以下、本発明を適用した印字機構を備える包装装置の実施の形態を、図1~図8を参照し、詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印字機構を備える包装装置の全体構成例を示す概略図である。図2は、被包装物の投入部および包装部の構成例を示す拡大図である。図3は、包装材料のシーラーおよびカッターを示す図である。図4は、第1包装材料を示し、図5は、第2包装材料を示す図である。図6は、第1包装材料と第2包装材料とのシール工程および切断工程を説明するための図である。図7は、印字機構(印字部)の構成例を示す拡大図である。図8は、感熱記録紙に印字された情報を剥離する様子を示す図である。なお、これらの図は模式図であって、必ずしも大きさを正確な比率で記したものではない。たとえば、図1~図8における包装材料の縦の長さおよび横の長さの比は現実の包装材料における比率に対応している訳ではない。
第1の実施形態に係る包装装置100は、図1に示すように、主として、使用者により被包装物10が投入される投入部20と、被包装物10が包装される包装部30と、包装物11に所定の印字情報を印字する印字部40と、印字後の包装物11が排出される排出部50とを備えている。なお、第1の実施形態では、説明の便宜上、被包装物10(包装物11)の移送方向に対して、投入部20側を上流または上流側といい、排出部50側を下流または下流側ということがある。
(投入部20)
投入部20は、図2に示すように、使用者により投入された被包装物10を包装部30に移送する一対のコンベア21と、各コンベア21の外側に設けられた一対の側板22と、一対の側板22の上側に設けられた天板23と、コンベア21の上流端近傍に設置されたセンサー24と、コンベア21の下流端近傍に設置されたセンサー25とを備えている。
センサー24は、コンベア21上に被包装物10が載置された否かを検知するものである。コンベア21上に被包装物10が載置されたことがセンサー24により検知された際に、コンベア21の駆動を開始するスタートスイッチ(図示せず)の操作が可能となる。
一対のコンベア21は、使用者によりスタートスイッチ(図示せず)が押下されることによって駆動が開始され、被包装物10が包装部30に向かって移送される。一対の側板22は、ステンレスなどの金属からなり、被包装物10がコンベア21から外方へはみ出すことを規制するガードとしての機能を有する。また、一対の側板22は、天板23を下方から支持する支持具としての役割を有している。天板23は、透明の樹脂板(アクリル板)などからなり、投入部20の上方から被包装物10の視認が可能となっている。
センサー25は、被包装物10がコンベア21の下流端近傍まで移送されたか否かを検知するものである。被包装物10がセンサー25上に移送され、被包装物10がコンベア21の下流端近傍まで移送されたことがセンサー25により検知された際に、被包装物10が第1包装材料31と第2包装材料32との間に挟まれた状態で包装部30側に移送される。
(包装部30)
包装部30は、図2に示すように、被包装物10を包装するための一方のロール状の第1包装材料31を支持する軸部材300と、被包装物10を包装するための他方のロール状の第2包装材料32を支持する軸部材301と、第1包装材料31を案内するための案内ローラ33aと、第2包装材料32を案内するための案内ローラ33bと、包装物11を印字部40へ移送するためのコンベア34とを備えている。
また、包装部30は、図2および図3に示すように、第1包装材料31と第2包装材料32とを加熱溶着するための第1シーラー部35aおよび第2シーラー部35bを備えるシーラー35および一対の第3シーラー部37と、第1包装材料31および第2包装材料32を所定の位置で切断するカッター36と、第1包装材料31と第2包装材料32とを印字部40側に引っ張りながら移送する把持部材38とを備えている。
図3に示すように、シーラー35の第1シーラー部35aおよび第2シーラー部35bはそれぞれ幅方向に延びており、第1シーラー部35aおよび第2シーラー部35bのそれぞれの上部が連結されることにより、断面視逆U字形状を成している。一対の第3シーラー部37は、それぞれ、シーラー35の幅方向の両端近傍より下流側に向かって延びている。また、図2に示すように、コンベア34の周囲には、第1シーラー部35a、第2シーラー部35bおよび第3シーラー部37に対向するように、それぞれ、第1下部シーラー部351a、第2下部シーラー部351bおよび第3下部シーラー部37aが配置されている。
第1下部シーラー部351aおよび第2下部シーラー部351bは、コンベア34の上流端に配置されている。第3下部シーラー部37aは、コンベア34の外側でかつ側端に沿って配置されている。第1包装材料31と第2包装材料32とが加熱溶着される際には、第1下部シーラー部351a、第2下部シーラー部351bおよび第3下部シーラー部37aに対して、第1シーラー部35a、第2シーラー部35bおよび第3シーラー部37が下降するとともに当接して加熱されることにより溶着される。
より具体的には、図6に示すように、第1シーラー部35aは、第1下部シーラー部351aとの間で第1包装材料31および第2包装材料32を加熱溶着することにより、包装物11の上流端近傍にシール部11bを形成するものである。第2シーラー部35bは、第2下部シーラー部351bとの間で第1包装材料31および第2包装材料32を加熱溶着することにより、包装物11の下流端近傍にシール部11aを形成するものである。
図2に示すように、第3シーラー部37は、それぞれ、第3下部シーラー部37aとの間で第1包装材料31の幅方向の両端すなわち両側端31c近傍と、第2包装材料32の幅方向の両端すなわち両側端32c近傍とを加熱溶着することにより、包装物11の両側端近傍にシール部11cを形成するものである。
