JP7233942B2 - 電動作業機 - Google Patents
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Description
ロータへ回転軸の軸方向に貫通形成される空気通路と、空気通路を含んでステータの内側で空気が循環可能な循環風路と、回転軸の回転に伴って回転し、循環風路内に空気を循環させるファンと、を含んでなり、
ステータにおける回転軸の軸方向の何れか一方の端面側に、センサ回路基板と、コイルを形成するワイヤが電気的に接続される端子とがそれぞれ配置されて、センサ回路基板及び端子は、循環風路内を循環する空気によって冷却可能であることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1の構成において、ロータは、軸心に回転軸が設けられるロータコアと、ロータコアの周縁部に配置される永久磁石とを含み、空気通路は、ロータコアの径方向で回転軸と永久磁石との間に配置されてロータコアに貫通形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の構成において、ブラシレスモータは、軸方向に2分割されてステータの端部にそれぞれ被着される2つのケースからなるモータケース内に保持され、
2つのケースをステータにそれぞれ被着した状態で、ステータコアの外周の一部はモータケースの外部に露出していることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3の構成において、モータケースは金属製で、モータケースとコイルとの間には熱伝導手段が設けられていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4の構成において、ブラシレスモータはモータケース内に密閉状態で収容されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の何れかの構成において、ファンは、ロータの外径よりも小径であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の何れかの構成において、ファンは、ロータの端面側に羽根を設けた遠心ファンであって、ロータにおける羽根との対向領域に空気通路が形成されていることを特徴とする。
(芝刈機の説明)
図1は、電動作業機の一例である充電式の芝刈機を示す中央縦断面図、図2はモータユニット部分の拡大図である。
この芝刈機1は、前後方向に延びて下面を開口させたベース2と、ベース2の中央上側に連結される本体3と、ベース2から後方斜め上に延びるハンドル4とを備えている。
ベース2は、前後にそれぞれ一対の車輪5,5を有してハンドル4によって前後への進退動が可能となっている。ベース2の後部でハンドル4の下方には、リヤカバー6と集草カゴ7とが設けられている。ハンドル4の後端には、スイッチレバー8が設けられ、その前方には、常態でスイッチレバー8の操作をロックするロックオフボタン9が設けられている。ロックオフボタン9を押し操作してスイッチレバー8のロックを解除すると、スイッチレバー8の引き操作が可能となる。
また、本体ハウジング10の前部には、図示しない制御回路基板を備えたコントローラ15が上下方向に立設した状態で支持され、その後方でバッテリー装着部12の下方には、モータユニット16が設けられている。モータユニット16からは、後述するブラシレスモータ21の回転軸25が下向きに突出しており、その下端にスピンドル17が同軸で連結されている。このスピンドル17は、筒状部11からベース2内へ下向きに突出しており、スピンドル17の下端には、インナフランジ18及びボルト19によって水平な板状の刈刃20が直交状に取り付けられて、出力部を形成している。
一方、ベース28の下側には、スピンドル17を軸受31を介して軸支するベアリングリテーナ30が、下方から複数のネジ32によって組み付けられており、ベアリングリテーナ30を貫通するスピンドル17の下端が、筒状部11の下端にネジ止めされたバッフル板33を貫通してベース2内に突出している。刈刃20を装着するインナフランジ18には、スピンドル17の下端が嵌合する筒部34が設けられて、筒部34の外周に、遠心ファン35が設けられている。
