロノニル基、パーフルオロデシル基、パーフルオロシクロヘキシル基及びパーフルオロフェニル基等の水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基;
*-CO-SH;
*-CO-S-CH3、*-CO-S-CH2CH3、*-CO-S-CH2-CH2-CH3、及び*-CO-S-CH2-CH2-CH2-CH3等のアルキル基(該アルキル基の炭素数は1~10)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;
*-CO-S-C6H5等のアリール基(該アリール基の炭素数は6~20)と結合した硫黄原子と結合したカルボニル基;
*-OP(O)(ORnb2)2;
*-Si(Rnb2)(Rnb3)(Rnb4);等が挙げられる。
[前記式中、
*は、上記炭化水素基との結合手を表す。
Rnb2、Rnb3、Rnb4は、同一であってもよく異なっていてもよく、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-、-Nnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rnb10は、前記と同じ意味を表す。
Rnb2、Rnb3、Rnb4の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。]
アルキル基が置換したイミノ基としては、CH3-N=、CH3-CH2-N=、CH3-(CH2)2-N=、CH3-(CH2)3-N=等が挙げられる。
アリール基が置換したイミノ基としては、C6H5-N=等が挙げられる。
ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20の炭化水素基;チオカルボニル基;*-OP(O)(ORnb2)2;*-Si(Rnb2)(Rnb3)(Rnb4);等が好ましく、
ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~20の炭化水素基;チオカルボニル基;等がより好ましく、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子;ニトロ基;シアノ基;水素原子の全てをフッ素原子で置換した炭素数1~10の炭化水素基;チオカルボニル基;等がさらに好ましい。
aが0である場合、R1~R5、R7、R11b~R15b、R1b~R5b、R7b、R17b~R24bで表される炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rna1で表される炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rnb1で表される炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、(2-エチル)ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、フェニルオキシ基、及びo-トリルオキシ基等の炭素数が1~20、より好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;
エポキシ基;
ホルミル基;
アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、tert-ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、(2-エチル)ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、及びベンゾイル基等の炭素数が2~22、好ましくは炭素数が2~12のアシル基(好ましくはアルカノイル基);
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、(2-エチル)ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基及びオクチルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、及びo-トリルオキシカルボニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;
アミノ基;
N-メチルアミノ基、N,N-ジメチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N,N-ジプロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N,N-ジブチルアミノ基、N-イソブチルアミノ基、N,N-ジイソブチルアミノ基、N-sec-ブチルアミノ基、N,N-ジsec-ブチルアミノ基、N-tert-ブチルアミノ基、N,N-ジtert-ブチルアミノ基、N-ペンチルアミノ基、N,N-ジペンチルアミノ基、N-(1-エチルプロピル)アミノ基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)アミノ基、N-ヘキシルアミノ基、N,N-ジヘキシルアミノ基、N-(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルアミノ基、N-ヘプチルアミノ基、N,N-ジヘプチルアミノ基、N-オクチルアミノ基、N,N-ジオクチルアミノ基、N-ノニルアミノ基、N,N-ジノニルアミノ基、N-フェニルアミノ基、N,N-ジフェニルアミノ基、N,N-エチルメチルアミノ基、N,N-プロピルメチルアミノ基、N,N-イソプロピルメチルアミノ基、N,N-ブチルメチルアミノ基、N,N-tert-ブチルメチルアミノ基、及びN,N-フェニルメチルアミノ基等の1つ又は2つの炭素数1~10、好ましくは炭素数1~20の炭化水素基で置換されたアミノ基;
スルファモイル基;
N-メチルスルファモイル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N,N-ジプロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N,N-ジイソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N,N-ジブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N,N-ジイソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N,N-ジsec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N,N-ジtert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N,N-ジペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジヘキシルスルファモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルスルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N,N-ジヘプチルスルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N,N-ジオクチルスルファモイル基、N,N-オクチルメチルスルファモイル基、N-ノニルスルファモイル基、N,N-ジノニルスルファモイル基、N-フェニルスルファモイル基、N,N-ジフェニルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、及びN,N-フェニルメチルスルファモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたスルファモイル基;
ホルミルアミノ基;アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、2,2-ジメチルプロパノイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基、(2-エチル)ヘキサノイルアミノ基、ヘプタノイルアミノ基、オクタノイルアミノ基、ノナノイルアミノ基、デカノイルアミノ基、ウンデカノイルアミノ基、ドデカノイルアミノ基、ヘンイコサノイルアミノ基、及びベンゾイルアミノ基等の炭素数1~22、好ましくは炭素数1~12のアルカノイルアミノ基;
