JP7238061B2 - 抽出用フィルター用不織布 - Google Patents

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Description

本発明は、特に飲料や出汁等の抽出用フィルターに好適に使用できる抽出用フィルター用不織布及び抽出用フィルター用不織布の製造方法に関する。
近年、抽出バッグの用途は拡大してきており、茶、コーヒー等の飲料、ダシ、煮汁等の調味液において、不織布のような多孔性シートを袋状に成形して用いる食品抽出用フィルター材料の開発が進められている。このような食品抽出用フィルター材料は、水分を含んだ被抽出物の負荷に耐えることができる強度が求められる。
従来のフィルター材料としては、ポリオレフィン系重合体を鞘成分とし、鞘成分より融点が50℃以上高いポリエステル系重合体を芯成分とする芯鞘型複合繊維を堆積することにより形成されるウェブが、部分的に熱圧接されている長繊維の不織布を採用し、液体フィルター材のヒートシール性及び強度を向上させる技術が開示されている(特開2004-242944号公報参照)。
特開2004-242944号公報
しかしながら、上記従来技術のような長繊維の不織布は高い強度を有する反面、抽出性が悪くなる傾向がある。また、業務用の出汁、煮汁等の調味液成分の抽出を行う抽出用フィルターは、使用時に調味液の撹拌等による力がかかる場合が多いことから、特に高い強度及びヒートシール性を有しつつ抽出性が優れる抽出用フィルターが望まれている。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、強度、ヒートシール性及び抽出性に優れる抽出用フィルター用不織布及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記不都合を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定の繊維を特定の範囲で組み合わせた不織布を用いることで、強度、ヒートシール性及び抽出性に優れ、業務用の出汁、煮汁等の調味液成分の抽出を行う抽出用フィルターにも好適な抽出用フィルター用不織布を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決するためになされた発明は、繊度が1.5dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が7mm以上20mm以下である延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.0dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下である未延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.8dtex以上2.5dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下であるポリエステル系芯鞘型複合繊維とを含有し、上記延伸ポリエステル系繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量が20質量%以上35質量%以下であり、上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下である抽出用フィルター用不織布である。
当該抽出用フィルター用不織布によれば、繊度、平均繊維長、含有量が上記範囲である延伸ポリエステル系繊維、未延伸ポリエステル系繊維及びポリエステル系芯鞘型複合繊維を上記含有量の範囲で含有するので、優れた強度、ヒートシール性及び抽出性を有することができる。なお、上記繊度(単位:dtex)は、JIS-L1095(2010)の一般紡績糸試験方法に準拠して測定される。
当該抽出用フィルター用不織布が、ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維をさらに含有することが好ましい。上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の繊度としては、1.0dtex以上2.0dtex以下が好ましく、平均繊維長としては、3mm以上10mm以下が好ましい。また、上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の含有量としては、20質量%以上30質量%以下が好ましい。当該抽出用フィルター用不織布がさらに含有するポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の繊度、平均繊維長及び含有量が上記範囲であることにより、当該抽出用フィルター用不織布の強度、ヒートシール性及び抽出性をより向上させることができる。
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8124(2011)に準拠した坪量としては、15.0g/m以上50.0g/m以下が好ましい。また、当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8116(2000)に準拠した繊維の流れ方向の引裂強度としては、1300mN以上1600mN以下が好ましく、上記流れ方向と直交する横方向の引裂強度としては、1400mN以上1700mN以下が好ましい。当該抽出用フィルター用不織布の上記坪量及び上記引裂強度が上記範囲であることにより、当該抽出用フィルター用不織布の強度、ヒートシール性及び抽出性をより向上させることができる。ここで、上記繊維の流れ方向とは、不織布の抄紙方向(縦方向)を指し、上記横方向は不織布の抄紙方向と直角の方向を指す。
