JP7234376B2

JP7234376B2 - 位置決め特徴部を有する燃料レールダンパ

Info

Publication number: JP7234376B2
Application number: JP2021536213A
Authority: JP
Inventors: キャサリージョン; エマヌエルグツマンエスカランテアルフォンソ; チャベスホスエ
Original assignee: Robert Bosch GmbH
Current assignee: Robert Bosch GmbH
Priority date: 2018-12-21
Filing date: 2019-12-06
Publication date: 2023-03-07
Anticipated expiration: 2039-12-06
Also published as: US10731611B2; US20200200130A1; DE112019005837B4; KR20210106535A; CN113423944B; JP2022514705A; DE112019005837T5; WO2020126566A1; CN113423944A

Description

背景
車両の燃料レールは、複数の燃料インジェクタに燃料を供給する導管である。燃料インジェクタは、エンジンの対応する燃焼室に燃料を直接または間接的に噴射する。電磁式の燃料インジェクタは、エンジンの動作に適切にタイミングを合わせた計量パルスでエンジンに燃料を給送する。状況によっては、燃料インジェクタの連続的な通電により、燃料レール内で圧力脈動が生じる。圧力脈動は、結果として、インジェクタへの燃料の不適切な分配と、結果的に振動および可聴雑音につながる燃料ラインのハンマリングとを引き起こしてしまう。

圧力脈動を低減するかまたは排除するために、車両の燃料レールの内側にダンパが配置されてもよい。幾つかのシステムでは、ダンパの端部に固定され、燃料レール内にダンパを懸架する弾性的な保持要素を介して、ダンパが車両の燃料レール内に位置決めかつ保持される。幾つかの装置において、弾性的な保持要素は、ダンパの中心線を中心として対称になるようにダンパの各端部から突出しているばね保持器および／またはワイヤ保持器である。しかし、このばね保持器および／またはワイヤ保持器は、燃料レールとの組立て中に外れることがある。ダンパの前端部は、燃料レールの開口端に挿入されるように設計可能であるが、鏡像構成を有するダンパの後端部は、燃料レールの開口端と干渉することがあるからである。さらに、ばね保持器および／またはワイヤ保持器は、移送中に外れることもあり、これにより、後端部の保持器が失われ、燃料レールからダンパを取り外すことによる手直しが必要になることがある。外れた保持器が、手直しされた燃料レール内に残った場合には、雑音、漏れおよび／またはゆがみの増大に関する付加的な問題が生じることがある。取付けおよびメンテナンスが容易であり、部品が外れる恐れがない燃料レールダンパが所望されている。

概要
幾つかの態様において、ダンパは、導管の内側に配置されるように構成されている。ダンパは、第１の端部と、第１の端部と反対側の第２の端部と、第１の端部と第２の端部との間に配置された中空の中間部分と、第１の端部および第２の端部を通って延在する長手方向軸線と、第１の端部に配置された第１の保持器と、第２の端部に配置された第２の保持器とを含む。第１の保持器は、第２の保持器と同じ構造を有し、ダンパを導管内に保持するように構成されている。さらに、ダンパは、長手方向軸線に対して垂直なかつ第１の端部と第２の端部と間の中間点を通る軸線を中心として非対称である。

幾つかの実施形態において、第１の保持器は、導管の内面に係合するように構成された、外向きに突出した三角形の第１の返し部（barb）を含み、第２の保持器は、導管の内面に係合するように構成された、外向きに突出した三角形の第２の返し部を含む。さらに、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、長手方向軸線に対して鋭角を成して延在しており、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、長手方向に対して同じ方向に向けられている。

幾つかの実施形態において、長手方向軸線に対して垂直な方向に見たとき、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、略三角形の輪郭を備える。

幾つかの実施形態において、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、ダンパの壁と一体である基部と、基部から離間しかつダンパの壁の上方にある頂点とを備える。

幾つかの実施形態において、中間部分は、第１の断面寸法を有し、第１の端部および第２の端部はそれぞれ、第１の断面寸法よりも大きい対応する第２の断面寸法を有し、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、第２の断面寸法よりも大きい対応する第３の断面寸法を有する。

幾つかの実施形態において、第１の返し部は、第１のアルファ返し部と、第１のベータ返し部とを含む。第１のアルファ返し部および第１のベータ返し部は、第１の端部と中間部分との間に配置されている。さらに、第１のアルファ返し部および第１のベータ返し部は、ダンパの互いに反対側に配置されていて、長手方向軸線に対して垂直な第１の軸線に沿って位置合わせされる。第２の返し部は、第２のアルファ返し部と、第２のベータ返し部とを含む。第２のアルファ返し部および第２のベータ返し部は、第２の端部と中間部分との間に配置されている。さらに、第２のアルファ返し部および第２のベータ返し部は、ダンパの互いに反対側に配置されていて、長手方向軸線に対して垂直な第２の軸線に沿って位置合わせされる。

幾つかの実施形態において、第１の保持器は、第１の端部と中間部分との間に配置されており、第２の保持器は、第２の端部と中間部分との間に配置されている。

幾つかの実施形態において、第１の端部、第２の端部、中間部分、第１の保持器および第２の保持器は、一体に形成されている。

幾つかの実施形態において、ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第１の断面で見たとき、中間部分は、閉じた断面形状を有し、第１の断面は、中間部分で切断されたものである。ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第２の断面で見たとき、第１の端部は、第１のプレート部分を含み、第２の断面は、第１の端部と中間部分との間で切断されたものであり、第１のプレート部分は、第１の端部と中間部分との間に延在する第１の長手方向縁部を有する。さらに、ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第３の断面で見たとき、第２の端部は、第２のプレート部分を含み、第３の断面は、第２の端部と中間部分との間で切断されたものであり、第２のプレート部分は、第２の端部と中間部分との間に延在する第２の長手方向縁部を有する。第１の保持器は、第１の長手方向縁部から外向きに突出しており、第２の保持器は、第２の長手方向縁部から外向きに突出している。

幾つかの実施形態において、ダンパは、第１のプレート部分に配置された、第１の長手方向縁部の間に延在する第１の溶接部と、第２のプレート部分に配置された、第２の長手方向縁部の間に延在する第２の溶接部とを備える。第１の保持器は、第１の端部と第１の溶接部との間に配置されており、第２の保持器は、第２の端部と第２の溶接部との間に配置されている。

