JP7230726B2 - 車両用照明装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用の照明装置に関する。
車両用の照明装置は、従来から、乗車時や降車時等に車室内を照らして、車室内を乗員が行動するために必要な明るさにするために利用されている。
近年では、車両用の照明装置として、車両用の座席で睡眠をとった後の乗員を覚醒させるための機能を有するものも知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に紹介されている車両用覚醒システムによると、睡眠開始後に所定時間が経過した時などに、リクライニングシートのシートバックを起立させる等して座席を変形させ、かつ、座席に着座した乗員に向けて光を照射する。こうすることで、乗員は所定時間睡眠をとった後に快適に目覚めることができると考えられる。
特開2009-125276号公報
ところで、近年提案されている車両の自動運転システムによると、自動運転時にはドライバー自身が休憩したり睡眠をとったりすることも考えられる。本発明の発明者は、車室内における乗員の居住性をさらに向上させるべく、車両の運転状態と照明との従来の関係に囚われず、車室内における乗員の居住性を向上させ得る総合的な照明装置を開発することを志向した。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、車室内における乗員の居住性を向上させ得る総合的な照明装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の車両用照明装置は、
窓部を含む車両の上部に配置される覚醒誘導照明と、前記窓部よりも下側の車両の下部において座席の前後方向に沿って前記座席の側方に配置される睡眠誘導照明と、を具備し、
前記覚醒誘導照明により前記座席を照らす覚醒モードと、
前記睡眠誘導照明により点灯状態を変化させつつ前記座席を照らす睡眠モードと、を行い、
前記睡眠モードにおける前記座席の明るさは、前記覚醒モードにおける前記座席の明るさよりも暗い、車両用照明装置である。
本発明の車両用照明装置は、車室内における乗員の居住性を向上させ得る総合的な照明装置である。
実施例の車両用居住性向上システムを車両に搭載した様子を模式的に表す説明図である。 実施例の車両用居住性向上システムと乗員との位置関係を模式的に表す説明図である。 実施例の車両用照明装置を後方から見た様子を模式的に表す説明図である。 実施例の睡眠誘導装置を分解した様子を模式的に表す説明図である。 実施例の睡眠誘導装置を模式的に表す説明図である。 実施例の睡眠誘導装置における触覚刺激部の断面を説明する説明図である。
本発明の車両用照明装置は、睡眠誘導照明と覚醒誘導照明とを備えるものである。
このうち睡眠誘導照明は、車両の下部に配置され、座席の前後方向に沿って前記座席の側方に配置される。また、覚醒誘導照明は車両の上部に配置される。本明細書において、車両の下部とは、車両における窓部よりも下側の部分を意味する。また、車両の上部とは、窓部を含む車両の上側の部分を意味する。さらに、ここでいう「窓部」とは、車両のフロントウィンドウ、サイドウィンドウ、リアウィンドウを包含する概念である。また、「座席の前後方向」は、「座席の向き」と捉えることもでき、座席に着座した乗員の臀部と膝とをむすぶ方向と一致する。当該乗員の膝側が座席の前側であり、臀部側が座席の後側である。本発明の車両用照明装置における座席の前後方向は、車両の進行方向と同じであっても良いし、異なっていても良い。後述する実施例の車両用照明装置においては、座席の前後方向と車両の進行方向とは一致するが、例えば複数の座席が車両進行方向に対して横向きに並ぶ場合等、座席の前後方向が車両進行方向と一致しない場合もある。複数の座席が車両進行方向に対して横向きに並ぶ場合には、車両の進行方向と略直交する方向が座席の前後方向となる。
以下、必要に応じて、座席の前後方向を単に前後方向と称する場合がある。
このように配置された睡眠誘導照明は座席や車室を下側から照らすことができ、覚醒誘導照明は座席や車室を上側から照らすことができる。換言すると、睡眠誘導照明は乗員の目から離れた位置で座席や車室を照らし、覚醒誘導照明は乗員の目に近い位置で座席や車室を照らす。このため、睡眠誘導照明が点灯すると、乗員は、車室が薄暗く照明されているように感じ、覚醒誘導照明が点灯すると、乗員は、車室の全体が明るくなったように感じる。
ここで、本発明の車両用照明装置は、覚醒誘導照明によって座席を照らす覚醒モードと、前記睡眠誘導照明によって点灯状態を変化させつつ当該座席を照らす睡眠モードとを行う。なお、睡眠モードにおける前記座席の明るさは、前記覚醒モードにおける前記座席の明るさよりも暗い。
睡眠モードでは、乗員は、目から離れた位置にある睡眠誘導照明の薄暗い光のもとでリラックスする。また、当該薄暗い光が目から離れた位置で点灯状態を変化させる環境におかれることで、乗員は眠りに誘われる。
一方、覚醒モードでは、乗員の目に近い位置で覚醒誘導照明による光が灯される。当該光により、座席は睡眠モードの際に比べて明るくなるため、睡眠していた乗員は、覚醒を促される。
このように、本発明の車両用照明装置によると、乗員は快適に入眠および覚醒することができ、車室内での乗員の居住性が向上するといえる。
なお、ここでいう座席の明るさとは、座席に着座した乗員が知覚できる位置での明るさを意味する。具体的には、座席におけるヘッドレストで測定した明るさを、本発明における座席の明るさとみなし得る。
座席の明るさには、睡眠誘導照明や覚醒誘導照明の色温度も関与する。乗員は、色温度の低い光を、色温度の高い光に比べて暗く感じる。したがって、睡眠モードにおける睡眠誘導照明の色温度を覚醒モードにおける覚醒誘導照明の色温度よりも低くすることも好ましい。
