JP7236233B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、主には尿とりパッド、失禁パッド、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、おりものシート等の吸収性物品に係り、特に吸収体の肌側面に吸収性物品の長手方向に延びる凹溝が形成された吸収性物品に関する。
従来より、前記吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの防漏シートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性表面シートとの間に綿状パルプ及び高吸水性ポリマー等からなる吸収体を介在したものが知られている。
この種の吸収性物品にも幾多の改良が重ねられ、体液の吸収スピードを速めるため、吸収体の肌側面に長手方向に延びる凹溝を形成したものが種々提案されている。例えば、下記特許文献1では、吸収層の配置された領域が、高吸収性ポリマー粒子の存在する分布域と、高吸収性ポリマー粒子の存在しない非分布域とに区分され、圧搾条溝が前記非分布域に形成されており、前記非分布域が前記圧搾条溝の周縁部から外方へ延在している吸収性物品が開示されている。
また、下記特許文献2では、吸収体が、透液性表面シート側の面に、吸収性物品の長手方向に沿うとともに体液排出部位を含む長手方向範囲に亘って、圧搾によることなく凹溝状又はスリット状に形成された吸収体凹部を備え、透液性表面シートの表面側からのエンボスにより、吸収体凹部の内部に吸収体凹部に沿って、吸収体凹部の溝幅より小さなエンボス幅で付与されたエンボス部が設けられている吸収性物品が開示されている。
特開2010-68954号公報 特開2015-47432号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の吸収性物品では、圧搾条溝の周辺に高吸収性ポリマー粒子が存在しないため、圧搾条溝を通じて吸収体に吸収された体液が高吸収性ポリマー粒子に吸収保持されにくく、非分布域の吸収体の繊維間に残った体液が逆戻りするおそれがあった。
また、上記特許文献2記載の吸収性物品では、吸収体凹部の周囲にポリマーが存在するため、繰り返し体液を吸収することで、周囲のポリマーが膨潤し、吸収体凹部の側面や底面が吸収体凹部の空間内部に向けて膨出し、吸収体凹部が潰れて、吸収体凹部の内部に体液を貯留できずに体液の溢れ漏れを生じるおそれがあった。
このようなポリマーの膨潤による凹溝の潰れを防止するため、凹溝の側面及び底面に沿ってコアラップシートを配設する技術がある。かかる技術は、凹溝の周囲に存在するポリマーが吸水して膨潤しても、コアラップシートの張力によって側面や底面が凹溝内に膨出するのを防止し、凹溝を潰れにくくするというものである。ところが、前記吸収体が上層吸収体と下層吸収体の2層からなり、前記上層吸収体の幅方向中央に長手方向に延びるスリット又は開孔を設けることにより凹溝が形成され、前記上層吸収体及び下層吸収体をそれぞれコアラップシートで被包した吸収体を備えた吸収性物品の場合、凹溝の底部にコアラップシートが複数積層されることとなるため、このコアラップシートに吸収された体液が逆戻りすることによって逆戻り量が増大する問題があった。また、複数積層されたコアラップシートの張力によって、凹溝の底部(下層吸収体)が凹溝内に向けて上方に膨出するのが抑えられるが、凹溝の側部(上層吸収体)が凹溝内に向けて側方に膨出するのは充分に抑えることができず、凹溝の幅が狭まることで、吸収量が低下する問題があった。
そこで本発明の主たる課題は、吸収体の肌側面に長手方向に延びる凹溝が形成された吸収性物品において、繰り返し体液を吸収しても凹溝の形状を維持して、逆戻りを抑えた吸収性物品を提供することにある。
上記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、吸収体を備えた吸収性物品であって、
前記吸収体の肌側面に吸収性物品の長手方向に延びる凹溝が形成されるとともに、前記凹溝内の側面及び底面に沿って、凹溝変形抑制シートが配設されており、
前記凹溝変形抑制シートは、前記吸収体を囲繞するコアラップシートの内側に配設された親水性の液透過性シートからなり、
少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝変形抑制シートと前記凹溝の側面とを接合する側面接着剤層が設けられるとともに、前記凹溝変形抑制シートと前記凹溝の底面とを接合する底面接着剤層が設けられ、前記側面接着剤層は接着剤が前記凹溝の側面に全面塗布されて成るとともに、前記底面接着剤層は接着剤が前記凹溝の底面に間欠塗布されて成り、
少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝の底部の吸収体が、高吸水性ポリマーの存在しないポリマー無配置領域とされていることを特徴とする吸収性物品が提供される。