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8113(2006)に準拠した上記流れ方向の引張破断伸びとしては、10%以上30%以下が好ましく、上記横方向の引張破断伸びとしては、20%以上40%以下が好ましい。当該抽出用フィルター用不織布の上記引張破断伸びが上記範囲であることにより、当該抽出用フィルター用不織布の強度、ヒートシール性及び抽出性をより向上させることができる。
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8117(2009)に準拠した透気抵抗度としては、0.3秒以上1.2秒以下が好ましい。なお、本願発明における透気抵抗度の測定値は、当該抽出用フィルター用不織布を20枚重ねた場合の値を示す。当該抽出用フィルター用不織布の上記透気抵抗度が上記範囲であることにより、当該抽出用フィルター用不織布の抽出性をより向上させることができる。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、繊度が1.5dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が7mm以上20mm以下である延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.0dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下である未延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.8dtex以上2.5dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下であるポリエステル系芯鞘型複合繊維とを湿式抄紙する工程と、上記湿式抄紙工程後に形成される繊維シートをカレンダー加工する工程とを備え、上記延伸ポリエステル系繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量が20質量%以上35質量%以下であり、上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下である抽出用フィルター用不織布の製造方法である。
当該抽出用フィルター用不織布の製造方法によれば、強度、ヒートシール性及び抽出性に優れる抽出用フィルター用不織布を確実に製造することができる。
本発明によれば、強度、ヒートシール性及び抽出性に優れる抽出用フィルター用不織布を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る抽出用フィルター用不織布について詳説する。
<抽出用フィルター用不織布>
当該抽出用フィルター用不織布は、延伸ポリエステル系繊維と、未延伸ポリエステル系繊維と、ポリエステル系芯鞘型複合繊維とを含有する。上記延伸ポリエステル系繊維は、繊度が1.5dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が7mm以上20mm以下である。また、上記未延伸ポリエステル系繊維は、繊度が1.0dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下である。さらに、上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維は、繊度が1.1dtex以上2.5dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下である。
当該抽出用フィルター用不織布における上記延伸ポリエステル系繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量が20質量%以上35質量%以下であり、上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量が15質量%以上35質量%以下である。
(延伸ポリエステル系繊維)
上記延伸ポリエステル系繊維における延伸とは、紡糸した未延伸糸を延伸機にて数倍に倍速して、延伸させ巻き取ったフィラメントをいう。上記延伸ポリエステル系繊維を構成するポリエステル樹脂としては、基本的に多価カルボン酸とポリアルコールの重縮合体である。上記ポリエステル樹脂としては、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリトリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネートなどが挙げられる。また、ポリ乳酸としては、L-乳酸、D-乳酸いずれの乳酸単位の縮合体、または、それらの混合縮合体が挙げられる。当該抽出用フィルター用不織布が延伸ポリエステル系繊維を含有することにより、引張破断伸び及び引裂強度を良好な範囲に設定することができる。これらのなかでもポリエチレンテレフタレートが好ましい。
