JP7231061B2 - 分布定数フィルタおよびマルチプレクサ - Google Patents

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Description

本発明は、分布定数フィルタおよび当該分布定数フィルタを含むマルチプレクサに関する。
従来、分布定数フィルタが知られている。たとえば、特開2007-318271号公報(特許文献1)には、4つの共振素子を含むフィルタが開示されている。当該4つの共振素子の各々は、両端部開放のマイクロストリップ線路が折り曲げられた構造を有し、当該フィルタの中心周波数とフィルタの帯域幅から定義される周波数範囲内にてほぼ半波長の整数倍となる電気長を有する。
分布定数フィルタの低損失化を実現する構成として、たとえば特開平4-43703号公報(特許文献2)には、積層された複数のストリップ導体を含む対称型ストリップライン共振器が開示されている。複数のストリップ導体の両端部の各々において、当該複数のストリップ導体はスルーホールによって互いに接続されている。その結果、対称型ストリップライン共振器においては、両ストリップ導体に対して、信号が同位相で有利に入力され得る。
特開2007-318271号公報 特開平4-43703号公報
信号の波長が短くなるほど、当該信号に共振する分布定数線路共振器のサイズを小さくする必要がある。たとえばミリ波の信号のように、非常に短い波長を有する信号に分布定数フィルタを対応させるためには、分布定数線路共振器を非常に小型の導体によって形成する必要がある。その結果、分布定数線路共振器におけるスルーホール(ビア導体)の形成精度のばらつき、または位置精度のばらつきによって分布定数フィルタの特性が劣化し得る。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は分布定数線路共振器における製造ばらつきおよび当該製造ばらつきによる分布定数フィルタの特性の劣化を低減することである。
本発明の一局面に係る分布定数フィルタは、少なくとも1つの共振器と、第1接地電極とを備える。少なくとも1つの共振器は、接地されない。第1接地電極は、第1方向において少なくとも1つの共振器と対向する。少なくとも1つの共振器の各々は、分布定数線路共振器である。少なくとも1つの共振器の各々は、複数の分布定数線路と、ビア導体とを含む。複数の分布定数線路は、第1方向に積層されている。ビア導体は、第1方向に延在する。複数の分布定数線路の各々は、当該分布定数線路の両端部のうち一方端部のみにおいてビア導体に接続されている。
本発明の他の局面に係る分布定数線路共振器は、複数の分布定数線路と、ビア導体とを備える。複数の分布定数線路は、第1方向に積層され、接地されない。ビア導体は、第1方向に延在する。複数の分布定数線路の各々は、当該分布定数線路の両端部のうち一方端部のみにおいてビア導体に接続されている。
本発明に係る分布定数フィルタによれば、複数の分布定数線路の各々が当該分布定数線路の両端部のうち一方端部のみにおいてビア導体に接続されていることにより、分布定数線路共振器の製造ばらつきによる分布定数フィルタの特性の劣化を低減することができる。
本発明に係る分布定数線路共振器によれば、複数の分布定数線路の各々が当該分布定数線路の両端部のうち一方端部のみにおいてビア導体に接続されていることにより、製造ばらつきを低減することができる。
実施の形態1に係る分布定数フィルタの外観斜視図である。 図1の分布定数フィルタをZ軸方向から平面視した図である。 図1の分布定数フィルタをX軸方向から平面視した図である。 図1の分布定数フィルタの内部に形成された複数の電極を示す図である。 実施の形態1の比較例1に係る分布定数フィルタの誘電体基板内部の斜視図である。 分布定数線路共振器において積層された分布定数線路の数(積層数)と当該分布定数線路共振器の急峻性の指標である無負荷Q値の比との関係を示す図である。 積層数と電界結合の結合係数との関係を示す図である。 積層数と磁界結合の結合係数との関係を示す図である。 図4の分布定数フィルタの通過特性(実線)および図5の分布定数フィルタの通過特性(点線)を併せて示す図である。 実施の形態1の変形例1に係る分布定数フィルタの誘電体基板内部の電極の斜視図である。 実施の形態1の変形例2に係る分布定数フィルタの誘電体基板内部の電極の斜視図である。 図10の分布定数フィルタの通過特性(実線)および図11の分布定数フィルタの通過特性(点線)を併せて示す図である。 実施の形態1の変形例3に係る分布定数フィルタの誘電体基板内部の電極の斜視図である。 実施の形態1の変形例4に係る分布定数フィルタをY軸方向から平面視した図である。 実施の形態2に係る分布定数フィルタの外観斜視図である。 実施の形態2に係る分布定数フィルタの斜視図である。 図15のXVII-XVII線断面図である。 実施の形態3に係る分布定数フィルタの斜視図である。 図18の分布定数線路共振器にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図18の分布定数線路共振器にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図16の分布定数線路共振器にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 図16の分布定数線路共振器にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。 実施の形態3の変形例に係る分布定数フィルタの斜視図である。 実施の形態4に係るアンテナモジュールの断面図である。 実施の形態5に係るマルチプレクサの一例であるデュプレクサの等価回路図である。 図25のデュプレクサを形成する複数の電極を示す斜視図である。
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は原則として繰り返さない。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る分布定数フィルタ1の外観斜視図である。図2は、図1の分布定数フィルタ1をZ軸方向から平面視した図である。図3は、図1の分布定数フィルタ1をX軸方向から平面視した図である。図4は、図1の分布定数フィルタ1の内部に形成された複数の電極を示す図である。図1~図4において、X軸、Y軸、およびZ軸は互いに直交している。後に説明する図5、図10、図11、図13~図23、図24、および図26においても同様である。
