JP2007275510A - 経気管肺内投与器 - Google Patents

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孝晴 小池
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Abstract

【課題】低粘度から高粘度の液体まで常に適切な広がりのある噴霧を行うことのできる経気管肺内投与器を提供する。
【解決手段】旋回流形成部材3の軸心を中心とする対称位置に複数の螺旋状流路3aを設けたので、旋回流形成部材3から吐出した液体の旋回流を常に均一な流れにすることができる。また、液体の流速及び圧力を円柱部3cの各螺旋状流路3aで十分に高めた後、液体を円錐部3bの各螺旋状流路3aからノズル部材2の円錐面2bに沿って吐出することができるので、流速及び圧力を低下させることなく安定した適切な噴射形状を形成する旋回流を形成することができる。更に、第1の旋回部A1で適切な噴射形状を形成する旋回流を形成した後、第1の旋回部A1から第2の旋回部A2に移行する過程で液体に乱流境界層を発生させることができるので、小動物の左右の肺内への噴霧に必要な適切な噴射形状を形成する旋回流と乱流境界層とを確実に発生させることができる。
【選択図】図8

Description

本発明は、医薬品、農薬、工業用原材料、新規化学物質等の開発及び安全性確認のために実施される動物実験に用いられ、例えばラットやマウスの気管に挿入して左右の肺内全体に物質を投与するための経気管肺内投与器に関するものである。
一般に、実験動物に経気道的に化学物質を投与する方法には吸入曝露毒性試験法と気管内投与試験法とがある。吸入曝露毒性試験法は、鼻部曝露、全身曝露試験があり、生理的な呼吸によって空気を媒体として受身の形で投与する方法である。この試験を実施するには大規模な曝露装置、廃棄設備、換気・排気装置、曝露管理装置などが必要である。一方、気管内投与法は、強制的または化学物質をそのまま、或いは液体を媒体として投与する方法であり、簡便な投与方法であるため大規模な設備が不要であり、投与量が明確で汚染リスクが最小限に抑えられることから、多くの研究施設で実施可能である。
この気管内投与では、市販のディスポーザブルのステンレス製経口ゾンデを用い、ゾンデを気管内に挿入して空気と共に水溶液(水に溶かした状態)を一気に圧力をかけて投与する。このゾンデでは粒子が大きいため左右の肺の末梢までは広がり難く、また、投与容量(空気と投与物質の合計の容量)が多くなるため投与動物に過度の負担をかける。また、油性(高粘性化合物及び媒体)のものでは霧状になり難い。霧状になると投与物質が肺全体に広がり、肺内に均一な曝露が可能となる。しかし、粒子が大きいと一部の肺組織(限局性)に組織反応が現れて評価に誤差を生ずる可能性がある。近年、霧状に噴霧するゾンデが開発され市販されているが、噴射孔径が小さいため投与物質の粒子が大きいと詰まりやすい。動物実験には多くのラットおよびマウスを使用し、それに伴い多くのゾンデが必要となるが、ゾンデは高価であるとともに、構造が複雑で容易に洗浄を行うことができず、実用性に乏しい。
そこで、気管内投与に用いる投与器として、液体を流通するチューブ部材と、チューブ部材内の先端側に配置されたノズル部材と、チューブ部材内にノズル部材と軸方向に間隔をおいて配置された旋回流形成部材とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この投与器のノズル部材には噴射口を含む円錐状のオリフィス部が形成され、旋回流形成部材の外周面には液体を流通する螺旋状流路が設けられている。即ち、チューブ部材内に供給された液体が旋回流形成部材の螺旋状流路を流通してノズル部材側に吐出され、オリフィス部を介してノズル部材の噴射口から霧状に噴射される。その際、旋回流形成部材から吐出した液体は螺旋状流路により旋回流(渦流)となってオリフィス部の内周面に吐出されるため、噴射口から噴射された液体が噴射口の径方向に拡散し、広がりのある噴霧形態が形成される。
特開2005−66359号公報
しかしながら、前記投与器では、水溶液に被験物質を溶かして噴霧する場合に噴射の内径が小さいため詰りが発生するという問題点があった。
