JP7241013B2 - イオフルパンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、イオフルパンの製造方法に関する。
123I]イオフルパン(123I)は、線条体ドパミン性ニューロンのシナプスにおけるドパミントランスポーター(DAT)に高い親和性を有するため、黒質線条体ドパミン神経細胞が変性する運動失調疾患の線条体におけるDAT分布密度を単一光子放射断層撮影(SPECT)により可視化することができ、上記運動失調疾患であるパーキンソン病及びその他のパーキンソン症候群並びにレビー小体型認知症の診断に用いられている。
123I]イオフルパンの製造方法として、例えば、[123I]イオフルパンの放射性標識前駆体であるトリメチルスズ体を放射性ヨウ化物と反応させた後、4.6mm×300mmのC18カラムを使用し、溶離液としてメタノール/水/トリエチルアミン混液を用い、得られた反応液を保持時間10分でHPLC精製して標識化合物である[123I]イオフルパンを得ることは従来知られている(非特許文献1及び2)。
一方、[123I]イオフルパンの類似化合物であるトロパン化合物として特許文献1記載のものが知られているが、例えば、[123I]β-CITについては、合成時間を短縮し、処方時間を単純化するため、放射性ヨウ素標識反応後、反応液をコンパクトなカラムとエタノール水溶液を用い保持時間5~6分でHPLC精製することが報告されている(非特許文献3)。
国際公開WO95/01184公報
Baldwin R.M.et al.,Nucl.Med.Biol.,vol.22,No.2,pp.211-219,1995 Neumeyer J.L.,J.Med.Chem.,1994,37,1558-1581 Katsifis A.et al.,Appied Radiation and Isotopes 64,(2008),27-31
しかしながら、上記非特許文献1及び2に記載の方法では、ヒトへの適用を考慮すると、安全性の低いメタノールを使用する点が、問題であった。このため、より安全性の高いエタノールを溶離液として使用する方法を採用することで、34の国又は地域で医薬品として薬事承認されており(2013年7月現在)、日本においても2014年より出願人により販売されている。
しかしながら、生産性向上のため製造に使用する放射能量を多くすると、[123I]イオフルパンの安定性が低下し、薬事承認された規格を満たさなくなるおそれがあることが本発明者らの知見により明らかとなった。なお、上記非特許文献3及び特許文献1には、こうした[123I]イオフルパンの大量製造に関する問題点については、何ら開示も示唆もされていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、品質を低下させることなく、大量に[123I]イオフルパンを製造できる方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、放射性標識反応により得られた反応液を直径の大きなカラムを用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法にて[123I]イオフルパンを精製することにより、カラム内における放射能の濃縮を抑制し、製造開始時において200GBq以上の放射能を使用した場合においても、[123I]イオフルパンの放射化学的純度規格を担保できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明の一態様によれば、
(a)下記一般式(1)で表わされる標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとを反応させて、下記一般式(2)で表わされる放射性ヨウ素標識化合物を得る工程と、
(b)前記工程(a)で得られた前記放射性ヨウ素標識化合物を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法により精製する工程と、を含み、
前記工程(a)で用いる放射性ヨウ化物イオンの放射能量が前記工程(a)の開始時において200GBq以上であり、
前記工程(b)は、直径7mm以上の逆相カラムを用い、溶離液としてエタノール水溶液を用いて行われる、放射性ヨウ素標識イオフルパンの製造方法が提供される。
Figure 0007241013000001
(上記一般式(1)中、Rはアルキル鎖の炭素数が1~6であるトリアルキルスタニル置換基、または、トリフェニルスタニル置換基である。)
Figure 0007241013000002
(上記一般式(2)中、Xはヨウ素の放射性同位体である。)
本発明によれば、放射性標識反応により得られた反応液を直径の大きなカラムを用いてHPLC精製することとしたので、カラム内の放射能濃度の濃縮を抑制して、生産性を向上させることができる。
