JP7239977B2 - 加熱コイルの保管設備 - Google Patents

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Description

本発明は、金属製のワークを熱処理する際に使用される加熱コイルを保管する設備に関するものである。
金属製のワーク(熱処理対象物)を高周波誘導加熱する場合、高周波誘導加熱装置(高周波焼入装置)に設けられた加熱コイルをワークの表面に近接させると共に、加熱コイルに高周波電流を通電し、ワークの表面に高周波誘導電流を励起させる。これにより、ワークの表面にジュール熱が生じ、ワークの表面が昇温する。
ここで、ワークの大きさや形状は様々であり、異なる大きさ又は形状のワークを、共通の加熱コイルで誘導加熱するのは無理である。例えば、クランクシャフトのピン部の周面とカムシャフトのカム部の周面を、同一の加熱コイルで誘導加熱するのは現実的ではない。また、ワークが例えばクランクシャフトである場合、異なる大きさのクランクシャフトのピン部の周面を、同一の加熱コイルで誘導加熱することはできない。同様に、ワークがカムシャフトである場合、同一の加熱コイルで、異なる大きさのカムシャフトのカム部の周面を誘導加熱することもできない。
さらに、高周波誘導加熱装置は、高周波発振器やトランス等を有する大掛かりの装置であり、ワーク毎に高周波誘導加熱装置を用意するのは現実的ではない。
そのため、従来、個々のワークに対応した加熱コイルが、その都度選択されて、高周波誘導加熱装置に着脱可能に装着して使用されている。
このような構造を有する高周波焼入装置が、例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1に開示された高周波焼入装置は、複数の加熱コイルを共通の高周波誘導加熱装置に対して着脱交換して使用する構造を有している。そして、特許文献1の高周波焼入装置は、コイル保管部を有し、高周波誘導加熱装置に装着されていない加熱コイルは、コイル保管部に保管されている。すなわち、使用済みの加熱コイルはコイル保管部に保管し、次の熱処理対象のワークに対応した加熱コイルを、コイル保管部から取り出して高周波誘導加熱装置に装着する。
特許第6238596号公報
ところで、加熱コイルは、高周波電流が通電されて帯電するため埃等が吸着し易く、汚れ易い。そのため、加熱コイルは定期的に清掃(洗浄)する必要がある。
また、加熱コイルは、良導体である銅や銅合金等で構成されており、剛性が高いとは言えず、外力が作用すると簡単に変形してしまう。加熱コイルが変形すると、誘導加熱中にワークと接触するコイルタッチと呼ばれる事態が生じる恐れがある。コイルタッチが生じると、ワークの高周波焼入が不良となる。
さらに、加熱コイルは、高周波電流が通電されると昇温し、損耗し易い。そこで従来は、加熱コイル自身の昇温を抑制するために、加熱コイルの内部に冷却液を循環供給していた。ところが、加熱コイル内を流通する冷却液には異物が含まれており、この異物の一部は加熱コイル内に蓄積してしまう。その結果、加熱コイル内の冷却液の流路が狭まり、冷却液が流れにくくなり、加熱コイルの冷却が不十分になるという懸念がある。
しかし、従来の設備では、コイル保管部に保管されている加熱コイルの外側には埃や油分等が付着しており、内側には異物が蓄積している。また、加熱コイルの損耗が進んでいたり、周囲の部材等と接触して変形していても、従来の設備では、加熱コイルはそのままの状態で保管されている。
そのため、従来は、使用する直前に加熱コイルを洗浄したり、変形の有無の確認を行っていた。よって、従来は、加熱コイルの交換作業は時間を要していた。
また、その確認作業を怠ると、コイルタッチ等の事故を招く恐れがあった。
そこで本発明は、高周波誘導加熱装置から取り外された加熱コイルを整備すると共に、整備後の加熱コイルを保管することができる加熱コイルの保管設備を提供することを目的としている。
上記課題を解決するための関連の発明は、高周波誘導加熱装置に着脱可能に装着され、金属製のワークに近接させて当該ワークを誘導加熱する加熱コイルを保管する保管設備であって、前記加熱コイルを整備する整備手段を有することを特徴とする加熱コイルの保管設備である。
ここで整備とは、洗浄(清掃)、保守、点検、メンテナンス等を含み、直ちに使用することができるように整えることを意味している。
この発明の加熱コイルの保管設備では、ワークを誘導加熱した後、高周波誘導加熱装置から取り外した加熱コイルを保管することができる。加熱コイルが取り外された高周波誘導加熱装置には、別の加熱コイルを取り付けることができる。そのため、次の熱処理を速やかに実施することができる。
また、保管設備は、加熱コイルを整備する整備手段を有しているので、誘導加熱処理を実施していない加熱コイルを整備することができる。すなわち、使用されていない加熱コイルを整備することができる。よって、当該加熱コイルを次回使用する機会に、整備された加熱コイルを直ちに使用することができる。
すなわち、現在、高周波誘導加熱装置に装着されている加熱コイルによってワークを高周波誘導加熱している間に、高周波誘導加熱装置から取り外された加熱コイルの整備を実施することができる。