上記請求項1記載の発明では、吸収体の肌側面に吸収性物品の長手方向に延びる凹溝が形成された吸収性物品において、前記凹溝内の側面及び底面に沿って、凹溝変形抑制シートが配設されている。前記凹溝変形抑制シートは、少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝の側面及び底面に対してそれぞれ、側面接着剤層及び底面接着剤層によって接合されている。前記側面接着剤層は、接着剤が前記凹溝の側面に全面塗布されて成り、前記底面接着剤層は、接着剤が前記凹溝の底面に間欠塗布されて成るものである。このため、凹溝内に流入した体液は、接着剤層の液不透過性により接着剤が全面塗布された凹溝の側面からは通液しにくく、接着剤が間欠塗布された凹溝の底面を通じて吸収体に移行するようになる。このため、繰り返し体液を吸収しても、凹溝の側部に存在する吸収体の高吸水性ポリマーが吸水して膨潤することにより凹溝の側面が膨出して凹溝の幅が狭くなるのが防止でき、凹溝の形状が維持できる。
また、凹溝の底部の吸収体が、ポリマー無配置領域となっているため、前記凹溝の底面を通じて吸収体に移行した体液が、このポリマー無配置領域に沿って前後方向に拡散しやすくなっている。これによって、繰り返し体液を吸収しても凹溝内に体液が溢れるのが防止できるとともに、体液の逆戻りを抑えることができるようになる。
更に、凹溝の側面及び底面に沿って凹溝変形抑制シートが接合されているため、凹溝の底部を通って吸収体に吸収された体液が凹溝の両側部に拡散し、凹溝の両側部に配設された高吸水性ポリマーが吸水して膨潤した場合でも、前記凹溝変形抑制シートの張力によって、凹溝の両側部が凹溝内に膨出するのが防止でき、凹溝の形状が維持できるようになる。
前記凹溝変形抑制シートとしては、吸収体を囲繞するコアラップシートとは別に、親水性の液透過性シートを用いている。これによって、前記凹溝変形抑制シートとして、凹溝の変形を抑制しやすくした構成のシートを用いることができ、より確実に凹溝の変形が防止できるようになる。
請求項2に係る本発明として、前記吸収体が、下層吸収体と、前記下層吸収体の肌側に隣接して配置された上層吸収体とからなり、
前記上層吸収体が、吸収性物品の幅方向中央で幅方向に離隔して左右にそれぞれ長手方向に沿って配置され、前記凹溝の両側部が前記上層吸収体によって形成されるとともに、前記凹溝の底部が前記下層吸収体によって形成されている請求項1記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項2記載の発明では、前記吸収体が下層吸収体と上層吸収体とからなる2層構造を成しており、前記上層吸収体が、吸収性物品の幅方向中央で幅方向に離隔して左右にそれぞれ長手方向に沿って配置されている。これによって、前記凹溝が吸収性物品のほぼ全長に亘って形成される。このとき、前記凹溝の両側部は前記上層吸収体によって形成されるとともに、前記凹溝の底部は前記下層吸収体によって形成されるようになる。前記吸収体を2層構造とすることによって、凹溝が簡単に形成できるとともに、前記下層吸収体の凹溝の底部に対応する部分に前記ポリマー無配置領域を簡単に形成できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記凹溝変形抑制シートは、吸収体の全長に亘って配設されるか、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ配設され、その前後部には配設されていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項記載の発明では、前記凹溝変形抑制シートを吸収体の全長に亘って配設するか、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ配設し、その前後部には配設しないようにしている。前記凹溝変形抑制シートを吸収体の全長に亘って配設した場合には、吸収体の全長に亘って凹溝の形状が維持でき、体液をより確実に素早く吸収できるようになる。一方、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ配設した場合には、資材コストを低減しつつ、股間部における凹溝の変形が防止できるようになる。
請求項に係る本発明として、前記側面接着剤層は、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設けられ、その前後部には設けられていない請求項1~いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項記載の発明では、凹溝の側面からの体液の浸透を抑制するための側面接着剤層を、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設け、その前後部には設けないようにしているため、繰り返し体液を吸収して凹溝に大量の体液が流れ込んだ場合でも、体液が股間部より前後方向に流れることにより、この前後部において凹溝の側面からも吸収体に移行でき、凹溝から体液が溢れて漏れるのが防止できる。
請求項に係る本発明として、着用者の股間部に対応する長手区間に、前記凹溝変形抑制シートと前記吸収体の肌側面とを接合する上面接着剤層が設けられ、
前記上面接着剤層は、接着剤が間欠塗布されて成るとともに、前記吸収体の幅方向端部に塗布された接着剤の塗布面積比率より、前記凹溝近傍に塗布された接着剤の塗布面積比率の方が高く設定されている請求項1~いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項記載の発明では、着用者の股間部に対応する長手区間に、前記凹溝変形抑制シートと吸収体の肌側面とを接合する上面接着剤層が設けられている。この上面接着剤層は、接着剤が間欠塗布されて成り、吸収体の幅方向端部より凹溝近傍の方が、接着剤の塗布面積比率が相対的に高くなっている。このため、吸収体の肌側面では、凹溝近傍において体液の浸透が低減され、凹溝の側部の上層吸収体が吸水して膨潤することにより凹溝の側面が膨出して断面形状が狭くなるのが防止できる。
