JP7230433B2 - エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7230433B2
JP7230433B2 JP2018204322A JP2018204322A JP7230433B2 JP 7230433 B2 JP7230433 B2 JP 7230433B2 JP 2018204322 A JP2018204322 A JP 2018204322A JP 2018204322 A JP2018204322 A JP 2018204322A JP 7230433 B2 JP7230433 B2 JP 7230433B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
epoxy resin
component
resin composition
viscosity
curing agent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018204322A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020070336A (ja
Inventor
菜摘 向坂
祐介 渡邉
久也 牛山
隼人 小笠原
智 太田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2018204322A priority Critical patent/JP7230433B2/ja
Publication of JP2020070336A publication Critical patent/JP2020070336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7230433B2 publication Critical patent/JP7230433B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)

Description

本発明は、エポキシ樹脂組成物、成形材料及び繊維強化複合材料に関する。
繊維強化複合材料(FRP)の製造には、強化繊維とマトリックス樹脂とを含む中間材料(以下、成形材料とも記す。)が用いられる。成形材料の中でも、強化繊維として短繊維を用いたシートモールディングコンパウンド(以下、SMCとも記す。)は、1970年代の初期に実用化され、近年、工業用部品、自動車用部品、浴槽等の製造に需要が拡大している。
SMCは、短繊維からなる強化繊維基材に熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、熱硬化性樹脂組成物をBステージ化することにより製造される。SMCを用いた繊維強化複合材料の製造方法としては、例えば、SMCを金型内で加熱圧縮して、Bステージ化した熱硬化性樹脂組成物を硬化させる方法が用いられる。SMCに用いられる熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
SMCに用いられるエポキシ樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(1)水酸基を有するエポキシ樹脂、ポリオール、ポリイソシアネート化合物からなるエポキシ樹脂組成物(特許文献1)。
(2)エポキシ樹脂、ポリオール、ポリイソシアネート化合物、ジシアンジアミド、特定のイミダゾール化合物からなるエポキシ樹脂組成物(特許文献2)。
接着剤に用いられるエポキシ樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(3)エポキシ樹脂と、活性化温度が20~100℃である硬化剤と、活性化温度が100~200℃である硬化剤からなる液状接着剤(特許文献3)。
(4)室温において固体のエポキシ樹脂、室温において液体のエポキシ樹脂、アミノ基末端を有する線状ポリオキシプロピレン、潜伏性硬化剤(ジシアンジアミド)を含有する反応性ホットメルト接着剤(特許文献4)。
成形材料であるプリプレグ用のエポキシ樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(5)エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、重合性不飽和基を有する樹脂、重合開始剤を含有する含浸用樹脂組成物(特許文献5)。
エポキシ樹脂を安定してBステージ化することができるエポキシ樹脂組成物としては、下記のものが提案されている。
(6)エポキシ樹脂と、硬化剤として2,5-ジメチル-2,5-ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミンを含有するエポキシ樹脂組成物(非特許文献1)。
(7)芳香族エポキシ樹脂、ビス-(4-アミノシクロヘキシル)メタン,1,3-ビス-(アミノメチル)-シクロヘキサン,イソホロンジアミン等のアミノ化合物、ジシアンアミド、及びイミダゾール化合物を含有するエポキシ樹脂組成物(特許文献6)。
特開昭58-191723号公報 特開平4-88011号公報 特開平2-88684号公報 特開平2-88685号公報 特開平2-286722号公報 特開平6-166742号公報
新保正樹編、「エポキシ樹脂ハンドブック」、日刊工業新聞社、昭和62年12月25日、p.155
SMCに用いられる熱硬化性樹脂組成物には、下記の特性が必要とされる。
・短繊維からなる強化繊維基材に十分に含浸するために低粘度である。
・Bステージ化後には、SMCシートの両面に貼られていたフィルムの剥離が容易である。
・Bステージ化後には、SMCを金型内で加熱圧縮して良好な繊維強化複合材料が得られるような加工性(流動特性、硬化速度)を有する。
・熱硬化性樹脂組成物のポットライフが長く、Bステージ化後のSMC自体の貯蔵安定性が良好である。
・Bステージ化における反応が緩やかに進行し、反応熱による温度むらが生じにくく、保管状態による品質差が少ない。
しかし、エポキシ樹脂組成物は、硬化物の機械特性(耐衝撃性等)、熱特性(耐熱性等)に優れる反面、本来Bステージ化が困難であり、かつ硬化速度が遅いという特性を有している。
(1)、(2)のエポキシ樹脂組成物は、ウレタン化反応を利用しているため、エポキシ樹脂組成物中の水分の影響で増粘反応速度とBステージ状態が大幅に変化する。
(3)の液状接着剤は、活性化温度が20~100℃である硬化剤(ポリアミン、メルカプタン、イソシアネート、イミダゾール、ポリアミド、ポリサルファイドフェノール、BF3錯体、ケチミン等)を用いているため、1段目の硬化反応でゲル化状態に至ってしまう。そのため、2段階目の硬化前では流動性が少なく、賦形が困難であり、SMC用のエポキシ樹脂組成物として用いることができない。
(4)の反応性ホットメルト接着剤は、樹脂組成物の粘度が高く、強化繊維基材への良好な含浸性を得ることができず、SMC用のエポキシ樹脂組成物として用いることができない。
(5)の含浸用樹脂組成物を用いたプリプレグの製造においては、含浸用樹脂組成物に溶媒を含ませ、加熱によって溶媒の除去及び硬化反応の一部を進めることが、特許文献5に記載されている。この方法は、溶媒の除去が容易であり、加熱、冷却時の厚さによる温度むらが少ない薄いプリプレグの製造には適用できる。しかし、SMCのような厚物のシートでは、溶媒の除去が困難であり、温度むらが大きくなるため、Bステージ化後には表面と内部の状態が違った不良物となる。
(6)のエポキシ樹脂組成物は、2、5-ジメチル-2,5-ヘキサンジアミンを含有するため、ポットライフが短い。また、メンセンジアミンを含有するため、エポキシ樹脂組成物の硬化性が不十分である。そのため、SMCに用いる樹脂組成物には適さない。
(7)のエポキシ樹脂組成物は、配合直後から粘度が急激に上昇するために、強化繊維基材への含浸性の制御が難しく、強化繊維基材へのエポキシ樹脂組成物の含浸状態に偏りやばらつきが生じ、成形品の強度やその均一性が低下する傾向にあった。
本発明は、本来Bステージ化が困難なエポキシ樹脂を含有するにもかかわらずBステージ化が容易であり、Bステージ化時の発熱が穏やかであるためにエポキシ樹脂組成物の増粘物の品質振れが少なく、ポットライフが長く、Bステージ化後には加工性及び貯蔵安定性が良好であり、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができるエポキシ樹脂組成物;加工性及び貯蔵安定性が良好であり、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができる成形材料;ならびに、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を提供する。
