JP7241558B2 - 沈澱池 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば上向流式の傾斜沈降装置を備えた沈澱池に関する。
従来、沈澱池には、例えば図12に示すように、沈澱池100の上部に設けた集水トラフ106の下方に傾斜沈降装置102を備えたものが知られている。この傾斜沈降装置102は多数の傾斜管(傾斜板)104から構成され、沈澱池100内の上流側から下流側まで設けられている。集水トラフ106と傾斜沈降装置102の間の上澄み層103には複数の阻流板105が一定の間隔で設けられ、複数の区画に仕切られている。沈澱池100の上流側には整流壁107が設けられており、この整流壁107の流入孔107aを通過した原水が傾斜沈降装置102を介して集水トラフ106に流入するようになっている。
また、例えば特許文献1に記載された上向流式傾斜沈澱池では、上向流式の傾斜装置は上澄み層を傾斜管の1ピッチ毎に長手方向の阻流板及び幅方向の阻流板で仕切っている。これにより、沈澱池内の比較的低い温度の原水に対して比較的高い温度の原水が混入した場合に、高い温度の原水は低い温度の原水に押し上げられて傾斜装置の傾斜管内または傾斜板間を高速で上昇する。しかし、この高速の原水は、上澄み層が阻流板によって1ピッチ毎に仕切られているため、取水トラフ取水能力を超えた原水が傾斜管内または傾斜板間を上昇することを防止する。そのため、上澄み層に至る間に原水中のフロックを沈降分離できるとしている。
特開昭62-298409号公報
ところで、沈澱池に流入する原水が傾斜沈降装置の流入側の面から各傾斜管に流入する際、傾斜沈降装置の流入側の面における下流側領域よりも上流側領域の方が原水の流れが早いため、上流領域に多くの原水が流入する一方で、下流側領域では十分な流量の原水が流入しないことになる。このように傾斜沈降装置に均等に流入しないで、上流側つまり近いところに流れ込むといったいわゆる短絡流が発生する。この場合、上流側領域は短絡流のためフロックを十分沈降できず、沈降されないフロックが集水トラフ7に流入するおそれがあった。
しかも、特許文献1に記載された上向き流傾斜沈澱池のように、傾斜沈降装置の上面に位置する上澄み層で各傾斜管または各傾斜板のピッチ毎に阻流板を配設しても、それだけでは短絡流を十分抑制できず、原水に含まれるフロックが集水トラフに侵入することを防止できなかった。また、傾斜沈降装置の流出側に流れ出る流速の速い短絡流が阻流板で遮られて下向流となるため、原水の処理性が低下するおそれがあった。
本発明は、このような課題に鑑みて、傾斜沈降装置に流入する原水流量の偏りを抑えて短絡流を防止し、原水から分離沈降して堆積するフロックを除去して処理性を向上させる沈澱池を提供することを目的とする。
本発明に係る沈澱池は、沈澱池内に設けられていて原水を通過させてフロックを分離沈降させる傾斜沈降装置と、傾斜沈降装置の流入側の面における上流側領域に配設されていて原水の流入量を規制する整流部材と、整流部材の傾き角度を変化させる角度調整部材と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、傾斜沈降装置の流入側の面における上流側領域に流入する原水の流入量を整流部材によって規制することで流入側の面の上流側領域及び下流側領域から均等に傾斜沈降装置に原水が流入するため、上流側領域で傾斜沈降装置に原水の短絡流が流入することを抑制できて原水の処理性を向上させる。しかも、傾斜沈降装置で原水から分離降下したフロックが整流部材に堆積した場合には、角度調整部材を作動して整流部材の角度を変化させることで堆積したフロックを下方に除去し、その後、整流部材を元の角度に調整することができる。
また、整流部材には原水を通過させる孔部が形成されていてもよい。
傾斜沈降装置の流入側の面における上流側領域に設けた整流部材の孔部を原水が通過して傾斜沈降装置に流入し、整流部材に衝突する原水は下流側領域に流れて傾斜沈降装置に流入するため、原水は傾斜沈降装置の流入側の面に均等に流入する。