また、ラットやマウスの動物実験等で被験物質を経気管肺内投与する場合、発癌物質、農薬、医薬品、食品成分等は水溶性の物質の方が少なく、特にベンツピレン等の発癌物質は針状または板状結晶で水に不溶であり、粘性の低い有機溶媒(アルコール、エーテル、クロロホルム等)には溶けるが、これらの有機溶媒には毒性があり、有機溶媒を用いて発癌物質を噴霧投与することは好ましくない。そこで、これらの水に溶けない(難水溶性)被験物質を噴霧により経気管肺内投与するには、コーン油等の毒性の少ない油性媒体に懸濁して投与する方法が可能であるが、前記投与器ではコーン油のような粘性の高い油性媒体の噴霧に対しては必要な拡散した噴霧ができないため適していない。
即ち、噴射口から噴射される液体を霧状にするためには、螺旋状流路からオリフィス部の内周面に吐出した液体の旋回流に乱流境界層を発生させる必要があるが、前記投与器では、噴射口の内径を小さくしてしかも旋回流形成部材の螺旋状流路の吐出部をオリフスに接近させ、液体の流速及び圧力を高めないと乱流境界層を発生させることができない。このため、粘性の高い液体の場合は、噴射口で液詰まりを生じ、また螺旋状流路が一つしか設けられていないため一方向に傾いた噴射を生じ、経気管肺内投与ができなかった。
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、低粘度から高粘度の液体まで常に適切な広がりのある噴霧を行うことのできる経気管肺内投与器を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、液体を流通するチューブ部材と、チューブ部材の一端に取付けられ、一端に設けた噴射口に向かって内径が小さくなるように形成された円錐面を有するノズル部材と、ノズル部材内に設けられ、外周面に螺旋状流路を有する旋回流形成部材とを備え、チューブ部材内に供給される液体を旋回流形成部材の螺旋状流路を介してノズル部材内の噴射口側に吐出することにより、噴射口から液体を噴霧する経気管肺内投与器において、前記螺旋状流路を互いに旋回流形成部材の軸心を中心とする略対称位置に二つ設け、旋回流形成部材には、外周面がノズル部材の円錐面の一部に当接する円錐部と、円錐部からノズル部材の他端側に向かって延びる円柱部とを設けるとともに、各螺旋状流路を円錐部及び円柱部に亘って形成し、ノズル部材内には、各螺旋状流路から吐出した液体を旋回流形成部材の円錐部の端面からノズル部材の噴射口までの間で円錐面に沿って旋回させる軸方向所定長さの第1の旋回部と、液体を第1の旋回部から噴射口の内周面に沿って旋回させる軸方向所定長さの第2の旋回部とを設けている。
これにより、互いに旋回流形成部材の軸心を中心とする略対称位置に設けられた二つの螺旋状流路から液体が吐出されることから、旋回流形成部材から吐出した液体の旋回流が適切な噴射形状を形成する流れになる。即ち、各螺旋状流路を流通する液体が、旋回流形成部材の円柱部の各螺旋状流路で流速及び圧力を十分に高められた後、旋回流形成部材の円錐部の各螺旋状流路からノズル部材の円錐面に沿って吐出されることから、各螺旋状流路から吐出した液体の流速及び圧力が低下することがない。更に、各螺旋状流路から吐出した液体が、第1の旋回部でノズル部材の円錐面に沿って旋回し、第2の旋回部で噴射口の内周面に沿って旋回することから、第1の旋回部で適切な噴射形状を形成する旋回流が形成され、第1の旋回部から第2の旋回部に移行する過程で液体に乱流境界層が発生する。その際、第1の旋回部の軸方向の長さを変えることにより適切な噴射形状を作ることができる。即ち、低粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部の軸方向の長さを大きくすることにより、第1の旋回部で旋回流を十分に発生させ適切な拡散角度を持った円錐形噴霧をする旋回流を形成することができる。また、高粘度の液体を噴霧する場合は、単一の円錐形噴霧では粘性抵抗により十分な噴霧の範囲が得られないため第1の旋回部の軸方向の長さを小さくすることにより、第1の旋回部における液体の粘性抵抗を低減し、各螺旋状流路から発生する流れを単一な円錐形噴霧ではなく二つの対称な円錐噴射を発生させ、その直径の一部(例えば1/4程度)が重なった噴射形状になる旋回流を形成することができる。