この延伸ポリエステル系繊維の軟化点としては、110℃以上140℃以下が好ましい。また、上記未延伸ポリエステル系繊維の結晶化度としては、10%以上40%以下が好ましい。上記延伸ポリエステル系繊維の軟化点及び結晶化度が上記範囲であることで、適度な引張破断伸びが得られるので、抽出性と突き刺し強度を高めることができる。
上記延伸ポリエステル系繊維は、酸化チタン等の添加物を含んでもよく、吸湿性向上等、機能性付与のために修飾基の付与等により改質したものも使用できる。上記延伸ポリエステル系繊維は、単繊維単位の断面形状も特に限定されず、丸形、三角、八葉、扁平、Y型に代表される様々な異形断面糸も使用できる。また、上記延伸ポリエステル系繊維は、これらの原糸に仮撚加工を施した仮撚加工糸を用いても良い。
延伸ポリエステル系繊維の繊度の下限としては、1.5dtexであり、1.6dtexが好ましく、1.7dtexがより好ましい。上記繊度が1.5dtex未満であると、十分な引裂強度が得られないおそれがある。一方、上記繊度の上限としては、2.0dtexであり、1.9dtexが好ましく、1.8dtexがより好ましい。上記繊度を上記範囲とすることで、引張破断伸び及び引裂強度を良好な範囲に設定することができる。
延伸ポリエステル系繊維の平均繊維長の下限としては、7mmであり、8mmが好ましく、9mmがより好ましい。上記平均繊維長が7mm未満であると、引張破断伸び及び引裂強度が低下するおそれがある。一方、上記平均繊維長の上限としては、20mmであり、15mmが好ましく、12mmがより好ましい。上記平均繊維長が20mmを超えると抽出用フィルター用不織布の地合が不均一となり、透気抵抗度が高くなる結果、抽出性が低下するおそれがある。
延伸ポリエステル系繊維の含有量の下限としては、15質量%以上であり、18質量%が好ましく、20質量%がより好ましい。上記含有量が15質量%未満であると、必要とされる引裂強度が得られないおそれがある。一方、上記含有量の上限としては、30質量%であり、28質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。上記含有量が30質量%を超えると抽出用フィルター用不織布の地合が不均一となり、透気抵抗度が高くなる結果、抽出性が低下するおそれがある。
(未延伸ポリエステル系繊維)
上記未延伸ポリエステル系繊維における未延伸とは、紡糸した未延伸糸のフィラメントをいう。上記未延伸ポリエステル系繊維を構成するポリエステル樹脂としては、前記延伸ポリエステル系繊維で挙げたものを使用することができる。当該抽出用フィルター用不織布が未延伸ポリエステル系繊維を含有することにより、引張破断伸びを向上できる。
この未延伸ポリエステル系繊維の軟化点としては、110℃以上140℃以下が好ましい。また、上記未延伸ポリエステル系繊維の結晶化度としては、10%以下が好ましい。上記未延伸ポリエステル系繊維の軟化点及び結晶化度が上記範囲であることで、引裂強度を高めることができる。
上記未延伸ポリエステル系繊維の繊度の下限としては、1.0dtexであり、1.2dtexが好ましく、1.3dtexがより好ましい。一方、上記繊度の上限としては、2.0dtexが好ましく、1.8dtexがより好ましく、1.5dtexがさらに好ましい。上記繊度が上記範囲であることで、引張破断伸びを良好な範囲に設定することができる。
上記未延伸ポリエステル系繊維の平均繊維長の下限としては、3mmであり、3.5mmが好ましく、4mmがより好ましい。上記平均繊維長が3mm未満であると、引張破断伸びが低下するおそれがある。一方、上記平均繊維長の上限としては、10mmであり、8mmがより好ましく、7mmがさらに好ましい。上記平均繊維長が10mmを超えると引張破断伸びが必要以上に高くなるおそれがある。
上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量の下限としては、20質量%であり、22質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。上記含有量が20質量%未満であると、引張破断伸びが低下するおそれがある。一方、上記含有量の上限としては、35質量%であり、30質量%であり、28質量%がさらに好ましい。上記含有量が35質量%を超えると引張破断伸びが向上し過ぎるおそれがある。
(ポリエステル系芯鞘型複合繊維)
ポリエステル系芯鞘型複合繊維とは、繊維の構造が芯鞘構造を有しており、芯部の材質及び鞘部の材質がポリエステル系樹脂である繊維をいう。上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維を構成するポリエステル樹脂は、上記未延伸ポリエステル系繊維を構成するポリエステル樹脂と同様のものを使用することができる。ポリエステル系芯鞘型複合繊維としては、例えば芯部の材質がポリエチレンテレフタレートであり、鞘部の材質が低融点ポリエチレンテレフタレートのようにポリエステル樹脂を変性することで融点を低下させた変性ポリエチレンテレフタレートである芯鞘構造の繊維が挙げられる。変性ポリエチレンテレフタレートとしては、例えば共重合ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。延伸ポリエステル系繊維及び未延伸ポリエステル系繊維のみを含有する場合、カレンダー工程時の熱融着性が低いことから繊維間の融着が弱くなり、強度や透気抵抗度が低下するおそれがある。しかしながら、当該抽出用フィルター用不織布が上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維を含有することで、繊維間の融着性が向上し、強度や透気抵抗度を良好にできる。
