JP7236935B2 - 汗腺の識別方法、および汗腺の識別キット - Google Patents

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本発明は、汗腺の識別方法、および汗腺の識別キットに関する。
ヒトなどの哺乳類は、機能の異なる2種類の汗腺、つまり、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを有する。アポクリン汗腺とエクリン汗腺とは、いずれも汗を分泌する腺であるが、その役割、存在部位、および大きさなどが相違することが知られている(非特許文献1~4)。
本発明者らは、これまでに汗腺の動態を観察する方法を開発し、当該方法について報告している(特許文献1)。なお、特許文献1に記載の方法は、汗腺の発汗作用を解析するためには有用であるが、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別するための技術ではない。
特許6276487号
「新化粧品学」、南山堂、2001年、p.18-19 William R. Kennedy et al., "Innervation and vasculature of human sweat glands: An immunohistochemistry-laser scanning confocal fluorescence microscopy study" Journal of Neuroscience, November 1994, 14(11), 6825-6833 Henry Bunting et al., "The chemical histology of human eccrine and Apocrine sweat glands" Anatomical Record, Jan 1948, 100(1), 61-77 Ryuichiro Kurata et al., "Three-dimensional cell shapes and arrangements in human sweat glands as revealed by whole-mount immunostaining" PLoS ONE, June 21, 2017
従来技術では、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することが難しく、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する方法の開発が重要であると本発明者らは考えた。特に、かかる識別方法が開発できれば、汗腺腫瘍の症状が確認される場合において、当該汗腺腫瘍がアポクリン汗腺の腫瘍であるのか、エクリン汗腺の腫瘍であるのかを判断できる点でも有用である。
本発明の一実施形態は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する新たな方法およびその利用技術を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とにおいて、(i)神経線維および血管の配向性、(ii)脂質の有無、について相違するという新規知見を見出し、本発明を完成させるに至った。従来、汗腺を観察する場合には、皮膚組織を切片化して当該切片に含まれる汗腺を二次元的に観察していた。今回、初めて、ホールマウント法にて、汗腺を三次元的に観察することにより、上述した新規知見を見出すことに成功した。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る汗腺の識別方法は、下記(A)~(C)からなる群より選択されるいずれか1つを指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する工程を含む:(A)汗腺における神経線維の配向性、(B)汗腺における血管の配向性、(C)汗腺における脂質の有無。
本発明の一態様に係る汗腺の識別方法では、上記(A)は、抗神経線維抗体を用いた免疫染色像に基づき観察されるものであってもよい。
本発明の一態様に係る汗腺の識別方法では、上記(B)は、抗血管抗体を用いた免疫染色像に基づき観察されるものであってもよい。
本発明の一態様に係る汗腺の識別方法では、上記(C)は、脂質染色剤を用いた脂質染色像に基づき観察されるものであってもよい。
本発明の一態様に係る汗腺の識別方法では、上記(A)~(C)は、ホールマウント法にて観察されるものであってもよい。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る汗腺の識別キットは、本発明の一態様に係る汗腺の識別方法を実施するための汗腺の識別キットであって、抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤からなる群より選択されるいずれか1つを備える。
本発明の一態様によれば、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
(a)~(f)は、本発明の実施例における、神経、血管および脂質の染色像である。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態及び実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態及び実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。本明細書中、数値範囲に関して「A~B」と記載した場合、当該記載は「A以上B以下」を意図する。
