以下、図面を参照して、各実施形態について説明する。
(第1実施形態)
まず、図1は、第1実施形態に係る無線通信装置(電子装置)を含むネットワークシステムの構成(ネットワークトポロジ)の一例を示す。図1に示すように、ネットワークシステムは、無線通信装置10a~10dを備える。
この場合、無線通信装置10aは、確立されたネットワークを介して無線通信装置10b及び10cの各々と通信可能に接続されているものとする。また、無線通信装置10dは、確立されたネットワークを介して無線通信装置10b及び10cの各々と通信可能に接続されているものとする。
本実施形態においては、このようなネットワークシステムに対して協調送信技術を適用し、無線通信装置10aから無線通信装置10dにデータを送信する場合を想定する。この協調送信技術によれば、例えば複数の無線通信装置10b及び10cが協調(連携)して動作することにより、無線通信装置10aからのデータを複数の経路を介して無線通信装置10dに送信することができるため、無線通信の信頼性を向上させることができる。
なお、以下の説明においては、上記した図1に示す無線通信装置10a~10dを用いて説明するが、当該無線通信装置10a~10dは、例えば無線基地局(AP:Access Point)や無線端末等であっても構わない。具体的には、例えば無線通信装置10a~10cがそれぞれ無線基地局であり、無線通信装置10dが無線端末であってもよい。このようなネットワークシステムの場合には、無線通信装置10aに相当する無線基地局から無線通信装置10dに相当する無線端末にデータを送信する際に、無線通信装置10b及び10dに相当する2つの無線基地局が協調して動作することとなる。
以下、無線通信装置10a~10dの構成について説明する。まず、図2は、無線通信装置10aのハードウェア構成の一例を示す。図2に示すように、無線通信装置10aは、プロセッサ11、不揮発性メモリ12、主メモリ13及び通信デバイス14等を備える。
プロセッサ11は、無線通信装置10a内の各コンポーネントの動作を制御するハードウェアプロセッサである。プロセッサ11は、ストレージデバイスである不揮発性メモリ12から主メモリ13にロードされるプログラムを実行する。
通信デバイス14は、例えば他の無線通信装置10b及び10c等と無線通信を実行するように構成されたデバイスである。
なお、無線通信装置10aが上記したように無線基地局であるような場合には、上記したプロセッサの代わりに、APとしての動作を制御するためのコントローラ等が備えられていればよい。
図2は無線通信装置10aのハードウェア構成を示しているが、他の無線通信装置10b~10cのハードウェア構成についても当該無線通信装置10aと同様である。
次に、図3は、無線通信装置10aの機能構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、無線通信装置10aは、送信部101及び受信部102を含む。
本実施形態において、送信部101及び受信部102の一部または全ては、上記したプロセッサ11にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアによって実現されてもよいし、専用のハードウェア等によって実現されてもよいし、ソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ構成として実現されてもよい。
送信部101は、無線通信装置10b及び10cに対して各種フレーム(無線信号)を送信する機能部である。送信部101によって送信されるフレームには、例えば無線通信装置10aから無線通信装置10dに送信されるべきデータを含むフレーム及びデータを無線通信装置10dに対して送信すること(つまり、協調送信)を指示するためのフレーム等が含まれる。
また、受信部102は、無線通信装置10b及び10cの各々から送信される各種フレーム(無線信号)を受信(検知)する。受信部102によって受信されるフレームには、無線通信装置10dにおけるデータの受信結果を含むフレーム等が含まれる。
図3は無線通信装置10aの機能構成を示しているが、他の無線通信装置10b~10dの機能構成についても、送信部101及び受信部102に相当する機能部を含む点で当該無線通信装置10aと同様である。
以下、図4のタイミングチャート(メッセージシーケンスチャート)を参照して、本実施形態におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
ここでは、上記したように協調送信技術を適用して、無線通信装置10aから無線通信装置10dに対して所定のデータ(以下、対象データと表記)を送信する場合を想定する。なお、無線通信装置10aから無線通信装置10dに送信される対象データには、第1データ(Data1)及び第2データ(Data2)が含まれるものとする。
まず、無線通信装置10aは、対象データが協調送信に使用するデータであることを示す第1トリガフレーム(ax Trigger)と、当該対象データを含むデータフレーム(第1データを含むフレームと第2データを含むフレームとが連続したデータフレーム)とを、無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS1)。この場合、第1トリガフレーム及びデータフレームは連続して送信される。
次に、無線通信装置10b及び10cは、上記したステップS1において無線通信装置10aから送信された第1トリガフレーム及びデータフレームを受信する。これにより、無線通信装置10b及び10cは、第1トリガフレームに基づいてデータフレームに含まれる対象データが協調送信に使用するデータであることを認識することができる。
上記したように無線通信装置10b及び10cにおいて第1トリガフレーム及びデータフレームが受信された場合、当該無線通信装置10b及び10cは、それぞれデータフレームを受信されたことを示すBA(Block Ack)フレームを無線通信装置10aに送信する(ステップS2)。
なお、ステップS2における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。このように無線通信装置10b及び10cの各々が同一の周波数を用いた互いに直交する形式のBAフレーム(無線信号)を送信することにより、当該BAフレームが衝突することを回避することができる。なお、BAフレームの衝突を回避するという観点からすれば、無線通信装置10b及び10cは、それぞれ異なる周波数を用いてBAフレームを送信するようにしてもよい。
ステップS2において無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。これにより、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cにおいて対象データが受信されたことを認識し、協調送信の開始を指示するための第2トリガフレーム(Coord Trigger)を無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS3)。このステップS3において送信される第2トリガフレーム(第1無線信号)には、協調送信するデータが対象データ(第1及び第2データ)であることが設定されているが、例えば当該対象データの送信レート及び当該対象データのデータ長から算出される送信時間等が更に設定されていてもよい。
ここで、対象データを協調送信する場合には周辺の通信環境等に応じて当該対象データを再送する必要がある場合があるが、当該再送は、無線通信装置10aの主導で指示されてもよいし、無線通信装置10b及び10cが主導で行うことも可能である。本実施形態においては対象データの再送が無線通信装置10aの主導で指示される場合について説明するが、この場合、上記した第2トリガフレームには、無線通信装置10aが主導で対象データの再送を指示するという再送方法(第1再送方法)が更に設定されていてもよい。
ステップS3において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。無線通信装置10b及び10cは、第2トリガフレームを受信することによって、上記したデータフレーム(つまり、第1及び第2データを含む対象データ)を無線通信装置10dに送信する(ステップS4)。
なお、ステップS4における無線通信装置10bから無線通信装置10dへのデータフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10dへのデータフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。このように無線通信装置10b及び10cの各々が同一の周波数を用いた互いに直交する形式のデータフレーム(無線信号)を送信することにより、当該データフレームが衝突することを回避することができる。なお、データフレームの衝突を回避するという観点からすれば、無線通信装置10b及び10cは、それぞれ異なる周波数を用いてデータフレームを送信するようにしてもよい。
