JP7239906B2 - 電磁シールド部材及びワイヤハーネス - Google Patents
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Description
この点、上記構成によれば、電線の熱膨脹や振動による変位を付勢部材が吸収するようになる。したがって、上述した不都合が生じることを抑制できる。
同構成によれば、把持部を構成する一対のアーム部の先端部同士の距離を変更することができる。このため、大きさの異なる複数種類の電線を把持することができる。
図1及び図2に示すように、ワイヤハーネスは、並んで配置される2本の電線10と、各電線10を覆う導電性の電磁シールド部材20とを備えている。
電磁シールド部材20は、各電線10が個別に収容される溝部30a,30bを有するケース30と、ケース30に取り付けられ、各溝部30a,30bを覆うカバー40と、カバー40に取り付けられ、各電線10を押圧する複数(本実施形態では4つ)の押圧機構50とを備えている。ケース30及びカバー40は、アルミニウム合金などの金属材料により形成されている。
<ケース30>
図2に示すように、ケース30は、延在方向Lに沿って延在する底壁31と、底壁31の幅方向Wの両端及び幅方向Wの中央部から突出する都合3つの側壁32とを有している。各側壁32は、底壁31の延在方向Lの全体にわたって延在している。
図2に示すように、カバー40は、延在方向Lに沿って延在するとともにケース30の底壁31に対向する対向壁41と、対向壁41の幅方向Wの両端から突出する2つの側壁42とを有している。各側壁42は、対向壁41の延在方向Lの全体にわたって延在している。
図2に示すように、カバー40は、幅方向Wの両端の側壁42の外面に接合された一対のL字状のブラケット45を有している。各ブラケット45は、上記側壁42の延在方向Lの一端に接合された接合部46と、接合部46の延在方向Lの一端から屈曲した取付部47とを有している。各取付部47には、延在方向Lに貫通する取付孔48が形成されている。
図3及び図4に示すように、押圧機構50は、カバー40の対向壁41の内面に設けられたシリンダ60と、シリンダ60内に往復動可能に設けられた円板状のピストン70と、ピストン70に連結された円柱状のピストンロッド71とを備えている。ピストンロッド71の先端部は、シリンダ60の一端(図3及び図4の下端)から突出している。シリンダ60内には、ピストン70をシリンダ60の上記一端に向けて付勢する付勢部材としてのコイルばね80が設けられている。なお、図3は、電線10と共に電磁シールド部材20内に収容されている状態、すなわちコイルばね80が圧縮されている状態の押圧機構50を示している。
シリンダ60は、頂壁61を含む上端部が、例えば、カバー40の対向壁41に形成された嵌合孔(図示略)に嵌合されることでカバー40に取り付けられている。
ピストンロッド71の先端部には、ピストンロッド71よりも拡径された円柱状の押圧部73が形成されている。本実施形態では、押圧部73により、ケース30の底壁31に向けて電線10が押圧されている。
ピストンロッド71の外周面には、長方形板状の突条72が突設されている。突条72の突出方向における断面形状は、上下方向に長い長方形状をなしている。突条72は、ピストンロッド71のうちシリンダ60の切り欠き部65に対応する位置に設けられており、シリンダ60の周壁62の外周面よりも外側に突出している。
また同様に、ピストン70の回転に伴い、突条72が周方向Cの他方側から切り欠き部65の端面65bに当接することにより、ピストン70の周方向Cの一方側への回転が規制される。以降において、このときのピストン70の周方向Cにおける位置を第2の位置と称する。
以上のことから、ピストン70は、シリンダ60内において第1の位置と第2の位置との間で回動可能に設けられている。
図6に示すように、各溝部30a,30bに各電線10が延在方向Lに沿って配置されている状態においては、押圧機構50A及び押圧機構50Bのピストン70の位置は、それぞれ第1の位置及び第2の位置である。各電線10は、各押圧機構50A,50Bの押圧部73により、ケース30の底壁31に向けて押圧されている(以上、作用1)。
(1)電磁シールド部材20は、2本の電線10が個別に収容される溝部30a,30bを有するケース30と、ケース30に取り付けられ、溝部30a,30bを覆うカバー40と、カバー40に設けられ、ケース30の底壁31に向けて各電線10を押圧する押圧機構50とを備えている。各押圧機構50は、カバー40の対向壁41に設けられるシリンダ60と、シリンダ60内に往復動可能に設けられるピストン70と、シリンダ60内に設けられ、ピストン70をシリンダ60の一端に向けて付勢する付勢部材としてのコイルばね80とを備えている。また、各押圧機構50は、ピストン70に連結され、シリンダ60の一端から突出する先端部を有し、同先端部により電線10を押圧するピストンロッド71を備えている。
また、例えばバンド部材によりケース30の底壁31などに対して電線10を押圧する構成の場合、電線10の熱膨脹や振動によりバンド部材が電線10に食い込むおそれがある。
(2)押圧機構50は、ピストンロッド71の先端部に設けられ、電線10を把持する把持部としての一対のアーム部90を備えており、ピストン70は、シリンダ60内においてシリンダ60の軸線を中心とする周方向Cに回動可能に設けられている。