ヒドロキシ基;
ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、2,2-ジメチルプロパノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、(2-エチル)ヘキサノイルオキシ基、ヘプタノイルオキシ基、オクタノイルオキシ基、ノナノイルオキシ基、及びベンゾイルオキシ基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10のアルカノイルオキシ基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、(2-エチル)ヘキシルスルホニル基、ヘプチルスルホニル基、オクチルスルホニル基、ノニルスルホニル基、デシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、及びp-トリルスルホニル基等の炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基が置換したスルホニル基;
カルバモイル基;
N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチルカルバモイル基、N-エチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N-プロピルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N-イソプロピルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N-ブチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N-イソブチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N-sec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N-tert-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N-ペンチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N-(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N-ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N-(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N-ヘプチルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N-オクチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N-ノニルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N-フェニルカルバモイル基、N,N-ジフェニルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、及びN,N-フェニルメチルカルバモイル基等の1つ又は2つの炭素数1~20、好ましくは炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基;
*-COCORnb2;
*-OCON(Rnb2)2;
*-N(Rnb2)COORnb2;等が挙げられる。
[前記式中、
*は、結合手を表す。
Rnb2は、複数個存在する場合、同一であってもよく異なっていてもよく、前記と同じ意味を表す。]
上記複素環基の炭素数は、好ましくは2~30であり、より好ましくは3~22であり、さらに好ましくは3~20であり、さらにより好ましくは3~18であり、より一層好ましくは3~15であり、特に好ましくは3~14である。
aが1~10のいずれかの整数である場合において、R1~R9、R21~R24、Rna及びRna1で表される複素環基は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
なお、上記の複素環の結合位は、各環に含まれる任意の水素原子が脱離した部分である。
aが0である場合、R1~R5、R7、R11b~R15b、R1b~R5b、R7b、R17b~R24bで表される複素環基は、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rna1で表される複素環基は、環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
Rnb1で表される環を構成しない-CH2-を含むとき、該-CH2-が、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよく、この場合、該複素環基は、上記基(Z)を含む。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。
脂肪族炭化水素環の炭素数は、例えば、3~30であり、好ましくは3~20であり、より好ましくは4~20であり、さらに好ましくは4~15であり、さらにより好ましくは5~15であり、特に好ましくは5~10である。
芳香族炭化水素環の炭素数は、例えば、6~30であり、好ましくは6~20であり、より好ましくは6~15である。
R2とR3、R3とR4、R4とR5、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、該複素環基は、R2~R5、R12b~R15b、R2a~R5a、又はR2b~R5bが結合するベンゼン環と共に2環以上の環構造を有している。この2環以上の環構造を有する複素環としては、例えば、下記式の構造を有する複素環が挙げられる。
R11b~R16b、R21b及びR22bの少なくとも1つ、好ましくはR16b、R21b及びR22bの少なくとも1つ、より好ましくはR16bと、R21b及びR22bの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
R1a~R9aの少なくとも1つ、好ましくはR6a~R9aの少なくとも1つ、より好ましくはR6a及びR7aの一方とR8a及びR9aの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
R1b~R7b、R17b及びR18bの少なくとも1つ、好ましくはR6b、R7b、R17b及びR18bの少なくとも1つ、より好ましくはR6b及びR7bの一方と、R17b及びR18bの一方は、炭化水素基であることが好ましい。
N,N-ジメチルカルバモイル基、N,N-エチルメチルカルバモイル基、N,N-ジエチルカルバモイル基、N,N-プロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジプロピルカルバモイル基、N,N-イソプロピルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソプロピルカルバモイル基、N,N-tert-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジイソブチルカルバモイル基、N,N-ジsec-ブチルカルバモイル基、N,N-ジtert-ブチルカルバモイル基、N,N-ブチルメチルカルバモイル基、N,N-ジブチルカルバモイル基、N,N-ブチルオクチルカルバモイル基、N,N-ジペンチルカルバモイル基、N,N-ジ(1-エチルプロピル)カルバモイル基、N,N-ジヘキシルカルバモイル基、N,N-ジ(2-エチル)ヘキシルカルバモイル基、N,N-ジヘプチルカルバモイル基、N,N-オクチルメチルカルバモイル基、N,N-ジオクチルカルバモイル基、N,N-ジノニルカルバモイル基、N,N-デシルメチルカルバモイル基、N,N-ウンデシルメチルカルバモイル基、N,N-ドデシルメチルカルバモイル基、N,N-イコシルメチルカルバモイル基、N,N-フェニルメチルカルバモイル基及びN,N-ジフェニルカルバモイル基等の2つの炭素数1~35の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が好ましく、より好ましくは1つ又は2つの炭素数1~10の炭化水素基で置換されたカルバモイル基等が挙げられる。