カッター36は、図6に示すように、シーラー35の第1シーラー部35aと第2シーラー部35bとの間に配置されており、シール部11bとシール部11aとの間を切断することにより、第1包装材料31の上流端31b(第2包装材料32の上流端32b)、および、第1包装材料31の下流端31a(第2包装材料32の下流端32a)を形成するものである。
(第1包装材料31および第2包装材料32)
第1包装材料31は、図4(a)に示すように、帯状に形成されており、クラフト紙からなる基材311と、基材311の一方の面に設けられた気泡状の緩衝材312(以下、気泡緩衝材という)とにより構成されている。第1包装材料31は、軸部材300に対して気泡緩衝材312を内側にしてロール状となっている。
第1包装材料31の気泡緩衝材312は、図4(a)および(b)に示すように、互いに溶着された表側フィルムと裏側フィルムとにより形成され、これらのフィルムはたとえばポリエチレン製などである。表側フィルムには、複数個の同形状の円形の突出部312aが等間隔に設けられている。突出部312aの中には空気が裏側フィルムで閉鎖されて閉じ込められており、その空気圧で緩衝材としての機能を実現している。
第2包装材料32は、図5(a)に示すように、帯状に形成されており、クラフト紙からなる基材322と、基材322の一方の面に粘着剤を介して積層された感熱記録層を備える感熱記録体としての感熱記録紙321と、基材322の他方の面に積層されたポリエチレンからなる平坦面状の緩衝材323(以下、平坦面緩衝材)とにより構成されている。第2包装材料32は、軸部材301に対して平坦面緩衝材323を内側にするとともに、感熱記録紙321を外側にしてロール状となっている。
第2包装材料32の感熱記録紙321は、図5(b)および(c)に示すように、基材322の全面には設けられてはおらず、基材322の中央領域(図5(b)に示す斜線部分)に帯状に設けられている。
被包装物10は、包装部30において、第1包装材料31の気泡緩衝材312と第2包装材料32の平坦面緩衝材323との間に挟まれることにより包装される。
(印字部40)
印字部40は、図7に示すように、包装物11を排出部50へ移送するための一対のコンベア41と、第2包装材料32の感熱記録紙321の表面に印字を行うCO2レーザーマーカー42と、レーザーマーカー42から照射されるレーザー光の漏洩を抑制するアクリル板などからなる遮蔽部材43と、レーザーマーカー42による印字の際に発生する発生物を集塵する集塵機44と、包装物11が印字可能な位置に移送されたか否かを検知するセンサー45とを備えている。
一対のコンベア41の下部には、レーザーマーカー42が配置されている。一対のコンベア41は、2本のレール状のコンベアからなり、平面視においてレーザーマーカー42と重ならないように配置されている。このため、印字の際には、レーザーマーカー42から照射されるレーザー光が2本のコンベア41の間を通って、包装物11のコンベア41側に設けられた感熱記録紙321に所定の情報(図7に示す「OSP」の文字)が印字される。
コンベア41は、第1包装材料31の下流端31a(第2包装材料32の下流端32a)がセンサー45上を通過した際に駆動を開始する。これにより、包装物11がレーザーマーカー42上に移送される。また、コンベア41は、第1包装材料31の上流端31b(第2包装材料32の上流端32b)がセンサー45上を通過した際に駆動を停止する。その後、レーザーマーカー42により、包装物11の感熱記録紙321への印字が開始される。
排出部50に排出された包装物11の感熱記録紙321には、図8(a)に示すように、剥離部321aが形成されている。この剥離部321aは、レーザーマーカー42が印字が行われた領域(図8に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して、感熱記録紙321を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離することが可能となっている。このとき、レーザーマーカー42は、感熱記録紙321のみを切断することが可能な出力に調整される。また、剥離部321aは、図8(b)および(c)に示すように、感熱記録紙321の印字が行われた領域(図8に示す「OSP」の文字)を選択的に剥離して廃棄できるようになっている。なお、剥離部321aは、所定の情報の印字が行われる前に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われるのと同時に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われた後に形成されてもよい。
一対のコンベア41のうち一方のコンベア41と他方のコンベア41との間隔は、感熱記録紙321の幅(包装物11の移送方向に直交する方向の長さ)と略等しい。このため、一方のコンベア41と他方のコンベア41との間に包装物11が湾曲して落ち込むことを抑制できるため、包装物11とレーザーマーカー42との間の距離を一定に保つことができ、印字品質を保つことができる。
遮蔽部材43は、レーザーマーカー42を囲んで配置されている。集塵機44から延びるダクト441は、レーザーマーカー42の近傍に配置されており、レーザーマーカー42による印字の際に発生する煙、におい、および、塵などを集塵する機能を有している。
次に、図1、図3および図6を参照して、第1の実施形態による包装装置100の印字方法について説明する。
まず、使用者により被包装物10が投入部20のコンベア21上に載置されると、被包装物10が所定の位置に載置されたことがセンサー24により検知され、包装装置100のスタートスイッチ(図示せず)が押下可能となる。そして、使用者によりスタートスイッチが押下されることによってコンベア21が駆動され、被包装物10が包装部30に移送される。
