JP7241373B2 - 噴霧器 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 1 (自社のウェブサイトに掲載) 令和2年9月30日、東レ・プレシジョン株式会社が、次の各ウェブサイトで公開されている(1)東レ・プレシジョン株式会社のウェブサイト及び(2)東レ株式会社のウェブサイトにて、竹中真吾及び島田浩司が発明した噴霧器について公開した。 (1)東レ・プレシジョン株式会社のウェブサイトアドレス https://www.tpc.toray/ https://www.tpc.toray/solution/index.html https://www.tpc.toray/product/medical/index.html https://www.tpc.toray/product/nozzle/noz_010.html (2)東レ株式会社のウェブサイトアドレス https://www.toray.co.jp/network/ 2 (販売) 東レ・プレシジョン株式会社が次表のとおり、竹中真吾及び島田浩司が発明した噴霧器及び/又は当該噴霧器の部品を各契約先に出荷した。契約先への荷の着日は、郵送事情によるが原則出荷日の翌日である。
本発明は、動物またはヒトの鼻、気管もしくは肺等の体内に薬剤を噴霧する装置を提供する。
動物またはヒトの疾患の治療もしくは予防、または動物を用いる実験のために、その体内に薬剤を注入する方法として、粉体または液体の薬剤を吹き付ける噴霧がある。
特許文献1は、肺へ接近して液状物質を噴霧するのに適した肺内噴霧器を開示する。この肺内噴霧器は、内部に長手方向に延在する孔部を有するスリーブ部材、スリーブ部材の孔部内に配置された噴霧発生器、スリーブ部材に接続された圧力発生器を有する。噴霧発生器は、螺旋の通路または溝を外面に備える螺旋インサートを具備する。螺旋インサートと最終オリフィスとの間は、渦流室である。作動において、液体はスリーブ部材の基端から導入され、ここで液体はインサートの外壁における螺旋通路とスリーブ部材の内壁とで確定される螺旋経路をたどらされる。液体は、螺旋通路を出ると、渦流室に入る。渦流室の端部で、旋回する液体は最終オリフィスに遭遇し、この最終オリフィスがスリーブ部材中の旋回液体と周辺大気、通常は空気との間の境界面を形成する。噴霧生成は最終オリフィスで行われる(段落0016~0019)。
特許文献2は、動物またはヒトの嗅上皮に治療化合物を送達するデバイスを開示する。このデバイスは、ハウジングと、その中にもうけられた流体リザーバと、ハウジングの内面と流体リザーバの外面との間のスペースにより規定される回転チャンバをさらに含む。ハウジングは、回転チャンバと連絡し、空気式ソレノイドに流体学的に接続される、圧縮ガス入口をさらに含む。回転チャンバは、流体チャンバの外側に巻きつけられたコイル状ワイヤをさらに含み、コイル状ワイヤは、螺旋またはコークスクリュー形を有し、ガス入口から近位オリフィスまで伸びる(段落0014、0015)。
特開2005-66359号公報 特表2011-511674号公報
特許文献1の技術では、薬剤の噴霧角度を制御する精度が十分でない。
また、特許文献2では、ハウジングの内面と流体リザーバの外面との間のスペースにより規定される回転チャンバから圧縮ガスが噴射され、その減圧効果によって、流体リザーバの内側に入れられた薬液が吸引されて噴霧される。このような構成では、圧縮ガスが必要であり、かつ高粘度の液体に対応できない。本発明は高粘度の液体にも対応可能であって、噴霧角度をより高精度に制御できる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の技術を提供する。
(1)薬剤を噴霧する噴霧器であって、前記薬剤の出口であるオリフィスと、前記薬剤を前記オリフィスに向かって送り出す導入部と、前記導入部と前記オリフィスとの間に設けられたらせん流路と、前記らせん流路とオリフィスとの間に設けられた整流部とを備え、前記整流部は、前記らせん流路の軸方向に垂直な断面において円形の内面を持つ第1整流部材と、前記内面との間を薬剤が通るように、間隔をおいて同心円状に配置された外面を持つ第2整流部材と、を有し、前記第1整流部材の内面は、少なくとも前記オリフィス側の端部においてテーパ状に縮径しており、第2整流部材の終端から前記第1整流部材の内面においてテーパ状に縮径している部分の終端までの距離L3と、前記第1整流部材の内径φDとが、0.5≦L3/φD≦10を満たす噴霧器。