本発明の車両用照明装置は、自動運転システムを搭載した車両に限らず、種々の車両に搭載できる。本発明の車両用照明装置は、自動運転システムを搭載していない車両においても、停車時等に乗員を睡眠誘導しその後覚醒誘導することによって、乗員を快適に入眠させかつ覚醒させて、車室内における乗員の居住性向上に寄与し得る。
本発明の車両用照明装置における睡眠誘導照明および覚醒誘導照明は、特定の座席のみに照明を行い、当該座席に対して睡眠モードと覚醒モードとを行うものであっても良いが、複数の座席、例えば運転席と助手席との両方に照明を行い、当該複数の座席に対して睡眠モードと覚醒モードとを行うものであっても良い。
本発明の車両用照明装置により複数の座席に対して睡眠モードと覚醒モードとを行う場合、睡眠モードと覚醒モードとを複数の座席に対して同期して行っても良いし、各座席に対して別々のタイミングで睡眠モードと覚醒モードとを行っても良い。
各座席に対して別々のタイミングで睡眠モードと覚醒モードとを行う場合、睡眠誘導照明と覚醒誘導照明は、各座席に対して別々に設けても良い。
以下、本発明の車両用照明装置を構成要素毎に説明する。
本発明の車両用照明装置は、睡眠誘導照明と覚醒誘導照明とを有する。乗員を睡眠状態に誘導するための睡眠モードには睡眠誘導照明が用いられ、乗員を覚醒状態に誘導するための覚醒モードには覚醒誘導照明が用いられる。
なお、或る座席について、睡眠モードにおいては、覚醒モードよりも、当該座席の明るさを暗くすることが前提であるため、同じ座席に対して睡眠モードと覚醒モードとは同時には行われない。以下、特にことわりのない場合、照明の明るさや点灯状態を変化させるタイミング等は、同じ座席について説明しているものとする。
但し、覚醒誘導照明は覚醒モード時のみに使用されるとは限らず、睡眠誘導照明もまた睡眠モード時のみに使用されるとは限らない。つまり、本発明の車両用照明装置においては、睡眠モード時に、覚醒誘導照明によって覚醒モード時以外の様式で照明を行うことは許容される。
また、覚醒モードにおいては、覚醒誘導照明によって座席を照らし、かつ、睡眠モードよりも当該座席が明るくなれば良い。したがって、覚醒モード時には、睡眠誘導照明によって睡眠モード時以外の様式で照明を行うことが許容されるだけでなく、睡眠誘導照明によって睡眠モード時の照明を行うことも許容される。
乗員が意識下または無意識下において覚醒モードと睡眠モードとを明確に認識することを助けるためには、覚醒モードにおいて睡眠誘導照明は照明を行わないか、睡眠モード時の照明とは異なる様式で照明を行うのが好ましい。
睡眠モードおよび覚醒モードを開始し停止するタイミングは特に限定しない。
例えば、出発地から目的地までの距離が所定の距離以上である場合に、自動運転の開始時に睡眠モードを開始しても良い。または、出発地から目的地まで要する時間が所定の時間以上である場合に、自動運転の開始時に睡眠モードを開始しても良い。更には、車両に搭載したセンサにより、乗員の体温、心拍数、シートの角度等を検知し、自動運転中であり、かつ、乗員が睡眠する準備をしていると判断される場合に、睡眠モードを開始しても良い。睡眠モードは自動的に開始しても良いし、乗員が手動で開始させても良い。
睡眠モードの停止は、例えば、睡眠モード開始後、所定時間が経過した後に行えば良い。または、車室内をセンシングし、乗員が睡眠したと判断される場合に睡眠モードを停止しても良い。
覚醒モードの開始は、例えば、睡眠モード開始後、所定時間が経過した後に行えば良い。または、予め定めた時刻になったときに、覚醒モードを開始しても良い。さらには、予め定めた目的地に到着したときや、当該目的地に到着するよりもやや早目に、覚醒モードを開始しても良い。
以下、必要に応じて、睡眠誘導照明による睡眠モード時の照明様式を睡眠照明様式と称し、覚醒誘導照明による覚醒モード時の照明様式を覚醒照明様式と称する。
睡眠誘導照明は、既述したように、車両の下部に配置される。また、睡眠誘導照明は、座席の前後方向に沿って座席の側方に配置される。したがって睡眠誘導照明は、座席の前後方向に沿ったある程度長い領域で車室を照らすといい得る。
睡眠照明様式において、睡眠誘導照明は、点灯状態を変化させる。ここでいう点灯状態の変化とは、点灯、減灯または消灯といった照明の光量の変化や、照明の色温度の変化を包含する。点灯状態は、規則的に変化しても良いし、不規則的に変化しても良い。参考までに、減灯とは、睡眠誘導照明の光量を点灯時よりも低下させた状態を意味する。
睡眠照明様式において、睡眠誘導照明が点灯状態を変化させることにより、車室内には一定の周期でまたは不規則な周期で光の動きが生じ、乗員は当該光の動きによって入眠を促される。睡眠照明様式において、睡眠誘導照明は、光量のみを変化させても良いし、色温度のみを変化させても良いし、両者を変化させても良い。
睡眠誘導照明が複数ある場合には、睡眠誘導照明全体の点灯状態の変化を同期させるのが好ましい。
何れの場合にも、運転により緊張状態にある乗員の神経を鎮め、リラックスさせるためには、睡眠誘導照明において点灯状態を変化させる間隔は、あまり短くない方が好ましく、理想的な拍動の間隔程度か、それ以上に長いのが望ましい。または、各点灯状態を組み合わせた所定のパターンを繰り返しても良い。
睡眠照明様式において、睡眠誘導照明の点灯時および減灯時の光量の設定は、所謂ゆらぎ制御しても良い。ここでいう「ゆらぎ制御」とは、睡眠誘導照明の光量のパワースペクトルを対数表示したものをフィッティングし、得られた直線の傾きが周波数fに対して1/fとなるように、光量を変化させることを意味する。この種のゆらぎ制御がなされた照明は、対象となる人をリラックスさせ得ることが知られており、上記した睡眠照明様式における睡眠誘導照明の光量をゆらぎ制御することは、乗員をリラックスさせる上で有効である。