〔1.汗腺の識別方法〕
本実施の形態の汗腺の識別方法は、(A)汗腺における神経線維の配向性、(B)汗腺における血管の配向性、および(C)汗腺における脂質の有無、からなる群より選択されるいずれか1つを指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する工程を含む。本実施の形態の汗腺の識別方法は、(A)汗腺における神経線維の配向性、(B)汗腺における血管の配向性、および(C)汗腺における脂質の有無、からなる群より選択されるいずれか1つの指標を検出する工程を含んでいてもよい。当該構成であれば、精度高くアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
本実施の形態の汗腺の識別方法は、(A)~(C)からなる群より選択される2つ以上(例えば、(A)および(B);(A)および(C);(B)および(C);または;(A)、(B)および(C))を指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する工程を含んでいてもよい。本実施の形態の汗腺の識別方法は、(A)~(C)からなる群より選択される2つ以上(例えば、(A)および(B);(A)および(C);(B)および(C);または;(A)、(B)および(C))の指標を検出する工程を含んでいてもよい。当該構成であれば、複数の指標を組み合わせることによって、より精度高くアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
上記汗腺としては、特に限定されず、例えば、ヒトの汗腺、非ヒト哺乳類の汗腺、ヒトから採取した汗腺(例えば、ヒトから採取した皮膚組織に含まれる汗腺)、および、非ヒト哺乳類から採取した汗腺(例えば、非ヒト哺乳類から採取した皮膚組織に含まれる汗腺)を挙げることができる。非ヒト哺乳類としては、アポクリン汗腺、エクリン汗腺、または、これら汗腺の類似構造体を有する非ヒト哺乳類を挙げることができる。非ヒト哺乳類としては、例えば、霊長類、実験動物、愛玩動物、及び家畜を挙げることができ、より具体的に、サル、チンパンジー、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、及びウマを挙げることができる。
本実施の形態の汗腺の識別方法では、(A)汗腺における神経線維の配向性、(B)汗腺における血管の配向性、または(C)汗腺における脂質の有無、を指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する。以下に、各指標、および、汗腺の識別基準について、説明する。
<A.汗腺における神経線維の配向性>
本明細書において「汗腺における神経線維の配向性」とは、汗腺周辺の三次元の空間内における神経線維の局在状態を意図する。
汗腺における神経線維の配向性の観察方法は、特に限定されない。汗腺における神経線維の配向性は、例えば、抗神経線維抗体を用いた免疫染色像に基づいて観察され得る。なお、本明細書において「抗神経線維抗体」とは、神経線維(例えば、神経線維を構成する細胞、または、神経線維を構成する細胞以外の構造体)に結合し得る抗体を意図し、エピトープは限定されない。
被験検体(例えば、汗腺を含む皮膚組織)と、抗神経線維抗体とを接触させて、抗神経線維抗体を被験検体に含まれる神経線維に結合させ、当該抗神経線維抗体に結合した標識物質を顕微鏡(例えば、蛍光顕微鏡、または共焦点レーザー顕微鏡)によって検出することによって、免疫染色像を得ることができる。そして、当該免疫染色像に基づいて、汗腺周辺の三次元空間内における神経線維の局在状態を解析することによって、当該汗腺がアポクリン汗腺またはエクリン汗腺の何れであるか、識別することができる。
本実施の形態の汗腺の識別方法では、汗腺周辺の神経線維の配向性をより精密に解析するという観点から、汗腺周辺の神経線維の配向性を三次元的に解析することが好ましい。それ故に、汗腺における神経線維の配向性は、ホールマウント法にて観察されることが好ましい。なお、本明細書において「ホールマウント法」とは、試料(切片)の表面を二次元的に観察する観察方法(例えば、免疫組織化学染色法)ではなく、試料(小片)の表面および内部を三次元的に観察する観察方法(例えば、免疫組織化学染色法)を意図する。
ホールマウント法にて観察される試料の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。ホールマウント法にて観察される試料は、溶解性が高い有機溶媒などを用いることなく、マイルドな条件下にて作製され得る。このような試料では、神経線維および血管が失われること、並びに、神経線維および血管の配置が変化することが、ほぼない。また、このような試料では、汗腺内の脂質が有機溶媒に溶解して失われることが、ほぼない。それ故に、ホールマウント法にて汗腺を観察すれば、汗腺における神経線維の配向性、汗腺における血管の配向性、および、汗腺における脂質の有無、に関するより正確な情報を得ることができる。