また、角度調整部材は、整流部材の貫通孔を貫通する雄ねじの切られたガイド軸と、ガイド軸に螺合するナット部材と、ナット部材の移動に連動して変位可能な補強部材と、整流部材に連結されていて補強部材の変位に連動して整流部材を変位させるガイド部と、を備えていることが好ましい。
整流部材に堆積したフロックを除去する場合、ガイド軸を回転させてナット部材を移動させることで補強部材が連動し、補強部材の変位に連動してガイド部が変位することで整流部材がガイド部と一体に角度変化する。整流部材の角度変化により堆積したフロックを降下させて除去する。
また、補強部材は支承部または軸部を介してナット部材に支承されていてもよい。
ガイド軸の回転によってナット部材が移動するため、ナット部材に支承部または軸部で支承された補強部材が角度変位しつつ相対移動することで、ガイド部を介して整流部材の角度が変位する。
また、補強部材はナット部材の両端に設けられたフランジ部の間に相対変位可能に保持されていてもよい。
ガイド軸の回転によってナット部材が移動するため、ナット部材に連動してフランジ部に押されて補強部材が角度変位しつつ相対移動することで、ガイド部と一体に整流部材の角度が変位する。
また、ガイド軸に螺合された第一のナット部材と、ガイド軸の逆ねじが形成された部分に螺合された第二のナット部材とを備え、第一のナット部材に連動する第一の整流部材と第二のナット部材に連動する第二の整流部材とが対向して逆向きに傾斜していてもよい。
本発明によれば、ガイド軸を回転させることで、第一のナット部材と第二のナット部材が逆方向に移動するため、第一の整流部材と第二の整流部材とが逆方向に傾斜することで堆積したフロックをそれぞれ除去できる。
本発明に係る沈澱池によれば、傾斜沈降装置の流入側の面における上流側領域に原水の流入量を規制する整流部材が配設されていて、一部の原水のみが整流部材を通過して傾斜沈降装置に流入するため短絡流を発生させず、上流側領域及び下流側領域から均等に傾斜沈降装置に原水が流入するため、上流側領域で傾斜沈降装置に原水の短絡流が流入することを抑制できて原水の処理性が向上する。
また、傾斜沈降装置で原水から分離沈降したフロックが整流部材に堆積しても、角度調整部材によって整流部材の角度を変化させることでフロックを除去できる。
本発明の第一実施形態に係る沈澱池の要部側断面図である。 図1における傾斜沈降装置及び整流板をP方向から見た図である。 整流板の正面図である。 整流板を支持する角度調整部材の基本構成を示す正面図である。 図4に示す整流板の角度調整部材のA-A線断面図である。 ガイド軸の回転に応じて角度が変化する整流板を示す模式図である。 整流板に設置した角度調整部材を示す要部斜視図である。 図7に示す整流板と角度調整部材のB-B線断面図である。 幅方向に配列されたガイド軸の駆動機構を示す模式図である。 第二実施形態に係る沈澱池の整流板と角度調整部材を示す要部正面図である。 図10に示す整流板と角度調整部材のC-C線断面図である。 従来の沈澱池の側断面図である。
以下、本発明の実施形態による沈澱池を添付図面に基づいて説明する。
図1乃至図9は、本発明の第一実施形態に係る沈澱池1を示すものである。
図1及び図2に示す沈澱池1においては、原水を通過させる多数の流入孔を有する整流壁2の下流側で、沈澱池1の上部に設けた集水トラフ7の下方に傾斜沈降装置3が設置されている。傾斜沈降装置3は例えば多数の傾斜管4(または傾斜板)が互いに密接して縦横に配列されている。各傾斜管4(または傾斜板間)はそれぞれ互いに仕切られた原水の流路を形成し、垂直方向に対して上部が整流壁2側に傾斜した姿勢で配列されている。
傾斜沈降装置3は例えば略直方体形状に形成され、原水の送り方向を縦方向(長手方向)としてその長さをL、横方向(幅方向)の長さをWとしている。傾斜沈降装置3の下面3aが原水の流入口で、上面3bが流出口である。下面3a側から各傾斜管4に流入する原水が傾斜管4内でフロックを分離して凝集させて下方に降下させ、残った上澄み水(清澄水)を上面3bから流出させる。なお、本明細書において、図1に示す傾斜沈降装置3の原水が流入する下面3aを流入側(上流側)の面といい、流出する上面3bを流出側(下流側)の面という。また、下面3aは原水の流れ方向に原水の短絡流を生じ易い上流側領域Aと残りの原水が流入する下流側領域Bとに分けられている。