ブラシレスモータ21のステータ23は、図4~7に示すように、複数の鋼板を軸方向に積層して内側に複数(ここでは12個)のティース41,41・・を突出させたステータコア40と、ステータコア40の上下両端に一体成形される樹脂製の電気絶縁部材としての上インシュレータ42及び下インシュレータ43と、上下インシュレータ42,43と連続して、ステータコア40の内周面及び各ティース41の突出端面を除く外周面を覆う樹脂製の絶縁部44と、絶縁部44を介して各ティース41に巻回されるコイル45とを含んでいる。上インシュレータ42には、コイル45を形成するワイヤと電気的に接続されて三相結線を形成する短絡部材46と、ロータ24の回転位置を検出するセンサ回路基板47とが組み付けられている。上下インシュレータ42,43及び短絡部材46、センサ回路基板47の詳細は後述する。
また、ロータコア51の周縁部には、同心円上に複数(ここでは8個)の磁石孔54,54・・が、軸方向に貫通形成されて、各磁石孔54に板状の永久磁石55が埋設されている。永久磁石55の内側には、上下両端を除いて鋼板に形成した透孔の積層により、空気通路56,56・・が軸方向に貫通形成されている。この空気通路56は肉盗みともなるため、ロータ24の軽量化に繋がる。
これにより、モータケース22内には、ファン57から径方向外側に送り出される空気が、下側空間60と、各スロット59と、上側空間61と、各空気通路56とを通ってファン57に戻る循環風路62が形成される。
モータケース22の上ケース26及び下ケース27は、それぞれアルミ合金等の非磁性体で形成され、ステータ23の上部及び下部に被着される円形カップ状を有している。
まず、上ケース26は、図3~5に示すように、上面外周から側面にかけて、上下方向の放熱用のフィン65,65・・が、周方向へ所定間隔をおいて立設されている。また、上ケース26の上面中央には、上軸受保持部66が形成され、樹脂製の絶縁キャップ67を介して軸受68が保持されて、回転軸25の上端を支持している。上軸受保持部66の中心には、透孔69が形成されて、樹脂キャップ70によって閉塞されている。
さらに、上ケース26の周面には、周方向に等間隔をおいて、径方向外側へ膨らむ3つのネジボス部71A,71A,71Bが、上下方向に形成されている。このネジボス部71A,71Bは、ステータコア40の突条48A,48Bにそれぞれ対応するもので、ネジボス部71A,71Bの下端は、それぞれ突条48A,48Bに嵌合する横断面テーパ状又は横断面四角形状に開口している。上ケース26の周面で突条48A,48Bの間には、下端から上向きにスリット72が形成されている。
また、下軸受保持部74を除く端面部73の内面と、下筒部75の内周及びボス77を除く外周とには、端面部73の内面から下筒部75の内周及び外周までを連続して被覆する樹脂層78が形成されている。この樹脂層78におけるステータコア40の突条48A,48Bに対応する位置には、対応する上ケース26のネジボス部71A,71Bと同形状のボス部79A,79Bが軸方向に形成されている。このボス部79A,79Bの上端は、それぞれ突条48A,48Bに嵌合する横断面テーパ状又は横断面四角形状に開口して貫通孔を備えている。さらに、ボス部79A,79Bの下側には、凹溝80がそれぞれ連続状に形成されている。
このモータユニット16を、ベース28上で、回転軸25を下向きにして載置し、ベース28の下方から各ボス77にネジをねじ込むと、モータユニット16はベース28に固定される。下ケース27の端面部73の下面には、筒状部11に嵌合してモータユニット16を位置決めする同心円上の円弧リブ73a,73a(図2,5)が形成されている。
ここでモータカバー29を被せると、上ケース26の上軸受保持部66を含む中央部分が露出した状態でモータユニット16が覆われ、モータカバー29の内面に上ケース26のフィン65,65・・が近接した状態となる。
よって、ブラシレスモータ21のステータ23は、突条48A,48Bを貫通するネジ81と、突条48A,48Bに嵌合する上ケース26のネジボス部71A,71Bと下ケース27のボス部79A,79Bとによって、モータケース22に対して回り止めされることになる。
上インシュレータ42は、図8,9に示すように、ステータコア40の上側端面に一体成形されるリング体で、上面には、短絡部材46に設けた各ヒュージング端子99を保持する端子保持部85,85・・が、周方向に等間隔で12個設けられている。この端子保持部85は、内周側の内壁部86と、外周側の外壁部87とを、径方向にワイヤ115の直径に略相当する間隔をあけて立設したもので、内壁部86と外壁部87との周方向の中央には、ヒュージング端子99を嵌合させる嵌合溝88が形成されている。また、上インシュレータ42の上面には、短絡部材46の組み付け用の止めボス89,89・・が、1つ置きのティース41の根元に当たる位置で5箇所に突設されている。