図1~図4を参照しながら、分布定数フィルタ1は、たとえば直方体状である。分布定数フィルタ1は、誘電体基板100と、分布定数線路共振器131(第1共振器)と、分布定数線路共振器132(第3共振器)と、分布定数線路共振器133(第4共振器)と、分布定数線路共振器134(第共振器)と、接地電極121(第1接地電極)と、接地電極122(第2接地電極)と、接地導体部150と、結合電極120と、入出力端子P11(第1端子)と、入出力端子P12(第2端子)とを備える。
図1を参照しながら、誘電体基板100は、複数の誘電体層がZ軸方向(第1方向)に積層されることによって形成されている。Z軸方向に垂直な誘電体基板100の最外層の面を上面UF1および底面BF1とする。上面UF1および底面BF1は、Z軸方向に対向している。Z軸方向に平行な面のうちZX平面と平行な面を側面F11およびF13とする。Z軸方向に平行な面のうちYZ平面と平行な面を側面F12およびF14とする。
底面BF1には、接地電極121が形成されている。接地電極121は、底面BF1を覆っている。上面UF1には、接地電極122が配置されている。接地電極122は、上面UF1を覆っている。側面F14,F12には、入出力端子P11,P12がそれぞれ露出している。
図2および図3を参照しながら、接地導体部150は、複数のビア導体V10を含む。分布定数線路共振器131~134は、接地電極121と122との間に配置されているとともに、複数のビア導体V10に囲まれている。複数のビア導体V10の各々は、接地電極121と122とを接続している。分布定数線路共振器131~134は、Z軸方向において接地電極121と122と挟まれているストリップラインである。
分布定数線路共振器131~134の各々は、接地されていない。分布定数線路共振器131~134の各々の両端部は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数線路共振器131~134の各々において信号が通過可能な経路の最大長さは、分布定数フィルタ1を通過可能な所望の信号の誘電体基板100内の波長(特定波長)の2分の1である。すなわち、分布定数線路共振器131~134の各々は、λ/2共振器である。分布定数フィルタ1は、4つのλ/2共振器から形成される4段の分布定数フィルタである。分布定数フィルタ1の段数(共振器の数)は、2段、あるいは3段であってもよいし、5段以上であってもよい。なお、誘電体基板100内の信号の波長は、誘電体基板100の誘電率の大きさに応じて、真空中の当該信号の波長よりも短縮される。
図4も併せて参照しながら、分布定数線路共振器131は、複数の分布定数線路141と、ビア導体V11とを含む。複数の分布定数線路141は、Z軸方向に積層されている。ビア導体V11は、Z軸方向に延在している。分布定数線路共振器131は、端部1311(第1端部)と、端部1312(第2端部)と、中間部1313とから形成されている。中間部1313は、Y軸方向(第2方向)に延在し、端部1311と1312とを接続している。複数の分布定数線路141の各々は、端部1312においてビア導体V11に接続されている。複数の分布定数線路141の各々は、端部1311においてビア導体V11に接続されていてもよい。X軸方向(第3方向)における端部1311の長さ(幅)w11および端部1312の幅w12は、中間部1313の幅w13より長い。幅w12は、幅w11と同じでもよいし、異なっていてもよい。
分布定数線路共振器134は、複数の分布定数線路144と、ビア導体V14とを含む。複数の分布定数線路144は、Z軸方向に積層されている。ビア導体V14は、Z軸方向に延在している。分布定数線路共振器134は、端部1341(第1端部)と、端部1342(第2端部)と、中間部1343とから形成されている。中間部1343は、Y軸方向に延在し、端部1341と1342とを接続している。複数の分布定数線路144の各々は、端部1342においてビア導体V14に接続されている。複数の分布定数線路144の各々は、端部1341においてビア導体V14に接続されていてもよい。分布定数線路共振器134の構造は、Y軸に平行な対称軸に関して分布定数線路共振器131の構造とほぼ線対称である。分布定数線路共振器131と同様に、端部1341の幅および端部1342の幅は、中間部1343の幅より長い。
分布定数線路共振器132は、複数の分布定数線路142と、ビア導体V12とを含む。複数の分布定数線路142は、Z軸方向に積層されている。ビア導体V12は、Z軸方向に延在している。分布定数線路共振器132は、端部1321(第1端部)と、端部1322(第2端部)と、中間部1323とから形成されている。中間部1323は、Y軸方向に延在し、端部1321と1322とを接続している。複数の分布定数線路142の各々は、端部1322においてビア導体V12に接続されている。複数の分布定数線路142の各々は、端部1321においてビア導体V12に接続されていてもよい。端部1321の幅w21および端部1322の幅w22は、中間部1313の幅w23より長い。幅w22は、幅w21と同じでもよいし、異なっていてもよい。
分布定数線路共振器133は、複数の分布定数線路143と、ビア導体V13とを含む。複数の分布定数線路143は、Z軸方向に積層されている。ビア導体V13は、Z軸方向に延在している。分布定数線路共振器133は、端部1331(第1端部)と、端部1332(第2端部)と、中間部1333とから形成されている。中間部1333は、Y軸方向に延在し、端部1331と1332とを接続している。複数の分布定数線路143の各々は、端部1332においてビア導体V13に接続されている。複数の分布定数線路143の各々は、端部1331においてビア導体V13に接続されていてもよい。分布定数線路共振器133の構造は、Y軸に平行な対称軸に関して分布定数線路共振器132の構造とほぼ線対称である。分布定数線路共振器132と同様に、端部1331の幅および端部1332の幅は、中間部1333の幅より長い。