また、既述したように、睡眠照明様式における睡眠誘導照明は、座席の前後方向に沿ったある程度長い領域で車室を照らす。換言すると、当該睡眠照明様式においては、睡眠誘導照明による光の帯が、座席の前後方向に沿って設けられる。
このため睡眠モードにおいては、乗員は、狭い車室内であっても奥行きがあるように感じる。このことにより乗員は開放感や爽快感を覚え、より一層リラックスする。
ところで、睡眠誘導照明は、座席の一側方にのみ設けても良いが、座席の両側方に設けても良い。睡眠誘導照明を座席の両側方に設ける場合には、当該睡眠誘導照明に挟まれた乗員は、車室内の他の領域とは切り離されたコンパートメントにいるようにも感じる。したがってこの場合、当該睡眠誘導照明に挟まれた乗員は、車両に複数の乗員が搭乗している場合にも、他の乗員に煩わされずにリラックスすることが可能である。睡眠誘導照明は、一つの座席の側方にだけ設けられても良いが、複数の座席の側方に設けられるのが好ましい。
睡眠誘導照明は光源を一つだけ有しても良いが、複数の光源を有しても良い。睡眠誘導照明が複数の光源を有する場合、睡眠照明様式における各光源の点灯状態は同じタイミングで変化させても良いし、少しずつタイミングをずらしつつ変化させても良い。各光源の点灯状態を、少しずつタイミングをずらしつつ変化させる場合には、座席の前後方向に沿って光が移動して行くようにみえる。このことにより、乗員が感じる車室内の奥行きはより大きくなり、乗員に付与し得る開放感や爽快感はより向上する。
睡眠誘導照明が複数の光源を有する場合、睡眠誘導照明はその長さ方向において、1または複数の光源を含む複数の発光領域を有しても良い。そして当該複数の発光領域を互いに異なる点灯状態としても良い。各領域の点灯状態を変化させるタイミングは、同じタイミングであっても良いし、異なるタイミングであっても良い。
例えば、各領域毎に色温度を変えて、ろうそくの炎のような模様を表示しても良い。
なお、睡眠誘導照明によって睡眠照明様式以外の様式で照明を行う場合、その点灯状態は一定であっても良い。
睡眠誘導照明は、座席の前後方向に沿って設けられれば良く、上下方向や車幅方向において睡眠誘導照明の設けられる領域には特に限定はない。つまり、睡眠誘導照明の上下方向の位置や車幅方向の位置は、睡眠誘導照明における前後方向の全長にわたって、一定であっても良いし、一定でなくても良い。例えば睡眠誘導照明の一部が上下方向や車幅方向に向けて傾斜、湾曲、屈曲等しても良い。
特に、睡眠誘導照明における前側の一部が、後側の一部に比べて下側にあるように、睡眠誘導照明を配置する場合には、乗員は、睡眠誘導照明の前端が遠くにあるように錯覚する。このため、乗員が知覚する車室内の奥行きはより一層大きくなり、本発明の車両用照明装置が乗員に付与し得る開放感や爽快感はより一層向上する。本明細書では、必要に応じて、このような睡眠誘導照明の配置を前下がりと称する。
睡眠誘導照明の前後方向の長さは特に問わない。しかし、睡眠モードによって乗員を睡眠に導入するためには、睡眠誘導照明が乗員の近傍においてある程度長い領域に設けられるのが好ましい。具体的には、睡眠誘導照明は、前後方向において座席の座部の6割以上とオーバーラップするのが好ましく、座部の8割以上とオーバーラップするのがより好ましく、座部の全体とオーバーラップするのが特に好ましい。加えて、睡眠誘導照明は、座部よりも前側にまで延びるのがさらに好ましい。
このようにすることで、乗員は睡眠誘導照明に包まれているように感じ、より簡単にリラックスできる。
なお、ここでいう座部とは、座席のうち乗員が座る部分を意味する。
覚醒誘導照明は、車両の上部に配置される。覚醒モードにおいて、覚醒誘導照明は座席を照らす。覚醒モード時の座席は、睡眠モード時に比べて明るくなる。また、覚醒誘導照明は車両の上部に配置されるため、覚醒モード時において、覚醒誘導照明は、乗員の頭部に近い位置から車室の全体を明るく照らす。このため、睡眠していた乗員は心地よく覚醒するよう誘導される。
覚醒誘導照明は、窓部を含む車両の上部に配置されれば良く、例えば、車両の天井に好ましく配置できる。覚醒誘導照明は、上下方向において窓部と同程度の位置に配置されても良い。例えば、覚醒誘導照明をフロントウィンドウ側方のフロントピラー等に配置しても良い。
覚醒モードにおける覚醒誘導照明、すなわち、覚醒照明様式における覚醒誘導照明は、所定の点灯状態を続けても良いし、点灯状態が変化しても良い。乗員を心地よく覚醒させるためには、覚醒誘導照明は、覚醒照明様式において、一定の点灯状態を所定期間以上維持するのが好ましい。当該所定期間として、10秒間、30秒間、1分間の各範囲が例示される。
覚醒誘導照明は、車両の上部において前後方向における所定の1箇所から車室内を照らしても良いし、睡眠誘導照明と同様に、前後方向に沿ったある程度長い領域で車室を照らしても良い。覚醒モードにおいて乗員の頭部をより確実に照らすためには、覚醒誘導照明は、前後方向に沿って設けられるのが好ましい。
覚醒誘導照明は、車幅方向の所定の1箇所にのみ設けても良いし、車幅方向に異なる複数箇所に設けても良い。覚醒モードにおいて乗員の頭部をより確実に照らすためには、覚醒誘導照明は、車幅方向の複数箇所に設けられるのが好ましい。
ところで、覚醒誘導照明を前後方向に沿って設ける場合、覚醒誘導照明の前後方向の長さは特に問わない。しかし、覚醒モードによって乗員の頭部、より詳しくは乗員の目の位置を照らすためには、覚醒誘導照明が乗員の近傍においてある程度長い領域に設けられるのが好ましい。具体的には、覚醒誘導照明は、前後方向において座部と2割以上オーバーラップするのが好ましく、3割以上オーバーラップするのがより好ましく、5割以上オーバーラップするのが特に好ましい。加えて、覚醒誘導照明は、座部よりも前側にまで延びるのがさらに好ましい。
