本発明の第1の実施の形態による電動工具の一例である振動工具1について図1乃至図11を参照しながら説明する。振動工具1は、先端工具Pの駆動(振動)によって被加工材の研磨、切削、切断等を行う電動工具である。
以下の説明においては、図中に示されている「前」を前方向、「後」を後方向、「上」を上方向、「下」を下方向と定義する。また、振動工具1を後から見た場合の「右」を右方向、「左」を左方向と定義する。本明細書において寸法、数値等について言及した場合には、当該寸法及び数値等と完全に一致する寸法及び数値だけでなく、略一致する寸法及び数値等(例えば、製造誤差の範囲内である場合)を含むものとする。「同一」、「直交」、「平行」、「一致」、「面一」、「同径」等についても同様に「略同一」、「略直交」、「略平行」、「略一致」、「略面一」、「略同径」等を含むものとする。
図1に示されているように、振動工具1は、ハウジング2と、モータ3と、偏心軸部4と、スイングアーム5と、出力軸部6と、接続部7と、ハウジング接続部8とを主に有している。
図1に示されているように、ハウジング2は、振動工具1の外郭をなしており、後部ハウジング21と、モータハウジング22と、前部ハウジング23と、中間ハウジング24とを主に有している。また、ハウジング2は、複数の雄ネジ21E、複数の雄ネジ21G、及び、複数のネジ23Fを有している。
後部ハウジング21は、ハウジング2の後部を形成し、前後方向に延びている。後部ハウジング21は、円筒部21Aと、テールカバー21Bと、Oリング21Dと、Oリング21Fとを有している。
テールカバー21Bは、図には詳細に表れてはいないが前後方向視において略環状をなしている。図1に示されているように、テールカバー21Bの径方向における略中央部から外部電源(例えば、商用交流電源)に接続可能な電源コード2Aが延びている。テールカバー21Bには、複数の貫通孔と、溝21dとが形成されている。
テールカバー21Bの複数の貫通孔は、テールカバー21Bの周方向において所定の間隔をおいて形成され、テールカバー21Bを前後方向に貫通している。本実施の形態においては、図には詳細に表れてはいないが、当該貫通孔は、テールカバー21Bの周方向において略120度おきに3つ形成されている。
溝21dは、テールカバー21Bの前部に形成され、その前面から後方に窪むように形成されている。図には詳細には表れていないが、溝21dは前後方向視において略円環形状をなしている。溝21dには、Oリング21Dが設けられている。
図1及び図2に示されているように、円筒部21Aは、前後方向に延びる略有底円筒形状をなしている。円筒部21Aの外壁には、作業者が外部から操作可能なスイッチ2Bが設けられている。本実施の形態において、スイッチ2Bはタクトスイッチ(タクタイルスイッチ)であり、作業者の操作(押圧操作)の度に、モータのON/OFFが切り替わるように構成されている。なお、当該モータのON/OFFを切り替えるためのスイッチは、外部から操作されることにより前後方向に移動するように構成されていても良い。また、円筒部21Aの後部には、複数のネジ孔21aが形成されている。円筒部21Aは、壁部21Cを有している。
複数のネジ孔21aは、円筒部21Aの後部において前後方向に延び、円筒部21Aの周方向において所定の間隔をおいて形成されている。本実施の形態において、複数のネジ孔21aは、図2(c)に示されているように、円筒部21Aの周方向において略120度おきに3つ形成されている。また、複数のネジ孔21aのそれぞれと、テールカバー21Bに形成された複数の貫通孔のそれぞれとは、同軸状に連通している。複数のネジ孔21aには、テールカバー21Bに形成された複数の貫通孔を介して雄ネジ21Eが螺合され、これにより、円筒部21Aとテールカバー21Bとが連結されている(図1)。また、この状態において、テールカバー21Bの溝21dに設けられたOリング21Dが溝21dを規定する底面と円筒部21Aとにより挟み込まれる。これにより、ハウジング2外部からハウジング2内部への水や粉塵の侵入を抑制することが可能となる。
図2(c)に示されているように、壁部21Cは、円筒部21Aの前部を形成している。言い換えると、壁部21Cは、略有底円筒形状をなす円筒部21Aの底部を形成している。壁部21Cには、複数の貫通孔21bと、挿通孔21cとが形成されている。
図2に示されているように、複数の貫通孔21bは、円筒部21Aの周方向において所定の間隔をおいて形成され、壁部21Cを前後方向に貫通している。本実施の形態において、複数の貫通孔21bは、円筒部21Aの周方向において略120度おきに3つ形成されている。
挿通孔21cは、壁部21Cの下部に形成され、壁部21Cを前後方向に貫通している。挿通孔21cは、前後方向視において、左右方向に長軸を有する略楕円状に形成されている。
また、円筒部21Aの前部には、溝21eが形成されている。溝21eは、円筒部21Aの前面から後方に窪むように形成されている。溝21eは、前後方向視において略円環形状をなしている。溝21dには、Oリング21Fが設けられている(図1)。
図1及び図3に示されているように、モータハウジング22は、前後方向に延びる略有底円筒形状をなしている。モータハウジング22は、アルミ製であり、一体成型されている。より具体的に、モータハウジング22は、切削加工により、一体として切り出されている。モータハウジング22は、壁部22Aと、受入部22Bとを有している。モータハウジング22は、本発明における「第1ハウジング」の一例である。前後方向は、本発明における「所定方向」の一例である。
図3(a)に示されているように、壁部22Aは、モータハウジング22の後部を形成している。言い換えると、壁部22Aは、略有底円筒形状をなすモータハウジング22の底部を形成している。壁部22Aには、凹部22aと、複数のネジ孔22bと、挿通孔22cと、挿通孔22dとが形成されている。
凹部22aは、壁部22Aの後面から前方に窪むように形成されている。凹部22aを規定する周面の形状は、後部ハウジング21の円筒部21Aの壁部21Cの前部の形状と同形状に形成されている。凹部22aには、壁部21Cの前部が嵌合されている(図1)。
図3に示されているように、複数のネジ孔22bは、モータハウジング22の周方向において所定の間隔をおいて形成され、壁部22Aを前後方向に貫通している。本実施の形態において、複数のネジ孔22bは、モータハウジング22の周方向において120度おきに3つ形成されている。また、複数のネジ孔22bのそれぞれと、後部ハウジング21の円筒部21Aの壁部21Cに形成された複数の貫通孔21bのそれぞれとは、同軸状に連通している。複数のネジ孔22bには、複数の貫通孔21bを介して雄ネジ21Gが螺合され、これによりモータハウジング22と後部ハウジング21とが連結されている(図1)。また、この状態において、後部ハウジング21の円筒部21Aの溝21eに設けられたOリング21Fが溝21eを規定する底面と壁部22Aとにより挟み込まれる。これにより、ハウジング2外部からハウジング2内部への水や粉塵の侵入を抑制することが可能となる。
挿通孔22dは、モータハウジング22の径方向における略中央部に形成され、壁部22Aを前後方向に貫通している。
挿通孔22cは、壁部22Aの下部に形成され、壁部22Aを前後方向に貫通している。挿通孔22cは、前後方向視において、左右方向に長軸を有する略楕円状に形成されている。挿通孔22cと、後部ハウジング21の円筒部21Aの壁部21Cに形成された挿通孔21cとは、同軸状に連通している。