下インシュレータ43は、図10に示すように、ステータコア40の下側端面に一体成形されるリング体で、下面には、各ティース41の根元からやや周方向にずれた位置で、周方向に沿って12個のガイド壁90,90・・が立設されている。
短絡部材46は、上インシュレータ42よりも一回り小さい樹脂製のリング体で、外周には、上インシュレータ42の止めボス89にそれぞれ上方から嵌合する四角筒状の5つの嵌合ボス95,95・・と、ステータコア40の各溝50に係合する3つのリブ96,96・・とが突設されている。
また、短絡部材46は、外周から内周へ行くに従って軸方向の厚みが上面から段階的に小さくなる階段状に形成されており、各厚み部分に、図11,12に示すように、最も肉厚の外周部分に位置する最大径の第1金具97Uと、その内側の肉厚の中間部分に位置する中間径の第2金具97Wと、その内側の内周部分に位置する最小径の第3金具97Vとがそれぞれ同心円上に配置されてインサート成形されている。各金具に付したU,W,Vは、それぞれ対応する三相電流のU相、W相、V相を意味している。
また、短絡部材46の内周で点対称位置には、センサ回路基板47を取り付けるための取付ボス105を備えた支持片104,104が中心側へ向けて突設されて、支持片104,104の間で短絡部材46の内周には、センサ回路基板47の外周を支持する複数の受け片106,106・・(図12)が中心側へ向けて突設されている。
ここでのコイル45は、3つの巻線ノズルを用いて、120°間隔に位置する3つのティース41から、図13に示すように1本のワイヤ115(但し、各ワイヤを区別する場合は、115A,115B,115CのようにA~Cの符号を付す。以下、他の部分でも同じ。)でそれぞれ巻回を開始し、そのままステータ23の周方向に隣接する4つのティース41へ順番に巻いていくことで、同時に12個のコイル45を形成している。例えば図13に示すワイヤ115Aでは、最初に対応するヒュージング端子99に始端116Aを係止させた状態で、右回り方向へ隣接するティース41にコイル45を順番に形成する。このときの巻回方向は、ティース41に向かって反時計回り方向である。また、コイル45の形成後の渡り線117Aは上インシュレータ42(結線側)側へ戻してティース41,41間のヒュージング端子99に係止する。
こうして周方向に隣接する3つのコイル45,45・・は、各相の第1~第3金具97U~97Vによって、U(W-U)、V(U-V)、W(V-W)としてデルタ結線されることになる。これが第1~第3金具97U~97Vによって4セット順番に並設される訳であるから、ここでの三相回路は、図15に示すように形成される。これは、U,V,Wの各相4つのコイルU1~U4、V1~V4、W1~W4がそれぞれ並列に接続されたデルタ結線と等価である。
以上の如く構成された芝刈機1においては、ロックオフボタン9を押し操作してスイッチレバー8のロックを解除してスイッチレバー8を引き操作すると、メインスイッチがONとなってバッテリーパック13からコントローラ15の制御回路基板にON信号が伝達される。制御回路基板のマイコンは、センサ回路基板47の回転検出素子108から得られる検出信号によってロータ24の回転状態を取得し、取得した回転状態に応じて制御回路基板に設けたスイッチング素子をON/OFF動作させ、ステータ23の各相のコイル45へ順番に電流を流すことでロータ24を回転させる。よって、回転軸25が回転し、スピンドル17と共に刈刃20を回転させるため、ハンドル4を介してベース2を押し操作すれば、車輪5を介して走行しながら刈刃20による芝刈が可能となる。
一方、ステータ23が、突条48A,48Bを貫通するネジ81によって、ベース28に組み付けられるモータケース22に対して回り止めされるので、公差による影響が小さく、精度のよい回り止めが可能となる。また、高い強度も得られる。特に、ネジ81がステータコア40を直接貫通するため、ステータコア40の外側で上下ケース26,27をネジ81で連結する構造に比べて、撓みが生じにくくなっている。
さらに、コイル45を形成するワイヤ115同士が交差しないので、ワイヤ115同士の接触による削れが生じにくくなり、耐久性も高まる。
このように、上記形態の芝刈機1によれば、ステータ23と、ステータ23に対して回転可能なロータ24と、ロータ24に設けられる回転軸25とを有するブラシレスモータ21(モータ)と、ロータ24へ回転軸25の軸方向に貫通形成される空気通路56と、空気通路56を含んでステータ23の内側で空気が循環可能な循環風路62と、回転軸25の回転に伴って回転し、循環風路62内に空気を循環させるファン57と、を含んでなることで、モータケース22の外側に冷却用空気の通路を設けなくてもブラシレスモータ21の冷却効果が得られる。よって、モータユニット16が大径化することがなく、ひいては製品サイズのコンパクト化に繋がる。