本発明は、以下の態様を有する。
<1>下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とを含み、
25℃における粘度が0.1~25Pa・sである、エポキシ樹脂組成物。
成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
成分(B):ポリアミン系硬化剤。
成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
<2>前記成分(D)が、エポキシシクロヘキサン構造を含む、前記<1>のエポキシ樹脂組成物。
<3>前記成分(B)の含有量は、その活性水素が、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基総量に対して0.1~0.5当量となる量である、前記<1>又は<2>のエポキシ樹脂組成物。
<4>前記成分(B)の含有量は、その活性水素が、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基総量に対して0.2~0.4当量となる量である、前記<1>又は<2>のエポキシ樹脂組成物。
<5>前記成分(C)としてジシアンジアミドを含む、前記<1>~<4>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
<6>尿素化合物及びイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、前記<1>~<5>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
<7>単官能アミンの含有量が、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以下である、前記<1>~<6>のいずれかのエポキシ樹脂組成物。
<8>前記<1>~<7>のいずれかのエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含む、成形材料。
<9>前記エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度が、5000~160000Pa・sである、前記<8>の成形材料。
<10>前記強化繊維が、炭素繊維である、前記<8>又は<9>の成形材料。
<11>シートモールディングコンパウンドである、前記<8>~<10>のいずれかの成形材料。
<12>バルクモールディングコンパウンドである、前記<8>~<10>のいずれかの成形材料。
<13>前記<8>~<12>のいずれかの成形材料の硬化物である、繊維強化複合材料。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本来Bステージ化が困難なエポキシ樹脂を含有するにもかかわらずBステージ化が容易であり、Bステージ化時の発熱が穏やかであるためにエポキシ樹脂組成物の増粘物の品質振れが少なく、ポットライフが長く、Bステージ化後には加工性及び貯蔵安定性が良好である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物によれば、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の成形材料は、加工性及び貯蔵安定性が良好である。また、本発明の成形材料によれば、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる。
以下の用語の定義は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって適用される。
「エポキシ樹脂」は、分子中に1つ以上のエポキシ基を含む化合物である。単官能エポキシ樹脂はエポキシ基が1つの化合物、二官能エポキシ樹脂はエポキシ基が2つの化合物、三官能エポキシ樹脂はエポキシ基が3つの化合物、四官能エポキシ樹脂はエポキシ基が4つの化合物である。
「芳香族エポキシ樹脂」は、芳香族環を含むエポキシ樹脂である。
「脂環式エポキシ樹脂」は、脂環構造を含むエポキシ樹脂である。
「ポリアミン系硬化剤」は、分子中にアミノ基を2つ以上有するエポキシ樹脂硬化剤である。
「アミノ基のβ炭素」は、アミノ基が結合した炭素原子(α炭素)に隣接する炭素原子をいう。
「25℃において液状」とは、25℃、1気圧の条件下で液体であることを意味する。
「25℃において固体状」とは、25℃、1気圧の条件下で固体であることを意味する。
エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、JIS Z 8803:2011にしたがい、E型粘度計を用いて25℃にて測定した粘度である。
エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度は、JIS Z 8803:2011にしたがい、B型粘度計を用いて23℃にて測定した粘度である。
「強化繊維基材」は、強化繊維の集合体を表す。強化繊維基材としては、具体的には、強化繊維束、チョップド強化繊維束が二次元ランダムに積み重なったシート状物等が挙げられる。
「シートモールディングコンパウンド(SMC)」は、短繊維の強化繊維と熱硬化性樹脂とを含むシート状の成形材料である。
「バルクモールディングコンパウンド」(以下、BMCとも記す。)は、短繊維の強化繊維と熱硬化性樹脂とを含むバルク状の成形材料である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
<エポキシ樹脂組成物>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成分(A)と成分(B)と成分(C)と成分(D)とを含む。本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、他の成分をさらに含んでいてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、0.1~25Pa・sである。
エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度が25Pa・s以下であれば、強化繊維基材への含浸性が優れる。エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、10Pa・s以下が好ましく、5Pa・s以下がより好ましい。
また、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度が0.1Pa・s以上であれば、本発明のエポキシ樹脂組成物から得られる繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)が優れる。エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、0.1Pa・s以上が好ましく、0.2Pa・s以上がより好ましい。
エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度は、エポキシ樹脂組成物の調製直後に測定される。ここで、調製直後とは、成分(A)~(D)のすべての成分の存在下、25℃において10分間混合された後の状態とする。予め成分(A)、(C)、(D)成分を混合しておいて(B)成分を加えた場合は、(B)成分を加えてから10分間混合された状態を調製直後の状態とする。
(成分(A))
成分(A)は、25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂である。
成分(A)は、本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度を前記範囲に調整し、エポキシ樹脂組成物の強化繊維基材への含浸性を高める成分である。
成分(A)が25℃において液状であることで、含浸性をより高めることができる。また、成分(A)の25℃における粘度が0.3Pa・s以上であることで、本発明のエポキシ樹脂組成物から得られる繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)及び熱特性(耐熱性)を高めることができる。また、成分(A)が芳香族環を含むことで、繊維強化複合材料の機械特性を所望の範囲に調整しやすい。
成分(A)の25℃における粘度は、0.2Pa・s以上が好ましく、0.5Pa・s以上がより好ましい。