このポリエステル系芯鞘型複合繊維の鞘部の融点としては、100℃以上140℃以下が好ましく、ポリエステル系芯鞘型複合繊維の芯部の融点としては、200℃以上250℃以下が好ましい。上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の鞘部及び芯部の融点が上記範囲であることで、適度な強度を有しつつ、抽出性を向上させることができる。
上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度の下限としては、1.1dtexであり、1.2dtexが好ましく、1.3dtexがより好ましい。一方、上記繊度の上限としては、2.5dtexであり、2.0dtexが好ましく、1.7dtexがより好ましい。上記繊度を上記範囲とすることにより、繊維間の熱融着性を良好にすることができる。
ポリエステル系芯鞘型複合繊維の平均繊維長の下限としては、3mmであり、3.5mmがより好ましく、4mmがさらに好ましい。上記平均繊維長が3mm未満であると、熱融着する接点が少なくなることから繊維間の融着が弱くなるおそれがある。一方、上記平均繊維長の上限としては、10mmであり、8mmが好ましく、7mmがより好ましい。上記平均繊維長が10mmを超えると繊維を熱融着し難くなるおそれがある。
ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量の下限としては、15質量%であり、18質量%がより好ましく、20質量%がより好ましい。上記含有量が15質量未満であると、熱融着する接点が少なくなることから繊維間の融着が弱くなるおそれがある。一方、上記含有量の上限としては、35質量%であり、28質量%がより好ましく、25質量%がさらに好ましい。上記含有量が30質量%を超えると、繊維を熱融着し難くなるおそれがある。
(ポロプロピレン系芯鞘型複合繊維)
ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維とは、繊維の構造が芯鞘構造を有しており、芯部の材質がポリプロピレン系樹脂であり、鞘部の材質もポリプロピレン系樹脂である繊維をいう。ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維としては、例えば芯部の材質がポリプロピレン系樹脂であり、鞘部の材質がポリエステル樹脂を変性することで融点を低下させた低融点ポリプロピレン系樹脂である芯鞘構造の繊維が挙げられる。当該抽出用フィルター用不織布が上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維をさらに含有することにより、ヒートシール性をより向上することができる。
このポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の鞘部の融点としては、130℃以上160℃以下が好ましく、ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の芯部の融点としては、110℃以上150℃以下が好ましい。上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維を用いることで、結果として、ヒートシール強度の向上が図れる。
上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の繊度の下限としては、1.5dtexが好ましく、1.8dtexがより好ましく、2.0dtexがさらに好ましい。一方、上記繊度の上限としては、2.5dtexが好ましく、2.4dtexがより好ましく、2.3dtexがさらに好ましい。上記繊度が上記範囲であることにより、ヒートシール性をより向上することができる。
ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の平均繊維長の下限としては、3mmが好ましく、3.5mmがより好ましく、4mmがさらに好ましい。上記平均繊維長が3mm未満の場合、ヒートシール強度が低下するおそれがある。一方、上記平均繊維長の上限としては、10mmが好ましく、8mmがより好ましく、6mmがさらに好ましい。上記平均繊維長が10mmを超える場合、必要以上にヒートシール性が向上して、抽出用フィルター用不織布が強固となり、製袋加工適性が悪化するおそれがある。
ポロプロピレン系芯鞘型複合繊維の含有量の下限としては、20質量%が好ましく、22質量%がより好ましく、24質量%がさらに好ましい。上記含有量が20質量%未満であると、ヒートシール強度が低下するおそれがある。一方、当該抽出用フィルター用不織布の含有量の上限としては、30質量%が好ましく、28質量%がより好ましく、26質量%がさらに好ましい。上記含有量が30質量%を超えると必要以上にヒートシール性が向上して、抽出用フィルター用不織布が強固となり、製袋加工適性が悪化するおそれがある。
(その他の成分等)