本実施形態において、無線通信装置10dは、例えば多重アンテナ等を用いることによって、ステップS4において無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームの各々を分離して受信することができる性能を有しているものとする。この場合、ステップS4の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームを受信し、無線通信装置10dは、当該無線通信装置10dにおける対象データ(第1及び第2データ)の受信結果を含むMUBA(Multi User Block Ack)フレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS5)。
なお、MUBAフレームには、無線通信装置10bから対象データ(第1及び第2データ)が受信されたか否かを示す受信結果(以下、無線通信装置10bに対する受信結果と表記)及び無線通信装置10cから対象データ(第1及び第2データ)が受信されたか否かを示す受信結果(以下、無線通信装置10cに対する受信結果と表記)が含まれる。
ここで、上記したステップS4において送信されたデータフレームにおいては上記したように第1データを含むフレームと第2データを含むフレームとが連続しているが、無線通信装置10dの周囲の通信環境等によっては、第1データ(を含むフレーム)及び第2データ(を含むフレーム)の一方のみが無線通信装置10dにおいて受信される可能性がある。以下、無線通信装置10dにおいて無線通信装置10b及び10cの両方から第2データのみが受信された場合を想定して説明する。この場合、ステップS5においては、無線通信装置10bから第2データが受信されたことを示す受信結果及び無線通信装置10cから第2データが受信されたことを示す受信結果を含むMUBAフレームが、無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに送信される。
なお、MUBAフレームに含まれる無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果は異なっていてもよい。すなわち、例えば無線通信装置10bから第1及び第2データが受信され、無線通信装置10cから第2データのみが受信された場合には、無線通信装置10bから第1及び第2データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果)及び無線通信装置10cから第2のデータが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10cに対する受信結果)を含むMUBAフレームが無線通信装置10d及び10cに送信される。
ステップS5の処理が実行されると、無線通信装置10b及び10cは、当該ステップS5において無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームを受信する。この場合、無線通信装置10b及び10cは、受信されたMUBAフレームに基づいて、BAフレーム(第2無線信号)を無線通信装置10aに送信する(ステップS6)。
ステップS6の処理について具体的に説明すると、MUBAフレームを受信した無線通信装置10bは、当該MUBAフレームから無線通信装置10bに対する受信結果を取り出し、当該受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10aに送信する。
同様に、MUBAフレームを受信した無線通信装置10cは、当該MUBAフレームから無線通信装置10cに対する受信結果を取り出し、当該受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10aに送信する。
すなわち、ステップS6において無線通信装置10b及び10cから送信されるBAフレームは、無線通信装置10b及び10cの各々に対する単一の受信結果を含む点で、上記したステップS5において無線通信装置10dから送信されるMUBAフレームとは異なる。
ステップS6における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。
なお、ステップS6において、無線通信装置10b及び10cは、上記したBAフレームの代わりに、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームを無線通信装置10aに送信してもよい。
また、無線通信装置10b及び10cから無線通信装置10aに対してBAフレームが送信されない場合、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cに対してBAフレームを要求するためのBAR(Block Ack Request)フレームを送信するように構成されていてもよい。この場合、ステップS6の処理は、無線通信装置10aから送信されるBARフレームが無線通信装置10b及び10cにおいて受信された際に実行されてもよい。
ステップS6において無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。
ここで、上記したように無線通信装置10dにおいて第2データのみが受信されたものとする。この場合、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cの各々から受信されたBAフレームに含まれる受信結果(無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果)から、無線通信装置10dにおいて第2データが受信された(つまり、第2データの送達確認が取れた)ことを認識するとともに、無線通信装置10dにおいて第1データが受信されていない(つまり、第1データの送達確認が取れていない)ことを認識することができる。
なお、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cの各々から受信されたBAフレームに含まれる受信結果の両方を考慮して、無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識するものとする。例えば無線通信装置10bから受信されたBAフレームに含まれる受信結果が第1データを受信したことを示し、無線通信装置10cから受信されたBAフレームに含まれる受信結果が第2データを受信したことを示している場合には、無線通信装置10aは、無線通信装置10dが対象データ(第1及び第2データ)の全てを受信したと認識する。
上記したように無線通信装置10dにおいて第2データのみが受信されている場合、無線通信装置10aは、対象データ(ここでは、第1データ)の再送を指示するために、上記した第2トリガフレームを無線通信装置10b及び10cに再度送信する(ステップS7)。このステップS7において送信される第2トリガフレームには、協調送信するデータが第1データであることが設定されている。このように本実施形態においては、無線通信装置10aが主導して対象データの再送を指示するものとする。なお、無線通信装置10dにおいて第2データが受信されていない場合には、協調送信するデータが第2データであることが設定された第2トリガフレームが送信されればよい。なお、上記したように対象データを無線通信装置10dに対して送信することを指示するための第2トリガフレーム(第3無線信号)は、ステップS3において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームの一部または全部を含むものとする。
ステップS7において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。無線通信装置10b及び10cは、第2トリガフレームを受信することによって、上記した第1データを含むデータフレームを無線通信装置10dに送信する(ステップS8)。
なお、ステップS8における無線通信装置10bから無線通信装置10dへのデータフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10dへのデータフレームは、互いに直交する無線信号である。