成分(A)の25℃における粘度の上限値は、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度が0.1~25Pa・sとなる粘度であればよい。成分(A)の25℃における粘度は、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度を25Pa・s以下としやすい点で、500Pa・s以下が好ましく、400Pa・s以下がより好ましい。
成分(A)としては、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、これらのハロゲン置換体等)のグリシジルエーテル;フェノール化合物と芳香族カルボニル化合物との縮合反応により得られる多価フェノール化合物のグリシジルエーテル;芳香族環を含む多価アルコール化合物(ポリオキシアルキレンビスフェノールA等)のグリシジルエーテル;芳香族アミン化合物から誘導されるポリグリシジル化合物等が挙げられる。
成分(A)としては、エポキシ樹脂組成物の粘度を強化繊維基材への含浸に適した粘度に調整しやすい点、及び繊維強化複合材料の機械特性を所望の範囲に調整しやすい点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、繊維強化複合材料の耐熱性及び耐薬品性が良好である点からは、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましく、同程度の分子量を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも粘度が低く、繊維強化複合材料の弾性率が高い点からは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
成分(A)は、三官能以上のエポキシ樹脂であってもよい。三官能のエポキシ樹脂、四官能のエポキシ樹脂は、エポキシ樹脂組成物の粘度を大きく変えずに、繊維強化複合材料の耐熱性をさらに向上できる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂等の二官能の成分(A)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三菱ケミカル社製のjER(登録商標)の825、827、828、828EL、828XA、806、806H、807、1750、YL6810、
DIC社製のEPICLON(登録商標)の840、840-S、850、850-S、EXA-850CRP、850-LC、830、830-S、835、EXA-830CRP、EXA-830LVP、EXA-835LV、
新日鉄住金化学社製のエポトート(登録商標)のYD-127、YD-128、YD-128G、YD-128S、YD-128CA、YDF-170、
日本化薬社製のRE-303S-L、RE-310S、GAN、GOT等。
三官能以上の成分(A)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三菱化学社製のjER(登録商標)の152、604、630、630LSD、
新日鉄住金化学社製のYH-434、YH434L、
住友化学工業社製のスミエポキシ(登録商標)のELM434、ELM100、ELM120、
三菱ガス化学社製のTETRAD-X等。
成分(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度が0.1~25Pa・sとなるように設定すればよく、成分(A)の種類により異なる。
成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂の全量100質量部のうち、20~99質量部が好ましく、60~95質量部がより好ましい。成分(A)の含有量が前記範囲内であれば、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度を前記範囲に容易に調整でき、強化繊維基材への含浸性が優れる。また、繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)及び熱特性(耐熱性)が優れる。
(成分(B))
成分(B)は、ポリアミン系硬化剤である。
成分(B)は、本発明のエポキシ樹脂組成物における増粘剤として働く成分である。成分(B)を含むことで、本発明のエポキシ樹脂組成物をBステージ化できる。また、成分(B)は、他の増粘剤に比べて、粘度制御性に優れる。
成分(B)としては、本発明のエポキシ樹脂組成物のポットライフを長くすることができるとともに、Bステージ化後の貯蔵安定性が良好となる傾向にあることから、脂環式ジアミンが好ましい。脂環式ジアミンは、分子中に1つ以上の脂環式構造を含むジアミンである。
脂環式ジアミンとしては、上記傾向がより顕著となる点から、分子中に1又は2つのシクロヘキサン構造を含むジアミンが好ましい。
脂環式ジアミンとしては、上記傾向がより顕著となる点から、脂環式構造を構成する炭素原子にアミノ基が直接結合しているものが好ましい。
脂環式ジアミンとしては、分子中に2つの脂環式構造を含む1級アミンが好ましい。
脂環式ジアミンとしては、アミノ基のβ炭素にアミノ基以外の置換基を有するものが好ましい。かかる脂環式ジアミンによれば、アミノ基以外の置換基によってアミノ基の活性水素の反応が阻害される傾向にあることから、エポキシ樹脂組成物のポットライフをより長くすることができる。
上記のアミノ基以外の置換基としては、エポキシ樹脂組成物のポットライフが長くなる点から、炭素数1~4のアルキル基、ベンジル基、シクロヘキシル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基が特に好ましい。
脂環式ジアミンとしては、上記の特徴を兼ね備える点から、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 0007230433000001
(式中、Rは、単結合、-CH-、-C(CH-、―O-、又は-SO-を表し、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数1~4のアルキル基を表す。)
上記式(1)で表される化合物としては、具体的には、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4-アミノ-3-メチル-5-エチルシクロヘキシル)メタン、3,3’-ジエチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’5,5’-テトラメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の速硬化性の点から、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタンが好ましい。
成分(B)は、1種又は2種以上を組み合せて用いることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(B)の活性水素が、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基総量(エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂が有するエポキシ基の総量)に対して、0.1~0.5当量となる量が好ましく、0.2~0.4当量となる量がより好ましく、0.2~0.35当量となる量がさらに好ましい。成分(B)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、Bステージ化が十分に進行する。成分(B)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、加熱圧縮成形時に流動性が低下しすぎない。
(成分(C))
成分(C)は、ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤である。
成分(C)としては、例えば、上記の成分(B)以外のアミン化合物、酸無水物、塩化ホウ素アミン錯体等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂硬化剤は、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
成分(C)としては、ポットライフと硬化時の反応性を両立しやすい点から、25℃において固体状であり、かつエポキシ樹脂組成物を硬化させる際の温度条件下(例えば140℃)において液状である化合物が好ましく、ジシアンジアミドが特に好ましい。ジシアンジアミドは、貯蔵安定性が良好で、また強化繊維への接着性も高い。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(C)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して、1~20質量部が好ましく、3~10質量部がより好ましい。成分(C)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、十分な硬化速度が得られる。成分(C)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、繊維強化複合材料の吸水率が抑えられ、また、耐熱性の低下が抑えられる。