本明細書中において「イオフルパン」という用語は、IUPAC名称でメチル(1R,2S,3S,5S)-8-(3-フルオロフェニル)-3-(4-ヨードフェニル)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-2-カルボキシラート、又は、N-ω-フルオロプロピル-2β-カルボメチキシ-3β-(4-ヨードフェニル)ノルトロパンと呼ばれる化合物を意味する。
[(a)放射性ヨウ化工程]
本発明の放射性ヨウ化工程(a)では、上記一般式(1)で表わされる標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとを反応させて放射性ヨウ化反応を行うことにより、上記一般式(2)で表わされる放射性ヨウ素標識化合物を得る。
上記一般式(1)で表わされる標識前駆体化合物中、Rはアルキル鎖の炭素数が1~6であるトリアルキルスタニル置換基であることが好ましく、トリメチルスタニル置換基、トリエチルスタニル置換基、トリプロピルスタニル基及びトリブチルスタニル基がより好ましい。
上記標識前駆体化合物は、例えば、上記非特許文献1及び2に記載された方法を用いて合成することができる。
上記標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとの反応は、酸化剤存在下に適当な溶媒中で行うことが好ましい。放射性ヨウ化物イオンとしては、123I、124I、125I、131I等のイオンが例示できるが、このうち、123Iが好ましい。放射性ヨウ化物イオンの放射能量は、放射性ヨウ化工程(a)の開始時において200GBq以上とするが、本発明の方法は、放射性ヨウ化工程(a)の開始時において400GBq以上としても、高収率で放射性ヨウ素標識イオフルパンを製造することができる。放射性ヨウ化物イオンの放射能量の上限は、特に制限されないが、例えば、3500GBq以下であり、2000GBq以下が実用的である。
また、放射性ヨウ化物イオンは、対イオンを有する塩であってもよい。対イオンには、例えば、アルカリ金属イオンやアルカリ土類金属が挙げられるが、ヨウ化物イオンを含む塩としては、ヨウ化ナトリウム(NaI)、ヨウ化カリウム(KI)、ヨウ化アンモニウム(NHI)、ヨウ化セシウム(CsI)、ヨウ化リチウム(LiI)、トリエチルアミンヨウ化水素酸塩(EtN HI)などのアミンのヨウ素酸塩、テトラブチルアンモニウムヨージド(BuNI)などの四級アンモニウム塩などが例示できるが、このうち、放射性ヨウ化ナトリウムが好ましい。
溶媒としては、放射性ヨウ素化反応に従来使用されているものであればよく、塩酸、トルフルオロ酢酸、硫酸、酢酸等の酸性液、エタノールなどのアルコール系溶媒;テトラヒドロフラン(THF)などのエーテル系溶媒;アセトニトリル等から選択される極性溶媒、塩化メチレンなどのハロゲン系溶媒;トルエンなどから選択される非極性溶媒が例示できる。これらの酸性液、極性溶媒及び非極性溶媒は、一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。極性溶媒及び非極性溶媒を使用する場合は、上記例示した酸性液や、リン酸、リン酸の酸性緩衝液を添加して用いることが好ましい。
酸化剤としては、N-クロロこはく酸イミド、過酸化水素などが例示できる。
溶媒中の上記標識前駆体化合物の濃度は特に限定されないが、放射性ヨウ素標識イオフルパンの収率を向上させる観点から、0.3mg/mL以上であることが好ましく、0.3~0.8mg/mLであることがより好ましい。
上記標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとの反応は、非放射性ヨウ化物イオンの存在下に実行することが好ましい。この場合、非放射性ヨウ化物イオンの濃度は、限定されないが、放射性ヨウ素標識イオフルパンの収率を向上させる観点から、0.015mg/mL以上であることが好ましく、0.015~0.04mg/mLであることがより好ましい。
放射性ヨウ化反応における反応液の液量は、特に限定されないが、例えば、1~5mLとする。
上記標識前駆体化合物とヨウ化物イオンとの反応の際の温度は、特に限定されないが、10~120℃であることが好ましく、15~40℃であることがより好ましい。
上記標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとの反応時間は、特に限定されないが、5~30分であることが好ましい。
上記放射性ヨウ素標識反応を行う反応容器としては、ガラス容器あるいは溶媒に耐性のあるプラスチック容器を用いることができる。加熱器としては、特に限定されないが、例えば、ブロックヒーターやエアヒーターが用いられる。
[精製工程(b)]
