JP7234715B2 - 液圧制御装置 - Google Patents

液圧制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7234715B2
JP7234715B2 JP2019048689A JP2019048689A JP7234715B2 JP 7234715 B2 JP7234715 B2 JP 7234715B2 JP 2019048689 A JP2019048689 A JP 2019048689A JP 2019048689 A JP2019048689 A JP 2019048689A JP 7234715 B2 JP7234715 B2 JP 7234715B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
coil
current
control current
control circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019048689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020147238A (ja
Inventor
隆 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Advics Co Ltd
Original Assignee
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Advics Co Ltd filed Critical Advics Co Ltd
Priority to JP2019048689A priority Critical patent/JP7234715B2/ja
Publication of JP2020147238A publication Critical patent/JP2020147238A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7234715B2 publication Critical patent/JP7234715B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Braking Systems And Boosters (AREA)
  • Valves And Accessory Devices For Braking Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Magnetically Actuated Valves (AREA)

Description

本発明は、リニアソレノイドバルブを備えた液圧制御装置に関する。
電磁弁を制御することで液圧及び制動力を制御する液圧制御装置には、冗長化のためにソレノイドを構成するコイルに2重コイルを採用するものがある。例えば特開2007-157830号公報には、2重コイルを有する電磁弁に対して、閉弁状態から開弁させる際には双方のコイルに通電し、開弁状態を維持する際には一方のみに通電する制御装置が記載されている。この構成によれば、一方の系統が故障しても、他方の系統により電磁弁の制御が可能となる。
特開2007-157830号公報
上記制御装置は、電磁弁の作動時に強い電磁力が必要なオンオフ弁であって、細やかな制御を必要としない電磁弁を制御対象としている。したがって、上記制御装置をリニアソレノイドバルブに対して適用することは困難である。そこで、本発明者は、細やかな制御を必要とするリニアソレノイドバルブに対して、冗長化と細やかな制御との両立を実現させることを新たな課題とし、本発明を完成させた。
本発明は、このような事情に鑑みて為されたものであり、冗長化と細やかな制御との両立が可能な液圧制動装置を提供することを目的とする。
本発明の液圧制御装置は、車両に液圧に基づく制動力を発生させる車両用制動装置に設けられた、前記液圧を制御するための液圧制御装置であって、電磁力の作用により駆動可能な弁体、通電により前記弁体に作用する電磁力を発生させる第1コイル、及び前記第1コイルとは別個の導線で構成され通電により前記弁体に作用する電磁力を発生させる第2コイルを有するリニアソレノイドバルブと、前記第1コイルに流れる電流である第1制御電流及び前記第2コイルに流れる電流である第2制御電流の少なくとも一方を制御することで、前記リニアソレノイドバルブの作動を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記リニアソレノイドバルブを作動させるにあたり、前記第2制御電流を変化させずに前記第1制御電流を増大側及び減少側の一方側に徐々に変化させ、前記第1制御電流が所定値になった後に、前記第2制御電流を前記一方側に変化させる特定制御を実行するものであり、前記制御部は、前記第1制御電流をデューティ比制御可能に構成された第1制御回路と、前記第1制御回路とは別個に設けられ、前記第2制御電流をオンオフ制御可能に構成された第2制御回路と、前記第1制御回路及び前記第2制御回路に制御信号を出力する信号出力部と、を備え、前記信号出力部は、前記特定制御において、前記第1制御回路によりデューティ比制御を実行し、前記第2制御回路によりオンオフ制御を実行する