上記抗神経線維抗体は、神経線維を識別可能に染色できるものであればよく、そのエピトープは限定されない。抗神経線維抗体は、例えば、神経線維のマーカーとして機能し得る物質を認識する抗体であり得る。神経線維のマーカーとして機能し得る物質としては、例えば、PGP9.5(Protein Gene Product 9.5)、VIP(Vasoactive Intestinal Peptide)、TH(Tyrosine Hydroxylase)、およびDBH(Dopamine Beta Hydroxylase)を挙げることができる。
上記抗神経線維抗体としては、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれら抗体の断片(例えば、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、及び単鎖抗体)を挙げることができる。これらの抗神経線維抗体としては、市販の抗体を用いることも可能であるし、公知の方法にて作製された抗体を用いることも可能である。
モノクローナル抗体は、例えば、抗神経線維抗体を生産するハイブリドーマを所望の培地中にて培養して培養上清を得、必要に応じて当該培養上清を精製することによって得ることができる。ハイブリドーマは、神経線維のマーカーとして機能し得る物質を動物(例えば、マウス、ラット)の静脈内、皮下、又は腹腔内に投与した後、当該動物から抗体産生細胞を得、当該抗体産生細胞とミエローマ細胞とを細胞融合させることによって得ることができる。
ポリクローナル抗体は、例えば、神経線維のマーカーとして機能し得る物質を動物(例えば、ウサギ)の静脈内、皮下、又は腹腔内に投与した後、当該動物から血清を得、必要に応じて当該血清を精製することによって得ることができる。
Fabフラグメントは、例えば、抗神経線維抗体(例えば、モノクローナル抗体)をパパインによって消化し、必要に応じて当該消化産物を精製することによって得ることができる。
F(ab’)フラグメントは、例えば、抗神経線維抗体(例えば、モノクローナル抗体)をペプシンによって消化し、必要に応じて当該消化産物を精製することによって得ることができる。
単鎖抗体は、例えば、抗神経線維抗体(例えば、モノクローナル抗体)の軽鎖の可変領域をコードする核酸と、リンカーをコードする核酸と、当該抗神経線維抗体の重鎖の可変領域をコードする核酸とを連結させた核酸構築物を含有するファージミドベクターを宿主細胞に導入し、当該宿主細胞内にて核酸構築物にコードされるポリペプチドを発現させ、必要に応じて当該ポリペプチドを精製することによって得ることができる。
上記標識物質は、蛍光、または色などの検出可能なシグナルを生成できる物質(例えば、蛍光色素、酵素)であればよい。なお、当該標識物質は、抗神経線維抗体と直接結合していてもよいし、抗神経線維抗体に結合し得る二次抗体と直接結合していてもよい。
上記標識物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート;2-(3-イミニオ-4,5-ジスルホナト-6-アミノ-3H-キサンテン-9-イル)-5-[[5-(2,5-ジオキソ-3-ピロリン-1-イル)ペンチル]カルバモイル]安息香酸(例えば、Invitrogen社製のAlexa Fluor 488);6-(2-カルボキシラト-4-カルボキシフェニル)-1,2,10,11-テトラヒドロ-1,2,2,10,10,11-ヘキサメチル-4,8-ビス-(スルホメチル)-1,11-ジアザ-13-オキソニアペンタセン(例えば、Invitrogen社製のAlexa Fluor 594);ペルオキシダーゼ;アルカリホスファターゼを挙げることができる。勿論、本発明は、これらの標識物質に限定されない。
<B.汗腺における血管の配向性>
本明細書において「汗腺における血管の配向性」とは、汗腺周辺の三次元の空間内における、血管の局在状態を意図する。
汗腺における血管の配向性の観察方法は、特に限定されない。汗腺における血管の配向性は、例えば、抗血管抗体を用いた免疫染色像に基づいて観察され得る。なお、本明細書において「抗血管抗体」とは、血管(例えば、血管を構成する細胞、または、血管を構成する細胞以外の構造体)に結合し得る抗体を意図し、エピトープは限定されない。
被験検体(例えば、汗腺を含む皮膚組織)と、抗血管抗体とを接触させて、抗血管抗体を被験検体に含まれる血管に結合させ、当該抗血管抗体に結合した標識物質を顕微鏡(例えば、蛍光顕微鏡、または共焦点レーザー顕微鏡)によって検出することによって、免疫染色像を得ることができる。そして、当該免疫染色像に基づいて、汗腺周辺の三次元空間内における血管の局在状態を解析することによって、当該汗腺がアポクリン汗腺またはエクリン汗腺の何れであるか、識別することができる。
本実施の形態の汗腺の識別方法では、汗腺周辺の血管の配向性をより精密に解析するという観点から、汗腺周辺の血管の配向性を三次元的に解析することが好ましい。それ故に、汗腺における血管の配向性は、ホールマウント法にて観察されることが好ましい。ホールマウント法にて観察される試料の調製方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
上記抗血管抗体は、血管を識別可能に染色できるものであればよく、そのエピトープは限定されない。抗血管抗体は、例えば、血管のマーカーとして機能し得る物質を認識する抗体であり得る。血管のマーカーとして機能し得る物質としては、例えば、CD31、CD34、ICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)、Tie1(Tyrosine kinase with immunoglobulin-like and EGF-like domains 1)、パールカン(perlecan)、および血管内皮カドヘリン(VE-cadherin)を挙げることができる。