このようにすることで、乗員を信頼性高く覚醒させることが可能になる。
なお、覚醒誘導照明を車幅方向の複数箇所に設ける場合には、前後方向において当該複数の覚醒誘導照明が分布する領域の全体を、覚醒誘導照明が設けられている領域とみなせば良い。
覚醒誘導照明は光源を一つだけ有しても良いが、複数の光源を有しても良い。覚醒誘導照明の光源は、直接光によって乗員の頭部を照らしても良いし、反射光によって乗員の頭部を照らしても良い。つまり、本発明の車両用照明装置における覚醒誘導照明は、直接照明であっても良いし、間接照明であっても良い。
乗員をより快適に覚醒させるためには、乗員を穏やかに覚醒させるのが好ましい。この視点から、覚醒誘導照明は反射光によって乗員を照らすのが好ましい。
より具体的には、覚醒誘導照明は、上方に向けて発光する光源と、当該光源の上側を覆う反射板と、を有するのが好ましい。光源から上方に向けて出射した光は、光源よりも上側にある反射板で反射し、その光路を下方に向け、車室および座席を照らすとともに、車室内の乗員を照らす。このような覚醒誘導照明は、ルームランプとして機能し得る。
覚醒照明様式における覚醒誘導照明の明るさは、一定であっても良いが、一定でなくても良い。例えば、暗い車室内および座席が徐々に明るくなるように、覚醒誘導照明の明るさを徐々に高めれば、乗員をより快適に覚醒させることができる。
本発明の車両用照明装置においては、睡眠モードにおいて覚醒モードに比べて座席を暗くすることができれば、睡眠誘導照明や覚醒誘導照明の色や明るさは特に限定しない。しかし、睡眠モードにおいてより効率的に乗員を入眠させ、覚醒モードにおいてより効率的に乗員を覚醒させるためには、睡眠モードすなわち睡眠照明様式における睡眠誘導照明の色温度は、覚醒モードすなわち覚醒照明様式における覚醒誘導照明の色温度よりも低いのが好ましい。また、覚醒モードすなわち覚醒照明様式における覚醒誘導照明の照度は、睡眠モードすなわち睡眠照明様式における睡眠誘導照明の照度よりも高いのが好ましい。
色温度の低い光は、乗員をよりリラックスさせ得るため、睡眠照明様式における睡眠誘導照明として好適である。具体的には、睡眠照明様式における睡眠誘導照明の色温度は、3500ケルビン以下であるのが好ましく、3000ケルビン以下であるのがより好ましい。当該睡眠誘導照明の色温度が、2500±500ケルビンの範囲内であれば、睡眠誘導照明が夕日や朝日であるかのような印象を乗員に付与することが可能である。
なお、色温度は自律神経系の活動にも影響を及ぼすと考えられ、色温度の低い環境下では、副交感神経の活動が交感神経の活動に比べて優位になるとされている。このため、上記のように睡眠誘導照明の色温度を例えば上記した2500±500ケルビンとすることで、乗員の緊張を緩和させ、乗員をよりリラックスさせることが可能である。
一方、色温度の高い光は太陽光の色に近づく。また、色温度の高い環境下では、交感神経の活動が副交感神経の活動に比べて優位になるとされている。したがって、覚醒照明様式における覚醒誘導照明の色温度を、睡眠照明様式における睡眠誘導照明の色温度よりも高くすることで、乗員を快適に覚醒させることが可能である。覚醒照明様式における覚醒誘導照明の色温度は、4000ケルビン以上であるのが好ましく、4500ケルビン以上であるのがより好ましく、5000ケルビン以上であるのが特に好ましい。
なお、既述したように覚醒照明様式における覚醒誘導照明の明るさを徐々に高める際に、覚醒誘導照明の色温度を徐々に高めれば、乗員をさらに快適に覚醒させることができる。
なお、睡眠照明様式以外の照明様式における睡眠誘導照明の色温度は、上記した睡眠照明様式における睡眠誘導照明の色温度の範囲よりも高いのが好ましい。また、覚醒照明様式以外の照明様式における覚醒誘導照明の色温度は、上記した覚醒照明様式における覚醒誘導照明の色温度の範囲よりも低くても良い。睡眠モードと覚醒モードとの違いを乗員が認識し易いように、両者を明確に区別するためである。
覚醒照明様式における覚醒誘導照明の照度は、睡眠照明様式における睡眠誘導照明の照度よりも高ければ良く、その大きさは特に問わないが、100ルクス以上であるのが好ましく、200ルクス以上であるのがより好ましく、300ルクス以上であるのが特に好ましい。覚醒照明様式における覚醒誘導照明の照度は、外光の照度以上であるのがさらに好ましい。
ところで、本発明の車両用照明装置は、その他の睡眠誘導装置や覚醒誘導装置と組み合わせて、車両用居住性向上システムとしても良い。
本発明の車両用照明装置と併用する睡眠誘導装置として、車両の座席の側方に配置される触覚刺激部を具備し、当該触覚刺激部が、上下方向に変形可能な変形部と、変形部を上側から覆う表皮部と、変形部を周期的に変形させる駆動部と、を有し、変形部の変形に伴い、表皮部が上下方向に位置変化するものを例示することができる。ここで、周期的とは、一定の変形パターンを繰り返すことを意味する。
この種の睡眠誘導装置では、触覚刺激部の上に手を載せた乗員に、変形部の変形に伴う表皮部の上下方向への位置変化が伝達される。つまり乗員は、触覚刺激部によって自身の触覚を刺激される。変形部は周期的に変形するために、乗員は周期的に触覚を刺激される。この刺激により、乗員の呼吸を誘導して、乗員を眠りに誘うことが可能である。
変形部が変形するパターンとして、4秒間かけて表皮部の位置を徐々に上げ、その後、7秒間維持し、さらに、8秒間かけて徐々に下げるパターンが例示される。または、4秒間かけて表皮部の位置を徐々に下げ、その後、7秒間維持し、さらに、8秒間かけて徐々に上げるパターンが例示される。