請求項に係る本発明として、前記ポリマー無配置領域は、前記吸収体の全長に亘って設けられるか、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設けられ、その前後部には設けられていない請求項1~いずれかに記載の吸収性物品が提供される。
上記請求項記載の発明では、ポリマー無配置領域を吸収体の全長に亘って設けた場合には、股間部における凹溝の底面を通じて吸収体に吸収された体液が、ポリマー無配置領域に沿って広い範囲に拡散しやすくなり、体液が素早く吸収できるようになる。また、ポリマー無配置領域を着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設けた場合には、この領域より前後部に拡散した体液が、そこに配置された高吸水性ポリマーに吸収・保持され、逆戻りが防止できるとともに、長手方向端部からの漏れが防止できるようになる。
以上詳説のとおり本発明によれば、繰り返し体液を吸収しても凹溝の形状が維持でき、逆戻りが抑えられるようになる。
本発明に係る尿とりパッド1の一部破断展開図である。 図1のII-II線矢視図である。 図1のIII-III線矢視図である。 変形例に係るコアラップシート9で囲繞された吸収体4の平面図である。 図4のV-V線矢視図である。 図4のVI-VI線矢視図である。 変形例に係るコアラップシート9で囲繞された吸収体4の平面図である。 図7のVIII-VIII線矢視図である。 図7のIX-IX線矢視図である。 変形例に係るコアラップシート9で囲繞された吸収体4の股間部における断面図である。 変形例に係るコアラップシート9で囲繞された吸収体4の股間部における断面図である。 変形例に係るコアラップシート9で囲繞された吸収体4の平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
〔尿とりパッドの基本構造の一例〕
本発明に係る尿とりパッド1は、図1~図3に示されるように、ポリエチレンシートなどからなる防漏シート2と、肌当接面をなし、尿などを速やかに透過させる表面シート3と、これら両シート2、3間に介装された吸収体4と、尿とりパッド1の最外面(非肌当接面)を覆う外装シート5と、前記吸収体4の略側縁部を起立基端とし、かつ少なくとも着用者の排尿口部を含む前後方向の所定の区間内において肌側に突出して設けられた左右一対の立体ギャザーBS、BSを形成するサイドシート6、6とから主に構成され、かつ吸収体4の周囲においては、その上下端縁部では防漏シート2、表面シート3及び外装シート5の外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合され、またその両側縁部では吸収体4よりも側方に延出している防漏シート2、表面シート3、外装シート5及びサイドシート6がホットメルトなどの接着剤やヒートシール、超音波シール等の接合手段によって接合されている。
前記防漏シート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材が用いられるが、近年ではムレ防止の観点から透湿性を有するものが用いられる傾向にある。この遮水・透湿性シート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートが好適に用いられる。前記防漏シート2としては、プラスチックフィルムと不織布とを積層させたポリラミ不織布を用いてもよい。
次いで、前記表面シート3は、有孔または無孔の不織布や多孔性プラスチックシートなどが好適に用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維とすることができ、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法等の適宜の加工法によって得られた不織布を用いることができる。これらの加工法の内、スパンレース法は柔軟性、ドレープ性に富む点で優れ、サーマルボンド法は嵩高で圧縮復元性が高い点で優れている。前記表面シート3に多数の透孔を形成した場合には、体液が速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。不織布の繊維は、長繊維または短繊維のいずれでもよいが、好ましくはタオル地の風合いを出すため短繊維を使用するのがよい。また、エンボス処理を容易とするために、比較的低融点のポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系繊維のものを用いるのがよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維の複合繊維を好適に用いることもできる。