上記抗血管抗体としては、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれら抗体の断片(例えば、Fabフラグメント、F(ab’)フラグメント、及び単鎖抗体)を挙げることができる。これらの抗神経線維抗体としては、市販の抗体を用いることも可能であるし、公知の方法にて作製された抗体を用いることも可能である。
モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、及びこれら抗体の断片は、用いる抗原を「神経線維のマーカーとして機能し得る物質」から「血管のマーカーとして機能し得る物質」に変更した上で、上述した<A.汗腺における神経線維の配向性>の欄にて説明した方法にしたがって作製することができる。当該方法については既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
上記標識物質は、蛍光、又は色などの検出可能なシグナルを生成できる物質(例えば、蛍光色素、酵素)であればよい。なお、当該標識物質は、抗血管抗体と直接結合していてもよいし、抗血管抗体に結合し得る二次抗体と直接結合していてもよい。当該標識物質の具体例については、上述した<A.汗腺における神経線維の配向性>の欄にて説明したので、ここでは、その説明を省略する。
<C.汗腺における脂質の有無>
本明細書において「汗腺における脂質の有無」とは、汗腺内の空間の少なくとも一部を占めるように存在する脂質の有無を意図する。また、「汗腺内の空間」とは、導管および分泌腺の管腔内および汗腺細胞内の空間を意図する。汗腺内に脂質が有る場合、脂質によって占められる汗腺内の空間の大きさは、特に限定されず、汗腺内の全空間を100%としたときに、例えば、1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または98%以上であってもよい。脂質によって占められる汗腺内の空間の最大値は、特に限定されず、例えば100%であり得る。
本明細書で対象とする「脂質」は汗腺内に存在する任意の脂質であればよく、特に限定されない。例えば、中性脂肪(トリグリセライド)、脂肪酸エステル、コレステロールエステル等の極性の低い脂質、コレステロール、脂肪酸等の少し極性を有する脂質、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。
汗腺における脂質の有無の観察方法は、特に限定されない。汗腺における脂質の有無は、例えば、脂質染色剤を用いた脂質染色像に基づいて観察され得る。なお、本明細書において「脂質染色剤」とは、脂質を染色し得る物質を意図する。染色対象となる脂質としては、特に限定されず、例えば皮脂に含まれる脂質を挙げることができる。
例えば、被験検体(例えば、汗腺を含む皮膚組織)と、脂質染色剤とを接触させて、脂質染色剤を汗腺内に存在する脂質に結合、または、脂質染色剤を汗腺内に存在する脂質と共存させる。脂質に結合して発色している脂質染色剤、または、脂質と共存して発色している脂質染色剤を顕微鏡(例えば、蛍光顕微鏡、または共焦点レーザー顕微鏡)によって検出することによって、脂質染色像を得ることができる。そして、当該脂質染色像に基づいて、汗腺内の脂質の有無を解析することによって、当該汗腺がアポクリン汗腺またはエクリン汗腺の何れであるか、識別することができる。
本実施の形態の汗腺の識別方法では、汗腺内に存在する脂質を失うこと無く、汗腺内に存在する脂質を三次元的に解析することが好ましい。それ故に、汗腺における脂質の有無は、ホールマウント法にて観察されることが好ましい。
上記脂質染色剤は、汗腺内に存在する脂質を染色できるものであればよく、その構成は限定されない。脂質染色剤は、例えば、ナイルレッド、オイルレッド、LipiDye(フナコシ社製)、Lipi シリーズ(同仁化学研究所製)、またはBODIPY(boron-dipyrromethene)であり得る。
ナイルレッドなどは、中性脂肪に対する親和性が高い脂質染色剤である。本実施の形態の汗腺の識別方法では、汗腺における中性脂肪の有無を指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することが好ましい。
<D.汗腺の識別基準>
本実施の形態の汗腺の識別方法では、(A)汗腺における神経線維の配向性、(B)汗腺における血管の配向性、および(C)汗腺における脂質の有無、からなる群より選択されるいずれか1つを指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する。
例えば、本実施の形態の汗腺の識別方法では、下記の表1に記載の識別基準にしたがって、汗腺における神経線維の配向性、汗腺における血管の配向性、または、汗腺における脂質の有無を判定し、当該判定結果に基づいて、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
Figure 0007236935000001
エクリン汗腺における神経線維の配向性に関して、1つのユニットを構成する神経線維の数は、特に限定されず、例えば、2本以上、3本以上、4本以上、5本以上、6本以上、7本以上、8本以上、9本以上、10本以上、15本以上、または20本以上であってもよい。1つのユニットを構成する神経線維の数の上限値は、特に限定されず、例えば、100本、50本、40本、30本、または20本であってもよい。