ここで、表皮部の位置が上下することで、乗員の呼吸が誘発される。具体的には、乗員は、表皮部の位置が上がる際に息を吸い、表皮部の位置が下がる際に息を吐くように誘導される。息を吸う秒数<息を吐く秒数となるように呼吸が誘導されることで、副交感神経の活動が優位になるとされていることから、表皮部の位置を下げるときには、表皮部の位置を上げるときよりも長い時間をかけるのが好ましい。
変形部を当該周期で変形させることは、乗員をリラックスさせる上で有効である。
更には、変形部が変形する周期は、上記したゆらぎ制御を行っても良い。
変形部が変形する周期は、睡眠誘導照明の点灯状態を変化させるタイミングとは独立して設定しても良いし、両者を同期させても良い。
睡眠誘導装置における触覚刺激部は、乗員の手が届き易い位置に設けるのが好ましく、座席の側方にあるアームレストに設けるのが理想的である。
変形部は、上下方向において変形可能であり、かつ、駆動部によって周期的に変形させ得るものであれば良い。このような変形部と駆動部との組み合わせとしては、例えば、エアバッグとガスポンプとの組み合わせや、ピンとアクチュエータとの組み合わせ、圧電素子と電源装置との組み合わせ等を例示することが可能である。
例えば変形部としてエアバッグを用い駆動部としてガスポンプを用いる場合には、ガスポンプにより当該エアバッグにガスを周期的に出し入れすることで、エアバッグを周期的に収縮および膨張させることが可能である。エアバッグが収縮および膨張すると、上下方向におけるエアバッグの寸法が変化し、エアバッグは上下方向に変形するといえる。エアバッグの上下方向の変形に伴い、当該エアバッグを上側から覆う表皮部もまた上下方向に周期的に位置変化する。この表皮部の位置変化により、乗員の触覚を刺激することで、乗員を睡眠状態に誘導することが可能である。
ガスが入れられることで、エアバッグは徐々に膨らみ、また、ガスが抜かれることでエアバッグは徐々に萎む。このことにより、乗員の触覚は穏やかに刺激される。このため、変形部としてエアバッグを用い駆動部としてガスポンプを用いる場合には、乗員を睡眠状態に誘導し易いといい得る。
エアバッグとしては、ガスを内部に溜めることができ、かつ内部に溜められたガス量の変化に追従して少なくとも上下方向に変形可能なものを用いれば良く、例えば、樹脂製の袋等が好ましく使用される。
ガスの種類は特に問わないが、コスト面から、空気を採用するのが好ましい。
また例えば、変形部としてピンと当該ピンを上下動可能に支持する支持部とを有するピン機構を用い、駆動部としてアクチュエータを用いる場合には、アクチュエータによりピンを周期的に上下動させることができる。この場合にも、上下方向におけるピン機構の寸法が変化し、ピン機構は全体として上下方向に変形したといい得る。アクチュエータとしては、電力、流体圧、磁力等を用いた既知の機構によってピンを上下動させ得るものを用いれば良い。この場合、ピンは一つであっても良いし、複数であっても良いが、複数のピンを順番にかつ周期的に上下動させることで、乗員の触覚に心地良い刺激を与えることが可能であり、乗員を睡眠状態に誘導し易くなる。
また、例えば変形部として圧電素子を用い駆動部として電源装置を用いる場合には、電源装置から圧電素子に給電し、そのオン/オフや電圧の変更を周期的に行うことにより、圧電素子を周期的に変形させることが可能である。この場合にも、変形した圧電素子の上下方向の寸法は変化するために、圧電素子は上下方向に変形したといい得る。
このような睡眠誘導装置において、乗員の触感をより向上させるためには、表皮部または変形部が軟質であるか、または、表皮部と変形部との間に軟質の緩衝部を有するのが好ましい。表皮部は、硬質であり、自身は変形せず、変形部の変形に追従して上下方向に位置変化するだけであっても良い。しかし、乗員の触感向上を考慮すると、表皮部は、変形部の変形に追従して自らも変形可能である方が好ましい。
乗員の触感向上のためには、表皮部は、多孔質であるのが好ましい。睡眠時の乗員は、手に発汗し易いが、通気性に優れる多孔質の表皮部を用いることで、乗員の睡眠状態を好適に維持することが可能である。多孔質の表皮部としては、織布、不織布、ニット、人工スエード等の布を用いるのが好ましい。
上下方向における表皮部の位置変化量は、過大でない方が良い。乗員に過剰な刺激を与えることを避けつつ乗員をリラックスさせて、入眠を促すためである。具体的には、上下方向における表皮部の位置変化量の好適な範囲として、10cm以下、7cm以下および5cm以下の各範囲を挙げることができる。
上下方向における表皮部の位置変化量は、乗員が知覚できる程度の大きさであれば良く、特に下限値はない。強いていえば、上下方向における表皮部の位置変化量は0.5cm以上であるのが良く、1cm以上であるのがより好ましい。
なお、本明細書において、表皮部の位置変化量とは、表皮部のなかで最も位置変化が大きな部分における位置変化量を指すものとする。また、当該上下方向における表皮部の位置変化量は、上下方向における変形部の変形量と言い換えることが可能である。
水平方向における変形部の外形寸法もまた、過大でない方が良い。乗員の手のなかでも、手のひらは特に敏感な部分である。変形部を、乗員の手のひらに収まる大きさとする場合には、乗員の触覚を効率良く刺激することが可能である。また、小さな変形部であれば、上下方向における変形量も自ずと小さくなるために、上記したように過剰な刺激を与えることを避けつつ乗員をリラックスさせて、乗員の入眠を好適に促すことが可能である。
具体的には、水平方向における変形部の外形寸法の好ましい範囲として、20cm以下、17cm以下、15cm以下、13cm以下、10cm以下の各範囲を挙げることができる。
水平方向における変形部の外形寸法もまた、乗員が知覚できる程度の大きさであれば良く、特に下限値はない。強いていえば、水平方向における変形部の外形寸法は5mm以上であるのが良い。