外装シート5は、防漏シート2を覆って尿とりパッド1の外面を布のような外観、肌触りとするものである。外装シート5としては、不織布で形成するのが好ましい。素材繊維は、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができ、加工法は、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、エアスルー法、ニードルパンチ法等を用いて製作することができる。但し、肌触り及び強度を両立できる点でスパンボンド不織布やSMS不織布、SMMS不織布等の長繊維不織布が好ましい。
不織布は一枚で使用する他、複数枚を重ねて使用することもでき、複数枚を重ねて使用する場合は、不織布相互をホットメルト等の接着剤を介して固定するのが好ましい。また、不織布を用いる場合は、その繊維目付けは10~50g/m、特に15~30g/mが好ましい。
前記外装シート5の非使用面側(外面)には1または複数条の仮止め層(図示せず)が形成され、身体への装着時に尿とりパッド1を下着や紙おむつ等に固定するようにしてもよい。前記仮止め層としては、機械接合式のフック材を用いてもよいし、粘着剤を用いてもよい。前記仮止め層は必要に応じて設けられ、特段設けなくてもよい。
図示例では、外装シート5は吸収体4の幅よりも若干幅が広い程度とされ、両側部が防漏シート2及び表面シート3の側縁を巻き込むようにして表面シート3の肌側にまで延在され、表面シート3の幅方向外側は、この肌側に延在する外装シート5の外面側に表面シート3の両側部表面から延在するサイドシート6、具体的には尿等が浸透するのを防止する、あるいは肌触り感を高めるなどの目的に応じて、適宜の撥水処理または親水処理を施した不織布素材を用いて構成されたサイドシート6が配設されている。かかるサイドシート6としては、天然繊維、合成繊維または再生繊維などを素材として、適宜の加工法によって形成されたものを使用することができるが、好ましくはゴワ付き感を無くすとともに、ムレを防止するために、坪量を抑えて通気性を持たせた不織布を用いるのがよい。具体的には、坪量を8~23g/mとして作製された不織布を用いるのが望ましく、かつ体液の透過を確実に防止するためにシリコン系、パラフィン系、アルキルクロミッククロリド系撥水剤などをコーティングした撥水処理不織布が好適に使用される。
前記サイドシート6の内方側部分はほぼ二重に折り返されるとともに、この二重シート内部に、その高さ方向中間部に1又は複数本の、図示例では3本の糸状弾性伸縮部材7、7…が両端または長手方向の適宜の位置が固定された状態で配設されている。この二重シート部分は前後端部では図3に示されるように、外側に1回折り返して積層された状態で吸収体4側に接着されることによって、少なくとも着用者の排尿口部を含む前後方向の所定の区間内において図2に示されるように、肌側に起立する立体ギャザーBS、BSが左右対で形成されている。
〔吸収体〕
前記吸収体4は、下層吸収体4Aと、この下層吸収体4Aの肌側に隣接して配置された上層吸収体4Bとで構成された2層構造を成している。
前記下層吸収体4A及び上層吸収体4Bはそれぞれ、たとえば綿状パルプに高吸水性ポリマーを混合して積繊したものである。前記高吸水性ポリマーは吸収体4を構成するパルプ中に、例えば粒状粉として混入されている。前記パルプとしては、木材から得られる化学パルプ、溶解パルプ等のセルロース繊維や、レーヨン、アセテート等の人工セルロース繊維からなるものが挙げられ、広葉樹パルプよりは繊維長の長い針葉樹パルプの方が機能および価格の面で好適に使用される。ただし、後段で詳述するように、下層吸収体4Aの所定の部分には、前記高吸水性ポリマーが混入されず、綿状パルプのみで構成されている。
また、前記下層吸収体4A及び上層吸収体4Bにはそれぞれ合成繊維を混合しても良い。前記合成繊維は、例えばポリエチレン又はポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系、ナイロンなどのポリアミド系、及びこれらの共重合体などを使用することができるし、これら2種を混合したものであってもよい。また、融点の高い繊維を芯とし融点の低い繊維を鞘とした芯鞘型繊維やサイド-バイ-サイド型繊維、分割型繊維などの複合繊維も用いることができる。前記合成繊維は、体液に対する親和性を有するように、疎水性繊維の場合には親水化剤によって表面処理したものを用いるのが望ましい。
前記高吸水性ポリマーは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸水性ポリマーは、この種の吸収性物品に使用される粒径のものをそのまま使用でき、平均粒径が1000μm以下、好ましくは未吸収時の粒径が106μm以上のものが全体の99重量%以上、特に150~850μmのものが全体の99重量%以上であるのが望ましい。未吸収時の平均粒径は250~500μm程度であるのが好ましい。また、高吸水性ポリマーは吸収後の平均粒径が未吸収時の平均粒径の3倍以上、具体的には500μm以上であることが望ましい。なお、未吸収時の高吸水性ポリマーの平均粒径は、重量基準粒度分布における積算値50%での粒径を意味する。この場合における重量基準粒度分布は、JISZ8815-1994に準拠して測定される。すなわち、内径150mm、深さ45mmの710μm、500μm、300μm、150μm及び106μmの目開きのふるいを、目開きの狭いふるいを下にして重ね、一番上の最も目開きの広い710μmのふるいの上に、測定試料50gを入れ、ふるい振動機にて10分間ふるい、各ふるいの上に残った測定試料の重量を測定し、最初の測定試料の重量に基づく各ふるいの上に残った測定試料の重量%を求めることによって測定される。