(成分(D))
成分(D)は、環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂である。
成分(D)は、増粘剤としての成分(B)と緩やかに反応し、エポキシ樹脂組成物の調製後の初期増粘速度を抑え、Bステージ化時の発熱を抑える作用を有する。
成分(D)は、他の脂環式エポキシ樹脂や脂肪族エポキシ樹脂に比べて、硬化後の耐熱性を落とすことなくBステージ化時の発熱を抑える作用に優れる。
成分(D)は、反応性希釈剤としても作用する。成分(D)によって、繊維強化複合材料の耐熱性を大きく損なわずに、エポキシ樹脂組成物の粘度を低下させ、強化繊維基材への含浸性を高くすることができる。
成分(D)としては、環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む公知の脂環エポキシ樹脂が挙げられる。
環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造は、環状オレフィン構造に対応するシクロアルカン構造と、前記シクロアルカン構造を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されたエポキシ基と、を含む。
環状オレフィン構造は単環式でも多環式でもよい。環状オレフィン構造は、アルキル基等の置換基を有していてもよい。
環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造としては、エポキシシクロヘキサン構造等を好適に挙げることができる。
成分(D)の例としては、3',4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、1-エポキシエチル-3,4-エポキシシクロヘキサン、3,4-エポキシシクロヘキシルメタノール、ビス(3,4-エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、リモネンジエポキシド、ジシクロペンタジエンジエポキシド、脂環式エポキシ変性シリコーン、脂環式エポキシ変性シリケートオリゴマー等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ樹脂は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記の脂環式エポキシ樹脂の中でも、ハンドリング性、及び硬化物の物性の点から、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物における成分(D)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部のうち、1~80質量部が好ましく、5~40質量部がより好ましい。成分(D)の含有量が前記範囲内であれば、繊維強化複合材料の耐熱性を大きく損なわずに、エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度を前記範囲に容易に調整でき、強化繊維基材への含浸性が優れる。
(他の成分)
本発明のエポキシ樹脂組成物が必要に応じて含有していてもよい他の成分としては、単官能アミン、硬化促進剤、無機質充填材、内部離型剤、有機顔料、無機顔料、成分(A)及び成分(D)以外のエポキシ樹脂(以下、他のエポキシ樹脂とも記す。)等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の成形材料としての増粘性を調整することを目的として、単官能アミンを成分(B)と併用することができる。
単官能アミンとしては、例えば、アニリン、ベンジルアミン、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が単官能アミンを含む場合、単官能アミンの含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上5質量部以下が好ましく、0.1質量部以上2質量部以下がより好ましい。単官能アミンの含有量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物のポットライフの低下を抑制できる。
硬化促進剤は、下記の理由から好ましく用いられる。
成分(C)としてジシアンジアミドを使用する場合、ジシアンジアミドは室温ではエポキシ樹脂中に分散しているため、エポキシ樹脂組成物は非常に優れた貯蔵安定性を有している。しかし、ジシアンジミド単独で硬化させる場合、硬化温度は約200℃である。ここに、適切な硬化促進剤を併用することによって、貯蔵安定性を大きく損なうことなく反応開始温度を低下させることができ、エポキシ樹脂組成物の短時間硬化が可能となる。また、繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)及び熱特性(耐熱性)も向上させることができる。
硬化促進剤としては、尿素化合物及びイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)が高くなる点からは、尿素化合物が好ましく、繊維強化複合材料の熱特性(耐熱性)が高くなる点からは、イミダゾール化合物が好ましい。
尿素化合物としては、3-フェニル-1,1-ジメチル尿素、3-(3,4-ジクロロフェニル)-1,1-ジメチル尿素、3-(3-クロロ-4-メチルフェニル)-1,1-ジメチル尿素、2,4-ビス(3,3-ジメチルウレイド)トルエン、1,1’-(4-メチル-1,3-フェニレン)ビス(3,3-ジメチル尿素)等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、イミダゾール、2-フェニルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、2-ウンデシルイミダゾール、2-ヘプタデシルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン、2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジンイソシアヌル酸付加物、2-フェニル-4,5-ジヒドロキシメチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチル-5-ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
無機質充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、ガラスパウダー、中空ガラスビーズ、エアロジル等が挙げられる。
内部離型剤としては、カルナバワックス、脂肪酸と脂肪族アルコールとのエステル化合物、多価カルボン酸と脂肪族アルコールとのエステル化合物、多価アルコールと脂肪酸とのエステル化合物、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、脂肪酸の金属塩等が挙げられる。
他のエポキシ樹脂としては、25℃において半固体状又は固体状であり、脂環構造を含まないエポキシ樹脂が挙げられる。
他のエポキシ樹脂としては、25℃において半固体状又は固体状である芳香族エポキシ樹脂が好ましく、二官能の芳香族エポキシ樹脂がさらに好ましい。
また、二官能の芳香族エポキシ樹脂以外にも、耐熱性向上や粘度調整を目的として、様々なエポキシ樹脂を本発明のエポキシ樹脂組成物に含有させることができる。例えば、耐熱性を向上させるためには、三官能以上のエポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格のエポキシ樹脂が有効である。
(エポキシ樹脂組成物の調製方法)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来公知の方法で調製できる。例えば、各成分を同時に混合して調製してもよく、あらかじめ成分(A)に、成分(B)、成分(C)等を各々適宜分散させたマスターバッチを調製し、これを用いて調製してもよい。また、混練による剪断発熱等で、系内の温度が上がる場合には、混練速度を調整する、混練釜を水冷する等の、混練中に温度を上げない工夫をすることが好ましい。混練装置としては、らいかい機、アトライタ、プラネタリミキサ、ディゾルバ、三本ロール、ニーダ、万能撹拌機、ホモジナイザ、ホモディスペンサ、ボールミル、ビーズミル等が挙げられる。混練装置は、2種以上を併用してもよい。