分布定数線路共振器131~134の各々の端部において、当該分布定数線路共振器の複数の分布定数線路が互いに接続されることにより、当該複数の分布定数線路各々の電位(極性)が一致する。そのため、当該複数の分布定数線路の各々を流れる電流の共振モードを一致させることができる。その結果、当該複数の分布定数線路の各々を電流が流れる方向を一致させることができる。また、分布定数フィルタ1においては、分布定数線路共振器131~134の各々の複数の分布定数線路を流れる電流の向きを一致させるために必要なビア導体が1つであるため、ビア導体の形成に伴う製造ばらつきを低減することができる。
分布定数線路共振器131~134の各々においては、2つの端部よりも、中間部が細い。分布定数線路共振器131~134の各々は、当該分布定数線路共振器のインピーダンスがステップ状に変化するSIR(Stepped Impedance Resonator)である。分布定数線路共振器131~134の各々がSIRであることにより、当該分布定数線路共振器が共振する基本波の周波数(共振周波数)を2次共振周波数の1/2以下にすることができる。その結果、分布定数線路共振器131~134の各々を小型化することができるとともに、不要波の高次共振周波数を共振周波数から相対的に遠ざけることができる。
分布定数線路共振器131と134とは、X軸方向において互いに対向している。分布定数線路共振器131は、分布定数線路共振器131の端部1311,1312において分布定数線路共振器134とは反対側に屈曲している。分布定数線路共振器134は、端部1341,1342において分布定数線路共振器131とは反対側に屈曲している。X軸方向における中間部1313と1343との間の距離は、端部1311と1341との間の距離および端部1312と1342との間の距離の各々よりも短い。磁界強度は中間部1313,1343で最も強くなり、電界強度は端部1311,1341および端部1312,1342で最も強くなる。その結果、分布定数線路共振器131,134においては、中間部1313と1343との間に生じる磁界結合が端部1311,1341の間で生じる電界結合および端部1312,1342の間で生じる電界結合の各々よりも強く、支配的である。
分布定数線路共振器132と133とは、X軸方向において互いに対向している。分布定数線路共振器132は、端部1321において分布定数線路共振器133の側に屈曲している。分布定数線路共振器133は、端部1331において分布定数線路共振器132の側に屈曲している。X軸方向における端部1321と1331との間の距離および端部1322と1332との間の距離は、中間部1323と1333との間の距離よりも短い。X軸方向における端部1322と1332との間の距離は、端部1321と1331との間の距離よりも長い。しかし、端部1322と1332との間に配置されている結合電極120によって端部1322と1332との間に生じる電界結合が強められる。その結果、分布定数線路共振器132,133においては、端部1321,1331の間で生じる電界結合および端部1322,1332の間で生じる電界結合の各々が中間部1323と1333との間に生じる磁界結合よりも強く、支配的である。
なお、分布定数線路共振器131,134において電界結合が支配的であるとともに、分布定数線路共振器132,133において磁界結合が支配的であってもよい。
入出力端子P11,P12の各々は、端部1312,1342にそれぞれ電気的に接続されている。入出力端子P11に入力された信号は、入出力端子P12から出力される。入出力端子P12に入力された信号は、入出力端子P11から出力される。なお、2つの回路素子が電気的に接続されている場合には、当該2つの回路素子が直接接続されている場合、および当該2つの回路素子が電界結合している場合が含まれる。分布定数フィルタ1においては、入出力端子P11,P12の各々は、Z軸方向において端部1312,1342にそれぞれ対向し、電界結合している。
端部1311と1322とは、Y軸方向において互い対向し、電界結合している。端部1341と1332とは、Y軸方向において互い対向し、電界結合している。
図5は、実施の形態1の比較例1に係る分布定数フィルタ10の誘電体基板内部の斜視図である。分布定数フィルタ10の構成は、図4の分布定数線路共振器131~134が、分布定数線路共振器11~14にそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため、説明を繰り返さない。図5に示されるように、分布定数線路共振器11~14の各々は、1つの分布定数線路から形成されている。
図6は、分布定数線路共振器において積層された分布定数線路の数(積層数)と当該分布定数線路共振器の急峻性の指標である無負荷Q値の比との関係を示す図である。図6において、図5に示される分布定数線路共振器11の無負荷Q値を1とした場合の各積層数に対応する無負荷Q値の比が示されている。積層数が5に対応する無負荷Q値の比が図4に示される分布定数線路共振器131の無負荷Q値の比である。図6に示されるように、積層数が増加するほど分布定数線路共振器の無負荷Q値は増加する。
図7は、積層数と電界結合の結合係数との関係を示す図である。図7において積層数が1に対応する結合係数が図5に示される分布定数線路共振器11と12との間の電界結合の結合係数であり、積層数が5に対応する結合係数が図4に示される分布定数線路共振器131と132との間の電界結合の結合係数である。図7に示されるように、積層数が増加するほど分布定数線路共振器間の電界結合の結合係数は増加する。
図8は、積層数と磁界結合の結合係数との関係を示す図である。図において積層数が1に対応する結係数が図5に示される分布定数線路共振器11と14との間の磁界結合の結合係数であり、積層数が5に対応する結合係数が図4に示される分布定数線路共振器131と134との間の磁界結合の結合係数である。図8に示されるように、積層数が増加するほど分布定数線路共振器間の磁界結合の結合係数は増加する。
図9は、図4の分布定数フィルタ1の通過特性(実線)および図5の分布定数フィルタ10の通過特性(点線)を併せて示す図である。通過特性とは、挿入損失の周波数特性である。図9の縦軸の減衰量は、0dBから下に向かう方向に増加する。後に説明する図12においても同様である。図9に示されるように、26GHz~30GHzの周波数帯において、分布定数フィルタ1の挿入損失は、分布定数フィルタ10の挿入損失よりも小さい。分布定数フィルタ1においては、複数の分布定数線路の積層構造により各分布定数線路共振器の無負荷Q値が高められ、その結果、低損失化が実現されている。