受入部22Bは、モータハウジング22の前部を形成し、前後方向に延びる円筒形状をなしている。受入部22Bの内径は、受入部22Bよりも後方に位置するモータハウジング22の部分の内径よりも大きく構成されている。
また、モータハウジング22の前部には、環状溝22eが形成されている。環状溝22eは、モータハウジング22の内周面における受入部22Bの僅かに後方に形成され、モータハウジング22の周方向に延びている。環状溝22eは、本発明における「溝部」の一例である。
図1に示されているように、前部ハウジング23は、ハウジング2の前部を形成している。前部ハウジング23は、第1円筒部23A、第2円筒部23B及び第3円筒部23Cから主に構成されている。第1円筒部23A、第2円筒部23B及び第3円筒部23Cのそれぞれは、前後方向に延びる略円筒形状に形成されている。前部ハウジング23は、本発明における「第2ハウジング」の一例である。
第1円筒部23Aの後部には3つの貫通孔23aが形成されている(貫通孔23aが3つ形成されている点については図示を省略している)。3つの貫通孔23aは、第1円筒部23Aを前後方向に貫通している。3つの貫通孔23aは、第1円筒部23Aの周方向において所定の間隔をおいて形成されている。
第2円筒部23Bは、第1円筒部23Aよりも小径に形成され、第1円筒部23Aの前端から前方に延びている。第2円筒部23Bは、偏心軸部4の前部、スイングアーム5、出力軸部6の後部及び接続部7を収容している。
第3円筒部23Cは、第2円筒部23Bよりも小径に形成され、第2円筒部23Bの前端から前方に延びている。第3円筒部23Cは、出力軸部6を回転可能に支持している。また、第3円筒部23Cには、カバー25が設けられている(図6参照)。第3円筒部23C及びカバー25の詳細な構成については、後述する。
図1及び図4に示される中間ハウジング24は、アルミの削り出し部品であり、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。中間ハウジング24は、モータハウジング22と前部ハウジング23との間に位置している。中間ハウジング24の外径は、モータハウジング22の受入部22Bの内径よりも小さく構成され、且つ、前部ハウジング23の第1円筒部23Aの内径よりも小さく構成されている。これにより、中間ハウジング24の後部が受入部22Bを介してモータハウジング22に収容され、中間ハウジング24の前部が第1円筒部23Aを介して前部ハウジング23に収容されている。図4に示されているように、中間ハウジング24には、凹部24aと、複数の凹部24bと、貫通孔24cと、複数の凹部24dと、複数の貫通孔24eと、複数のネジ孔24fとが形成されている。中間ハウジング24は、本発明における「中間部材」の一例である。
凹部24aは、中間ハウジング24の後面から前方に向かって窪み、中間ハウジング24の径方向における略中央部に形成されている。
複数の凹部24bは、中間ハウジング24の後面から前方に向かって窪み、中間ハウジング24の周方向において所定の間隔をおいて形成されている。本実施の形態において、複数の凹部24bは、左右対称な位置に2つ形成されている。
貫通孔24cは、中間ハウジング24の径方向における略中央部を前後方向に貫通している。図6に示されているように、貫通孔24cを規定する中間ハウジング24の前部の内周面には、ニードルベアリング24Cが設けられている。
複数の凹部24dは、中間ハウジング24の前面から後方に向かって窪み、中間ハウジング24の周方向において所定の間隔を形成されている。本実施の形態において、複数の凹部24dは、中間ハウジング24の周方向において略120度おきに形成されている。複数の凹部24dは、本発明における「凹部」の一例である。
複数の貫通孔24eは、各凹部24dの底面と中間ハウジング24の底面との間に延びる貫通孔である。つまり、複数の貫通孔24eは、複数の凹部24dが中間ハウジング24の周方向において略120度おきに形成されていることに対応して、中間ハウジング24の周方向において略120度おきに形成されている。
複数のネジ孔24fは、前後方向に延び、中間ハウジング24の周方向において所定の間隔をおいて形成されている。本実施の形態において、複数のネジ孔24fは、中間ハウジング24の周方向において略120度間隔をおいて形成されている。複数のネジ孔24fのそれぞれと、前部ハウジング23の第1円筒部23Aに形成された複数の貫通孔23aのそれぞれとは、同軸状に連通している。複数のネジ孔24fには、複数の貫通孔23aを介してネジ23Fが螺合され、これにより、前部ハウジング23と中間ハウジング24とが連結されている(図1)。また、図1に示されているように、中間ハウジング24とモータハウジング22とは、ハウジング接続部8を介して接続されている。つまり、モータハウジング22と前部ハウジング23とは、中間ハウジング24を介して接続されている。言い換えると、中間ハウジング24は、モータハウジング22及び前部ハウジング23に接続されることにより、モータハウジング22と前部ハウジング23とを接続している。ネジ23Fは、本発明における「第2接続部材」の一例である。
また、図4に示されているように、中間ハウジング24には、環状溝24g及び24hが形成されている。環状溝24g及び24hは、中間ハウジング24の径方向内方に窪み、中間ハウジング24の周方向全域に亘り形成されている。環状溝24gにはOリング24Aが設けられ、環状溝24hにはOリング24Bが設けられている(図6参照)。モータハウジング22、前部ハウジング23及び中間ハウジング24が互いに接続された状態で、環状溝24gを規定する底面とモータハウジング22の受入部22Bの内周面とによりOリング24Aが挟み込まれ、環状溝24hを規定する底面と前部ハウジング23の第1円筒部23Aの内周面とによりOリング24Bが挟み込まれている。これにより、ハウジング2外部からハウジング2内部への水や粉塵の侵入を抑制することが可能となる。
図1及び図5に示されているモータ3は、ブラシ付整流子モータであり、モータハウジング22に収容されている。モータ3は、筐体30と、軸支部31と、回転軸32と、ロータ(不図示)と、ステータ33と、ファン(不図示)とを主に有している。なお、モータ3は、ブラシレスモータであっても良い。モータ3は、本発明における「駆動源」の一例である。
筐体30は、前後方向に延び、前方に壁部を有する略有底円筒形状をなしている。筐体30には、図示せぬロータと、ステータ33とが収容されている。筐体30には、複数のネジ孔3aと、複数の貫通孔3bと、複数の貫通孔3cとが形成されている。
複数のネジ孔3aは、筐体30の周方向において所定の間隔をおいて形成され、筐体30の前面から後方に向かって延びている。本実施の形態において、複数のネジ孔3aは、左右対称な位置に2つ形成されている。
複数の貫通孔3bは、筐体30の前部に形成され、筐体30の周方向において所定の間隔をおいて形成され、筐体30の前部を構成する壁部を前後方向に貫通している。複数の貫通孔3bは、モータ3の周方向に沿って延びるように形成されている。本実施の形態において、複数の貫通孔3bは上下対称な位置に2つ形成されている。
複数の貫通孔3cは、筐体30の後部に形成され、筐体30の後部の外周壁をその径方向に貫通している。
軸支部31は、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。軸支部31は、筐体30の前部において筐体30に支持され、その一部が筐体30の前面から突出するように設けられている。図6に示されているように、軸支部31の筐体30から突出する部分は、中間ハウジング24の凹部24aに嵌合されている。