(2)前記らせん流路の巻き数は3/n以上20/n以下であり、nはらせん流路の条数である、上記(1)に記載の噴霧器。
(3)前記らせん流路のピッチは、0.02mm/n以上3mm/n以下であり、nはらせん流路の条数である、上記(1)または(2)に記載の噴霧器。
(4)前記第2整流部材の前記オリフィス側の端部はテーパ状に縮径している、上記(1)~(3)のいずれかに記載の噴霧器。
(5) 前記第1整流部材の内径φDと第2整流部材の外径φdとが、1.1≦φD/φd≦2.5を満たす、上記(1)~(4)のいずれかに記載の噴霧器。
(6) 前記らせん流路の軸方向において、前記らせん流路の終端からオリフィスまでの長さL11と、第2整流部材の長さL21が、1.1≦L11/L21≦5.0を満たす、上記(1)~(5)のいずれかに記載の噴霧器。
(7) 前記導入部に接続されるシリンジ、ロッド、またはプランジャーをさらに有する上記(1)~(6)のいずれかに記載の噴霧器。
(8) 前記らせん流路の条数が2以上である上記(1)~(7)のいずれかに記載の噴霧器。
(9) 前記らせん流路の条数が1である上記(1)~(8)のいずれかに記載の噴霧器。
本発明によれば、薬剤が導入部かららせん流路を通ることで旋回流が形成され、その旋回流が第1整流部材と第2整流部材の間を通ることによって、噴霧角度がより精度よく制御される。また、本発明では、薬剤自体が導入部から押し出され、らせん流路を通って噴射されるので、圧縮ガスは必須ではなく、高粘度の薬剤にも対応可能である。
本発明の実施の一形態にかかる噴霧器の断面図である。 第2整流部材とらせん部材とが一体化されたインサート部材の側面図であ る。 整流部の寸法を示す概略断面図である。 整流部の他の形態における寸法を示す概略断面図である。 (a)~(c)は、第2整流部材の他の形態を示す断面図である。 実施例における噴霧角評価について説明する概略図である。
<第1形態> 図1の噴霧器1は、導入部2と、薬剤の出口であるオリフィス3と、前記導入部2と前記オリフィス3との間に設けられたらせん流路4と、前記らせん流路4とオリフィス3との間に設けられた整流部5とを備える。らせん流路4の軸方向をxとして図中に示す。導入部2、らせん流路4、整流部5は、方向xに沿って並んでおり、オリフィス3は整流部5の終端(らせん流路4とは逆側)に設けられる。
言い換えると、噴霧器1は、内部が空洞の筐体11と、筐体11内に配置されるインサート部材12とを有する。筐体11の外形は略円柱状である。また、筐体11の内径は、後述のテーパ部分以外は略一定である。
筐体11の第1端側は導入部2を形成する。導入部2は薬剤をらせん流路4に導入する。
筐体11の第2端は、先端部が肉厚かつ開口することでオリフィス3を形成している。オリフィス3の径は、噴霧器の用途によって適宜変更でき、例えば0.01mm以上0.50mm以下とすることができる。より好ましくは、0.03mm以上0.10mm以下である。オリフィス3の方向xにおける長さは、例えば0.05mm以上4mm以下とすることができる。より好ましくは、0.05mm以上2mm以下である。
図1bに示すように、インサート部材12は表面にらせんの突起を持つらせん部材41と、後述の第2整流部材52とが一体に形成された部材である。らせん部材41の外面と筐体11の内面との間には、導入部2から整流部5に向かって延びるらせん状の空間であるらせん流路4が形成される。
らせんの巻き数は、適宜、噴射する流体の性状や使用目的等に応じて設定すればよいが、巻き数が多いと薬剤に付与される旋回力が増し、巻きが少ないと経路が短いので操作から噴霧までの時間を短縮できる。
ここでいう巻き数は、1条の場合、山数と一致する。他方、多条(n条)の場合には、山数をnで除した数を指す。巻き数の好ましい範囲は、1条の場合、巻き数は3以上20以下であり、n条の場合は、3/n以上20/n以下である。