(用途)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、繊維強化複合材料の製造に用いられる中間材料である成形材料用のマトリックス樹脂、特にSMC用のマトリックス樹脂又はBMC用のマトリックス樹脂として好適である。
ただし、本発明のエポキシ樹脂組成物は上記の用途に限定されるものではない。本発明のエポキシ樹脂組成物は、粘度が低く含浸性が良好であることから、RTM(Resin Transfer Molding)製法による繊維強化複合材料の製造に用いられるマトリックス樹脂としても用いることができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、樹脂硬化物に対する高い接着性を有することから、繊維強化複合材料同士の接着剤としても用いることができる。
(作用効果)
以上説明した本発明のエポキシ樹脂組成物にあっては、成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)を含み、25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるので、本来Bステージ化が困難なエポキシ樹脂を含有するにもかかわらずBステージ化が容易であり、Bステージ化時の発熱が穏やかであるためにエポキシ樹脂組成物の増粘物の品質振れが少なく、ポットライフが長く、Bステージ化後には加工性(流動特性、硬化速度等)及び貯蔵安定性が良好であり、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができる。
<成形材料>
本発明の成形材料は、本発明のエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含む。
成形材料としては、プリプレグ、トウプリプレグ、SMC、BMC等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度特性や増粘物の物性はSMC又はBMCに好適であるので、成形材料としては、SMC又はBMCが好ましく、SMCが特に好ましい。
(エポキシ樹脂組成物の増粘物)
エポキシ樹脂組成物の増粘物は、本発明のエポキシ樹脂組成物を増粘させたもの、すなわちBステージ化したものである。
エポキシ樹脂組成物の増粘物は、例えば、下記のようにして得られる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を、強化繊維基材の形態に合った周知の方法によって強化繊維基材に含浸させた後、室温~80℃程度の温度に数時間~数日間、又は、80~200℃程度の温度に数秒~数分保持する。これによって、エポキシ樹脂組成物中の成分(A)や成分(D)、及び任意に配合された他のエポキシ樹脂が有するエポキシ基と、成分(B)が反応し、エポキシ樹脂組成物がBステージ化する。
エポキシ樹脂が有するエポキシ基と成分(B)との反応条件は、反応後に得られるエポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度が後述する範囲になるよう選択することが好ましい。
エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度は、5000~160000Pa・sが好ましく、5000~100000Pa・sがより好ましい。エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度が前記範囲の下限値以上であれば、成形材料の取扱い時に表面のタック性が弱く、作業がしやすくなる。エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度が前記範囲の上限値以下であれば、加熱圧縮成形時の流動特性が良好となる。
(強化繊維)
強化繊維としては、成形材料の用途や使用目的に応じて様々なものを採用することができ、炭素繊維(黒鉛繊維を含む。以下同様。)、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、繊維強化複合材料の機械特性の点から、炭素繊維、ガラス繊維が好ましく、炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維は、通常3000本以上、60000本以下の範囲の単繊維からなる強化繊維束の状態で使用される。成形材料中では強化繊維束の形状を保ったまま存在している場合もあれば、より少ない繊維からなる束に分かれて存在する場合もある。SMCやBMC中では、通常、より少ない束に分かれて存在する。
SMCやBMCにおける強化繊維としては、短繊維からなるチョップド強化繊維束が好ましい。短繊維の長さは、0.3~10cmが好ましく、1~5cmがより好ましい。短繊維の長さが0.3cm以上であれば、機械特性が良好な繊維強化複合材料が得られる。短繊維の長さが10cm以下であれば、加熱圧縮成形時の流動特性が良好なSMCやBMCが得られる。
SMCにおける強化繊維基材としては、チョップド強化繊維束が二次元ランダムに積み重なったシート状物がより好ましい。
(SMC)
SMCは、本発明のエポキシ樹脂組成物の増粘物と短繊維の強化繊維とを含む。
SMCは、例えば、チョップド強化繊維束のシート状物に、本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させ、エポキシ樹脂組成物を増粘させることによって製造される。
チョップド強化繊維束のシート状物に本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させる方法については、従来公知の様々な方法を採用できる。例えば、下記の方法が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を均一に塗布したフィルムを2枚用意する。一方のフィルムのエポキシ樹脂組成物の塗布面にチョップド強化繊維束を無秩序に撒き、シート状物とする。他方のフィルムのエポキシ樹脂組成物の塗布面をシート状物の上に貼り合わせ、エポキシ樹脂組成物をシート状物に圧着含浸する。その後、エポキシ樹脂組成物を増粘させることによって、SMCが得られる。
(BMC)
BMCは、本発明のエポキシ樹脂組成物の増粘物と短繊維の強化繊維とを含む。
BMCは、例えば、チョップド強化繊維束と本発明のエポキシ樹脂組成物とを混合してバルク状にし、エポキシ樹脂組成物を増粘させることにより製造される。
チョップド強化繊維束と本発明のエポキシ樹脂組成物とを混合してバルク状にする方法については、従来公知の様々な方法を採用することができる。チョップド強化繊維束へのエポキシ樹脂組成物の含浸性、繊維の分散性等、生産性の点から、加圧ニーダによって混合する方法が好ましい。加圧ニーダによる混合は、必要に応じて加熱しながら行ってもよい。加熱温度は、エポキシ樹脂が硬化を始める温度以下が好ましく、10~35℃がより好ましい。加圧ニーダによって混合する際の圧力は、大気圧以上にする必要は特にないが、エポキシ樹脂組成物の粘度が高い場合、エポキシ樹脂組成物が空気を取り込み混練され、チョップド強化繊維束へのエポキシ樹脂組成物の含浸が困難になる場合は、大気圧以上の圧力にしてもよい。
バルク状物を得た後、エポキシ樹脂組成物を増粘させることによって、BMCが得られる。
(作用効果)
以上説明した本発明の成形材料にあっては、本発明のエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含むため、加工性及び貯蔵安定性が良好であり、かつ曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる繊維強化複合材料を得ることができる。
<繊維強化複合材料>
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の成形材料の硬化物である。
本発明の繊維強化複合材料は、本発明の成形材料を加熱成形して、エポキシ樹脂組成物の増粘物(Bステージ化した本発明のエポキシ樹脂組成物)を硬化させることによって製造される。
本発明の成形材料がSMCである場合、このSMCを用いた繊維強化複合材料の製造方法としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
1枚のSMC又は複数枚のSMCを重ねたものを、1対の金型の間にセットする。SMCを120~230℃で2~60分間加熱圧縮して、エポキシ樹脂組成物を硬化させ、成形品である繊維強化複合材料を得る。ダンボール等のハニカム構造体を芯材とし、その両面又は片面にSMCを配してもよい。
