JP7239785B2 - Mt型ストラドルドビークル - Google Patents

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Description

本発明は、MT(マニュアル・トランスミッション)型鞍乗型車両に関する。
マニュアル式変速機を備えるMT型鞍乗型車両として、例えば、特許文献1には、アイドリングストップ制御装置を備えた自動二輪車が示されている。特許文献1に記載されたアイドリングストップ制御装置は、エンジン停止のための条件が満たされるとエンジンを停止させ、エンジンの停止後、始動のための条件が満たされるとエンジンを再始動させる。特許文献1に記載された自動二輪車のエンジンは、パワーユニット上部に設けられたスタータモータに駆動されることによって始動する。
特許文献1に記載された自動二輪車は、マニュアル式変速機及びクラッチを備える。マニュアル式変速機は、シフトペダルの操作によって、1速~4速又はニュートラルのいずれかに所定順で切り替わる多段変速機である。クラッチは、操作によって動力の接続状態と切断状態が切替わる。クラッチは、変速時のみならず発進時にも使用される。クラッチは、発進・変速両用クラッチである。
特許文献1に記載されたアイドリングストップ制御装置は、マニュアル式変速機がインギヤ状態(1速~4速)の場合、且つ、クラッチが動力を切断する開放状態の場合に、エンジンを停止する。
特許文献1に記載された自動二輪車におけるエンジンは、マニュアル式変速機がインギヤ状態で、クラッチが開放状態で、且つスロットルが開状態になると再始動する。この後、自動二輪車は、ライダーの操作によりクラッチが接続状態になることによって発進する。
特開2013-072427号公報
発進・変速両用クラッチを備えたMT型鞍乗型車両は、小型化しつつアイドリングストップ制御を実施することが望まれている。本発明の目的は、小型化しつつ、アイドリングストップ制御を実施することができるMT型鞍乗型車両を提供することである。
MT型鞍乗型車両は、例えば四輪自動車とは異なり、走行時乃至旋回時に、ライダーの体重移動によって姿勢制御が行われる。MT型鞍乗型車両は、ライダーの体重移動によって円滑に姿勢制御が行われるように小型化されることが望まれる。
本発明者は、MT型鞍乗型車両を小型化しつつアイドリングストップ制御を実施するため、発電機の機能とエンジンの始動の機能とを兼ね備えた始動発電機をMT型鞍乗型車両に搭載することを考えた。
MT型鞍乗型車両の小型化に関し、エンジン周辺における装置の設置スペースは、厳しく制限される。スタータモータは、MT型鞍乗型車両の搭載物の中で比較的大きい部品であるためMT型鞍乗型車両の小型化に影響しやすい。
MT型鞍乗型車両エンジンに、発電と始動の機能を兼ね備えた始動発電機を搭載することによって、スタータモータを省略することができる。例えば始動発電機自体が始動の機能の分、発電機単体よりも大きくても、スタータモータの省略は、MT型鞍乗型車両の全体として小型化に貢献できる。
発電と始動の機能を兼ね備えた始動発電機の動作は、制御装置によって制御される。より詳細には、制御装置がスイッチング素子を備える。スイッチング素子は、オン-オフ動作することによって、始動発電機の巻線を流れる電流を制御する。
始動発電機は、エンジンの始動時にクランク軸を駆動する。これによってエンジンのシリンダ内の混合気が圧縮される。
始動発電機は、スタータモータとは異なり、例えば、クランク軸との間でギア及びクラッチを介さず動力が伝達されるようにクランク軸に接続される。従って、始動発電機は、スタータモータの場合と比べて、クランク軸を駆動する力が弱くなりやすい。このため、始動発電機は、エンジンの始動のためクランク軸を回転させる時に、スタータモータの場合と比べて圧縮反力の影響を受けやすい。また、始動発電機は、スタータモータの場合と比べて大きな電流の供給を要求する。つまり、制御装置のスイッチング素子を介して大きな電流が供給される。
クランク軸を駆動する力の弱さの影響を解消するため、始動発電機によって、エンジンの始動の前に始動準備動作を行なうことが考えられる。例えば、エンジンの始動のためクランク軸を正転させる前に、クランク軸を逆転させる動作が考えられる。この動作によって、圧縮反力の山を乗り越すためのクランク軸の加速区間が拡大され、圧縮反力の山が乗り越しやすくなる。なお、始動準備動作はこれに限られず、例えばエンジンの燃焼停止後に実施したり、正転のみによって実施したりすることが考えられる。
ところで、特許文献1に示されたMT型鞍乗型車両は、発進・変速両用クラッチを備えており、例えば、遠心クラッチを備えていない。
このため、MT型鞍乗型車両の発進時に、ライダーのクラッチレバーへのクラッチ操作によってはエンジンストールが発生する場合がある。
アイドリングストップ制御では、エンジンが停止した後エンジンが再始動する場合、例えば走行状態を経なければ、次のエンジンの停止ができないように制御することが考えられる。
しかし、エンジンの再始動後、車両の発進時にエンジンストールが発生すると、車両が走行することなく短時間でエンジンの再始動が繰り返されることになる。つまり、始動発電機によるクランク軸の駆動が繰り返される。更に、停止したエンジンを再始動させるため、始動発電機による始動準備動作も実施される。始動発電機によるエンジンの始動及び始動準備動作の繰返しによって、制御装置のスイッチング素子に、短時間のうちに大きな電流が流れる。スイッチング素子は、流れる電流によって発熱する。スイッチング素子の温度が発熱に伴い上昇すると、スイッチング素子のオン抵抗が増加する。スイッチング素子のオン抵抗が増加すると、始動発電機に供給される電流が減少する。このため、クランク軸を駆動する力が減少し、再始動に要する時間が長くなりやすい。
スイッチング素子の温度の上昇を抑制するため、制御装置に放熱のための構造を設けることが考えられる。例えば、スイッチング素子同士及び他の部品との間隔を拡大したり、冷却機構及び放熱部材を設けたりすることが考えられる。
このように、単にMT型鞍乗型車両に始動発電機を備えることによって小型化を図ろうとすると、アイドリングストップ制御への対応で制御装置が大型化してしまい、全体として小型化できない場合がある。
始動発電機を備えるMT型鞍乗型車両の小型化についてさらに検討した結果、本発明者は、多段変速機が低ギア段の状態であることをアイドリングストップ制御の条件の一つとすることを考えた。多段変速機が低ギア段の状態でエンジンが停止し、エンジンが再始動した後、ライダーのクラッチレバーへのクラッチ接続操作によりエンジンストールが発生する可能性は、高ギア段の場合と比べて低い。この結果、車両の走行を伴わない短時間でエンジンの始動及び始動準備動作が繰り返す事態の発生を抑制できる。このため、制御装置のスイッチング素子に、短時間のうちに大きな電流が流れる事態の発生を抑制できる。
多段変速機が低ギア段の場合に始動発電機を用いたアイドリングストップ制御を行なうために、本発明者は、ライダーのクラッチレバーへの切断操作に基づいて始動準備動作を行なうことを考えた。本発明者は、具体的には次の2つの期間の何れかに始動準備動作を行なうことを考えた。
第一の期間は、エンジンが燃焼動作している状態におけるライダーのクラッチレバーへの切断操作から接続操作までの期間である。エンジンが燃焼動作している状態でクラッチレバーへの切断操作がされると、エンジンの燃焼動作が停止する。このため、始動準備動作において始動発電機がクランク軸を駆動する場合に、エンジンの燃焼に起因する衝撃の影響が抑えられる。また、例えば、エンジンの燃焼動作の停止直後、燃焼動作のエネルギーによってクランク軸が回転している場合、回転の慣性力も活用して、クランク軸を再始動に適した位置に停止させやすくなる。また、クラッチレバーへの切断操作によって、クランク軸と駆動輪との間の動力伝達が切断される。このため、比較的小さな電流で始動発電機がクランク軸を駆動できる。
第二の期間は、クランク軸が停止した状態におけるクラッチレバーへの再切断操作からエンジンが再始動するまでの期間である。例えば、クラッチレバーへの切断操作によりエンジンの燃焼動作が停止した後、クラッチレバーが一旦接続操作され、さらに再切断操作でエンジンが再始動する。このクラッチレバーへの再切断操作によって、クランク軸と駆動輪との間の動力伝達が切断される時に始動準備動作が行なわれる。このため、比較的小さな電流で始動発電機がクランク軸を駆動できる。始動準備動作の後でエンジンを再始動することで、クランク軸が圧縮反力の山を乗り越しやすくなる。
このように、多段変速機が低ギア段の状態であり、且つ、ライダーのクラッチレバーへの接続操作に基づいて始動準備動作を行なうことによって、制御装置の発熱対応の構成を簡単・小型化することができる。これにより、MT型鞍乗型車両を小型化しつつ、アイドリングストップ制御を実施することができる。
以上の目的を達成するために、本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、次の構成を備える。
(1) MT型鞍乗型車両であって、
前記MT型鞍乗型車両は、
スロットル弁及びクランク軸を有し、燃焼により生じる動力を、前記クランク軸を介して出力するエンジンと、
前記エンジンから前記動力を受け前記MT型鞍乗型車両を駆動する駆動輪と、
前記エンジンから前記駆動輪に遠心クラッチを介在することなく前記動力を伝達する動力伝達経路と、
前記動力伝達経路上に設けられ、ライダーの操作に応じて、前記エンジンと前記駆動輪の間の変速比を多段階に変更する多段変速機と、
前記ライダーのクラッチ操作を受けるクラッチレバーと、