本発明によれば、制御部が独立した2つのコイルの少なくとも一方に流れる制御電流を制御することでソレノイドバルブが作動するため、一方のコイルが失陥した場合でも他方のコイルで電磁力を発生させることができる。つまり、本発明によれば、液圧制御に対する冗長化が実現される。また、第1制御電流を増大側又は減少側の一方側に徐々に変化させた後、第2制御電流を当該一方側に変化させることで、第2制御電流による全体の制御電流の嵩上げ効果又は嵩下げ(足切り)効果を利用することができる。これにより、コイル全体に対して、高い分解能で制御電流(すなわち電磁力)を制御することができる。つまり、本発明によれば冗長化と細やかな制御との両立が可能となる。
本実施形態の車両用制動装置の構成図である。 本実施形態の差圧制御弁の構成図である。 本実施形態のコイルの状態を説明するための概念図である。 本実施形態の接続状態を説明するための概念図である。 本実施形態の接続状態の別例を説明するための概念図である。 本実施形態の特定制御を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の特定制御のその他の例を説明するためのタイムチャートである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。説明に用いる各図は概念図である。図1に示すように、本実施形態の液圧制御装置1は、車両用制動装置100に組み込まれている。具体的に、車両用制動装置100は、ブレーキペダル11と、倍力装置12と、マスタシリンダ13と、リザーバ14、ブレーキスイッチ15と、ストロークセンサ16と、アクチュエータ5と、液圧制御装置1と、を備えている。
液圧制御装置1は、車両に液圧に基づく制動力を発生させる車両用制動装置100に設けられた、当該液圧を制御するための装置である。液圧制御装置1は、アクチュエータ5の差圧制御弁51と、ブレーキECU6と、を備えている。以下、車両用制動装置100の各部について簡単に説明し、その後、液圧制御装置1について詳細に説明する。
ブレーキペダル11は、ドライバがブレーキ操作可能な操作部材である。ブレーキスイッチ15は、ブレーキペダル11に対する操作の有無を検出するセンサである。ストロークセンサ16は、ブレーキペダル11のストローク(操作量)を検出するセンサである。ブレーキスイッチ15及びストロークセンサ16は、検出信号をブレーキECU6に出力する。倍力装置12は、例えばエンジンの吸気負圧を利用してブレーキ操作力を助勢するバキュームブースタである。
マスタシリンダ13は、ブレーキペダル11の操作に応じたマスタ圧を発生させる装置である。リザーバ14は、フルードを貯蔵し、マスタシリンダ13に当該フルードを補給するための部材である。
アクチュエータ5は、マスタシリンダ13から供給されるマスタ圧に基づいて、ホイールシリンダ54の液圧(以下「ホイール圧」という)を調整する装置である。アクチュエータ5は、マスタシリンダ13とホイールシリンダ54との間に配置されている。アクチュエータ5は、ブレーキECU6の指示に応じて、ホイール圧を調整する。ホイール圧に応じて、各車輪Wf、Wrに設けられた例えばディスクブレーキ装置又はドラムブレーキ装置(図示略)が駆動し、各車輪Wf、Wrに制動力が発生する。
アクチュエータ5は、ブレーキECU6の指示に応じて、ホイール圧をマスタ圧と同レベルにする増圧制御、ホイール圧をマスタ圧よりも高くする加圧制御、ホイール圧を減圧する減圧制御、又はホイール圧を保持する保持制御を実行する。アクチュエータ5は、ブレーキECU6の指示に基づき、例えば、アンチスキッド制御(又はABS制御とも呼ばれる)、又は横滑り防止制御(ESC制御)等を実行する。
詳細に、アクチュエータ5は、油圧回路5Aと、モータ70と、を備えている。油圧回路5Aは、第1配管系統50aと、第2配管系統50bと、を備えている。また、各車輪Wf、Wrに対して、車輪速度センサ73が設置されている。
第1配管系統50aは、流路Aと、差圧制御弁51と、保持弁52と、減圧流路Bと、減圧弁53と、調圧リザーバ56と、還流流路Cと、ポンプ57と、補助流路Dと、圧力センサ71と、を備えている。なお、説明において、「流路」の用語は、例えば液圧路、油路、管路、通路、又は配管等の用語に置換可能である。流路Aは、(流路17を介して)マスタシリンダ13とホイールシリンダ54とを接続する流路である。
差圧制御弁51は、流路Aに設けられたノーマルオープン型のリニアソレノイドバルブである。差圧制御弁51は、印加された制御電流の大きさ及びポンプ57の駆動に基づき、自身のマスタシリンダ13側の流路の液圧よりも自身のホイールシリンダ54側の流路の液圧を高くする。つまり、差圧制御弁51は、マスタ圧とホイール圧との差圧を調整可能な電磁弁である。差圧制御弁51の構成については後述する。
保持弁52は、流路Aに配置され、ブレーキECU6により開閉が制御されるノーマルオープン型の電磁弁である。減圧流路Bは、流路Aにおける保持弁52とホイールシリンダ54との間の部分と調圧リザーバ56とを接続する流路で構成されている。