換言すると、ワークの高周波誘導加熱処理を中断することなく、高周波誘導加熱装置から取り外された使用後の加熱コイルの整備を行うことができる。そのため、加熱コイルは、整備が済んだ状態で保管設備に保管され、次回の使用時に備えることができる。すなわち、次回の使用時に、当該加熱コイルを直ちに使用することができる。また、整備(点検)の結果、加熱コイルに不具合があることが判明すると、整備(修理、又は新規なものと交換)し、次回の使用時に備えることができる。
そのため、整備済みの加熱コイルを直ちに高周波誘導加熱装置に装着し、ワークの熱処理を円滑に速やかに実施することができる。
関連の発明は、複数の加熱コイルを保管可能であり、保管された前記複数の加熱コイルから任意の加熱コイルのみを取り出し可能であることを特徴とする上記の加熱コイルの保管設備である。
この発明では、複数の加熱コイルを保管可能であり、保管された複数の加熱コイルから任意の加熱コイルのみを取り出し可能であるので、速やかに加熱コイルを取り出すことができる。その結果、加熱コイルを速やかに誘導加熱装置に取り付けることができる。
ここで、「任意の加熱コイルのみを取り出し可能である」とは、保管設備から他の加熱コイルを取り出さなくても、所望の加熱コイルを取り出すことができることを意味している。
複数の加熱コイルを保管可能であり、前記複数の加熱コイルを個々に収容する保管棚を有していてもよい。個々の保管棚で各加熱コイルを整備したり、整備後の各加熱コイルを個々の保管棚に保管することもできる。すなわち、保管棚とは別に加熱コイルを整備する領域を設けてもよい。
整備手段は、加熱コイルを洗浄する洗浄領域と、加熱コイルの異常の有無を点検する点検領域と、加熱コイルをメンテナンスするメンテナンス領域を有していてもよい。洗浄領域は、液体が貯留された液槽を有し、この液槽に貯留した液体に加熱コイルを浸漬して加熱コイルを洗浄するのが好ましい。液槽に貯留した液体は、洗浄液であるのが好ましい。
関連の発明は、加熱コイルは中空であって、内部に液体を流通させることができるものであり、加熱コイル内に液体を循環供給する循環供給手段を有することを特徴とする上記の加熱コイルの保管設備である。
この発明では、循環供給手段によって加熱コイル内に液体を循環供給することにより、加熱コイル内を洗浄又は清掃することができる。加熱コイル内を洗浄する場合には、液体として洗浄液を採用するのが好ましい。
また、液体を流通させると、加熱コイルが破損している場合には液漏れが発生し、破損箇所を容易に見つけることができる。すなわち、循環供給手段は、加熱コイルの損傷の有無を確認する点検手段としても機能する。
関連の発明は、加熱コイルの変形の有無を確認する変形確認手段を有することを特徴とする上記の加熱コイルの保管設備である。
この発明では、加熱コイルの変形の有無を変形確認手段で確認し、仮に変形していることが判明した場合には、当該加熱コイルの次回の使用時までに修理する機会を得ることができる。換言すると、変形した加熱コイルを修理することなく、次回の高周波誘導加熱に使用する事態を回避することができる。
ここで、加熱コイルの変形とは、歪み、損耗、亀裂、破損を含む。変形確認手段としては、加熱コイルを撮影し、正常な形状の加熱コイルの画像と、使用後の加熱コイルの画像を比較したり、作業者が目視によって確認することを含んでいる。また、ダミーのワークを加熱コイルに近接配置して通電試験を実施し、ダミーのワークと加熱コイルの間の通電の有無を確認してもよい。すなわち、コイルタッチの有無を検出することによっても加熱コイルの変形を確認できる。
請求項1に記載の発明は、高周波誘導加熱装置に着脱可能に装着され、金属製のワークに近接させて当該ワークを誘導加熱する加熱コイルを保管する保管設備であって、前記高周波誘導加熱装置から取り外された前記加熱コイルを保管及び整備するものであり、前記加熱コイルを整備する整備手段を有し、仕切られた空間からなり、前記加熱コイルを収容する収容領域を有し、前記収容領域で複数の前記加熱コイルを保管可能であり、保管された前記複数の加熱コイルから任意の加熱コイルのみを取り出し可能であり、前記加熱コイルを洗浄する洗浄領域をさらに有し、前記洗浄領域に液槽が設けられており、前記液槽に貯留した洗浄液に前記加熱コイルを液没させることが可能であることを特徴とする加熱コイルの保管設備である。
請求項2に記載の発明は前記加熱コイルの異常の有無を点検する点検領域と、前記加熱コイルをメンテナンスするメンテナンス領域をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の加熱コイルの保管設備である。
請求項3に記載の発明は、前記点検領域に、前記加熱コイルの変形の有無を確認する変形確認手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の加熱コイルの保管設備である。
請求項4に記載の発明は、前記変形確認手段は、前記加熱コイルを撮影するカメラを含むことを特徴とする請求項3に記載の加熱コイルの保管設備である。
請求項5に記載の発明は、搬送装置をさらに有し、前記搬送装置によって、前記加熱コイルを前記収容領域、前記洗浄領域、前記点検領域、及び前記メンテナンス領域に搬送可能であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備である。