本発明の精製工程(b)は、前記工程(a)で得られた反応液から上記一般式(2)で表わされる放射性ヨウ素標識化合物をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)法により精製する工程であるが、具体的には、上記反応液を適当な溶離液とともに逆相カラムに充填した後、逆相カラムから溶出させ、上記放射性ヨウ素標識化合物が溶出する保持時間の溶出液を分取することにより、上記放射性ヨウ素標識化合物を単離する工程である。
本発明は、この精製工程(b)において、上記カラムとして直径7mm以上の逆相カラムを用い、上記溶離液としてエタノール水溶液を用いることにより、12分以内の保持時間で放射性ヨウ素標識化合物を溶出させることを可能にした点に特徴を有する。HPLC実行時のカラムの温度は、10~30℃であることが好ましい。
本発明では、カラムにおける放射能の濃縮を抑制する観点から、上記逆相カラムとして、内径が7mm以上の逆相カラムが使用され、内径が7~30mmの逆相カラムを使用することがより好ましい。また、この逆相カラムの長さは、保持時間を短縮し、圧力損失を低下させる観点から、50~200mmが好ましく、60~170mmがより好ましい。この逆相カラムの具体例としては、シリル基がn-エチル基、n-ブチル基、n-オクチル基、n-オクタデシルシリル基、フェニル基、シアノプロピル基、トリメチルシリル基、及びトリアコンチル基より選択される官能基、好ましくはn-オクチル基、n-オクタデシルシリル基、及びフェニル基より選択される官能基で修飾された充填剤を用いるものが挙げられる。このような逆相カラムは、例えば、Waters社,Phenomenex社、野村化学、東ソー、資生堂、ワイエムシィなどから商業的に入手することができる。上記カラムは、1本単独で使用しても、2本以上を連結して使用してもよい。例えば、2本以上を連結して使用する場合、最初のカラムとして、それ以降のカラムより長さの短いものを使用し、反応液から非放射性の無機物を除去するとともに濃縮した後、溶出し精製カラムに導入するための前処理カラムとして機能させても良い。前処理カラムの長さは,濃縮の効率化の観点から、10~50mmが好ましく、10~20mmがより好ましい。2本目のカラムは精製カラムとして機能させ、前処理カラムより長いものを使用することが好ましい。精製カラムの長さは、50~150mmが好ましく、100~150mmが好ましい。
本発明で使用する溶離液は、エタノールと水とを含むものであり、エタノールと、緩衝水溶液又は弱酸のアルカリ金属塩の水溶液との混液が好ましい。緩衝水溶液としては、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、ホウ酸緩衝液等が使用できるが、このうち、酢酸緩衝液が好ましい。これら緩衝液は、共役酸と共役塩基とから調製することができ、例えば、酢酸緩衝液は、酢酸と酢酸ナトリウムとを混合した水溶液から調製することができる。また、弱酸のアルカリ金属塩の水溶液としては、リン酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、ホウ酸等の弱酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩やカリウム塩)の水溶液が用いられるが、このうち、酢酸ナトリウム水溶液が好ましい。また、緩衝水溶液又は弱酸のアルカリ金属塩の水溶液のpHは、放射性ヨウ素標識イオフルパンの溶出ピークを短時間にし、再現性を向上させるように設定することが好ましいが、pH4以上とすることで、放射性ヨウ素標識イオフルパンと不純物との分離度が向上することからより好ましい。また、pH12以下とすることで、逆相カラムのダメージを軽減できるため、より好ましい。pHが4.5~8.6であることが更に好ましい。また、溶離液中のエタノール濃度は、エタノールと緩衝水溶液との合計100体積%に対し30~75体積%が好ましく、50~70体積%がより好ましい。
HPLC実行時の放射性ヨウ素標識イオフルパンの試料調製については、放射性ヨウ素標識イオフルパンの放射線分解をより低減する観点から、エタノールを含む溶液として調製することが好ましい。より好ましくは、エタノール濃度が20体積%以下になるように調製し、HPLCを実行することで、分離条件に影響を与えることなく、放射性ヨウ素標識イオフルパンの放射線分解を抑制することができる。
前記工程(b)で溶出された溶出液は、通常、そのままでは高濃度なので、放射性ヨウ素標識イオフルパンの放射線分解をより低減する観点から、回収容器への回収時に、適当な希釈液で適当な濃度に希釈することが好ましく、溶出時において10GBq/mL以下の濃度に希釈することがより好ましい。希釈液としては、エタノール及び/又は緩衝水溶液を含む希釈液が挙げられる。この緩衝水溶液としては、溶離液に使用できるものとして上記したものを使用できる。希釈液は、エタノールと酢酸緩衝液との混液が好ましく、溶離液と同じものであることがより好ましい。希釈は、上記逆相カラムから溶出されたヨウ素標識化合物を含む溶出液を、予め希釈液を収容させておいた回収容器に直接収容することで行ってもよい。