当該抽出用フィルター用不織布においては、例えば顔料、界面活性剤、ワックス、サイズ剤、填料、防錆剤、導電剤、消泡剤、分散剤、粘性調整剤、凝集剤、凝結剤、紙力向上成分、歩留まり向上剤、紙粉脱落防止剤、嵩高剤、増粘剤等の内添剤を内添させることができる。
(坪量)
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8124(2011)に準拠した坪量の下限としては、15.0g/mが好ましく、20.0g/mがより好ましく、25.0g/mがさらに好ましい。上記坪量が15.0g/m未満であると、必要とされる強度が得られないおそれがある。一方、上記坪量の上限としては、50.0g/mが好ましく、45.0g/mがより好ましく、40.0g/mがさらに好ましい。上記坪量が50.0g/mを超えると、必要とされる以上に引張破断伸びが高くなるおそれがある。
(引裂強度)
当該抽出用フィルター用不織布の繊維の流れ方向のJIS-P8116(2000)に準拠した引裂強度としては、1300mN以上1600mN以下が好ましい。上記流れ方向の引裂強度が上記範囲であることにより、抽出用フィルターとして使用される場合における撹拌時の破れを抑制することができる。当該抽出用フィルター用不織布の上記流れ方向と直交する方向である横方向の引裂強度としては、1400mN以上1700mN以下が好ましい。上記横方向の引裂強度が上記範囲であることにより、抽出用フィルターとして使用される場合における撹拌時の破れを抑制することができる。
また、当該抽出用フィルター用不織布の横方向の引裂強度に対する縦方向の引裂強度に対する比率(Y/T比)の下限としては、90%が好ましく、95%がより好ましく、100%がさらに好ましい。一方、上記Y/T比の上限としては、120%が好ましく、110%がより好ましく、108%がさらに好ましい。上記Y/T比を上記範囲に調整することで、縦方向と横方向の繊維の配向比を略同配向に近づけることができる。その結果、抽出用フィルター用不織布が使用される際に様々な方向からのせん断力に対する耐力が向上して、使用時の撹拌による破れを抑制することができる。
(引張破断伸び)
当該抽出用フィルター用不織布の上記流れ方向の引張破断伸びの下限としては、10%が好ましく、13%がより好ましく、15%がさらに好ましい。一方、上記流れ方向の引張破断伸びの上限としては、30%が好ましく、25%がより好ましく、20%がさらに好ましい。上記流れ方向の引張破断伸びを上記範囲内とすることで、抽出用フィルター用不織布が使用される際に様々な方向からのせん断力に対する破断耐性を向上できる。
当該抽出用フィルター用不織布の上記横方向の引張破断伸びの下限としては、20%が好ましく、22%がより好ましく、24%がさらに好ましい。一方、上記横方向の引張破断伸びの上限としては、40%が好ましく、35%がより好ましく、30%がさらに好ましい。上記横方向の引張破断伸びを上記範囲内とすることで、上記流れ方向の引張破断伸びと同様、抽出用フィルター用不織布が使用される際に様々な方向からのせん断力に対する破断耐性を向上できる。
(密度)
当該抽出用フィルター用不織布の密度の下限としては、0.20g/cmが好ましく、0.22g/cmがより好ましく、0.25g/cmがさらに好ましい。上記密度が0.20g/cm未満であると、必要とされる引裂強度が得られないおそれがある。一方、上記密度の上限としては、0.50g/cmが好ましく、0.45g/cmがより好ましく、0.40g/cmがさらに好ましい。上記密度が0.50g/cmを超えると、必要とされる以上に引張破断伸びが高くなるおそれがある。上記密度は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して測定される。上記密度は、例えば延伸ポリエステル系繊維、未延伸ポリエステル系繊維及びポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度、平均繊維長、含有量により調整することができ、カレンダー工程での圧力設定でも調整することができる。また、これらを併用して調整することも可能である。
(紙厚の標準偏差)
当該抽出用フィルター用不織布の紙厚の標準偏差(以下、標準偏差ともいう)の下限としては、2.00が好ましく、2.50がより好ましく、3.00がさらに好ましい。上記標準偏差が、2.00未満であると、必要とされる抽出性が得られない。
一方、上記標準偏差の上限としては、6.10が好ましく、6.00がより好ましく、5.90がさらに好ましい。上記標準偏差が6.10を超えると、必要とされる抽出性が得られない。上記標準偏差は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して、10点の測定から計算される。上記標準偏差は、例えば延伸ポリエステル系繊維、未延伸ポリエステル系繊維及びポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度、平均繊維長、含有量により調整することができ、カレンダー工程での圧力設定でも調整することができる。また、これらを併用して調整することも可能である。
(透気抵抗度)