請求項6に記載の発明は、前記加熱コイルは中空であって、内部に液体を流通させることができるものであり、前記洗浄領域に、前記加熱コイル内に液体を循環供給する循環供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備である。
請求項7に記載の発明は、前記複数の加熱コイルを個々に収容する保管棚を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備である。
本発明によると、高周波誘導加熱装置から取り外した加熱コイルを整備手段によって整備するので、取り外した加熱コイルの整備中に、保管設備に保管されている別の加熱コイルを高周波誘導加熱装置に取り付け、ワークの熱処理を継続することができる。すなわち、高周波誘導加熱装置による熱処理を中断することなく、高周波誘導加熱装置に取り付けられていない加熱コイルの整備を実施することができる。また、未整備の加熱コイルを使用する事態を回避することができる。
本発明の実施形態に係る加熱コイルの保管設備の斜視図である。 図1の保管設備の洗浄領域に加熱コイル体を配置した状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 図2の状態から、加熱コイル体を降下させて液槽の洗浄液に浸漬した状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 図3で洗浄液に浸漬した加熱コイル体を上昇させ、エアーノズルによるエアーの吹き付けによって、加熱コイル体に付着した洗浄液を吹き飛ばしている状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 加熱コイルに液体を循環供給する配管を接続した状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 加熱コイル体を、点検領域に配置した状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 加熱コイル体を収容部に収容する直前の状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 収容部内の支持部材で加熱コイル体を支持した状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 収容部内の全ての支持部材に、加熱コイル体が支持されている状態を示す加熱コイルの保管設備の斜視図である。 本発明の別の実施形態に係る加熱コイルの保管設備の斜視図である。 図10のA-A矢視図である。 (a)は、加熱コイル体の斜視図であって、加熱コイル体を加熱コイル体に係合する部材と共に示しており、(b)は、(a)の加熱コイル体の内部の加熱コイルの斜視図である。
以下、図面を参照しながら説明する。
図1に示す本実施形態に係る保管設備1は、図12(a)に示す加熱コイル体10を整備し、さらに保管することができる。まず、加熱コイル体10と保管設備1の構成について説明し、続いて保管設備1に加熱コイル体10を保管する手順について説明する。
図12(a)に示すように、加熱コイル体10は、加熱コイル11と冷却ジャケット12を有する。すなわち、本実施形態において、加熱コイル体10は加熱コイル11を含む構造体である。そのため、加熱コイル11は加熱コイル体10として取り扱われる。
加熱コイル11は、銅や銅合金等の良導体の素材から成る一続きの管状の部材で構成されている。加熱コイル11は中空構造を呈しており、内部には冷却液を流通させることができる。図12(b)に示すように、加熱コイル11は、配管接続口15a~15dを有している。高周波焼入実施時には、これらの配管接続口15a~15dを介して加熱コイル11内に図示しない冷却液供給源(循環供給手段)から冷却液を供給すると共に、加熱コイル11内を巡った冷却液を外部に排出することができる。
加熱コイル11の両端部分には、接続端子20a、20bが設けられている。接続端子20a、20bは、図示しない高周波電源側のトランスと接続される接続部である。また、接続端子20a、20bには、支持ブロック40が固定されている。支持ブロック40は、絶縁性を有する素材で構成されており、両接続端子20a、20bに跨がるように配置されており、両接続端子20a、20b双方にネジ止めされている。図12(a)に示すように、支持ブロック40には、孔41a、41bが設けられている。
加熱コイル11と冷却ジャケット12は、一対の側板13a、13bによって一体化されている。すなわち、加熱コイル11及び、冷却ジャケット12(上方の一部)の前後には、剛性を有する一対の側板13a、13bが配置されている。側板13a、13bと加熱コイル11は、図示しない絶縁部材を介して一体化されている。また、側板13a、13bと冷却ジャケット12も一体化されている。
加熱コイル体10は、図示しない高周波誘導加熱装置(高周波焼入装置)に着脱交換できるように装着されて使用される。その際、配管接続口15a~15dには、図示しない冷却液供給配管が接続される。