その後、被包装物10がセンサー25上に移送された際に、包装部30において、案内ローラ33aおよび33bが駆動され、第1包装材料31の気泡緩衝材312と第2包装材料32の緩衝材323との間に被包装物10が挟まれた状態で、把持部材38により第1包装材料31の下流端31aと第2包装部材32の下流端32aとが把持され、印字部40側に引っ張られて移送される。このとき、コンベア34も駆動される。
被包装物10の上流端がセンサー25上を通り過ぎると、案内ローラ33aおよび33bの駆動が停止するとともに、第1包装材料31および第2包装材料32の案内が停止する。そして、シーラー35、第3シーラー部37およびカッター36(図3参照)により、第1包装材料31および第2包装材料32のシールおよび切断が行われる。
図6に示すように、第1包装材料31および第2包装材料32のうち被包装物10の上流端近傍がシーラー35により加熱溶着されることにより、シール部11bおよびシール部11aが形成される。このとき、図6(b)に示すように、シーラー35の第1シーラー部35aと、対向する第1下部シーラー部351aとが、第1包装材料31および第2包装材料32を挟んで加熱溶着することにより、包装物11の上流端近傍のシール部11bが形成される。同様に、シーラー35の第2シーラー部35bと、対向する第2下部シーラー部351bとが、第1包装材料31および第2包装材料32を挟んで加熱溶着することにより、包装物11の下流端近傍のシール部11aが形成される。これと同時に、一対の第3シーラー部37は、それぞれ、第1包装材料31の両側端31c近傍および第2包装材料32の両側端32c近傍を加熱溶着することによりシール部11cが形成される(図1参照)。
そして、第1シーラー部35aと第2シーラー部35bとの間に配置されたカッター36によって、シール部11bとシール部11aとの間が切断されることにより、第1包装材料31の上流端31b(第2包装材料32の上流端32b)、および、第1包装材料31の下流端31a(第2包装材料32の下流端32a)が形成される。これにより、被包装物10が包装された状態(包装物11)となる。その後、包装物11は、コンベア34により、印字部40に移送される。
図1に示すように、印字部40においては、第1包装材料31の下流端31a(第2包装材料32の下流端32a)がセンサー45上を通過した際に、コンベア41の駆動が開始される。これにより、包装物11がレーザーマーカー42上に移送される。そして、コンベア41は、第1包装材料31の上流端31b(第2包装材料32の上流端32b)がセンサー45上を通過した際に駆動を停止する。その後、レーザーマーカー42により、包装物11の感熱記録紙321への印字が開始される。
印字部40において、包装物11は、下方からレーザーマーカー42によりレーザー光が照射されることによって、包装物11の感熱記録紙321の表面に所定の情報が印字される。印字された包装物11は、コンベア41により、排出部50へ移送される。印字部40においては包装物11の下面側に印字が行われるため、排出部50に排出された包装物11を裏返すことにより、目視で印字が完了したか否かの確認が可能である。
上記説明した第1の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)第1の実施形態の包装装置100は、感熱記録紙321が設けられた第2包装材料32により被包装物10を包装する包装部30と、第2包装材料32に設けられた感熱記録紙321に印字を行う印字部40とを備えることによって、包装物11の表面に別途印字用のラベルを貼ることなく第2包装材料32の感熱記録紙321に対して直接印字を行うことができる。そのため、包装物11にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る装置が不要になる分、装置構成を簡素化することができる。
(2)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42が、第1包装材料31および第2包装材料32により被包装物10が包まれた状態で、感熱記録紙321に印字を行う。たとえば、被包装物10が第1包装材料31および第2包装材料32により包装される前に第2包装材料32の感熱記録紙321に印字を行う場合においては、感熱記録紙321の印字後に被包装物10が包装されるため、印字位置が包装物11の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置100が停止した場合に印字済みの感熱記録紙321が無駄になってしまう。しかしながら、本実施形態では、被包装物10の包装後に感熱記録紙321に印字を行うため、印字位置を包装物11の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置100が停止した場合に感熱記録紙321が無駄になることがない。
(3)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42がレーザー光を照射することにより、感熱記録紙321に印字を行うことによって、レーザーマーカー42と第2包装材料32とが非接触の状態で印字を行うことができるため、第2包装材料32の表面を汚すことなく感熱記録紙321に印字を行うことができる。また、包装物11を配達業者が配達する際に、配達先が不在の場合には、レーザーマーカー42を用いて、配達物の持ち帰り時刻や再配達に関する情報などを感熱記録紙321の印字面に対して容易に追記することができる。