また、ブラシレスモータ21はモータケース22(ハウジング)内に密封状態で収容されているので、防塵、防水効果が得られる。
さらに、ファン57は、ロータ24の端面側に羽根58を設けた遠心ファンであって、ロータ24における羽根58との対向領域に空気通路56が形成されているので、デッドスペースを利用してファン57を配置できる。
さらに、冷却効果を上げるために、コイル45とモータケース22との間に熱伝導手段を設けることもできる。図16はその一例を示すもので、ここでは下ケース27の下筒部75の内底面で各コイル45の下方に、半径方向の吸熱リブ83,83・・をそれぞれ上向きに突設して、各吸熱リブ83の上面に、コイル45に当接する熱伝導手段としての熱伝導シート84を接着して、熱伝導シート84を介してコイル45から吸熱リブ83側へ伝熱させるようにしている。この熱伝導シート84は、例えばシリコンやアクリル製で熱伝導率が1.0[W/mk]以上のものが望ましい。
この吸熱リブは各コイル毎に設けてもよいし、複数のコイルに跨がって円弧状に長く設けてもよい。また、熱伝導シートに代えて熱伝導性の接着剤を用いてもよい。さらに、下ケース表面の樹脂層を熱伝導性として当該樹脂層を吸熱リブと共に上方へ突設させてコイルと接触させてもよい。
また、モータケース(ハウジング)の分割構造も上記形態に限らず、軸方向に2分割や3分割した分割ハウジングを組み合わせて形成したり、ステータの外周を覆う筒状部分と、軸方向の前後両端面を覆う端面部分とに分割してこれらを組み合わせて形成したり等、適宜変更可能である。
そして、電動作業機としては、例えば、園芸工具として、電動のチェーンソー・ヘッジトリマ・草刈機・ブロワ等があり、電動工具として、アングルドリル・グラインダ・ハンマ・ハンマドリル・マルノコ・レシプロソー等がある。
Claims (7)
- 複数のコイルが巻回されるステータコアを含むステータと、前記ステータに対して回転可能なロータと、前記ロータに設けられる回転軸と、前記ロータの回転位置を検出するセンサ回路基板とを有するブラシレスモータと、
前記ロータへ前記回転軸の軸方向に貫通形成される空気通路と、
前記空気通路を含んで前記ステータの内側で空気が循環可能な循環風路と、
前記回転軸の回転に伴って回転し、前記循環風路内に空気を循環させるファンと、
を含んでなり、
前記ステータにおける前記回転軸の軸方向の何れか一方の端面側に、前記センサ回路基板と、前記コイルを形成するワイヤが電気的に接続される端子とがそれぞれ配置されて、前記センサ回路基板及び前記端子は、前記循環風路内を循環する空気によって冷却可能であることを特徴とする電動作業機。 - 前記ロータは、軸心に前記回転軸が設けられるロータコアと、前記ロータコアの周縁部に配置される永久磁石とを含み、前記空気通路は、前記ロータコアの径方向で前記回転軸と前記永久磁石との間に配置されて前記ロータコアに貫通形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動作業機。
- 前記ブラシレスモータは、前記軸方向に2分割されて前記ステータの端部にそれぞれ被着される2つのケースからなるモータケース内に保持され、
前記2つのケースを前記ステータにそれぞれ被着した状態で、前記ステータコアの外周の一部は前記モータケースの外部に露出していることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動作業機。 - 前記モータケースは金属製で、前記モータケースと前記コイルとの間には熱伝導手段が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電動作業機。
- 前記ブラシレスモータは前記モータケース内に密閉状態で収容されていることを特徴とする請求項4に記載の電動作業機。
- 前記ファンは、前記ロータの外径よりも小径であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電動作業機。
- 前記ファンは、前記ロータの端面側に羽根を設けた遠心ファンであって、前記ロータにおける前記羽根との対向領域に前記空気通路が形成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電動作業機。
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