JP7229412B1 - 脂質ナノ粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳化力及び乳化安定性に優れた新規な脂質ナノ粒子を提供すること。
【解決手段】ヒアルロン酸誘導体、及びリン脂質を含有し、ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、脂質ナノ粒子。

Figure 0007229412000021

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
【選択図】なし

Description

本発明は、脂質ナノ粒子及びその製造方法に関する。
脂質ナノ粒子は、脂質膜で形成される層を外殻に有するナノ粒子である。脂質ナノ粒子は、通常、脂質膜で形成される層の内部に難水溶性物質を可溶化できるコアを有している。脂質ナノ粒子は、難水溶性薬物を内包して可溶化することができること、生体内で分解され易い核酸(例えば、mRNA、siRNA)を内包して分解を防ぐことができることなどから、ドラッグデリバリーシステムの薬物キャリアとして利用されている。例えば、COVID-19ワクチンとして、COVID-19のスパイクタンパク質のmRNAを内包する脂質ナノ粒子が利用されている例がある。
脂質ナノ粒子を選択的に特定の細胞へと送達するために、脂質ナノ粒子表面を修飾することも行われている。例えば、特許文献1には、CD44を有する細胞(がん細胞等)への取り込み効率を向上させるため、ヒアルロン酸の末端の還元糖であるN-アセチルグルコサミンの水酸基に、直鎖状の疎水性基を備える中性脂質が直接又は間接的に連結されたヒアルロン酸誘導体を脂質ナノ粒子に含有させる技術が開示されている。また、例えば、特許文献2には、標的細胞による脂質ナノ粒子の取込みを調節する、又は容易にするために、脂質ナノ粒子の表面をヒアルロン酸等のグリコサミノグリカンで被覆する技術が開示されている。
特開2019-189574号公報 特表2020-530778号公報
脂質ナノ粒子は、通常、リン脂質、コレステロール及びポリエチレングリコール(PEG)で修飾された脂質で構成される。核酸を内包する脂質ナノ粒子は、通常、これらに加えて、負の電荷を帯びた核酸分子(mRNA分子等)との複合体化を可能にするカチオン性脂質を更に含む。
PEGで修飾された脂質は、脂質ナノ粒子の合一及び凝集による粒子径増大を抑制し、製剤中及び血中での脂質ナノ粒子の安定性の向上に寄与する重要な成分である。しかしながら、PEGで修飾された脂質は、アレルギー反応の原因となる可能性が示唆されており、局所性アレルギー反応(例えば、モデルナアーム)や、より重篤な全身性アレルギー反応を引き起こす可能性が否定できない。そのため、代替材料で構成される脂質ナノ粒子など、薬物キャリアとしての脂質ナノ粒子の選択肢を増やすことが求められる。
特許文献1及び2には、標的細胞への脂質ナノ粒子の取り込みを向上させるためにヒアルロン酸を利用することが開示されているが、脂質ナノ粒子の安定性を向上させることについては開示されていない。
本発明は、乳化力及び乳化安定性に優れた新規な脂質ナノ粒子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、後述する特定のヒアルロン酸誘導体は、それ自体の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)共に極めて低いものの、リン脂質と組み合わせることで乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)が顕著に上昇することを見出した。加えて、後述する本発明に係る脂質ナノ粒子は、油、薬物等を高効率で内包できることも見出した。本発明は、この新規な知見に基づくものである。
すなわち、本発明は、例えば、以下の各発明に関する。
[1]
ヒアルロン酸誘導体、及びリン脂質を含有し、
上記ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、脂質ナノ粒子。
Figure 0007229412000001