(4)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42が印字が行われた領域(図8に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して感熱記録紙321を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離するための剥離部321aを形成する。これにより、包装材料を廃棄する際に、住所や氏名などの個人情報の印字が行われた領域を選択的に剥離して処分することができるため、感熱記録紙321全体を剥離させることなく個人情報の漏洩を防ぐことができる。
(5)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42の周囲に遮蔽部材43を設けることによって、レーザーマーカー42の使用の際にレーザー光が包装装置100の周囲に漏れるのを抑制できるため、レーザーマーカー42の使用上の安全性を確保することができる。
(6)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42による印字を行う際に第2包装材料32に設けられた感熱記録紙321より発生する煙、におい、または、塵等の発生物を集塵機44が集塵することによって、レーザーマーカー42による印字の際に発生する煙、におい、または、塵などを効果的に除去することができる。
(7)第1の実施形態の包装装置100は、レーザーマーカー42が、コンベア41の下方側から感熱記録紙321に印字を行う。包装物11に対して上方からレーザーマーカー42により印字する場合には、包装物11の厚みに応じて包装物11の表面とレーザーマーカー42との距離が異なるが、上記第1の実施形態の包装装置100においては、包装物11に対して下方からレーザーマーカー42で印字するため、包装物11の厚みに関わらず包装物11の表面とレーザーマーカー42との距離が略一定である。よって、印字品質を良好に保つことができる。さらに、コンベア41の下部のスペースにレーザーマーカー42を配置することができるため、スペースの有効活用を図ることができる。
(8)第1の実施形態の包装装置100に用いられる第2包装材料32は、感熱記録紙321が被包装物10と接しない側に設けられる。被包装物10と接しない側、即ち、第2包装材料32の表面に予め感熱記録紙321が設けられているため、必要な情報を感熱記録紙321に直接印字することができる。
(9)第1の実施形態の第2包装材料32は、基材322上に粘着剤を介して感熱記録紙321が積層され、感熱記録紙321に感熱記録層が含まれることによって、感熱記録紙321を基材322から容易に剥がすことができるため、感熱記録紙321に個人情報が印字されている場合に、個人情報の漏洩を防ぐことができる。なお、粘着強度の弱い粘着剤を用いることにより、基材322から感熱記録紙321を剥離させることが一層容易となる。
(10)第1の実施形態の第1包装材料31および第2包装材料32は、それぞれ、被包装物10と接する側に気泡緩衝材312および平坦面緩衝材323を備えることによって、これらの緩衝材により被包装物10を外部からの損傷から守ることができる。
(11)第1の実施形態の第2包装材料32は、レーザーマーカー42により第2包装材料32に設けられた感熱記録紙321の表面に印字を行うことによって、気泡緩衝材312と平坦面緩衝材323とにより被包装物10が損傷しないように包装することができ、さらに、平坦面緩衝材323の裏面に感熱記録紙321を設けることによって、印字面である感熱記録紙321の表面を平坦に保つことができるため、印字品質を良好に保つことができる。
(12)第1の実施形態の包装装置100の印字方法は、気泡緩衝材312が設けられた第1包装材料31と、感熱記録紙321が設けられた第2包装材料32とにより、被包装物10を包装し、第2包装材料32に設けられた感熱記録紙321に印字を行うことによって、包装物11の表面に別途印字用のラベルを貼ることなく第2包装材料32の感熱記録紙321の表面に直接印字を施すことができる。これにより、第2包装材料32にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る工程が不要になる分、作業工程を簡素化できる。また、たとえば被包装物10が第1包装材料31および第2包装材料32により包装される前に第2包装材料32の感熱記録紙321に印字を行う場合においては、感熱記録紙321の印字後に被包装物10が包装されるため印字位置が包装物11の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置100が停止した場合に印字済みの感熱記録紙321が無駄になってしまう。しかしながら、第1の実施形態では、被包装物10の包装後に感熱記録紙321に印字を行うため、印字位置を包装物11の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置100が停止した場合に感熱記録紙321が無駄になることがない。
上記第1の実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
・上記第1の実施形態では、第2包装材料の一例として、予めクラフト紙の表面に帯状の感熱記録紙が設けられた包装材料を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、図9に示すように、包装材料320として、ロール状の基材322および平坦面緩衝材323と、ロール状の感熱記録紙321とが別個に配置されており、一対の押圧ローラ33cによって、基材322および平坦面緩衝材323と、感熱記録紙321とが貼り合わされながら、包装部30に送られるようにしてもよい。これにより、包装材料320の基材322に感熱記録紙321を貼り合わせる装置と、包装部30により第1包装材料31と第2包装材料320とを加熱溶着する装置とを1つの装置に含めることができるため、包装材料320の基材322に感熱記録紙321を貼り合わせるための装置を別途用意する必要がない。