分布定数フィルタ1においては、分布定数線路共振器131~134各々の積層数が等しい場合について説明した。分布定数線路共振器131~134各々の積層数は、異なっていてもよい。
図10は、実施の形態1の変形例1に係る分布定数フィルタ1Aの誘電体基板内部の電極の斜視図である。分布定数フィルタ1Aの構成は、図4の分布定数線路共振器132,133が分布定数線路共振器132A(第3共振器),分布定数線路共振器133A(第4共振器)にそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器132Aの構成は、図4の複数の分布定数線路142,ビア導体V12が複数の分布定数線路142A,ビア導体V12Aにそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器133Aの構成は、図4の複数の分布定数線路143,ビア導体V13が複数の分布定数線路143A,ビア導体V13Aにそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図10に示されるように、複数の分布定数線路142A,143A各々の積層数は10であり、複数の分布定数線路141,144各々の積層数は5である。分布定数線路共振器132A,133Aの各々の無負荷Q値は、分布定数線路共振器131,134の各々の無負荷Q値よりも大きい。
図11は、実施の形態1の変形例2に係る分布定数フィルタ1Bの誘電体基板内部の電極の斜視図である。分布定数フィルタ1Bの構成は、図4の分布定数線路共振器131,134が分布定数線路共振器131B(第1共振器),分布定数線路共振器134B(第2共振器)にそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器131Bの構成は、図4の複数の分布定数線路141,ビア導体V11が複数の分布定数線路141B,ビア導体V11Bにそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器134Bの構成は、図4の複数の分布定数線路144,ビア導体V14が複数の分布定数線路144B,ビア導体V14Bにそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図11に示されるように、複数の分布定数線路141B,144B各々の積層数は10であり、複数の分布定数線路142,143各々の積層数は5である。分布定数線路共振器131B,134Bの各々の無負荷Q値は、分布定数線路共振器132,133の各々の無負荷Q値よりも大きい。
図12は、図10の分布定数フィルタ1Aの通過特性(実線)および図11の分布定数フィルタ1Bの通過特性(点線)を併せて示す図である。図12に示されるように、通過帯域において、分布定数フィルタ1Aの挿入損失は、分布定数フィルタ1Bの挿入損失よりも小さい。通過帯域外において、分布定数フィルタ1Aの減衰極における減衰量は、分布定数フィルタ1Bの減衰極における減衰よりも大きい。そのため、通過帯域から通過帯域外に向かう挿入損失の変化が分布定数フィルタ1Bより分布定数フィルタ1Aの方が急峻となる。その結果、分布定数フィルタ1Aにおいて、通過帯域の信号は通過させ、通過帯域外の信号は通過させないという信号のフィルタリング機能が分布定数フィルタ1Bよりも高められている。
入出力端子P11,P12にそれぞれ電気的に接続されている2つの分布定数線路共振器よりも、当該2つの分布定数線路共振器にそれぞれ電界結合している2つの分布定数線路共振器の無負荷Q値を向上させる方が、分布定数フィルタの性能を向上させることができる。
分布定数フィルタ1Aにおいては、分布定数線路共振器131,134各々の積層数が等しいとともに、分布定数線路共振器132A,133A各々の積層数が等しい場合について説明した。分布定数線路共振器131,134各々の積層数は異なっていてもよい。分布定数線路共振器132,133各々の積層数も異なっていてもよい。
図13は、実施の形態1の変形例3に係る分布定数フィルタ1Cの誘電体基板内部の電極の斜視図である。分布定数フィルタ1Cの構成は、図10の分布定数線路共振器133A,134が分布定数線路共振器133C(第1共振器),分布定数線路共振器134C(第2共振器)にそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器133Cの構成は、図10の複数の分布定数線路143A,ビア導体V13Aが複数の分布定数線路143C,ビア導体V13Cにそれぞれ置き換えられた構成である。分布定数線路共振器134Cの構成は、図10の複数の分布定数線路144,ビア導体V14が複数の分布定数線路144C,ビア導体V14Cにそれぞれ置き換えられた構成である。これら以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図13に示されるように、複数の分布定数線路143Cの積層数は8であり、複数の分布定数線路144Cの積層数は3である。分布定数線路共振器131,134C各々の積層数は異なっている。分布定数線路共振器132,133C各々の積層数も異なっている。
製造コストの制限、設計領域の制限、または所望の特性に応じて、分布定数フィルタに含まれる複数の分布定数線路共振器の各々の積層数を適宜決定することができる。積層数の低減により、分布定数フィルタの製造コストおよび製造ばらつきを低減することができる。また、積層数が低減された分布定数線路共振器は低背化されるため、当該分布定数線路共振器に関するレイアウトの自由度を向上させることができる。
分布定数フィルタ1においては、分布定数線路共振器131~134の各々がストリップラインである場合について説明した。分布定数線路共振器131~134の各々は、Z軸方向において一方側において接地電極と対向するマイクロストリップラインでもよい。
図14は、実施の形態1の変形例4に係る分布定数フィルタ1DをY軸方向から平面視した図である。分布定数フィルタ1Dの構成は、図3の分布定数フィルタ1から接地電極122が除かれた構成である。分布定数フィルタ1Dは、分布定数フィルタ1から接地電極121が除かれた構成であってもよい。分布定数フィルタ1Dは、分布定数フィルタ1から複数のビア導体V10、および接地電極121または122が除かれた構成であってもよい。