幾つかの態様において、燃料噴射システムは、燃料レールと、燃料レールの内側に配置されたダンパとを含む。燃料レールは、内面を有する。ダンパは、第１の端部と、第１の端部と反対側の第２の端部と、第１の端部と第２の端部との間に配置された中空の中間部分と、第１の端部および第２の端部を通って延在する長手方向軸線と、外面とを含む。第１の端部は、燃料レールの内面に係合する外向きに突出した第１の返し部を含む。第２の端部は、燃料レールの内面に係合する外向きに突出した第２の返し部を含む。さらに、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、長手方向軸線に対して鋭角を成して延在しており、第１の返し部および第２の返し部はそれぞれ、長手方向に対して同じ方向に向けられている。

幾つかの実施形態において、第１の返し部は、第１の端部と中間部分との間に配置されており、第２の返し部は、第２の端部と中間部分との間に配置されている。

幾つかの実施形態において、第１の端部、第２の端部、中間部分、第１の返し部および第２の返し部は、一体に形成されている。

幾つかの実施形態において、ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第１の断面で見たとき、中間部分は、閉じた断面形状を有し、第１の断面は、中間部分で切断されたものである。ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第２の断面で見たとき、第１の端部は、第１のプレート部分を含み、第２の断面は、第１の端部と中間部分との間で切断されたものであり、第１のプレート部分は、第１の端部と中間部分との間に延在する第１の長手方向縁部を有する。さらに、ダンパを長手方向軸線に対して垂直な第３の断面で見たとき、第２の端部は、第２のプレート部分を含み、第３の断面は、第２の端部と中間部分との間で切断されたものであり、第２のプレート部分は、第２の端部と中間部分との間に延在する第２の長手方向縁部を有する。第１の返し部は、第１の長手方向縁部から外向きに突出しており、第２の返し部は、第２の長手方向縁部から外向きに突出している。

幾つかの実施形態において、ダンパは、第１のプレート部分に配置された、第１の長手方向縁部の間に延在する第１の溶接部と、第２のプレート部分に配置された、第２の長手方向縁部の間に延在する第２の溶接部とを含む。第１の返し部は、第１の端部と第１の溶接部との間に配置されており、第２の返し部は、第２の端部と第２の溶接部との間に配置されている。

幾つかの態様において、流体給送システム用のダンパを製造する方法は、第１の端部、第１の端部と反対側の第２の端部、第１の端部と第２の端部との間に配置された中間部分および第１の端部と第２の端部との間に延在する長手方向軸線を有する管を提供する方法ステップと、第１の端部に第１のプレート部分を提供するように、第１の端部で管を平らにする方法ステップと、第２の端部に第２のプレート部分を提供するように、第２の端部で管を平らにする方法ステップと、第１の端部を封止するように、管の長手方向軸線に対して垂直な第１の溶接線に沿って第１のプレート部分を溶接する方法ステップと、第２の端部を封止するように、管の長手方向軸線に対して垂直な第２の溶接線に沿って第２のプレート部分を溶接する方法ステップと、第１のプレート部分に第１のスリットを切り込む方法ステップであって、第１のスリットは、第１のプレート部分の第１の周縁部分に交差し、長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、第１のプレート部分に第２のスリットを切り込む方法ステップであって、第２のスリットは、第１のプレート部分の第２の周縁部分に交差し、長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、第１のスリットと第１の周縁部分との間の管の第１の部分が、第１の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、管を変形させる方法ステップと、第２のスリットと第２の周縁部分との間の管の第２の部分が、第２の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、管を変形させる方法ステップとを含む。

幾つかの実施形態において、方法は、流体給送システムの流体導管を提供する方法ステップと、管の前端部が管の後端部よりも先に挿入されるように、導管に管を挿入する方法ステップとを含む。導管に管を挿入する方法ステップ中に鋭角が管の前端部から離れる方向に開くように、管が向けられる。

幾つかの実施形態において、長手方向軸線に対して垂直な方向に見たとき、管の第１の部分および管の第２の部分はそれぞれ、略三角形の輪郭を備える。

幾つかの実施形態において、管の第１の部分は、ダンパの壁と一体である、第１のスリットの隠れ端部と第１の周縁部分との間に延在する第１の基部と、第１の基部から離間し、第１の周縁部分から離間し、第１の周縁部分の上方にある第１の頂点とを含む。さらに、管の第２の部分は、ダンパの壁と一体である、第２のスリットの隠れ端部と第２の周縁部分との間に延在する第２の基部と、第２の基部から離間し、第２の周縁部分から離間し、第２の周縁部分の上方にある第２の頂点とを含む。

幾つかの実施形態において、方法は、第２のプレート部分に第３のスリットを切り込む方法ステップであって、第３のスリットは、第２のプレート部分の第３の周縁部分に交差し、長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、第２のプレート部分に第４のスリットを切り込む方法ステップであって、第４のスリットは、第２のプレート部分の第４の周縁部分に交差し、長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、第３のスリットと第３の周縁部分との間の管の第３の部分が、第３の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、管を変形させる方法ステップと、第４のスリットと第４の周縁部分との間の管の第４の部分が、第４の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、管を変形させる方法ステップとをさらに含む。

幾つかの態様において、導管と、導管内に配置されたダンパとを含む流体給送システムを製造する方法が提供される。この方法は、ダンパが、前端部と、前端部と反対側の後端部と、前端部に隣接してダンパから突出した第１の対の返し部と、後端部に隣接してダンパから突出した第２の対の返し部とを有するように、ダンパを製造する方法ステップであって、第１の対の返し部の各返し部および第２の対の返し部の各返し部は、長手方向軸線に対して鋭角を成し、鋭角は、後端部に向かって開いている、方法ステップと、後端部が導管に挿入される前に、前端部が導管に挿入されるように、導管にダンパを挿入する方法ステップとを含む。

一部の従来の燃料レールダンパの欠点に対処する燃料レールダンパが提供される。特にダンパは、それぞれ反対側の端部で平らにされて封止された細長い中空体を含む。ダンパは、端部と一体に形成された位置決め特徴部および保持特徴部を含む。位置決め特徴部および保持特徴部が端部と一体になるようにダンパを形成することにより、特徴部ひいてはダンパ全体のコストおよび複雑さが低減される。さらに、位置決め特徴部は、組立て中、輸送中または使用中に除去されたり、外れたりかつ／またはなくなったりする可能性がない。