本発明で得られた放射性ヨウ素標識イオフルパンは、最終的には、注射剤等の各種剤形に調製され、製剤として提供される。かかる製剤は、一般に、上記一般式(2)の放射性ヨウ素標識化合物を含有する水溶液の形態で提供され、上記希釈液によって希釈された水溶液を必要に応じて、さらに希釈したり、生理学的、薬学的または化学的に許容可能な各種の添加剤を添加したりして調製される。例えば、注射剤に調製する場合、含有可能な添加剤としては、安定剤、pH調整剤、生理食塩水及び溶解剤等が挙げられる。かかる添加剤は、上記希釈液に予め添加しておいてもよい。
本発明で得られた放射性ヨウ素標識イオフルパンを注射剤として調製する場合、一般的に用いられるpH範囲はpH2~10であり、好ましくはpH4~8であり、特に好ましくはpH4~6である。
本発明で得られた放射性ヨウ素標識イオフルパンを注射剤として調製した場合、脳内の各種診断に用いるイメージング剤として使用でき、具体的には、質線条体ドパミン神経細胞が変性する運動失調疾患であるパーキンソン病及びその他のパーキンソン症候群並びにレビー小体型認知症等のSPECTによる診断のイメージング剤として好適に使用することができる。
以下、実施例を記載して本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
(実施例1~6、比較例1)
(a)標識工程
124Xe(p,2p)123I反応により得られた123Iに0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、[123I]ヨウ化ナトリウム溶液を調製した。得られた[123I]ヨウ化ナトリウム溶液に、非放射性ヨウ化ナトリウム(後で示す表1中のNaI)の水溶液を加えた。なお、実施例1~3及び比較例1では、非放射性ヨウ化ナトリウム水溶液の添加前、実施例4~6では、非放射性ヨウ化ナトリウム水溶液の添加後に、120℃で濃縮し、液量を調製した。次いで、N‐ω‐フルオロプロピル-2β-カルボメトキシ-3β-(4-トリメチルスタンニルフェニル)ノルトロパン(以下、SnFP-CT)の無水エタノール溶液、30%過酸化水素50μL,25%硫酸40μL、及び0.2mol/L酢酸ナトリウム水溶液50μLを加えて室温で10分以上かき混ぜた後、30%ピロ亜硫酸ナトリウム水溶液150μL及び0.2mol/L酢酸ナトリウム水溶液250μLを加えて反応をクエンチした。実施例4~6については、エタノール濃度が18体積%となるようにエタノールを添加した。
(b)精製工程
実施例1~6は以下条件Aにて、比較例1は以下条件Bにて、高速液体クロマトグラフィーを行うことでイオフルパン(123I)を分離精製し、実施例1~3及び比較例1では、酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液5mLを入れた回収容器、実施例4~6については、溶出時において10GBq/mL以下に維持されるように酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液75mLとエタノール5mLを入れた回収容器に溶出させて、イオフルパン(123I)分取液を得た。
<条件A>
プレカラム:XBridge BEH Prep C18(ウォーターズ社製)、5μm、φ10×10mm
カラム:XBridge BEH Prep C18(ウォーターズ社製)、5μm、φ10×100mm
移動相:0.2mol/L酢酸ナトリウム水溶液(pH8.2)/エタノール=33:67
流速:2.0mL/分
検出器:UV230nm
カラム温度:25℃
保持時間:9~11分
<条件B>
プレカラム:Spherisorb ODS2(ウォーターズ社製)、5μm、φ4.6×30mm
カラム:Spherisorb ODS2(ウォーターズ社製)、5μm、φ4.6×250mm
移動相:0.2mol/L酢酸ナトリウム水溶液(pH8.2)/エタノール=33:67
流速:0.6mL/分
検出器:UV230nm
カラム温度:25℃
保持時間:14~17分
(c)製剤化工程
上記工程(b)で得た分取液に,無水エタノール及び酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液を添加して、イオフルパン(123I)の放射能濃度が検定日時(製造開始時刻から27時間後)において74MBq/mL、無水エタノール5.0体積%となるように調整した後、孔径0.22μmのポリエーテルスルホン製メンブランフィルターでろ過し,洗浄・滅菌済み無色ガラス製シリンジ型バイアル(容量2mL)に充填し,洗浄・滅菌済みゴム製ガスケットで打栓した。
[純度試験及び放射化学的異物評価]