本実施形態では、らせん流路4におけるらせん部材41の直径(ここでは谷径を指す。)は導入部2から整流部5まで一定であるが、整流部5に近くなるほど直径(谷径)が小さくなる、逆に直径(谷径)が大きくなる、直径(谷径)が大小を繰り返すなど、直径(谷径)の異なる部分を含んでいてもよい。本実施形態では、らせん部材41の最大外径は、導入部2の内径(筐体11の内径)と同等である。
整流部5は、第1整流部材51と、第2整流部材52とを有する。本実施形態では、第1整流部材51は筐体11の一部であり、その内面51aは、x方向に垂直な断面において円形である。第2整流部材52は、第1整流部材51(筐体11)の内部の空間に配置される。第2整流部材52は、x方向に垂直な断面において円形である外面52aを持つ。外面52aは内面51aから間隔をおいて、内面51aと同心円状に配置される。第2整流部材52は、本形態では図1のとおり円柱状であるが、後述するようにその形状は変更可能である。
図1aの整流部5の拡大図を図2に示す。図2は、第1整流部材の内面がオリフィス側の端部において縮径している形態の一例である。第1整流部材51の内面には、らせん流路4側の円筒部分54と、オリフィス3側のテーパ部分55とが設けられる。円筒部分54は直径が一定の円筒であり、テーパ部分55は円筒部分54からオリフィス3に向かって縮径する。本形態では、テーパ部分55の最大直径は円筒部分54の直径より小さく設定されている。テーパ部分55の最小直径、つまりオリフィス3側端部の直径はオリフィス3の直径と一致する。第1整流部材51の長さ(円筒部分54の長さとテーパ部分55の長さとの和)、つまりらせん流路4終端からオリフィス3までの距離をL11として図中に示し、テーパ部分55の長さをL12として示す。
図2の形態においては、第2整流部材52は一定の直径を有する円柱である。第2整流部材52全体の長さをL21として図中に示す。
薬剤は、筐体11外から導入部2内の空間に供給されるか、導入部2内に予め収容されている。薬剤は、導入部2かららせん流路4に導入される。らせん流路4により薬剤の旋回流が形成され、薬剤は、整流部5の第1整流部材51と第2整流部材52との間の空間である整流流路を通って、オリフィス3から霧状に噴射される。整流部5により噴霧角度が制御され、また、噴霧の均一性が高められる。
<第2形態> 図3に、第2整流部材52のオリフィス側端部がテーパ状に縮径している形態を示す。図3の形態の第2整流部材52はらせん流路4側の円柱部分56とオリフィス3側のテーパ部分57とを有する。テーパ部分57は、頂部の欠けた円錐状であり、円柱部分56からオリフィス3側に向かって徐々に縮径する。第2整流部材52のテーパ部分57の長さをL22として図中に示す。上述の図2の形態は、長さL22がゼロである。
また、図3の形態の第1整流部材51では、図2の形態よりも、第1整流部材51全体の長さL11に占めるテーパ部分55の長さL12の割合が大きい。また、図3の形態では、テーパ部分55の最大直径は円筒部分54の直径と同一である。つまり、本形態では、テーパ部分55の直径は、x方向に沿って、円筒部分54の直径からオリフィス3の直径まで縮径する。
第1整流部材51のテーパ部分55の内面のなす角度をθ1、第2整流部材52の外面のなす角度をθ2として図中に示す。図2の形態ではθ2はゼロなので図示しない。
<第2整流部材の他の形態> 第2整流部材には、上述した以外の種々の形状を採用することができる。例を図4(a)~(c)に示す。図4(a)の形態では第2整流部材は円柱部を持たず、頂部が欠けた円錐状のテーパ部分のみで構成される。つまりL21=L22である。図4(b)の形態は図4(a)とは異なり、頂部が欠けていない円錐形である。図4(c)の形態は、円柱部分と、最大径が円柱部よりも小さいテーパ部分との組み合わせである。
以上の例ではテーパ部の角度は一定であるが、異なる角度を持つ部分が組み合わせられていてもよい。
図2~図4の各図に示したテーパ部の形状と円柱部の形状とは、互いに組み合わせることができる。