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-P8117(2009)に準拠した透気抵抗度の下限としては、0.30秒が好ましく、0.40秒がより好ましく、0.50秒がさらに好ましい。上記透気抵抗度が0.30秒未満であると、抽出用フィルター用不織布の目詰まりがあることとなり、必要な被抽出物の成分が抽出するのに時間がかかり実用上に問題が生じるおそれがある。一方、上記透気抵抗度の上限としては、0.80秒が好ましく、0.78秒がより好ましく、0.75秒がさらに好ましい。上記透気抵抗度が、0.80秒を超えると抽出用フィルター用不織布の目詰まりが少なくなり、必要な被抽出物の成分が抽出できないおそれがある。
(突き刺し強度)
当該抽出用フィルター用不織布のJIS-Z1707(1997)に準拠した突き刺し強度(直径7mm、先端形状径7mmのガラス製の針棒が貫通するまでの最大応力)の下限としては、6.0N以上が好ましく、6.5N以上がより好ましく、7.0N以上がさらに好ましい。上記突き刺し強度が6.0N未満であると、抽出用フィルターとして使用される場合、内容物の煮汁等を抽出するために撹拌した場合、抽出用フィルターの強度が弱く破れが生じて使用できないおそれがある。一方、突き刺し強度の上限はとしては、15.0N以下が好ましく、14.0N以下がより好ましく、13.0N以下がさらに好ましい。上記突き刺し強度の上限が15.0Nを超えると、抽出用フィルターとして使用された場合、強度が高くなる反面、引張破断伸び(縦・横)が低下して、微小な欠穴から破断するおそれがある。
(ヒートシール強度)
JIS-Z0238(1998)に準拠して160℃、圧力1.0kg/cm、2秒の条件下で測定された当該抽出用フィルター用不織布のヒートシール強度の下限としては、250N/mが好ましく、300N/mがより好ましい。上記ヒートシール強度が250N/m未満の場合、ヒートシール強度が十分でないために、製袋加工時した際に製袋不良となるおそれがある。一方、ヒートシール強度の上限としては、例えば1000N/mとすることができる。上記ヒートシール強度が250N/m未満の場合、必要とされるヒートシール性を得ることができず、抽出用フィルターとしての使用に適さないおそれがある。
当該抽出用フィルター用不織布によれば、優れた強度、ヒートシール性及び抽出性を備えることができる。従って、特に高い強度及びヒートシール性が望まれる業務用の出汁、煮汁等の調味液成分の抽出を行う抽出用フィルターにも好適に用いることができる。
<抽出用フィルター用不織布の製造方法>
当該抽出用フィルター用不織布の製造方法は、湿式抄紙する工程と上記湿式抄紙工程後に形成される繊維シートをカレンダー加工する工程とを備える。
(抄紙工程)
当該工程では、繊度が1.5dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が7mm以上20mm以下である延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.0dtex以上2.0dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下である未延伸ポリエステル系繊維と、繊度が1.1dtex以上2.5dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下であるポリエステル系芯鞘型複合繊維とを湿式抄紙する。また、当該抽出用フィルター用不織布における上記延伸ポリエステル系繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量が20質量%以上35質量%以下であり、上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量が15質量%以上35質量%以下である。上記湿式抄紙により両繊維を略均一に含む抽出用フィルター用不織布が得られる。また、繊維成分を湿式抄紙することで、これらの分散性を高めて当該抽出用フィルター用不織布の通気性の均一性や強度を高めることもできる。
湿式抄紙方法としては、特に限定されず、例えば製紙の際に用いられる公知の方法が挙げられる。また、1層抄きであっても、2層以上の多層抄きであってもよい。
湿式抄紙の際に使用する抄紙機としては、特に限定されず、例えば円網抄紙機、短網抄紙機、長網抄紙機、傾斜短網抄紙機等が挙げられる。
これらの中では、繊維のY/T比率の調整が容易な傾斜短網抄紙機が好ましい。
抄紙は、本発明の効果を損なわない範囲で、少量の製紙用薬剤の存在下に行うこともできる。製紙用薬剤としては、特に限定されず、例えば界面活性剤、ワックス、サイズ剤、填料、防錆剤、導電剤、消泡剤、分散剤、粘性調整剤、凝集剤、凝結剤、紙力向上成分、歩留まり向上剤、紙粉脱落防止剤、嵩高剤、増粘剤等が挙げられる。
(カレンダー加工工程)
当該工程では、上記湿式抄紙工程後に形成される繊維シートをカレンダー加工する。上記カレンダー加工により、上記抄紙工程で得られた繊維シートの繊維間の接着を増強し、抽出用フィルター用不織布に適度な強度を付与するとともにし、厚みを均一にすることができる。
カレンダー加工設備としては、特に限定されず、例えば金属ロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダー装置、金属ロールと樹脂ロールとを組み合わせたカレンダー装置、金属ロールとコットンロールとを組み合わせたカレンダー装置等が挙げられる。