炭化水素基が結合したカルボニル基である-CO-Rna1、-CO-Rnb1において、該炭化水素基が、塩素原子等のハロゲン原子;スルファモイル基;ヒドロキシ基;メトキシ基等の炭素数1~10の炭化水素基が片側に結合したオキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;等を有していてもよい。
-CO-Rna1において、炭化水素基が結合したカルボニル基では、該炭化水素基が-CO2 -及び-S(O)2O-等を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、R4とR5、R12bとR13b、R13bとR14b、R14bとR15b、R2aとR3a、R3aとR4a、R4aとR5a、R2bとR3b、R3bとR4b、又はR4bとR5bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって形成してもよい環と前記ベンゼン環との縮合環構造としては、インデン、ナフタレン、ビフェニレン、インダセン、アセナフチレン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、N-メチルフタルイミド、N-(1-フェニルエチル)フタルイミド及びテトラセン等の炭化水素系縮環構造及びその部分還元体(例えば、9,10-ジヒドロアントラセン、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン等);インドール、イソインドール、インダゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントロリン、フェナジン等の含窒素縮合複素環及びその部分還元体;3-ヒドロベンゾフラン2-オン等の含酸素縮合複素環及びその部分還元体が挙げられる。
2価以上の金属陽イオンとしては、元素の周期律表の2族~15族の金属の陽イオンが挙げられ、好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+及びMn2+等の2価の金属陽イオン;Al3+、Fe3+及びCr3+等の3価の金属陽イオン;Sn4+、Mn4+、Ce4+等の4価の金属陽イオンが挙げられ、より好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+、Sn4+及びMn4+が挙げられ、さらに好ましくはMg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+が挙げられる。
なお、Mb+がヒドロンである場合、該ヒドロンは、-CO2 -又は-S(O)2O-と結合し、-COOH又は-S(O)2OHとして存在する。
R1としては、水素原子が好ましい。
R2~R5としては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;-CO2 -;-S(O)2O-等が好ましい。
R6としては、-CO-ORna1、-CO-NH2、-CO-NH(Rna1)、-CO-N(Rna1)2又は-CO-Rna1が好ましい。
R21及びR22が、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R21としては、-CO-ORna2、-CO-NH2、-CO-NH(Rna2)、-CO-N(Rna2)2、-CO-H、-CO-Rna2又は-S(O)2-Rna2が好ましく、-CO-ORna2、-CO-NH2、-CO-NH(Rna2)、-CO-N(Rna2)2又は-CO-Rna2がより好ましく、R22としては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R6とR21とは、同一の基であることが好ましい。
Rna2は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rna2の具体例及び好ましい例は、Rna1と同様である。Rna2が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
R21及びR22が、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Bの構造を形成することが好ましく、式(2a-x)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a-x)において、R23及びR24としては、水素原子が好ましい。
R21及びR22は、環を形成しないことも好ましい。
Rna1、Rna2としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;ベンジル基(フェニルメチル基ともいう)、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、-CO2 -又は-S(O)2O-を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、-CO2 -、-S(O)2O-を有することが好ましい。
Mb+としては、ヒドロン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+からなる群より選ばれる一種が好ましく、ヒドロンがより好ましい。
aとしては、1~10のいずれかの整数が好ましく、1~5のいずれかの整数がより好ましい。aが0であることも好ましい。
R11bとしては、水素原子が好ましい。
R12b~R15bとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基等が好ましい。
R16bとしては、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2又は-CO-Rnb1が好ましい。
R21b及びR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R21bとしては、-CO-ORnb5、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb5)、-CO-N(Rnb5)2、-CO-H、-CO-Rnb5又は-S(O)2-Rnb5が好ましく、-CO-ORnb5、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb5)、-CO-N(Rnb5)2又は-CO-Rnb5がより好ましく、R22bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R16bとR21bとは、同一の基であることが好ましい。
Rnb5は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rnb5の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。Rnb5が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
R21b及びR22bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Cの構造を形成することが好ましく、式(2a-xb)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a-xb)において、R23b及びR24bとしては、水素原子が好ましい。
R21b及びR22bは、環を形成しないことも好ましい。
Rnb1、Rnb5としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよい。
R1aとしては、水素原子が好ましい。
R2a~R5aとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;-CO2 -;-S(O)2O-等が好ましい。