高吸水性ポリマーの目付け量は、当該吸収体4の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概にはいえないが、50~350g/mとすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/mを超えると、効果が飽和するばかりでなく、高吸水性ポリマーの過剰によりジャリジャリした違和感を与えるようになる。このポリマーの目付量は、後段で詳述するポリマー無配置領域14を除いた領域の目付量である。
前記下層吸収体4A及び上層吸収体4Bはそれぞれ、パルプおよび高吸水性ポリマーの合計重量に対する高吸水性ポリマーの比率が5~90重量%、特に30~70重量%であるのが好ましい。高吸水性ポリマーの比率が5重量%より小さいと、吸水能力が不足するおそれがある。一方、90重量%より大きいと、高吸水性ポリマーのジャリ感(粒子感)が強く感じられ、使用感が低下する。
前記下層吸収体4Aの厚みは、1~10mmが好ましく、前記上層吸収体4Bの厚みは、5~10mmが好ましい。前記厚みは、株式会社尾崎製作所製の定圧厚み測定器デジタルタイプFFD-7によって測定することができる。
前記吸収体4は、形状保持および拡散性向上のために、前記吸収体4の少なくとも肌側面及び非肌側面を、クレープ紙又は不織布などからなるコアラップシート9で覆うのが好ましい。吸収体4を覆うコアラップシート9を設ける場合には、結果的に表面シート3と吸収体4との間にコアラップシート9が介在することになり、前記コアラップシート9がクレープ紙からなる場合には、吸収性に優れる前記コアラップシート9によって体液を速やかに拡散させるとともに、吸収体4に吸収した体液の逆戻りを防止するようになる。前記コアラップシート9は、下層吸収体4A及び上層吸収体4Bを積層した状態で、これらを一体的に囲繞している。
前記吸収体4の両側部には幅方向内側に膨出する曲線形状からなる脚周りカットライン8、8を形成するのが好ましい。前記脚周りカットライン8、8を設けることにより、装着時における脚周りへのフィット性が良好となり、体液の漏れが防止できるとともに、ゴワ付き感が軽減して装着感が向上する。前記脚周りカットライン8、8の長手方向の位置は任意であるが、図1に示されるように、長手方向の中央部に設けるのが好ましい。また、曲線の形状も任意であり、図示例では、円弧状に形成されている。
前記上層吸収体4Bは、幅方向端縁の外形線を、下層吸収体4Aの幅方向端縁の外形線とほぼ一致する位置まで延在させてもよいが、図1~図3に示されるように、下層吸収体4Aの幅方向端縁より内側に位置するように配置するのが好ましい。すなわち、上層吸収体4Bの方が下層吸収体4Aより幅狭に形成するのがよい。具体的には、前記脚周りカットライン8を下層吸収体4Aのみに形成し、この下層吸収体4Aの脚周りカットライン8が最も内側に膨出する部分より幅方向内側に、前記上層吸収体4Bを配置するのが好ましく、特に上層吸収体4Bの幅方向端縁の外形線が尿とりパッド1の長手方向に直線的に延びる形状で形成され、この上層吸収体4Bの幅方向端縁の外形線を、下層吸収体4Aの脚周りカットライン8の内側への最膨出部とほぼ一致する位置に配置するのが好ましい。これにより、吸収体4の両側部にそれぞれ、上層吸収体4Bが配置されず下層吸収体4Aのみからなる薄肉の部分が長手方向に沿って形成されるようになり、脚周りの違和感が軽減し、装着感を良好にすることができる。
〔凹溝〕
前記吸収体4の肌側面には、非肌側に窪むとともに、尿とりパッド1の長手方向に延びる凹溝10が形成されている。また、前記凹溝10内の側面及び底面に沿って、親水性の液透過性シートからなる凹溝変形抑制シート11が配設されている。
前記上層吸収体4Bは、図1に示されるように、尿とりパッド1の幅方向中央で幅方向に離隔して左右にそれぞれ長手方向に沿って配置されている。つまり、前記上層吸収体4Bは、左右に離隔してそれぞれ長手方向に沿って配設された2条の帯状部材からなり、下層吸収体4Aの幅方向中央で所定の幅で左右に離隔して配置されている。一方、下層吸収体4Aは、尿とりパッド1のほぼ全体に亘ってほぼ均等な厚みで設けられている。
この左右の上層吸収体4B、4Bの離隔部によって、尿とりパッド1の幅方向中央部に長手方向に延びるとともに、非肌側に窪む略長方形状の断面形状からなる凹溝10が形成されている。このため、前記凹溝10は、吸収体4の長手方向の全長に亘って形成されるようになる。このように、前記凹溝10は、圧搾によることなく、上層吸収体4Bを幅方向に離隔して配置することにより形成されているため、凹溝10の底部や側部で綿状パルプが圧密化されることなく他の領域とほぼ同等の密度を有している。
前記凹溝10の両側部は、左右の上層吸収体4B、4Bによって構成され、前記凹溝10の底部は、左右の上層吸収体4B、4Bの離隔部から臨む下層吸収体4Aによって構成されている。
また、図示しないが、前記上層吸収体4Bは、幅方向中央で幅方向に離隔して配置された2条の帯状部材からなる構成に代えて、連続する1枚のシート部材からなり、幅方向中央に長手方向に延びる、表裏を貫通するスリット又は開口が、長手方向中間部に設けられる構成としてもよい。これによって、前記凹溝10は、吸収体4の長手方向端縁まで達しない長手方向の中間部に形成されるようになる。