位置決め特徴部および保持特徴部は、ダンパの一方の端部に配置された第１の保持器と、反対側の端部に配置された第２の保持器とを含む。保持器は、第１の保持器が第２の保持器と同じ構造を有し、ダンパの中間点を通って延在する軸線を中心としてダンパが非対称になるように配置される。第１および第２の保持器を非対称な配置で一体化することにより、再現可能な低い挿入力を提供するように設計された形状を第１および第２の保持器が有することになるので、燃料レールへのダンパの挿入が容易になり、挿入に特別な工具や技法が必要なくなる。ダンパを側面図で見たとき、第１および第２の保持器の形状は略三角形であり、使用時には、第１および第２の保持器の頂点が、燃料レールの内面に係合する。第１および第２の保持器は、各保持器の頂点が燃料レールの内面に対して浅い接触角を有するように配置されており、それにより、挿入力を最小限に抑える押込み効果が得られる。さらに、第１および第２の保持器は、後方に向けられた返し部形状を提供するように、ダンパの長手方向軸線に対して傾斜し、この後方に向けられた返し部形状は、力を小さい点（例えば、頂点）に集中させ、押込み効果の方向を反転させ、曲げおよび燃料レールの壁への引っ掛かりを生じさせることにより、相対的に高い取外し力を生じさせるものであり、これは、ヤマアラシの針毛や釣り針の返しによく似ている。こうして、第１および第２の保持器の角度および配向によって、有利には、ダンパが燃料レール内に位置決めされ、燃料レール内の所望の位置にダンパが保持され、その一方で組立ての労力および複雑さが低減される。

燃料システムの一部分を示す側方部分断面図である。燃料レールに配置されたダンパを示す、燃料レールの底面斜視図である。図３の燃料レールの端面図である。ダンパの側面図である。ダンパの端部の側面図である。図４の６－６線に沿って見たときのダンパの断面図である。図４の７－７線に沿って見たときのダンパの断面図である。図４の８－８線に沿って見たときのダンパの断面図である。ダンパの端部の斜視図である。ダンパを製造する方法を示すフローチャートである。ダンパを形成するために使用される、管の端部を溶接する方法ステップを示す図である。管にスロットを切り込む方法ステップを示す図である。突出部を形成するように、スロットの近傍において管を変形させる方法ステップを示す図である。突出部の頂点のばりを取る方法ステップを示す図である。流体給送システムを製造する方法を示すフローチャートである。管にスロットを切り込むための代替的な位置を示す図である。図１６のスロットから作られる代替的な突出部（返し部）を示す図である。別の代替的な突出部（返し部）を示す図である。

詳細な説明
図１～図３を参照すると、燃料システム１は、車両のエンジン（図示せず）に燃料を給送するために使用される。燃料システム１は、燃料レール２と、燃料レール２の内側に配置されたダンパ２０と、燃料レール２に接続された燃料インジェクタ１０とを含む。燃料レール２は、燃料通路６を規定する壁４を含む細長い長方形の中空管である。燃料レール２は、壁に形成された、燃料インジェクタ１０を取り付ける燃料出口８を含む。燃料出口８は、ガソリンまたはディーゼル燃料などの燃料を、燃料通路６から燃料インジェクタ１０を介してエンジンに供給する。３つの燃料出口８および３つの燃料インジェクタ１０が図示してあるが、燃料レールは、より多いまたはより少ない個数の燃料出口８および燃料インジェクタ１０を含んでもよく、提供される燃料出口８および燃料インジェクタ１０の個数は、エンジンの燃料インジェクタおよび入口ポートの個数に対応する。ダンパ２０は、ダンパ２０の各端部に設けられた保持器６０，８０を介して、燃料レール２内に位置決めおよび保持される。保持器６０，８０は、燃料レール２の内面に係合するように構成され、これについては以下で詳細に検討する。

図４～図８を参照すると、ダンパ２０は、第１の端部２８と、第１の端部２８と反対側の第２の端部３８と、第１の端部２８と第２の端部３８との間に配置された中空の中間部分４８とを有する細長い本体である。ダンパ２０は、第１の端部２８および第２の端部３８を通って延在する長手方向軸線５０を含む。ダンパ２０は管から形成され、それにより長手方向軸線５０に対して垂直な第１の断面でダンパ２０を見たとき、中間部分４８は閉じた曲線状区分を有し、第１の断面は、ダンパ２０の中間点９２を通る第１の軸線９４に沿って切断されたものであり、中間点９２は、第１の端部２８と第２の端部３８との中間にある（図４）。例えば、図示の実施形態において、中間部分４８は閉じた楕円形区分を有し、第１の軸線９４は、長手方向軸線５０に対して垂直であり、閉じた楕円形区分の長軸９３に対して平行である（図８）。

ダンパ２０の第１および第２の端部２８，３８は、平らにされ、溶接されて、ダンパ２０内の封止された空間を提供する。したがって、ダンパの第１の端部２８は、第１の端部２８と中間部分４８との間に長手方向に延在している第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂを有する第１のプレート部分３０を含む。ダンパの第１の端部２８は、第１の端部２８と中間部分４８との間に配置された第１の溶接部３４を含む。第１の溶接部３４（破線で示す）は、第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂ間に延在し、ダンパの第１の端部２８を封止する。第１の端部２８と中間部分４８との間に配置され第１の軸線９４に対して平行な第２の軸線９６に沿って切断された、長手方向軸線５０に対して垂直な第２の断面でダンパ２０を見たとき、ダンパ２０は、プレート形状区分を有する（図６）。

同様に、ダンパの第２の端部３８は、第２の端部３８と中間部分４８との間に長手方向に延在している第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂを有する第２のプレート部分４０を含む。ダンパの第２の端部３８は、第２の端部３８と中間部分４８との間に配置された第２の溶接部４４（破線で示す）を含む。第２の溶接部４４は、第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂ間に延在し、ダンパの第２の端部３８を封止する。第２の端部３８と中間部分４８との間に配置され第１の軸線９４に対して平行な第３の軸線９８に沿って切断された、長手方向軸線５０に対して垂直な第３の断面でダンパ２０を見たとき、ダンパ２０は、プレート形状区分を有する。