(3)電磁シールド部材20は、ピストン70の周方向Cの一方側及び他方側への回転をそれぞれ規制する第1規制部51及び第2規制部52を備えている。押圧機構50は、ケース30の溝部30a,30bの延在方向Lに互いに間隔をおいて2つずつ設けられている。これら2つの押圧機構50のうち、一方の押圧機構50(50A)は第1規制部51によりピストン70の一方側への回転が規制された状態でカバー40に組み付けられており、他方の押圧機構50(50B)は第2規制部52によりピストン70の他方側への回転が規制された状態でカバー40に組み付けられている。
ここで、例えば、電磁シールド部材20の幅方向Wの片側に熱源などが存在する場合には、溝部30a,30b内において各電線10が上記片側に近接するように湾曲することは、各電線10の発熱を促すことから好ましくない。
こうした構成によれば、一対のアーム部90の先端部同士の距離を変更することができるため、大きさの異なる複数種類の電線を把持することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・一対のアーム部90は、ばねなどの付勢部材により、互いの先端部が近接するように付勢されたものであってもよい。この場合、各アーム部90同士を上記付勢部材の付勢力に抗して離間させることで、互いの先端部の距離を変更できる。
・各溝部30a,30bにおいて、延在方向Lに1つの押圧機構50のみを設けることもできるし、3つ以上の押圧機構50を設けることもできる。
・各電線10を幅方向Wの一方側または他方側に予め湾曲させた状態で、当該状態が維持されるように各押圧機構50A,50Bを溝部30a,30b内に配置するようにしてもよい。
・図9(a)及び図9(b)に示す第2変更例のように、第1規制部51(第2規制部52)は、ピストンロッド71の突条72と、シリンダ60の切り欠き部65の端面65a(端面65b)とにより構成されるものに限定されない。他に例えば、シリンダ160の底壁163における貫通孔164の内周面に設けられた突条172と、ピストンロッド171の外周面に形成された切り欠き部165とにより第1規制部151(第2規制部152)が構成されていてもよい。この場合であっても、上記効果(3)に準じた効果を奏することができる。なお、同第2変更例においては、上記実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すとともに、対応する構成については、「100」を加算した符号を付すことにより、重複した説明を省略している。
・ピストンロッド71の先端部に、一対のアーム部90に代えて、半円筒状の把持部を設けることもできる。この場合であっても、ピストンロッド71は、上記把持部を介して電線10を押圧することができる。
・押圧部73は省略することもできる。この場合には、ピストンロッド71の先端部により電線10を直接押圧すればよい。
・各押圧機構50は、ケース30の底壁31に設けられていてもよい。この場合、各電線10は、カバー40の対向壁41に向けて押圧されるようになる。
・電線10は、延在方向Lに直交する面における断面形状が半円状や多角形状など任意の断面形状を有するものであってもよい。
Claims (5)
- 電線が個別に収容される溝部を有するケースと、
前記ケースに設けられて前記電線を押圧する押圧機構と、を備える電磁シールド部材であって、
前記押圧機構は、
前記溝部の底壁に設けられるシリンダと、
前記シリンダ内に往復動可能に設けられるピストンと、
前記シリンダ内に設けられ、前記ピストンを前記シリンダの一端に向けて付勢する付勢部材と、
前記ピストンに連結され、前記シリンダの一端から突出する先端部を有し、同先端部により前記電線を押圧するピストンロッドと、を備える、
電磁シールド部材。 - 前記押圧機構は、前記ピストンロッドの前記先端部に設けられ、前記電線を把持する把持部を備えており、
前記ピストンは、前記シリンダ内において前記シリンダの軸線を中心とする周方向に回動可能に設けられている、
請求項1に記載の電磁シールド部材。 - 前記ピストンの前記周方向の一方側及び他方側への回転をそれぞれ規制する第1規制部及び第2規制部を備え、
前記押圧機構は、前記ケースの前記溝部の延在方向に互いに間隔をおいて複数設けられており、
前記延在方向において隣り合う2つの前記押圧機構のうち、一方の前記押圧機構は前記第1規制部により前記ピストンの前記一方側への回転が規制された状態で組み付けられており、他方の前記押圧機構は前記第2規制部により前記ピストンの前記他方側への回転が規制された状態で組み付けられている、
請求項2に記載の電磁シールド部材。 - 前記把持部は、一対のアーム部を備えており、
前記一対のアーム部は、互いの先端部の距離を変更可能に設けられている、
請求項2または請求項3に記載の電磁シールド部材。 - 電線と、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電磁シールド部材と、を備え、
前記押圧機構は、前記ケースに設けられて前記電線を押圧している、
ワイヤハーネス。
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