前記エンジンと前記多段変速機の間の前記動力伝達経路上に設けられ、前記ライダーによる前記クラッチレバーへの切断操作に応じて前記動力を切断するとともに前記クラッチレバーへの接続操作に応じて前記動力を接続する発進・変速両用クラッチと、
を備え、次のことを特徴とする;
前記クランク軸との間でクラッチを介さず力が伝達されるように前記クランク軸に接続され、前記エンジンの始動時に前記クランク軸を駆動し、前記エンジンの燃焼動作時に前記クランク軸に駆動され発電する始動発電機と、
前記エンジンの前記燃焼動作及び前記始動発電機の制御を行う制御装置と、を更に備え、
前記制御装置は、前記始動発電機に流れる電流を制御するスイッチング素子を有し、(a)前記多段変速機が低ギア段の状態であり、且つ(b)前記MT型鞍乗型車両が停止又は実質的に停止しており、且つ(c)前記ライダーの前記クラッチレバーへの前記切断操作に応じて前記発進・変速両用クラッチが前記動力伝達経路を切断し、且つ(d)前記スロットル弁が実質的に最小開度の状態である、の全ての条件を満たす場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止すると共に、下記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記始動発電機を制御することで前記エンジンの再始動の準備として前記クランク軸の位置を調整し、その一方で、
前記多段変速機が高ギア段である場合、前記エンジンの再始動の準備としての前記始動発電機による前記クランク軸の位置調整を行わず、
前記SMG始動準備期間(Y)は、前記エンジンが前記燃焼動作している状態における前記クラッチレバーへの前記(c)での前記切断操作から前記クラッチレバーへの前記接続操作までの期間であり、
前記SMG始動準備期間(Z)は、前記クランク軸が停止した状態における前記クラッチレバーへの再切断操作から前記エンジンが前記再始動するまでの期間である。
(1)のMT型鞍乗型車両は、エンジンと、駆動輪と、動力伝達経路と、多段変速機と、クラッチレバーと、発進・変速両用クラッチと、発電機と、制御装置とを備える。
エンジンは、クランク軸を有する。エンジンは、燃焼により生じる動力(power)を、クランク軸を介して出力する。
駆動輪は、エンジンから動力を受けMT型鞍乗型車両を駆動する。
動力伝達経路は、エンジンから駆動輪に遠心クラッチを介在することなく動力を伝達する。
多段変速機は、動力伝達経路上に設けられる。多段変速機は、エンジンと駆動輪の間の変速比を多段階に変更する。多段変速機は、ライダーの操作に応じて変速比を多段階に変更する。多段変速機は、マニュアル式変速機である。
クラッチレバーは、ライダーのクラッチ操作を受ける。クラッチ操作の種類には、切断操作と接続操作とがある。再切断操作におけるクラッチの操作自体は、切断操作である。
発進・変速両用クラッチは、エンジンと多段変速機の間の動力伝達経路上に設けられる。動力伝達経路は、遠心クラッチを介在することなく動力を伝達する。従って、発進・変速両用クラッチは、発進時と変速時の両方で操作に応じて動作する。発進・変速両用クラッチは、ライダーによるクラッチレバーへの操作に応じて、エンジンと多段変速機との間の動力を断続する。発進・変速両用クラッチは、ライダーがクラッチレバーを握る切断操作によって、動力を切断する。発進・変速両用クラッチは、ライダーがクラッチレバーを握りから解放する接続操作によって、動力を接続する。
始動発電機は、クランク軸との間でクラッチを介さず力が伝達されるようにクランク軸に接続されている。始動発電機は、エンジンの燃焼動作時にクランク軸に駆動され発電する。また、始動発電機は、エンジンの始動時にクランク軸を駆動する。
制御装置は、エンジンの燃焼動作及び始動発電機の制御を行う。
制御装置は、始動発電機に流れる電流を制御するスイッチング素子を有する。制御装置は、下記(a)から(d)の全ての条件を満たす場合に、エンジンの前記燃焼動作を停止する。制御装置は、二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに始動発電機を制御することでエンジンの再始動の準備としてクランク軸の位置を調整する。ここで、上記(a)から(d)の条件は、
(a) 多段変速機が低ギア段の状態である。
(b) MT型鞍乗型車両が停止又は実質的に停止している。
(c) ライダーのクラッチレバーへの操作に応じて発進・変速両用クラッチが、動力伝達経路を切断している。
(d) スロットル弁が実質的に最小開度の状態である。
制御装置は、多段変速機が高ギア段である場合、エンジンの再始動の準備としての始動発電機によるクランク軸の位置調整を行わない。
ここで、SMG始動準備期間(Y)及び(Z)は、以下の通りである。
SMG始動準備期間(Y) エンジンが燃焼動作している状態におけるクラッチレバーへの(c)での切断操作からクラッチレバーへの接続操作までの期間である。
SMG始動準備期間(Z) クランク軸が停止した状態におけるクラッチレバーへの再切断操作からエンジンが前記再始動するまでの期間である。
MT型鞍乗型車両が、発電と始動の機能を兼ね備えた始動発電機を備えることによって、エンジン始動専用のスタータモータを省略できる。
始動発電機は、ギア及びクラッチを介さず動力が伝達されるようにクランク軸に接続されるため、スタータモータの場合と比べて、エンジンの圧縮行程における圧縮反力を乗り越してクランク軸を駆動する力が弱くなりやすい。そのため、始動発電機は、エンジン始動時に、スタータモータの場合と比べて大きな電流の供給が要求される。クランク軸を駆動する力が弱さを補うため、始動発電機によって、エンジンの始動の前の始動準備動作を行なうことができる。
また、(1)のMT型鞍乗型車両では、(a)多段変速機が低ギア段の状態であることがアイドリングストップ制御におけるエンジン停止の条件の一つである。そのため、エンジン再始動後のライダーのクラッチレバーへの接続操作によるエンジンストールが発生する可能性は、多段変速機が高ギア段の場合と比べて低い。この結果、車両の走行を伴わない短時間でエンジンの始動及び始動準備動作が繰り返される事態の発生を抑制できる。このため、(1)のMT型鞍乗型車両は、制御装置のスイッチング素子に、短時間のうちに大きな電流が流れる事態の発生を抑制できる。従って、(1)のMT型鞍乗型車両は、制御装置の放熱のための構造を小型化できる。
(1)のMT型鞍乗型車両では、二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに始動準備が行われる。二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)では、ライダーのクラッチレバーへの切断操作が行われる。ライダーのクラッチレバーへの切断操作に基づいて始動準備動作が行われることによって、(1)のMT型鞍乗型車両では、低ギア段の条件で始動発電機を使用したアイドリングストップ制御を実施しやすくなる。
より具体的に、SMG始動準備期間(Y)は、エンジンが燃焼動作している状態におけるクラッチレバーへの切断操作から接続操作までの期間である。エンジンが燃焼動作している状態でクラッチレバーへの切断操作がされると、エンジンの燃焼動作が停止する。このため、始動準備動作において始動発電機がクランク軸を駆動する場合に、エンジンの燃焼による衝撃の影響が抑えられる。また、エンジンの燃焼動作の停止直後、燃焼動作のエネルギーによってクランク軸が回転している場合、回転の慣性力も活用して、クランク軸を再始動に適した位置に停止させやすくなる。また、クラッチレバーへの切断操作によって、クランク軸と駆動輪との間の動力伝達が切断される。このため、比較的小さな電流で始動発電機がクランク軸を駆動することができる。
SMG始動準備期間(Z)は、クランク軸が停止した状態におけるクラッチレバーへの再切断操作からエンジンが再始動するまでの期間である。クラッチレバーへの再切断操作によって、クランク軸と駆動輪との間の動力伝達が切断される。このため、比較的小さな電流で始動発電機がクランク軸を駆動しやすい。始動準備動作の後でエンジンを再始動することで、クランク軸が圧縮反力を乗り越しやすくなる。
このように、(1)のMT型鞍乗型車両では、多段変速機が低ギア段の状態においてエンジンの燃焼動作を停止するとともに、ライダーのクラッチレバーへの切断操作に基づいて始動準備動作を行なう。これにより、制御装置に短時間のうちに大きな電流が流れるのを抑制できるため、制御装置の発熱対応の構成を簡単・小型化しつつアイドリングストップ制御を実施することができる。その結果、(1)のMT型鞍乗型車両は、小型化しつつ、アイドリングストップ制御を実施することができる。
本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(2) (1)のMT型鞍乗型車両であって、
前記MT型鞍乗型車両は、前記ライダーの操作により前記エンジンの前記燃焼動作を停止するエンジン停止スイッチを有し、
前記制御装置は、前記(a)から(d)の条件の他、更に下記(e)の条件を満たした場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止すると共に前記燃焼動作が停止した後、前記エンジンの再始動を行うために、前記始動発電機を制御することで前記クランク軸の始動開始位置を調整し、前記(e)の条件は、
(e)前記ライダーにより、前記エンジン停止スイッチが操作される。