減圧弁53は、減圧流路Bに配置され、ブレーキECU6により開閉が制御されるノーマルクローズ型の電磁弁である。調圧リザーバ56は、シリンダ、ピストン、及び付勢部材を有する、いわゆる低圧リザーバである。還流流路Cは、減圧流路B及び調圧リザーバ56と、分岐点Xとを接続する流路である。分岐点Xは、流路Aにおける差圧制御弁51と保持弁52との間の部分である。
ポンプ57は、モータ70の回転に応じて駆動し、モータ70の正方向の回転によりフルードを吸入ポート571から吸入し吐出ポート572から吐出する装置である。ポンプ57は、還流流路Cに設けられている。吸入ポート571は、還流流路Cにおける調圧リザーバ56及び減圧流路B側の部分に接続されている。吐出ポート572は、還流流路Cにおける分岐点X側の部分に接続されている。ポンプ57は、モータ70の回転により、フルードを、調圧リザーバ56から吸入し、分岐点Xに吐出する。
補助流路Dは、調圧リザーバ56の調圧孔56aと、流路Aにおける差圧制御弁51よりもマスタシリンダ13側の部分とを接続する流路である。調圧リザーバ56は、ストローク増加による調圧孔56aへのフルードの流入量増加に伴い、弁孔56bが閉塞されるように構成されている。弁孔56bの流路B、C側にはリザーバ室56cが形成される。圧力センサ71は、マスタ圧を検出するセンサである。圧力センサ71は、ブレーキECU6に検出結果を送信する。第2配管系統50bは、第1配管系統50aと同様の構成であるため、説明は省略する。
ブレーキECU6は、CPUやメモリ等を備える電子制御ユニットである。ブレーキECU6には、通信線(図示略)により、ブレーキスイッチ15、ストロークセンサ16、圧力センサ71、及び車輪速度センサ73等の各種センサが接続されている。ブレーキECU6は、これら各種センサの検出結果に基づき、アクチュエータ5の作動が必要か否かを判定する。ブレーキECU6は、差圧制御弁51、保持弁52、減圧弁53、及びモータ70を制御することでホイール圧を制御する。例えば、ブレーキECU6は、差圧制御弁51に目標差圧に応じた制御電流を印加するとともに、ポンプ57を駆動させることで、ホイール圧をマスタ圧よりも高圧に制御する。
(リニアソレノイドバルブ)
ここで、差圧制御弁51の構成について説明する。図2に示すように、リニアソレノイドバルブである差圧制御弁51は、ガイド部材90と、弁体91と、弁座92と、第1コイル93と、第2コイル94と、スプリング95と、を備えている。ガイド部材90は、弁体91の移動をガイドする筒状の部材である。
弁体91は、電磁力の作用により駆動可能な部材である。詳細に、弁体91は、磁性体で形成されたプランジャ911と、非磁性体で形成されたシャフト912と、弁座92に当接する当接部913と、を備えている。プランジャ911は、ガイド部材90の軸方向一端側に配置され、電磁力の作用により駆動する。シャフト912は、プランジャから軸方向他方側に延び、プランジャ911と当接部913とを接続している。シャフト912には、軸方向に延びる複数の溝が形成されている。
弁座92は、弁体91との当接によりリニアソレノイドバルブを閉弁し、弁体91との離間によりリニアソレノイドバルブを開弁する部材である。詳細に、弁座92は、底面部分に貫通孔921が形成された有底筒状の部材である。弁座92の軸方向一端部が底面部分及び貫通孔921を構成している。弁座92は、ガイド部材90の軸方向他端側に配置されている。弁座92と弁体91(当接部913)とが当接することで、貫通孔921が閉鎖され、両者が離間することで貫通孔921が開口される。
第1コイル93及び第2コイル94は、それぞれ、通電により弁体91(プランジャ911)に作用する電磁力を発生させるコイル部材である。第2コイル94は、第1コイル93とは別個の導線で構成されている。第1コイル93及び第2コイル94は、ボビン96及びスリーブ97介して、ガイド部材90の外周側のプランジャ911に対応する位置に取り付けられている。
第1コイル93及び第2コイル94は、整列巻き(完全整列巻き)により形成されている。つまり、図3に示すように、第1コイル93及び第2コイル94は、弁体91の軸方向に平行な平面で切断した断面において、第1コイル93を構成する第1導線931と、第2コイル94を構成する第2導線941とが隣り合うように(軸方向に交互に並ぶように)、ボビン96に配置されている。第1コイル93の巻き数は、第2コイル94の巻き数と同等である。
スプリング95は、弁体91と弁座92との間に配置され、弁体91を弁座92から離れる方向(軸方向一方側)に付勢する付勢部材である。例えば第1コイル93及び第2コイル94が非通電状態である場合、スプリング95により、弁体91と弁座92とは離間され、貫通孔921が開口状態となる。
また、ガイド部材90には、当接部913の配置位置に対応する部位に、弁体91を収容する第1室901と、外部流路(ここではマスタシリンダ13側の流路A)とを連通させるための第1開口部98が設けられている。第1室901は、ガイド部材90の内部空間のうち、弁座92の底面部分よりも軸方向一方側の内部空間といえる。詳細に、第1室901は、当接部913とガイド部材90と弁座92とで区画された部分901aと、プランジャ911とガイド部材90の軸方向一端部とスリーブ97とで区画された部分901bと、を含んでいる。2つの部分901a、901bは、上記したシャフト912の溝により連通されている。