配管接続口15a、15bに接続された冷却液供給配管は、図示しない冷却液供給源と接続されている。配管接続口15c、15dに接続された冷却液供給配管は、図示しない回収タンクと接続されている。そして、配管接続口15a、15bから加熱コイル11内に供給された冷却液は、配管接続口15c、15dを介して回収タンク(図示せず)に排出される。低温の冷却液が、加熱コイル11内を巡る間に昇温し、昇温した冷却液が外部に排出される。すなわち、加熱コイル11は冷却される。
高周波焼入では、高周波電流が通電された加熱コイル11が、金属製のワークの表面に近接し、ワークの表面に高周波誘導電流を励起させ、ワークが焼入温度まで昇温する。そして、加熱コイル11への通電を停止し、冷却ジャケット12からワークに向けて冷却液(焼入水)を噴射供給してワークを急冷し、当該ワークの高周波焼入が完了する。
すなわち、加熱コイル体10において、加熱コイル11の下方には、冷却ジャケット12が配置されている。冷却ジャケット12は、配管接続部19a、19bと、多数のノズル孔12aを有する。加熱コイル体10が図示しない高周波誘導加熱装置に装着されているときには、冷却ジャケット12の配管接続部19a、19bには、図示しない冷却液供給配管が接続される。この冷却液供給配管は、図示しない冷却液供給源と接続されている。冷却ジャケット12は、高周波焼入実施時には、配管接続部19a、19bを介して図示しない冷却液供給源から供給された冷却液を、ノズル孔12aから噴射する。ノズル孔12aは、熱処理対象物であるワークに対向し、ノズル孔12aから噴射された冷却液は、昇温したワークに供給される。
加熱コイル11に高周波電流が通電されている間、加熱コイル11内に冷却液を流通させる。この加熱コイル11内を流通する冷却液に含まれる異物の一部が、徐々に加熱コイル11内に蓄積する。これにより、加熱コイル11内の冷却液の流路が徐々に狭まってしまう。
また、ワークの高周波誘導加熱が終了すると、冷却ジャケット12には配管接続部19a、19bから冷却液(焼入水)が供給され、冷却液はノズル孔12aから昇温したワークに向けて噴射される。冷却液(焼入水)に混入した異物の一部が冷却ジャケット12内に蓄積する。
本実施形態においては、保管設備1で加熱コイル体10を整備(洗浄)する際に、配管接続口15a~15dには、図12(a)に示す洗浄液供給配管16a、16b(循環供給手段)、回収配管16c、16d(循環供給手段)が着脱可能に接続される。配管接続口15a、15bは、洗浄液供給配管16a、16bを介して加熱コイル11の内部に清浄な液体(洗浄液)を導入し、配管接続口15c、15dは、回収配管16c、16dを介して加熱コイル11の内部を巡って汚れた液体(洗浄液)を外部に排出する。
本実施形態においては、保管設備1で加熱コイル体10を整備(洗浄)する際に、配管接続部19a、19bには、図12(a)に示す洗浄液供給配管17a、17bが着脱可能に接続される。洗浄液供給配管17a、17bと接続された配管接続部19a、19bは、清浄な液体(洗浄液)を冷却ジャケット12内に導き、ノズル孔12aからは、汚れた液体が噴射される。すなわち、冷却ジャケット12内が清掃される。
次に保管設備1について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る保管設備1は、収容部2(収容領域)、洗浄部5(洗浄領域)、点検部6(点検領域)、メンテナンス部18(メンテナンス領域)を有する。
収容部2(収容領域)は、上下左右が仕切られ、前面側と後面側が開口した箱形状の空間を有する領域である。収容部2には、図12(a)に示す加熱コイル体10を複数個収容することができる。
本実施形態においては、収容部2は仕切のない一つの空間を形成しているが、収容部2の内部に仕切を設けてもよい。例えば、各加熱コイル体10が、個々に収容される空間を形成するように収容部2内を仕切って複数の保管棚を構成してもよい。
収容部2の上面(天上面)には、複数の支持部材7が設けられている。
各支持部材7は、左右方向に間隔を置いて配置されている。また、各支持部材7は、一対のフック7a、7bを有している。
フック7a、7bは、L字形状を呈している。フック7a、7bのL字の一片は、各々鉛直姿勢の鉛直部8a、8bを構成し、図示していないが、その上端部分が収容部2の上面(天井面)に固定されている。また、フック7a、7bのL字の他の一片は、各々水平姿勢の水平部8c、8dを構成している。水平部8c、8dの自由端(先端)は、鉛直部8a、8bよりも収容部2の前面側に配置されている。
次に、点検部6(点検領域)について説明する。
収容部2の上方には、カメラ6a、6b(変形確認手段)が配置されている。カメラ6a、6bは、所定の間隔を置いて配置されている。カメラ6a、6bの間の空間には、加熱コイル体10を配置することができる。カメラ6a、6bは、加熱コイル体10の全体を撮影することが可能な視野角を有する。
カメラ6a、6b(変形確認手段)は、撮影した画像データを、図示しないコンピュータに送信することができる。図示しないコンピュータは、各カメラ6a、6bから受信した画像データと、別の画像データを表示する機能を有している。すなわち、カメラ6a、6bと、図示しないコンピュータによって、加熱コイル体10の外観を点検する点検部6が構成されており、カメラ6a、6bが配置された領域は、点検領域を構成している。本実施形態では、点検部6(点検領域)は収容部2(収容領域)の上方に設けられている。