MT型鞍乗型車両では、例えば、変速機の操作の途中といった状況のように(a)から(d)の条件が満たされた場合でも、ライダーがエンジンの停止を望んでいない状況が存在し得る。(2)のMT型鞍乗型車両では、(a)から(d)の条件が満たされた場合に、さらに(e)ライダーによりエンジン停止スイッチが操作されることにより、エンジンの燃焼動作が停止する。このため、ライダーがエンジンの停止を望まない状況でのエンジンの停止を回避することができる。従って、(2)のMT型鞍乗型車両では、始動準備動作及びエンジンの始動の頻度を低減し、制御装置のスイッチング素子を短時間で流れる電流をさらに抑制することができる。このため、(2)のMT型鞍乗型車両は、制御装置における放熱のための構造をより簡潔にすることで小型化することができる。
本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(3) (1)のMT型鞍乗型車両であって、
前記制御装置は、前記ライダーの操作により、前記発進・変速両用クラッチが、前記動力伝達経路を切断してから感応基準時間が経過した場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止する。
MT型鞍乗型車両では、(a)から(d)の条件が短時間満たされた場合でも、ライダーがエンジンの停止を望んでいない状況が存在し得る。(3)のMT型鞍乗型車両では、(a)から(d)の条件が満たされた場合に、発進・変速両用クラッチが動力伝達経路を切断してから感応基準時間が経過した場合に、エンジンの燃焼動作が停止する。感応基準時間は、ゼロよりも大きい時間である。このため、ライダーがエンジンの停止を望まない状況でのエンジンの停止を回避することができる。例えば、発進・変速両用クラッチにより動力伝達経路が一旦切断されても、感応基準時間が経過する前に、エンジンの燃焼動作を継続したまま再度、動力伝達経路を接続した状態に戻すことができる。従って、(3)のMT型鞍乗型車両では、始動準備動作及びエンジンの始動の頻度を低減し、制御装置のスイッチング素子を短時間で流れる電流をさらに抑制することができる。このため、(3)のMT型鞍乗型車両は、制御装置における放熱のための構造をより簡潔することで小型化することができる。
本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(4) (1)から(3)の何れか1つのMT型鞍乗型車両であって、
前記制御装置は、前記MT型鞍乗型車両の速度が0km/h以上3km/h以下で設定される基準速度を下回った場合に、前記MT型鞍乗型車両が停止又は実質的にしたものとして制御を行なう。
(4)のMT型鞍乗型車両では、基準速度が0km/h以上3km/h以下で設定されるので、MT型鞍乗型車両の停止又は実質的な停止を、簡易な方法及び短い期間で判別することもできる。例えば車輪における所定角度の回転の時間周期を計測するような速度検出の方法で、基準速度を下回ることの検出を短い期間で行なうことができる。従って、(4)のMT型鞍乗型車両では、より簡単で小型化された構成を用いて、アイドリングストップ制御を行うことができる。
本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(5) (1)から(4)の何れか1つのMT型鞍乗型車両であって、
前記始動発電機は、前記クランク軸を収容する前記エンジンのクランクケース内に低粘度オイルで潤滑されるよう設けられ、前記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記スイッチング素子を介して電流が供給されることにより駆動する。
(5)のMT型鞍乗型車両によれば、始動発電機が低粘度オイルで冷却される。従って、始動発電機に対する冷却用のファンやフィンの取付けを省略することができる。また、低粘度オイルの使用により始動発電機の回転抵抗も抑制されるため、スイッチング素子及び始動発電機を流れる電流が抑制される。これにより、スイッチング素子及び始動発電機の発熱も抑制される。従って、(5)のMT型鞍乗型車両は、制御装置をより小型化できることに加え、始動発電機を含むエンジンを冷却する低粘度オイルの冷却構造を小型化できる。このため、(5)の構成によれば、MT型鞍乗型車両をより小型化することができる。
本発明の一つの観点によれば、MT型鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(6) (1)から(5)の何れか1つのMT型鞍乗型車両であって、
前記始動発電機は、前記エンジンに対し位置が固定され巻線を有するステータと、前記ステータに対し空隙を介して設けられた永久磁石を有し前記クランク軸の回転と連動するように前記クランク軸に設けられたロータとを備え、
前記エンジンは、前記クラッチレバーへの前記再切断操作に基づいて前記エンジンが前記再始動する時に前記ロータの位置の検出を表す信号を前記制御装置に出力する、前記ステータの前記巻線とは異なる検出巻線を有するロータ位置検出装置を更に備える。
クラッチレバーに対する操作に基づいてエンジンが始動する場合、例えばアクセルに対する操作に基づく場合と比べ、始動時にシリンダ内に吸入される空気量が抑えられる。この場合、エンジンの燃焼が開始する時に、エンジンの出力が、例えばアクセルに対する操作に基づく場合と比べ小さい場合がある。(6)のMT型鞍乗型車両によれば、制御装置が、クランク軸の回転と連動するように設けられたロータの位置に基づいて、ロータの回転を制御することができる。従って、(6)のMT型鞍乗型車両では、前記クラッチレバーへの前記再切断操作に基づいてエンジンが再始動する時にエンジンの出力が小さい状況でも、ロータの位置に基づき小さい電流で駆動を精密に制御することができる。このため、始動発電機に供給される電流の増大を抑制することができる。また、ロータ位置検出装置は検出巻線を有する構成のため、例えばホール素子と比べて高い温度で動作できる。従って、始動発電機を含むエンジンの放熱のための構造を簡潔にして小型化することができる。従って、(6)の構成によれば、エンジン始動の条件が異なる複数の構成に対し、MT型鞍乗型車両をより小型化することができる。
本発明の一つの観点によれば、鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(7) (1)から(5)の何れか1つのMT型鞍乗型車両であって、
前記始動発電機は、スロットと周方向で交互に設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回され、前記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記スイッチング素子を介して電流が供給され、発電した電流を前記スイッチング素子に供給する複数相の巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて前記周方向に並び且つ前記スロットの数の2/3より多い磁極部を有するロータとを備える
MT型鞍乗型車両。
(7)のMT型鞍乗型車両によれば、巻線のインピーダンスは、例えばスロットの数の2/3より少ない磁極部を有する構成と比べて大きい。このため、SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかを経てエンジンが再始動した後、始動発電機が発電機として機能する回転速度の領域において、より大きな巻線のインピーダンスによって発電電流が抑制される。従って、発電時においてもスイッチング素子への供給電流が抑制される。このため、(7)のMT型鞍乗型車両では、制御装置の放熱のための構造をより簡潔にして小型化することができる。従って、(7)の構成によれば、MT型鞍乗型車両をより小型化することができる。
本明細書にて使用される専門用語は特定の実施例のみを定義する目的であって発明を制限する意図を有しない。本明細書にて使用される用語「及び/又は」は一つの、又は複数の関連した列挙された構成物のあらゆる又は全ての組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」又は「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループのうちの1つ又は複数を含むことができる。本明細書中で使用される場合、用語「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」及び/又はそれらの等価物は広く使用され、直接的及び間接的な取り付け、接続及び結合の両方を包含する。更に、「接続された」及び「結合された」は、物理的又は機械的な接続又は結合に限定されず、直接的又は間接的な電気的接続又は結合を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されることはない。本発明の説明においては、多数の技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、又は、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせを全て繰り返すことを控える。それにも拘らず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
本明細書では、新しいMT型鞍乗型車両について説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細無しに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面又は説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