本発明の経気管肺内投与器によれば、旋回流形成部材から吐出した液体の旋回流を適切な噴射形状を形成する流れにすることができるので、例えば実験小動物の左右の肺内に偏りのない対称型の広がりのある噴霧形態を形成することができる。従って、部分的または傾いた不均一な噴霧形態になることがなく、気管内に投与物質を均一に噴霧することができる。また、液体の流速及び圧力を各螺旋状流路で十分に高めた後、液体を各螺旋状流路からノズル部材の円錐面に沿って吐出することができるので、流速及び圧力を低下させることなく安定した適切な噴射形状を形成する旋回流を作ることができる。更に、第1の旋回部で適切な噴射形状を形成する旋回流を発生させ、第1の旋回部から第2の旋回部に移行する過程で液体に乱流境界層を発生させることができるので、被験体への噴霧に必要な広がりのある適切な噴射形状を形成する旋回流と乱流境界層を確実に発生させることができる。その際、低粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部の軸方向の長さを大きくすることにより、第1の旋回部で旋回流を十分に発生させ適切な拡散角度を持った円錐形噴霧をする旋回流を形成することができるので、常に安定した噴霧形態を形成することができる。また、高粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部の軸方向の長さを小さくすることにより、第1の旋回部における液体の粘性抵抗を確実に低減し、各螺旋状流路から発生する流れを単一な円錐形噴霧ではなく二つの対称な円錐噴射を発生させ、その直径の一部(例えば1/4程度)が重なった噴射形状になる旋回流を形成することができる。従って、噴射口の内径を大きくしても液体の流速及び圧力が低下することがないので、高粘度の液体を噴射口で液詰まりさせることなく小動物の左右の肺内に確実に噴霧することができる。
以下、図1乃至図10を参照して本発明の一実施形態について説明する。即ち、図1は経気管肺内投与器の斜視図、図2はその側面図、図3はその要部分解斜視図、図4はノズル部材の側面断面図、図5は旋回流形成部材の側面図、図6はノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図、図7はその一部断面正面図、図8は低粘度の液体の流れ及び噴霧状態を示すノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図、図9は円錐部の長さの異なる他の旋回流形成部材を示す側面図、図10は高粘度の液体の流れ及び噴霧状態を示すノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図である。
この経気管肺内投与器は、液体を流通するチューブ部材1と、チューブ部材1の一端に取付けられたノズル部材2と、ノズル部材2内に設けられた旋回流形成部材3と、チューブ部材1に液体を供給するシリンジ4とを備えている。
チューブ部材1は、例えば外径1.2mm、内径0.8mm、長さ85mm程度のステンレス鋼管からなり、その他端にはシリンジ4と接続するための接続具1a(例えばステンレス製)が取付けられている。
ノズル部材2は一端に噴射口2aを有する略円筒状の部材からなり、例えばステンレス鋼によって形成されている。この場合、噴射口2aは内周面が軸方向に同一内径で延びるように形成され、その内径D1が0.3mm〜0.4mm程度になるように形成されている。ノズル部材2内には、噴射口2aに向かって内径が小さくなるように形成された円錐面2bと、円錐面2bからノズル部材2の他端側に軸方向に同一内径に形成された第1の円周面2cが設けられ、円錐面2bは錐面のなす角度θが120°程度に形成されている。また、ノズル部材2の外周面には軸方向に連続して延びる溝2dが設けられている。
旋回流形成部材3は外周面に二つの螺旋状流路3aを有する略円柱状の部材からなり、例えばステンレス鋼によって形成されている。旋回流形成部材3には、ノズル部材2の一端側に向かって内径が小さくなるように形成された円錐部3bと、円錐部3bからノズル部材2の他端側に向かって延びる円柱部3cが設けられ、各螺旋状流路3aは円錐部3b及び円柱部3cに亘って形成されている。この場合、円錐部3bの軸方向の長さL1は0.14mm〜0.25mm程度、円柱部3cの軸方向の長さL2は2.25mm程度、円錐部3bの端面の外径D2は0.33mm〜0.7mm程度、円柱部3cの外径D3は1.2mm程度に形成されている。また、各螺旋状流路3aはその深さが0.4mm〜0.45mm程度で互いに旋回流形成部材3の軸心を中心とする対称位置(180°ずれた位置)に設けられ、両端を円錐部3b側の軸方向端面と円柱部3c側の軸方向端面にそれぞれ開口している。尚、各螺旋状流路3aの位置は、180°から若干ずれた位置(略対称位置)あってもよい。