ダンパ２０は、第１のプレート部分３０と一体に形成され、第１の端部２８と第１の溶接部３４との間に配置された第１の保持器６０と、第２のプレート部分４０と一体に形成され、第２の端部３８と第２の溶接部４４との間に配置された第２の保持器８０とを含む。したがって、第１の端部２８、第２の端部３８、中間部分４８、第１の保持器６０、および第２の保持器８０は一体に形成され、第１および第２の保持器６０，８０は、第１および第２の溶接部３４，４４間に規定された封止領域の外側に設けられる。

第１の保持器６０は、燃料レール２の内面に係合するように構成された、外向きに突出した１対の第１の返し部６２，６４を含む。さらに、第２の保持器８０は、燃料レール２の内面に係合するように構成された、外向きに突出した１対の第２の返し部８２，８４を含む。

１対の第１の返し部６２，６４は、第１のアルファ返し部６２と第１のベータ返し部６４とを含む。第１のアルファ返し部６２は、第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちの一方の縁部３２ａから外向きに突出している。第１のベータ返し部６４は、第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちの反対側の縁部３２ｂから外向きに突出している。特に、第１のアルファ返し部６２および第１のベータ返し部６４は、第１の端部２８と第１の溶接部３４との間に配置され、長手方向軸線５０に対して垂直な第２の軸線に沿って位置合わせされる。

１対の第２の返し部８２，８４は、第２のアルファ返し部８２と第２のベータ返し部８４とを含む。第２のアルファ返し部８２は、第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちの一方の縁部４２ａから外向きに突出している。第２のベータ返し部８４は、第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちの反対側の縁部４２ｂから外向きに突出している。特に、第２のアルファ返し部８２および第２のベータ返し部８４は、第２の端部３８と第２の溶接部４４との間に配置され、長手方向軸線５０に対して垂直な第２の軸線９６に沿って位置合わせされる。

第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４は、それぞれの第１または第２のプレート部分３０，４０にスリット５２を切り込むことによって提供される。スリット５２は、それぞれの第１または第２の長手方向縁部３２，４２に交差し、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１を成して配置される。スリット５２と第１または第２の長手方向縁部３２，４２との間に配置された材料の三角形部分は、長手方向軸線５０およびそれぞれの第１または第２のプレート部分３０，４０から離れて「返し部」を形成するように、外向きに変形させられる。

長手方向軸線５０に対して垂直な方向に見たとき、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４はそれぞれ、略三角形の輪郭を有する。特に、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４はそれぞれ、基部５４と頂点５６とを有する。基部５４は、それぞれ第１または第２のプレート部分３０，４０と一体であり、スリット５２の隠れ端部を通る線に沿って全体的に位置決めされ、それぞれの第１または第２の長手方向縁部３２，４２に対して垂直である。頂点５６は、基部５４から離間しており、それぞれの第１または第２の長手方向縁部３２，４２とスリット５２が交差する位置に対応している。頂点５６は、それぞれの第１または第２の長手方向縁部３２，４２の未変形部分から離間し、その未変形部分の上方にあり、例えば頂点５６は、ダンパ２０の壁から離間し、その壁の上方にある。

さらに、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４はそれぞれ、長手方向軸線５０に対して第２の鋭角θ２を成して延在し、角度θ２は、ダンパの第２の端部３８に向かって開いており、この第２の端部３８は、ダンパ２０が燃料レール２などの導管に挿入されるときに、ダンパ２０の後端部に相当する。言い換えれば、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４はそれぞれ、長手方向軸線５０に対して同じ方向に向けられ、これによりダンパ２０は、長手方向軸線５０に対して垂直な、中間点９２を通る第３の軸線９８を中心として非対称である。さらに、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４のそれぞれの頂点５６は、ダンパの第１の端部２８、すなわち前端部から離れる方向に傾斜しており、それにより燃料レール２からダンパ２０を抜き取ることが困難になる。

図４および図５を参照すると、ダンパ２０は一様でない外径を有する。特に、ダンパの中間部分４８は、楕円形の断面形状を有し、楕円形の断面形状の長軸９３の寸法は、第１の断面寸法（例えば、直径）ｄ１を有する。第１の端部２８の第１のプレート部分３０および第２の端部３８の第２のプレート部分４０はそれぞれ、第１の断面寸法ｄ１よりも大きい対応する第２の断面寸法ｄ２を有する。さらに、第１のプレート部分３０の周囲縁部から外向きに突出している第１の返し部６２，６４、および第２のプレート部分４０の周囲縁部から外向きに突出している第２の返し部８２，８４はそれぞれ、第２の断面寸法ｄ２よりも大きい対応する第３の断面寸法ｄ３を有し、第３の断面寸法ｄ３は、第１の返し部６２，６４の頂点５６間の距離に対応するとともに、第２の返し部８２，８４の頂点５６間の距離にも対応している。

使用時、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４のそれぞれの頂点５６は、燃料レール２の内面に係合する。図示してある実施形態において、燃料レール２は、方形の断面形状を有する。第１、第２、および第３の軸線９４，９６，９８が、燃料レール断面の対角線に位置合わせされ、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４が、燃料レールの内面の角に収容され、それに係合する配向で、ダンパ２０は燃料レール２に配置される。この構成では、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４だけが、燃料レールの内面に接触している。第１の端部２８、第１のプレート部分３０、中間部分４８、第２のプレート部分４０、および第２の端部３８を含むダンパ２０の残りの部分は、燃料レールの内面から離間しており、これによりダンパ２０が、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４を介して、燃料レール２内で懸架される（図７）。

図１０～図１４を参照すると、ダンパ２０を製造する方法は、ダンパの各端部に一体形の返し部を形成するステップを含み、これについてここで詳細に説明する。

ダンパ２０を製造する最初のステップは、管１２０を提供するステップ（ステップ２００）を含む。管１２０は、押し出し工程などの従来の方法によって形成されてもよい。管１２０は細長く、閉じた曲線状の断面形状を有する。図示してある実施形態において、管１２０は、短軸の少なくとも２倍の長さである長軸を含む楕円形の断面形状を有する。管１２０は、所望の長さに切断され（ステップ２０２）、この長さは、特定用途の要件によって決定される。以下に説明する、この後の形成および／または加工のステップの結果、管１２０は変形させられてダンパ２０になる。この理由から、「管」という用語は、以下では「ダンパ」という用語と同義に使用され、共通の要素を指すために共通の参照符号が使用される。