ステップS8の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレーム(第1データ)を受信し、MUBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS9)。無線通信装置10dにおいて例えば無線通信装置10b及び10cの両方から第1データ(を含むデータフレーム)が正常に受信されたものとすると、ステップS9において送信されるMUBAフレームには、無線通信装置10bから第1データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果)及び無線通信装置10cから第1データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10cに対する受信結果)が含まれる。
次に、無線通信装置10b及び10cは、ステップS9において無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームを受信する。この場合、無線通信装置10b及び10cは、受信されたMUBAフレームに含まれる無線通信装置10b及び10cに対する受信結果に基づいて第1データが無線通信装置10dにおいて受信された(つまり、第1データの送達確認が取れた)ことを認識することができる。この場合、協調送信に使用する対象データ(第1及び第2データ)の全てが無線通信装置10dにおいて受信されたため、無線通信装置10b及び10cは、処理が完了したことを示すAckフレームを無線通信装置10aに送信する(ステップS10)。
ステップS10における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのAckフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのAckフレームは、互いに直交する無線信号である。
なお、ステップS10においてはAckフレームが送信されるものとして説明したが、無線通信装置10b及び10cは、例えばステップS6と同様にBAフレームを送信してもよいし、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームを送信してもよい。
ステップS10の処理が実行された場合、当該ステップS10において無線通信装置10b及び10cから送信されたAckフレームが無線通信装置10aにおいて受信されて、処理は終了される。
なお、図4においては省略されているが、無線通信装置10b及び10cから送信されたAckフレームを受信した無線通信装置10aは、協調送信が完了したことを通知するためのフレームを無線通信装置10a及び10bに送信するように動作してもよい。
また、図4においてはステップS8において無線通信装置10b及び10cから送信された第1データが無線通信装置10dによって正常に受信された場合を示しているが、当該第1データが無線通信装置10dによって受信されない場合(つまり、無線通信装置10b及び10cの両方から第1データが受信されていないことを示す受信結果を含むMUBAフレームが受信された場合)、ステップS6以降の処理が繰り返される。なお、このステップS6以降の処理が繰り返される回数は、予め設定されていればよい。
上記したように本実施形態においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データ(第1及び第2データ)を無線通信装置10dに送信する構成において、当該対象データが無線通信装置10dにおいて受信されないような場合であっても、無線通信装置10aが主導して対象データの再送を指示する(第2トリガフレームを再度送信する)ことによって、対象データの全ての送信を完了することができる。このため、本実施形態においては、円滑な無線通信(対象データの協調送信)を実現することができる。
なお、本実施形態においては無線通信装置10aが複数のデータ(例えば、第1及び第2データ)を送信する場合について説明したが、1つのデータが送信される場合であっても、当該データが無線通信装置10dにおいて受信されない場合に無線通信装置10aが主導して当該データの再送を指示することができ、円滑な無線通信を実現することができる。
また、本実施形態においては無線通信装置10a~10dが例えばIEEE802.11acに準拠した無線通信を行うことを想定しているが、本実施形態は、CSMA/CAを用いて無線通信を行う他規格の無線通信装置から構成されるネットワークシステムにおいて協調送信をする際に適用されても構わない。
更に、本実施形態は、上記したように無線通信装置10a~10cが無線基地局であり、無線通信装置10dが無線端末である場合において当該無線通信装置10a(無線基地局)から無線通信装置10d(無線端末)にデータを送信するような場合にも適用可能であるが、例えば無線通信装置10d(無線端末)から無線通信装置10a(無線基地局)にデータを送信するような場合に適用されても構わない。
(第1変形例)
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。なお、本変形例に係るネットワークシステムの構成及び無線通信装置の構成については上述した第1実施形態と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。以下に説明する第1実施形態の他の変形例についても同様である。
本変形例は、無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームが無線通信装置10b及び10cのうちの一方において受信されない点で、上述した第1実施形態とは異なる。
以下、図5のタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図4に示すステップS1~S5の処理に相当するステップS11~S15の処理が実行される。
ここで、ステップS15においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに対してMUBAフレームが送信されているが、例えば無線通信装置10cの周囲の通信環境等の影響により、当該MUBAフレームが無線通信装置10cにおいて受信されない場合を想定する。
この場合、MUBAフレームを受信した無線通信装置10bは、上述した第1実施形態と同様にBAフレームを無線通信装置10aに送信するが、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10cは、BAフレームを送信せず、待機するものとする(ステップS16)。これによれば、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10cが例えば対象データの全て(第1及び第2データ)を含むデータフレームを送信してしまうことにより、ステップS16において無線通信装置10bから送信されるデータフレームに干渉(影響)を与えるような事態を回避することができる。
ステップS16において無線通信装置10bから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。
ここで、上述した図4において説明したように無線通信装置10dにおいて無線通信装置10bから第2データのみが受信されたものとすると、無線通信装置10aは、無線通信装置10bから受信されたBAフレームに含まれる受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果)から、無線通信装置10dにおいて第2データのみが受信されたことを認識するとともに、無線通信装置10dにおいて第1データが受信されていないことを認識することができる。この場合、無線通信装置10aは、対象データ(ここでは、第1データ)の再送を指示するために、第2トリガフレームを無線通信装置10b及び10cに再度送信する(ステップS17)。なお、このステップS17の処理は、上述した図4に示すステップS7の処理と同様である。
ステップS17の処理が実行されると、上述した図4に示すステップS8~S10の処理に相当するステップS18~S20の処理が実行される。
なお、上記したステップS16においては、無線通信装置10bから無線通信装置10aにBAフレームが送信されるものとして説明したが、当該BAフレームは、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームであってもよい。
更に、ステップS16において、無線通信装置10cは、例えば無線通信装置10dからMUBAフレームを受信していないことを示すBAフレームを無線通信装置10aに送信してもよい。この場合、無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号である。