図5に示されているように、回転軸32は、前後方向に延びる略円柱形状をなしている。回転軸32は、軸支部31に挿入され、軸支部31を介して軸線O1を中心に筐体30に回転可能に支持されている。軸線O1は、前後方向に延び回転軸32の軸心を通る線である。回転軸32は、後端部32Aを有している。後端部32Aは、筐体30よりも後方に突出している。なお、図1に示されているように、後端部32Aは、前後方向において、モータハウジング22の壁部22Aの挿通孔22dと対向している。
図示せぬロータは、図示せぬロータコアと、整流子と、コイル巻線とを有する回転子であり、回転軸32と一体回転可能に回転軸32に設けられている。
ステータ33は、図示せぬ永久磁石及びヨークを有する固定子である。ステータ33は、筐体30に収容されている。ステータ33からは配線3A(プラスライン、マイナスライン)が延出している。配線3Aは、ステータ33と後部ハウジング21に設けられるスイッチ2Bとを電気的に接続している。本実施の形態においては、配線3Aは、同軸状に連通する挿通孔21cと挿通孔22cとに挿通されている。
図6に示されているように、偏心軸部4は、同軸部41と、偏心部42と、六角穴の形成された無頭ネジ43と、バランサ44と、皿ネジ45と、ニードルベアリング46と、ローラ47とを有している。偏心軸部4は、本発明における「偏心軸部」の一例である。
図6に示されているように、同軸部41は、前後方向に延びる略円柱形状に形成されている。同軸部41は、ニードルベアリング24Cを介して中間ハウジング24に軸線O1を中心に回転可能に支持されている。このように、モータハウジング22にハウジング接続部8により固定される中間ハウジング24に回転可能に支持されることにより、同軸部41は好適に芯出しされ、ぶれることなく軸線O1を中心に回転可能である。同軸部41には、回転軸固定穴41aが形成されている。
回転軸固定穴41aは、同軸部41の径方向における略中央部に形成され、同軸部41の後面から前方に向かって延びている。また、同軸部41の後部には、回転軸固定穴41aを規定する内周面に開口し径方向に延びるネジ孔が形成されている。当該ネジ孔には、無頭ネジ43が螺合されている。
回転軸固定穴41aには、回転軸32の前部が挿通されている。また、この状態において、無頭ネジ43の先端が回転軸32の外周面を押圧している。これにより、同軸部41の回転軸32に対する相対回転が規制され、回転軸32と同軸部41とは、軸線O1を中心に一体に回転する。
偏心部42は、同軸部41の前面から前方に延びる略円柱形状をなしている。偏心部42は、同軸部41よりも小径に形成され、その軸心を通る軸線O2は、軸線O1と平行且つ軸線O1から僅かにずれている。本実施の形態においては、同軸部41の径方向において、軸線O2は軸線O1から略1ミリずれている。言い換えると、偏心部42は同軸部41に対して略1ミリ偏心している。これにより、同軸部41が軸線O1を中心に回転する場合において、偏心部42は軸線O1を中心とする周回運動を行う。言い換えると、偏心部42は、同軸部41の回転に伴い、偏心回転を行う。なお、本実施の形態において、偏心部42は同軸部41と一体に形成されているが、別体に構成されていてもよい。偏心部42は、本発明における「偏心軸」の一例である。
図6に示されているように、ニードルベアリング46には、偏心部42が挿通されている。ニードルベアリング46は、偏心部42に対して回転可能である。つまり、ニードルベアリング46は、軸線O2を中心として回転可能である。
図6に示されるローラ47は、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。ローラ47の内周面には、ニードルベアリング46の外輪部が圧入されている。これにより、ローラ47及びニードルベアリング46は、一体として、偏心部42に対して回転可能である。つまり、ローラ47は、軸線O2を中心として回転可能である。また、ローラ47の後端部には、鍔部47Aが設けられている。
鍔部47Aは、前面視略環状をなすようにローラ47の後端部からローラ47の径方向外方に延びている。図6に示されているように、鍔部47Aの後面は、同軸部41の前面と対向している。鍔部47Aの後面が同軸部41の前面と当接することにより、ローラ47及びニードルベアリング46が偏心部42に対して後方に所定量以上ずれてしまうことが規制される。また、鍔部47Aの前面は、スイングアーム5の後面と対向している。鍔部47Aの前面がスイングアーム5の後面と当接することにより、ローラ47及びニードルベアリング46が偏心部42に対して前方に所定量以上ずれてしまうことが規制される。
図6に示されるバランサ44は、同軸部41に挿通されている。具体的には、皿ネジ45を介して、同軸部41の前部に同軸部41に対して回転不能に固定されている。この状態において、バランサ44の重心は、偏心部42、ニードルベアリング46及びローラ47の合成体としての重心とは同軸部41の径方向において軸線O1に関し反対側に位置する。これにより、作業時において振動工具1本体に発生する振動を抑制することが可能である。なお、バランサ44の重心と、偏心部42、ニードルベアリング46及びローラ47の合成体としての重心とは同軸部41の径方向において軸線O1に関し互いに対称に位置することが好ましい。
図6に示されているように、スイングアーム5は出力軸部6の後端部に接続され、円筒部51と、アーム部52とを有している。円筒部51は、前後方向に延びる略有底円筒形状をなしている。また、円筒部51の上部及び下部のそれぞれには、円筒部51の底部を前後方向に貫通する貫通孔が設けられている。スイングアーム5は、本発明における「揺動部」の一例である。
アーム部52は、円筒部51から略上方へ延出している。図には詳細に表れてはいないが、アーム部52は、前面視略コ字状、且つ、左右対称の一対の部材で構成されている。アーム部52は、ローラ47の外周面を挟んでいる。言い換えると、スイングアーム5は、偏心軸部4に接続されている。これにより、偏心軸部4の偏心部42が軸線O1を中心とする周回運動を行うとき、出力軸部6の後端部に接続されたスイングアーム5は、軸線O3を中心として揺動する。また、本実施の形態においては、ローラ47が偏心部42に対して回転可能に構成されているため、アーム部52とローラ47とがその接触面においてこすれてしまうことが抑制される。これにより、駆動力の伝達効率を維持することが可能に構成されている。軸線O3は、本発明における「揺動軸心」の一例である。
図6に示される出力軸部6は、前部ハウジング23に支持され、先端工具Pを着脱可能に構成され、モータ3の駆動力を受けて駆動可能に構成されている。図6に示されているように、出力軸61と、先端工具保持部60とを有している。出力軸部6は、本発明における「出力部」の一例である。
出力軸61は、前後方向に延び、第1軸61Aと、第2軸61Bとを有している。第1軸61Aは、前後方向に延びる略円柱形状をなし、その後部がスイングアーム5の円筒部51に挿通されている。第1軸61Aは、ベアリング26A及びベアリング26Bを介して、前部ハウジング23の第3円筒部23Cに回転可能に支持されている。第2軸61Bは、前後方向に延びる略円柱形状をなし、その直径が第1軸61Aの直径よりも大きく構成されている。第2軸61Bは、ニードルベアリング26Eを介して第3円筒部23Cに設けられたカバー25に回転可能に支持されている。また、第1軸61Aの後端部には、ネジ孔61aと、挿通孔61bとが形成されている。