MT型鞍乗型車両は、マニュアル多段変速機を有する鞍乗型車両である。鞍乗型車両(straddled vehicle)とは、ライダーがサドルに跨って着座する形式のビークルをいう。鞍乗型車両としては、例えば、モペット型、オフロード型、オンロード型の自動二輪車が挙げられる。また、鞍乗型車両は、自動二輪車に限定されず、例えば、自動三輪車、ATV(All-Terrain Vehicle)等であってもよい。自動三輪車は、2つの前輪と1つの後輪とを備えていてもよく、1つの前輪と2つの後輪とを備えていてもよい。鞍乗型車両の駆動輪は、後輪であってもよく、前輪であってもよい。また、鞍乗型車両の駆動輪は、後輪及び前輪の双方であってもよい。また、鞍乗型車両は、リーン姿勢で旋回可能に構成されていることが好ましい。リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両は、カーブの中心に傾いた姿勢で旋回するように構成される。これにより、リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両は、旋回時にビークルに加わる遠心力に対抗する。リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両では、軽快性が求められるため、発進の操作に対する進行の応答性が重要視される。MT型鞍乗型車両では、例えば、エンジンから駆動輪までの動力伝達経路に、流体の力学的作用を利用したトルクコンバータが設けられていない。
エンジンは、例えば、高負荷領域と低負荷領域とを有するエンジンである。エンジンは、例えば、4ストロークエンジンである。4ストロークエンジンは、4ストロークの間に、高負荷領域と低負荷領域とを有する。高負荷領域と低負荷領域とを有する4ストロークエンジンは、例えば、単気筒エンジンである。また、高負荷領域と低負荷領域とを有する4ストロークエンジンは、例えば、2気筒エンジン、不等間隔燃焼型3気筒エンジン、又は、不等間隔燃焼型4気筒エンジンである。高負荷領域と低負荷領域とを有する4ストロークエンジンは、1サイクル720度の間に180度以上の連続不燃焼区間を含む。高負荷領域と低負荷領域とを有する4ストロークエンジンは、例えば、気筒数が3以上の等間隔燃焼型エンジンは含まない。高負荷領域と低負荷領域とを有するエンジンは、例えば、3つより少ない気筒を有するエンジンである。
高負荷領域と低負荷領域とを有する4ストロークエンジンでは、低い回転速度における回転の変動が、他のタイプのエンジンと比べ大きい。高負荷領域とは、エンジンの1燃焼サイクルのうち、負荷トルクが1燃焼サイクルにおける負荷トルクの平均値よりも高い領域をいう。低負荷領域とは、1燃焼サイクルにおける高負荷領域以外の領域をいう。クランク軸の回転角度を基準として見ると、エンジンでの低負荷領域は、例えば、高負荷領域より広い。圧縮行程は、高負荷領域と重なりを有する。
例えば、高負荷領域と低負荷領域とを有するエンジンにおいて、エンジンの始動時にクランク軸の回転力が高負荷領域の圧縮反力を乗り越えるための助走区間を得るように、クランク軸の始動開始位置を調整することができる。
ただし、本開示のエンジンは、例えば、高負荷領域と低負荷領域とを有するエンジンに限られない。エンジンは、例えば、3以上の気筒を有するエンジンのようにクランク軸が大きなイナーシャを有し、従って始動発電機の駆動負荷が大きいエンジンであってもよい。
始動発電機は、例えば永久磁石式の始動発電機である。始動発電機は、例えば永久磁石を使用しない始動発電機であってもよい。永久磁石式の始動発電機は、例えば、ブラシレスモータである。ブラシレスモータは、整流子を有さないモータである。始動発電機はエンジンを始動する始動モータとして機能する。また、始動発電機は、エンジンによって駆動され発電するモータジェネレータである。ブラシレスモータは、例えば、アウターロータ型でもよく、また、インナーロータ型でもよい。また、ブラシレスモータは、ラジアルギャップ型でなく、アキシャルギャップ型でもよい。また、始動発電機は、例えばロータに永久磁石を有さないタイプでもよい。
始動発電機は、エンジンの燃焼動作時にクランク軸に駆動され発電する。始動発電機は、例えば、クランク軸と直結される。但し、始動発電機は、これに限られず、クランク軸と連動するように設けられていればよい。始動発電機は、例えば、クランク軸と常時連動する。例えば、始動発電機は、クランク軸とベルトといった動力伝達部材を介して接続されていてもよい。
発進・変速両用クラッチは、クラッチレバーに対するライダーによる操作に応じて作動するように構成されている。発進・変速両用クラッチは、車両の発進時及び変速段の変更の両方の場面で、接続又は切断の状態が変化するように動作するクラッチである。発進・変速両用クラッチとしては、湿式又は乾式の多板又は単板のクラッチが挙げられる。一実施形態において、発進・変速両用クラッチは、湿式多板クラッチである。但し、遠心クラッチは、マニュアルクラッチに該当しない。
発進・変速両用クラッチの状態、及びクラッチレバーの操作は、例えば、クラッチレバーの位置として検出される。発進・変速両用クラッチの状態は、例えば、発進・変速両用クラッチの部材の位置として検出されてもよい。クラッチレバーの位置は、例えばクラッチレバー位置センサによって検出される。このようなクラッチレバー位置センサは、例えば、発進・変速両用クラッチレバーの操作位置又は非操作位置を検出するスイッチで構成される。例えば、操作位置は、切断操作に対応し、非操作位置は、接続操作に対応する。但し、クラッチレバー位置センサは、これに限られず、例えば、発進・変速両用クラッチレバーの操作位置をアナログレベルで表す信号を出力するセンサで構成されてもよい。また、発進・変速両用クラッチの状態は、例えば、発進・変速両用クラッチの部品の位置、又は、クラッチレバーから発進・変速両用クラッチに作動力を伝達する部材の位置として検出されてもよい。
クラッチレバーへの再切断操作は、エンジンが燃焼動作している状態でクラッチレバーが切断操作され、クランク軸が停止し、次に接続操作された後、クランク軸が停止した状態でクラッチレバーが切断される操作である。再切断操作は、クラッチレバーへの操作の種類において切断操作に含まれる。
遠心クラッチは、クランク軸の回転数が接続基準値を超えると接続状態に切り替わるように構成されたクラッチである。遠心クラッチは、発進クラッチである。遠心クラッチは、例えばクランク軸の回転数がアイドリング回転数の場合、非接続状態である。
動力伝達経路は、エンジンのクランク軸から駆動輪までの、エンジンの動力を伝える経路における機械的な要素の総称である。動力伝達経路は、駆動軸、非駆動軸、駆動ギア、被駆動ギア、チェーンスプロケット、チェーン、駆動ベルトの少なくとも何れかを含む。
多段変速機は、ライダーの操作により、変速比を変更する。多段変速機は、シフトペダルの操作に応じて変速比を多段階に変更するように構成されている。多段変速機は、ニュートラル状態を含む複数のギア段を有する。つまり、多段変速機は、ニュートラル状態を含む多段階に変速比を変更することができる。多段変速機は、例えば、ニュートラル状態と非ニュートラル状態とを有する。非ニュートラル状態は、3段以上の段階を含む。ニュートラル状態は、入力軸から出力軸に動力が伝達されない状態である。多段変速機は、ニュートラル状態でない時は、入力軸から入力された回転動力を、シフトペダルの操作に応じた変速比に変更して、出力軸に伝達する。無段変速機は、多段変速機に該当しない。
多段変速機のギア段は、例えば、多段変速機に設けられたギアポジションセンサによって検出される。ギアポジションセンサは、多段変速機のニュートラルを含む現在のギア段を検出して、制御装置に信号として送信する。
制御装置は、エンジンの燃焼動作を制御する。また、制御装置は、始動発電機による駆動動作及び発電動作を制御する。制御装置は、例えば複数の装置が互いに離れた位置に構成されてもよく、また、一体に構成されていてもよい。例えば、制御装置は、エンジンの燃焼動作を制御するユニットと、スイッチング素子を有し始動発電機を制御するユニットとを備え、これらのユニットは、離れた位置に設けられてもよい。制御装置は、プログラムを実行するプロセッサを有していてもよく、また、プロセッサを有さないワイヤード論理回路で構成されていてもよい。
「エンジンの再始動の準備としての始動発電機によるクランク軸の位置調整」とは、例えば、エンジンの燃焼停止から、クランク軸の回転停止を経て、エンジン再始動としてクランク軸の正転が開始されるまでの期間内に、クランク軸が目標領域に位置するように始動発電機を制御することをいう。このようなクランク軸の位置の調整の一例としては、例えば、エンジンの再始動時にクランク軸の回転力が圧縮反力を乗り越えるための助走区間を得るように、クランク軸の正転の開始位置を調整することが挙げられる。「目標領域」とは、例えば、エンジンの燃焼動作に後続されるクランク軸の正転が開始されるクランク軸の位置の領域である。目標領域の一例としては、例えば、エンジンの始動時に、始動発電機がクランク軸を加速させてエンジンの圧縮行程を乗り越すための助走区間が得られるような領域が挙げられる。助走区間が設けられることにより、エンジン始動時においてクランク軸が圧縮行程まで始動発電機により十分に加速され、クランク軸が圧縮反力を乗り越えるために十分な回転速度を得ることができる。目標領域は、例えば、エンジンの燃焼行程、排気行程、又はその双方にあたる位置である。なお、目標領域は、エンジンの種類によって異なる場合がある。但し、1つのエンジンにおける目標領域は変動しない。
エンジンが前記燃焼動作している状態におけるクラッチレバーへの切断操作からクラッチレバーへの接続操作までの期間(SMG始動準備期間(Y))におけるクランク軸の位置の調整は、例えば、以下の動作のいずれかである。
1.エンジンの燃焼停止後からクランク軸の正転が停止するまでの間に、始動発電機がクランク軸に正転方向の力又は逆転方向の力を付与することにより、クランク軸を目標領域に停止させる。この場合、逆転方向の力は、正転するクランク軸に対するブレーキ力である。クランク軸が停止した位置は、エンジンの再始動における正転開始位置になる。