なお、分布定数線路共振器131~134の各々と底面BF1との距離h11と上面UF1との距離h12とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、分布定数線路共振器131~134が形成されている誘電体層の誘電率と、分布定数線路共振器131~134が形成されていない誘電体層の誘電率とは、等しくてもよいし、異なっていてもよい。
以上、実施の形態1および変形例1~4に係る分布定数フィルタによれば、分布定数線路共振器の製造ばらつきによる分布定数フィルタの特性の劣化を低減することができる。
実施の形態1では、4つの分布定数線路共振器を備える場合について説明した。実施の形態に係る分布定数フィルタが備える分布定数線路共振器の数は、4つに限定されない。以下では、2つの分布定数線路共振器を備える分布定数フィルタについて説明する。
[実施の形態2]
図15および図16は、実施の形態2に係る分布定数フィルタ2の斜視図である。図17は、図15のXVII-XVII線断面図である。図15~図17を参照しながら、分布定数フィルタ2は、たとえば直方体状である。分布定数フィルタ2は、誘電体基板200と、分布定数線路共振器231,232と、接地電極221(第1接地電極),接地電極222(第2接地電極)と、接地電極211~214と、入出力端子P21(第1端子)と、入出力端子P22(第2端子)とを備える。なお、図16においては、分布定数フィルタ2の内部に形成された分布定数線路共振器231,232を見易くするため、図15の誘電体基板200を図示していない。誘電体基板200の不図示について、図18および図23においても同様である。
誘電体基板200は、複数の誘電体層がZ軸方向(第1方向)に積層されることによって形成されている。分布定数線路共振器231,232の各々は、誘電体基板200の内部においてX軸方向(第2方向)に延在している。分布定数線路共振器231のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さは、分布定数線路共振器232のX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、およびZ軸方向の長さとそれぞれ同じである。分布定数線路共振器231,232は、接地電極221と222との間において、Y軸方向(第3方向)にこの順に並置されている。
入出力端子P21,P22の各々は、不図示のビア導体および線路導体を介して、分布定数線路共振器231,232にそれぞれ電気的に接続されている。入出力端子P21に入力された信号は、入出力端子P22から出力される。入出力端子P22に入力された信号は、入出力端子P21から出力される。
Z軸方向に垂直な分布定数フィルタ2の最外層の面を上面UF2および底面BF2とする。上面UF2および底面BF2は、Z軸方向に対向している。Z軸方向に平行な面のうちZX平面と平行な面を側面F21およびF23とする。Z軸方向に平行な面のうちYZ平面と平行な面を側面F22およびF24とする。
底面BF2には、入出力端子P21,P22、および接地電極221が形成されている。入出力端子P21,P22、および接地電極221は、たとえば底面BF2に平面電極が規則的に配置されたLGA(Land Grid Array)端子である。底面BF2は、不図示の回路基板に接続される。
上面UF2には、接地電極222が配置されている。接地電極222は、上面UF2を覆っている。
側面F21には、接地電極211,212が配置されている。接地電極211,212は、X軸方向に互いに離間して配置されている。接地電極211,212の各々は、接地電極221,222に接続されている。
側面F23には、接地電極213,214が配置されている。接地電極213,214は、X軸方向に互いに離間して配置されている。接地電極213,214の各々は、接地電極221,222に接続されている。側面F22,F24には、接地電極が形成されていない。
分布定数線路共振器231,232の各々の両端部は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数線路共振器231,232の各々のX軸方向の長さは、分布定数フィルタ2を通過可能な所望の信号の波長の2分の1である。すなわち、分布定数線路共振器231,232の各々は、λ/2共振器である。分布定数フィルタ2は、2つのλ/2共振器から形成される2段の分布定数フィルタである。分布定数フィルタ2の段数は、3段以上であってもよい。
分布定数線路共振器231,232は、複数の分布定数線路241,242をそれぞれ含む。複数の分布定数線路241の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の分布定数線路241の各々は、誘電体基板200を形成する複数の誘電体層のいずれかに配置されている。すなわち、複数の分布定数線路241は、Z軸方向に誘電体層の厚み分の間隔を空けて積層されている。複数の分布定数線路241においてZ軸方向に隣接する導体の間隔は一定でなくてもよい。複数の分布定数線路242も、複数の分布定数線路241と同様に配置されている。
分布定数線路共振器231,232は、ビア導体V21,V22をそれぞれ含む。分布定数線路共振器231の一方端部において、複数の分布定数線路241は、ビア導体V21によって互いに接続されている。分布定数線路共振器232の一方端部において、複数の分布定数線路242は、ビア導体V22によって互いに接続されている。
以上、実施の形態2に係る分布定数フィルタによれば、分布定数線路共振器の製造ばらつきによる分布定数フィルタの特性の劣化を低減することができる。
[実施の形態3]
実施の形態2においては、分布定数線路共振器を形成する複数の分布定数線路の幅が一定である場合について説明した。当該分布定数線路共振器の延在方向から当該複数の分布定数線路を平面視すると、当該複数の分布定数線路は、全体として矩形を形成する。矩形のように尖った角部分を有する分布定数線路共振器に電流が流れると、当該角部分に電界集中が生じ易い。電界集中は、導体損失を生じさせるため、分布定数フィルタの挿入損失を悪化させる。