本発明の成形材料がBMCである場合、このBMCを用いた繊維強化複合材料の製造方法としては、圧縮成形、移送成形、射出成形等による方法が挙げられる。エポキシ樹脂組成物の増粘物は、室温付近の粘度が高い場合が多いことから、所定の形状の金型等にBMCを圧入した後、BMCを加熱圧縮して、エポキシ樹脂組成物の増粘物を硬化させる、圧縮成形による方法が好ましい。この方法を採用することによって、複雑な形状の成形品であっても短時間で得ることができる。
(作用効果)
以上説明した本発明の繊維強化複合材料にあっては、本発明の成形材料の硬化物であるため、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れる。
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能である。異なる実施形態に、上述した各実施形態に示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、後述する表1~2中の空欄は、その成分が配合されていないことを示す。
<各成分>
(成分(A))
827:ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)827、25℃における粘度:10Pa・s)。
630:トリグリシジル-p-アミノフェノール(三菱ケミカル社製、jER(登録商標)630、25℃における粘度:0.7Pa・s)。
(成分(D))
2021P:3',4’-エポキシシクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製、セロキサイド(登録商標)2021P)。
(成分B)
D230:ポリ(アルキレンオキシド)ジアミン(Mw-230)(ハンツマン社製、ジェファーミン(登録商標)D-230)。
113:3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン(三菱ケミカル社製、jERキュア(登録商標)113)。
(成分(C))
1400F:ジシアンジアミド(エアープロダクツ社製、DICYANEX(登録商標) 1400F)。
DICY7:ジシアンジアミド(三菱ケミカル社製、jERキュア(登録商標)DICY7)。
(他の成分)
2MZA-PW:2,4-ジアミノ-6-[2’-メチルイミダゾリル-(1’)]-エチル-s-トリアジン(四国化成社製、2MZA-PW)。
YED216M:1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(三菱ケミカル社製、YED216M)。
DME-100:1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(新日本理化社製、DME-100)。
SP-S10V:ソルビタンモノステアレート(花王社製、レオドール(登録商標)SP-S10V)。
<エポキシ樹脂組成物の調製及び評価(樹脂評価)>
(実施例1)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、2021Pの15質量部、113の7.6質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(実施例2)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、2021Pの15質量部、D-230の11質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例1)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、YED216Mの15質量部、113の11.2質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例2)
827の25質量部、630の70質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、YED216Mの5質量部、113の13.8質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例3)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、DME-100の15質量部、113の9質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例4)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、YED216Mの15質量部、D-230の12.4質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(比較例5)
827の95質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、YED216Mの5質量部、113の8.2質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(発熱の緩やかさの評価)
エポキシ樹脂組成物のBステージ化時の発熱(混合後の反応発熱)の緩やかさについて樹脂の最高到達温度を用いて評価した。同条件に置かれたエポキシ樹脂組成物の発熱が緩やかに進行するほど、放熱の影響で最高到達温度は低くなる。
環境温度23℃中で、エポキシ樹脂組成物1kgを、底面積35cmの円柱型容器中で調整し、混合直後からその中心部の温度を、熱電対温度計を用いて観測し、最高到達温度を記録した。最大到達温度から下記基準にて発熱の緩やかさを判定した。結果を表1に示す。
A(良好):最大到達温度が40℃以下である。
B(不良):最大到達温度が40℃より大きい。
(ポットライフの評価)
E型粘度計(東機産業社製、RE-80U)を用い、JIS Z 8803:2011にしたがい、調製直後のエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度(以下、「調製直後粘度」とも記す。)、及び調製後25℃で3時間経過後のエポキシ樹脂組成物の25℃における粘度(以下、「6時間後粘度」とも記す。)を測定した。測定結果から下記基準にてポットライフを判定した。結果を表1に示す。
ここで「調製直後」とは、予め25℃の成分(A)、(C)、(D)成分を全量混合した後に25℃の(B)成分を全量一括添加し、(B)成分の一括添加後25℃において10分間混合した時点をいう。
A(良好):調製直後粘度及び6時間後粘度が0.1~25Pa・s、かつ、6時間後粘度が調製直後粘度の5倍以内である。
B(不良):調製直後粘度及び6時間後粘度が0.1Pa・s未満もしくは25Pa・sより大きい、又は/及び、6時間後粘度が調製直後粘度の5倍より大きい。
(貯蔵安定性の評価)
調製したエポキシ樹脂組成物を23℃で保存した。保存中、B型粘度計(英弘精機社製、DV2T)を用い、JIS Z 8803:2011にしたがい、エポキシ樹脂組成物の23℃における粘度を測定し、この粘度が160000Pa・sを超えるまでの期間(以下、「<160000Pa・s期間」とも記す。)を求めた。<160000Pa・s期間が長いほどエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が優れる。測定結果から下記基準にて貯蔵安定性を判定した。結果を表1に示す。
A(良好):<160000Pa・s期間が28日間以上である。
B(不良):<160000Pa・s期間が28日間未満である。
(速硬化性の評価)
エポキシ樹脂組成物の2gを計量し、23℃で5日間経過したものについて、ゲルタイムテスター(安田精機社製、No.153)を用い140℃におけるゲル化時間を測定した。
(樹脂板の作製及び耐熱性の評価)
エポキシ樹脂組成物を減圧下で脱泡した後、金型の中に流し込んだ。23℃で5日養生した後、140℃で4時間加熱し、厚さ2mmの樹脂板を得た。
この樹脂板を幅1cm、長さ5cmに切り出し、試験片を作製した。試験片について、動的粘弾性測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製、EXSTAR DMS6100)を用い、周波数10Hz、温度範囲30~180℃、昇温速度2℃/分、両持ち曲げモードの測定条件で測定を行い、温度-tanδ曲線が極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。Tgが高いほど耐熱性に優れる。
<SMCの製造及び評価>
(実施例3)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、2021Pの15質量部、113の7.6質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物を用い、以下の手順でSMCを作製した。