[第2の実施形態]
図10および図11を用いて、本発明の第2の実施形態に係る印字機構を備える包装装置の構成および印字方法について説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態との共通部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ詳説する。
まず、図10を参照して、包装装置101の装置構成について説明する。第2の実施形態の包装装置101は、主に、被包装物110を包装する包装部130と、被包装物110に関する情報を包装物311に印字する印字部140とを備えている。
包装部130においては、包装材料として一般的な段ボール箱131が用いられる。この段ボール箱131は折り畳み式であり、4枚の天井壁体131aと、天井壁体131aと対面する位置に形成される4枚の底壁体131bと、天井壁体131a及び底壁体131bを連結する4枚の側壁体131cからなる。また、4枚の側壁体131cの被包装物110と接しない側の面には、帯状の感熱記録紙324が貼り合わせられている。この感熱記録紙324は、段ボール箱131の側壁体131c(基材としての段ボールシート)上に粘着剤を介して積層されている(貼り付けられている)。
また、段ボール箱131の内部(被包装物110と接する面)には、図11に示すように、段ボール箱と同様の材質からなる平板状のライナ331a、および、波状の中しん331bからなる緩衝材331が接着剤などにより貼り付けられている。この緩衝材331により、被包装物110を衝撃から保護することが可能となる。なお、緩衝材331を段ボール箱131の側壁体131cおよび底壁体131bに貼り付けることによって、外部からの衝撃が被包装物110に伝わることを抑制できる。
印字部140は、CO---2レーザーを出射するレーザーマーカー142と、レーザーマーカー142から照射されるレーザー光の漏洩を抑制するアクリル板などからなる遮蔽部材143と、レーザーマーカー142による印字の際に発生する発生物を集塵する集塵機44とを備えている。遮蔽部材143は、レーザーマーカー142と段ボール箱131との両方を覆うように配置されている。集塵機44は、レーザーマーカー142の近傍に配置されている。
次に、図10を参照して、包装装置101の印字方法について説明する。段ボール箱131は、天井壁体131aが開けられた状態であるとともに、底壁体131bが粘着テープ70により閉じられた状態で包装部130に移送される(工程A)。包装部130において、ロボットアームなどの移動手段60により、段ボール箱131の内部に被包装物110が収容される(工程B1およびB2)。その後、段ボール箱131の天井壁体131aが内側に折り曲げられて(工程B3)、粘着テープ71により閉じられる。これにより、包装物311が形成される(工程B4)。
最後に、レーザーマーカー142によりレーザー光が出射されることによって、段ボール箱131の側壁体131cに貼り付けられた感熱記録紙324の表面に所定の情報(図10に示す「OSP」の文字)が印字される(工程C)。
段ボール箱131の感熱記録紙324には、図10に示すように、剥離部324aが形成されている。この剥離部324aは、レーザーマーカー142が印字が行われた領域(図10に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して、感熱記録紙324を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離することが可能となっている。このとき、レーザーマーカー142は、感熱記録紙324のみを切断することが可能な出力に調整される。また、剥離部324aは、感熱記録紙324の印字が行われた領域(図10に示す「OSP」の文字)を選択的に剥離して廃棄できるようになっている。なお、剥離部324aは、所定の情報の印字が行われた前に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われるのと同時に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われた後に形成されてもよい。
上記説明した第2の実施形態によれば、第1の実施形態において記載した(1)~(6)、(8)~(10)および(12)の効果と同様に、以下の(13)~(22)の効果を得ることができる。
(13)第2の実施形態の包装装置101は、感熱記録紙324が設けられた段ボール箱131により被包装物110を包装する包装部130と、段ボール箱131に設けられた感熱記録紙324に印字を行う印字部140とを備えることによって、段ボール箱131の表面に別途印字用のラベルを貼ることなく段ボール箱131の感熱記録紙324に対して直接印字を行うことができる。そのため、段ボール箱131にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る装置が不要になる分、装置構成を簡素化することができる。
(14)第2の実施形態の包装装置101は、レーザーマーカー142が、段ボール箱131により被包装物110が包まれた状態で、感熱記録紙324に印字を行う。たとえば、被包装物110が段ボール箱131により包装される前に段ボール箱131の感熱記録紙324に印字を行う場合においては、感熱記録紙324の印字後に被包装物110が包装されるため、印字位置が段ボール箱131の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置101が停止した場合に印字済みの感熱記録紙324が無駄になってしまう。しかしながら、本実施形態では、被包装物110の包装後に感熱記録紙324に印字を行うため、印字位置を段ボール箱131の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置101が停止した場合に感熱記録紙324が無駄になることがない。