前記凹溝10の寸法としては、図1及び図2に示されるように、幅Aが、10~30mmとするのが好ましく、深さBが5~10mmとするのが好ましい。前記深さBは、前記上層吸収体4Bの厚みとほぼ同等である。
前記凹溝変形抑制シート11は、前記凹溝10において、各上層吸収体4B、4Bの側面、及び前記上層吸収体4B、4Bの離隔部から臨む下層吸収体4Aの上面に沿って配設されている。すなわち、図2及び図3に示される断面視において、凹溝変形抑制シート11は、凹溝10の非肌側に窪む窪み形状に沿って配設されている。
前記凹溝変形抑制シート11は、少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、接着剤が全面塗布された側面接着剤層12によって上層吸収体4Bの側面と接合されるとともに、接着剤が間欠塗布された底面接着剤層13によって下層吸収体4Aの上面と接合されている。前記着用者の股間部に対応する領域とは、着用者の排尿口部を含む長手区間であって、尿とりパッド1の長手方向中央部を含むとともに、吸収体4の両側部に形成された脚周りカットライン8、8を含む長手区間である。
前記側面接着剤層12は、ホットメルト接着剤などの接着剤がスプレー塗工、ロール塗工などによって、ほぼ隙間なく全面塗布されてなるものである。したがって、この側面接着剤層12が設けられた凹溝10の側面は、接着剤の液不透過性により、体液が透過できないようになっている。
前記側面接着剤層12は、少なくとも着用者の股間部に対応する長手区間に設けられている。前記側面接着剤層12は、着用者の股間部に対応する長手区間のみに設け、その前後部には設けないようにしてもよいし、凹溝10の全長に亘って設けてもよい。図1に示される実施形態例では、前記側面接着剤層12が凹溝10の全長に亘って設けられており、具体的には、図中のX1の区間であって、凹溝10が吸収体4の全長に亘って設けられているため、側面接着剤層12も吸収体4の全長に亘って設けられている。
前記底面接着剤層13は、ホットメルト接着剤などの接着剤がスパイラル塗工、線状塗工、ドット塗工などによって、塗布部と非塗布部とが混在してなるものである。したがって、この底面接着剤層13が設けられた凹溝10の底面では、前記塗布部では接着剤の液不透過性により体液の透過が妨げられるため、前記非塗布部を通じて体液が透過するようになっている。
前記底面接着剤層13は、凹溝10の全長に亘って設けるのが好ましい。図1に示される実施形態例では、凹溝10が吸収体4の全長に亘って設けられているため、底面接着剤層13も吸収体4の全長に亘って設けられている。少なくとも底面接着剤層13が凹溝10の全長に亘って設けられていれば、凹溝変形抑制シート11が凹溝10の全長に亘って側面及び底面に沿って配置された状態が維持できるようになる。
更に、本尿とりパッド1では、図2及び図3に示されるように、少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝10の底部の吸収体4(下層吸収体4A)が、高吸水性ポリマーの存在しないポリマー無配置領域14とされている。前記ポリマー無配置領域14は、下層吸収体4Aのうち、凹溝10の底部に存在する部分に設けられている。前記ポリマー無配置領域14では、綿状パルプのみで構成され、高吸水性ポリマーが存在していない。高吸水性ポリマーが存在しないとは、高吸水性ポリマーが全く存在しないか、それ以外の領域と比較して極端に小さな割合、例えば1/10以下、好ましくは1/20以下で存在している場合も含む概念である。前記ポリマー無配置領域14の幅は、前記凹溝10の幅とほぼ同等又は若干幅広とするのが好ましく、具体的には、凹溝10の幅に対して、1~1.3倍程度の幅で形成するのがよい。高さは下層吸収体4Aの厚み全体に形成するのがよい。
前記ポリマー無配置領域14は、少なくとも着用者の股間部に対応する長手区間に形成されていればよいが、股間部に対応する長手区間より長い区間に形成するのが好ましく、吸収体4の全長に亘って形成するのがより好ましい。
前記ポリマー無配置領域14は、下層吸収体4Aのうち凹溝10の底部に対応する部分のみに設けられ、前記ポリマー無配置領域14の両側には、高吸水性ポリマーを配置するのが好ましい。これにより、体液がポリマー無配置領域14に沿って拡散する過程で、幅方向にも拡散して、随時両側に存在する高吸水性ポリマーに吸水・保持されるようになる。
このように、本尿とりパッド1では、凹溝10の側面に設けられた側面接着剤層12が所定領域に接着剤を全面塗布してなるため、凹溝10に流入した体液が、凹溝10の側面からは吸収体4に移行しにくく、接着剤が間欠塗布された凹溝10の底面を通じて吸収体4に移行するようになる。このため、繰り返し体液を吸収しても、凹溝10の側部に存在する吸収体4の高吸水性ポリマーが吸水して膨潤することにより、凹溝10の側面が膨出して凹溝10の幅が狭くなるのが防止でき、凹溝10の形状が維持できる。
また、凹溝10の底部の吸収体4(下層吸収体4A)が、ポリマー無配置領域14となっているため、前記凹溝10の底面を通じて吸収体4に移行した体液が、前記ポリマー無配置領域14に沿って前後方向に拡散しやすくなっている。これによって、繰り返し体液を吸収しても凹溝10に体液が溢れるのが防止できるとともに、体液の逆戻りを抑えることができるようになる。