<整流部の各部の寸法> 上記いずれの形態においても、第2整流部材の全長に渡って、第1整流部材の内径φDと第2整流部材の外径φdとが、1.1≦φD/φd≦2.5を満たすことが好ましく、1.1<φD/φd<2.5を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、噴霧方向が精度よく調整される。
図2の例では、φDおよびφdが一定なので、φD/φdを算出すればよい。一方、図3のようにφDまたはφdが変化する場合は、第2整流部材におけるx方向のどの位置においても、この関係を満たすことが好ましい。図3では例として位置Aにおける寸法を示す。
また、第2整流部材52の終端(図2、図3における右端)からテーパ部分55の終端(図2、図3における右端)までの距離L3を調整することで、噴霧角度を調整することができる。L3が長いほど噴霧角度が狭くなり、噴霧距離は長くなる。よって、狭い領域を狙って噴霧したい場合にはL3を長くし、広く噴霧したい場合にはL3を短くすればよい。
第2整流部材52の終端とテーパ部分55終端との距離は、固定されていてもよいし、可変でもよい。可変である場合は、第2整流部材52とテーパ部分55の終端との距離を相対的に変化させられるように、第1整流部材51または第2整流部材52の少なくともどちらかの位置をネジまたは他の構造によって変えられるようにすればよい。
また、0.5≦L3/φD≦10であることが好ましい。L3/φDが0.5~2である場合は噴霧範囲を広めにすることができ、5~10であると狭めにすることができる。また、L3/φDが0.5以上であると、霧状の噴霧が容易となる。また、L3/φDが10以下であることで、噴霧距離を薬剤噴霧に適する程度に長くすることができる。
x方向において、第1整流部材の長さL11、つまりらせん流路とオリフィスとの距離と、第2整流部材の長さL21とは、1.1≦L11/L21≦5.0を満たすことが好ましく、1.1<L11/L21<5.0を満たすことがより好ましい。この条件を満たすことで、噴霧方向が精度よく調整される。
長さL11が大きいと、旋回流が弱まるので噴霧角が小さくなり、噴霧角度のばらつきは小さくなる。よって、所望する噴霧角に合わせて長さL11を調整すればよい。
第1整流部材の全長L11におけるテーパ部の長さL12の占める割合L12/L11が大きい方が薬剤は均一に噴霧される。L12/L11は好ましくは0.3以上1以下である。
第2整流部材の全長L21におけるテーパ部の長さL22との占める割合L22/L21についても割合L12/L11と同様である。
第1整流部材の内面のテーパ角θ1および第2整流部材の外面のテーパ角θ2は、0.5<θ2/θ1≦1を満たすことが好ましい。0.5<θ2/θ1≦1であることで、薬剤の噴霧角度を精度よく制御できる。
テーパ角θ1およびθ2が大きいほど、噴霧角は大きくなるので、薬剤の噴霧範囲を狭く制御したい場合は角度を小さく(例えば5°以上45°未満)、広く均一に噴霧したときは角度を大きく(例えば45°以上120°以下)とすればよい。
第2整流部材52は、薬剤が通る流路を確保するため、第1整流部材51との間に隙間を設けるように配置すればよい。
図3のように第2整流部材52がテーパ形状を有する場合、図2のような円柱形状と比べて、第2整流部材52と第1整流部材51との間の流路を全体的に狭くすることができる。これにより、旋回力を保ったまま薬剤を吐出できるので、霧のばらつきを小さくしながら広く噴霧することができる。すなわち、粒径のばらつきがより小さい霧をより広範囲に噴霧することができる。
また、第1整流部材51の半径が大きい方が大きい遠心力を得られるため、薬剤を広い範囲に噴霧するのに好適である。一方で、半径を小さくすることで遠心力を小さくすると、噴霧距離を長くすることができる。
第2形態のように第2整流部材52がテーパ形状を有すると、抵抗を小さくできるので高粘度の液体に好適である。
上記第1および第2形態では、らせん部材41(らせん流路4)の条数は1を想定しているが、本発明において、らせん部材の条数は限定されず、2以上すなわち多条であってもよい。らせんの加工という観点や比較的低粘度の液体を噴霧する場合は、好ましくは、1条である。高粘度の液体を噴霧する場合や、噴霧器の断面が小さい場合には、条数を増やすことが好ましく、例えば、好ましくは1条~16条であり、より好ましくは、2条~4条である。