次に、洗浄部5(洗浄領域)について説明する。
図1に示すように、洗浄部5は、収容部2の右方であって収容部2と隣接する位置に設けられている。
洗浄部5は、下方に液槽3を有し、液槽3の上方には複数のエアーノズル4と、洗浄液供給配管16a、16b(循環供給手段)と、回収配管16c、16d(循環供給手段)と、洗浄液供給配管17a、17bが配置されている。図2~図4では、描写の煩雑化を避けるため、洗浄液供給配管16a、16b、回収配管16c、16d及び洗浄液供給配管17a、17bの描写を省略している。
液槽3には洗浄液3aが貯留されている。液槽3に貯留された洗浄液3aは、加熱コイル体10を液没(浸漬)させることができる。加熱コイル体10を洗浄液3aに浸漬させることにより、加熱コイル体10の露出した部分(外面)を洗浄することができる。
エアーノズル4は、図示しないコンプレッサに接続されている。エアーノズル4は、位置と向きを変更することができ、液槽3の上方で支持された加熱コイル体10に対して加圧気体を噴射し、加熱コイル体10の表面に付着した付着物(埃や洗浄液等)を吹き飛ばすことができる。
洗浄液供給配管16a、16bは、図示しない洗浄液供給源から供給される加圧された洗浄液を加熱コイル11内に導くことができる。回収配管16c、16dは、加熱コイル11内を巡った洗浄液を加熱コイル11の外部に排出することができる。すなわち、洗浄液によって加熱コイル11の内部を洗浄することができる。また、洗浄液供給配管16a、16bには、それぞれ図示しない開閉弁が設けられている。この開閉弁を開閉することにより、加熱コイル11内への洗浄液の供給と、供給の遮断とを切り換えることができる。
洗浄液供給配管17a、17bも、洗浄液供給配管16a、16bと同様に、図示しない洗浄液供給源から加圧された洗浄液を導くことができる。洗浄液供給配管17a、17bは、加熱コイル体10の冷却ジャケット12に加圧された洗浄液を供給することができ、冷却ジャケット12に供給された洗浄液は、ノズル孔12aから外部に排出される。すなわち、冷却ジャケット12の内部を洗浄することができる。
収容部2の後方側にはメンテナンス部18(メンテナンス領域)が設けられている。メンテナンス部18は、加熱コイル体10に不具合が見つかった場合に、その不具合を解消する(修復する)ための領域を構成する。
収容部2(収容領域)、洗浄部5(洗浄領域)、点検部6(点検領域)、メンテナンス部18(メンテナンス領域)のレイアウトは、任意に設定することができる。すなわち、本実施形態では、収容部2の右隣に洗浄部5があり、上方に点検部6があり、後方にメンテナンス部18がある例について説明したが、このレイアウトは一例であって、任意に変更が可能である。
また、保管設備1は、搬送装置9(図1)を有する。搬送装置9は、加熱コイル体10を洗浄部5、点検部6、収容部2に搬送することができる。本実施形態では、搬送装置9は、一対の支持アーム9a、9bを有する。支持アーム9a、9bは、L字状のフックである。支持アーム9a、9bは、加熱コイル体10の支持ブロック40の孔41a、41bに挿通される水平部33a、33bを有する。
次に、保管設備1で加熱コイル体10を保管する手順について説明する。
図示しない高周波焼入装置に装着されて金属製のワークを熱処理した加熱コイル体10を高周波焼入装置から取り外し、図2に示すように、搬送装置9で洗浄部5まで搬送する。すなわち、搬送装置9は、支持アーム9a、9bの水平部33a、33bを加熱コイル体10の支持ブロック40の孔41a、41bに挿通し(図12(a))、支持アーム9a、9bで加熱コイル体10を吊り下げることができる。
そして、搬送装置9によって加熱コイル体10を高周波焼入装置(図示せず)から保管設備1の洗浄部5まで搬送する。すなわち、支持アーム9a、9b(加熱コイル体10)が液槽3の上方に移動する。
続いて、図3に示すように、搬送装置9は、加熱コイル体10を下降させ、加熱コイル体10を液槽3(整備手段)に貯留した洗浄液3a中に浸漬させる。洗浄液3aに液没した加熱コイル体10は、洗浄液3aで洗浄される。液槽3内には、洗浄液3aを攪拌する攪拌装置を設けるのが好ましい。
洗浄液3aで洗浄後、図4に示すように、搬送装置9で加熱コイル体10を液面よりも上に上昇させる。加熱コイル体10には洗浄液が付着しており、場合によっては、異物が付着している場合もある。そこで、エアーノズル4(整備手段)で加熱コイル体10に向けて加圧気体を噴射し、加熱コイル体10の表面の洗浄液や異物等の付着物を吹き飛ばす。
図1~図9では、3つのエアーノズル4が描写されているが、エアーノズル4の数はいくつであってもよい。また、エアーノズル4は向き及び位置を変更することができ、加熱コイル体10に対して、様々な位置から加圧気体を噴射することができる。
エアーノズル4の加圧気体の噴射は、目視で加熱コイル体10の表面に付着物が付着していないことが確認できた時点で停止する。または、噴射開始から所定時間が経過した時点でエアーノズル4の加圧気体の噴射を停止させてもよい。