所望の長さを有する管１２０が、次いで、以下のように加工される。管１２０の第１の端部２８が平らにされて、第１の端部２８において第１のプレート部分３０が提供される（ステップ２０４）。さらに、管１２０の第２の端部３８が平らにされて、第２のプレート部分４０が提供される（ステップ２０６）。第１および第２の端部２８，３８は、長手方向軸線５０と管断面の長軸９３との両方に対して垂直な方向に平らにされる。

管１２０の端部が平らにされた後、管１２０の長手方向軸線５０に対して垂直で管断面の長軸に対して平行な第１の溶接線に沿って、第１のプレート部分３０が溶接されて（ステップ２０８、図１１）、第１の端部２８が封止され、第１の溶接部３４が提供される。第１の溶接部３４は、第１の端部２８から離間している。例えば、図示してある実施形態において、第１の溶接部３４は、第１の端部２８と中間部分４８との中間辺りで、第１のプレート部分３０に配置される。さらに、管１２０の長手方向軸線５０に対して垂直で管断面の長軸に対して平行な第２の溶接線に沿って、第２のプレート部分４０が溶接されて（ステップ２１０）、第２の端部３８が封止され、第２の溶接部４４が提供される。第２の溶接部４４は、第２の端部３８から離間している。例えば、図示してある実施形態において、第２の溶接部４４は、第２の端部３８と中間部分４８との中間辺りで、第２のプレート部分４０に配置される。

管１２０の端部が平らにされ溶接された後に、切込み動作により、第１のプレート部分３０に第１のスリット５２（１）が形成される（ステップ２１２）。第１のスリット５２（１）は、第１のプレート部分３０の第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちの一方の縁部３２ａに交差し、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１を成す。第１のアルファ返し部６２が、第１のスリット５２（１）と第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちのこの一方の縁部３２ａとの間に提供される。さらに、切込み動作により、第１のプレート部分３０に第２のスリット５２（２）が形成される（ステップ２１４、図１２）。第２のスリット５２（２）は、第１のプレート部分３０の第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちの反対側の縁部３２ｂに交差し、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１を成す。第１のベータ返し部６４が、第２のスリット５２（２）と第１の長手方向縁部３２ａ，３２ｂのうちのこの反対側の縁部３２ｂとの間に提供される。第１および第２のスリット５２（１），５２（２）を提供する切込み動作は、ここで２つの別々のステップ２１２，２１４で実施されるものとして説明されているが、第１のスリット５２（１）と第２のスリット５２（２）との両方は、１つの工具（すなわち、１つのパンチまたはナイフ）により１つのステップで切り込まれてもよいことが理解される。

同様に、第３のスリット５２（３）が、切込み動作により、第２のプレート部分４０に形成される（ステップ２１６）。第３のスリット５２（３）は、第２のプレート部分４０の第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちの一方の縁部４２ａに交差し、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１を成す。第２のアルファ返し部８２が、第３のスリット５２（３）と第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちのこの一方の縁部４２ａとの間に提供される。さらに、第４のスリット５２（４）が、切込み動作により、第２のプレート部分４０に形成される（ステップ２１８）。第４のスリット５２（４）は、第２のプレート部分４０の第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちの反対側の縁部４２ｂに交差し、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１を成す。第２のベータ返し部８４が、第４のスリット５２（４）と第２の長手方向縁部４２ａ，４２ｂのうちのこの反対側の縁部４２ｂとの間に提供される。第３および第４のスリット５２（３），５２（４）を提供する切込み動作は、ここで２つの別々のステップ２１６，２１８で実施されるものとして説明されているが、第３のスリット５２（３）と第４のスリット５２（４）との両方は、１つの工具（すなわち、１つのパンチまたはナイフ、図示せず）により１つのステップで切り込まれてもよいことが理解される。幾つかの実施形態において、同じ工具を１つのステップで使用して、第１および第２のスリット５２（１），５２（２）を形成し、次いで、その後のステップで、例えば管１２０を工具に対して並進させた後に、第３および第４のスリット５２（３），５２（４）を形成してもよい。

スリット５２（１），５２（２），５２（３），５２（４）が切り込まれた後、第１の返し部６２，６４を外向きに突出させるように、管１２０が変形させられる。特に、管の第１の部分（例えば、第１のスリット５２（１）と一方の縁部３２ａとの間の第１のアルファ返し部６２）が、一方の縁部３２ａの残りの部分よりも外向きに突出するように、管１２０は、第１のスリット５２（１）の近傍で変形させられる（ステップ２２０）。さらに、管の第２の部分（例えば、第２のスリット５２（２）と反対側の縁部３２ｂとの間の第１のベータ返し部６４）が、反対側の縁部３２ｂの残りの部分よりも外向きに突出するように、管１２０は、第２のスリット５２（２）の近傍で変形させられる（ステップ２２２、図１３）。

第２の返し部８２，８４を外向きに突出させるように、管１２０がさらに変形させられる。特に、管の第３の部分（例えば、第３のスリット５２（３）と一方の縁部４２ａとの間の第２のアルファ返し部８２）が、一方の縁部４２ａの残りの部分よりも外向きに突出するように、管１２０は、第３のスリット５２（３）の近傍で変形させられる（ステップ２２４）。さらに、管の第４の部分（例えば、第４のスリット５２（４）と反対側の縁部４２ｂとの間の第２のベータ返し部８４）が、反対側の縁部４２ｂの残りの部分よりも外向きに突出するように、管１２０は、第４のスリット５２（４）の近傍で変形させられる（ステップ２２６）。

変形前には、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４の配向は、スリット５２（１），５２（２），５２（３），５２（４）の配向に対応しており、ひいては第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４は、長手方向軸線５０に対して第１の鋭角θ１で向けられている。幾つかの実施形態において、第１の鋭角θ１は、長手方向軸線５０に対して５度～８５度の範囲にある。図示してある実施形態では、第１の鋭角θ１は、長手方向軸線５０に対して約３０度である。

変形ステップ２２０，２２２，２２４，２２６の結果、それぞれの返し部６２，６４，８２，８４と長手方向軸線との間の角度は、広げられるか、大きくされる。つまり、変形ステップ２２０，２２２，２２４，２２６の後、第１の返し部８２，８４および第２の返し部８２，８４は、長手方向軸線５０に対して第２の鋭角θ２を成し、第２の鋭角θ２は、第１の鋭角θ１より約５度～２０度大きい。幾つかの実施形態において、第２の鋭角θ２は、長手方向軸線に対して２０度～７０度の範囲にある。図示してある実施形態では、第２の鋭角θ２は、約４５度である。