上記したように本変形例においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データを無線通信装置10dに送信する構成において、当該無線通信装置10b及び10cの一方が無線通信装置10dからのMUBAフレームを受信することができないような場合であっても、無線通信装置10aが主導して対象データの再送を指示する(第2トリガフレームを再度送信する)ことが可能であり、円滑な無線通信を実現することができる。
(第2変形例)
次に、第1実施形態の第2変形例について説明する。上記した第1実施形態の第1変形例においては無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームが無線通信装置10cにおいて受信されない場合について説明したが、本変形例は、当該MUBAフレームが無線通信装置10b及び10cの両方で受信されない点で、当該第1実施形態の第1変形例とは異なる。
以下、図6のタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図4に示すステップS1~S5の処理に相当するステップS21~S25の処理が実行される。
ここで、ステップS25においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに対してMUBAフレームが送信されているが、例えば無線通信装置10b及び10cの周囲の通信環境等の影響により、当該MUBAフレームが無線通信装置10b及び10cの両方において受信されない場合を想定する。
この場合、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10b及び10cは、BAフレームを送信せず、待機するものとする(ステップS26)。
これによれば、無線通信装置10aは無線通信装置10b及び10cからのBAフレーム(BA信号)を受信することができない(つまり、無線信号を検知することができない)が、当該無線通信装置10aは、ステップS23において第2トリガフレームが無線通信装置10aから送信された後の所定の時間内にBAフレームが受信されない(第2無線信号が検知されない)場合、対象データ(第1及び第2データ)の再送を指示するために、第2トリガフレーム(第1無線信号)を無線通信装置10b及び10cに再度送信する(ステップS27)。このステップS27において送信される第2トリガフレームには、協調送信するデータが第1及び第2データであることが設定されている。
なお、上記した所定の時間とは、上記した無線通信装置10aによって第2トリガフレームが送信されてから無線通信装置10b及び10cから送信される無線信号(例えば、BAフレームまたはAckフレーム等)が検知(受信)されると想定されるタイミングまでの時間(つまり、当該BAフレームを無線通信装置10b及び10cが無線通信装置10aに送信するまでの時間)に相当する。また、この所定の時間は、予め定められた時間であってもよいし、送信レートと対象データのデータ長から算出される送信時間、MUBAフレームの送信時間及びフレームの送信間隔等に基づいて決定されてもよい。
ステップS27において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。無線通信装置10b及び10cは、第2トリガフレームを受信することによって、上記した第1データを含むフレーム及び第2データを含むフレームが連続したデータフレームを無線通信装置10dに送信する(ステップS28)。
ステップS28の処理が実行されると、ステップS29及びS30の処理が実行されるが、当該ステップS29及びS30の処理は、上述した図4に示すステップS9及びS10の処理と概ね同様である。具体的には、例えばステップS29において無線通信装置10dが無線通信装置10b及び10cの各々から第1及び第2データの両方を受信したことを示す受信結果を含むMUBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信し、ステップS30において無線通信装置10b及び10cがAckフレームを無線通信装置10aに送信して、処理が終了される。
なお、上記したステップS26において、無線通信装置10b及び10cは、例えば無線通信装置10dからMUBAフレームを受信していないことを示すBAフレームを無線通信装置10aに送信してもよい。この場合、無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。
上記したように本変形例において、無線通信装置10aは、第2トリガフレーム(第1無線信号)が送信された後の所定の時間内に無線通信装置10b及び10cから送信されるBAフレームのいずれも受信しない(つまり、第2無線信号を検知しない)場合、対象データの再送を指示するために、第2トリガフレーム(第3無線信号)を無線通信装置10b及び10cに送信する。
すなわち、本変形例においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データを無線通信装置10dに送信する構成において、当該無線通信装置10b及び10cの両方が無線通信装置10dからのMUBAフレームを受信することができないような場合であっても、無線通信装置10aが主導して対象データの再送を指示する(第2トリガフレームを再度送信する)ことが可能であり、円滑な無線通信を実現することができる。
(第3変形例)
次に、第1実施形態の第3変形例について説明する。上述した第1実施形態においては無線通信装置10bに対する受信結果を含むBAフレームと無線通信装置10cに対する受信結果を含むBAフレームがそれぞれ無線通信装置10b及び10cから無線通信装置10aに送信されるものとして説明したが、本変形例は、当該無線通信装置10b及び10cから無線通信装置10aに送信されるBAフレームの内容が当該第1実施形態とは異なる。
以下、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。ここでは、便宜的に、図4を用いて説明する。
まず、上述した第1実施形態において説明したステップS1~S5の処理が実行される。
次に、本変形例におけるステップS6の処理について説明する。上述した第1実施形態において、例えば無線通信装置10bは、MUBAフレームから無線通信装置10bに対する受信結果のみを取り出し、当該受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10aに送信する。これに対して、本変形例において、無線通信装置10bは、MUBAフレームに含まれる無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果を合成(マージ)した受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10aに送信する。
具体的には、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームには、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果が含まれているが、無線通信装置10bは、第1及び第2データの各々について当該2つの受信結果の論理和をとることで、無線通信装置10dにおいて第1及び第2データの各々が受信された否かを示す単一の受信結果(無線通信装置10dにおける第1及び第2データの受信結果)を含むBAフレームを生成することができる。
ここでは、無線通信装置10bから無線通信装置10aに送信されるBAフレームについて説明したが、無線通信装置10cから無線通信装置10aに送信されるBAフレームについても同様である。すなわち、本実施形態において、無線通信装置10b及び10cからは同一のBAフレームが送信される。
この場合、ステップS6における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。なお、例えば無線通信装置10aが無線通信装置10bから送信されるBAフレーム及び無線通信装置10cから送信されるBAフレームを分離して受信することができない場合には、無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、無線通信装置10aでの受信時に合成して1つの信号となるように(つまり、受信時に合成可能な形式で)同一の周波数を用いて送信されてもよい。
ステップS6において無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。この場合、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームの少なくとも一方から、無線通信装置10dにおける対象データの受信結果(つまり、第1及び第2データの各々が無線通信装置10dにおいて受信されているか否か)を認識することができる。