本明細書において、水平方向における変形部の外形寸法とは、変形部を垂直方向に投影し、その投影像に外接する円の直径を意味する。
睡眠誘導装置は、乗員の触覚のみを刺激するものであっても良いが、触覚に加えて、聴覚や視覚等、触覚以外の感覚を刺激しても良い。例えば、触覚刺激部をモニターとして利用し、当該触覚刺激部に何らかの光や画像等を表示しても良いし、触覚刺激部をスピーカーとして利用し、何らかの音や音楽等を生じさせても良い。これらの光や音は、触覚による乗員の睡眠導入を補助し得る。これらの場合には、触覚刺激部は聴覚刺激部や視覚刺激部としても機能し得る。このような聴覚刺激部や視覚刺激部は、触覚刺激部と一体に設けても良いし、触覚刺激部とは別に設けても良い。
その他、睡眠誘導装置に、アロマオイルを加熱する加熱部を設ける等して、嗅覚を刺激することも可能である。
触覚刺激部には、さらに、車載機器の操作インタフェースを設けても良い。具体例を挙げると、当該車載機器としては、エアーコンディショナー、車両用ナビゲーションシステム、各種のオーディオ-ビジュアル機器等が例示される。これら車載機器の操作インタフェースとしては操作スイッチ等が例示される。
乗員の手が置かれる触覚刺激部に、車載機器の操作インタフェースが設けられれば、リラックスし、場合によっては瞼を閉じた状態の乗員でも、車載機器の操作を容易に行うことが可能となる。
上記の操作インタフェースは、表皮部の上部に露出しても良いが、乗員の触感向上を考慮すると、表皮部よりも下側かつ変形部よりも上側に配置するのが好ましい。触覚刺激部が表皮部と変形部との間に軟質の緩衝部を有する場合、操作インタフェースは緩衝部の上側に配置しても良いし、緩衝部の下側に配置しても良いが、緩衝部によるクッション機能を十分に利用するためには操作インタフェースは緩衝部の下側に配置するのが好ましい。
さらに、乗員の操作性を考慮すると、操作インタフェースは発光部を有し、触覚刺激部における操作インタフェースよりも上側の部分は光透過性を有するのが好ましい。こうすることで、乗員は視覚によっても操作インタフェースを認識することが可能である。
本発明の車両用照明装置の覚醒モードに同期して、変形部を大きく変形させたり、急激に変形させたり、短い周期で変形させても良い。こうすることで、乗員の覚醒を促すことができる。つまり、この場合には、睡眠誘導装置を覚醒誘導装置としても使用することができる。
その他、睡眠モードや覚醒モードに同期して、エアーコンディショナーやオーディオ-ビジュアル機器等を運転しても良い。例えば、睡眠モードに同期してエアーコンディショナーの風量を低減したり、オーディオ-ビジュアル機器の音量を小さくしたりすることは、乗員の入眠を促す助けとなる。また、覚醒モードに同期してオーディオ-ビジュアル機器の音量や光量を大きくすることは、乗員の覚醒を促す助けとなる。
以下、実施例を挙げて車両用照明装置を具体的に説明する。
(実施例)
実施例の車両用照明装置は、睡眠誘導装置とともに、車両用居住性向上システムを構成する。以下、当該車両用居住性向上システムを実施例の車両用居住性向上システムと称する。また、実施例の車両用居住性向上システムに含まれる睡眠誘導装置を実施例の睡眠誘導装置と称する。
実施例の車両用居住性向上システムを車両に搭載した様子を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例の車両用居住性向上システムと乗員との位置関係を模式的に表す説明図を図2に示す。実施例の車両用照明装置を後方から見た様子を模式的に表す説明図を図3に示す。実施例の睡眠誘導装置を分解した様子を模式的に表す説明図を図4に示す。実施例の睡眠誘導装置を模式的に表す説明図を図5に示す。実施例の睡眠誘導装置における触覚刺激部の断面を説明する説明図を図6に示す。
以下、上、下、左、右、前、後とは、各図における上、下、左、右、前、後を指すものとする。なお、上下方向は鉛直方向と一致し、前後方向は座席の前後方向および車両進行方向と一致し、左右方向は車幅方向と一致する。
図1に示すように、実施例の車両用居住性向上システムは、車両用照明装置1と、睡眠誘導装置5とを具備する。
車両用照明装置1は、覚醒誘導照明2と睡眠誘導照明3とを具備する。このうち覚醒誘導照明2は車両90の上部90Uに配置され、睡眠誘導照明3は車両90の下部90Lにおいて座席91の前後方向に沿って前記座席91の側方に配置される。
詳しくは、覚醒誘導照明2は、フロントウィンドウ92よりも上方に配置されるルームランプ20と、フロントウィンドウ92の両側方に配置されるピラー照明25とを有する。
ルームランプ20は、複数の光源20Lと当該光源20Lの上方に配置される反射板20Rとを有する。複数の光源20Lは、前後方向および車幅方向に配列し、上方に向けて発光し、反射板20Rは光源20Lの上側を覆うことで光源20Lが出射した光を下方に反射する役割を担う。したがって、このルームランプ20は間接照明として機能する。なお、光源20Lの下側は遮蔽板20Sにより覆われ、隠されているため、光源20Lは乗員99(図2に示す)からは視認されない。
ピラー照明25もまた、ルームランプ20と同様に、複数の光源25Lと、当該光源25Lの上方かつ側方に配置される反射板25Rと、光源25Lに対して反射板25Rの逆側に配置される遮蔽板25Sとを有する間接照明として機能する。光源25Lは上方かつ前方に向けて発光し、反射板25Rは光源が出射した光を下方かつ後方に向けて反射する。
ルームランプ20およびピラー照明25は、各々、前後方向に沿って配置されている。
なお、覚醒誘導照明2は調光可能であり、0ルクスから300ルクスまでの間で照度を可変でき、かつ、1800ケルビンから6000ケルビンまでの間で色温度を可変できる。