(15)第2の実施形態の包装装置101は、レーザーマーカー142がレーザー光を照射することにより、感熱記録紙324に印字を行うことによって、レーザーマーカー142と段ボール箱131とが非接触の状態で印字を行うことができるため、段ボール箱131の表面を汚すことなく感熱記録紙324に印字を行うことができる。また、段ボール箱131を配達業者が配達する際に、配達先が不在の場合には、レーザーマーカー142を用いて、配達物の持ち帰り時刻や再配達に関する情報などを感熱記録紙324の印字面に対して容易に追記することができる。
(16)第2の実施形態の包装装置101は、レーザーマーカー142が印字が行われた領域(図10に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して感熱記録紙324を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離するための剥離部324aを形成する。これにより、包装材料を廃棄する際に、住所や氏名などの個人情報の印字が行われた領域を選択的に剥離して処分することができるため、感熱記録紙324全体を剥離させることなく個人情報の漏洩を防ぐことができる。
(17)第2の実施形態の包装装置101は、レーザーマーカー142の周囲に遮蔽部材143を設けることによって、レーザーマーカー142の使用の際にレーザー光が包装装置101の周囲に漏れるのを抑制できるため、レーザーマーカー142の使用上の安全性を確保することができる。
(18)第2の実施形態の包装装置101は、レーザーマーカー142による印字を行う際に段ボール箱131に設けられた感熱記録紙324より発生する煙、におい、または、塵等の発生物を集塵機44が集塵することによって、レーザーマーカー142による印字の際に発生する煙、におい、または、塵などを効果的に除去することができる。
(19)第2の実施形態の包装装置101に用いられる段ボール箱131は、感熱記録紙324が被包装物110と接しない側に設けられる。被包装物110と接しない側、即ち、段ボール箱131の表面に予め感熱記録紙324が設けられているため、必要な情報を感熱記録紙324に直接印字することができる。
(20)第2の実施形態の段ボール箱131は、側壁体131c(基材としての段ボールシート)上に粘着剤を介して感熱記録紙324が積層され、感熱記録紙324に感熱記録層が含まれることによって、感熱記録紙324を側壁体131cから容易に剥がすことができるため、感熱記録紙324に個人情報が印字されている場合に、個人情報の漏洩を防ぐことができる。なお、粘着強度の弱い粘着剤を用いることにより、側壁体131cから感熱記録紙324を剥離させることが一層容易となる。
(21)第2の実施形態の段ボール箱131は、それぞれ、被包装物110と接する側に緩衝材331を備えることによって、この緩衝材331により被包装物110を外部からの損傷から守ることができる。
(22)第2の実施形態の包装装置101の印字方法は、緩衝材331および感熱記録紙324が設けられた段ボール箱131により、被包装物110を包装し、段ボール箱131に貼り付けられた感熱記録紙324に印字を行うことによって、段ボール箱131の側壁体131cに別途印字用のラベルを貼ることなく段ボール箱131の感熱記録紙324の表面に直接印字を施すことができる。これにより、段ボール箱131にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る工程が不要になる分、作業工程を簡素化できる。また、たとえば被包装物110が段ボール箱131により包装される前に段ボール箱131の感熱記録紙324に印字を行う場合においては、感熱記録紙324の印字後に被包装物110が包装されるため印字位置が段ボール箱131の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置101が停止した場合に印字済みの感熱記録紙324が無駄になってしまう。しかしながら、第2の実施形態では、被包装物110の包装後に感熱記録紙324に印字を行うため、印字位置を段ボール箱131の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置101が停止した場合に感熱記録紙324が無駄になることがない。
[第3の実施形態]
図12および図13を用いて、本発明の第3の実施形態に係る印字機構を備える包装装置の構成および印字方法について説明する。なお、第3の実施形態では、第1および第2の実施形態との共通部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分のみ詳説する。
まず、図12を参照して、包装装置102の装置構成について説明する。第3の実施形態の包装装置102は、主に、被包装物210を包装する包装部230と、被包装物210に関する情報を印字する印字部240とを備えている。
包装部230は、包装材料として一般的な段ボールシート231および段ボールシート231上に被包装物210が載置された状態でこれらを包む熱収縮性を有するシュリンクフィルム232と、シュリンクフィルム232を加熱により収縮させて被包装物210を段ボールシート231に固定させるためのドライヤ233とを備えている。
段ボールシート231は、平面視において矩形状を有しているとともに、その表面231bおよび裏面231aは平板状である。段ボールシート231は、上述した第2の実施形態と同様に、波状の中しんと、この中しんを一方側および他方側から挟むように平板状のライナとにより構成されている。段ボールシート231の裏面231aには、帯状の感熱記録紙325(図13参照)が貼り合わせられている。この感熱記録紙325は、段ボールシート231の裏面231a上に粘着剤を介して積層されている(貼り付けられている)。