2.クランク軸の回転が一旦停止した後、クラッチレバーへの接続操作の前に、始動発電機がクランク軸に正転方向の力又は逆転方向の力を付与することにより、クランク軸を目標領域まで移動させる。クランク軸は、目標領域で停止する。クランク軸が停止した位置は、エンジンの再始動における正転開始位置になる。
なお、エンジンの燃焼停止後、例えば単にクランク軸を短期間で停止する目的で目標を定めずブレーキ力を付与する制御は、「エンジンの再始動の準備としての始動発電機によるクランク軸の位置調整」に該当しない。目標を定めない制御では、クランク軸の停止位置が所定の範囲に定まらない。
クランク軸が停止した状態におけるクラッチレバーへの再切断操作からエンジンが再始動するまでの期間(SMG始動準備期間(Z))におけるクランク軸の位置の調整は、例えば、以下の動作である。
エンジンが再始動前に、始動発電機がクランク軸に正転方向の力又は逆転方向の力を付与することにより、クランク軸を目標領域まで正転又は逆転させる。
この場合、クランク軸が目標領域まで移動したら、始動発電機がクランク軸に正転方向の力を付与することにより、エンジンの燃焼動作が開始するまでクランク軸を正転させる。
再始動よりも前におけるクランク軸の逆転は、いわゆるスイングバックである。
「期間のうちに始動発電機を制御する」ことは、期間の一部で始動発電機を制御することを意味する。ただし、「期間のうちに始動発電機を制御する」ことは、期間の全てに亘り始動発電機を制御する形態を含んでもよい。
スロットル弁における実質的な最小開度とは、エンジンの燃焼動作を継続できる開度の範囲内での最小開度である。スロットル弁における実質的な最小開度は、実質的には、例えば、エンジンの出力トルクに対する要求がゼロの場合の開度である。実質的な最小開度は、例えば、アクセルグリップにライダーの操作力が加えられない場合の開度である。アクセルグリップは、ライダーの操作に応じてスロットル弁の開閉を駆動する。実質的な最小開度は、例えばスロットル弁に許容される最小の開度である。実質的な最小開度は、例えばアイドリング動作のための空気を流す開度である。例えば、スロットル弁をバイパスする通路及びアイドリングスピード制御弁ISCが設けられている場合、実質的な最小開度はゼロである。
エンジン停止スイッチは、ライダーがアイドリングストップを行う際に操作するスイッチである。例えば、ライダーのエンジン停止スイッチの操作は、MT型鞍乗型車両のアイドリングストップ開始条件の一つである。この点において、操作すると必ずエンジンが停止するキルスイッチとは異なる。エンジン停止スイッチは、例えば押ボタン式のスイッチである。エンジン停止スイッチは、例えば他の構造のスイッチであってもよい。エンジン停止スイッチの操作は、例えばMT型鞍乗型車両のライダーが押ボタンを押す行為である。エンジン停止スイッチの操作は、ライダーによるエンジンの停止を行う意思の表示である。
MT型鞍乗型車両は、例えば、多段変速機がニュートラル状態の場合に、クラッチ等の条件に基づいてエンジン燃焼動作を停止しない。但し、MT型鞍乗型車両は特に限定されず、例えば、多段変速機がニュートラル状態の場合にクラッチ等の条件の成立に応じて、エンジン燃焼動作を停止してもよい。
多段変速機における低ギア段は、多段変速機が有するニュートラルを除いた複数のギア段のうち中央値以下の段数のギア段である。例えば多段変速機が、1速段から4速段まで合計4速段を有する場合、低ギア段は1速段及び2速段である。例えば多段変速機が、合計5速段を有する場合、低ギア段は1速段から3速段である。例えば多段変速機が、合計7速段を有する場合、低ギア段は1速段から4速段である。これに対し、高ギア段は、低ギア段とニュートラルを除いたギア段である。
本明細書で説明するエンジンの停止は、アイドリングストップ制御によるエンジン停止、即ちアイドリングストップである。アイドリングストップは、メインスイッチのオフ操作又はキルスイッチの操作に応じた停止とは異なる。アイドリングストップ制御は、エンジンの停止のための条件を満たした場合に、エンジンの燃焼動作を停止させ、始動のための条件を満たした場合に、エンジンを始動させる制御である。アイドリングストップ制御で停止したエンジンは、スタートスイッチの操作以外の操作によって再始動できる。
本発明によれば、小型化しつつ、アイドリングストップ制御を実施することができる鞍乗型車両を実現することができる。
本発明の第1実施形態に係るMT型鞍乗型車両の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るMT型鞍乗型車両の構成を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るMT型鞍乗型車両の制御装置における動作を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係るMT型鞍乗型車両のエンジン、始動発電機、及び多段変速機の構成を示す図である。
以下、本発明を、図面を参照しつつ説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係るMT型鞍乗型車両1の構成を示す図である。ここで、図1(a)は、MT型鞍乗型車両1の構成を簡略化して示す側面図であり、図1(b)は、MT型鞍乗型車両1の制御装置41の動作を示すフローチャートである。
本明細書及び図面で、Fは、MT型鞍乗型車両1における前方を示す。Bは、MT型鞍乗型車両1における後方を示す。FBは、MT型鞍乗型車両1における前後方向を示す。Uは、MT型鞍乗型車両1における上方を示す。Dは、MT型鞍乗型車両1における下方を示す。UDは、MT型鞍乗型車両1における上下方向を示す。
図1のMT型鞍乗型車両1は、図1(a)に示すように、エンジン10と、駆動輪15と、動力伝達経路25と、多段変速機30と、クラッチレバー36と、発進・変速両用クラッチ35と、始動発電機20と、制御装置41とを備える。
エンジン10は、クランク軸11及びスロットル弁12を有する。エンジン10は、スロットル弁12の開度に応じて供給される混合気の燃焼により生じる動力を、回転するクランク軸11を介して出力する。
駆動輪15は、エンジン10から動力を受け、MT型鞍乗型車両1を駆動する。
動力伝達経路25は、エンジン10から駆動輪15に遠心クラッチを介在することなく動力を伝達する。
多段変速機30は、動力伝達経路25上に設けられる。多段変速機30は、エンジン10と駆動輪15の間の変速比を、多段階に変更する。多段変速機30は、MT型鞍乗型車両1のライダーの操作に応じて変速比を多段階に変更する。多段変速機30は、マニュアル式変速機である。
クラッチレバー36は、MT型鞍乗型車両1のライダーのクラッチ操作を受ける。クラッチ操作には、切断操作と接続操作とがある。
発進・変速両用クラッチ35は、エンジン10と多段変速機30との間の動力伝達経路25上に設けられる。発進・変速両用クラッチ35は、MT型鞍乗型車両1のライダーによるクラッチレバー36への操作に応じて、エンジン10と多段変速機30との間の動力伝達を断続する。発進・変速両用クラッチ35は、MT型鞍乗型車両1のライダーがクラッチレバー36を握る切断操作によって、動力伝達を切断する。発進・変速両用クラッチ35は、MT型鞍乗型車両1のライダーがクラッチレバー36を握りから解放する接続操作によって、動力伝達を接続する。
始動発電機20は、エンジン10の始動時にクランク軸11を駆動することでエンジン10を始動させる。また、始動発電機20は、エンジン10の燃焼動作時にクランク軸11に駆動され発電する。
制御装置41は、エンジン10の燃焼動作及び始動発電機20の制御を行う。制御装置41は、図示しないプロセッサを備えており、プロセッサがプログラムを実行することで機能を実現する。
始動発電機20は、クランク軸11との間でクラッチを介さず力が伝達されるようにクランク軸11に接続される。始動発電機20は、発電機とスタータモータの機能を兼ね備える。始動発電機20は、永久磁石式始動発電機である。
制御装置41は、始動発電機20に流れる電流を制御するスイッチング素子21を有する。スイッチング素子21は、例えば、トランジスタで構成される。
制御装置41は、エンジン10の始動時にバッテリ5(図4参照)から始動発電機20に電力を供給することによって、始動発電機20にクランク軸11を駆動させる。制御装置41のスイッチング素子21は、始動発電機20の巻線224(図4参照)に流れる電流のオン・オフを制御する。これによって、制御装置41は、始動発電機20に流れる電流を制御する。また、制御装置41は、エンジン10が燃焼動作している場合に、始動発電機20で発電された電力をバッテリ5に供給する。この場合、制御装置41は、始動発電機20で発電された電流を整流する。整流された電流は、バッテリ5に充電される。
制御装置41のスイッチング素子21は、始動発電機20の巻線224(図4参照)から流れる電流のオン・オフを制御する。これによって、制御装置41は、始動発電機20から流れる電流を制御する。
制御装置41は、以下のアイドリングストップ制御を行うように構成される。制御装置41は、下記(a)から(d)の全ての条件を満たす場合に、エンジン10の燃焼動作を停止する。また、制御装置41は、二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに始動発電機20を制御することでエンジン10の再始動の準備としてクランク軸11の位置を調整する。上記(a)から(d)の条件は、エンジン停止条件である。エンジン停止条件(a)から(d)は、以下の通りである。
(a) 多段変速機30が低ギア段の状態である。