傾斜沈降装置3の上面3b側と集水トラフ7の間の上澄み層5には、送り方向と幅方向に所定間隔を開けて多数の阻流板6が配設されている。阻流板6は傾斜沈降装置3の上面3bから集水トラフ7の底面及び側面まで延設されており、上澄み層5を阻流板6により仕切ることで、傾斜沈降装置3を通過する原水の流入抵抗を均質なものとしている。傾斜沈降装置3の上部には集水トラフ7が幅方向に所定間隔を開けて配列されており、その側部に形成した孔部を通して流入した上澄み水を次の工程に送り出している。或いは、集水トラフ7の側部に孔部を設けず、側部の上縁部を乗り越えて上澄み水が流入するようにしてもよい。
従来の沈澱池1では、整流壁2の流入孔を通過した原水が傾斜沈降装置3の下面3aから傾斜管4に流入する際、縦方向の長さLに対して上流側領域Aに多量の原水が流入するため短絡流となり、下流側領域Bでは原水の流入量が少なく、原水の流入比率と処理が均等でなかった。短絡流となる上流側領域Aの原水は傾斜沈降装置3の各傾斜管4内でフロックを十分沈降分離できず、フロックを含んだまま集水トラフ7に流入していた。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、傾斜沈降装置3の流入側端部に設けられた仕切り壁9の下部から、下面3aに対向して短絡流の流入を抑制する複数の整流板10が上流側領域Aに設置されている。整流板10は傾斜沈降装置3の上流側領域Aに流入する原水の短絡流を抑制するものであるため、下面3aの長手方向長さLの例えば1/5~1/2の範囲に設定されている。整流板10は下流側領域Bには設置されていない。整流板10の設置範囲は、整流壁2を通過した原水の流速及び温度により決定すればよく、例えば下面3aの長手方向長さLの1/4~1/3の範囲が良い。
次に、整流板10とその支持構造について説明する。
図1及び図2に示すように、下面3aの下側には下面3aに対向して例えば棒状の支持枠11が枠状に配列されて上流側から下流側に向けて上流側領域Aの領域に設置されている。支持枠11は下面3aに吊り具12によって支持されている。しかも、支持枠11の上流側端部の支持軸11aは仕切り壁9の下端近傍に連結されている。最も上流側の整流板10は支持軸11aに吊り下げられて斜め下方に傾斜された状態に支持されている。
図2に示すように支持軸11aは沈澱池1の横方向に延びており、本実施形態では例えば各2枚の整流板10が一体に連結されて1枚を構成しており、2枚の整流板10がそれぞれ支持軸11aに回転可能に斜めに支持されている。なお、連結された二枚の整流板10に代えて一体に形成された1枚の整流板10を用いてもよい。また、整流板10の数は沈澱池1の幅寸法に応じて設定でき、2枚等でもよく適宜数に設定できる。
しかも、図1において、最も上流側の整流板10の下流側には逆向きの傾斜角度で整流板10が支持軸11bによって吊り下げられて上流側に向けて斜め下方に傾斜支持されている。これらの整流板10は略V字状に対向配置されている。このような配置の2枚の整流板10を1組としてその下流側にもう1組の整流板10がそれぞれ支持軸11c、11dに吊り下げられて略V字状に傾斜配置されている。図1及び図2に示す例では、上流側領域Aにおいて、整流板10が横方向に2枚ずつ、縦方向に4枚ずつそれぞれ支持されている。
なお、上流側領域Aに設置される整流板10の縦横方向の数は任意であり、上流側領域Aの長さと整流板10の縦横長さと沈澱池1の底部までの深さとの関係で設定される。
しかも、原水の下流側に向けて縦方向に配列された4枚の整流板10の貫通孔10aを挿通するガイド軸15が水平方向に延びて回転可能に支持されている。ガイド軸15には雄ねじが切られている。ガイド軸15はそれぞれの整流板10の中央に形成された貫通孔10aを挿通しており、貫通孔10aの領域にガイド軸15に螺合するナット部材16がそれぞれ挿通されている。