また、ガイド部材90の軸方向他端部には、弁座92を収容する第2室902と、外部流路(ここではホイールシリンダ54側の流路A)とを連通させるための第2開口部99が設けられている。第2室902は、主に弁座92の内面で区画されている。なお、リニアソレノイドバルブの軸方向他端部には、逆止弁903が配置されている。
この構成では、第1コイル93及び第2コイル94の少なくとも一方が通電されると、発生した電磁力により、弁体91から弁座92に向かう方向(軸方向他方側)の力(推進力)が弁体91に作用する。この電磁力による推進力は、第1コイル93及び第2コイル94に流れる電流が大きいほど大きくなる。電磁力による推進力が、スプリング95による付勢力を上回ると、弁体91は弁座92に向けて移動する。
弁体91が弁座92に当接(着座)して、リニアソレノイドバルブが閉弁されると、第1室901の液圧(以下「第1液圧」とする)と第2室902の液圧(以下「第2液圧」とする)との差圧に応じた力が弁体91に加わる。第2液圧が第1液圧より高い場合、差圧に応じた力は、弁体91を弁座92から離す方向(軸方向一方側)に作用する。この差圧に応じた力とスプリング95による付勢力との合力と、電磁力による推進力との差に応じて、弁体91は、弁座92に対して着座又は離座する。
このように、電磁力すなわち第1コイル93及び第2コイル94に流れる制御電流を制御することで、第1液圧と第2液圧との差圧(第1液圧<第2液圧)の制御が可能となる。本実施形態では、第1液圧がマスタ圧に対応し、第2液圧がホイール圧に対応する。
(特定制御)
ブレーキECU6は、第1コイル93に流れる電流である第1制御電流及び第2コイル94に流れる電流である第2制御電流の少なくとも一方を制御することで、差圧制御弁51の作動を制御する制御部61を備えている。制御部61は、差圧制御弁51を作動させるにあたり、第2制御電流を変化させずに第1制御電流を増大側及び減少側の一方側に徐々に変化させ、第1制御電流が所定値になった後に、第2制御電流を当該一方側に変化させる特定制御を実行する。「第1制御電流を徐々に変化させる」とは、例えば、第1制御電流をリニアに(線形的に)又は多数の階段状に変化させることである。また、特定制御において、第2制御電流の変化の向きは、第1制御電流の変化の向きと同じである。換言すると、電流を増大させる特定制御は、第2制御電流を変化させずに第1制御電流を増大側に徐々に変化させ、第1制御電流が所定値になった後に、第2制御電流を増大側に変化させる制御である。また、電流を減少させる特定制御は、第2制御電流を変化させずに第1制御電流を減少側に徐々に変化させ、第1制御電流が所定値になった後に、第2制御電流を減少側に変化させる制御である。
より詳細に、制御部61は、第1制御回路611と、第2制御回路612と、信号出力部613と、を備えている。第1制御回路611は、第1制御電流をデューティ比制御可能に構成されている。第2制御回路612は、第2制御電流をオンオフ制御可能に構成されている。なお、本実施形態の第2制御回路612は、第1制御回路611同様、第2制御電流に対してデューティ比制御可能に構成されている。なお、デューティ比制御は、PWM制御やデューティ制御とも呼ばれる。
第1制御回路611は、特定制御において第1制御電流をデューティ比制御により制御する。第2制御回路612は、第1制御回路611とは別個に設けられ、特定制御において第2制御電流をオンオフ制御により制御する。すなわち、第2制御回路612は、第2制御電流をデューティ比100%で出力するか、又は出力しない。本明細書ではデューティ比を%で表示する。なお、制御電流をデューティ比制御可能な回路は、公知の回路を採用でき、例えば、スイッチング素子(半導体素子)、コイル、及びコイルに並列接続されたダイオード等(図示略)により構成される。同様に、制御電流をオンオフ制御可能な回路は、公知の回路を採用でき、例えばスイッチング素子及びコイル等により構成される。
信号出力部613は、第1制御回路611及び第2制御回路612に制御信号を出力する。信号出力部613は、第1制御回路611のスイッチング素子及び第2制御回路612のスイッチング素子に、スイッチング素子のオンオフを切り替えるための制御信号を印加する。
また、図4に示すように、第1制御回路611と第1コイル93とを接続するライン81、及び第2制御回路612と第2コイル94とを接続するライン82には、4路スイッチ83が設けられている。4路スイッチ83は、第1制御回路611の接続先を第1コイル93から第2コイル94に切り替えるとともに、第2制御回路612の接続先を第2コイル94から第1コイル93に切り替えることができる。4路スイッチ83は、その逆の切り替えも可能である。ブレーキECU6は、4路スイッチ83を制御し、各制御回路611、612の接続先を制御することができる。なお、信号出力部613は、例えば図5に示す信号出力部613A、613Bのように、第1制御回路611及び第2制御回路612に対して、それぞれ独立に配置されてもよい。