(b) MT型鞍乗型車両1が停止又は実質的に停止している。
(c) MT型鞍乗型車両1のライダーのクラッチレバー36への操作に応じて発進・変速両用クラッチ35が、動力伝達経路25を切断している。
(d) スロットル弁12が実質的に最小開度の状態である。
制御装置41は、多段変速機30が高ギア段である場合、エンジン10の再始動の準備としての始動発電機20によるクランク軸11の位置調整を行わない。多段変速機30が高ギア段である場合、上記エンジン停止条件(a)を満たさないため、制御装置41はエンジン10の燃焼動作を停止しないからである。
ここで、SMG始動準備期間(Y)及び(Z)は、以下の通りである。
SMG始動準備期間(Y):エンジン10が燃焼動作している状態におけるクラッチレバー36への切断操作からクラッチレバー36への接続操作までの期間である。
SMG始動準備期間(Z):クランク軸11が停止した状態におけるクラッチレバー36への再切断操作からエンジン10が再始動するまでの期間である。
制御装置41は、例えばクラッチレバー位置センサ37から信号によって、ライダーによるクラッチレバー36への操作を検出する。制御装置41は、例えば車速センサ16から、MT型鞍乗型車両1の速度を検出する。制御装置41は、例えばギアポジションセンサ31から、多段変速機30のギア段を取得する。
ここで、図1(b)を参照して、制御装置41のアイドリングストップ制御の動作について詳細に説明する。制御装置41のアイドリングストップ制御は、所定のエンジン停止条件(本実施形態ではエンジン停止条件(a)~(d))を満たした場合に、エンジン10の燃焼を停止させ、所定の発進条件を満たした場合に、エンジン10を始動させる制御である。
制御装置41は、アイドリングストップ制御開始の後、ステップS101において、エンジン10が燃焼動作中であるか判断する。エンジン10が燃焼動作中でない場合(ステップS101においてNo)、制御装置41は、アイドリングストップ制御の動作を終了する。エンジン10が燃焼動作中である場合(ステップS101においてYes)、制御装置41は、ステップS102においてエンジン停止条件(a)から(d)の全ての条件を満たすか判断する。エンジン停止条件(a)から(d)の全ての条件を満たす場合(ステップS102においてYes)、制御装置41は、ステップS103においてエンジン10の燃焼動作を停止する。エンジン停止条件(a)から(d)の少なくとも何れかの条件を満さない場合(ステップS102においてNo)、制御装置41は、エンジン10の燃焼動作を継続する。ステップS103においてエンジン10の燃焼動作を停止した後、制御装置41は、ステップS104において、クラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備制御を行なうか判断する。クラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備制御を行なう場合(ステップS104においてYes)、制御装置41は、SMG始動準備期間(Y)における再始動の準備としてクランク軸11の位置を調整する(ステップS105。SMG始動準備期間(Y)における位置の調整)。制御装置41は、始動発電機20を制御することでクランク軸11の位置を調整する。例えば、制御装置41は、始動発電機20を制御することで、回転しているクランク軸11にブレーキ力を付与し、クランク軸11を目標領域に停止させる。
その後、制御装置41は、ステップS106においてクラッチレバー36への接続操作がされたか判断する。クラッチレバー36への接続操作がされた場合(ステップS106においてYes)、制御装置41は、ステップS107においてクラッチレバー36への切断操作、つまり再切断操作がされたか判断する。クラッチレバー36への切断操作がされた場合(ステップS107においてYes)、制御装置41は、ステップS108において、先のSMG始動準備期間(Y)においてクランク軸11の位置調整が済んでいるか判断する。SMG始動準備期間(Y)においてクランク軸11の位置調整が済んでいない場合(ステップS108においてNo)、制御装置41は、エンジン10の再始動の準備としてクランク軸11の位置を調整する(ステップS109。SMG始動準備期間(Z)における位置調整)。ステップS109において始動準備制御を行った後、制御装置41は、ステップS110において、始動発電機20によりエンジン10を再始動させる。また、先のSMG始動準備期間(Y)においてクランク軸11の位置調整が済んでいる場合(ステップS108においてYes)、制御装置41は、始動発電機20によりエンジン10を再始動させ、アイドリングストップ制御の動作は終了する(ステップS110)。
MT型鞍乗型車両1のアイドリングストップ制御は、エンジン10の再始動により終了した後、例えばMT型鞍乗型車両1が走行後、一定速度(例えば10km/h)を超えると再び開始するように構成される。但し、アイドリングストップ制御が再び開始されるための条件は、これに限られない。
MT型鞍乗型車両1は、発電と始動の機能を兼ね備えた始動発電機20を備えることによって、エンジン始動専用のスタータモータを省略できる。例えば始動発電機20自体が、始動の機能の分、発電機単体よりも大きくなっても、エンジン始動専用のスタータモータの省略は、ライダーの体重移動によって姿勢制御が行われるMT型鞍乗型車両1の小型化に貢献できる。
始動発電機20は、クランク軸11との間でギヤ及びクラッチを介さず動力が伝達されるようにクランク軸11に接続される。そのため、エンジン始動専用のスタータモータを設ける場合と比べて、エンジン10の圧縮行程における圧縮反力を乗り越してクランク軸11を駆動する力が弱くなりやすい。従って、始動発電機20は、エンジン10の始動時に、エンジン始動専用のスタータモータと比べて大きな電流の供給が要求される。また、クランク軸11を駆動する力が弱さを補うため、始動発電機20によって、エンジン10の始動の前の始動準備動作を行なう。
また、MT型鞍乗型車両1では、(a)多段変速機30が低ギア段の状態であることがアイドリングストップ制御におけるエンジン10の停止条件の一つとしている。そのため、エンジン10の再始動後のライダーのクラッチレバー36への接続操作によるエンジンストールが発生する可能性は、多段変速機30が高ギア段の場合と比べて低い。この結果、MT型鞍乗型車両1が走行しない短時間でエンジン10の始動及び始動準備動作が繰り返されるという事態の発生を抑制できる。このため、MT型鞍乗型車両1は、制御装置41のスイッチング素子21に、短時間のうちに大きな電流が流れる事態の発生を抑制できる。従って、MT型鞍乗型車両1は、始動発電機20を備えつつ、制御装置41について冷却のための構造を小型化できる。
MT型鞍乗型車両1では、二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに始動準備が行われる。二つのSMG始動準備期間(Y)及び(Z)では、ライダーのクラッチレバー36への切断操作が行われる。ライダーのクラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備動作が行われることによって、MT型鞍乗型車両1では、低ギア段の条件での始動発電機20を使用したアイドリングストップ制御を実施しやすくなる。
より具体的に、SMG始動準備期間(Y)は、エンジン10が燃焼動作している状態におけるクラッチレバー36への切断操作から接続操作までの期間である。エンジン10が燃焼動作している状態でクラッチレバー36への切断操作がされると、エンジン10の燃焼動作が停止する。このため、始動準備動作において始動発電機20がクランク軸11を駆動する場合に、エンジン10の燃焼による衝撃の影響が抑えられる。また、エンジン10の燃焼動作の停止直後、燃焼動作のエネルギーによってクランク軸11が回転している場合、回転の慣性力も活用して、クランク軸11を再始動に適した位置に停止させやすくなる。また、クラッチレバー36への切断操作によって、クランク軸11と駆動輪15との間の動力伝達が切断される。このため、比較的小さな電流で始動発電機20がクランク軸11を駆動することができる。
SMG始動準備期間(Z)は、クランク軸11が停止した状態におけるクラッチレバー36への再切断操作からエンジン10が再始動するまでの期間である。クラッチレバー36への再切断操作によって、クランク軸11と駆動輪15との間の動力伝達が切断される。このため、比較的小さな電流で始動発電機20がクランク軸11を駆動しやすい。始動準備動作の後でエンジン10を再始動することで、クランク軸11が圧縮反力を乗り越しやすくなる。
このように、本実施形態のMT型鞍乗型車両1では、多段変速機30が低ギア段の状態においてエンジン10の燃焼動作を停止すると共に、ライダーのクラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備動作を行なう。これにより、制御装置41に短時間のうちに大きな電流が流れるのを抑制できるため、制御装置41の放熱のための構造を簡潔化することで制御装置41を小型化でき、また、始動発電機20によるエンジン10の始動性を向上させることができる。その結果、MT型鞍乗型車両1は、小型化しつつ、アイドリングストップ制御を実施することができる。
なお、本実施形態のMT型鞍乗型車両1の制御装置41は、MT型鞍乗型車両1の速度が0km/h以上3km/h以下で設定される基準速度を下回った場合に、MT型鞍乗型車両1が停止又は実質的にしたものとして制御を行なうことができる。