条数が少ない方が、遠心力が大きくなり噴霧角度が大きくなって広い範囲に噴霧できる。また、管路が長いので流れが安定し、回転力を上げることができる。また、霧の粒径が小さくなりやすい。
一方で、条数が増えると、遠心力が小さくなり噴霧角度が小さくなるのでターゲットを狙いやすい。同量の薬剤を噴霧する場合にも、条数が多いと流路が増え、かつ流路を短くできるので抵抗が小さくなり、噴霧抵抗が小さくなる。また、霧の粒径が大きくなりやすい。
なお、多条とする場合、各溝が始まる位置(位相)は、特に限定はされない。例えば、同位相から初めてもよいし、異位相から初めてもよい。同位相がばらつき抑制の観点からは好ましい。
異位相としては、例えば、等配、すなわち、条数がnであれば、位相を360°/nとすることも可能であり、具体的には、2条(位相180°)または3条(位相120°)等である。
また、いずれの形態においても、らせん流路4(らせん部材41)のピッチが細かい(リードが短い)と、遠心力が大きくなるので噴霧される薬剤は拡散しやすく、ピッチが粗い(リードが長い)と直進性が増して飛距離を長くすることができるとともに抵抗を小さくすることができる。
すなわち、リードは、特に限定されないが、1条の場合、0.02mm以上3mm以下が好ましく、0.05mm以上2.5mm以下がより好ましく、0.08mm以上2.0mm以下が更に好ましく、0.10mm以上1.5mmが特に好ましい。ピッチの好ましい範囲は、特に限定されず、用途によるが、上記好ましいリードの範囲に入るように、条数がnの場合には、0.02mm/n以上3mm/n以下が好ましく、0.05mm/n以上2.5mm/n以下がより好ましく、0.08mm/n以上2.0mm以下/nが更に好ましく、0.10mm/n以上1.5mm/nが特に好ましい。
<使用方法> 噴霧器は、シリンジ、ロッド、またはプランジャー等、導入部2から薬剤を押し出すことのできる手段と組み合わせて使用される。これらの手段により、導入部2内の薬剤に噴霧に必要な圧力が供給される。また、薬剤の噴霧対象としては、ヒト、哺乳類等の動物、特に口腔、鼻腔、気管、肺等の器官が例示される。薬剤としては、治療薬、予防薬、実験用薬剤等が適用される。
なお、上記噴霧器の構成によれば導入部からの薬剤の押し出しに圧縮ガスは必須ではないが、圧縮ガスによって薬剤を押し出す圧力を得てもよい。
<構造> 実施例1の噴霧器は、図1と同様の構造とし、実施例2、3、4の構造は図3と同様の構造として各部の寸法を変更した。
共通構造として、x方向における、導入部2の長さを20mm、らせん流路4の長さ(らせん部材41の長さ)を0.80mm、らせん流路のピッチ(リード)を0.15mmとし、導入部2の内直径(つまりらせん流路4の最大径および第1整流部材51の内面の最大径)を0.512mm、第2整流部材52の最大直径(つまり円柱部分56の外径)を0.307mm、オリフィス3の直径を0.06mmとした。
第1整流部材51の長さL11、第1整流部材51の円筒部分54の長さ、テーパ部分の長さL12及び角度並びに第2整流部材L21の長さ、円柱部分の長さ、テーパ部分の長さL22及び角度については、表1に示すとおりである。
また、比較例1は、実施例1と同様の構造であって、第2整流部材を備えないものとした。
<評価条件> 200μLの薬剤をシリンジ内に吸引した後、シリンジの先端に上述した各構成の噴霧器を内蔵するニードルを装着し、ロッドを手押しで噴霧した。薬剤は、密度1000kg/m3、粘度1.002mPa・sの液体であった。手押しで薬剤を出し切る時間を測定して、流入流量を算出したところ、4.286×10-5 kg/sであった。
表1に示した各実施例・比較例について、オリフィス3からの液体の噴霧角や入口圧力(導入部2の圧力)を数値流体解析ソフトSTAR-CCM+(SIEMENS社製)を用いて次のように算出した。まず、オリフィス形状を考慮し流体領域のみの解析モデルを作成した。次に対象流体の密度、粘性係数、流入流量を入力し、流体解析を実行した。オリフィス内の平均流速が一定値に収束した段階で解析を停止した。得られた結果からオリフィス先端(吐出面)のオリフィス壁面近傍の速度ベクトルと軸方向速度ベクトルのなす角度を算出することで噴霧角を算出した。