そこで、実施の形態3においては、分布定数線路共振器を形成する複数の分布定数線路において、最外層に近い導体の幅を中間層に近い導体の幅よりも短くする。当該分布定数線路共振器の延在方向から当該複数の分布定数線路を平面視すると、当該複数の分布定数線路は、全体として矩形の角部が丸められた形状を形成する。当該形状においては角部が尖っていないため、電界集中が緩和される。実施の形態3に係る分布定数フィルタによれば、導体損失が低減される。その結果、挿入損失を改善することができる。
図18は、実施の形態3に係る分布定数フィルタ3の斜視図である。分布定数フィルタ3の構成は、図16の分布定数線路共振器231,232が、分布定数線路共振器331,332にそれぞれ置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図18に示されるように、分布定数線路共振器331は、複数の分布定数線路341と、ビア導体V31とを含む。複数の分布定数線路341の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数線路共振器331の両端部は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数線路共振器331の一方端部において、複数の分布定数線路341は、ビア導体V31によって互いに接続されている。
分布定数線路共振器332は、複数の分布定数線路342と、ビア導体V32とを含む。複数の分布定数線路342の各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。
分布定数線路共振器332の両端部は、電圧が変化し得る開放端である。分布定数線路共振器332の一方端部において、複数の分布定数線路342は、ビア導体V32によって互いに接続されている。
分布定数線路共振器331,332の各々のX軸方向の長さは、分布定数フィルタ3を通過可能な所望の信号の波長の2分の1である。すなわち、分布定数線路共振器331,332の各々は、λ/2共振器である。分布定数フィルタ3は、2つのλ/2共振器から形成される2段の分布定数フィルタである。分布定数フィルタ3の段数は、3段以上であってもよい。
複数の分布定数線路341,342は互いに同様の積層構造を有する。以下では、複数の分布定数線路341の積層構造について説明する。
複数の分布定数線路341は、分布定数線路3411(第1分布定数線路)と、分布定数線路3412(第2分布定数線路)と、分布定数線路3413(第3分布定数線路)と、分布定数線路3414(第3分布定数線路)とを含む。複数の分布定数線路341に含まれる導体のうち、分布定数線路3411および3412以外の導体は、分布定数線路3411と分布定数線路3412との間に積層されている。
分布定数線路共振器331の幅は、幅w33(特定長さ)である。分布定数線路3413,3414および分布定数線路3413と3414との間に積層されている導体の各々の幅も幅w33である。
分布定数線路3411の幅は、幅w31(<w33)である。分布定数線路3412の幅は、幅w32(<w33)である。幅w31とw32とは異なっていてもよいし、等しくてもよい。
分布定数線路3411と分布定数線路3413との間に配置された分布定数線路の幅は、分布定数線路3411から3413に近づくにつれて徐々に長くなる。分布定数線路3412と分布定数線路3414との間に配置された分布定数線路の幅は、分布定数線路3412から3414に近づくにつれて徐々に長くなる。
図19は、図18の分布定数線路共振器331,332にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図20は、図18の分布定数線路共振器331,332にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。oddモードにおいては分布定数線路共振器331,332の各々を流れる電流の方向が逆となり、evenモードにおいては分布定数線路共振器331,332の各々を流れる電流の方向が同じとなる。図19および図20に示されるように、分布定数線路共振器331,332の各々に含まれる複数の分布定数線路は、全体として矩形の角部が丸められた形状を形成している。
図21は、図16の分布定数線路共振器231,232にoddモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図22は、図16の分布定数線路共振器231,232にevenモードにおいて高周波信号を流すシミュレーションにおける電界強度の分布を、X軸方向から平面視した図である。図21および図22に示されるように、分布定数線路共振器231,232の各々に含まれる複数の分布定数線路は、全体として角部分が尖った矩形を形成している。
oddモードに関して図19および図21を比較するとともに、evenモードに関して図20および図22を比較すると、図21および図22において分布定数線路共振器231,232の各々の最外層の導体の両端部に生じている電界集中が、図19および図20の分布定数線路共振器331,332の最外層の導体においては分散されている。分布定数フィルタ3によれば、電界集中の緩和により導体損失が低減される。その結果、分布定数フィルタ2よりも挿入損失を改善することができる。
分布定数線路共振器に含まれる複数の分布定数線路が全体として形成する形状は、円形であってもよい。なお、円形は、真円である必要はなく、また楕円形も含む。
図23は、実施の形態3の変形例に係る分布定数フィルタ3Aの斜視図である。分布定数フィルタ3Aの構成は、図18の複数の分布定数線路341,342が341A,342Aに置き換えられた構成である。これ以外は同様であるため説明を繰り返さない。
図23に示されるように、X軸方向から複数の分布定数線路341A,342Aを平面視したとき、複数の分布定数線路341A,342Aの各々は、全体として円形を形成している。
複数の分布定数線路341Aは、分布定数線路3431(第1分布定数線路)と、分布定数線路3432(第2分布定数線路)と、分布定数線路3433(第3分布定数線路)とを含む。複数の分布定数線路341Aに含まれる導体のうち、分布定数線路3431および3432以外の導体は、分布定数線路3431と分布定数線路3432との間に積層されている。