上記構成により、MT型鞍乗型車両1では、基準速度が0km/h以上3km/h以下で設定されるので、MT型鞍乗型車両1の停止又は実質的な停止を、簡易な方法及び短い期間で判別することもできる。例えば車輪における所定角度の回転の時間周期を計測するような速度検出の方法で、基準速度を下回ることの検出を短い期間で行なうことができる。従って、MT型鞍乗型車両1では、小型化された簡易な構成を用いて、アイドリングストップ制御を行うことができる。
制御装置41は、期間(Y)又は期間(Z)の何れかにおいて、始動準備制御を行なう。本実施形態において、制御装置41は、ステップS104において、クラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備制御を行なうか判断する。例えば、制御装置41は、ステップS104において、エンジン10の温度又はバッテリ5(図4参照)の充電電力に基づいてクラッチレバー36への切断操作に基づいて始動準備制御を行なうか判断する。ただし、本実施形態の第1の変形例として、制御装置41は、ステップS102の条件がすべて充足した場合、ステップS104の判断を省略し、直ちにステップS105における始動準備制御(期間(Y))を行なってもよい。この場合、ステップS109における始動準備制御(期間(Z))は省略される。また、本実施形態の第2の変形例として、制御装置41は、ステップS105始動準備制御(期間(Y))を省略し、ステップS109における始動準備制御(期間(Z))を行なってもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。図2は、本発明の第2実施形態に係るMT型鞍乗型車両2の構成を示す図である。ここで、図2(a)は、MT型鞍乗型車両2の構成を簡略化して示す左側面図であり、図2(b)は、MT型鞍乗型車両2の制御装置42における動作を示すフローチャートである。本実施形態では、制御装置42における動作が、図2のように構成される。この他の構成は、第1実施形態と同一であり、図1に示すMT型鞍乗型車両1と同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のMT型鞍乗型車両2は、図2(a)に示すように、ライダーの操作によりエンジン10の燃焼動作を停止するエンジン停止スイッチ13を有する。エンジン停止スイッチ13はアイドリングストップのためのスイッチである。MT型鞍乗型車両2の制御装置42は、第1実施形態に記載のエンジン停止条件(a)から(d)の他、更に下記(e)のエンジン停止条件を満たした場合に、エンジン10の燃焼動作を停止する。MT型鞍乗型車両2は、エンジン10の燃焼動作を停止すると共に燃焼動作が停止した後、エンジン10の再始動を行うために、始動発電機20を制御することでクランク軸11の始動開始位置を調整する。ここで、エンジン停止条件(a)から(e)は、以下の通りである。
(a)多段変速機30が低ギア段の状態である。
(b)MT型鞍乗型車両が停止又は実質的に停止している。
(c)MT型鞍乗型車両のライダーのクラッチレバー36への操作に応じて発進・変速両用クラッチ35が、動力伝達経路25を切断している。
(d)スロットル弁12が実質的に最小開度の状態である。
(e)ライダーにより、エンジン停止スイッチ13が操作される。
図2(b)は、制御装置42のアイドリングストップ制御の動作を説明するフロー図である。図2(b)において、図1(b)と同一の処理については、図1(b)と同一の符号を付している。本実施形態においては、第1実施形態と同一の処理については、説明を省略する。
制御装置42は、第1実施形態の制御装置41のステップS102とステップS103との間に、ステップS201の処理が入る。詳細には、図2(b)に示すように、エンジン停止条件(a)から(d)の全ての条件を満たす場合(ステップS102においてYes)、制御装置42は、ライダーにより、エンジン停止スイッチ13が操作されたか判断する。MT型鞍乗型車両2のライダーにより、エンジン停止スイッチ13が操作された場合(ステップS201においてYes)、制御装置41は、ステップS103においてエンジン10の燃焼動作を停止する。MT型鞍乗型車両2のライダーにより、エンジン停止スイッチ13が操作されていない場合(ステップS201においてNo)、動作は再びステップS102に戻る。
MT型鞍乗型車両2では、例えば、多段変速機30の操作の途中といった状況のように(a)から(d)の条件が満たされた場合でも、ライダーがエンジン10の停止を望んでいない状況が存在し得る。MT型鞍乗型車両2では、(a)から(d)の条件が満たされた場合に、さらに(e)ライダーによりエンジン停止スイッチ13が操作されることにより、エンジン10の燃焼動作が停止する。このため、ライダーがエンジン10の停止を望まない状況でのエンジン10の停止を回避することができる。本実施形態のMT型鞍乗型車両2では、始動準備動作及びエンジン10の始動の頻度を低減し、制御装置42のスイッチング素子21を時間あたり流れる電流を抑制することができる。このため、MT型鞍乗型車両2は、制御装置42における放熱のための構造を簡潔にすることで小型化することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について説明する。図3は、本発明の第3実施形態に係るMT型鞍乗型車両3の制御装置43における動作を示すフローチャートである。図3における図1(b)と同一の処理には、図1(b)と同一の符号が付されている。本実施形態における第1実施形態と同一の処理の説明は、省略する。
本実施形態のMT型鞍乗型車両の制御装置43は、ライダーの操作により、発進・変速両用クラッチ35が、動力伝達経路25を切断してから感応基準時間が経過した場合に、エンジン10の燃焼動作を停止する。詳細には、図3に示すように、制御装置43は、第1実施形態の制御装置41のステップS102とステップS103との間に、ステップS301の処理が入る。エンジン停止条件(a)から(d)の全ての条件を満たす場合(ステップS102においてYes)、制御装置43は、発進・変速両用クラッチ35が動力伝達経路25を切断してから感応基準時間が経過したか判断する。MT型鞍乗型車両3のライダーの操作により、発進・変速両用クラッチ35が、動力伝達経路25を切断してから感応基準時間が経過した場合、(ステップS301においてYes)、制御装置43は、ステップS103においてエンジン10の燃焼動作を停止する。MT型鞍乗型車両3のライダーの操作により、発進・変速両用クラッチ35が、動力伝達経路25を切断してから感応基準時間が経過していない場合(ステップS301においてNo)、動作は再びステップS102に戻る。
MT型鞍乗型車両3では、(a)から(d)の条件が短時間満たされた場合でも、ライダーがエンジン10の停止を望んでいない状況が存在し得る。MT型鞍乗型車両3では、(a)から(d)の条件が満たされた場合、更に、発進・変速両用クラッチ35が動力伝達経路25を切断してから感応基準時間が経過した場合に、エンジン10の燃焼動作が停止する。感応基準時間は、ゼロよりも大きい時間である。このため、ライダーがエンジン10の停止を望まない状況で、エンジン10の停止を回避することができる。例えば、発進・変速両用クラッチ35により動力伝達経路25が一旦切断されても、感応基準時間が経過する前に、エンジン10の燃焼動作を継続したまま再度、動力伝達経路25を接続した状態に戻すことができる。従って、本実施形態のMT型鞍乗型車両3では、始動準備動作及びエンジン10の始動の頻度を低減し、制御装置43のスイッチング素子21を時間あたり流れる電流を抑制することができる。このため、MT型鞍乗型車両3は、制御装置43における放熱のための構造を簡潔することで小型化することができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について説明する。図4は、本発明の第4実施形態に係るMT型鞍乗型車両4のエンジン10-1、始動発電機20-1、及び多段変速機30-1の構成を示す図である。本実施形態は、第1から第3実施形態のそれぞれの適用例でもある。従って、本実施形態で説明する構成は、第1から第3実施形態のそれぞれに適用され得る。図4(a)は、MT型鞍乗型車両4のエンジン10-1、始動発電機20-1、及び多段変速機30-1の左側面図である。図4(b)は、図4(a)のX-X´における断面図である。図4(c)は、始動発電機20-1の断面図である。図4において、図1(a)と同一の構成については、図1(a)と同一の符号を付している。本実施形態において第1実施形態と共通の構成の説明は、省略する。
本実施形態のMT型鞍乗型車両4の始動発電機20-1は、図4(a)に示すように、クランク軸11を収容するエンジン10-1のクランクケース17内に低粘度オイル18で潤滑されるよう設けられている。始動発電機20-1は、SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちにスイッチング素子21を介して電流が供給されることにより駆動する。MT型鞍乗型車両4によれば、始動発電機20-1が低粘度オイル18で冷却される。従って、始動発電機20-1に対する冷却用のファンやフィンの取付けを省略することができる。また、低粘度オイル18の使用により始動発電機20-1の回転抵抗も抑制されるため、エンジン10の再始動の準備においてスイッチング素子21への供給電流が抑制される。これにより、スイッチング素子21及び始動発電機20-1の発熱も抑制される。従って、MT型鞍乗型車両4は、始動発電機20-1を含むエンジン10-1を冷却する低粘度オイル18の冷却構造を小型化できる。このため、本実施形態によれば、MT型鞍乗型車両4をより小型化することができる。