1つのユニットを構成する複数の神経線維の相対的な配置は、特に限定されず、例えば、当該ユニット中の少なくとも一部の領域にて、複数の神経線維が平行に配置されていてもよい。
アポクリン汗腺における神経線維の配向性に関して、個々の神経線維の相対的な配置は、特に限定されず、例えば、網目状に配置されていてもよく、ランダムに配置されていてもよい。
エクリン汗腺における血管の配向性に関して、塊状の構造体の周り(換言すれば、塊状の構造体の表面)に配置されている血管の数は、特に限定されない。
アポクリン汗腺における血管の配向性に関して、分泌腺の周りを取り巻く血管の数は、特に限定されない。血管は、分泌腺の周りを密に取り巻いていてもよい。
エクリン汗腺およびアポクリン汗腺における脂質の有無に関して、汗腺内の全空間を100%としたときに、脂質によって占められる汗腺内の空間の大きさが、例えば、1%以上、5%以上、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、または98%以上である場合に、汗腺中に脂質が有ると判定することができる。
なお、非特許文献2および4には、エクリン汗腺における神経および血管に関して記載されているように見受けられるが、エクリン汗腺とアポクリン汗腺とにおいて、神経および血管の配向性を比較し、その相違点を見出したという報告はない。非特許文献3には、アポクリン汗腺とエクリン汗腺との両方の管腔中に脂質が観察される結果が示されている。しかしながら、非特許文献3では、パラフィン切片化された皮膚組織を溶剤処理した後に蛍光観察しており、脂質由来の蛍光ではなく、皮膚組織由来の自家蛍光が観察されたもの、と推測される。
〔2.汗腺の識別キット〕
本実施の形態の汗腺の識別キットは、上述した汗腺の識別方法を実施するための汗腺の識別キットであって、抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤からなる群より選択されるいずれか1つを備えている。当該構成であれば、精度高くアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
本実施の形態の汗腺の識別キットは、上述した汗腺の識別方法を実施するための汗腺の識別キットであって、抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤からなる群より選択される2つ以上(例えば、抗神経線維抗体および抗血管抗体;抗神経線維抗体および脂質染色剤;抗血管抗体および脂質染色剤;または;抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤)を備えていてもよい。当該構成であれば、複数の指標を組み合わせることによって、より精度高くアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別することができる。
抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤については、上述した〔1.汗腺の識別方法〕の欄にて既に説明したので、ここでは、その説明を省略する。
本実施の形態の汗腺の識別キットは、ホールマウント法に用いる観察用試料を作製するための試薬(例えば、固定処理用溶液、洗浄処理用溶液、ブロッキング処理用溶液、および/または、透過処理用溶液)等を備えていてもよい。
<1.神経および血管の染色(ホールマウント法)>
ヒトの皮膚組織から、アポクリン汗腺を含む組織片と、エクリン汗腺を含む組織片とを切り出し、これらの組織片を、PBS(phosphate-buffered saline)中に回収した。
回収した組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、4%のパラホルムアルデヒドを含むPBS中に浸し、当該組織片を固定化した。
固定化した組織片を、0.5%のTriton X-100(登録商標)を含むPBS(以下では、PBSTとも呼ぶ)を用いて、15分間洗浄した。当該洗浄を、3回繰り返し行った。
洗浄した組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、5%のBSA(bovine serum albumin)を含むPBST(以下では、ブロッキング溶液とも呼ぶ)に浸し、当該組織片に対して、ブロッキング処理および透過処理を行った。
処理後の組織片を、神経特異的マーカーであるPGP9.5を認識する一次抗体、または、血管特異的マーカーであるCD31を認識する一次抗体を用いて染色した。
具体的に、処理後の組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、anti-PGP9.5抗体(商品名、アブカム社製)、または、anti-CD31抗体(商品名、アブカム社製)を含むブロッキング溶液に浸した。
その後、組織片を、PBSTを用いて15分間洗浄した。当該洗浄を、3回繰り返し行った。
洗浄した組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、各々の一次抗体を認識する標識化された二次抗体と、汗腺の骨格を形成するアクチンを染色するためのActi-stain 488(登録商標)と、細胞核を染色するためのHoechst 33342(登録商標)と、を含むPBSTに浸した。