R6aとしては、-COO-、-CO-ORna4、-CO-NH2、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4)2、-CO-H、-CO-Rna4又は-S(O)2-Rna4が好ましく、-CO-ORna4、-CO-NH2、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4)2又は-CO-Rna4がより好ましい。
Rna4は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rna4の具体例及び好ましい例は、Rna1と同様である。Rna2が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
R7aとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-が好ましく、シアノ基がより好ましい。
R8a及びR9aが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R8aとしては、-COO-、-CO-ORna4、-CO-NH2、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4)2、-CO-H、-CO-Rna4又は-S(O)2-Rna4が好ましく、-CO-ORna4、-CO-NH2、-CO-NH(Rna4)、-CO-N(Rna4)2又は-CO-Rna4がより好ましく、R7aとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R6aとR8aとは、同一の基であることが好ましい。
R8a及びR9aが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Aの構造を形成することが好ましく、式(QQ18)で表される環を形成することが好ましい。式(QQ18)において、R25及びR26としては、水素原子が好ましい。
R8a及びR9aは、環を形成しないことも好ましい。
Rna4としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、-CO2 -又は-S(O)2O-を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、-CO2 -、-S(O)2O-を有することが好ましい。
Mb+としては、ヒドロン、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Cr3+及びMn4+からなる群より選ばれる一種が好ましく、ヒドロンがより好ましい。
aとしては、1~5のいずれかの整数が好ましい。
R1bとしては、水素原子が好ましい。
R2b~R5bとしては、水素原子;ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;トリフルオロメチル基等のアルキル基に含まれる水素原子の全てがフッ素原子に置き換わった基;塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子;ニトロ基等が好ましい。
R6bとしては、-CO-ORnb1、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb1)、-CO-N(Rnb1)2又は-CO-Rnb1が好ましい。
R7bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、-CO2 -又は-S(O)2O-が好ましく、シアノ基がより好ましい。
R17b及びR18bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成しない場合、R17bとしては、-CO-ORnb6、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb6)、-CO-N(Rnb6)2、-CO-H、-CO-Rnb6又は-S(O)2-Rnb6が好ましく、-CO-ORnb6、-CO-NH2、-CO-NH(Rnb6)、-CO-N(Rnb6)2又は-CO-Rnb6がより好ましく、R18bとしては、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基が好ましく、シアノ基がより好ましい。この場合、R6bとR17bとは、同一の基であることが好ましい。
Rnb6は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRnb10-に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH及び-S(O)2OHを形成することはない。Rnb6の具体例及び好ましい例は、Rnb1と同様である。Rnb6が複数個存在する場合、これらは同一であってもよく、異なっていてもよい。
R17b及びR18bが、各々が結合する炭素原子と一緒になって環を形成する場合、群Cの構造を形成するものが好ましく、式(2a)で表される環を形成することがより好ましい。式(2a)において、R19b及びR20bとしては、水素原子が好ましい。
R17b及びR18bは、環を形成しないことも好ましい。
Rnb1、Rnb6としては、メチル基、エチル基、ブチル基等の炭素数1~10のアルキル基;フェニル基、トルイル基、エチルフェニル基等の炭素数6~10の芳香族炭化水素基;フェニルメチル基、2-メチルベンジル基、3-メチルベンジル基、4-メチルベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等の鎖状炭化水素基と芳香族炭化水素基を組み合わせた基であって炭素数7~15の基;等が好ましく、これらの基は、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよい。
-CO-Rna1、-CO-Rna2、-CO-Rna4、のRna1、Rna2、Rna4は、-CO2 -又は-S(O)2O-を有していてもよく、置換基として、メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;を有していてもよく、該芳香族環が結合したカルボニル基;アルキル基が結合したカルボニル基;芳香族環が結合したアルキル基が結合したカルボニル基等の炭素原子には、-CO2 -;-S(O)2O-;メトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数1~10の炭化水素基が結合したオキシカルボニル基;スルファモイル基;ヒドロキシ基;塩素原子等のハロゲン原子;等が結合していてもよい。
式(I)で表される化合物(B)の好ましい態様の一つは、上記〔2-3〕で述べた第3態様である。第3態様において、好ましくは、式(IA)におけるaaは2であり、R1aは水素原子であり、R6a及びR7aの一方がシアノ基であり、R8a及びR9aの一方がシアノ基であり、Mb+はヒドロンであり、bは1であり、maは2であり、naは1である。
式(I)で表される化合物(B)のより好ましい一例は、式(P)で表される化合物である。
上記2価の炭化水素基としては、例えば、アルキレン基、アリーレン基(例えばフェニレン基)が挙げられる。
下記式(Ia)で表される化合物において、R31、L1、L2、R32、B1B2、n、m及びMb+の組み合わせが表1~表4に記載のいずれかである化合物、並びに、
下記式(Ib)で表される化合物において、R33、L3、B1B2、n、m及びMb+の組み合わせが表5~表6に記載のいずれかである化合物
が挙げられる。
なお、R31、R32、R33は、式(HH1)~式(HH18)で表されるいずれかの部分構造を表す。B1B2は、式(BB1)~式(BB9)で表されるいずれかの部分構造を表す。
式(I)で表される化合物(B)は、R1が水素原子のとき、式(pt1)で表される化合物(以下、フタロニトリル化合物ということがある。)を式(pt2)で表される化合物(以下、アルコキシド化合物ということがある。)と反応させた後、式(pt3)で表される化合物(以下、化合物(pt3)ということがある。)と式(pt4)で表される化合物(以下、化合物(pt4)ということがある。)とをさらに酸の存在下で反応させることで製造できる。
R1~R7、X、Mb+、a、m、及びnは、前記と同じ意味を表す。