挿通孔61bは、第1軸61Aの後面に開口し、前方に延びている。挿通孔61aは、スイングアーム5の円筒部51の底部の上部に形成された貫通孔と連通している。挿通孔61bの中心には、軸線O4が通っている。軸線O4と、出力軸61の中心を通る軸線O3とは、出力軸61の径方向においてずれている。
ネジ孔61aは、第1軸61Aの後面に開口し、前方に延びている。ネジ孔61aは、スイングアーム5の円筒部51の底部の下部に形成された貫通孔と連通している。ネジ孔61aの中心には、軸線O5が通っている。軸線O5と、軸線O3とは、出力軸61の径方向においてずれている。先端工具保持部60の構成については、後述する。
また、図6に示されているように、第2軸61Bは、オイルシール26C及び26Dに挿通されている。オイルシール26C及び26Dは、ゴム製の円環部材である。オイルシール26C及び26Dは弁部を有し、当該弁部が第2軸61Bの外周面と接触することにより、当該接触面を介する外部への空気及び油の流出を許容し、且つ、外部からハウジング2内部へ空気及び油が流入することを抑制するように構成されている。
図6に示されているように、接続部7は、ロールピン71と、頭部に六角穴が形成された六角穴付ネジ72とを有している。
ロールピン71は、前後方向に延びる棒状をなしている。また、ロールピン71は、弾性を有する板を円筒形に丸めた形状をなし、前面視略C字状をなしている(具体的な形状については不図示)。つまり、ロールピン71は、外部から力が加えられその径方向に縮められる際に、その径方向に付勢力を生じさせることが可能に形成されている。
六角穴付ネジ72には、ワッシャ72Aと、スラストワッシャ72Bとが設けられている。スラストワッシャ72Bは、図には詳細に表れていないが後面視略C字状をなしている。スラストワッシャ72Bの周方向における端部は、外力が加えられていない状態において前後方向にずれており、外力が加えられ前後方向に圧縮される際に前後方向に付勢力を生じさせることが可能に形成されている。また、スラストワッシャ72Bは、その後面が六角穴付ネジ72の頭部の前面と当接するように六角穴付ネジ72に挿通される。
ワッシャ72Aは、図には詳細に表れていないが後面視略環状をなしている。ワッシャ72Aは、その後面がスラストワッシャ72Bの前面と当接するように六角穴付ネジ72に挿通される。
ここで、スイングアーム5と出力軸部6の出力軸61とを接続する際には、まずスイングアーム5の円筒部51の底部の上部に形成された貫通孔と出力軸61の第1軸61Aの後部に形成された挿通孔61bとが同軸状に連通し、円筒部51の底部の下部に形成された貫通孔と第1軸61Aの後部に形成されたネジ孔61aとが同軸状に連通するように、第1軸61Aの後端部を円筒部51に挿通させる。
この状態において、工具(ハンドプレス等)を用いてロールピン71を円筒部51の底部の上部の貫通孔及び挿通孔61bに挿通する。具体的に、ロールピン71の外径は円筒部51の貫通孔及び挿通孔61bの内径にならって縮みながら挿通される。挿通後、ロールピン71は拡径し、円筒部51の貫通孔及び挿通孔61bを規定するそれぞれの内周面を押圧する。これにより、ロールピン71は、スイングアーム5及び出力軸61に固定される。言い換えると、ロールピン71は、スイングアーム5と出力軸61とを接続する。さらに、言い換えると、ロールピン71は、スイングアーム5を出力軸61に対して出力軸61の回転方向(周方向)に位置決めしている。
また、円筒部51の底部の下部の貫通孔を介して、六角穴付ネジ72がネジ孔61aに図示せぬ六角レンチ等を用いて螺合させる。これにより。六角穴付ネジ72はスイングアーム5及び出力軸61に固定される。言い換えると、六角穴付ネジ72は、スイングアーム5と出力軸61とを接続する。さらに、言い換えると、六角穴付ネジ72は、スイングアーム5を出力軸61に対して軸線O3方向に位置決めしている。このときに、スイングアーム5の円筒部51の後面とスラストワッシャ72Bとの間にワッシャ72Aが設けられているため、六角穴付ネジ72をネジ孔61aに螺合させる際にスラストワッシャ72Bの周方向における端部が円筒部51の後面を傷つけてしまうことが抑制される。また、図6に示されているように、上下方向においてワッシャ72Aとロールピン71の少なくとも一部とが同位置に位置している、つまり、後面視においてワッシャ72Aとロールピン71の少なくとも一部とが重なっているため、ワッシャ72Aは、ロールピン71が後方にずれてしまうことを規制する。また、六角穴付ネジ72をネジ孔61aに螺合すると、六角穴付ネジ72の頭部とワッシャ72Aとの間に設けられるスラストワッシャ72Bが前後方向に圧縮され、ネジ孔61aに対する六角穴付ネジ72の螺合が緩んでしまうことが抑制される。
スイングアーム5と出力軸61とがロールピン71及び六角穴付ネジ72によって接続された状態において、図6に示されているように、出力軸61の中心を通る軸線O3とロールピン71の中心を通る軸線O4とは異なっている。言い換えると、軸線O3と軸線O4とは互いにずれている。また、軸線O3と六角穴付ネジ72の中心を通る軸線O5とは異なっている。言い換えると、軸線O3と軸線O5とは互いにずれている。これにより、スイングアーム5と出力軸61との接続箇所が出力軸61の周方向にずれてしまうことを抑制することが可能となる。つまり、軸線O4及び軸線O5と軸線O3を異ならせるという簡易な構成で出力軸61への駆動力の伝達を維持することが可能となる。また、軸線O3と軸線O5とが異なっているため、六角穴付ネジ72の螺合が緩んでしまうことを抑制することが可能である。さらに、六角穴付ネジ72を用いてスイングアーム5と出力軸61とを接続するため、出力軸61をスイングアーム5に対して機械的に圧入する場合と比較して、当該接続箇所における組立性が向上する。
次に、図6を参照しながら、前部ハウジング23の第3円筒部23Cの及びカバー25の詳細な構成、並びに、第3円筒部23C及びカバー25による出力軸61の支持態様の詳細について説明する。
図6に示されているように、第3円筒部23Cは、前後方向に延出している。第3円筒部23Cは、ベアリング受部23Dと、23Eとを有している。ベアリング受部23Dは、第3円筒部23Cの後部において第3円筒部23Cの内周面から第3円筒部23Cの径方向外方に窪むように形成されている。ベアリング受部23Dには、ベアリング26Aが設けられている。より具体的には、ベアリング受部23Dには、ベアリング26Aの外輪部が圧入により固定されている。なお、図6に示されているように、ベアリング受部23Dの径方向に窪む前後方向における長さは、ベアリング26Aの前後方向の長さよりも僅かに長くなるように構成されている。ベアリング受部23Eは、第3円筒部23Cの前端部において第3円筒部23Cの内周面から第3円筒部23Cの径方向外方に窪むように形成されている。ベアリング受部23Eには、ベアリング26Bが設けられている。より具体的には、ベアリング受部23Eには、ベアリング26Bの外輪部が圧入により固定されている。なお、図6に示されているように、ベアリング受部23Eの径方向に窪む前後方向の長さは、ベアリング26Bの前後方向の長さよりも僅かに短くなるように構成されている。また、第3円筒部23Cの外周面には、雄ネジが切られている。
また、第3円筒部23Cの内部にはスリーブ28が設けられている。スリーブ28は、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。スリーブ27は、前後方向においてベアリング26Aとベアリング26Bとの間に位置している。スリーブ28の内径は、出力軸61の第1軸61Aの外径と略同径に構成されている。