次に、図5に示すように、加熱コイル体10(加熱コイル11)の配管接続口15a~15d(図12(a)、(b))に、洗浄液供給配管16a、16b、回収配管16c、16dを接続し、加熱コイル11内に洗浄液を流通させ、加熱コイル11の内部を洗浄する。これにより、異物(蓄積物)によって狭まった加熱コイル11内の流路が拡がる。その結果、高周波誘導加熱実施時に加熱コイル11内に冷却液を循環供給し易くなり、加熱コイル11の冷却効果を良好に維持することができる。
すなわち、高周波誘導加熱の実施累積時間が長くなるほど、加熱コイル11内にカルキ等の蓄積物が蓄積し易く、流路が徐々に狭まってしまう。そのため、加熱コイル11の内部を洗浄する必要がある。
洗浄液(加圧液)は、配管接続口15a、15bから加熱コイル11内に進入し、別の配管接続口15c、15dから加熱コイル11外へ排出される。ここで、洗浄液は、加熱コイル11の内部に蓄積したカルキ等の付着物を一掃できる研磨材を含んでいるのが好ましい。
加熱コイル11内に洗浄液を循環供給している間、加熱コイル11からの液漏れの有無を確認することができる。すなわち、洗浄部5は、加熱コイル11の点検部としても機能する。液漏れが確認されると、加熱コイル11のいずれかの部位が破損していると考えられる。
すなわち、図5に示す加熱コイル11内の洗浄中に、加熱コイル11の内外を通じさせる孔、亀裂、破損部位等の有無を確認することができる。液漏れを確認(発見)した場合、液漏れ箇所を特定した後、洗浄液の供給を停止する。そして、加熱コイル体10から各配管を取り外し、搬送装置9によって加熱コイル体10をメンテナンス部18まで搬送し、当該加熱コイル体10(加熱コイル11)に対して、直ちに必要なメンテナンスを行う。図5に示すように、メンテナンス部18(メンテナンス領域)は、洗浄部5(洗浄領域)の左方であって収容部2の後方に位置しており、加熱コイル体10は、搬送装置9によって速やかに洗浄部5に移動することができる。
同様に、加熱コイル体10の冷却ジャケット12の配管接続部19a、19b(図12(a))に洗浄液供給配管17a、17bを接続し、洗浄液供給配管17a、17bを介して冷却ジャケット12に洗浄液(加圧液)を供給し、冷却ジャケット12の内部を洗浄する。冷却ジャケット12に供給された洗浄液は、ノズル孔12a(図12(a))から外部に排出される。
図5で加熱コイル11内及び冷却ジャケット12内の洗浄が完了し、さらに加熱コイル11の液漏れが発見されなかった場合には、加熱コイル11への洗浄液の循環供給を停止し、配管接続口15a、15bから洗浄液供給配管16a、16bを外し、配管接続口15c、15dから回収配管16c、16dを外す。
同様に、冷却ジャケット12への洗浄液の供給を停止し、配管接続部19a、19bから洗浄液供給配管17a、17bを外す。このとき、加熱コイル11の内部及び冷却ジャケット12の内部には洗浄液が充満している。そのため、配管接続口15a、15b、配管接続部19a、19bに加圧水(通常の水)を供給する別の配管(図示せず)を接続し、加熱コイル11及び冷却ジャケット12の内部に通常の水を供給し、洗浄液を排出する。
続いて、図6に示すように、搬送装置9によって、加熱コイル体10を収容部2の上方の点検部6(点検領域)に移動させる。加熱コイル体10は、カメラ6a、6bの間に配置され、カメラ6a、6bによって撮影される。
点検部6(点検領域)に配置されたカメラ6a、6bによって撮影された画像データは、図示しないコンピュータに送信される。そして、図示しないコンピュータ、又は作業者は、製造当初の加熱コイル体10の画像データと、今回撮影した画像データとを比較し、相違する箇所(すなわち、変形した箇所)の有無を確認する(変形確認手段)。両画像データの相違する箇所は、加熱コイル体10における異常のある箇所であるといえる。
仮に、加熱コイル体10のいずれかの部位が変形していることを発見した場合には、直ちに必要なメンテナンスを行う。すなわち、搬送装置9によって加熱コイル体10をメンテナンス部18に移動させ、メンテナンスを実施する。加熱コイル体10に変形した部位が発見されない場合には、加熱コイル体10は搬送装置9によって収容部2へ搬送される。
図7に示すように、搬送装置9の支持アーム9a、9bは、加熱コイル体10を収容部2の支持部材7(フック7a、7b)付近まで移動する。そして、作業者による手作業、又は図示しない移載装置によって加熱コイル体10を支持部材7側へ移動させる。すなわち、搬送装置9の支持アーム9a、9bの水平部33a、33bを、加熱コイル体10の支持ブロック40の孔41a、41b(図12(a))から抜き、代わりにフック7a、7bの水平部8c、8dを孔41a、41bに挿通し、加熱コイル体10を支持部材7で支持する(図8)。図12(a)に示すように、支持部材7の水平部8c、8dは、支持アーム9a、9bの水平部33a、33bとは反対側から孔41a、41bに挿通される。
以上説明した手順を繰り返し、図9に示すように、収容部2に複数(図9では4つ)の加熱コイル体10が整備(洗浄、メンテナンス)された状態で収容されて保管される。すなわち、収容部2に保管されているいずれの加熱コイル体10も、直ちに使用可能な状態に整備されている。