以下、上述した第1実施形態において説明したステップS7~S10の処理が実行される。なお、上記したように例えば無線通信装置10aが無線通信装置10bから送信されるBAフレーム及び無線通信装置10cから送信されるBAフレームを分離して受信することができない場合には、ステップS10における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのAckフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのAckフレームは、無線通信装置10aでの受信時に合成して1つの信号となるように同一の周波数を用いて送信されてもよい。
上記したように本変形例においては、無線通信装置10b及び10cのうちの少なくとも一方から対象データ(第1及び第2データ)が受信されている場合には当該対象データの送達確認が取れているものとし、無線通信装置10b及び10cの両方から対象データ(第1及び第2データ)が受信されていない場合には当該対象データの送達確認が取れていないものとするように受信結果を合成し、当該合成結果を反映させたBAフレームが無線通信装置10b及び10cの各々から無線通信装置10aに送信される。
本変形例においては、このような構成により、無線通信装置10aは無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームの両方を考慮して無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識する必要がない(つまり、無線通信装置10aで2つの受信結果を合成する必要がない)ため、当該無線通信装置10aの処理負荷(処理量)を低減させることができる。
(第4変形例)
次に、第1実施形態の第4変形例について説明する。上述した第1実施形態においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cにMUBAフレームが送信されるものとして説明したが、本変形例は、無線通信装置10dからBAフレームが送信される点で、当該第1実施形態とは異なる。
以下、図7のタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図4に示すステップS1~S4の処理に相当するステップS31~S34の処理が実行される。
ここで、上述した第1実施形態においては、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を含むMUBAフレームが無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに送信される。これに対して、本変形例において、無線通信装置10dは、BAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS35)。なお、ステップS35において送信されるBAフレームは、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を合成した受信結果(つまり、単一の受信結果)を含む。すなわち、ステップS35において送信されるBAフレームは、上記した第1実施形態の第3変形例において無線通信装置10b及び10cから無線通信装置10aに送信されるBAフレームと同一である。
次に、無線通信装置10b及び10cは、ステップS35において無線通信装置10dから送信されたBAフレームを受信する。この場合、無線通信装置10b及び10cは、無線通信装置10dから受信されたBAフレームを無線通信装置10aに送信する(ステップS36)。
ステップS36において無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。この場合、無線通信装置10aは、上記した第1実施形態の第3変形例において説明したように、無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームの少なくとも一方から、無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識することができる。
以下、上述した図4に示すステップS7~S10の処理に相当するステップS37~S40の処理が実行される。
上記したように本変形例においては、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を無線通信装置10dにおいて合成し、当該合成結果を含むBAフレームが無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに送信される。このような構成によれば、無線通信装置10b及び10cにおいて2つの受信結果(無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果)を合成する必要がないため、上記した第1実施形態の第3変形例と比較して無線通信装置10b及び10cの処理負荷(処理量)を低減させることができる。
(第5変形例)
次に、第1実施形態の第5変形例について説明する。上述した第1実施形態においては、無線通信装置10dが無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームの各々を分離して受信することができる性能を有しているものとして説明したが、本変形例は、無線通信装置10dが無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームを分離して受信することができる性能を有していない(つまり、分離して受信することができない)点で、第1実施形態とは異なる。
以下、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。ここでは、便宜的に、図7を用いて説明する。
まず、上述した第1実施形態の第4変形例において説明したステップS31~S33(図4に示すステップS1~S3)の処理が実行される。
ここで、上述した第1実施形態においては、無線通信装置10bから無線通信装置10dへのデータフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10dへのデータフレームは互いに直交する無線信号であるものとして説明したが、本変形例において、無線通信装置10dは当該データフレームを分離して受信することができない。このため、本変形例において、無線通信装置10b及び10cは、無線通信装置10dが1つの信号として合成して受信することができるように同一の周波数でデータフレームを送信する(ステップS34)。換言すれば、ステップS34において、無線通信装置10b及び10cは、同一の周波数を用いた無線通信装置10での受信時に合成可能な形式のデータフレーム(無線信号)を送信する。
なお、無線通信装置10b及び10cからのデータフレームの送信方法(互いに直交する形式でデータフレームを送信するか、合成可能な形式でデータフレームを送信するか)は、例えばステップS33において無線通信装置10aから送信される第2トリガフレームに設定されているものとする。この場合、データフレームの送信方法には、上記した無線通信装置10aが主導で対象データの再送を指示する再送方法等が含まれていてもよい。また、このデータフレームの送信方法は、協調送信を開始する前(例えば、無線通信装置10aと無線通信装置10b及び10cとの間の通信リンクの確立時または図1に示すネットワークシステムの構築時等)に設定されていてもよい。
ステップS34の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームを受信する。なお、本変形例においては上記したように受信時に合成可能なデータフレームが無線通信装置10b及び10cから送信されているため、無線通信装置10dは、当該無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームを別個のデータフレームではなく1つのデータフレームとして受信する。
この場合、無線通信装置10dは、受信されたデータフレームに基づいて対象データ(第1及び第2データ)が受信されたか否かを示す受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS35)。なお、上記したように無線通信装置10dは無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームを分離して受信していない(つまり、無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果を得ることができない)ため、本変形例において無線通信装置10dから送信されるフレームは、MUBAフレームではなくBAフレームである。