本実施形態の差圧制御弁51はノーマルオープン型のリニアソレノイドバルブであって、印加される制御電流が高くなるほど、発生可能な差圧すなわちホイール圧が大きくなる。差圧制御弁51に対して設定される使用電流範囲内において、制御電流をリニアに制御できることで、差圧すなわちホイール圧をより細やかに制御することができる。ブレーキECU6は、アクチュエータ5の作動が要求された際、目標ホイール圧に応じて差圧制御弁51の目標差圧を設定し、目標差圧に応じた制御電流を特定制御により差圧制御弁51に印加する。
ここで、特定制御の一例を、図6を参照して説明する。ここでは、第1コイル93及び第2コイル94(以下「コイルセット」とも称する)に流れる制御電流をリニアに増大させるケース、すなわち差圧制御弁51の制御差圧をリニアに大きくするケースについて説明する。
制御部61は、差圧制御弁51を作動させるために、特定制御を実行する。すなわち、第1制御回路611は、差圧制御弁51を作動させるための制御(電流印加状態の変更)を開始し、デューティ比制御により、第1コイル93に流す第1制御電流をリニアに増大させていく。この時間t0~t1の間、第2制御回路612は、制御を開始せず、すなわち電流印加状態を変更せず、オフの状態を維持している。これにより、コイルセット93、94に流れる制御電流は、第1制御電流に応じてリニアに増大する。
時間t1において第1制御電流が所定値に達すると、信号出力部613が第2制御回路612のスイッチング素子をオンにし、最大の第2制御電流が第2コイル94に出力される。この例において、所定値は、第1制御電流の最大値(デューティ比100%)の値に設定されている。本実施形態の制御部61(信号出力部613)は、特定制御において、第1制御電流を徐々に増大させる場合、所定値を第1制御電流の最大値に設定する。
また、時間t1の際、信号出力部613は、第1制御回路611を制御して、第1制御電流を0にする。第1制御電流の最大値と第2制御電流の最大値は、同等の値に設定されており、第2制御電流が出力されると同時に第1制御電流が0になることで、理論上、時間t1におけるコイルセット93、94に流れるコイル全体の制御電流は変動しない。
その後、時間t1~t2において、信号出力部613は、第2制御回路612のオンを維持しつつ、第1制御回路611を制御して再度第1制御電流をリニアに増大させる。コイルセット93、94に流れる制御電流は、第2制御電流分だけ嵩上げされた状態で、第1制御電流の変動に応じて変動する。時間t2において、コイルセット93、94に流れる制御電流は最大値となる。特定制御により、コイルセット93、94に流れるコイル全体の制御電流は、0から最大値までリニアに増大する。
本実施形態によれば、第1制御電流を徐々に変化させた後、第2制御電流を変化させることで、第2制御電流による嵩上げ効果を利用でき、コイルセット93、94に対して高い分解能で制御電流(すなわち電磁力)を制御することができる。また、制御部61が2つのコイル93、94の少なくとも一方に流れる制御電流を制御することで差圧制御弁51が作動するため、一方のコイルが失陥した場合でも、他方のコイルにより弁体91を作動させることができる。つまり、液圧制御に対する冗長化が実現される。このように、本実施形態によれば冗長化と細やかな制御との両立が可能となる。
また、制御部61は、2つのコイル93、94に対応して、別個独立して機能する2つの制御回路611、612を備えている。したがって、一方の制御回路が失陥した場合でも、他方の制御回路により一方のコイルに制御電流を印加することができる。
また、所定値が第1制御電流の最大値に設定されているため、コイルセット93、94に流れる制御電流は、使用電流範囲の全域を効率よくリニアに制御することができる。また、本実施形態では、両コイル93、94の巻数は同等であるため、一方のコイルが失陥した場合でも、他方のコイルで一方のコイルと同等の力を発揮させることができる。また、この構成によれば、特定制御で第2制御電流の制御を開始した際、段差が発生することが抑制される。
本実施形態によれば、例えば使用電流範囲に対して16ビットの分解能を発揮させたい場合、第1制御回路611による分解能を8ビットに設定し、第2制御回路612による分解能を1ビット(オン/オフ)に設定することで足りる。つまり、合計9ビットの制御能力で、16ビットの制御能力を発揮できる。これにより、制御負荷を低減させることができ、制御回路の発熱を抑制することができる。あるいは、第1制御回路611の分解能を上げることで、全体の分解能を上げることもできる。
また、一方の制御回路は、オンオフ制御可能に構成されていればよい。つまり、一方の制御回路は、デューティ比制御可能な回路でなくてよいため、回路の簡素化及びコスト抑制の効果がある。なお、本実施形態のように、両方の制御回路611、612がデューティ比制御可能に構成されていることで、一方の制御回路が失陥した場合でも、一方のコイルに対してデューティ比制御を実行することができる。
また、第2制御回路612がオンオフ制御のみ可能な回路であった場合に、第1コイル93が失陥したとしても、4路スイッチ83を利用することで、第2コイル94と第1制御回路611とを接続させることができる。これにより、第2コイル94に対してデューティ比制御を実行することができる。
また、本実施形態のようにコイルを2系統にすることで、1導線あたりのインダクタンスは低減し、通電時の電流上昇が相対的に早くなり、応答性(制御性)を向上させることができる。また、この構成により、デューティ比制御時の基準サイクルを短くすることができる。