図1~図9に示す収容部2では、支持部材7が4つ示されているが、収容部2に収容する支持部材7の数は任意である。また、支持部材7は、収容部2の上面(天井面)に固定されている場合について説明したが、収容部2の上面に直線ガイドを設け、支持部材7を前後方向、又は左右方向に移動できるようにしてもよい。すなわち、加熱コイル体10を支持部材7に支持させる際(支持ブロック40の孔41a、41bに支持部材7の水平部8c、8dを挿通させる際)に、支持部材7を収容部2の前方側へ移動させ、挿通後(支持部材7で支持後)、支持部材7を後方側へ移動させ、加熱コイル体10を完全に収容部2内に収容するのが好ましい。
また、本実施形態では、収容部2の前方側と後方側が開放されている。そのため、加熱コイル体10を収容部2の前方側のみならず、後方側から出し入れすることも可能である。
本実施形態では、加熱コイル体10を洗浄する際、先に液槽3内の洗浄液3aに液没(浸漬)させ、その後に加熱コイル体10の内部に洗浄液(加圧液)を供給する場合について説明したが、この順序を逆にしてもよい。特に、冷却ジャケット12の内部に洗浄液を供給し、冷却ジャケット12の内部を洗浄する場合には、洗浄後の汚れた洗浄液がノズル孔12aから排出されるため、排出された洗浄液が加熱コイル11に付着することがある。よって、この場合には先に加熱コイル11及び冷却ジャケット12の内部を洗浄し、その後に、加熱コイル体10を液槽3の洗浄液3aに浸漬させて、加熱コイル体10の外側(外部に露出した部分)を洗浄するのが好ましい。
本実施形態では、収容部2に同様の半開放型(ワークの略半周部分に近接する形態)の加熱コイル体10が保管されているが、支持部材7(フック7a、7b)で支持(吊り下げ)できるものであれば、環状型(ワークの全周囲に近接する形態)の加熱コイル(加熱コイル体)であっても保管可能である。すなわち、収容部2(保管設備1)には、形状や大きさが相違する個々のワークに対応した複数種類の加熱コイル(加熱コイル体)を保管可能である。
本実施形態に係る保管設備1では、収容部2に保管された任意の加熱コイル体10(加熱コイル11)を、他の加熱コイル体10を保管設備1から移動させることなく取り出すことが可能である。そのため、収容部2から必要な加熱コイル体10を速やかに取り出すことができる。
また、収容部2に設けた支持部材7の代わりに、加熱コイル体10を安定した状態で載置できる載置台を設けてもよい。すなわち、加熱コイル体10を支持する部材は、加熱コイル体10を変形させることなく安定して支持することができる構造であれば、どのような形態であっても差し支えない。
本実施形態に係る保管設備1では、使用後の加熱コイル体10を洗浄した状態で保管することができる。また、保管設備1では、加熱コイル体10の消耗、破損、変形等の不具合の有無を点検することができる。そのため、加熱コイル体10に不具合が見つかった場合には、その不具合が解消するように整備する機会を得ることができる。その結果、当該加熱コイル体10は、不具合がある状態で再度使用される事態を回避することができる。
次に、図10、図11を参照しながら、別の実施形態の保管設備21について説明する。図10に示すように、保管設備21は、液槽25と収容部材26を有している。
液槽25は、洗浄液25aを貯留する上方が開放された容器状の部材である。液槽25の一対の対向する側壁には、軸受部27が設けられている。一方の軸受部27には、モータ28が設けられている。モータ28は、等角度単位(例えば、30~90度単位等)で回転可能である。モータ28としては、サーボモータやステップモータを採用することができる。
収容部材26は、円板22、23と、軸部材24を有している。
円板22、23は、同じ大きさ(直径)の剛性部材であり、同一直線上に互いの中心があり、所定の間隔を置いて互いに平行に対向配置されている。すなわち、平行に対向配置された円板22、23の間には空間が形成されており、当該空間は収容部31として機能する。円板22、23の中心同士は、共通の軸部材24で貫通されている。また、円板22、23、軸部材24は一体化されている。すなわち、軸部材24と円板22、23は、図示しないキーによって一体化されている。
円板22の外周縁付近には、等角度間隔で8つの支持孔29が設けられている。同様に、円板23の外周縁付近にも、等角度間隔で8つの支持孔30が設けられている。各支持孔29と、各支持孔30は、対向する位置関係にある。
対向する各対の支持孔29、30には、支持部材32が設けられている。支持部材32は、円板22、23の間隔よりも長い長さを有する棒状の剛性を有する部材である。支持部材32の両端付近は、支持孔29、30に係合(挿通)して支持されている。すなわち、支持部材32は、円板22、23の間に掛け渡されている。支持部材32は、円板22、23(支持孔29、30)に対して着脱することができる。図示していないが、支持孔29、30に挿通された支持部材32には、抜け止めを施してもよい。
支持部材32としては、例えば、ボルト・ナットを採用することができる。ボルトを、支持孔29、30と、加熱コイル体10の支持ブロック40の孔41a又は孔41bのいずれかに挿通し、円板22又は円板23のいずれかから突出したボルトの先端部分にナットを螺合させる。
保管設備21は、液槽25に収容部材26が取り付けられた構造を呈している。すなわち、軸部材24の両端部分が、液槽25の側壁に設けられた軸受部27に支持されている。そして、軸部材24は、モータ28と動力伝達可能に連結されている。モータ28が駆動されると、軸部材24(収容部材26)は、等角度単位で段階的に回転する。本実施形態では、軸部材24(収容部材26)は、中心角が45度単位で段階的に回転するように設定されている。図10に示すように、保管設備21は、あたかも観覧車のような構造を有している。