印字部240は、CO2レーザーを出射するレーザーマーカー142と、レーザーマーカー142から照射されるレーザー光の漏洩を抑制するアクリル板などからなる遮蔽部材143と、レーザーマーカー142による印字の際に発生する発生物を集塵する集塵機44とを備えている。レーザーマーカー142は、段ボールシート231の裏面231aに貼り付けられた感熱記録紙325に対してCO2レーザーを出射することにより、感熱記録紙325に所定の情報を印字する。遮蔽部材143は、レーザーマーカー142および包装物211の両方を覆うように配置されている。集塵機44は、レーザーマーカー142の近傍に配置されている。
次に、図12および13を参照して、包装装置102の印字方法について説明する。最初に、被包装物210が載置される段ボールシート231がコンベア141により移送方向に対して移送される(工程D)次に、包装部230において、ロボットアームなどの移動手段60により、段ボールシート231の表面231bに被包装物210が載置される(工程E1およびE2)。
そして、段ボールシート231に被包装物210が載置された状態で、筒状のシュリンクフィルム232に包まれ(工程E3)、このシュリンクフィルム232がドライヤ233により加熱され収縮することによって、被包装物210が段ボールシート231に対して固定されることにより、包装物211が形成される(工程E4)。
最後に、レーザーマーカー142によりレーザー光が出射されることによって、段ボールシート231の裏面231aに貼り付けられた感熱記録紙325の表面に所定の情報(図13に示す「OSP」の文字)が印字される(工程F)。なお、レーザーマーカー142により出射されるレーザー光は、シュリンクフィルム232を介して感熱記録紙325に照射されることになるため、感熱記録紙325への印字品質が懸念されるが、レーザーマーカー142の出力等の調整や、レーザーマーカー142の種類とシュリンクフィルム232の種類との組み合わせにより、感熱記録紙325への印字品質を保つことが可能である。
また、段ボールシート231の感熱記録紙325には、図13に示すように、剥離部325aが形成されている。この剥離部325aは、レーザーマーカー142により印字が行われた領域(図13に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して、感熱記録紙325を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離することが可能となっている。このとき、レーザーマーカー142は、感熱記録紙325のみを切断することが可能な出力に調整される。また、剥離部325aは、感熱記録紙325の印字が行われた領域(図13に示す「OSP」の文字)を選択的に剥離して廃棄できるようになっている。なお、剥離部325aは、所定の情報の印字が行われた前に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われるのと同時に形成されてもよいし、所定の情報の印字が行われた後に形成されてもよい。
上記説明した第3の実施形態によれば、第1の実施形態において記載した(1)~(6)、(8)、(9)および(12)の効果と同様に、以下の(23)~(31)の効果を得ることができる。
(23)第3の実施形態の包装装置102は、感熱記録紙325が設けられた段ボールシート231およびシュリンクフィルム232により被包装物210を包装する包装部230と、段ボールシート231に貼り付けられた感熱記録紙325に印字を行う印字部240とを備えることによって、包装物211に別途印字用のラベルを貼ることなく段ボールシート231の感熱記録紙325に対して直接印字を行うことができる。そのため、包装物211にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る装置が不要になる分、装置構成を簡素化することができる。
(24)第3の実施形態の包装装置102は、段ボールシート231により被包装物210が包まれた状態で、レーザーマーカー142が感熱記録紙325に印字を行う。たとえば、被包装物210が段ボールシート231およびシュリンクフィルム232により包装される前に段ボールシート231の感熱記録紙325に印字を行う場合においては、感熱記録紙325の印字後にシュリンクフィルム232により被包装物210が包装されるため、印字位置が包装物211の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置102が停止した場合に印字済みの感熱記録紙325が無駄になってしまう。しかしながら、本実施形態では、被包装物210の包装後に感熱記録紙325に印字を行うため、印字位置を包装物211の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置102が停止した場合に感熱記録紙325が無駄になることがない。
(25)第3の実施形態の包装装置102は、レーザーマーカー142がレーザー光を照射することにより、感熱記録紙325に印字を行うことによって、レーザーマーカー142と段ボールシート231とが非接触の状態で印字を行うことができるため、段ボールシート231の表面を汚すことなく感熱記録紙325に印字を行うことができる。また、包装物211を配達業者が配達する際に、配達先が不在の場合には、レーザーマーカー142を用いて、配達物の持ち帰り時刻や再配達に関する情報などを感熱記録紙325の印字面に対して容易に追記することができる。