また、第1コイル93と第2コイル94とが整列巻き状態で配置されているため、2つのコイル93、94を2層に分けるための敷居が不要となり、線積率の向上が可能となり、小型化も可能となる。また、整列巻きにより、コイルを2線同時に形成する(巻く)ことができ、容易且つ確実に巻数を同等にすることができる。また、一方のみのコイルに制御電流が印加されている状態では、他方のコイルが冷却部材(熱容量)となり、コイルの温度上昇を抑制することができる。
(その他)
本発明は、上記実施形態に限られない。例えば、制御対象のリニアソレノイドバルブのタイプは、差圧制御弁51のようなノーマルオープン型に限らず、非通電時に閉弁するノーマルクローズ型であってもよい。また、特定制御は、例えば図7に示すように、第1制御電流及び第2制御電流の両方が最大値で出力している状態から、リニアソレノイドバルブを作動させるにあたり、第2制御電流をオンで維持したまま(すなわち制御せずに)第1制御電流を徐々に減少させ、第1制御電流が所定値になった後に、第2制御電流をオンからオフにしてもよい。これにより、上記同様、コイルセット93、94に対して、リニアで細やかな制御が可能となる。
また、このように特定制御で第1制御電流を徐々に減少させる場合、制御部61(信号出力部613)は、図7に示すように、所定値を第1制御電流の最小値に設定することが好ましい。これにより、使用電流範囲で効率よく制御電流をリニアに制御できる。
また、特定制御で第1制御電流を徐々に増大させる場合、所定値は、第1制御電流の最大値に相当する値(例えばデューティ比90%以上)に設定されてもよい。この所定値を本実施形態に適用した場合、第1制御電流が所定値に達した際に、第1制御電流がオフされ、第2制御電流がオンされる。これにより、コイル全体の制御電流の変動としては、若干の段差が発生するが、電磁力制御に対してほぼ影響しない。また、第2制御電流の立ち上がり速度を考慮して、第1制御電流が100%になる前に(最大相当値に達した時点で)第2制御電流を立ち上げてもよい。
また、特定制御で第1制御電流を徐々に減少させる場合、所定値は、第1制御電流の最小値に相当する値(例えばデューティ比10%以下)に設定されてもよい。また、特定制御中に急制動操作が為された際には、第1制御電流のデューティ比にかかわらず、差圧制御弁51の差圧を最大にするように、第1制御電流及び第2制御電流が設定される。
また、第2制御回路612は、第2制御電流をオンオフ制御のみ可能に構成されていてもよい。この場合、第1コイル93が失陥した場合を考慮して、接続先を切り替え可能な4路スイッチ83を用いることが好ましい。また、本実施形態のように、両方の制御回路がデューティ比制御可能に構成されている場合、4路スイッチ83を用いず、各制御回路が対応するコイルにのみ接続される構成であってもよい。
また、液圧制御装置1には、昇圧回路が設けられていてもよい。この場合、第1制御回路611及び第2制御回路612に対して接続される昇圧回路は、第1制御回路611及び第2制御回路612のそれぞれに独立して設置されてもよい。あるいは、1つの昇圧回路が、接続先を切り替えるスイッチを介して、第1制御回路611及び第2制御回路612に接続されてもよい。また、第1コイル93の巻数と第2コイル94の巻数とは、異なっていてもよい。また、第1制御電流の最大値と第2制御電流の最大値とは異なっていてもよい。また、第1制御回路611と第2制御回路612とは、物理的に別個に(例えば別々の基板に)配置されることに限定されず、互いに独立して機能する回路であればよい。例えば、第1制御回路611と第2制御回路612とは、同一基板上に配置されてもよい。つまり、「第2制御回路612が第1制御回路611とは別個に設けられている」とは、第2制御回路612が第1制御回路611から独立して機能するように設けられていることを意味する。第1制御回路611及び第2制御回路612の一方が故障しても、その他方は一方の故障に影響されず機能する。
また、リニアソレノイドバルブは、アクチュエータ5内の差圧制御弁51に限られない。例えば、リニアソレノイドバルブは、ポンプとリザーバとが配置された循環可能な環状の液圧回路上で、ポンプの吐出ポートとリザーバとの間に配置されてもよい。この構成によっても、特定制御により、リニアソレノイドバルブの上流側の液圧(制御対象圧、例えばホイール圧)を細やかなに制御することができる。
また、第1コイル93及び第2コイル94は、整列巻き以外の状態、例えば敷居部材で分離された2層状態で形成されてもよい。例えば、第1コイル93及び第2コイル94が内周側と外周側との2層で巻かれたり、軸方向一方側と他方側とに分けて巻かれたりしても良い。この場合、コイルの特性が同等になるように巻き数が調整されてもよい。また、車両用制動装置100の構成は一例であり、例えば倍力装置12がない構成であってもよい。また、本発明は、冗長化と細やかな制御がより求められる自動運転又は自動ブレーキの機能を有する車両に対して効果的である。
1…液圧制御装置、51…差圧制御弁(リニアソレノイドバルブ)、61…制御部、611…第1制御回路、612…第2制御回路、613…信号出力部、91…弁体、93…第1コイル、94…第2コイル、100…車両用制動装置。