収容部材26が液槽25に装着された結果、収容部材26の下部が、液槽25に貯留した洗浄液25aに液没(浸漬)する。図11では、収容部材26の下部が洗浄液25aに液没している状態が描写されている。
このような構造を有する保管設備21に、加熱コイル体10を保管する。
図12(a)に示す加熱コイル体10の支持ブロック40の孔41a又は41bのいずれかに、支持部材32(図10)を挿通する。本実施形態では、孔41bに支持部材32を挿通している。そして、この支持部材32の両端部分を、収容部材26の支持孔29、30に係合させる。これにより、加熱コイル体10が収容部材26によって支持されると共に、加熱コイル体10は、収容部材26の収容部31(図10)内に収容される。
この状態でモータ28を駆動し、収容部材26が回転すると、液面よりも上の加熱コイル体10の一部がやがて洗浄液25aに沈み、さらに収容部材26が回転すると、当該加熱コイル体10の全体が洗浄液25aに完全に液没する。そして、さらに収容部材26が回転すると、当該加熱コイル体10は液面よりも上に上昇する。
図11では、3つの加熱コイル体10が完全に液没し、また、2つの加熱コイル体10の下半分以上の部位が液没しており、さらに、3つの加熱コイル体10が液面より上方に配置されている状態を示している。各加熱コイル体10の外面(露出部分)は、洗浄液25aに液没している間に洗浄される。
図10、図11に示す保管設備21には描写されていないが、保管設備21にも図1に示すエアーノズル4、洗浄液供給配管16a、16b、回収配管16c、16d、洗浄液供給配管17a、17b、カメラ6a、6bに相当する構成が設けられている。
各加熱コイル体10の加熱コイル11(図12(a))の内部は、液面より上方に配置されているときに、図1、図12(a)に示す洗浄液供給配管16a、16b、回収配管16c、16dが接続されて洗浄される。冷却ジャケット12も同様に、洗浄液供給配管17a、17b(図12(a))が接続されて洗浄される。
図10、図11に示す保管設備21では、収容部材26が回転することによって、収容部材26(収容部31)に収容された加熱コイル体10が液槽25の洗浄液25aに液没して洗浄され、さらに、収容部材26が回転すると、洗浄された加熱コイル体10が洗浄液25aの上方に移動し、取り出しが可能になる。
1、21 保管設備
3 液槽(整備手段)
4 エアーノズル(整備手段)
5 洗浄部(洗浄領域、点検領域)
6 点検領域
6a~6d カメラ(変形確認手段)
10 加熱コイル体
11 加熱コイル
16a~16d 洗浄液供給配管(循環供給手段)

Claims (7)

  1. 高周波誘導加熱装置に着脱可能に装着され、金属製のワークに近接させて当該ワークを誘導加熱する加熱コイルを保管する保管設備であって、
    前記高周波誘導加熱装置から取り外された前記加熱コイルを保管及び整備するものであり、
    前記加熱コイルを整備する整備手段を有し、
    仕切られた空間からなり、前記加熱コイルを収容する収容領域を有し、
    前記収容領域で複数の前記加熱コイルを保管可能であり、保管された前記複数の加熱コイルから任意の加熱コイルのみを取り出し可能であり、
    前記加熱コイルを洗浄する洗浄領域をさらに有し、
    前記洗浄領域に液槽が設けられており、前記液槽に貯留した洗浄液に前記加熱コイルを液没させることが可能であることを特徴とする加熱コイルの保管設備。
  2. 前記加熱コイルの異常の有無を点検する点検領域と、前記加熱コイルをメンテナンスするメンテナンス領域をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の加熱コイルの保管設備。
  3. 前記点検領域に、前記加熱コイルの変形の有無を確認する変形確認手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の加熱コイルの保管設備。
  4. 前記変形確認手段は、前記加熱コイルを撮影するカメラを含むことを特徴とする請求項3に記載の加熱コイルの保管設備。
  5. 搬送装置をさらに有し、
    前記搬送装置によって、前記加熱コイルを前記収容領域、前記洗浄領域、前記点検領域、及び前記メンテナンス領域に搬送可能であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備。
  6. 前記加熱コイルは中空であって、内部に液体を流通させることができるものであり、
    前記洗浄領域に、前記加熱コイル内に液体を循環供給する循環供給手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備。
  7. 前記複数の加熱コイルを個々に収容する保管棚を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の加熱コイルの保管設備。
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