(26)第3の実施形態の包装装置102は、レーザーマーカー142が印字が行われた領域(図13に示す「OSP」の文字)を取り囲むようにレーザー光を照射して感熱記録紙325を切断することにより、印字が行われた領域を選択的に剥離するための剥離部325aを形成する。これにより、包装材料を廃棄する際に、住所や氏名などの個人情報の印字が行われた領域を選択的に剥離して処分することができるため、感熱記録紙325全体を剥離させることなく個人情報の漏洩を防ぐことができる。
(27)第3の実施形態の包装装置102は、レーザーマーカー142の周囲に遮蔽部材143を設けることによって、レーザーマーカー142の使用の際にレーザー光が包装装置102の周囲に漏れるのを抑制できるため、レーザーマーカー142の使用上の安全性を確保することができる。
(28)第3の実施形態の包装装置102は、レーザーマーカー142による印字を行う際に段ボールシート231に設けられた感熱記録紙325より発生する煙、におい、または、塵等の発生物を集塵機44が集塵することによって、レーザーマーカー142による印字の際に発生する煙、におい、または、塵などを効果的に除去することができる。
(29)第3の実施形態の包装装置102に用いられる段ボールシート231では、感熱記録紙325が被包装物210と接しない側に設けられる。被包装物210と接しない側、即ち、段ボールシート231の裏面231aに予め感熱記録紙325が設けられているため、必要な情報を感熱記録紙325に直接印字することができる。
(30)第3の実施形態の段ボールシート231では、基材としての段ボールシート231上に粘着剤を介して感熱記録紙325が積層され、感熱記録紙325に感熱記録層が含まれることによって、感熱記録紙325を段ボールシート231から容易に剥がすことができるため、感熱記録紙325に個人情報が印字されている場合に、個人情報の漏洩を防ぐことができる。なお、粘着強度の弱い粘着剤を用いることにより、段ボールシート231から感熱記録紙325を剥離させることが一層容易となる。
(31)第3の実施形態の包装装置102の印字方法は、感熱記録紙325が設けられた段ボールシート231およびシュリンクフィルム232により被包装物210を包装し、段ボールシート231に貼り付けられた感熱記録紙325に印字を行うことによって、包装物211(段ボールシート231の裏面231a)に別途印字用のラベルを貼ることなく段ボールシート231の感熱記録紙325の表面に直接印字を施すことができる。これにより、段ボールシート231にラベルを貼る工程を削減することができるため、ラベルを貼る工程が不要になる分、作業工程を簡素化できる。また、たとえば被包装物210が包装される前に段ボールシート231の感熱記録紙325に印字を行う場合においては、感熱記録紙325の印字後に被包装物210が包装されるため印字位置が包装物211の所定の位置からずれてしまう場合や、予期せぬトラブルにより包装装置102が停止した場合に印字済みの感熱記録紙325が無駄になってしまう。しかしながら、第3の実施形態では、被包装物210の包装後に感熱記録紙325に印字を行うため、印字位置を包装物211の所定の位置に合わせることができ、さらに、包装装置102が停止した場合に感熱記録紙325が無駄になることがない。
上記実施形態は、以下のように変更した構成とすることもできる。
・上記第1~第3の実施形態では、包装材料の感熱記録紙への印字方法の一例として、レーザーマーカーを用いて印字する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、感熱記録紙に印字することが可能であれば、サーマルプリンタ(サーマルヘッド)などのように熱を利用して印字することが可能な機構であればよい。
・上記第1~第3の実施形態では、包装材料の一例として、クラフト紙または段ボールシートの表面に帯状の感熱記録紙が貼り合わせられた包装材料を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、印字部において印字することが可能であれば、クラフト紙または段ボールシートの表面に部分的に感熱記録紙が設けられていてもよいし、包装材料自体が感熱記録層を備える感熱記録紙であってもよい。また、クラフト紙や段ボールシート以外の紙製品でも適用可能である。また、紙製品でなくても良く、たとえば、プラスチック製のフィルムやシート等でも適用可能である。
・上記第1の実施形態では、第1包装材料の一例として、基材の表面に気泡緩衝材が設けられた包装材料を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1包装材料と第2包装材料とを溶着して被包装物を衝撃から保護することが可能であれば、気泡緩衝材以外の緩衝材でも適用可能である。
・上記第1~第3の実施形態では、レーザーマーカーの配置方法の一例として、包装物の下方や側方に配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、包装物の上方にレーザーマーカーを配置して包装物に印字してもよい。
・上記第1~第3の実施形態では、包装装置に備え付けられたスタートスイッチが使用者により押下されることにより手動で被包装物の包装が行われる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、包装装置の投入部に複数の被包装物を準備しておいて、スタートスイッチが使用者により押下されれば、複数の被包装物が処理速度に応じて間欠的に(自動的に)コンベアにより包装部および印字部に移送されて、包装および印字が行われる構成にしてもよい。
・上記実施形態は、いずれも本発明の適応の例示であり、特許請求の範囲に記載の範囲内におけるその他いかなる実施形態も、発明の技術的範囲に含まれることは当然のことである。