切込みの長さ、切込みの位置、および切込み角度（例えば、角度θ１）により、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４の大きさおよび位置が決まる。所望の干渉力は、切込みおよび変形のステップによって生じる。干渉力の調整は簡単であり、切込みの長さ、切込み角度（例えば、角度θ１）、および変形後の角度（例えば、角度θ２）に基づく。

全ての変形ステップ２２０，２２２，２２４，２２６は、全ての切込みステップ２１２，２１４，２１６，２１８の後に行われるものとして、ここに説明されているが、方法は、ステップのこの順序に限定されないことが理解される。例えば、幾つかの実施形態において、第１の切込みステップ２１２の後に、第１の変形ステップ２２０が行われてもよく、第２の切込みステップ２１４が、第１の変形ステップ２２０の後に行われてもよく、その後、第２の変形ステップなどが行われてもよい。他の実施形態では、２つの切込みステップ２１２，２１４が第１の端部２８に対して実施され、その後、２つの変形ステップ２２０，２２２が第１の端部２８に対して実施されてもよく、次いで、２つの切込みステップ２１６，２１８が第２の端部３８に対して実施され、その後、残り２つの変形ステップ２２４，２２６が第２の端部３８に対して実施されてもよい。

幾つかの実施形態において、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４のそれぞれの頂点３６は、形成されたままの形状から、例えばばり取りにより、必要に応じて丸みのある形状に仕上げられてもよい（図１４）。頂点の厳密な最終形状は、取扱い、寿命、および力集中の要件によって決定される。

上述したステップ２００～２２６の結果、管１２０は変形させられて、一体形の第１の返し部６２，６４と、一体形の第２の返し部８２，８４とを有するダンパ２０になる。第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４は、それぞれの第１および第２のプレート部分３０，４０から、剛性を有した状態で突出しているが、燃料システム１の燃料レール２との組立て中に僅かな撓みを許容するのに十分な可撓性を有する。第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４は、燃料通路の内面に対して法線力を生じさせて、ダンパ２０を中で懸架し、振動、熱、通路６内の燃料の動きなどに起因する外部の環境的な力が加えられた状態で、ダンパを懸架された所望の構成および位置に保持するのに十分な剛性を有する。さらに、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４は、釣り針の返しのように燃料通路の内面に係合する（例えば、引っ掛かる）のに十分な剛性を有する。

図１５を参照しながら、導管と導管に配置されたダンパとを含む流体給送システムを製造する方法を以下に詳細に説明する。

ダンパ２０の製作が完了すると（ステップ３００）、ダンパ２０が燃料システム１に組み付けられてもよい。これは、燃料レール２の燃料通路６にダンパ２０を挿入することによって、達成可能である（ステップ３０２）。特に、ダンパ２０の前端部に相当する第１の端部２８が、燃料レール２の開口端に挿入され、その後、ダンパ２０の後端部に相当する第２の端部３８が挿入される。第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４はそれぞれ、第２の端部３８に向かって開いているので、ダンパは燃料レール２に容易に挿入される。燃料レール２へのダンパ２０の挿入が完了すると、第１の返し部６２，６４および第２の返し部８２，８４が、燃料レールの内面に係合し、引っ掛かるので、開口端を介して燃料レール２からダンパ２０を引き抜くことは困難である。次いで、燃料レール２の開口端が閉じられて、通常のレールシステムが完成する。

図１～図９に示す実施形態では、それぞれのスリット５２（１），５２（２），５２（３），５２（４）は、それぞれのプレート部分３０，４０の長手方向縁部３２ａ，３２ｂ，４２ａ，４２ｂに交差するように切り込まれる。しかし、幾つかの代替的な実施形態では、管２２０が第２の返し部８２’（図示せず），８４’を含み、この第２の返し部８２’（図示せず），８４’は、第２の端部３８にスリット５２（３）’（図示せず），５２（４）’を切り込み（図１６）、次いで、第２の返し部８２’（図示せず），８４’を外向きに突出させるように管２２０を変形させる（図１７）ことにより、第２の端部３８（後端部）に形成される。図１６に示す実施形態では、スリット５２（４）’は、プレート部分４０の角において第２の端部３８に交差して、鋭利な頂点５６’を提供する。しかし、５２（３）’（図示せず），５２（４）’は、管３２０の中心線により近い位置で第２の端部３８に切り込まれて、三角形の輪郭ではなく長方形の輪郭を有する返し部８２’’（図示せず），８４’’（図１８）が形成されてもよい。

図示の実施形態の燃料レール２は、方形の断面形状を有する管であるが、燃料レール２は、方形の断面形状を有するものに限定されるものではない。例えば、他の実施形態では、燃料レール２の断面は、別の閉じた多角形状（すなわち、三角形、五角形など）を有してもよいし、閉じた曲線形状（すなわち、円形、楕円形、不規則な形など）を有してもよく、これは特定用途の要件によって決定されてもよい。

ダンパは、車両の燃料噴射システムの燃料レール内で使用されるものとして本明細書で説明したが、ダンパはこの用途に限定されるものではない。例えば、ダンパは、他のタイプの流体給送システムの導管、例えば商業用または住宅用の配管システム、医療用デバイス、掘削機器などで使用される導管に使用されてもよく、これにより、望ましくない振動や騒音につながる圧力脈動を低減することができる。