エポキシ樹脂組成物を、ドクターブレードを用いてポリエチレン製キャリアフィルム上に360g/mになるように塗布した。エポキシ樹脂組成物の上に、フィラメント数が3000本の炭素繊維束(三菱ケミカル社製、TR30S 3L)を長さ25mmに切断したチョップド炭素繊維束を、炭素繊維の目付が1080g/mで略均一になるように、かつ炭素繊維の方向がランダムになるように散布した。
同じエポキシ樹脂組成物を、ドクターブレードを用いてポリエチレン製キャリアフィルム上に360g/mになるように塗布した。
2枚のキャリアフィルムで、エポキシ樹脂組成物側が内側となるようにチョップド炭素繊維束を挟み込んだ。これをロールの間に通して押圧して、エポキシ樹脂組成物をチョップド炭素繊維束に含浸させ、SMC前駆体を得た。SMC前駆体を室温(23℃)にて168時間静置することによって、SMC前駆体中のエポキシ樹脂組成物を十分に増粘させて、チョップド炭素繊維束にエポキシ樹脂組成物が良好に含浸したSMCを得た。SMCにおける樹脂量は720g/m(つまりSMC中の炭素繊維の含有率は60質量%)とした。
(実施例4)
827の85質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、2021Pの15質量部、113の7.6質量部、SP-S10Vの1質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様の手順でSMCを作製した。
(比較例6)
827の95質量部、DICY7の4質量部、2MZA-PWの4質量部をあらかじめ混合し、三本ロールで混練した。この混合樹脂に、YED216Mの5質量部、113の8.2質量部を混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。
このエポキシ樹脂組成物を用いた以外は、実施例3と同様の手順でSMCを作製した。
(SMCの貯蔵安定性の評価)
SMCを幅25mm、長さ250mmに切り出し、直方体形状の試験片を作製した。
試験片を23℃で保存した。保存中、試験片について、測定環境温度を23℃、たわみ長さを100mmとし、試験片の一端を含むたわみ長さ部分を支持手段で支持することで試験片の直方体形状を維持させながら、試験片の他端から長さ方向150mmまでの部分を試験台の水平な天面上に設置した。設置後、前記支持手段を解除することで、前記試験片の一端を自由端とし、それから30秒後に、この自由端側の先端部と試験台の水平面延長線との高さの差を読み取ることにより、試験片のたわみ量を測定した。以下に示す計算式によって剛軟度の換算値を算出し、前記換算値が300より小さくなるまでの期間(以下、「300以上期間」とも記す。)を求めた。前記換算値が小さいほどSMCが固いことを示す。SMCが固くなるほどSMCの金型への追従性が悪化する。300以上期間が長いほどSMCの貯蔵安定性が優れる。
式:剛軟度の換算値=8/12×Wmax×b×h/P
max=試験片のたわみ量(mm)(30秒後)
b=試験片の幅(mm)
h=試験片の厚さ(mm)
P=試験片の質量(g)
測定結果から下記基準にて貯蔵安定性を判定した。結果を表2に示す。
A(良好):300以上期間が28日間以上。
B(不良):300以上期間が28日間未満。
<繊維強化複合材料の製造及び評価>
実施例3、4、比較例6のSMCそれぞれから、以下の手順で繊維強化複合材料を作製した。
SMCを2ply積層し、成形用金型にチャージ率(金型面積に対するSMCの面積の割合)65%でチャージし、金型温度140℃、圧力8MPaの条件で10分間加熱圧縮した。これにより、エポキシ樹脂組成物の増粘物を硬化させ、厚さ約2mm、300mm角の平板状の繊維強化複合材料(CFRP成形板)を得た。
(耐熱性の評価)
CFRP成形板を長さ55mm、幅12.7mmに切り出し、試験片を作製した。
試験片について、動的粘弾性測定装置(TAインストルメンツ社製、Q800)を用い、周波数1Hz、昇温速度5℃/分、両持ち曲げモードの測定条件で測定を行い、温度-tanδ曲線が極大値を示すときの温度をガラス転移温度(Tg)とした。Tgが高いほど耐熱性に優れる。結果を表2に示す。
(曲げ特性の評価)
CFRP成形板を長さ110mm、幅25mmに切り出し、切り出した面をサンドペーパー#1200で処理し、試験片を作製した。
試験片について、万能試験機(Instron社製、Instron(登録商標)4465)及び解析ソフトBluehillを用い、温度23℃、湿度50%RHの環境下、3点曲げ治具で曲げ試験を行い、曲げ強度及び曲げ弾性率を算出した。計12本の試験片を用いて測定を行い、その平均値を採用した。測定条件を以下に示す。Dは試験片の厚さ(mm)、Lはサポート間距離(mm)である。結果を表2に示す。
「測定条件」
圧子R=3.2、
サポートR=1.6、
サポート間距離L[mm]=40×D、
クロスヘッド速度[mm/分]=0.01×L×L/6/D。
Figure 0007230433000002
Figure 0007230433000003
本発明のエポキシ樹脂組成物は、従来の成形材料用の熱硬化性樹脂組成物、特にSMC用のエポキシ樹脂組成物に比べ、SMCの成形時の金型占有時間が短く、かつSMCの加熱圧縮成形時にエポキシ樹脂組成物が流出することなく良好な繊維強化複合材料の成形品を与えるという点で優れている。また、従来のSMC用の不飽和ポリエステル樹脂と同等の加工性、成形性、ポットライフを有しており強化繊維基材に含浸させた後の貯蔵安定性にも優れている。本発明のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とするSMCは、エポキシ樹脂特有の耐衝撃性、耐熱性に優れ、かつ高い曲げ強度及び曲げ弾性率を有するため、工業用、自動車用の構造部品の原料として好適に使用される。

Claims (14)

  1. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とが配合されたエポキシ樹脂組成物であり前記成分(B)の含有量は、その活性水素が、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基総量に対して0.1~0.5当量となる量であり、25℃における粘度が0.1~25Pa・sである、エポキシ樹脂組成物。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  2. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とが配合されたエポキシ樹脂組成物であり、前記成分(B)の含有量は、その活性水素が、前記エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基総量に対して0.2~0.4当量となる量であり、25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  3. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(D)とジシアンジアミドとが配合され、25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  4. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とが配合され、尿素化合物及びイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含み、25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  5. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とが配合されたエポキシ樹脂組成物であり、単官能アミンの含有量が、前記エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂100質量部に対して、5質量部以下であり、25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  6. 前記成分(D)が、エポキシシクロヘキサン構造を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 請求項1~6のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させた後、増粘させることを含む、成形材料の製造方法。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含む、成形材料。