分布定数線路3433の幅は、幅w33である。分布定数線路3431の幅は、幅w34(<w33)である。分布定数線路3432の幅は、幅w35(<w33)である。幅w34とw35とは異なっていてもよいし、等しくてもよい。
分布定数線路3431と分布定数線路3433との間に配置された導体の幅は、分布定数線路3431から3433に近づくにつれて徐々に長くなる。分布定数線路3432と分布定数線路3433との間に配置された導体の幅は、分布定数線路3432から3433に近づくにつれて徐々に長くなる。
以上、実施の形態3および変形例に係る分布定数フィルタによれば、分布定数線路共振器の製造ばらつきによる分布定数フィルタの特性の劣化を低減することができるとともに、低損失化を実現することができる。
[実施の形態4]
実施の形態4においては、積層された複数の分布定数線路がアンテナ素子として機能する構成について説明する。
図24は、実施の形態4に係るアンテナモジュール4の断面図である。図24に示されるように、アンテナモジュール4は、誘電体基板200Aと、分布定数線路共振器231Aと、接地電極221Aと、ビア導体V21Aとを備える。
誘電体基板200Aは、複数の誘電体層がZ軸方向に積層されることによって形成されている。分布定数線路共振器231Aは、誘電体基板200Aの内部においてX軸方向に延在している。
分布定数線路共振器231Aは、複数の分布定数線路241Aを含む。複数の分布定数線路241Aの各々は、X軸方向に延在し、Z軸方向を法線とする分布定数線路を形成している。複数の分布定数線路241Aの各々は、誘電体基板200Aを形成する複数の誘電体層のいずれかに配置されている。すなわち、複数の分布定数線路241Aは、Z軸方向に誘電体層の厚み分の間隔を空けて積層されている。複数の分布定数線路241AにおいてZ軸方向に隣接する導体の間隔は一定でなくてもよい。
ビア導体V21Aは、接地電極221Aを貫通している。ビア導体V21Aは、接地電極221Aから絶縁されている。ビア導体V21Aは、複数の分布定数線路241Aを、たとえばRFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)に接続する。複数の分布定数線路241Aは、RFICからの高周波信号をアンテナモジュール4の外部に送信する。複数の分布定数線路241Aは、アンテナモジュール4の外部から高周波信号を受信して、当該高周波信号をRFICに伝達する。すなわち、分布定数線路241は、アンテナ素子として機能する。
以上、実施の形態4に係るアンテナモジュールによれば、分布定数線路共振器の製造ばらつきによるアンテナモジュールの特性の劣化を低減することができるとともに、低損失化を実現することができる。
[実施の形態5]
実施の形態5においては、実施の形態1~3に係る分布定数フィルタを含むマルチプレクサについて説明する。
図25は、実施の形態5に係るマルチプレクサの一例であるデュプレクサ5の等価回路図である。図25に示されるように、デュプレクサ5は、分布定数フィルタ1E,1Fと、共通端子Pcomとを備える。分布定数フィルタ1Eは、端子P11E(第1端子)と、端子P12E(第2端子)とを含む。分布定数フィルタ1Fは、端子P11F(第1端子)と、端子P12F(第2端子)とを含む。共通端子Pcomは、分布定数フィルタ1Eの端子P12Eに接続されているとともに、分布定数フィルタ1Fの端子P11Fに接続されている。分布定数フィルタ1Eの通過帯域は、分布定数フィルタ1Fの通過帯域と異なる。すなわち、分布定数フィルタ1Eのサイズは、分布定数フィルタ1Fのサイズと異なる。
図26は、図25のデュプレクサ5を形成する複数の電極を示す斜視図である。図26においては、図25の分布定数フィルタ1E,1Fの各々が実施の形態1に係る分布定数フィルタである場合が示されている。分布定数フィルタ1E,1Fに含まれる複数の電極の各々の参照符号から最後のアルファベットを除いた参照符号は、図4に示される複数の電極のうち、当該電極が対応する電極を示す。分布定数フィルタ1E,1Fの各々の構造は、図4に示される分布定数フィルタ1と同様であるため、説明を繰り返さない。図26に示されるように、端子P12EおよびP11Fは、ビア導体V50によって共通端子Pcomに接続されている。
なお、実施の形態5に係るマルチプレクサに含まれる分布定数フィルタは、実施の形態1に係る分布定数フィルタに限定されず、実施の形態1の変形例1~4、実施の形態2、ならびに実施の形態3および変形例に係る分布定数フィルタであってもよい。また、実施の形態5に係るマルチプレクサに含まれる分布定数フィルタの数は2に限定されず、3以上であってもよい。すなわち、実施の形態5に係るマルチプレクサは、デュプレクサおよびダイプレクサに限定されず、たとえばトリプレクサ、クアッドプレクサ、あるいはペンタプレクサを含む。さらに、分布定数フィルタ1E,1Fは、或る平面(たとえばXY平面)上に並置されてもよいし、当該平面に直交する方向(たとえばZ軸方向)に積層されてもよい。
以上、実施の形態5に係るマルチプレクサによれば、分布定数線路共振器の製造ばらつきによるマルチプレクサの特性の劣化を低減することができるとともに、低損失化を実現することができる。
なお、上記で説明した複数の分布定数線路を互いに接続するビア導体は、一体的に形成されている必要はない。複数の誘電体層の積層方向に隣接する2つの分布定数線路毎に当該2つの分布定数線路を互いに接続する導体が形成され、複数の分布定数線路の間隔毎に形成された複数の導体が全体として当該ビア導体を形成してもよい。当該複数の導体は、積層方向から平面視したときに完全に重なっている必要はなく、たとえば誘電体層毎に互い違いに当該導体の中心軸がずれていてもよい。