R41及びR42は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~20のアルキル基を表す。
M1及びM2は、アルカリ金属原子を表す。
LG1及びLG2は、互いに独立に、ハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、クロロメチルスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基又はトリフルオロメタンスルホニルオキシ基を表す。
Mは、金属原子を表す。]
M1、M2で表されるアルカリ金属原子としては、リチウム原子、ナトリウム原子及びカリウム原子が挙げられる。
酸の使用量は、フタロニトリル化合物1モルに対して、通常1モル以上20モル以下であり、好ましくは1モル以上10モル以下であり、より好ましくは1モル以上8モル以下であり、さらに好ましくは1モル以上6モル以下である。
溶媒としては、水;アセトニトリル等のニトリル溶媒;メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール及び1-オクタノール等のアルコール溶媒;テトラヒドロフラン等のエーテル溶媒;アセトン等のケトン溶媒;酢酸エチル等のエステル溶媒;ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;トルエン等の芳香族炭化水素溶媒;塩化メチレン及びクロロホルム等のハロゲン化炭化水素溶媒;N,N-ジメチルホルムアルデヒド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド溶媒が挙げられ、好ましくは、水、ニトリル溶媒、アルコール溶媒、エーテル溶媒、ケトン溶媒、エステル溶媒、芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、アミド溶媒及びスルホキシド溶媒が挙げられ、より好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、テトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、N-メチルピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、さらに好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、1-ブタノール、1-ペンタノール、1-オクタノール、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、N,N-ジメチルホルムアルデヒド、N-ジメチルアセトアルデヒド、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン及び1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノンN-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられ、とりわけ好ましくは、水、アセトニトリル、メタノール、エタノール、2-プロパノール、N-メチルピロリドン及びジメチルスルホキシドが挙げられる。
溶媒の使用量は、フタロニトリル化合物1質量部に対して、通常1質量部以上1000質量部以下である。
着色剤分散液は、主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む。該共分散物を含む着色剤分散液によれば、例えば、C.I.ピグメントイエロー138(A)の分散液と、式(I)で表される化合物(B)の分散液とを別途に調製し、これらを混合してなる着色剤分散液に比べて、有意にコントラストを向上させることができる。
主成分とは、着色剤分散液に含まれる着色剤のうち、含有率(質量基準)が最も高い成分をいう。
着色剤とは、顔料及び染料に代表される色素の総称をいう。
分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂は、後述する樹脂(D)から選択されてもよい。溶剤は、後述する溶剤(G)から選択されてもよい。
共分散物は、例えば、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)を溶剤(G)の一部又は全部と混合し、必要に応じて分散剤の共存下に、あるいはさらに必要に応じて樹脂(D)の一部又は全部の共存下に、着色剤の平均粒子径が0.2μm以下程度となるまで、ビーズミル等を用いて分散させることによって調製することができる。
樹脂を用いる場合、その使用量は、着色剤の総量に対して、好ましくは1質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは5質量%以上80質量%以下である。樹脂の使用量が上記の範囲にあると、均一な分散状態の共分散物が得られやすい傾向にある。
共分散物及び着色剤分散液において、式(I)で表される化合物(B)の含有量は、コントラストを高める観点から、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部中、好ましくは0.1質量部以上49.9質量部以下であり、より好ましくは1質量部以上40質量部以下であり、さらに好ましくは1質量部以上15質量部以下である。
他の成分としては、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)以外の他の着色剤(顔料、染料)、溶剤、分散剤、樹脂、脂肪族カルボン酸金属塩(C)等が挙げられる。脂肪族カルボン酸金属塩(C)については後述する。
共分散物及び着色剤分散液は、それぞれ、他の成分を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
顔料としては、例えば、
C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、139、147、148、150、153、154、166、173、185、194、214等の黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73等のオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265等の赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60等の青色顔料;
C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38等のバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58、59等の緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25等のブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7等の黒色顔料;
等が挙げられる。
染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)及び染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。
また、化学構造によれば、染料としては、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
染料は、共分散物に含まれていてもよいし、共分散物に添加されて着色剤分散液に含まれていてもよい。
本明細書において、共分散物、着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物に含まれる「固形分の総量」とは、共分散物、着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定することができる。
着色剤分散液は、上記他の成分として、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を含むことができる。脂肪族カルボン酸金属塩(C)をさらに含有させることは、コントラスト向上に有利となる。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)は、共分散物に含まれていてもよいし、共分散物に添加されて着色剤分散液に含まれていてもよい。