ステップS35の処理が実行された場合、上記した第1実施形態の第4変形例において説明したステップS36~S40の処理が実行される。なお、ステップS38においては、上記したステップS34の処理と同様に、同一の周波数を用いた無線通信装置10dでの受信時に合成可能な形式のデータフレームが無線通信装置10b及び10cから送信される。
上記したように本変形例においては、例えば無線通信装置10dが無線通信装置10b及び10cの各々から送信されるデータフレーム(対象データ)を分離して受信することができない構成(性能)の場合であっても、円滑な無線通信を実現することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態に係るネットワークシステムの構成及び無線通信装置の構成については前述した第1実施形態と同様であるため、ここではその詳しい説明を省略する。以下に説明する本実施形態の各変形例についても同様である。
前述した第1実施形態においては無線通信装置10aが主導で対象データの再送を指示する構成について説明したが、本実施形態は、無線通信装置10aによって制御される無線通信装置10b及び10cが主導で対象データを再送する点で、当該第1実施形態とは異なる。
以下、図8のシーケンスチャート(メッセージシーケンスチャート)を参照して、本実施形態におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
なお、以下の説明では、前述した第1実施形態と同様の部分についてはその詳しい説明を省略し、異なる部分について主に述べる。
また、本実施形態においては、前述した第1実施形態と同様に、協調送信技術を適用して、無線通信装置10aから無線通信装置10dに対して所定のデータ(対象データ)を送信する場合を想定する。更に、無線通信装置10aから無線通信装置10dに送信される対象データには、第1データ(Data1)及び第2データ(Data2)が含まれるものとする。
まず、無線通信装置10aは、対象データが協調送信に使用するデータであることを示す第1トリガフレーム(ax Trigger)と当該対象データを含むデータフレームとを、無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS41)。
次に、無線通信装置10b及び10cは、上記したステップS41において無線通信装置10aから送信された第1トリガフレーム及びデータフレームを受信する。
このように無線通信装置10b及び10cにおいて第1トリガフレーム及びデータフレームが受信された場合、当該無線通信装置10b及び10cは、それぞれデータフレームを受信されたことを示すBAフレームを無線通信装置10aに送信する(ステップS42)。なお、ステップS42における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのBAフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのBAフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。
ステップS42において無線通信装置10b及び10cから送信されたBAフレームは、無線通信装置10aにおいて受信される。これにより、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cにおいて対象データが受信されたことを認識し、協調送信の開始を指示するための第2トリガフレーム(Coord Trigger)を無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS43)。このステップS43において送信される第2トリガフレームには、協調送信するデータが対象データ(第1及び第2データ)である他、例えば対象データの送信レート、当該対象データのデータ長から算出される送信時間、当該対象データを再送する回数及び当該対象データを再送する間隔(再送時の送信間隔)等が設定されている。なお、本実施形態においては、無線通信装置10b及び10cが主導で対象データを再送するという再送方法(第2再送方法)が更に設定されていてもよい。
ステップS43において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。無線通信装置10b及び10cは、第2トリガフレームを受信することによって、データフレーム(つまり、対象データ)を無線通信装置10dに送信する(ステップS44)。なお、ステップS44における無線通信装置10bから無線通信装置10dへのデータフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10dへのデータフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。
ステップS44の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームを受信する。なお、本実施形態において、無線通信装置10dは、無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームの各々を分離して受信することができる性能を有しているものとする。
次に、無線通信装置10dは、当該無線通信装置10dにおける対象データ(第1及び第2データ)の受信結果を含むMUBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS45)。ステップS45において送信されるMUBAフレームは、前述した第1実施形態と同様に、無線通信装置10bから第2データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果)及び無線通信装置10cから第2データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10cに対する受信結果)を含むものとする。
ステップS45の処理が実行されると、無線通信装置10b及び10cは、当該ステップS45において無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームを受信する。
ここで、無線通信装置10b及び10cは、受信されたMUBAフレームに含まれる受信結果を参照することによって、無線通信装置10b及び10cから送信された第1データが無線通信装置10dにおいて受信されていないことを認識することができる。
なお、無線通信装置10b及び10cは、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームに含まれる両方の受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果)を考慮して、無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識するものとする。
上記したように無線通信装置10dにおいて第1データが受信されていないことが認識された場合、無線通信装置10b及び10cは、第1データを含むデータフレームを、上記したMUBAフレームが受信されてから所定の時間が経過した後に再送する(ステップS46)。この所定の時間は、ステップS43において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームにおいて再送時の送信間隔として設定されている時間であってもよいし、協調送信開始前に設定された時間であってもよいし、予め規定された時間であってもよい。
ステップS46の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレーム(第1データ)を受信し、MUBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS47)。無線通信装置10dにおいて例えば無線通信装置10b及び10cの両方から第1データ(を含むデータフレーム)が正常に受信されたものとすると、ステップS47において送信されるMUBAフレームには、無線通信装置10bから第1データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10bに対する受信結果)及び無線通信装置10cから第1データが受信されたことを示す受信結果(無線通信装置10cに対する受信結果)が含まれる。