カレンダー加工時の加熱温度の下限としては、特に限定されないが、通常130℃が好ましく、140℃がより好ましい。カレンダー加工時の加熱温度の上限としては、特に限定されないが、通常170℃が好ましく、160℃以下がより好ましい。上記加熱温度を上記範囲内とすることで、抽出用フィルター用不織布の厚みの均一性を向上できる。上記加熱温度が上記上限を超えると、繊維シートの溶融が進むために、通気度が低下し、平滑度が高くなりすぎるおそれがある。上記加熱温度が上記下限未満であると、抽出用フィルター用不織布の表面に凹凸が発生するおそれがある。
カレンダー加工時の線圧の上限としては、特に限定されないが、通常10kg/cmが好ましく、20kg/cmがより好ましい。カレンダー加工時の線圧の下限としては、特に限定されないが、通常100kg/cmが好ましく、60kg/cmがより好ましい。上記線圧を上記範囲内とすることで、半透膜支持体の厚みの均一性を向上できる。線圧が上記上限を超えると、抽出用フィルター用不織布の嵩高さが失われてしまうおそれがある。線圧が上記下限未満であると、抽出用フィルター用不織布の表面に凹凸が発生するおそれがある。
当該抽出用フィルター用不織布の製造方法によれば、強度、ヒートシール性及び抽出性に優れる抽出用フィルター用不織布を確実に製造することができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
下記(1)~(4)の各繊維成分から、繊維シートの原料を調製した。
(1)繊度が1.7dtex、平均繊維長が10.0mm、軟化点130℃、結晶化度20%の延伸ポリエステル系繊維を25質量%
(2)繊度が1.4dtex、平均繊維長が5.0mm、軟化点130℃、結晶化度5%の未延伸ポリエステル系繊維を25質量%
(3)繊度が1.4dtex、平均繊維長が5.0mm、芯部の融点が220℃、鞘部の融点が130℃のポリエステル系芯鞘型複合繊維を25質量%
(4)繊度が2.2dtex、平均繊維長が5.0mm、芯部の融点が160℃、鞘部の融点が140℃のリプロピレン系芯鞘型複合繊維を25質量%
(繊度)
上記各繊維成分の繊度(単位:dtex)はJIS-L1095(2010)「一般紡績糸試験方法」に準拠して測定した。
(平均繊維長(数平均繊維長))
上記各繊維の平均繊維長(単位:mm)はメッツォオートメーション製「カヤーニFiberLab繊維長測定機」を用いて数平均繊維長を測定した。
(その他の成分)
その他の成分としては、増粘剤、分散剤及び消泡剤を添加した。
始めに抄紙工程において、上記繊維シートの原料を用いて、傾斜短網抄紙機にて湿式抄紙を行い、繊維シートを製造した。次に、乾燥工程において、ドライヤーを用いて繊維シートを乾燥した。次に、カレンダー加工工程において、金属ロールと金属ロールとを組み合わせたカレンダー装置を用い、加熱温度150℃、線圧40kg/cmの条件下で繊維シートをカレンダー加工し、実施例1の抽出用フィルター用不織布を得た。
[実施例2~12及び比較例1~5]
延伸ポリエステル系繊維、未延伸ポリエステル系繊維、ポリエステル系芯鞘型複合繊維及びポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の繊度、平均繊維長及び含有量を表1に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~12及び比較例1~5の抽出用フィルター用不織布を得た。なお、以下の表1中の「-」は、該当する繊維を用いなかったことを示す。
Figure 0007238061000001
[評価]
得られた各抽出用フィルター用不織布に対して、各物性値、撹拌時における耐久性、ヒートシール強度及び抽出性について下記方法により評価した。評価結果を表2に示す。
[坪量(g/m)]
JIS-P8142(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した。
[紙厚(μm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して紙厚を測定した。また、紙厚の標準偏差は、10サンプルの紙厚の標準偏差を算出した。
[密度(g/cm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ、密度及び比容積の試験方法」に準拠して測定した。
[引裂強度(mN)及びY/T比(%)]
JIS-P8116(2000)に準拠して繊維の流れ方向及び横方向の引裂強度を測定した。測定値から上記横方向の引裂強度の上記流れ方向の引裂強度に対する比率(Y/T比)を算出した。
[引張破断伸び(%)]
JIS-P8113(2006)に準拠して測定した。
[透気抵抗度(秒)]
得られた抽出用フィルター用不織布を20枚重ねてJIS-P8117(2009)に準拠して測定した。
[突き刺し強度(N)]
得られた抽出用フィルター用不織布をJIS-P8114に準拠したショッパー型試験機に両端を固定して、直径7mmの先端部が球状の棒で突き刺して際の抽出用フィルター不織布が破断するまでに要した荷重を突き刺し強度とした。突き刺し強度の評価基準は、以下の通りとした。
突き刺し強度が7.0N以上:抽出フィルターとして使用される場合に、撹拌時に破断する可能性がなく、抽出フィルターとして適している。
突き刺し強度が7.0N未満:抽出フィルターとして使用される場合に、撹拌時に破断する可能性が高く、抽出フィルターとして適さない。