今回開示された各実施の形態は、矛盾しない範囲で適宜組み合わされて実施されることも予定されている。今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1~3,1A~1F,4 アンテナモジュール、5 デュプレクサ、10 分布定数フィルタ、1114,131~134,131E~134E,131F~134F,131B,132A,133A,133C,134B,134C,231,231A,232,331,332 分布定数線路共振器、100,200,200A 誘電体基板、120,120E,120F 結合電極、121,122,211~214,221,221A,222 接地電極、1311,1312,1321,1322,1331,1332,1341,1342 端部、1313,1323,1333,1343 中間部、141~144,141E~144E,141F~144F,141B,142A,143A,143C,144B,144C,241,241A,242,341,341A,342,342A 複数の分布定数線路、3411~3414,3431~3433 分布定数線路、150 接地導体部、BF1,BF2 底面、F11~F14,F21~F24 側面、P11,P11E,P11F,P12,P12E,P12F,P21,P22 入出力端子、UF1,UF2 上面、V10~V14,V11B,V11E~V14E,V11F~V14F,V12A,V13A,V13C,V14B,V14C,V21,V21A,V22,V31,V32,V50 ビア導体。

Claims (11)

  1. 接地されない複数の共振器と、
    第1方向において前記複数の共振器と対向する第1接地電極と、
    第1端子および第2端子とを備え、
    前記複数の共振器の各々は、分布定数線路共振器であり、
    前記複数の共振器の各々は、
    前記第1方向に積層された複数の分布定数線路と、
    前記第1方向に延在するビア導体とを含み、
    前記複数の分布定数線路の各々は、当該分布定数線路の両端部のうち一方端部のみにおいて前記ビア導体に接続され、
    前記複数の共振器は、前記第1方向および前記第1方向に直交する第2方向の各々に直交する第3方向において互いに対向する第1共振器および第2共振器を含み、
    前記第1共振器に含まれる前記複数の分布定数線路の各々前記一方端部は、前記第1端子に電気的に接続され、
    前記第2共振器に含まれる前記複数の分布定数線路の各々前記一方端部は、前記第2端子に電気的に接続され、
    前記第1共振器は、前記第1共振器の両端部において前記第2共振器とは反対側に屈曲し、
    前記第2共振器は、前記第2共振器の両端部において前記第1共振器とは反対側に屈曲している、分布定数フィルタ。
  2. 前記複数の分布定数線路の各々の長さは、特定波長の1/2である、請求項1に記載の分布定数フィルタ。
  3. 接地される第2接地電極をさらに備え、
    前記複数の共振器は、前記第1接地電極と前記第2接地電極との間に配置されている、請求項1または2に記載の分布定数フィルタ。
  4. 前記第1接地電極および前記第2接地電極とを接続し、前記複数の共振器を囲むように配置された接地導体部をさらに備える、請求項3に記載の分布定数フィルタ。
  5. 前記複数の分布定数線路の各々は、前記第2方向に延在し、
    前記第3方向における前記複数の共振器の各々の長さは、特定長さであり、
    前記複数の分布定数線路は、第1分布定数線路と、第2分布定数線路と、第3分布定数線路とを含み、
    前記複数の分布定数線路のうち、前記第1分布定数線路および前記第2分布定数線路以外の分布定数線路は、前記第1分布定数線路と前記第2分布定数線路との間に配置され、
    前記第3方向における前記第1分布定数線路および前記第2分布定数線路の各々の長さは、前記特定長さよりも短く、
    前記第3方向における前記第3分布定数線路の長さは、前記特定長さである、請求項1~4のいずれか1項に記載の分布定数フィルタ。
  6. 前記複数の共振器の各々は、第1端部と、第2端部と、前記第1端部と前記第2端部とを接続する中間部とから形成され、
    前記中間部は、前記第2方向に延在し、
    前記第3方向における前記第1端部および前記第2端部の各々の長さは、前記第3方向における前記中間部の長さより長い、請求項1~4のいずれか1項に記載の分布定数フィルタ。
  7. 前記第1共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数は、前記第2共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数と異なる、請求項1~6のいずれか1項に記載の分布定数フィルタ。
  8. 前記複数の共振器は、前記第3方向において互いに対向する第3共振器および第4共振器をさらに含み、
    前記第3共振器の一方端部は、前記第1共振器の他方端部と前記第2方向において対向し、
    前記第4共振器の一方端部は、前記第2共振器の他方端部と前記第2方向において対向し、
    前記第3共振器は、前記第3共振器の他方端部において前記第4共振器の側に屈曲し、
    前記第4共振器は、前記第4共振器の他方端部において前記第3共振器の側に屈曲し、
    前記第3共振器の他方端部は、前記第4共振器の他方端部と対向している、請求項1~7のいずれか1項に記載の分布定数フィルタ。
  9. 前記第3共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数は、前記第4共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数と異なる、請求項8に記載の分布定数フィルタ。
  10. 前記第3共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数は、前記第1共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数および前記第2共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数の各々よりも多く、
    前記第4共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数は、前記第1共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数および前記第2共振器に含まれる複数の分布定数線路の積層数の各々よりも多い、請求項8または9に記載の分布定数フィルタ。
  11. 請求項1~10のいずれか1項に記載の複数の分布定数フィルタを備える、マルチプレクサ。
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