更に、前記凹溝10は、吸収体4の圧搾によって形成したものではなく、吸収体4を配置しない部分を設けることにより形成したものであるため、凹溝10の底部が圧縮されて圧密化されておらず、凹溝10内に流入した体液が凹溝10の底部に存在する吸収体4に浸透しやすくなっている。
また、上記形態例では、吸収体4が下層吸収体4Aと上層吸収体4Bの2層構造からなるため、上層吸収体4Bを幅方向に離隔して左右にそれぞれ長手方向に沿って配置することにより前記凹溝10を簡単に形成することができるとともに、下層吸収体4Aを積繊する際に、凹溝10の底部に相当する部分の綿状パルプに高吸水性ポリマーを混入しないことにより、前記ポリマー無配置領域14を簡単に形成することができるようになる。
図1~図3に示される実施形態例では、前記凹溝10を覆う凹溝変形抑制シート11は、吸収体4を囲繞するコアラップシート9によって構成されている。このように、コアラップシート9が凹溝変形抑制シート11を兼用することによって、シートを別途設ける必要がなく、尿とりパッド1の厚みを薄くできるとともに、資材コストを抑えることができるようになる。このとき、前記コアラップシート9として、クレープ紙では凹溝10の側部や底部が膨出した際に、膨出を抑制するのに充分な張力がないため、親水性の不織布を用いるのが好ましい。
また、他の実施形態例として、図4~図6に示されるように、前記凹溝変形抑制シート11は、吸収体4を囲繞するコアラップシート9とは別に、親水性の液透過性シートを用いることができる。前記凹溝変形抑制シート11は、凹溝10の両側に延在する上層吸収体4Bが配置された幅内に設けるのが好ましい。また、図4~図6に示される実施形態例では、前記凹溝変形抑制シート11は、吸収体4のほぼ全長に亘って配置されている。前記凹溝変形抑制シート11は、吸収体4を囲繞するコアラップシート9の内側、すなわち吸収体4とコアラップシート9との間に配設されている。前記凹溝変形抑制シート11は、吸収体4の肌側面、好ましくは上層吸収体4Bの肌側面に配設され、吸収体4の側部や非肌側面には配設されていない。前記凹溝変形抑制シート11は、凹溝10内において、凹溝10に沿って配置されるとともに、前記側面接着剤層12及び底面接着剤層13によって凹溝10の側面及び底面に接合されている。一方、コアラップシート9は、吸収体4の肌側面において、凹溝変形抑制シート11の肌側に隣接して配置されるとともに、凹溝10において凹溝変形抑制シート11との間に空間部を形成しながら、凹溝10の上面に配置されている。このように、凹溝10の上面にコアラップシート9を配置することにより、凹溝10内に溜まった体液が表面に逆戻りしにくくなる。
図4~図6に示される実施形態例では、前記側面接着剤層12は、着用者の股間部に対応する長手区間X2のみに設けられ(図5)、その前後部(前記長手区間X2より長手方向の外方側の区間)には設けられていない(図6)。このように、着用者の股間部に対応する長手区間X2のみに側面接着剤層12を設けることにより、少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、凹溝10の側面が膨出するのが抑えられ、繰り返し体液を吸収しても凹溝10の形状が維持できるようになる。一方、着用者の股間部に対応する長手区間X2より長手方向の外方側では、凹溝10内を流れた体液が、凹溝10の底面及び側面から吸収体4に移行できるため、吸収速度が向上でき、逆戻りが生じにくくなる。
このように、側面接着剤層12を着用者の股間部に対応する長手区間X2のみに設ける場合、前記ポリマー無配置領域14も同様に、着用者の股間部に対応する長手区間X2のみに設け、その前後部では、前記凹溝10の底部の吸収体4にも高吸水性ポリマーを配置するのが好ましい。これにより、ポリマー無配置領域14に沿って長手方向に拡散した体液が、長手方向の端部で高吸水性ポリマーに吸水され保持されるため、長手方向の端部からの漏れが防止できるようになる。
前記凹溝変形抑制シート11をコアラップシート9とは別のシートで形成する場合において、図7~図9に示されるように、凹溝変形抑制シート11は、着用者の股間部に対応する長手区間X2のみに配置し、その前後部には配置しないようにしてもよい。これにより、着用者の股間部に対応する長手区間X2における凹溝10の形状が維持できるようになるとともに、資材コストが低減できる。また、図9に示されるように、前記凹溝変形抑制シート11の配置領域以外の領域では、凹溝10に沿ってシートが配置されないため、凹溝10内に接着剤を塗布する必要がなく、接着剤の使用量も低減できる。
また、他の実施形態例として、図10に示されるように、少なくとも着用者の股間部に対応する長手区間に、前記凹溝変形抑制シート11と吸収体4の肌側面とを接合する上面接着剤層15を設けることができる。前記上面接着剤層15は、スパイラル塗工、線状塗工、ドット塗工などのように、接着剤の塗布部と非塗布部とが混在する接着剤が間欠塗布されて成るものである。
前記上面接着剤層15は、単位面積当たりの前記塗布部の面積の割合である接着剤の塗布面積比率が、全面に亘ってほぼ一定としてもよいが、幅方向に異なるようにするのが好ましい。具体的には、吸収体4の幅方向端部に塗布された接着剤の塗布面積比率より、前記凹溝10の近傍に塗布された接着剤の塗布面積比率の方が高くするのが好ましい。すなわち、吸収体4の平面視で、凹溝10から離れた位置より凹溝10の近傍の方が、相対的に接着剤の塗布部の面積割合が大きくなるように形成するのが好ましい。これにより、凹溝10の近傍において、上層吸収体4Bの上面から体液が浸透するのが防止でき、凹溝10の側部に存在する高吸水性ポリマーが吸水して膨潤することにより、凹溝10の側面が内側に膨出するのが抑えられる。前記上面接着剤層15は、凹溝10近傍における接着剤の塗布面積比率が、50~90%、好ましくは70~80%とするのがよく、吸収体4の幅方向端部における接着剤の塗布面積比率が、5~40%、好ましくは10~30%とするのがよい。