シリンジ4はプランジャ4aによって内部の液体を吐出する周知の構成からなり、例えば1ミリリットル(1ml)の容量のものが用いられる。
本実施形態の経気管肺内投与器を組立てる場合は、ノズル部材2内に旋回流形成部材3を圧入した後、チューブ部材1の一端部を旋回流形成部材3の端面に当接するようにノズル部材2の他端側に挿入して固定する。この場合、旋回流形成部材3の円錐部3bはノズル部材2の円錐面2bの一部に当接し、旋回流形成部材3の円柱部3cはノズル部材2の円周部2cに隙間なく対向して配置される。このように組立てられると、ノズル部材2内には、各螺旋状流路2aから吐出した液体を旋回流形成部材3の円錐部3bの端面からノズル部材2の噴射口2aまでの間で円錐面2bに沿って旋回させる第1の旋回部A1と、液体を第1の旋回部5から噴射口2aの内周面に沿って旋回させる第2の旋回部A2が形成される。この場合、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3は0.01mm〜0.12mm第2の旋回部A2の軸方向の長さL4は0.25mm程度に形成される。
本実施形態の経気管肺内投与器を用いて気管内投与を行う場合は、液体が充填されたシリンジ4をチューブ部材1の他端側に接続するとともに、チューブ部材1の先端側を喉頭蓋を通過して肺内に挿入し、シリンジ4からチューブ部材1内に液体を供給する。これにより、チューブ部材1内に供給された液体が旋回流形成部材3の各螺旋状流路3aを流通してノズル部材2の噴射口2aから霧状に噴射される。その際、旋回流形成部材3から吐出した液体は各螺旋状流路3aにより旋回流となってノズル部材2の内周面に吐出され、噴射口2aから噴射された液体が噴射口2aの径方向に拡散して広がりのある噴霧形態が形成される。
即ち、旋回流形成部材3の各螺旋状流路3aに流入した液体は、円柱部3cの各螺旋状流路3aで円周方向に流通しながら流速及び圧力を高められ、円錐部3bの各螺旋状流路3aをノズル部材2の円錐面2bに沿って円周方向に流通し、円錐部3bの端面から円錐面2bに沿って吐出される。その際、互いに旋回流形成部材3の軸心を中心とする対称位置に設けられた二つの螺旋状流路3aから液体が円錐面2bに沿って吐出されるので、適切な噴射形状を形成する旋回流が発生する。また、各螺旋状流路2aから吐出した液体は、第1の旋回部A1で円錐面2bに沿って旋回した後、第2の旋回部A2で噴射口2aの内周面に沿って旋回する。ここで、液体の旋回流が第1の旋回部A1から第2の旋回部A2に移行する過程で液体に乱流境界層が発生し、これが噴射口2aで外部の空気と接触することより、霧状になって噴射口2aから噴射される。その際、低粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3の大きい旋回流形成部材3(図5に示すように円錐部3bの長さL1が小さいもの)を用いることにより、第1の旋回部A1で旋回流を十分に発生させ、図8に示すように適切な拡散角度を持った円錐形噴霧をする旋回流を形成することができる。また、高粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3の小さい旋回流形成部材3(図9に示すように円錐部3bの長さL1が大きいもの)を用いることにより、第1の旋回部A1において液体の粘性抵抗による流速及び圧力の低下を少なくするとともに、各螺旋状流路3aから発生する流れを単一な円錐形噴霧ではなく二つの対称な円錐噴射となるように発生させ、図10に示すように直径の1/4程度が重なった噴射形状になる旋回流を形成することができる。即ち、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3を小さくすると、二つの旋回流が十分に混ざり合わない状態で噴射されることから、互いに反対方向に偏った二つの円錐形噴霧が形成される。これに対し、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3を大きくすると、二つの旋回流が十分に混ざり合うことから、偏りのない一つの円錐形噴霧が形成される。
このように、本実施形態の経気管肺内投与器によれば、旋回流形成部材3の軸心を中心とする対称位置に二つの螺旋状流路3aを設けたので、旋回流形成部材3から吐出した液体の旋回流を常に適切な噴射形状を形成する流れにすることができ、小動物の左右の肺内に偏りのない広がりのある噴霧形態を形成することができる。従って、部分的または傾いた不均一な噴霧形態になることがなく、肺内に投与物質を均一に噴霧することができる。