本明細書において「脂肪族カルボン酸」とは、芳香環を有さないカルボン酸を意味する。
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上含んでいてもよい。
脂肪族カルボン酸(X)は不飽和結合を含んでいてもよい。
脂肪族カルボン酸(X)は、分子内にカルボキシ基を1以上有する。カルボキシ基の数は、通常10以下である。
上記他のアニオンとしては特に制限されず、ハロゲンイオン、硝酸イオン、硫酸イオン等であってもよいが、好ましくは脂肪族カルボン酸(X)以外の脂肪族カルボン酸のアニオンである。
脂肪族カルボン酸(X)以外の脂肪族カルボン酸とは、ヒドロキシ基を有さない脂肪族カルボン酸を意味し、例えば、ヒドロキシ基を有しない以外は、脂肪族カルボン酸(X)と同様の構造を有するものが挙げられる。
脂肪族カルボン酸金属塩(C)が有するアニオンは、脂肪族カルボン酸(X)のアニオンのみから構成されることが好ましい。
金属カチオンは、
より好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Cd2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Hg2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Pb2+及びMn2+等の2価の金属カチオン;Al3+、Fe3+、Co3+及びCr3+等の3価の金属カチオン;Sn4+及びMn4+等の4価の金属カチオンであり、
さらに好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Sn2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Co3+、Cr3+、Sn4+及びMn4+であり、
とりわけ好ましくは、Mg2+、Ca2+、Sr2+、Ba2+、Ni2+、Zn2+、Cu2+、Fe2+、Co2+、Mn2+、Al3+、Fe3+、Co3+、Cr3+及びMn4+であり、
一層好ましくは、Fe2+、Co2+、Fe3+及びCo3+である。
脂肪族カルボン酸金属塩(A)は、2種以上の金属カチオンを有していてもよい。
Dは、ヒドロキシ基を有する脂肪族炭化水素を表す。
aは、1~10のいずれかの整数を表し、好ましくは1~3のいずれかの整数である。aが複数存在するとき、それらは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
Dの炭素数+aは、1~40のいずれかの整数である。
bは、1以上のいずれかの整数を表す。bが2以上のいずれかの整数を表すとき、『[D]-(CO2 -)a』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
Jk-は、『[D]-(CO2 -)a』以外のアニオンを表す。
kは、1~10のいずれかの整数を表し、好ましくは1~6のいずれかの整数である。
mは、0以上のいずれかの整数を表す。mが2以上のいずれかの整数を表すとき、『Jk-』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
Ac+は、c価の金属カチオンを表し、具体例は上述のとおりである。
cは、2~10のいずれかの整数を表し、好ましくは2~6のいずれかの整数である。
dは、1以上のいずれかの整数を表す。dが2以上のいずれかの整数を表すとき、『Ac+』は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
ただし、
及び
の合計の価数と、
の価数とは等しい。]
MpLq (AA)
また、脂肪族カルボン酸金属塩(C)の含有量は、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上20質量部以下であり、より好ましくは0.3質量部以上15質量部以下であり、さらに好ましくは0.5質量部以上13質量部以下である。
着色硬化性樹脂組成物は、上記着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む。
着色硬化性樹脂組成物は、重合性化合物(E)及び重合開始剤(F)をさらに含むことが好ましく、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及び溶剤(G)をさらに含むことがより好ましい。
着色硬化性樹脂組成物は、重合開始助剤(F1)及び/又はレベリング剤(H)をさらに含んでいてもよい。
上記着色硬化性樹脂組成物によれば、それから形成されるカラーフィルタ及びそれを用いた表示装置のコントラストを良好なものとすることができる。
以下、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組み合わせて使用することができる。
明度の観点から、着色剤分散液は、それに含まれる着色剤の含有量(又はC.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計含有量)が、着色硬化性樹脂組成物の固形分の総量100質量部中、好ましくは0.1質量部以上90質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上80質量部以下、さらに好ましくは1質量部以上70質量部以下となるように、着色硬化性樹脂組成物に含有される。
樹脂(D)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも一種(a)(以下「(a)」ということがある。)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。
樹脂(D)は、さらに、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」ということがある。)に由来する構造単位、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」ということがある。)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも一種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
樹脂(D)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1以上6以下であり、より好ましくは1.2以上4以下である。
酸価は、樹脂(D)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
重合性化合物(E)は、重合開始剤(F)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合し得る化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
重合開始剤(F)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始し得る化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
重合開始助剤(F1)は、重合開始剤(F)によって重合が開始された重合性化合物(E)の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(F1)を含む場合、通常、重合開始剤(F)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(F1)としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントン、N-フェニルグリシン等が挙げられる。
溶剤(G)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤);
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤);
3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤);
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤);
ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤);
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;等が挙げられる。
溶剤(G)としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンがより好ましい。
溶剤(G)の含有量が上記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
レベリング剤(H)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
該添加剤は、上記着色剤分散液又は共分散物に含まれていてもよい。
着色硬化性樹脂組成物は、着色剤分散液及び樹脂(D)、並びに必要に応じて用いられる重合性化合物(E)、重合開始剤(F)、溶剤(G)、重合開始助剤(F1)、レベリング剤(H)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
着色剤分散液又は着色硬化性樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。
フタロニトリル(東京化成工業(株)製)3部とメタノール300部を混合した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)2.71部を、30分かけて滴下し、5℃で6時間撹拌した。得られた混合物の温度を5℃以下に保ちながら、酢酸14部を加えた。得られた混合物に、4-(2-シアノアセチル)安息香酸(US2680731に記載の方法に準じて合成)14部を加え、45℃で26時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、残渣を水300部、メタノール300部、N,N-ジメチルホルムアミド15部の順で洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥して、下記式で表される化合物(I)を10部得た(収率83%)。
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 490
Exact Mass: 489
フタロニトリル(東京化成工業(株)製)7.02部とメタノール61.6部を混合した。得られた混合物の温度を2℃に保ちながら、28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液(和光純薬工業(株)製)8.20部とメタノール74.6部との混合物を、1時間30分かけて滴下した。得られた混合物を、2℃で6時間15分撹拌した。得られた混合物の温度を4℃以下に保ちながら、酢酸10.7部を加えた。得られた混合物に、ベンゾイルアセトニトリル(東京化成工業(株)製)17.6部を加え、室温で44時間撹拌した。得られた混合物をろ過し、残渣をメタノール800部で洗浄した。得られた残渣を60℃で減圧乾燥して、下記式で表される化合物(IIa)を18.0部得た。
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=[M+H]+ 402
Exact Mass: 401
(質量分析)イオン化モード=ESI-: m/z=[M-H]- 560
Exact Mass: 561
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰囲気とし、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ内に、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有率は1:1)289部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部に溶解した溶液を滴下ポンプを用いて約5時間かけて滴下した。一方、重合開始剤2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した溶液を別の滴下ポンプを用いて約6時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、4時間同温度で保持した後、室温まで冷却して、固形分35.1%の共重合体(樹脂(D))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度は2.08、固形分換算の酸価は77mg-KOH/gであった。樹脂(D)は下記構造単位を有する。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン(THF)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
(脂肪族カルボン酸金属塩(C)の合成)
ビーカーに100部の純水及び5部の12-ヒドロキシステアリン酸(東京化成工業(株)製)を混合した。この混合物に、70℃で1%水酸化ナトリウム水溶液65部を加えた。これを70℃~75℃を保ちながら、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業(株)製)2部と水40部の混合物を約2時間30分かけて滴下した。この混合物を70℃~75℃に保ちながら約1時間撹拌した。この混合物を35℃まで冷却し、ろ過した。
得られた残渣を水245部で3回洗浄し、60℃で減圧乾燥して、アニオン成分として12-ヒドロキシステアリン酸アニオンを含むカルボン酸鉄(III)塩(下記式(c)で表される塩)を得た。以下、この塩を脂肪族カルボン酸金属塩(C)という。
脂肪族カルボン酸金属塩(C) 2.50部;
分散剤1 4.00部;
溶剤(G):PGMEA 68.50部;及び
溶剤(G):DAA 25.00部;を混合して、脂肪族カルボン酸金属塩(C)を分散させることにより、分散液(C)を得た。
配合成分の詳細は次のとおりである。
〔1〕脂肪族カルボン酸金属塩(C):合成例4で得られた脂肪族カルボン酸金属塩(C)
〔2〕分散剤1:分散剤(DISPERBYK-111;ビックケミー・ジャパン(株)製)
〔3〕PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔4〕DAA:ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)
表7に示す着色剤、分散剤2、合成例3で得られた樹脂(D)溶液、合成例4で得られた分散液(C)〔使用しない例あり〕、及び表7に示す溶剤(G)を混合し、ビーズミルを用いて、各着色剤分散液を得た。
実施例1、実施例4、実施例6及び比較例2の着色剤分散液は、2種の着色剤の共分散物を含む。実施例2、実施例3、実施例5、実施例7、比較例3及び比較例4の着色剤分散液は、2種の着色剤の共分散物及び分散液(C)(脂肪族カルボン酸金属塩(C)分散液)を含む。
各実施例、比較例で得られた着色剤分散液の組成を表7に示す。表7の数値の単位は、質量部である。表7における溶剤(G)には、樹脂(D)溶液中及び分散液(C)中の溶剤が含まれている。
〔1〕Y138:C.I.ピグメントイエロー138
〔2〕Y185:C.I.ピグメントイエロー185
〔3〕化合物(I):合成例1で得られた化合物(I)
〔4〕化合物(II):合成例2で得られた化合物(II)
〔5〕脂肪族カルボン酸金属塩(C):合成例4で得られた脂肪族カルボン酸金属塩(C)
〔6〕分散剤2:分散剤(BYK-LP N 6919;ビックケミー・ジャパン(株)製)
〔7〕樹脂(D):合成例3で得られた樹脂(D)溶液中に含まれる樹脂(D)
〔8〕PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔9〕DAA:ジアセトンアルコール(4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン)
(1)着色硬化性樹脂組成物の調製
実施例8~14及び比較例6~10においては、それぞれ実施例1~7、比較例1~5の着色剤分散液と、樹脂(D)溶液、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及びレベリング剤(H)とを混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