次に、無線通信装置10b及び10cは、ステップS47において無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームを受信する。この場合、無線通信装置10b及び10cは、受信されたMUBAフレームに含まれる受信結果に基づいて第1データが無線通信装置10dにおいて受信された(つまり、第1データの送達確認が取れた)ことを認識することができる。これにより、協調送信に使用する対象データ(第1及び第2データ)の全てが無線通信装置10dにおいて受信されたため、無線通信装置10b及び10cは、処理が完了したことを示すAckフレームを無線通信装置10aに送信する(ステップS48)。
ステップS48における無線通信装置10bから無線通信装置10aへのAckフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10aへのAckフレームは、互いに直交する無線信号で送信される。
なお、ステップS48においてはAckフレームが送信されるものとして説明したが、無線通信装置10b及び10cは、例えばBAフレームを送信してもよいし、無線通信装置10dから受信されたMUBAフレームを送信してもよい。
ステップS48の処理が実行された場合、当該ステップS48において無線通信装置10b及び10cから送信されたAckフレームが無線通信装置10aにおいて受信されて、処理は終了される。
なお、図8においては省略されているが、無線通信装置10b及び10cから送信されたAckフレームを受信した無線通信装置10aは、協調送信が完了したことを通知するためのフレームを無線通信装置10a及び10bに送信するように動作してもよい。
また、図8においてはステップS46において無線通信装置10b及び10cから送信された第1データが無線通信装置10dによって正常に受信された場合を示しているが、当該第1データが無線通信装置10dによって受信されない場合には、ステップS46以降の処理が繰り返される。なお、このステップS46以降の処理が繰り返される回数は、上記した第2トリガフレームにおいて再送回数として設定されてもよく、無線機の接続確立時に設定されてもよく、予め規定されていてもよい。
上記したように本実施形態においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データ(第1及び第2データ)を無線通信装置10dに送信する構成において、当該対象データが無線通信装置10dにおいて受信されないような場合であっても、無線通信装置10b及び10cが主導して対象データを再送することによって、対象データの全ての送信を完了することができる。このため、本実施形態においては、円滑な無線通信(対象データの協調送信)を実現することができる。
(第1変形例)
次に、第2実施形態の第1変形例について説明する。本変形例は、無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームが無線通信装置10b及び10cのうちの一方において受信されない点で、上述した第2実施形態とは異なる。
以下、図9のタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図8に示すステップS41~S45の処理に相当するステップS51~S55の処理が実行される。
ここで、ステップS55においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに対してMUBAフレームが送信されているが、例えば無線通信装置10cの周囲の通信環境等の影響により、当該MUBAフレームが無線通信装置10cにおいて受信されない場合を想定する。
この場合、MUBAフレームを受信した無線通信装置10bは、上述した図8において説明したように、第1データを含むデータフレームを無線通信装置10dに対して再度送信する(ステップS56)。
一方、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10cは、データフレームを送信せず、待機するものとする。これによれば、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10cが例えば対象データの全て(第1及び第2データ)を含むデータフレームを送信してしまうことにより、ステップS56において無線通信装置10bから送信されるデータフレームに干渉(影響)を与えるような事態を回避することができる。
ステップS56の処理が実行されると、上述した図8に示すステップS47及びS48の処理に相当するステップS57及びS58の処理が実行される。なお、ステップS57においては、無線通信装置10bから第1データを受信したことを示す受信結果及び無線通信装置10cから第1データを受信していないことを示す受信結果を含むMUBAフレームが無線通信装置10dから送信される。
上記したように本変形例においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データを無線通信装置10dに送信する構成において、例えば無線通信装置10b及び10cの一方が無線通信装置10dからのMUBAフレームを受信することができないような場合であっても、無線通信装置10bまたは10cが主導して対象データを再送することが可能である。また、本変形例においては、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10cが不用意にデータ信号を再送することがないため、無線通信装置10bから送信されるデータフレームとの衝突が生じることもない。したがって、本変形例においては、円滑な無線通信を実現することが可能となる。
(第2変形例)
次に、第2実施形態の第2変形例について説明する。上記した第2実施形態の第1変形例においては無線通信装置10dから送信されたMUBAフレームが無線通信装置10cにおいて受信されない場合について説明したが、本変形例は、当該MUBAフレームが無線通信装置10b及び10cの両方で受信されない点で、当該第2実施形態の第1変形例とは異なる。
以下、図10のタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図8に示すステップS41~S45の処理に相当するステップS61~S65の処理が実行される。
ここで、ステップS65においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに対してMUBAフレームが送信されているが、例えば無線通信装置10b及び10cの周囲の通信環境等の影響により、当該MUBAフレームが無線通信装置10b及び10cの両方において受信されない場合を想定する。
この場合、MUBAフレームを受信していない無線通信装置10b及び10cは、データフレームを送信せず、待機するものとする。
一方、無線通信装置10aと無線通信装置10b及び10cとの間の通信リンクは確立されており、無線通信装置10aは、無線通信装置10b及び10cから送信される無線信号(例えば、データフレーム等)を検知することが可能であるものとする。
このため、無線通信装置10aは、例えばステップS63において第2トリガフレーム(第1無線信号)が無線通信装置10aから送信された(またはステップS64において無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームが検知された)後の所定の時間内に無線通信装置10b及び10cから送信されるデータフレーム、BAフレームまたはAckフレーム(第2無線信号)が検知されない場合、対象データ(第1及び第2データ)の再送を指示するために、第2トリガフレームを無線通信装置10b及び10cに再度送信する(ステップS66)。このステップS66において送信される第2トリガフレームには、協調送信するデータが第1及び第2データであることが設定されている。
なお、上記した所定の時間とは、上記した無線通信装置10aによって第2トリガフレームが送信されてから無線通信装置10b及び10cから送信される無線信号(例えば、データフレームまたはAckフレーム等)が検知されると想定されるタイミングまでの時間に相当する。また、この所定の時間は、予め定められた時間であってもよいし、対象のデータのデータ長から算出される送信時間、MUBAフレームの送信時間及びフレームの送信間隔等に基づいて決定されてもよい。
ステップS66において無線通信装置10aから送信された第2トリガフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。無線通信装置10b及び10cは、第2トリガフレームを受信することによって、上記した第1データを含むフレーム及び第2データを含むフレームが連続したデータフレームを無線通信装置10dに再度送信する(ステップS67)。