また、旋回流形成部材3に、外周面がノズル部材2の円錐面2bの一部に当接する円錐部3bと、円錐部3bからノズル部材2の他端側に向かって延びる円柱部3cとを設けるとともに、各螺旋状流路3aを円錐部3b及び円柱部3cに亘って形成したので、液体の流速及び圧力を円柱部3cの各螺旋状流路3aで十分に高めた後、液体を円錐部3bの各螺旋状流路3aからノズル部材2の円錐面2bに沿って吐出することができる。即ち、例えば螺旋状流路3aから直接円錐部3bに液体を吐出するようにした場合、円錐面2bの傾斜面との接触抵抗により液体の流速及び圧力の低下と旋回流の乱れを生ずるが、本実施形態では液体の流れを円錐部3bの各螺旋状流路3aで円錐面2bに沿った向きに変えてから液体を吐出することができるので、流速及び圧力を低下させることなく安定した旋回流を形成することができる。
更に、ノズル部材2内に、各螺旋状流路3aから吐出した液体を旋回流形成部材3の円錐部3bの端面からノズル部材2の噴射口2aまでの間で円錐面2bに沿って旋回させる第1の旋回部A1と、液体を第1の旋回部A1から噴射口2aの内周面に沿って旋回させる第2の旋回部A2とを設けたので、第1の旋回部A1で適切な噴射形状を形成する旋回流を発生させた後、第1の旋回部A1から第2の旋回部A2に移行する過程で液体に乱流境界層を発生させることができ、肺内への噴霧に必要な広がりのある適切な噴射形状を形成する旋回流と乱流境界層を確実に発生させることができる。その際、低粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3を大きくすることにより、第1の旋回部A1で旋回流を発生させて適切な拡散角度を持った円錐形噴霧をする旋回流を形成することができるので、常に安定した噴霧形態を形成することができる。また、高粘度の液体を噴霧する場合は、第1の旋回部A1の軸方向の長さL3を小さくすることにより、第1の旋回部A1における液体の粘性抵抗を低減し、各螺旋状流路3aから発生する流れを単一な円錐形噴霧ではなく二つの対称な円錐噴射となるように発生させ、その直径の1/4程度が重なった噴射形状になる旋回流を形成することができるので、噴射口2aの内径D1を大きくしても液体の流速及び圧力を低下させることがなく、高粘度の液体を噴射口2aで液詰まりさせることなく小動物の左右の肺内に確実に噴霧することができる。
また、円錐部3bの端面の外径D2が0.33mm以上0.7mm以下になるように形成し、第1の旋回部の軸方向の長さL3が0.01mm以上0.12mm以下になるように形成することにより、低粘度から高粘度の液体まで常に適切な広がりのある噴霧を行うことができる。即ち、円錐部3bの端面の外径D2が0.33mmよりも小さい場合は、旋回半径が小さくなりすぎて十分な旋回ができなくなり、円錐部3bの端面の外径D2が0.7mmよりも大きい場合は、旋回半径が大きくなりすぎて流速及び圧力が低下するため、外径D2は0.33mm以上0.7mm以下が好ましい。また、第1の旋回部の軸方向の長さL3が0.01mmよりも小さい場合は、円錐面2bで旋回流を整える領域が小さくなりすぎて適切な噴射形状を形成する旋回流が不安定になり、第1の旋回部の軸方向の長さL3が0.12mmよりも大きい場合は、旋回流を形成する領域が大きくなりすぎて流通抵抗により流速及び圧力が低下して拡散角度が小さな円錐形噴霧になってしまうため、長さL3は0.01mm以上0.12mm以下が好ましい。
更に、ノズル部材2の円錐面2bを、円錐部3bの軸方向の長さL1の異なる複数種類の旋回流形成部材3と当接可能に形成したので、低粘度液用の場合は軸方向の長さL1の小さい円錐部3bを有する旋回流形成部材3を用い、高粘度液用の場合は軸方向の長さL1の大きい円錐部3bを有する旋回流形成部材3を用いて製造することにより、他の部品を共通化して複数種類の用途に応じた製品を製造することができ、製造コストの低減を図ることができる。
また、ノズル部材2の外周面に軸方向に延びる溝2dを設けたので、例えば動物実験に使用する場合には、溝2dを介して肺に空気を吸入することができ、実験動物の窒息を防止することができる。この場合、複数の溝2dを互いにノズル部材2の周方向に間隔をおいて設けるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、ノズル部材2の外周面に軸方向に延びる溝2dを設けているが、溝2dに代えて、図11の変形例に示すようにノズル部材2の外周面の周方向の一部を切り欠くことにより、ノズル部材2の外周面に軸方向に延びる切り欠き2eを設けるようにしてもよい。この場合も前記実施形態と同様、切り欠き2eを介して肺に空気を吸入することができる。