縦方向に配列された4枚の整流板10は、略V字状に対向する2枚の整流板10が2組配列されている。ガイド軸15は、各組の2枚の整流板10の貫通孔10aに配設された2つのナット部材16において、上流側のナット部材16の可動領域では順ねじに形成され、下流側のナット部材16の可動領域では逆ねじに形成されている。
そのため、ガイド軸15を一方向に回転させると2組の整流板10のナット部材16は互いに接近または離間する方向に移動する。そして、各支持軸11a、11b、11c、11dに支持された各組の整流板10をそれぞれ逆方向に回動させて傾斜させる(図6参照)。しかも、各整流板10の傾斜姿勢は同一角度の大きさで変化する。なお、ガイド軸15は上流側の1組の整流板10を貫通する部分と下流側の1組の整流板10を貫通する部分との間に軸継手19を装着して連結してもよいし、これに代えて1本のガイド軸15で4枚の整流板10を貫通して支持してもよい。なお、支持軸11a、11b、11c、11dは両端が沈澱池1の両側壁に固定されている。
各整流板10は図3乃至図5に示すように平板状に形成されていて、その表裏面を貫通する孔部8が所定間隔で縦横方向に複数配列されている。整流板10の面積に対する孔部8の総面積の比は例えば5~20%程度に設定されている。整流板10は例えばパンチングメタル等で形成されている。各整流板10は孔部8を通過する原水が上流側領域A内で傾斜沈降装置3の下面3aから各傾斜管4内に流入可能である。
しかも、整流板10の中央部には、略箱状で内側に開口を有する溝部17aが形成された2つのガイド部17が対向して固定され、このガイド部17の間にガイド軸15及びナット部材16を挿通させる貫通孔10aが形成されている。また、一対のガイド部17の溝部17a内に両端がスライド可能に収納された補強板18が配設されている。補強板18にもガイド軸15及びナット部材16を挿通させる中央孔18aが形成されている。しかも、補強板18の中央孔18aの対向する面にはナット部材16に揺動可能に支承される支承部20(または軸部)が固定されている。なお、ガイド軸15、ナット部材16、ガイド部17、補強板18は角度調整部材14に含まれる。また、貫通孔10aは、ガイド軸15及びナット部材16を取り付けた補強板18がスライドできるように長孔となっている。整流板10は、断面形状が波板状や底部と頂部を繰り返す形状であっても良い。これにより整流板10の強度を向上させることができる。
図6は、ガイド軸15の回転によってナット部材16が回転させられて進退した状態を示している。図中、実線で示された整流板10は第一の傾斜角度θ1(例えば水平線に対して30度の傾斜角)に保持された状態で、原水の一部を孔部8を通して傾斜沈降装置3の下面3aに流通できるようにしている。図1に示す他の整流板10も同様に第一の傾斜角度θ1に保持されている。
この第一の傾斜角度θ1で、図1に示すように、上流側領域Aで傾斜沈降装置3の下面3aへの原水の流入量を規制して短絡流が流入することを抑制し、原水の処理性を向上させる。しかも、整流板10は第一の傾斜角度θ1に保持されることで、所定量の原水が確実に通過できる。
図7及び図8は、整流板10が第一の傾斜角θ1に保持された状態を示している。この角度θ1に傾斜配置された整流板10の貫通孔10a及び補強板18の中央孔18aは水平方向に延びるガイド軸15及びナット部材16を挿通させている。そして、傾斜沈降装置3の傾斜管4から分離沈降するフロックが整流板10に堆積した状態で、支持軸11a(11b、11c、11d)を中心に第二の傾斜角度θ2(>θ1)まで整流板10を縦方向に傾斜させることで、フロックを落下させて除去できる(図6参照)。第二の傾斜角度θ2は沈澱池1の深さに応じて設定され、少なくとも底部と干渉しないでフロックを落下できる角度であればよい。