Claims (2)

  1. 車両に液圧に基づく制動力を発生させる車両用制動装置に設けられた、前記液圧を制御するための液圧制御装置であって、
    電磁力の作用により駆動可能な弁体、通電により前記弁体に作用する電磁力を発生させる第1コイル、及び前記第1コイルとは別個の導線で構成され通電により前記弁体に作用する電磁力を発生させる第2コイルを有するリニアソレノイドバルブと、
    前記第1コイルに流れる電流である第1制御電流及び前記第2コイルに流れる電流である第2制御電流の少なくとも一方を制御することで、前記リニアソレノイドバルブの作動を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記リニアソレノイドバルブを作動させるにあたり、前記第2制御電流を変化させずに前記第1制御電流を増大側及び減少側の一方側に徐々に変化させ、前記第1制御電流が所定値になった後に、前記第2制御電流を前記一方側に変化させる特定制御を実行するものであり、
    前記制御部は、
    前記第1制御電流をデューティ比制御可能に構成された第1制御回路と、
    前記第1制御回路とは別個に設けられ、前記第2制御電流をオンオフ制御可能に構成された第2制御回路と、
    前記第1制御回路及び前記第2制御回路に制御信号を出力する信号出力部と、
    を備え、
    前記信号出力部は、前記特定制御において、前記第1制御回路によりデューティ比制御を実行し、前記第2制御回路によりオンオフ制御を実行する液圧制御装置。
  2. 前記制御部は、前記特定制御において、前記第1制御電流を徐々に増大させる場合、前記所定値を前記第1制御電流の最大値に設定し、前記第1制御電流を徐々に減少させる場合、前記所定値を前記第1制御電流の最小値に設定する請求項1に記載の液圧制御装置。
JP2019048689A 2019-03-15 2019-03-15 液圧制御装置 Active JP7234715B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019048689A JP7234715B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 液圧制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019048689A JP7234715B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 液圧制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020147238A JP2020147238A (ja) 2020-09-17
JP7234715B2 true JP7234715B2 (ja) 2023-03-08