また、図11に示されるように、吸収体4の横断面視で、吸収体4の肌側面を、幅方向両端部から前記凹溝10に向けて非肌側に傾斜する断面形状で形成するのが好ましい。つまり、幅方向両端部の吸収体4の高さが相対的に高く、前記凹溝10近傍の吸収体4の高さが相対的に低くなる傾斜状の断面形状で形成するのが好ましい。これにより、吸収体4の肌側面を流れる体液が凹溝10に流れ込みやすくなり、吸収体4の両側からの漏れが防止できるようになる。
前記吸収体4の平面形状は、図1に示される例では、略長方形で両側部に脚周りカットライン8が形成された形状としたが、図12に示されるように、略楕円形又は略長円形で両側部に脚周りカットライン8が形成された形状としてもよい。いずれの場合も、長手方向の端部域で吸収体4を幅広の形状にすることによって、この端部域における吸収体4の吸収容量が増大し、より多くの体液が吸収・保持できるようになる。
次いで、尿とりパッド1の製造方法のうち、前記凹溝10に凹溝変形抑制シート11を接合する工程について詳細に説明する。その他の工程については、通常の尿とりパッドと同様の方法で製造できる。前記凹溝10に凹溝変形抑制シート11を接合するには、吸収体4の凹溝内に直接接着剤を塗布した後、凹溝変形抑制シート11を配設するか、予め凹溝変形抑制シート11の所定の領域に接着剤を塗布しておき、これを凹溝に沿って配設することにより行う。
〔他の形態例〕
上記形態例では、吸収体4が下層吸収体4Aと上層吸収体4Bの2層構造で形成されていたが、1層構造としてもよい。1層構造の場合、前記凹溝10は、長手方向に延びる非積繊部を設けることによって形成できる。
1…尿とりパッド、2…防漏シート、3…表面シート、4…吸収体、5…外装シート、6…サイドシート、7…糸状弾性伸縮部材、8…脚周りカットライン、9…コアラップシート、10…凹溝、11…凹溝変形抑制シート、12…側面接着剤層、13…底面接着剤層、14…ポリマー無配置領域、15…上面接着剤層

Claims (6)

  1. 吸収体を備えた吸収性物品であって、
    前記吸収体の肌側面に吸収性物品の長手方向に延びる凹溝が形成されるとともに、前記凹溝内の側面及び底面に沿って、凹溝変形抑制シートが配設されており、
    前記凹溝変形抑制シートは、前記吸収体を囲繞するコアラップシートの内側に配設された親水性の液透過性シートからなり、
    少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝変形抑制シートと前記凹溝の側面とを接合する側面接着剤層が設けられるとともに、前記凹溝変形抑制シートと前記凹溝の底面とを接合する底面接着剤層が設けられ、前記側面接着剤層は接着剤が前記凹溝の側面に全面塗布されて成るとともに、前記底面接着剤層は接着剤が前記凹溝の底面に間欠塗布されて成り、
    少なくとも着用者の股間部に対応する領域において、前記凹溝の底部の吸収体が、高吸水性ポリマーの存在しないポリマー無配置領域とされていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記吸収体が、下層吸収体と、前記下層吸収体の肌側に隣接して配置された上層吸収体とからなり、
    前記上層吸収体が、吸収性物品の幅方向中央で幅方向に離隔して左右にそれぞれ長手方向に沿って配置され、前記凹溝の両側部が前記上層吸収体によって形成されるとともに、前記凹溝の底部が前記下層吸収体によって形成されている請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記凹溝変形抑制シートは、吸収体の全長に亘って配設されるか、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ配設され、その前後部には配設されていない請求項1、2いずれかに記載の吸収性物品。
  4. 前記側面接着剤層は、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設けられ、その前後部には設けられていない請求項1~3いずれかに記載の吸収性物品。
  5. 着用者の股間部に対応する長手区間に、前記凹溝変形抑制シートと前記吸収体の肌側面とを接合する上面接着剤層が設けられ、
    前記上面接着剤層は、接着剤が間欠塗布されて成るとともに、前記吸収体の幅方向端部に塗布された接着剤の塗布面積比率より、前記凹溝近傍に塗布された接着剤の塗布面積比率の方が高く設定されている請求項1~4いずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記ポリマー無配置領域は、前記吸収体の全長に亘って設けられるか、着用者の股間部に対応する長手区間にのみ設けられ、その前後部には設けられていない請求項1~5いずれかに記載の吸収性物品。
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