ここで、図6に示されているように、スリーブ27に挿通された状態の出力軸61の第1軸61Aの外周面がベアリング26Aの内輪部及びベアリング26Bの内輪部に支持されている。この状態において、スリーブ27の後端面とベアリング26Aの内輪部が当接し、スリーブ27の前端面とベアリング26Bの名輪部が当接し、ベアリング26Aとベアリング26Bとの間の前後方向における距離が規定される。つまり、スリーブ27は、ベアリング26Aとベアリング26Bとの間の前後方向における距離を規定するスペーサーとして機能する。
また、図6に示されているように、第3円筒部23Cには、前後方向に延びる略円筒形状をなすカバー25が固定されている。具体的には、カバー25の後部の内周面には雌ネジが切られており、当該雌ネジと第3円筒部23Cの外周面に切られた雄ネジとを螺合させることにより、カバー25を第3円筒部23Cに固定する。カバー25の前部にはニードルベアリング26Eが圧入により固定され、カバー25は、ニードルベアリング26Eを介して出力軸61の第2軸61Bを回転可能に支持している。カバー25は、規制面25Aと、オイルシール受部25Bとを有している。
規制面25Aは、カバー25の径方向内方に延びる面である。オイルシール受部25Bは、カバー25の前部においてカバー25の内周面からカバー25の径方向外方に窪むように形成されている。
ここで、図6に示されているように、カバー25の規制面25Aと第3円筒部23Cのベアリング受部23Eの窪む形状を規定する後面との間にベアリング26B及びオイルシール26Cとを挟み込むように、カバー25が第3円筒部23Cに螺合されている。この状態において、カバー25の規制面25Aとオイルシール26Cの前面とが当接しオイルシール26Cは後方に押圧されている。また、オイルシール26Cの後面がベアリング26Bの前面と当接しベアリングは後方に押圧されている。そして、ベアリング26Bの外輪部の後面が第3円筒部23Cのベアリング受部23Eの窪む形状を規定する後面と当接している。これにより、オイルシール26C及びベアリング26Bの第3円筒部23Cに対する前後方向における位置が位置決めされている。
この状態において、第3円筒部23Cのベアリング受部23Eの窪む前後方向の長さはベアリング26Bの前後方向における長さよりも僅かに短く構成されているため、ベアリング26Bの前面は、ベアリング受部23Eの前端よりも前方に位置している。言い換えると、オイルシール26Cの後面はベアリング受部23Eの前端と当接していない。このため、カバー25の規制面25Aとオイルシール26Cとが好適に当接し、オイルシール26Cとベアリング26Bとが好適に当接する。これにより、ベアリング26Bが第3円筒部23Cに対して前後方向にガタついてしまうことを抑制することが出来、よって、ベアリング26Bを介して第3円筒部23Cに回転可能に支持される出力軸61の前後方向のガタつきを抑制することが可能である。また、精度よく被加工材に対する切断作業を行うことが可能となる。
オイルシール受部25Bは、カバー25の前部においてカバー25の内周面からカバー25の径方向外方向に窪むように形成されている。オイルシール受部25Bには、オイルシール26Dが設けられている。具体的には、オイルシール26Dの後面がオイルシール受部25Bの窪む形状を規定する後面と当接した状態で、オイルシール26Dの外周面が圧入により固定されている。
次に、出力軸部6の先端工具保持部60の構成について、説明する。
先端工具保持部60は、出力軸61の軸線O3方向においてネジ孔61aとは反対側に位置し、先端工具Pを保持可能に構成されている。先端工具保持部60は、出力軸61に形成されたネジ孔60aと、第1保持部材62と、第2保持部材63と、六角穴付ネジ64とを有している。ネジ孔60aは、本発明における「第2ネジ穴部」の一例である。六角穴付ネジ64は、本発明における「第2ネジ」の一例である。先端工具保持部60は、本発明における「装着部」の一例である。
ネジ孔60aは、出力軸61の第2軸61Bの前面に開口し前後方向に延びている。
第1保持部材62は、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。第1保持部材62の前後両端には、一対の鍔が設けられている。第2保持部材63は、前面視略環状をなし、前後方向に延びている。
六角穴付ネジ64は、右ネジであり、頭部64Aを有している。頭部64Aには、六角穴が形成されワッシャと同様の効果を奏するワッシャ部64Bが一体に設けられている。また、本実施の形態において、六角穴付ネジ64は、右ねじとして構成されている。
次に、図6を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る振動工具1の出力軸部6への先端工具Pの交換作業について、説明する。
まず、既に先端工具保持部60に取り付けられている状態の先端工具Pを取り外す場合について説明する。この場合、作業者は図示せぬ六角スパナ等の工具を用いて先端工具保持部60の第1保持部材62をハウジング2に対して回転しないように把持する。この状態において、図示せぬ六角レンチ等の工具を用いて六角穴付ネジ64を緩む方向に回転させる。この状態において、本実施の形態においては、出力軸61の中心を通る軸線O3とロールピン71の中心を通る軸線O4とが異なっている。また、軸線O3と六角穴付ネジ72の中心を通る軸線O5とが異なっている。これにより、スイングアーム5と出力軸61との接続箇所が出力軸61の周方向にずれてしまうことを抑制することが可能となる。つまり、軸線O4及び軸線O5と軸線O3とを異ならせるという簡易な構成で、スイングアーム5に対する出力軸61の回転を規制することができ、出力軸61への駆動力の伝達効率を維持することが可能となる。
次に、先端工具保持部60に先端工具Pを取り付ける作業について説明する。まず、作業者は、先端工具保持部60の第1保持部材62に出力軸61の前端部を挿入する。次に、作業者は、第1保持部材62の前面と先端工具Pの後面とが対向するように、出力軸61の前端部を先端工具Pに挿入する。次に、作業者は、先端工具Pの前面と第2保持部材63の後面とが対向するように、出力軸61の前端部を第2保持部材63に挿入する。この状態において、作業者は、出力軸61に形成されたネジ孔60aに六角穴付ネジ64を螺合させる。このときに、六角穴付ネジ64の後面が第2保持部材63を後方に押圧し、第1保持部材62の前面と第2保持部材63の前面とによって、先端工具Pは保持される。
なお、この状態において、図6に示されているように、出力軸61の前端と、六角穴付ネジ64のワッシャ部64Bとの間には隙間が形成されるように構成されている。これにより、第2保持部材63とワッシャ部64Bとが好適に当接し、第1保持部材62と第2保持部材63により把持された先端工具Pと六角穴付ネジ64が螺合された出力軸61との間のガタつきが抑制される。
次に、図1及び図6を参照しながら、本発明の第1の実施の形態に係る振動工具1を用いた被加工材に対する加工作業及び加工作業時における振動工具1の動作について説明する。
切断作業を行う場合、作業者は先端工具保持部60に先端工具Pを装着する。この状態において、作業者が後部ハウジング21に設けられたスイッチ2Bを押圧すると、電源コード2Aを介して図示せぬ商用電源からモータ3に電力が供給され、モータ3の回転軸32が回転する。スイッチ2Bが再度押圧されると、電力はモータ3に供給されなくなり、モータ3の回転軸32は停止する。