整流板10の貫通孔10a及び補強板18の中央孔18aは、挿通されるナット部材16に対して整流板10及び補強板18が少なくとも第一の傾斜角θ1と第二の傾斜角θ2の範囲で回動することを許容する程度の余裕(隙間)がある。
なお、各整流板10には、支持軸11a、11b、11c、11dと反対側端部にフロート21を取り付けて軽量化してもよい。これにより、ガイド軸15の回転によって整流板10が第一の傾斜角度θ1と第二の傾斜角度θ2との間で回動し易くなる。フロート21は図示しない空気調整装置にチューブを介して接続していて、整流板10の傾斜角度に応じてフロート21内の空気を出し入れして浮力を調整してもよい。また、整流板10の傾斜角度の調整は堆積したフロックが除去できればよいので、原水の通過流量を調整可能な通常の傾斜姿勢を例えば45度とし、整流板10に堆積したフロックを除去可能なようにより大きく開いた除去姿勢を例えば60度としても良い。
次にガイド軸15の駆動機構について図2及び図9により説明する。
図9は傾斜沈降装置3の幅方向(横方向)に配列された例えば4枚の整流板10の傾斜角度をそれぞれ変化させるための一対のガイド軸駆動部22を示すものである。各ガイド軸駆動部22は傾斜沈降装置3の仕切り壁9の下部近傍に設置されている。ガイド軸駆動部22は、各2本のガイド軸15に固定された第一スプロケット軸28に無端状の第一チェーン23が噛合されている。一方のガイド軸15に固定された第二スプロケット軸24と上部の歯車25との間に無端状の第二チェーン26が噛合している。この歯車25には、回転可能なハンドル27が設けられている。
作業者等がガイド軸駆動部22のハンドル27を回転操作することで、第二チェーン26を介して第一チェーン23を回転させて、2本のガイド軸15を同期して正逆回転させ、互いに連結された2枚の整流板10を一体に回動させることができる。
本第一実施形態による沈澱池1は上述した構成を有しており、次に原水の処理方法を説明する。
図1に示す沈澱池1において、整流壁2の流入孔を通過する原水は例えば流速0.6m/min程度で流れ、傾斜沈降装置3の下面3aに流入する。しかも、沈澱池1内の比較的低温の原水に対して整流壁2の流入孔を通過する新たな原水の温度が夏場等で高温である場合、水温差による密度流が発生して平均流速よりも高速の水流になり密度流が発生する。更に、傾斜沈降装置3の下面3aでは上流側領域Aの方が下流側領域Bよりも原水の流入量が多く、短絡流になり易い。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、上流側領域Aにおいて4枚の整流板10が縦方向に略V字状に対向して2組配列され、各整流板10はそれぞれ対向して傾斜角度±θ1で設置されている。そのため、一部の原水は各整流板10の孔部8を通って傾斜沈降装置3の上流側領域Aの下面3aから各傾斜管4内に流入する。それ以外の原水は整流板10によって通過を規制されて下流側領域Bに流れて傾斜沈降装置3の下面3aから各傾斜管4内に流入する。
これによって、上流側領域Aの原水の流入量が低減されて各傾斜管4内で短絡流が生じることを抑制し、下流側領域Bの原水の流入量が増大する。そのため、傾斜沈降装置3内で原水が全体に均等に分散されて下面3aから各傾斜管4の水路を上昇する。
傾斜沈降装置3の各傾斜管4内の水路で原水中のフロックが沈降分離され、上流側領域Aでは整流板10の上に落下する。原水からフロックを分離した処理水は十分に浄化されて清澄水として上澄み層5に送られる。上澄み層5に送られた清澄水は集水トラフ7に流入して次の工程に送られる。このように整流板10により、上流側領域Aの傾斜管4内を原水が集中的に上昇することを防止し、フロックを含む原水が上澄み層5から集水トラフ7に送られることを防止できる。
原水から沈降分離したフロックは沈澱物として傾斜角度θ1に保持された各整流板10上に降下して堆積される。
整流板10に堆積する沈殿物が所定量以上になった場合、図9に示すガイド軸駆動部22のハンドル27を作業者等が回転させることで、第二チェーン26及び第一チェーン23を介して各一対のガイド軸15を同一方向に回転させる。ガイド軸15の回転によって、螺合する2つのナット部材16が逆方向に移動する(図6参照)。