睡眠誘導照明3は、センターコンソールボックス93の上部と、サイドドア94のドアトリムアッパ95とに各々設けられている。換言すると、睡眠誘導照明3は座席91の両側方に配置されている。また、各睡眠誘導照明3は、座席91の前後方向に沿って配置されている。
各睡眠誘導照明3もまた、複数の光源3Lと、当該光源3Lに対して座席91とは逆側の側方に配置される反射板3Rと、光源3Lに対して反射板3Rの逆側、すなわち座席91側に配置される遮蔽板3Sとを有する間接照明として機能する。なお、睡眠誘導照明3における光源3Lは、座席91とは逆側の側方に向けて発光し、反射板3Rは光源3Lが出射した光を座席91側すなわち乗員99側に向けて反射する。光源3Lの座席91側は遮蔽板3Sにより隠されており、光源3Lは乗員99からは視認されない。
各睡眠誘導照明3の光源3Lは前後方向に配列している。図2および図3に示すように、各睡眠誘導照明3の前端部3Fは中央部3Cに比べて下方に位置する。つまり、睡眠誘導照明3は前後方向において前下がりに配置されている。
図2に示すように、睡眠誘導照明3は、座席91の前後方向において、座部91Sの全体にオーバーラップし、座部90Sよりもさらに前方に延び、乗員99の足先付近に到達する。
各睡眠誘導照明3は、各々同期して点灯および消灯する。各々の睡眠誘導照明3における光源3Lは、前後方向に沿って時間差をもって順次点灯し、消灯する。より具体的には、各睡眠誘導照明3は、1秒程度の間隔で点灯と消灯とを切り替える。
睡眠誘導照明3もまた調光可能であり、覚醒誘導照明2と同様に、0ルクスから300ルクスまでの間で照度を可変でき、かつ、1800ケルビンから6000ケルビンまでの間で色温度を可変できる。
各睡眠誘導照明3および覚醒誘導照明2は、図略の制御部を介して電源に接続されている。制御部は、車両90における図略のエンジンコントロールユニット(所謂ECU)の一部であり、睡眠誘導照明3および覚醒誘導照明2の運転状態を制御する。
後述する睡眠誘導装置5の操作インタフェースユニットおよび駆動部も同様に当該制御部に接続されている。
図1に示すように、センターコンソールボックス93の上面およびサイドドア94のドアトリムアッパ95には、各々、アームレスト80が設けられている。このアームレスト80には、睡眠誘導装置5が設けられている。
実施例の車両用居住性向上システムにおける睡眠誘導装置5は、触覚刺激部50を有する。触覚刺激部50は、各アームレスト80の前側部分に設けられている。
図4~図6に示すように、触覚刺激部50は、変形部51、表皮部52、駆動部53、および車載機器の操作インタフェースユニット54を有する。
図5に示すように、アームレスト80は、基体81と、基体81を上側から覆う表皮体82と、基体81と表皮体82との間に配置されているクッション体83とを有する。基体81は樹脂製であり、クッション体83は軟質シリコーンゴム製のゲルマットであり、表皮体82は多孔質の布帛製である。
図4に示すように、基体81には貫通孔状の窓部85が設けられ当該窓部85によって基体81の上側と下側とは連絡される。
変形部51はエアバッグであり、図4に示すように、当該変形部51にはエアポンプである駆動部53が接続される。変形部51は、基体81の窓部85に埋設される。水平方向における変形部51の外形寸法は、約10cmである。
駆動部53は、後述する周期で変形部51に空気を吹き込む。このとき、変形部51は上下方向に2cm程度変形する。
変形部51の下側には、車載機器の操作インタフェースユニット54が配置される。当該操作インタフェースユニット54はLED光源54Lおよびタッチセンサ54Sを有し、LED光源54Lを上にタッチセンサ54Sを下に向ける。操作インタフェースユニット54および駆動部53は、既述したように、図略の制御部を介して電源に接続されている。LED光源54Lは、上方に発光する。操作インタフェースユニット54は、実施例の睡眠誘導装置5における操作インタフェースに相当する。LED光源54Lは実施例の睡眠誘導装置5における発光部に相当する。
基体81と表皮体82との間にはクッション体83が介在しているため、図4および図6に示すように、変形部51の上方には、クッション体83および表皮体82が配置される。表皮体82のうち変形部51の上方に位置する部分は、触覚刺激部50における表皮部52である。また、クッション体83のうち変形部51の上方に位置する部分は、触覚刺激部50における緩衝部55である。
変形部51、緩衝部55および表皮部52は、何れも光透過性を有する。このため、LED光源54Lが出射した光は、変形部51、緩衝部55および表皮部52を透過し、触覚刺激部50の上面を光らせる。
以下、実施例の車両用居住性向上システムの動作を説明する。
車両90に乗員99が搭乗し、目的地が設定され、かつ、自動運転が開始すると、所定時間経過後に、図略の制御部は車両用照明装置1の睡眠モードを開始するとともに睡眠誘導装置5の運転を開始する。覚醒誘導照明2は徐々に照度を下げて消灯する。睡眠誘導照明3は、睡眠照明様式での照明を開始する。
このとき睡眠誘導照明3は、点灯と消灯と繰り返す。点灯と消灯とを切り替える周期は1秒程度であり、通常時の人間の拍動に近い。また、睡眠誘導照明3は、乗員99の顔から遠い車両90の下部90Lに配置され、前下がりとなるように前後方向に延び、点灯時の照度は5ルクス程度と暗く、かつ、色温度は2000ケルビン程度の橙色である。このため睡眠誘導照明3による睡眠モードが開始すると、乗員99はリラックスし、乗員99の入眠が促される。