モータ3が駆動を開始すると、モータ3の回転軸32と偏心軸部4の同軸部41とが一体に前後方向に延びる軸線O1を中心に回転する。同軸部41が回転すると偏心軸部4の偏心部42、ニードルベアリング46及びローラ47が軸線O1を中心とした周回運動を行う。言い換えると、偏心部42、ニードルベアリング46及びローラ47は、軸線O1の回りを公転する。偏心部42、ニードルベアリング46及びローラ47が軸線O1の回りを公転すると、スイングアーム5が軸線O3を中心として所定角度の範囲内で往復揺動運動する。言い換えると、同軸部41が軸線O1を中心に回転すると、前面視における軸線O1から略右方及び略左方に位置するローラ47の外周面までの距離が変化するように構成されているため、スイングアーム5は軸線O3を中心に揺動する。そして、スイングアーム5に接続された出力軸61は、軸線O3を中心として所定角度の範囲内で正回転と逆回転とを交互に繰り返す。言い換えると、出力軸61は、所定角度の範囲内で往復揺動運動する。このようにして、モータ3の回転力は、出力軸61の所定角度の範囲内における回転力に変換される。
出力軸61が所定角度の範囲内で正回転及び逆回転すると、先端工具Pも軸線O3を中心として、所定角度の範囲内で往復揺動運動する。そして、先端工具Pを対象物(被加工材)に押し付けると、対象物を処理、例えば、研磨することが出来る。本実施の形態においては、作業時において負荷トルクが発生した場合においても、出力軸61の中心を通る軸線O3とロールピン71の中心を通る軸線O4が異なっており、軸線O3と六角穴付ネジ72の中心を通る軸線O5とが異なってるため、スイングアーム5と出力軸61との接続箇所が出力軸61の周方向にずれてしまうことを抑制することが可能となる。
次に、図6乃至図10を参照しながら、ハウジング接続部8の構成について、詳細に説明する。
図6乃至図10に示されているように、ハウジング接続部8は、モータホルダ81と、止め輪82と、六角穴付ネジ83とを有している。
図7に示されているように、モータホルダ81は、前面視略円環状をなしている。モータホルダ81は、前後方向において、モータ3と止め輪82との間に位置している。モータホルダ81には、挿通孔81aと、複数の貫通孔81bと、複数のネジ孔81cと、貫通孔81dとが形成されている。モータホルダ81は、本発明における「挟持部材」の一例である。
挿通孔81aは、モータホルダ81の径方向における略中央部を前後方向に貫通している。挿通孔81aの内径は、モータ3の軸支部31の外径と同一に構成されている。挿通孔81aには、軸支部31が挿通されている。
複数の貫通孔81bは、モータホルダ81の周方向において所定の間隔をおいて形成され、モータホルダ81を前後方向に貫通している。本実施の形態において、複数の貫通孔81bは、左右対称な位置に2つ形成されている。また、複数の貫通孔81bのそれぞれは、前後方向において、中間ハウジング24に形成された複数の凹部24bのそれぞれと対向する位置に形成されている(図4(c)参照)。また、複数の貫通孔81bのそれぞれは、前後方向において、モータ3の筐体30に形成された複数のネジ孔3aのそれぞれと対向する位置に形成されている(図5(a)参照)。
ここで、図9(b)及び図10に示されているように、モータホルダ81には、モータホルダ81をモータ3に対して固定するための複数の止めネジ81Aが設けられている。本実施の形態においては、複数の止めネジ81Aは、複数の貫通孔81b及び複数の凹部24bのそれぞれの数に対応して2つ設けられている。複数の止めネジ81Aは、複数の貫通孔81bを介して、モータ3の筐体30に形成された複数のネジ孔3aに螺合される。これにより、モータホルダ81は、その後面がモータ3の筐体30の前面と当接した状態でモータ3に固定される。なお、この状態において、図10に示されているように、複数の止めネジ81Aの頭部は、中間ハウジング24の複数の凹部24b内に位置している。これにより、中間ハウジング24と複数の止めネジ81Aとが干渉することが抑制されると共に、中間ハウジング24に前後方向に窪む凹部24bを形成することで中間ハウジング24と複数の止めネジ81Aとが干渉することを抑制しているため、振動工具1本体の前後方向のサイズの小型化を図ることが可能となる。
複数のネジ孔81cは、モータホルダ81の周方向において所定の間隔をおいて形成され、モータホルダ81を前後方向に貫通している。本実施の形態において、複数のネジ孔81cは、モータホルダ81の周方向において略120度おきに設けられている。また、複数のネジ孔81cのそれぞれは、前後方向において、中間ハウジング24に形成された複数の貫通孔24eと対向する位置に形成されている(図4参照)。
貫通孔81dは、モータホルダ81の上部を前後方向に貫通している。貫通孔81dは、モータホルダ81の周方向に沿って延びるように形成されている。また、貫通孔81dは、モータ3の筐体30に形成された2つの貫通孔3bの内いずれか1つと前後方向において対向するように形成されている(図5(a)参照)。なお、本実施の形態においては、貫通孔81dは、一つだけ形成されているが、モータ3の筐体30に形成された2つの貫通孔3bに対応するように2つ形成されていても良い。
図8に示されているように、止め輪82は、前面視略C字状をなす部材である。止め輪82の周方向における端部には、当該端部を前後方向に貫通する貫通孔82aが形成されている。止め輪82は、本発明における「環状部材」の一例である。
図6に示されているように、六角穴付ネジ83は、前後方向に延び、ワッシャ83Aと、スラストワッシャ83Bとが設けられている。スラストワッシャ83Bは、図には詳細に表れていないが後面視略C字状をなしている。スラストワッシャ83Bの周方向における端部は、外力が加えられていない状態において前後方向にずれており、外力が加えられ前後方向に圧縮される際に前後方向に付勢力を生じさせることが可能に形成されている。また、スラストワッシャ83Bは、その後面が六角穴付ネジ83の頭部の後面と当接するように六角穴付ネジ83に挿通される。六角穴付ネジ83は、本発明における「接続部材」及び「第1接続部材」の一例である。
ワッシャ83Aは、図には詳細に表れていないが後面視略環状をなしている。ワッシャ83Aは、その前面がスラストワッシャ83Bの後面と当接するように六角穴付ネジ83に挿通される。なお、本実施の形態においては、ワッシャ83Aは、六角穴付ネジ83本体とは別体に構成されていたが、ワッシャ83Aと六角穴付ネジ83本体とが一体に構成されていても良い。この場合には、当該一体に構成された六角穴付ネジが本発明における「接続部材」の一例となる。
次に、図1、図6及び図9を参照しながら、モータハウジング22と中間ハウジング24との組立手順、及び、接続態様について詳細に説明する。
まず、モータホルダ81が固定された状態のモータ3が前方からモータハウジング22に挿入される。このときに、図1に示されているように、モータ3の回転軸32の後端部32Aがモータハウジング22の壁部22Aの挿通孔22dに挿通される。
次に、止め輪82がモータハウジング22の前部に形成された環状溝22eに嵌合される。具体的には、図示せぬ工具を用いて外力を加え縮径させた状態の止め輪82を、前後方向において環状溝22eの付近まで持ってくる。この状態において、止め輪82に加えていた外力を解除することにより、止め輪82を環状溝22eに嵌合させる。このときに、止め輪82は、モータハウジング22の径方向において、モータ3の外周面よりも内方に突出している。