以上説明したように、本実施形態の経気管肺内投与器は、低粘度から高粘度の液体まで常に適切な広がりのある噴霧を行うことができるので、以下の投与例のように幅広い用途がある。
(1)医薬品安全性試験…点鼻薬、抗がん剤の臨床試験モデルへの応用など
(2)農薬の安全性試験…除草剤、防虫剤などの散布に従事する者の安全性担保のための安全性試験、家庭用殺虫剤の安全性試験
(3)食品添加物の安全性試験…メンソール、グリセロールなど香料の安全性試験
(4)工業原材料の安全性試験…工業原材料の労働環境(ホルマリン、アスベストなど)の観点からの安全性試験
(5)ナノマテリアルの試験…ナノマテリアルの気管内投与による安全性試験
本発明の一実施形態を示す経気管肺内投与器の斜視図 経気管肺内投与器の側面図 経気管肺内投与器の要部分解斜視図 ノズル部材の側面断面図 旋回流形成部材の側面図 ノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図 ノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面正面図 低粘度の液体の流れ及び噴霧状態を示すノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図 円錐部の長さの異なる他の旋回流形成部材を示す側面図 高粘度の液体の流れ及び噴霧状態を示すノズル部材及び旋回流形成部材の一部断面側面図 変形例を示す経気管肺内投与器の要部分解斜視図
符号の説明
1:チューブ部材
2:ノズル部材
2a:噴射口
2b:円錐面
2c:円周面
2d:溝
2e:切り欠き
3:旋回流形成部材
3a:螺旋状流路
3b:円錐部
3c:円柱部
A1…第1の旋回部
A2…第2の旋回部

Claims (5)

  1. 液体を流通するチューブ部材と、チューブ部材の一端に取付けられ、一端に設けた噴射口に向かって内径が小さくなるように形成された円錐面を有するノズル部材と、ノズル部材内に設けられ、外周面に螺旋状流路を有する旋回流形成部材とを備え、チューブ部材内に供給される液体を旋回流形成部材の螺旋状流路を介してノズル部材内の噴射口側に吐出することにより、噴射口から液体を噴霧する経気管肺内投与器において、
    前記螺旋状流路を互いに旋回流形成部材の軸心を中心とする略対称位置に二つ設け、
    旋回流形成部材には、外周面がノズル部材の円錐面の一部に当接する円錐部と、円錐部からノズル部材の他端側に向かって延びる円柱部とを設けるとともに、各螺旋状流路を円錐部及び円柱部に亘って形成し、
    ノズル部材内には、各螺旋状流路から吐出した液体を旋回流形成部材の円錐部の端面からノズル部材の噴射口までの間で円錐面に沿って旋回させる軸方向所定長さの第1の旋回部と、液体を第1の旋回部から噴射口の内周面に沿って旋回させる軸方向所定長さの第2の旋回部とを設けた
    ことを特徴とする経気管肺内投与器。
  2. 前記旋回流形成部材の円錐部の端面の外径が0.33mm以上0.7mm以下になるように形成し、第1の旋回部の軸方向の長さが0.01mm以上0.12mm以下になるように形成した
    ことを特徴とする請求項1記載の経気管肺内投与器。
  3. 前記ノズル部材の円錐面を、円錐部の軸方向の長さの異なる複数種類の旋回流形成部材と当接可能に形成した
    ことを特徴とする請求項1または2記載の経気管肺内投与器。
  4. 前記ノズル部材の外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの溝を設けた
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の経気管肺内投与器。
  5. 前記ノズル部材の外周面に軸方向に延びる少なくとも一つの切り欠きを設けた
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載の経気管肺内投与器。
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