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
[2]
上記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジチルグリセロール、ホスファチジルイノシトール及びスフィンゴミエリン、並びにこれら2種以上の混合物からなる群より選択される、[1]に記載の脂質ナノ粒子。
[3]
上記Rが、炭素数8以上22以下の直鎖状のアルキル基である、[1]又は[2]に記載の脂質ナノ粒子。
[4]
上記ヒアルロン酸誘導体の修飾率が0.1%以上50%以下である、[1]~[3]のいずれかに記載の脂質ナノ粒子。
[5]
少なくとも上記ヒアルロン酸誘導体、及び上記リン脂質から構成される外殻に内包される物質を更に含有する、[1]~[4]のいずれかに記載の脂質ナノ粒子。
[6]
上記物質が、難水溶性物質である、[5]に記載の脂質ナノ粒子。
[7]
上記物質が、難水溶性薬物、核酸とカチオン性脂質の複合体、及び油、並びにこれら2種以上の混合物からなる群より選択される、[5]又は[6]に記載の脂質ナノ粒子。
[8]
脂質ナノ粒子の製造方法であって、
ヒアルロン酸誘導体を水系溶媒に溶解して水相を形成する工程、
リン脂質を有機溶媒に溶解して油相を形成する工程、及び
上記水相の中に上記油相を滴下しつつ分散する工程を備え、
上記ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、製造方法。
Figure 0007229412000002

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
[9]
上記分散する工程で得られた分散液を高圧乳化処理する工程を更に備える、[8]に記載の製造方法。
本発明によれば、乳化力及び乳化安定性に優れた新規な脂質ナノ粒子及びその製造方法の提供が可能となる。本発明に係る脂質ナノ粒子は、特定のヒアルロン酸誘導体とリン脂質とを組み合わせて使用することで乳化力及び乳化安定性に優れている。さらに、本発明に係る脂質ナノ粒子は、その内部に油、薬物等の内包物質を高効率で内包することが可能であるため、アレルギー反応の原因となる可能性が示唆されているPEGで修飾された脂質を実質的に使用することなく、ドラッグデリバリーシステムの薬物キャリアとして利用することもできる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<本発明の特徴>
(脂質ナノ粒子)
本発明は、ヒアルロン酸誘導体、及びリン脂質を含有し、ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、脂質ナノ粒子を提供することに特徴を有する。
Figure 0007229412000003

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
(脂質ナノ粒子中のリン脂質とヒアルロン酸誘導体の状態)
本発明に係る脂質ナノ粒子に含有されるヒアルロン酸誘導体は、リン脂質(及び必要に応じてリン脂質以外の脂質等のヒアルロン酸誘導体以外の外殻(脂質膜層)構成成分)により形成される脂質膜層を被覆している。
より具体的には、ヒアルロン酸誘導体中の-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基の部分(特にRの部分)が外殻である前記脂質膜層に吸着しているため、リン脂質及びリン脂質以外の脂質等のヒアルロン酸誘導体以外の外殻(脂質膜層)構成成分と共有結合を形成することなく、脂質ナノ粒子に含まれることになる。
(脂質ナノ粒子の粒子径と保存後の粒子径の変化)
脂質ナノ粒子の粒子径は、0nm超1000nm以下である。本明細書において「粒子径」とは、動的光散乱法により測定される平均粒子径を意味する。粒子径は、動的光散乱法を利用した粒子径測定装置(例えば、ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)により測定することができる。
本発明に係る脂質ナノ粒子の粒子径は、乳化力に優れるものである観点から、具体的には、0nm超900nm以下、10nm超800nm以下、15nm以上700nm以下、20nm以上600nm以下、25nm以上500nm以下であってよい。
さらに、本発明に係る脂質ナノ粒子は、乳化安定性に優れるものであり、具体的には、調製直後の平均粒子径と40℃1週間保存後の平均粒子径の変化が80nm以内であり、70nm以内であるとよく、さらに60nm以内、50nm以内、40nm以内、35nm以内であるとよい。なお、本発明に係る脂質ナノ粒子の保存後の平均粒子径は、上述した範囲内となる。
(脂質ナノ粒子の製造方法)
本発明は、ヒアルロン酸誘導体を水系溶媒に溶解して水相を形成する工程、リン脂質を有機溶媒に溶解して油相を形成する工程、及び水相の中に油相を滴下しつつ分散する工程を備え、ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、脂質ナノ粒子の製造方法を提供することに特徴を有する。
Figure 0007229412000004