Claims

導管の内側に配置されるように構成されたダンパであって、
第１の端部と、
前記第１の端部と反対側の第２の端部と、
前記第１の端部と前記第２の端部との間に配置された中空の中間部分と、
前記第１の端部および前記第２の端部を通って延在する長手方向軸線と、
前記第１の端部に配置された第１の保持器と、
前記第２の端部に配置された第２の保持器と、
を含み、
前記第１の保持器は、前記第２の保持器と同じ構造を有し、前記ダンパを前記導管内に保持するように構成されており、
前記ダンパは、前記長手方向軸線に対して垂直なかつ前記第１の端部と前記第２の端部と間の中間点を通る軸線を中心として非対称であり、
前記第１の保持器は、前記導管の内面に係合するように構成された、外向きに突出した三角形の第１の返し部を含み、
前記第２の保持器は、前記導管の内面に係合するように構成された、外向きに突出した三角形の第２の返し部を含み、
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、前記長手方向軸線に対して鋭角を成して延在しており、前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、長手方向に対して同じ方向に向けられている、
ダンパ。
前記長手方向軸線に対して垂直な方向に見たとき、前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、三角形の輪郭を備える、請求項１記載のダンパ。
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、
前記ダンパの壁と一体である基部と、
前記基部から離間しかつ前記ダンパの前記壁の上方にある頂点と、
を備える、請求項１記載のダンパ。
前記中間部分は、第１の断面寸法を有し、
前記第１の端部および前記第２の端部はそれぞれ、前記第１の断面寸法よりも大きい対応する第２の断面寸法を有し、
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、前記第２の断面寸法よりも大きい対応する第３の断面寸法を有する、
請求項１記載のダンパ。
前記第１の返し部は、
第１のアルファ返し部と、
第１のベータ返し部であって、前記第１のアルファ返し部および前記第１のベータ返し部は、前記第１の端部と前記中間部分との間に配置されていて、且つ前記ダンパの互いに反対側に配置されていて、前記長手方向軸線に対して垂直な第１の軸線に沿って位置合わせされている、第１のベータ返し部と、
を備え、
前記第２の返し部は、
第２のアルファ返し部と、
第２のベータ返し部であって、前記第２のアルファ返し部および前記第２のベータ返し部は、前記第２の端部と前記中間部分との間に配置されていて、且つ前記ダンパの互いに反対側に配置されていて、前記長手方向軸線に対して垂直な第２の軸線に沿って位置合わせされている、第２のベータ返し部と、
を備える、
請求項１記載のダンパ。
前記第１の保持器は、前記第１の端部と前記中間部分との間に配置されており、前記第２の保持器は、前記第２の端部と前記中間部分との間に配置されている、請求項１記載のダンパ。
前記第１の端部、前記第２の端部、前記中間部分、前記第１の保持器および前記第２の保持器は、一体に形成されている、請求項１記載のダンパ。
導管の内側に配置されるように構成されたダンパであって、
第１の端部と、
前記第１の端部と反対側の第２の端部と、
前記第１の端部と前記第２の端部との間に配置された中空の中間部分と、
前記第１の端部および前記第２の端部を通って延在する長手方向軸線と、
前記第１の端部に配置された第１の保持器と、
前記第２の端部に配置された第２の保持器と、
を含み、
前記第１の保持器は、前記第２の保持器と同じ構造を有し、前記ダンパを前記導管内に保持するように構成されており、
前記ダンパは、前記長手方向軸線に対して垂直なかつ前記第１の端部と前記第２の端部と間の中間点を通る軸線を中心として非対称であり、
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第１の断面で見たとき、前記中間部分は、閉じた断面形状を有し、前記第１の断面は、前記中間部分で切断されたものであり、
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第２の断面で見たとき、前記第１の端部は、第１のプレート部分を含み、前記第２の断面は、前記第１の端部と前記中間部分との間で切断されたものであり、前記第１のプレート部分は、前記第１の端部と前記中間部分との間に延在する第１の長手方向縁部を有し、
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第３の断面で見たとき、前記第２の端部は、第２のプレート部分を含み、前記第３の断面は、前記第２の端部と前記中間部分との間で切断されたものであり、前記第２のプレート部分は、前記第２の端部と前記中間部分との間に延在する第２の長手方向縁部を有し、
前記第１の保持器は、前記第１の長手方向縁部から外向きに突出しており、
前記第２の保持器は、前記第２の長手方向縁部から外向きに突出しており、
前記第１のプレート部分は、互いに反対側の一対の前記第１の長手方向縁部を有し、
前記第２のプレート部分は、互いに反対側の一対の前記第２の長手方向縁部を有し、
前記ダンパは、
前記第１のプレート部分に配置された、一対の前記第１の長手方向縁部の間に延在する第１の溶接部と、
前記第２のプレート部分に配置された、一対の前記第２の長手方向縁部の間に延在する第２の溶接部と、
を備え、
前記第１の保持器は、前記第１の端部と前記第１の溶接部との間に配置されており、
前記第２の保持器は、前記第２の端部と前記第２の溶接部との間に配置されている、
ダンパ。
燃料レールと、前記燃料レールの内側に配置されたダンパとを備える燃料噴射システムであって、
前記燃料レールは、内面を有し、
前記ダンパは、
第１の端部と、
前記第１の端部と反対側の第２の端部と、
前記第１の端部と前記第２の端部との間に配置された中空の中間部分と、
前記第１の端部および前記第２の端部を通って延在する長手方向軸線と、
外面と、
を含み、
前記第１の端部は、前記燃料レールの内面に係合する外向きに突出した第１の返し部を含み、
前記第２の端部は、前記燃料レールの内面に係合する外向きに突出した第２の返し部を含み、
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、前記長手方向軸線に対して鋭角を成して延在しており、前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、長手方向に対して同じ方向に向けられている、
燃料噴射システム。
前記長手方向軸線に対して垂直な方向に見たとき、前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、三角形の輪郭を備える、請求項９記載の燃料噴射システム。
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、
前記ダンパの壁と一体である基部と、
前記基部から離間しかつ前記ダンパの前記壁の上方にある頂点と、
を備える、請求項９記載の燃料噴射システム。
前記第１の返し部は、前記第１の端部と前記中間部分との間に配置されており、前記第２の返し部は、前記第２の端部と前記中間部分との間に配置されている、請求項１１記載の燃料噴射システム。
前記第１の端部、前記第２の端部、前記中間部分、前記第１の返し部および前記第２の返し部は、一体に形成されている、請求項９記載の燃料噴射システム。
前記中間部分は、第１の断面寸法を有し、