その後、組織片を、PBSを用いて15分間洗浄した。当該洗浄を、3回繰り返し行った。
洗浄後の組織片をガラスカバー上にマウントし、当該組織片を、共焦点顕微鏡(FV1200 confocal laser-scanning microscope:Olympus,Japan)にて観察した。
試験結果を、図1(a)~図1(d)に示す。具体的に、図1(a)は、エクリン汗腺における神経の染色像を示し、図1(b)は、アポクリン汗腺における神経の染色像を示し、図1(c)は、エクリン汗腺における血管の染色像を示し、図1(d)は、アポクリン汗腺における血管の染色像を示す。
汗腺は、1本の分泌腺によって形成されており、その根元では、当該分泌腺がコイル状に巻いた塊状の構造体が形成されている。
図1(a)から明らかなように、エクリン汗腺では、複数本の神経線維が1つのユニット(神経線維の束)を形成し、当該ユニットが、分泌腺の周りを取り巻くように配置されていた。一方、図1(b)から明らかなように、アポクリン汗腺では、神経線維はユニットを形成することなく、個々の神経線維が、網目状に分泌腺の周りに配置されていた。
図1(c)から明らかなように、エクリン汗腺では、塊状の構造体(換言すれば、汗腺全体)の周りに、血管が配置されていた。なお、図中、矢印は分泌腺を示し、三角印は導管を示す。一方、図1(d)から明らかなように、アポクリン汗腺では、分泌腺の周りを取り巻くように、血管が密に配置されていた。
本試験から、汗腺における神経線維の配向性、および/または、汗腺における血管の配向性に基づいてアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別できることが明らかになった。
<2.脂質の染色(ホールマウント法)>
ヒトの皮膚組織から、アポクリン汗腺を含む組織片と、エクリン汗腺を含む組織片とを切り出し、これらの組織片を、PBS(phosphate-buffered saline)中に回収した。
回収した組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、4%のパラホルムアルデヒドを含むPBS中に浸し、当該組織片を固定化した。
固定化した組織片を、0.5%のTriton X-100(登録商標)を含むPBS(以下では、PBSTとも呼ぶ)を用いて、15分間洗浄した。当該洗浄を、3回繰り返し行った。
洗浄した組織片を、4℃の条件下にて一昼夜、5%のBSA(bovine serum albumin)を含むPBSTに浸し、当該組織片に対して、ブロッキング処理および透過処理を行った。
処理後の組織片を、遮光した状態にて、室温の条件下にて30分間、脂質(換言すれば、皮脂)を染色するためのNile Red(和光純薬製)と、汗腺の骨格を形成するアクチンを染色するためのPhalloidin 647(登録商標)と、細胞核を染色するためのHoechst 33342(登録商標)と、を含む溶液に浸した。
その後、組織片を、PBSを用いて15分間洗浄した。当該洗浄を、3回繰り返し行った。
洗浄後の組織片をガラスカバー上にマウントし、当該組織片を、共焦点顕微鏡(FV1200 confocal laser-scanning microscope:Olympus,Japan)にて観察した。
試験結果を、図1(e)~図1(f)に示す。具体的に、図1(e)は、エクリン汗腺における脂質の染色像を示し、図1(f)は、アポクリン汗腺における脂質の染色像を示す。
図1(e)から明らかなように、エクリン汗腺では、汗腺中に脂質が観察されなかった。一方、図1(f)から明らかなように、アポクリン汗腺では、汗腺中に脂質が観察された。
本試験から、汗腺における脂質の有無に基づいてアポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別できることが明らかになった。
本発明は、化粧品分野、および医療分野などに、広く利用することができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)~(C)からなる群より選択されるいずれか1つを指標として、アポクリン汗腺とエクリン汗腺とを識別する工程を含む、汗腺の識別方法:
    (A)汗腺における神経線維の配向性
    (B)汗腺における血管の配向性
    (C)汗腺における脂質の有無。
  2. 上記(A)は、抗神経線維抗体を用いた免疫染色像に基づき観察されるものである、請求項1に記載の汗腺の識別方法。
  3. 上記(B)は、抗血管抗体を用いた免疫染色像に基づき観察されるものである、請求項1または2に記載の汗腺の識別方法。
  4. 上記(C)は、脂質染色剤を用いた脂質染色像に基づき観察されるものである、請求項1~3のいずれか1項に記載の汗腺の識別方法。
  5. 上記(A)~(C)は、ホールマウント法にて観察されるものである、請求項1~4のいずれか1項に記載の汗腺の識別方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の汗腺の識別方法を実施するための汗腺の識別キットであって、
    抗神経線維抗体、抗血管抗体および脂質染色剤からなる群より選択されるいずれか1つを備える、汗腺の識別キット。
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