  9. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とを含み25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含み、前記エポキシ樹脂組成物の増粘物の23℃における粘度が、5000~160000Pa・sである、成形材料。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  10. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とを含み25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含み、シートモールディングコンパウンドである、成形材料。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エ
    ポキシ樹脂。
  11. 下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)と下記成分(D)とを含み25℃における粘度が0.1~25Pa・sであるエポキシ樹脂組成物の増粘物と、強化繊維とを含み、バルクモールディングコンパウンドである、成形材料。
    成分(A):25℃において液状であり、25℃における粘度が0.3Pa・s以上である芳香族エポキシ樹脂。
    成分(B):ポリアミン系硬化剤。
    成分(C):ポリアミン系硬化剤ではないエポキシ樹脂硬化剤。
    成分(D):環状オレフィン構造の不飽和結合がエポキシ化された構造を含む脂環式エポキシ樹脂。
  12. 前記強化繊維が、炭素繊維である、請求項8~11のいずれか一項に記載の成形材料。
  13. 請求項8~12のいずれか一項に記載の成形材料の硬化物である、繊維強化複合材料。
  14. 請求項8~12のいずれか一項に記載の成形材料を硬化させることを含む、繊維強化複合材料の製造方法。
JP2018204322A 2018-10-30 2018-10-30 エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法 Active JP7230433B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018204322A JP7230433B2 (ja) 2018-10-30 2018-10-30 エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018204322A JP7230433B2 (ja) 2018-10-30 2018-10-30 エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020070336A JP2020070336A (ja) 2020-05-07
JP7230433B2 true JP7230433B2 (ja) 2023-03-01

Family

ID=70547429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018204322A Active JP7230433B2 (ja) 2018-10-30 2018-10-30 エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7230433B2 (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001092368A1 (fr) 2000-05-30 2001-12-06 Toray Industries, Inc. Composition de résine époxy pour matière composite renforcée par des fibres
WO2017150521A1 (ja) 2016-02-29 2017-09-08 三菱ケミカル株式会社 エポキシ樹脂組成物、成形材料および繊維強化複合材料

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH101657A (ja) * 1996-06-13 1998-01-06 Shinko Kagaku Kogyo Kk 低温硬化型接着性樹脂組成物及びこれを用いて形成した低温硬化型接着性シート

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001092368A1 (fr) 2000-05-30 2001-12-06 Toray Industries, Inc. Composition de résine époxy pour matière composite renforcée par des fibres
WO2017150521A1 (ja) 2016-02-29 2017-09-08 三菱ケミカル株式会社 エポキシ樹脂組成物、成形材料および繊維強化複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020070336A (ja) 2020-05-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6292345B2 (ja) 成形材料および繊維強化複合材料
JP7151806B2 (ja) シートモールディングコンパウンド、および繊維強化複合材料
JP6812671B2 (ja) 繊維強化複合材料、成形品および圧力容器
JP6828745B2 (ja) シートモールディングコンパウンド、繊維強化複合材料および繊維強化複合材料の製造方法
JP6839980B2 (ja) 繊維マトリックス半製品のためのエポキシ樹脂組成物
JP6977842B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物の製造方法、プリプレグ、繊維強化複合材料、繊維強化複合材料の製造方法、自動車材料、およびプリプレグの製造方法
JP6521090B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、及び繊維強化プラスチック成形体とその製造方法
JP2021515833A (ja) エポキシ配合物のための脂環式アミン:エポキシ系のための新規な硬化剤
JP7036122B2 (ja) シートモールディングコンパウンドの製造方法
TW201942179A (zh) 具有噁唑烷酮結構的環氧樹脂、製造方法、環氧樹脂組成物、纖維強化複合材料及成形體
JP2019163448A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料
JP2006291094A (ja) 繊維強化複合材料用エポキシ樹脂組成物
JP7230433B2 (ja) エポキシ樹脂組成物、成形材料の製造方法、成形材料、繊維強化複合材料及び繊維強化複合材料の製造方法
JP2019157057A (ja) 硬化性樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、フィルム及び繊維強化プラスチック
JP6866936B2 (ja) シートモールディングコンパウンド、及び成形品
JP2016216657A (ja) エポキシ樹脂組成物、並びにこれを用いた繊維強化複合材料前駆体及び繊維強化複合材料
JPH0741546A (ja) 低温硬化型プリプレグ用エポキシ樹脂組成物
JP2024047178A (ja) プリプレグ及び繊維強化プラスチック
JP2022039266A (ja) エポキシ樹脂組成物、中間基材、トウプレグ、および繊維強化複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211021

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220830

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221018

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230117

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230130

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7230433

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151