ナット部材16の移動により、支承部20でナット部材16に支承された補強板18がガイド部17の溝部17aに沿って相対移動し、その姿勢を次第に起立する方向の角度に変位させる。補強板18の姿勢の変位に応じてガイド部17を介して整流板10もその姿勢を第一の傾斜角度θ1からより起立姿勢に近い第二の傾斜角度θ2に変位させる。これにより、整流板10に堆積したフロックは沈澱池1の底部に落下する。ガイド軸15の回転に連動してナット部材16を離間する方向に移動させるため他の整流板10も同様に第一の傾斜角度±θ1から第二の傾斜角度±θ2に変位させられる。
その際、整流板10の傾斜角の変化に応じて吸排気装置によりフロート21内の空気を次第に排気させて浮力を低下させてもよい。
整流板10からフロックを除去した後、整流板10の姿勢を第二の傾斜角度θ2から元の第一の傾斜角度θ1に戻すには、ガイド軸駆動部22のハンドル27の操作により、ガイド軸15を逆方向に回転させて2つのナット部材16を互いに近づく方に移動させる。これにより、補強板18がガイド部17に沿って摺動すると共にその姿勢が変位させられるため、整流板10がその姿勢を第二の傾斜角度±θ2から第一の傾斜角度±θ1に変位させられる。
これによって、互いに対向する各整流板10は下端部のフロート21を互いに近接する略V字状の位置に傾斜させるよう戻すことができる(図1参照)。しかも、吸排気装置からフロート21に空気を供給することで浮力が増大し、整流板10の回動が容易になる。そして、下流側領域Aにおける原水の流れを各整流板10で制御して短絡流を生じないように調整する。
上述したように本第一実施形態による沈澱池1によれば、傾斜沈降装置3の下面3aの上流側領域Aに孔部8を穿孔した各整流板10を第一の傾斜角θ1で略V字状に対向配置したため、傾斜沈降装置3内に流入する原水の流量が規制され、フロックを含む原水が短絡流として集水トラフ7に侵入することを防止できる。また、残りの原水は下流側領域Bから傾斜沈降装置3内に流入するため、整流板10によって原水を傾斜沈降装置3の下面3a全域に均等に分散して流入できる。そして、各傾斜管4内でフロックを沈降分離させた清澄水を集水トラフ7に流入させることができる。
また、原水から沈降分離して整流板10に沈殿物として堆積するフロックは、ハンドル27を操作してガイド軸15を回転操作し、対向する各整流板10を支持軸11a、11b、11c、11dを中心にして回動させて傾斜角度を大きくすることで下方に排出できる。
以上、本発明の第一実施形態による沈澱池1について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。なお、以下に、本発明の他の実施形態や変形例について説明するが、上述した実施形態と同一または同様な部材、部分には同一の符号を用いてその説明を省略する。
図10及び図11は本発明の第二実施形態による沈澱池1に用いられる整流板10とその角度調整部材14を示すものである。
本第二実施形態では、整流板10の中央に設けた補強板18の中央孔18aには、ナット部材16に揺動可能に支承される支承部20または軸部は設けられていない。支承部20等に代えて、ナット部材16の両端部にフランジ部16aが突出して形成されている。そして、補強板18の中央孔18aと整流板10の貫通孔10aはナット部材16の移動時にいずれか一方のフランジ部16aに押されて姿勢を変位させる。しかも、補強板18は姿勢の変位に応じてガイド部17の溝部17aに沿って摺動可能とされている。
本第二実施形態による沈澱池1においても、第一実施形態と同様な作用効果を奏する。
なお、整流板10において、整流板10の形状は四角形平板状に限定されることなく、例えば波板状等の適宜の断面形状に形成してもよい。波板状に形成することで整流板10の強度が向上する。