イオフルパン40mgに99.5%エタノール2.3mL、0.1mol/L酢酸・酢酸ナトリウム水溶液7.3mL及びヨウ化ナトリウム水溶液(ヨウ化ナトリウム1gを水に溶かして100mLとしたもの))0.4mLを加えて溶解し、イオフルパン標準液を調製した。次いで、イオフルパン(123I)及びイオフルパン標準液を1:1で混合した試料溶液を適量とり,酢酸エチル/アセトン/トリエチルアミン混液(57:43:1)を展開溶媒として,薄層板の下端から約30mmの高さの位置を原線としたほか、放薬基一般試験法 薄層クロマトグラフィーにより試験を行い、原線より約10cm展開した後,クロマトグラムスキャナを用いて薄層上の放射能を測定した。薄層上の放射能を測定した結果から、薄層上の総放射能に対するイオフルパン(123I)(Rf=0.5~0.7)の放射能の割合(%)を求めた。なお、薄層板は薄層クロマトグラフィー用シリカゲル(蛍光剤入り)を用いて調製した。
結果を表1に示す。なお、表1中、SOSは、イオフルパン(123I)の製造開始時刻である。本実施例において製造開始時刻とは、上記(a)標識工程で[123I]ヨウ化物イオンの調製が終了し、120℃で濃縮を開始した時刻である。また、収率は、減衰補正をしたものである。製造直後は、上記(c)製剤化工程を終了した直後であり、有効期限は製造開始の34~35時間後である。NDは、データを取得していないことを表わす。
Figure 0007241013000003
表1から、使用する[123I]ヨウ化物イオンの放射能量が製造開始時刻で200GBq以上では、直径が7mm未満のカラムを用いた比較例1の場合、得られたイオフルパン(123I)の放射化学的純度が有効期限前に規格を満たさなくなるおそれがあるのに対し、直径が7mm以上のカラムを用いた実施例1~6では、得られたイオフルパン(123I)の純度が95%以上を維持することができた。また、実施例3~6の結果から、0.3mg/mL以上の標識前駆体化合物を使用することで、使用する[123I]ヨウ化物イオンの放射能量を製造開始時刻で400GBq以上用いた場合においても、イオフルパン(123I)の収率を約50%以上にできた。したがって、本発明の方法により、高い純度のイオフルパンを大量に製造することが可能となることが示された。
この出願は、2017年3月17日に出願された日本出願特願2017-052700号を基礎とする優先権を主張し、その開示の総てをここに取り込む。

Claims (7)

  1. (a)下記一般式(1)で表わされる標識前駆体化合物と放射性ヨウ化物イオンとを溶媒中で非放射性ヨウ化物イオン存在下に反応させて、下記一般式(2)で表わされる放射性ヨウ素標識化合物を得る工程と、
    (b)前記工程(a)で得られた前記放射性ヨウ素標識化合物を高速液体クロマトグラフィー法により精製する工程と、を含み、
    前記工程(a)で用いる放射性ヨウ化物イオンの放射能量が前記工程(a)の開始時において200GBq以上であり、
    前記工程(b)は、直径7mm以上の逆相カラムを用い、溶離液としてエタノール水溶液を用いて行われ
    前記工程(a)の反応において、前記標識前駆体化合物の濃度が0.3mg/mL以上であり、前記非放射性ヨウ化物イオンの濃度が0.015mg/mL以上である、放射性ヨウ素標識イオフルパンの製造方法。
    Figure 0007241013000004


    (上記一般式(1)中、Rはアルキル鎖の炭素数が1~6であるトリアルキルスタニル置換基、または、トリフェニルスタニル置換基である。)
    Figure 0007241013000005

    (上記一般式(2)中、Xはヨウ素の放射性同位体である。)
  2. 前記溶離液が、エタノールと酢酸ナトリウムを含む水溶液との混液である、請求項1に記載の放射性ヨウ素標識イオフルパンの製造方法。
  3. 前記工程(b)における前記溶離液がエタノールと緩衝水溶液又は弱酸のアルカリ塩を含む水溶液との混液であり、前記緩衝水溶液又は前記弱酸のアルカリ塩を含む水溶液のpHが4~12である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(a)で用いる放射性ヨウ化物イオンの放射能量が前記工程(a)の開始時において400GBq以上である、請求項1乃至3の何れか1項に記載の製造方法。
  5. 前記工程(b)で溶出された前記放射性ヨウ素標識化合物を含む溶出液を回収容器に受けるとともに、前記放射性ヨウ素標識化合物を10GBq/mL以下の濃度に希釈する、請求項1乃至4の何れか1項に記載の製造方法。
  6. 前記回収容器には、予め前記放射性ヨウ素標識化合物を希釈するための希釈液が収容されており、前記逆相カラムから溶出された前記溶出液を当該回収容器に受けることにより、前記放射性ヨウ素標識化合物を10GBq/mL以下の濃度に希釈する、請求項に記載の製造方法。
  7. 前記工程(b)において、前記工程(a)で得られた放射性ヨウ素標識化合物をエタノール濃度が20体積%以下になるように調製した後、前記高速液体クロマトグラフィー法による精製を実行する、請求項1乃至6の何れか1項に記載の製造方法。
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