実施例15及び16においては、実施例1の着色剤分散液と、合成例4で得られた分散液(C)と、樹脂(D)溶液、重合性化合物(E)、重合開始剤(F)及びレベリング剤(H)とを混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
なお、着色硬化性樹脂組成物の調製にあたり、着色硬化性樹脂組成物の固形分が20質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を添加した。
各実施例、比較例で使用した着色剤分散液、及び、各実施例、比較例で得られた着色硬化性樹脂組成物における溶剤(G)を除く組成を表8に示す。表8における各成分の配合量の単位は、質量部である。
〔1〕重合性化合物(E):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製)
〔2〕重合開始剤(F):N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE-01;BASFジャパン社製)
〔3〕レベリング剤(H):ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400;東レ・ダウコーニング(株)製)
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布した後、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を形成した。放冷後、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、150mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後の着色組成物層を、非イオン系界面活性剤0.12%と水酸化カリウム0.04%を含む水系現像液に24℃で10秒間浸漬現像し、水洗後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
上記(2)で得られた着色塗膜について、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製))を用いて測定した。
得られた着色塗膜の膜厚は、いずれの実施例及び比較例においても2.0μmであった。
上記(2)で得られた着色塗膜について、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)を測定した。結果を表8に示す。
上記(2)で得られた着色塗膜について、コントラスト計(CT-1;壺坂電機社製、色彩色差計BM-5A;トプコン社製、光源;F-10、偏光フィルム;壷坂電機(株)製)を用いて、ブランク値を30000としてコントラストを測定した。結果を表8に示す。着色塗膜におけるコントラストが高ければ、着色パターンにおいても同様に高コントラストであるといえる。
Claims (8)
- 主成分としてのC.I.ピグメントイエロー138(A)と、式(I)で表される化合物(B)との共分散物を含む、着色剤分散液であって、
C.I.ピグメントイエロー138(A)の含有量は、C.I.ピグメントイエロー138(A)及び式(I)で表される化合物(B)の合計量100質量部中、60質量部以上99質量部以下である着色剤分散液。
[式(I)中、
aは、式(I)で表される化合物が有する-CO2 -及び-S(O)2O-の合計数を表し、0~10のいずれかの整数である。
Xは式(1a-x)で表される基を表す。
(式(1a-x)中、
R 21 は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH 2 -及び該複素環基が環を構成しない-CH 2 -を含むときの該-CH 2 -は、-O-、-CO-、-S(O) 2 -又は-NR na -に置き換わっていてもよい。ただし、-CH 2 -が置き換わることで-COOH又は-S(O) 2 OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 O - からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R 22 は、シアノ基を表す。
R na は、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基又は水素原子を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 O - からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
*1は、イソインドリン環との結合手を表す。)
R1は、水素原子を表す。
R2~R 5 は、互いに独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~40の炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基を表し、該炭化水素基に含まれる-CH2-及び該複素環基が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-(R na は、前記と同じ意味を表す。)に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該炭化水素基及び該複素環基は、-S(O)2O - を有していてもよい。
R2とR3、R3とR4、及び、R4とR 5 からなる群より選ばれる少なくとも一組は、各々が結合する炭素原子と一緒になって置換基を有していてもよい環を形成してもよく、該環が環を構成しない-CH2-を含むときの該-CH2-は、-O-、-CO-、-S(O)2-又は-NRna-(R na は、前記と同じ意味を表す。)に置き換わっていてもよい。ただし、-CH2-が置き換わることで-COOH又は-S(O)2OHを形成することはない。該環は、-CO2 -及び-S(O)2O-からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R 6 は、-CO-R na1 を表す。
R na1 は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表し、該炭化水素基及び該複素環基は、-CO 2 - 及び-S(O) 2 O - からなる群より選ばれる少なくとも一種を有していてもよい。
R 7 は、シアノ基を表す。
Mb+は、ヒドロン又はb価の金属イオンを表す。Mb+が複数個存在する場合、これらは同一でもよく、異なっていてもよい。Mb+がヒドロンのとき、該ヒドロンは前記-CO2 -又は-S(O)2O-と一緒になって-CO2H及びS(O)2OHとして存在する。
bは、1~6のいずれかの整数を表す。
mは、Mb+の個数を表す。
nは、n=b×m/aの関係を満たす数である。 - R 21 は、-CO-R na2 を表し、R na2 は、置換基を有していてもよい炭素数1~35の炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を表す、請求項1に記載の着色剤分散液。
- aは、0~5のいずれかの整数である、請求項1又は2に記載の着色剤分散液。
- M b+ は、ヒドロンである、請求項1~3のいずれか1項に記載の着色剤分散液。
- ヒドロキシ基を有する炭素数1~40の脂肪族カルボン酸のアニオンを有する金属塩(C)をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の着色剤分散液。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の着色剤分散液と、樹脂(D)とを含む、着色硬化性樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか1項に記載の着色剤分散液又は請求項6に記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される、カラーフィルタ。
- 請求項7に記載のカラーフィルタを含む、表示装置。
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