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
<ヒアルロン酸誘導体>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子に使用するヒアルロン酸誘導体は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 0007229412000005
本実施形態に係るヒアルロン酸誘導体は、ヒアルロン酸を構成するN-アセチルグルコサミンの4位及び6位の炭素原子に結合しているヒドロキシ基、並びにヒアルロン酸を構成するグルクロン酸の2位及び3位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基、及び5位の炭素原子に結合しているカルボキシル基中のヒドロキシ基の一部又は全部が、-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基で置換された構造を有している。なお、-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基は、最も左側に記載されている酸素原子がヒアルロン酸を構成する炭素原子に結合している。
一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。なお、Rが複数存在する場合(nが2以上の場合)、異なる繰り返し単位に含まれるRは、それぞれ同一であってもよく、同一でなくてもよい。同様に、Rが複数存在する場合(nが2以上の場合)、異なる繰り返し単位に含まれるRは、それぞれ同一であってもよく、同一でなくてもよい。Rが複数存在する場合(nが2以上の場合)、異なる繰り返し単位に含まれるRは、それぞれ同一であってもよく、同一でなくてもよい。Rが複数存在する場合(nが2以上の場合)、異なる繰り返し単位に含まれるRは、それぞれ同一であってもよく、同一でなくてもよい。Rが複数存在する場合(nが2以上の場合)、異なる繰り返し単位に含まれるRは、それぞれ同一であってもよく、同一でなくてもよい。
で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えば、炭素数8以上22以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数9以上21以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数10以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数11以上19以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基、炭素数12以上18以下の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。
で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基のより具体的な例としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、イソオクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基(ミリスチル基)、n-ヘキサデシル基(パルミチル基)、n-オクタデシル基(ステアリル基)、n-イコシル基が挙げられる。
で示される直鎖状又は分岐状のアルケニル基としては、例えば、炭素数8以上22以下の直鎖状又は分岐状のアルケニル基、炭素数9以上21以下の直鎖状又は分岐状のアルケニル基、炭素数10以上20以下の直鎖状又は分岐状のアルケニル基、炭素数11以上19以下の直鎖状又は分岐状のアルケニル基、炭素数12以上18以下の直鎖状又は分岐状のアルケニル基が挙げられる。
で示される直鎖状又は分岐状のアルケニル基のより具体的な例としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ペンテニル基、イソペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、テトラデセニル基、オレイル基が挙げられる。
で示される直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基としては、生体への安全性の観点から、直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。
一般式(1)中、nは、1以上2500以下の整数を示す。nは、例えば、2以上2500以下であってよく、4以上2450以下、6以上2400以下、8以上2350以下、10以上2300以下、12以上2250以下、14以上2200以下、16以上2150以下、17以上2100以下、18以上2050以下、又は19以上2000以下であってよい。
なお、一般式(1)において、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合は、ヒアルロン酸となるため、一般式(1)からR、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合は除外する。
(ヒアルロン酸誘導体の修飾率)
本実施形態に係るヒアルロン酸誘導体の修飾率は、例えば、0.1%以上50%以下であってよい。本明細書において、ヒアルロン酸誘導体の修飾率は、ヒアルロン酸の1構成単位に含まれる-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基の数を百分率で示した値である。ここで、ヒアルロン酸の1構成単位とは、グルクロン酸とN-アセチルグルコサミンとの二糖からなる1構成単位を意味する。ヒアルロン酸の1構成単位に含まれる-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基の数は、例えば、H-NMRスペクトル解析によって同定することができる。
本実施形態に係るヒアルロン酸誘導体の修飾率は、乳化安定性を高める観点から、例えば、0.5%以上45%以下、1%以上40%以下、2%以上30%以下、3%以上20%以下、4%以上16%以下であってよい。
(ヒアルロン酸誘導体の製造方法)
本実施形態に係るヒアルロン酸誘導体は、例えば、ヒアルロン酸又はその塩を下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物1」ともいう。)と反応させることによって製造することができる。なお、反応性を高めるために、原料のヒアルロン酸又はその塩をアルキルアンモニウム塩に置換した後に、化合物1と反応させてもよい。
Figure 0007229412000006