また、MT型鞍乗型車両4の始動発電機20-1は、図4(b)及び図4(c)に示すように、ステータ22と、ロータ23とを備える。ステータ22は、エンジン10-1に対し位置が固定される。ステータ22は、巻線224を有する。巻線224には、供給された電流が流れる。ロータ23は、ステータ22に対し空隙を介して設けられた永久磁石231を有しクランク軸11の回転と連動するようにクランク軸11に設けられる。エンジン10-1は、ロータ位置検出装置24を更に備える。ロータ位置検出装置24は、ステータ22の巻線224とは異なる検出巻線241を有する。ロータ位置検出装置24は、多段変速機30の低ギア段の状態でのエンジン10の始動時にロータ23の位置の検出を表す信号を制御装置43に出力する。検出巻線241は、磁気作用によってロータ23の位置を検出する。検出巻線241は、例えばホール素子と比べて高い温度で動作できる。従って、放熱のための構造を簡潔にして小型化することができる。

例えば、クラッチレバー36に対する操作に基づいてエンジン10-1を始動させる構成の場合、例えばアクセルに対する操作に基づく場合と比べ、始動時にシリンダ内に吸入される空気量が抑えられる。この場合、エンジン10-1の燃焼が開始する時に、エンジン10-1の出力が、例えばアクセルに対する操作に基づく場合と比べ小さい場合がある。MT型鞍乗型車両4によれば、制御装置41が、クランク軸11の回転と連動するように設けられたロータ23の位置に基づいて、ロータ23の回転を制御することができる。従って、MT型鞍乗型車両4では、クラッチレバー36への再切断操作に基づいてエンジン10-1の燃焼が開始する場合にエンジン10-1の出力が小さい状況でも、ロータ23の位置に基づき駆動を精密に制御することができる。このため、始動発電機20-1に供給される電流の増大を抑制することができる。従って、本実施形態によれば、エンジン10-1の始動の条件が異なる複数の構成に対し、MT型鞍乗型車両4をより小型化することができる。
また、本実施形態のMT型鞍乗型車両4の始動発電機20-1のステータ22は、図4(c)に示すように、ステータコア223と、複数相の巻線224とを備える。ステータコア223は、スロット221と周方向で交互に設けられた複数の歯部222を備える。複数相の巻線224は、歯部222に巻回され、SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちにスイッチング素子21を介して電流が供給され、発電した電流をスイッチング素子21に供給する。また、始動発電機20-1のロータ23は、ステータ22と空隙を空けて周方向に並び且つスロット221の数の2/3より多い磁極部232を有する。
MT型鞍乗型車両4によれば、巻線224のインピーダンスは、例えばスロット221の数の2/3より少ない磁極部232を有する構成と比べて大きい。このため、始動発電機20-1が発電機として機能する回転速度の領域において、より大きなインピーダンスによって発電電流を抑制でき、また、エンジン10の再始動の準備においてスイッチング素子21への供給電流が抑制される。このため、MT型鞍乗型車両4では、始動発電機20-1の駆動及び発電双方において制御装置41の発熱を抑制することができ、始動発電機20-1及び制御装置41を小型化できる。従って、本実施形態の構成によれば、MT型鞍乗型車両4をより小型化することができる。
1~4 MT型鞍乗型車両
10、10-1 エンジン
11 クランク軸
20、20-1 始動発電機
21 スイッチング素子
25 動力伝達経路
30、30-1 多段変速機
35 発進・変速両用クラッチ
36 クラッチレバー
41~43 制御装置

Claims (7)

  1. MT型鞍乗型車両であって、
    前記MT型鞍乗型車両は、
    スロットル弁及びクランク軸を有し、燃焼により生じる動力を、前記クランク軸を介して出力するエンジンと、
    前記エンジンから前記動力を受け前記MT型鞍乗型車両を駆動する駆動輪と、
    前記エンジンから前記駆動輪に遠心クラッチを介在することなく前記動力を伝達する動力伝達経路と、
    前記動力伝達経路上に設けられ、ライダーの操作に応じて、前記エンジンと前記駆動輪の間の変速比を多段階に変更する多段変速機と、
    前記ライダーのクラッチ操作を受けるクラッチレバーと、
    前記エンジンと前記多段変速機の間の前記動力伝達経路上に設けられ、前記ライダーによる前記クラッチレバーへの切断操作に応じて前記動力を切断するとともに前記クラッチレバーへの接続操作に応じて前記動力を接続する発進・変速両用クラッチと、
    を備え、次のことを特徴とする;
    前記クランク軸との間でクラッチを介さず力が伝達されるように前記クランク軸に接続され、前記エンジンの始動時に前記クランク軸を駆動し、前記エンジンの燃焼動作時に前記クランク軸に駆動され発電する始動発電機と、
    前記エンジンの前記燃焼動作及び前記始動発電機の制御を行う制御装置と、を更に備え、
    前記制御装置は、前記始動発電機に流れる電流を制御するスイッチング素子を有し、(a)前記多段変速機が低ギア段の状態であり、且つ(b)前記MT型鞍乗型車両が停止又は実質的に停止しており、且つ(c)前記ライダーの前記クラッチレバーへの前記切断操作に応じて前記発進・変速両用クラッチが前記動力伝達経路を切断し、且つ(d)前記スロットル弁が実質的に最小開度の状態である、の全ての条件を満たす場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止すると共に、下記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記始動発電機を制御することで前記エンジンの再始動の準備として前記クランク軸の位置を調整し、その一方で、
    前記多段変速機が高ギア段である場合、前記エンジンの再始動の準備としての前記始動発電機による前記クランク軸の位置調整を行わず、
    前記SMG始動準備期間(Y)は、前記エンジンが前記燃焼動作している状態における前記クラッチレバーへの前記(c)での前記切断操作から前記クラッチレバーへの前記接続操作までの期間であり、
    前記SMG始動準備期間(Z)は、前記クランク軸が停止した状態における前記クラッチレバーへの再切断操作から前記エンジンが前記再始動するまでの期間である。
  2. 請求項1に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記MT型鞍乗型車両は、前記ライダーの操作により前記エンジンの前記燃焼動作を停止するエンジン停止スイッチを有し、
    前記制御装置は、前記(a)から(d)の条件の他、更に下記(e)の条件を満たした場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止すると共に前記燃焼動作が停止した後、前記エンジンの再始動を行うために、前記始動発電機を制御することで前記クランク軸の始動開始位置を調整し、前記(e)の条件は、
    (e)前記ライダーにより、前記エンジン停止スイッチが操作される
    MT型鞍乗型車両。
  3. 請求項1に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記制御装置は、前記ライダーの操作により、前記発進・変速両用クラッチが、前記動力伝達経路を切断してから感応基準時間が経過した場合に、前記エンジンの前記燃焼動作を停止する
    MT型鞍乗型車両。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記制御装置は、前記MT型鞍乗型車両の速度が0km/h以上3km/h以下で設定される基準速度を下回った場合に、前記MT型鞍乗型車両が停止又は実質的にしたものとして制御を行なう
    MT型鞍乗型車両。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記始動発電機は、前記クランク軸を収容する前記エンジンのクランクケース内に低粘度オイルで潤滑されるよう設けられ、前記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記スイッチング素子を介して電流が供給されることにより駆動する
    MT型鞍乗型車両。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記始動発電機は、前記エンジンに対し位置が固定され巻線を有するステータと、前記ステータに対し空隙を介して設けられた永久磁石を有し前記クランク軸の回転と連動するように前記クランク軸に設けられたロータとを備え、
    前記エンジンは、前記クラッチレバーへの前記再切断操作に基づいて前記エンジンが再始動する時に前記ロータの位置の検出を表す信号を前記制御装置に出力する、前記ステータの前記巻線とは異なる検出巻線を有するロータ位置検出装置を更に備える
    MT型鞍乗型車両。
  7. 請求項1から5の何れか1項に記載のMT型鞍乗型車両であって、
    前記始動発電機は、スロットと周方向で交互に設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回され、前記SMG始動準備期間(Y)及び(Z)の何れかのうちに前記スイッチング素子を介して電流が供給され、発電した電流を前記スイッチング素子に供給する複数相の巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて前記周方向に並び且つ前記スロットの数の2/3より多い磁極部を有するロータとを備える
    MT型鞍乗型車両。
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