また、整流板10に形成した孔部8についても、孔部の形状は円形等に限定されるものではなく、四角形や楕円形等、適宜の形状を採用できる。しかも、整流板10の面積に対する孔部8の総面積の比は6%に限定されることなく、原水の流速や流量、沈降すべきフロックの量等に応じて適宜、増減調整することができる。
また、縦方向に配列した複数の整流板10における孔部8の面積を上流側から下流側に向かって順次大きくして配置しても良い。さらに、整流板10の孔部8を上流側から下流側に向かって順次多くして配置しても良い。これにより原水の通過水量を上流側から下流側に向かって多くすることができ、特に整流板10が長い場合には有効で、傾斜沈降装置3に流入する原水を高精度に均一化することができる。
なお、上述した各実施形態において、整流板10によって短絡流が生じないように原水の流量や流速を規制できるため、傾斜沈降装置3の流出側の上澄み層5に阻流板6を設けなくてもよい。
上述した各実施形態では、上流側領域Aにおいて、ガイド軸15及びナット部材16が貫通する整流板10を縦方向に2組略V字状に対向させて傾斜配置したが、1組だけでもよいし、或いは3組以上配置してもよい。また、整流板10は、縦方向において複数個を同一方向に傾斜配置させてもよい。この場合には、ガイド軸15を部分的に逆ねじに形成する必要はなく、同一方向に雄ねじを形成すればよい。
整流板10には必ずしも原水を流通させる孔部8が設けられていなくてもよい。この場合でも、整流板10の形状を渦巻き型形状や一部切り欠き形状やひし形形状等の適宜形状とすれば、整流板10の欠けた部分を原水が通過し且つ欠けていない部分で原水の流入を規制して下流側に流すことができる。
また、上述の各実施形態では、ガイド軸駆動部22のハンドル27を手動操作してガイド軸15を正逆回転させたが、これに代えて電動等で自動的に回転させてもよい。
なお、整流板10は整流部材に含まれ、補強板18は補強部材に含まれる。
なお、整流板10を傾斜させるガイド軸15の駆動機構をチェーン駆動からフレキシブルシャフトに替えてもよい。この場合、フレキシブルシャフトの柔軟性によりガイド軸15が上下方向に移動可能となるので、補強板18がスライドする機構を省略でき、構造を簡単にすることができる。
1 沈澱池
3 傾斜沈降装置
3a 下面
4 傾斜管
5 上澄み層
6 阻流板
7 集水トラフ
8 孔部
10 整流板
11 支持枠
11a、11b、11c、11d 支持軸
14 角度調整部材
15 ガイド軸
16 ナット部材
16a フランジ部
17 ガイド部
17a 溝部
18 補強板
18a 中央孔
20 支承部
A 上流側領域
B 下流側領域
M 駆動モータ

Claims (4)

  1. 沈澱池内に設けられていて原水を通過させてフロックを分離沈降させる傾斜沈降装置と、
    前記傾斜沈降装置の流入側の面における上流側領域に配設されていて原水の流入量を規制する整流部材と、
    前記整流部材の傾き角度を変化させる角度調整部材と、
    を備え
    前記角度調整部材は、前記整流部材の貫通孔を貫通する雄ねじの切られたガイド軸と、前記ガイド軸に螺合するナット部材と、前記ナット部材の移動に連動して変位可能な補強部材と、前記整流部材に連結されていて前記補強部材の変位に連動して前記整流部材を変位させるガイド部と、を備えている沈澱池。
  2. 前記補強部材は支承部または軸部を介して前記ナット部材に支承されている請求項に記載された沈澱池。
  3. 前記補強部材は前記ナット部材の両端に設けられたフランジ部の間に相対変位可能に保持されている請求項に記載された沈澱池。
  4. 前記ガイド軸に螺合された第一の前記ナット部材と、前記ガイド軸の逆ねじが形成された部分に螺合された第二の前記ナット部材とを備え、
    前記第一のナット部材に連動する第一の前記整流部材と前記第二のナット部材に連動する第二の前記整流部材とが対向して逆向きに傾斜している請求項1から3のいずれか1項に記載された沈澱池。
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