次に、中間ハウジング24の後部を前方からモータハウジング22に挿入する。この状態において、作業者は、中間ハウジング24に形成された貫通孔24eと、モータホルダ81に形成されたネジ孔81cとが同軸状に連通するように、中間ハウジング24をモータハウジング22の周方向に回転させる。
そのうえで、作業者は、六角穴付ネジ83を中間ハウジング24に形成された複数の凹部24d及び複数の貫通孔24eを介して、モータホルダ81に形成された複数のネジ孔81cに螺合させる。本実施の形態においては、六角穴付ネジ83は、複数の凹部24d、複数の貫通孔24e及び複数のネジ孔81cの数に対応して3つ設けられている。なお、図9(a)においては、3つの六角穴付ネジ83の内、一つのみが図示され、残りの二つの図示は省略されている。
六角穴付ネジ83をネジ孔81cに螺合することにより、止め輪82がモータホルダ81の前面と中間ハウジング24の後面とにより挟み込まれる。これにより、モータハウジング22に対する中間ハウジング24の位置が固定される。また、これにより、中間ハウジング24にネジ23Fにより固定される前部ハウジング23のモータハウジング22に対する位置が固定される。つまり、六角穴付ネジ83は、モータハウジング22と中間ハウジング24とを接続することにより、モータハウジング22と前部ハウジング23とを接続している。
ここで、図1、図6及び図9に示されているように、六角穴付ネジ83の全体が、前後方向視において、筐体30(モータ3)の外径よりも内方に位置している。このため、モータハウジング22と中間ハウジング24との接続箇所、つまり、モータハウジング22と前部ハウジング23との接続箇所のモータハウジング22からの突出量を抑制することが可能となる。そして、モータハウジング22と前部ハウジング23との接続箇所の突出により作業者の握りが阻害されることが抑制され、作業性を向上させることが可能となる。また、モータハウジング22が一体に成型された円筒形状を有しているため、モータハウジング22と前部ハウジング23との接続箇所に既存の防水のためのOリング24A及び24Bを配置することができ、防水性能を向上させることが可能となる。
また、前後方向に延びるネジ23Fの少なくとも一部が、前後方向視において、筐体30(モータ3)の外径よりも内方に位置している。このため、前部ハウジング23と中間ハウジング24との接続箇所、つまり、モータハウジング22と前部ハウジング23との接続箇所のモータハウジング22からの突出量を抑制することが可能となる。
以上、本発明を第1の実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲内にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態においては、六角穴付ネジ83及の全体が前後方向視において筐体30(モータ3)の外径よりも内方に位置していたが、六角穴付ネジ83の少なくとも一部が前後方向視において筐体30(モータ3)の外径の内方に位置するように構成しても良い。この場合においても、上記と同様の効果を奏する。
以下、本発明の第1の実施の形態に係る電動工具の一例である振動工具1の変形例について図11を参照しながら説明する。当該変形例においては、スイングアーム5に替えて、スイングアーム15が設けられ、出力軸61に替えて出力軸16が設けられ、中間ハウジング24に替えて中間ハウジング241が設けられている。
中間ハウジング241には、凹部24dに替えて、凹部241aが形成されている。凹部241aには、ニードルベアリング241Aの外周面が圧入により固定されている。ニードルベアリング241Aの内径は、六角穴付ネジ83の前面視における外径よりも大きく構成されている。凹部241aは、本発明における「凹部」の一例である。ニードルベアリング241Aは、本発明における「軸受部材」の一例である。
図11に示されているように、スイングアーム15の下部には、前後方向に延びるネジ孔15aが形成されている。ネジ孔15aは、スイングアーム15の下部を前後方向に貫通している。
出力軸16は、軸部161と、ネジ軸部162とを有している。
軸部161の後部には、前後方向に延びる螺合部161Aが設けられている。螺合部161Aの外周には、雄ネジ山が切られている。螺合部161Aは、スイングアーム15のネジ孔15aに螺合する右ネジとして構成されている。言い換えると、スイングアーム15と軸部161とは、軸部161をスイングアーム15に螺合することによって、接続されている。これにより、スイングアーム15と軸部161との接続箇所における組立性を向上させることが可能となる。なお、スイングアームに螺合部が設けられ、軸部に当該螺合部が螺合するネジ孔が設けられることにより、スイングアームと軸部とが接続されるように構成されていても良い。また、螺合部161Aは、左ネジとして構成されていても良い。軸部161は、本発明における「軸部」の一例である。
軸部161の後部には、後面に開口を形成し前後方向に延びる挿通孔161bが形成されている。また、挿通孔161bと連通するように前後方向に延びるネジ孔161aが形成されている。ネジ孔161aは、本発明における「第1ネジ穴部」の一例である。
ネジ軸部162は、ネジ軸部162は、軸部161のネジ孔161aに螺合され、本体部162Aと、芯出部162Bと、ネジ部162Cと、拡径部162Dとを有している。ネジ軸部162は、本発明における「第1ネジ」の一例である。
本体部162Aは、前後方向に延びる略円柱形状をなしている。本体部162Aには、一対の切り欠き面162Eが規定されている。一対の切り欠き面162Eは、図には詳細に表れてはいないが軸線O3に対して対称に規定されている。
芯出部162Bは、本体部162Aから前方に延びる略円柱形状をなしている。芯出部162Bの直径は、軸部161に形成された挿通孔161bの内径と同一に構成されている。これにより、ガタつくことなくネジ軸部162のネジ部162Cを軸部161に形成されたネジ孔161aに螺合させることが可能となる。また、本変形例において、ネジ軸部162は、左ネジとして構成されている。
拡径部162Dは、本体部162Aから後方に延びる略円柱形状をなしている。拡径部162Dは、ニードルベアリング241Aに挿通されている。これにより、ネジ軸部162は、ニードルベアリング241Aを介して中間ハウジング241に軸線O3を中心として回転可能に支持されている。言い換えると、ニードルベアリング241Aは、出力軸16の一端部を支持している。
このように、出力軸16の一端部が凹部241aに設けられたニードルベアリング241Aにより支持されるため、作業精度を向上させることが可能となる。また、中間ハウジング241とモータハウジング22とを接続するための凹部241aを出力軸16の一端部を支持するために共用するため、振動工具本体を小型化することが可能となる。
また、ニードルベアリング241Aの内径が、前面視における六角穴付ネジ83の外径よりも大きく構成されているため、凹部241dにニードルベアリング241Aが圧入された状態でも、ニードルベアリング241Aの内径を通して中間ハウジング241とモータハウジング22とを接続する六角穴付ネジ83を凹部241aから好適に装着、取り出すことが可能となるため組立性が良い。