(ヒートシール強度)
得られた抽出用フィルター用不織布をJIS-Z-0238(1998)に準拠して160℃、圧力1.0kg/cm、2秒の条件下でヒートシールした。そして、得られた試料についてヒートシール強度を測定した。
(抽出性)
抽出性の評価は次の手順で行った。
(1)得られた抽出用フィルター用不織布に8.0gのコーヒー粉をつめてJIS-Z-0238(1998)に準拠して160℃、圧力1.0kg/cm、2秒の条件下でヒートシールを行う。
(2)200mlのビーカーにコーヒーバッグを入れる。
(3)ビーカーにお湯を160g注ぐ。
(4)お湯を注いでから90秒後にコーヒーバッグを5回振ってビーカー内のコーヒーをサンプリングした。
(5)上記抽出方法で抽出したサンプルのコーヒーを、JIS規格(JIS-Z9080)の官能性評価分析に従い評価者10名で評価した。コーヒーの色の濃さについての外観の官能性評価と、香り、味についての香味の官能性評価を行った。評価者は、下記の評価基準に従って各項目につき5段階評価し、評価者全員の平均を各評価項目の評価結果とした。また、前記評価項目の平均値を抽出性の評価とした。評価結果は各項目の結果の平均値が4.0以上の場合は◎、3.5以上の場合は○、3.0以上の場合は△、3.0未満の場合は×とした。平均値が3.0以上のものは、実用上使用に際して問題ないものと考えるが、3.0未満のものについては、実用上不可であると考えられる。
Figure 0007238061000002
上記表2に示されるように、実施例1~12で作製された本発明の抽出用フィルター用不織布は、突き刺し強度、ヒートシール性及び抽出性に優れることが示された。
一方、比較例1~5は、突き刺し強度、ヒートシール強度及び抽出性のいずれか劣っていることが示された。特に、延伸ポリエステル系繊維を含まない比較例1、ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維を含まない比較例3、ポリエステル系芯鞘型複合繊維を含まない比較例4及びポリエステル系芯鞘型複合繊維の繊度が低い比較例5は、透気抵抗度が高く、抽出性が非常に劣っていた。また、未延伸ポリエステル系繊維を含まない比較例2は、ヒートシール性及び突き刺し強度が劣っていた。
本発明の抽出用フィルター用不織布は、優れた強度、ヒートシール性及び抽出性を備える。従って、特に高い強度及びヒートシール性が望まれる業務用の出汁、煮汁等の調味液成分の抽出を行う抽出用フィルターにも好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 延伸ポリエステル系繊維と、
    未延伸ポリエステル系繊維と、
    ポリエステル系芯鞘型複合繊維と、
    ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維と
    を含有し、
    JIS-P8124(2011)に準拠した坪量が15.0g/m以上40.0g/m未満であり、
    上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の含有量が20質量%以上30質量%以下であり、
    上記延伸ポリエステル系繊維の含有量が15質量%以上30質量%以下であり、
    上記未延伸ポリエステル系繊維の含有量が20質量%以上35質量%以下であり、
    上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維の含有量が15質量%以上35質量%以下であり、
    上記延伸ポリエステル系繊維における繊度が1.5dtex以上2.0dtex以下、平均繊維長が7mm以上20mm以下であり、
    上記未延伸ポリエステル系繊維における繊度が1.0dtex以上2.0dtex以下、平均繊維長が3mm以上10mm以下であり、
    上記ポリエステル系芯鞘型複合繊維における繊度が1.1dtex以上2.5dtex以下、平均繊維長が3mm以上10mm以下である抽出用フィルター用不織布。
  2. 上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維における繊度が1.5dtex以上2.5dtex以下であり、平均繊維長が3mm以上10mm以下であり、
    上記ポリプロピレン系芯鞘型複合繊維の含有量が25質量%である請求項1に記載の抽出用フィルター用不織布。
  3. JIS-P8118(2014)に準拠した10点の測定から計算される紙厚の標準偏差が2.00以上6.10以下である請求項1又は請求項2に記載の抽出用フィルター用不織布。
  4. JIS-Z1707(1997)に準拠した突き刺し強度が6.0N以上15.0N以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の抽出用フィルター用不織布。
  5. JIS-Z0238(1998)に準拠して160℃、圧力1.0kg/cm2、2秒の条件下で測定されたヒートシール強度が、250N/m以上1000N/m以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の抽出用フィルター用不織布。
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