具体的には、図5に示すように、x軸方向から見た3時、9時の方向(z軸方向)をa1、a2、12時、6時の方向(y軸方向)をc1、c2、z軸に45°の方向をそれぞれb1、b2、d1、d2とした。a1-a2、b1-b2、c1-c2、d1-d2方向での角度をそれぞれ算出した。さらにその平均値をその実施例の噴霧角として評価の対象とすると共に、標準偏差を算出した。
<結果> 円柱状の第2整流部材52を設けた実施例1では、噴霧角の平均値が25.3°、標準偏差が0.17であった。第2整流部材52を設けなかった比較例1では、平均角度は24.6°、標準偏差は0.409であった。このように、第2整流部材を設けることで、噴霧角の均一性が高まった。
実施例2と実施例3との結果を比べると、第1および第2整流部材の角度(つまり整流流路の角度)が大きい実施例3の方が、噴霧角度が大きくなった。これは、整流流路のテーパ部分における旋回流が、角度の広がりに伴い大きくなるためと考えられる。
一方で、同角度の実施例3、4を比べると、整流部、特に第1整流部材51が短い実施例3の方が、噴霧角度は大きくなり、かつ標準偏差が大きくなった。これは、旋回流が維持されたまま噴霧されるためと考えられる。
標準偏差は、第2整流部材のテーパ部分(つまり整流流路におけるテーパ部分)が長い方が小さくなった。
Figure 0007241373000001
Figure 0007241373000002

Claims (9)

  1. 薬剤を噴霧する噴霧器であって、
    前記薬剤の出口であるオリフィスと、
    前記薬剤を前記オリフィスに向かって送り出す導入部と、
    前記導入部と前記オリフィスとの間に設けられたらせん流路と、
    前記らせん流路とオリフィスとの間に設けられた整流部とを備え、
    前記整流部は、前記らせん流路の軸方向に垂直な断面において円形の内面を持つ第1整流部材と、前記内面との間を薬剤が通るように、間隔をおいて同心円状に配置された外面を持つ第2整流部材と、を有し、
    前記第1整流部材の内面は、少なくとも前記オリフィス側の端部においてテーパ状に縮径しており、
    第2整流部材の終端から前記第1整流部材の内面においてテーパ状に縮径している部分の終端までの距離L3と、前記第1整流部材の内径φDとが、0.5≦L3/φD≦10を満たす
    噴霧器。
  2. 前記らせん流路の巻き数は3/n以上20/n以下であり、nはらせん流路の条数である、
    請求項1に記載の噴霧器。
  3. 前記らせん流路のピッチは、0.02mm/n以上3mm/n以下であり、nはらせん流路の条数である、
    請求項1または2に記載の噴霧器。
  4. 前記第2整流部材の前記オリフィス側の端部はテーパ状に縮径している、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の噴霧器。
  5. 前記第1整流部材の内径φDと第2整流部材の外径φdとが、1.1≦φD/φd≦2.5を満たす、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の噴霧器。
  6. 前記らせん流路の軸方向において、前記らせん流路の終端からオリフィスまでの長さL11と、第2整流部材の長さL21が、1.1≦L11/L21≦5.0を満たす、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の噴霧器。
  7. 前記導入部に接続されるシリンジ、ロッド、またはプランジャーをさらに有する
    請求項1~6のいずれか1項に記載の噴霧器。
  8. 前記らせん流路の条数が2以上である
    請求項1~7のいずれか1項に記載の噴霧器。
  9. 前記らせん流路の条数が1である
    請求項1~8のいずれか1項に記載の噴霧器。
JP2022079849A 2020-06-30 2022-05-13 噴霧器 Active JP7241373B2 (ja)

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