ステップS67の処理が実行されると、ステップS68及びS69の処理が実行されるが、当該ステップS68及びS69の処理は、上述した図8に示すステップS47及びS48の処理と概ね同様である。具体的には、例えばステップS48において無線通信装置10dが無線通信装置10b及び10cの各々から第1及び第2データの両方を受信したことを示す受信結果を含むMUBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信し、ステップS69において無線通信装置10b及び10cがAckフレームを無線通信装置10aに送信して、処理が終了される。
上記したように本変形例において、無線通信装置10aは、第2トリガフレーム(第1無線信号)が送信された後の所定の時間内に無線通信装置10b及び10cから送信されるデータフレーム(第2無線信号)のいずれも検知しない場合、対象データの再送を指示するために、第2トリガフレームを無線通信装置10b及び10cに再度送信する。
すなわち、本変形例においては、無線通信装置10b及び10cが協調して動作することによって無線通信装置10aからの対象データを無線通信装置10dに送信する構成において、当該無線通信装置10b及び10cの両方が無線通信装置10dからのMUBAフレームを受信することができないような場合には、無線通信装置10b及び10cが主導して対象データを再送するという再送方法が設定されている場合であっても、無線通信装置10aが対象データの再送を指示する(第2トリガフレームを再度送信する)ことにより、円滑な無線通信を実現することができる。
(第3変形例)
次に、第2実施形態の第3変形例について説明する。上述した第2実施形態においては無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cにMUBAフレームが送信されるものとして説明したが、本変形例は、無線通信装置10dからBAフレームが送信される点で、当該第2実施形態とは異なる。
以下、図11に示すタイミングチャートを参照して、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。
まず、上述した図8に示すステップS41~S44の処理に相当するステップS71~S74の処理が実行される。
ここで、上述した第2実施形態においては、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を含むMUBAフレームが無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに送信される。これに対して、本変形例において、無線通信装置10dは、BAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS75)。このステップS75の処理は前述した図7に示すステップS35の処理に相当し、当該ステップS75において送信されるBAフレームは、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を合成した受信結果(つまり、単一の受信結果)を含む。
ステップS75において無線通信装置10dから送信されたBAフレームは、無線通信装置10b及び10cにおいて受信される。この場合、無線通信装置10b及び10cは、無線通信装置10dから送信されたBAフレームから、無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識することができる。
以下、上述した図8に示すステップS46~S48の処理に相当するステップS76~S78の処理が実行される。
上記したように本変形例においては、無線通信装置10bに対する受信結果及び無線通信装置10cに対する受信結果を無線通信装置10dにおいて合成し、当該合成結果を含むBAフレームが無線通信装置10dから無線通信装置10b及び10cに送信される。このような構成によれば、無線通信装置10b及び10cはMUBAフレームに含まれる複数の受信結果を考慮して無線通信装置10dにおける対象データの受信結果を認識する必要がない(つまり、無線通信装置10b及び10cで2つの受信結果を合成する必要がない)ため、当該無線通信装置10b及び10cの処理負荷(処理量)を低減させることができる。
(第4変形例)
次に、第2実施形態の第4変形例について説明する。上述した第2実施形態においては、無線通信装置10dが無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームの各々を分離して受信することができる性能を有しているものとして説明したが、本変形例は、無線通信装置10dが無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームを分離して受信することができる性能を有していない(つまり、分離して受信することができない)点で、第2実施形態とは異なる。
以下、本変形例におけるネットワークシステム(無線通信装置10a~10d)の動作の一例について説明する。ここでは、便宜的に、図11を用いて説明する。
まず、上述した第2実施形態の第3変形例にいて説明したステップS71~S73(図8に示すステップS41~S43)の処理が実行される。
ここで、上述した第2実施形態においては、無線通信装置10bから無線通信装置10dへのデータフレーム及び無線通信装置10cから無線通信装置10dへのデータフレームは互いに直交する無線信号であるものとして説明したが、本変形例において、無線通信装置10dは当該データフレームを分離して受信することができない。このため、本変形例において、無線通信装置10b及び10cは、無線通信装置10dが1つの信号として合成して受信することができるように同一の周波数でデータフレームを送信する(ステップS74)。換言すれば、ステップS74において、無線通信装置10b及び10cは、同一の周波数を用いた無線通信装置10での受信時に合成可能な形式のデータフレーム(無線信号)を送信する。
なお、無線通信装置10b及び10cからのデータフレームの送信方法(互いに直交する形式でデータフレームを送信するか、合成可能な形式でデータフレームを送信するか)は、例えばステップS73において無線通信装置10aから送信される第2トリガフレームに設定されているものとする。この場合、データフレームの送信方法には、無線通信装置10b及び10cが主導で対象データを再送するという再送方法、対象データを再送する回数及び当該対象データを再送する間隔等が含まれていてもよい。また、このデータフレームの送信方法は、協調送信を開始する前(例えば、無線通信装置10aと無線通信装置10b及び10cとの間の通信リンクの確立時または図1に示すネットワークシステムの構築時等)のに設定されてもよい。
ステップS74の処理が実行されると、無線通信装置10dは、無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームを受信する。なお、本変形例においては上記したように受信時に合成可能なデータフレームが無線通信装置10b及び10cから送信されているため、無線通信装置10dは、当該無線通信装置10b及び10cから送信されたデータフレームを別個のデータフレームではなく1つのデータフレームとして受信する。
この場合、無線通信装置10dは、受信されたデータフレームに基づいて対象データ(第1及び第2データ)が受信されたか否かを示す受信結果を含むBAフレームを無線通信装置10b及び10cに送信する(ステップS75)。なお、上記したように無線通信装置10dは無線通信装置10bから送信されたデータフレーム及び無線通信装置10cから送信されたデータフレームを分離して受信していない(つまり、無線通信装置10b及び10cの各々に対する受信結果を得ることができない)ため、本変形例において無線通信装置10dから送信されるフレームは、MUBAフレームではなくBAフレームである。
ステップS75の処理が実行された場合、上記した第2実施形態の第3変形例において説明したステップS76~S78の処理が実行される。なお、ステップS76においては、上記したステップS74と同様に、同一の周波数を用いた無線通信装置10dでの受信時に合成可能な形式のデータフレームが無線通信装置10b及び10cから送信される。
上記したように本変形例においては、例えば無線通信装置10dが無線通信装置10b及び10cの各々から送信されるデータフレーム(対象データ)を分離して受信することができない構成(性能)の場合であっても、円滑な無線通信を実現することができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態においては、円滑な無線通信を実現することが可能な電子装置及び方法を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。