前記第１の端部および前記第２の端部はそれぞれ、前記第１の断面寸法よりも大きい対応する第２の断面寸法を有し、
前記第１の返し部および前記第２の返し部はそれぞれ、前記第２の断面寸法よりも大きい対応する第３の断面寸法を有する、
請求項９記載の燃料噴射システム。
前記第１の返し部は、
第１のアルファ返し部と、
第１のベータ返し部であって、前記第１のアルファ返し部および前記第１のベータ返し部は、前記第１の端部と前記中間部分との間に配置されていて、前記ダンパの互いに反対側に配置されていて、前記長手方向軸線に対して垂直な第１の軸線に沿って位置合わせされている、第１のベータ返し部と、
を備え、
前記第２の返し部は、
第２のアルファ返し部と、
第２のベータ返し部であって、前記第２のアルファ返し部および前記第２のベータ返し部は、前記第２の端部と前記中間部分との間に配置されていて、前記ダンパの互いに反対側に配置されていて、前記長手方向軸線に対して垂直な第２の軸線に沿って位置合わせされている、第２のベータ返し部と、
を備える、
請求項９記載の燃料噴射システム。
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第１の断面で見たとき、前記中間部分は、閉じた断面形状を有し、前記第１の断面は、前記中間部分で切断されたものであり、
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第２の断面で見たとき、前記第１の端部は、第１のプレート部分を含み、前記第２の断面は、前記第１の端部と前記中間部分との間で切断されたものであり、前記第１のプレート部分は、前記第１の端部と前記中間部分との間に延在する第１の長手方向縁部を有し、
前記ダンパを前記長手方向軸線に対して垂直な第３の断面で見たとき、前記第２の端部は、第２のプレート部分を含み、前記第３の断面は、前記第２の端部と前記中間部分との間で切断されたものであり、前記第２のプレート部分は、前記第２の端部と前記中間部分との間に延在する第２の長手方向縁部を有し、
前記第１の返し部は、前記第１の長手方向縁部から外向きに突出しており、
前記第２の返し部は、前記第２の長手方向縁部から外向きに突出している、
請求項９記載の燃料噴射システム。
前記第１のプレート部分は、互いに反対側の一対の前記第１の長手方向縁部を有し、
前記第２のプレート部分は、互いに反対側の一対の前記第２の長手方向縁部を有し、
前記ダンパは、
前記第１のプレート部分に配置された、一対の前記第１の長手方向縁部の間に延在する第１の溶接部と、
前記第２のプレート部分に配置された、一対の前記第２の長手方向縁部の間に延在する第２の溶接部と、
を備え、
前記第１の返し部は、前記第１の端部と前記第１の溶接部との間に配置されており、
前記第２の返し部は、前記第２の端部と前記第２の溶接部との間に配置されている、
請求項１６記載の燃料噴射システム。
流体給送システム用のダンパを製造する方法であって、
第１の端部、前記第１の端部と反対側の第２の端部、前記第１の端部と前記第２の端部との間に配置された中間部分および前記第１の端部と前記第２の端部との間に延在する長手方向軸線を有する管を提供する方法ステップと、
前記第１の端部に第１のプレート部分を提供するように、前記第１の端部で前記管を平らにする方法ステップと、
前記第２の端部に第２のプレート部分を提供するように、前記第２の端部で前記管を平らにする方法ステップと、
前記第１の端部を封止するように、前記管の長手方向軸線に対して垂直な第１の溶接線に沿って前記第１のプレート部分を溶接する方法ステップと、
前記第２の端部を封止するように、前記管の長手方向軸線に対して垂直な第２の溶接線に沿って前記第２のプレート部分を溶接する方法ステップと、
前記第１のプレート部分に第１のスリットを切り込む方法ステップであって、前記第１のスリットは、前記第１のプレート部分の第１の周縁部分に交差し、前記長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、
前記第１のプレート部分に第２のスリットを切り込む方法ステップであって、前記第２のスリットは、前記第１のプレート部分の第２の周縁部分に交差し、前記長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、
前記第１のスリットと前記第１の周縁部分との間の前記管の第１の部分が、前記第１の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、前記管を変形させる方法ステップと、
前記第２のスリットと前記第２の周縁部分との間の前記管の第２の部分が、前記第２の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、前記管を変形させる方法ステップと、
を含む、方法。
前記流体給送システムの流体導管を提供する方法ステップと、
前記管の前端部が前記管の後端部よりも先に挿入されるように、前記導管に前記管を挿入する方法ステップと、
をさらに含み、
前記導管に前記管を挿入する方法ステップ中に前記鋭角が前記管の前記前端部から離れる方向に開くように、前記管を配向する、
請求項１８記載の方法。
前記長手方向軸線に対して垂直な方向に見たとき、前記管の前記第１の部分および前記管の前記第２の部分はそれぞれ、三角形の輪郭を備える、請求項１８記載の方法。
前記管の前記第１の部分は、
前記ダンパの壁と一体である、前記第１のスリットの隠れ端部と前記第１の周縁部分との間に延在する第１の基部と、
前記第１の基部から離間し、前記第１の周縁部分から離間し、前記第１の周縁部分の上方にある第１の頂点と、
を備え、
前記管の前記第２の部分は、
前記ダンパの壁と一体である、前記第２のスリットの隠れ端部と前記第２の周縁部分との間に延在する第２の基部と、
前記第２の基部から離間し、前記第２の周縁部分から離間し、前記第２の周縁部分の上方にある第２の頂点と、
を備える、
請求項１８記載の方法。
前記第２のプレート部分に第３のスリットを切り込む方法ステップであって、前記第３のスリットは、前記第２のプレート部分の第３の周縁部分に交差し、前記長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、
前記第２のプレート部分に第４のスリットを切り込む方法ステップであって、前記第４のスリットは、前記第２のプレート部分の第４の周縁部分に交差し、前記長手方向軸線に対して鋭角を成す、方法ステップと、
前記第３のスリットと前記第３の周縁部分との間の前記管の第３の部分が、前記第３の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、前記管を変形させる方法ステップと、
前記第４のスリットと前記第４の周縁部分との間の前記管の第４の部分が、前記第４の周縁部分の残りの部分よりも外向きに突出するように、前記管を変形させる方法ステップと、
をさらに含む、請求項１８記載の方法。
導管と、前記導管内に配置されたダンパとを含む流体給送システムを製造する方法であって、
前記ダンパが、前端部と、前記前端部と反対側の後端部と、前記前端部に隣接して前記ダンパから突出した一対の第１の返し部と、前記後端部に隣接して前記ダンパから突出した一対の第２の返し部とを有するように、前記ダンパを製造する方法ステップであって、前記一対の第１の返し部の各返し部および前記一対の第２の返し部の各返し部は、前記前端部および前記後端部を通って延在する長手方向軸線に対して鋭角を成し、前記鋭角は、前記後端部に向かって開いている、方法ステップと、
前記後端部が前記導管に挿入される前に、前記前端部が前記導管に挿入されるように、前記導管に前記ダンパを挿入する方法ステップと、
を含む、方法。