Family

ID=72429304

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019048689A Active JP7234715B2 (ja) 2019-03-15 2019-03-15 液圧制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7234715B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114701464B (zh) * 2022-04-27 2023-03-14 北京京深深向科技有限公司 一种abs系统制动冗余控制方法、装置与abs系统

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011808A (ja) 2002-05-24 2003-01-15 Toyota Motor Corp ブレーキ液圧制御装置

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5899436A (en) * 1997-08-15 1999-05-04 Borg-Warner Auomotive, Inc. Dual gain pressure control solenoid having one bobbin with two individually wound coils, a high force coil and a low force coil for improving transfer function

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003011808A (ja) 2002-05-24 2003-01-15 Toyota Motor Corp ブレーキ液圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020147238A (ja) 2020-09-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8534773B2 (en) Hydraulic booster and hydraulic brake system using the same
JPH0867242A (ja) 車両ブレーキ装置
JP2006193136A (ja) 車両のブレーキ装置
KR20060070454A (ko) 모터싸이클용 제동 장치
JPH0551500B2 (ja)
JP7234715B2 (ja) 液圧制御装置
JPH03208760A (ja) ブレーキシステム
JP6673279B2 (ja) 車両用制動装置
JPH10152041A (ja) ブレーキ装置
US11203331B2 (en) Vehicle braking device
EP4095005A1 (en) Vehicle braking system
US20230008163A1 (en) Braking device for vehicle
JP2010038169A (ja) 電磁弁制御装置
JP5803789B2 (ja) 電磁弁装置
KR100974721B1 (ko) 회생제동 기능을 가진 차량의 브레이크 시스템
JP5006243B2 (ja) ブレーキ制御装置
JP2006175993A (ja) 自動二輪車のブレーキ装置
JP2006027453A (ja) 電磁制御弁制御装置およびブレーキ液圧制御装置
JP3921030B2 (ja) ブレーキ装置
JP3951325B2 (ja) 液圧制御弁
JPH0775965B2 (ja) 液圧制御装置及び同装置を用いたブレーキ装置
JP7367372B2 (ja) 車両用制動装置
JP7047635B2 (ja) 車両制御装置
US20180093652A1 (en) Hydraulic brake system
JPH06156238A (ja) 流体回路用圧力調整装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20210222

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210303

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220209

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230206

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7234715

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150