[一般式(2)中のRは、一般式(1)中のRと同義である。]
原料のヒアルロン酸又はその塩は、例えば、動物等の生体組織(例えば、鶏冠、さい帯、皮膚、関節液)から抽出されたものでもよく、微生物、動物細胞又は植物細胞を培養して得られたもの(例えば、ストレプトコッカス属の細菌等を用いた発酵法)、化学的又は酵素的に合成されたものなどを使用することができる。ヒアルロン酸の塩としては、特に限定されないが、食品又は薬学上許容しうる塩であることが好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
原料のヒアルロン酸又はその塩の平均分子量は、例えば、411以上102万以下であってよいが、脂質ナノ粒子の外殻への吸着しやすさ、乳化力及び乳化安定性を高める観点から、1000以上100万以下、2000以上80万以下、4000以上70万以下、5000以上60万以下、6000以上50万以下、7000以上40万以下、8000以上30万以下であるとよい。
本明細書において、ヒアルロン酸又はその塩の平均分子量は、以下の方法にて測定された値である。
約0.05gのヒアルロン酸及び/又はその塩(本品)を精密に量り、0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液に溶かし、正確に100mLとした溶液、並びにこの溶液8mL、12mL及び16mLを正確に量り、それぞれに0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液を加えて正確に20mLとした溶液を試料溶液とする。これらの試料溶液及び0.2mol/L濃度の塩化ナトリウム溶液につき、日本薬局方(第十五改正)一般試験法の粘度測定法(第1法 毛細管粘度計法)により30.0±0.1℃で比粘度を測定し(式(A))、各濃度における還元粘度を算出する(式(B))。還元粘度を縦軸に、本品の換算した乾燥物に対する濃度(g/100mL)を横軸にとってグラフを描き、各点を結ぶ直線と縦軸との交点から極限粘度を求める。ここで求められた極限粘度をLaurentの式(式(C))に代入し、平均分子量(M)を算出する(参考:T.C.Laurent,M.Ryan,A.Pietruszkiewicz,:B.B.A.,42,476-485(1960))。
(式A):比粘度={試料溶液の所要流下秒数)/(0.2mol/L塩化ナトリウム溶液の所要流下秒数)}-1
(式B):還元粘度(dL/g)=比粘度/(本品の換算した乾燥物に対する濃度g/100mL))
(式C):極限粘度(dL/g)=3.6×10-40.78
(ヒアルロン酸誘導体の含有量)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子中のヒアルロン酸誘導体の含有量は、前記脂質膜層を被覆可能、かつ、乳化力及び乳化安定性を高めるのに十分な量であればよく、例えば、脂質ナノ粒子全量を基準として、1質量%以上90質量%以下であってよく、1.5質量%以上85質量%以下、2質量%以上80質量%以下、2.5質量%以上70質量%以下、3質量%以上60質量%以下、3.5質量%以上50質量%以下であってよく、4質量%以上45質量%以下であってよく、5質量%以上40質量%以下であってよい。
<リン脂質>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、構成成分としてリン脂質を含む。リン脂質としては、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジチルグリセロール及びホスファチジルイノシトール等のグリセロリン脂質、並びにスフィンゴミエリン等のスフィンゴリン脂質等が挙げられる。リン脂質は、1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