また、このとき睡眠誘導装置5は、睡眠誘導照明3と同期して、周期的にエアバッグすなわち変形部51に空気を吹き込む。具体的には、4秒間かけて変形部51に徐々に空気を吹き込み、吹き込んだ状態を7秒間維持し、8秒間かけて変形部51の空気を徐々に抜く。このため、変形部51を上側から覆う表皮部52は、上下方向に位置変化する。上下方向におけるこのときの変形部51の変形量は2cm程度であるため、表皮部52もまた上下方向に2cm程度位置変化する。
変形部51は乗員99の手のひら程度の大きさであり、その変形量も比較的小さい。さらに表皮部52は多孔質の布帛製であり、表皮部52の下側には弾性を有する緩衝部55が配置されている。このため、触覚刺激部50に手のひらを載せた乗員99は、当該触覚刺激部50によって手のひらを穏やかにかつ周期的に刺激される。このことによっても、乗員99はリラックスし、乗員99の入眠は促される。
なお、睡眠モードにおいて、睡眠誘導装置5のLED光源54Lが発光し、触覚刺激部50の上面を光らせ、当該触覚刺激部50の上面が車載機器の操作インタフェースであることを乗員99が理解できるような意匠を表示する。LED光源54Lの下側には、感圧式のタッチセンサ54Sが配置されている。乗員99が触覚刺激部50上に表示された光に触れ、車載機器を操作しようとすると、タッチセンサ54Sが乗員99の手の動きを検知して、ECUの制御部に信号を伝送する。このことにより、制御部は、車載機器の運転状態を制御する。
このような操作インタフェースユニット54を乗員99が手のひらを載せる触覚刺激部50に設けたことで、入眠間際の乗員99であっても、容易にかつ快適に車載機器を操作することが可能である。
目的地が近づくと、睡眠誘導照明3は睡眠モードから覚醒モードに切り替わる。具体的には、睡眠誘導照明3は、睡眠照明様式を停止する。覚醒誘導照明2は、消灯状態から点灯し、徐々に照度を高めて覚醒照明様式で点灯する。
このとき覚醒誘導照明2は、300ルクス程度の照度かつ5000ケルビン程度の色温度であり、明るくかつ白色の光で車室90Rを上方から照らす。
換言すると、覚醒誘導照明2は、乗員99の目から近い位置で乗員99の顔を明るく照らす。このため睡眠していた乗員99は、覚醒を促される。
さらに、このとき睡眠誘導装置5の変形部51は、短い周期で変形する。具体的には、駆動部53は0.5秒間で変形部51に急激に空気を吹き込み、変形部51の空気を0.5秒間で急激に抜く。変形部51が急激に変形することで、乗員99の触覚は強く刺激されるため、このことによっても、乗員99は覚醒を促される。
所定時間の経過後に、覚醒モードは終了する。すなわち、覚醒誘導照明2は消灯し、睡眠誘導装置5の運転も停止する。
なお覚醒モードにおいて睡眠誘導照明3は、睡眠照明様式を停止するものの、300ルクス程度の照度かつ5000ケルビン程度の色温度の点灯状態を維持する。睡眠誘導装置5は運転を停止する。
以上のように、実施例の車両用居住性向上システムによると、車両用照明装置1および睡眠誘導装置5によって乗員99を快適に入眠させることができ、また、車両用照明装置1によって乗員99を快適に覚醒させることができる。したがって、実施例の車両用居住性向上システムによると、車室90R内における乗員99の居住性を向上させることが可能である。
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
1:車両用照明装置
2:覚醒誘導照明
3:睡眠誘導照明
85:窓部
20:ルームランプ
20L:ルームランプの光源
20R:ルームランプの反射板
50:触覚刺激部
51:変形部
52:表皮部
53:駆動部
54:車載機器の操作インタフェースユニット(車載機器の操作インタフェース)
54L:発光部
55:緩衝部
80:アームレスト
90:車両
90U:車両の上部
90L:車両の下部
90R:車室
91:座席
91S:座部
92:フロントウィンドウ

Claims (7)

  1. 窓部を含む車両の上部に配置される覚醒誘導照明と、前記窓部よりも下側である車両の下部において座席の前後方向に沿って前記座席の側方に配置される睡眠誘導照明と、を具備し、
    前記覚醒誘導照明により前記座席を照らす覚醒モードと、
    前記睡眠誘導照明により点灯状態を変化させつつ前記座席を照らす睡眠モードと、を行い、
    前記睡眠モードにおける前記座席の明るさは、前記覚醒モードにおける前記座席の明るさよりも暗く、
    前記睡眠誘導照明は、前記座席の両側方に配置されて前記座席に着座した乗員を挟む、車両用照明装置。
  2. 前記睡眠誘導照明は、前記座席の前後方向において前下がりに配置されている、請求項1に記載の車両用照明装置。
  3. 前記睡眠誘導照明は、前記座席の前後方向において、座部の8割以上とオーバーラップしている、請求項1または請求項2に記載の車両用照明装置。
  4. 前記覚醒誘導照明は、前記座席の前後方向に沿って配置される、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車両用照明装置。
  5. 前記覚醒誘導照明は、フロントウィンドウの上方に配置されるルームランプを有し、
    前記ルームランプは、上方に向けて発光する光源と、前記光源の上側を覆う反射板と、を有する間接照明である、請求項1~請求項4の何れか一項に記載の車両用照明装置。
  6. 前記睡眠モードにおける前記睡眠誘導照明の色温度は、前記覚醒モードにおける前記覚醒誘導照明の色温度よりも低い、請求項1~請求項5の何れか一項に記載の車両用照明装置。
  7. 前記覚醒モードにおける前記覚醒誘導照明の照度は、前記睡眠モードにおける前記睡眠誘導照明の照度よりも高い、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の車両用照明装置。
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