また、先端工具保持部60の六角穴付ネジ64が右ネジとして構成されているところ、ネジ軸部162が左ネジとして構成されているため、例えば、先端工具Pを取り外す際に大きな負荷トルクがかかった場合においても、出力軸16がネジ軸部162の締まる方向に回転しようとするため、ネジ軸部162の軸部161に対する螺合が緩んでしまうことを抑制することが可能となる。なお、本変形例とは逆に、六角穴付ネジ64が左ネジとして構成され、ネジ軸部162が左ネジとして構成されていても良い。この場合においても、上記と同様の効果を奏する。
次に、図12乃至図15を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る電動工具の一例である振動工具100について説明する。振動工具100は、基本的に第1の実施の形態に係る振動工具1と同一の構成を有しており、振動工具100と同一の構成については、同一の参照番号を付し説明を適宜省略し、相違する構成、及び、より詳細に説明すべき構成について主に説明する。また、振動工具1と同一の構成については、上記において説明した効果と同様の効果を奏する。
図12に示されているように、第2の実施の形態に係る振動工具100においては、ハウジング2に替えて、ハウジング12が設けられ、ハウジング接続部8に替えてハウジング接続部18が設けられている。
ハウジング12は、後部ハウジング120と、モータハウジング122とを有している。後部ハウジング120は、円筒部121を有している。後部ハウジング120は、本発明における「第2ハウジング」の一例である。
図13に示されているように、円筒部121は、壁部121Aを有している。壁部121Aは、第1の実施の形態における壁部21Cよりも肉厚に構成され、前後方向に延びている。壁部121Aには、環状溝121dが形成されている。環状溝121dは、壁部121Aの径方向内方に窪み、壁部121Aの周方向全域に亘り形成されている。環状溝121dには、Oリング121Bが設けられている。
図14に示されているように、モータハウジング122は、壁部122Aと、受入部122Bとを有している。モータハウジング122は、本発明における「第1ハウジング」の一例である。
壁部122Aには、挿通孔122aと、複数の貫通孔122bと、複数の貫通孔122cとが形成されている。挿通孔122a、複数の貫通孔122b及び複数の貫通孔122cのそれぞれは、第1の実施の形態における振動工具1のハウジング接続部8のモータホルダ81に形成された挿通孔81a、複数の貫通孔81b及び貫通孔81dのそれぞれと同一の機能を有する構成のため、説明を省略する。なお、本実施の形態においては、モータハウジング122と中間ハウジング124とは、複数の貫通孔122bを介してネジ2Cがモータ3に形成されたネジ孔3aに螺合されることにより固定されている。
受入部122Bは、モータハウジング22の後部を形成し、前後方向に延びる略円筒形状をなしている。受入部122Bの内径は、モータハウジング22の前後方向における略中央部の内径よりも大きく構成されている。
また、モータハウジング122の後部には、環状溝122dが形成されている。環状溝122dは、モータハウジング122の内周面における受入部122Bの僅かに前方に形成され、モータハウジング122の周方向に延びている。
図15に示されているように、ハウジング接続部18は、モータホルダ81に替えて、ホルダ181を有し、六角穴付ネジ83に替えて、ネジ183を有している。なお、止め輪182については、第1の実施の形態におけるハウジング接続部8の止め輪82と同一の構成であるため説明を省略する。ネジ183は、本発明における「接続部材」の一例である。
ホルダ181は、前面視略円環状をなしている。ホルダ181には、挿通孔181aと、複数のネジ孔181bと、挿通孔181cとが形成されている。挿通孔181a、複数のネジ孔181b及び挿通孔181cのそれぞれは、第1実施形態における振動工具1のモータハウジング22の壁部22Aに形成された挿通孔22d、複数のネジ孔22b及び挿通孔22cのそれぞれと同一の機能を有する構成のため、説明を省略する。
次に、図12を参照しながら、モータハウジング122と円筒部121との組立手順、及び、接続態様について詳細に説明する。
まず、モータ3が後方からモータハウジング122に挿入される。次に、ホルダ181が前方からモータハウジング122に挿入される。このときに、図12に示されているように、モータ3の回転軸32の後端部32Aがホルダ181の挿通孔181aに挿通される。
次に、止め輪182がモータハウジング122の後部に形成された環状溝122dに嵌合される。具体的には、図示せぬ工具を用いて外力を加え縮径させた状態の止め輪182を、前後方向において環状溝122dの付近まで持ってくる。この状態において、止め輪182に加えていた外力を解除することにより、止め輪182を環状溝122dに嵌合させる。このときに、止め輪182は、モータハウジング122の径方向において、モータハウジング122の内周面よりも内方に突出している。
次に、後部ハウジング120の前部を後方からモータハウジング122に挿入する。この状態において、作業者は、後部ハウジング120に形成された複数の貫通孔121bと、ホルダ181に形成された複数のネジ孔181bとが同軸状に連通するように、後部ハウジング120をモータハウジング122の周方向に回転させる。
そのうえで、作業者は、ネジ183を後部ハウジング120に形成された複数の貫通孔121bを介して、ホルダ181に形成された複数のネジ孔181bに螺合させる。本実施の形態においては、ネジ183は、複数の貫通孔121b及び複数のネジ孔181bの数に対応して3つ設けられている。
ネジ183をネジ孔181bに螺合することにより、止め輪182がホルダ181の後面と後部ハウジング120の円筒部121の前面とにより挟み込まれる。これにより、モータハウジング122に対する後部ハウジング120の位置が固定される。つまり、ネジ183は、モータハウジング122と前部ハウジングとを接続している。
また、モータハウジング122及び後部ハウジング120が互いに接続された状態で、後部ハウジング120の円筒部121の壁部121Aに形成された環状溝121dを規定する底面とモータハウジング122の受入部122Bの内周面とによりOリング121Bが挟み込まれている。これにより、ハウジング12外部からハウジング12内部への水や粉塵の侵入を抑制することが可能となる。
ここで、ネジ183の全体が、前後方向視において、筐体30(モータ3)の外径よりも内方に位置している。このため、モータハウジング122と後部ハウジング120との接続箇所のモータハウジング122からの突出量を抑制することが可能となる。そして、モータハウジング122と後部ハウジング120との接続箇所の突出により作業者の握りが阻害されることが抑制され、作業性を向上させることが可能となる。また、モータハウジング122が一体に成型された円筒形状を有しているため、モータハウジング122と後部ハウジング120との接続箇所に既存の防水のためのOリング121Bを配置することができ、防水性能を向上させることが可能となる。
以上、本発明を第2の実施の形態をもとに説明した。本実施の形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態においては、ネジ183の全体が前後方向視において筐体30(モータ3)の外径よりも内方に位置していたが、ネジ183の少なくとも一部が前後方向視において筐体30(モータ3)の外径の内方に位置するように構成しても良い。この場合においても、上記と同様の効果を奏する。
本実施の形態においては、電動工具として振動工具1、100を例に説明したが、本発明は振動工具以外のモータで駆動される電動工具、例えば、セーバソーやジグソー等の往復動工具にも適用可能である。