リン脂質としては、例えば、卵黄、大豆又は菜種等の動植物原料由来のリン脂質を特に制限なく使用することができる。
本実施形態に係る脂質ナノ粒子中のリン脂質の含有量は、前記脂質膜層を形成するのに十分な量であればよく、例えば、脂質ナノ粒子全量を基準として、1質量%以上90質量%以下であってよく、2質量%以上85質量%以下、3質量%以上80質量%以下、4質量%以上70質量%以下であってよく、5質量%以上60質量%以下であってよく、7質量%以上50質量%以下であってよく、8質量%以上40質量%以下であってよく、9質量%以上30質量%以下であってよく、10質量%以上20質量%以下であってよい。
本実施形態に係る脂質ナノ粒子中のヒアルロン酸誘導体とリン脂質の含有量比(ヒアルロン酸誘導体の含有量(質量%):リン脂質の含有量(質量%))は、乳化力及び乳化安定性を高める観点から、例えば、55:1~1:25の範囲内であってよく、50:1~1:20の範囲内、45:1~1:15の範囲内であってよい。なお、後述する塩類の含有等、乳化状態を不安定化する要因が含まれる場合には、乳化安定性を高めるためヒアルロン酸誘導体の含有量比が高いとよい。
<内包物質>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、少なくともヒアルロン酸誘導体及びリン脂質から構成される外殻の内部にコアを有し、当該コアに物質(内包物質)を含んでいてもよい。少なくともヒアルロン酸誘導体及びリン脂質から構成される外殻は、ヒアルロン酸誘導体中の-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基の部分(特にRの部分)と、リン脂質中の脂肪酸部分とにより形成される脂質膜層で構成されている。脂質ナノ粒子の外相が水系溶媒を主とする担体で構成される場合、ヒアルロン酸誘導体及びリン脂質の親水性部分が外殻の表面に配置されることになり、外殻の内部が疎水性環境となり、難水溶性物質を好適に内包できる。また、脂質ナノ粒子の外相が有機溶媒を主とする担体で構成される場合、ヒアルロン酸誘導体及びリン脂質の疎水性部分が外殻の表面に配置されることになり、外殻の内部が親水性環境となり、水溶性物質を好適に内包できる。
内包物質の種類に特に制限はなく、難水溶性物質、水溶性物質のいずれであってもよい。難水溶性物質とは、水に対する溶解度が低い物質を意味し、具体的には、第十六改正日本薬局方でいう溶解性が「やや溶けにくい」(溶質1g又は1mLを溶かすに要する溶媒量が30mL以上100mL未満)、「溶けにくい」(同溶媒量が100mL以上1000mL未満)、「極めて溶けにくい」(同溶媒量が1000mL以上10000mL未満)又は「ほとんど溶けない」(同溶媒量が10000mL以上)である物質を意味する。
難水溶性物質は、生理活性を有する物質(難水溶性薬物)であってもよい。難水溶性物質としては、例えば、ドセタキセル、パクリタキセル、カペシタビン、オキサリプラチン、ゲフチナット、ドキソルビシン、イリノテカン、ゲムシタビン、ペメトレキセド、テモゾロミド、イマチニブ、ビノレルビン、レトロゾール、テニポシド、エトポシド、ポドフィロトキシン、カンプトテシン、10-ヒドロキシカンプトテシン、9-ヒドロキシカンプトテシン、7-エチル-10-ヒドロキシカンプトテシン、トポテカン、イリノテカン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビンフルニン、ビンポセチン、ノルカンタリジン、シリビン、プロポフォール、フロルフェニコール、ミチグリニド、アルテミシニン、ジヒドロアルテミシニン、シロリムス、イブプロフェン、ニトレンジピン、ニカルジピン、ニモジピン、レバミピド、グリクラジド、プロパルシド、フェロジピン、グリベンクラミド、アシクロビル、オレアノール酸、ブレビスカピン、フェルラ酸、パラセタモール、パルミトイルリゾキシン、ペンクロメジン、タモキシフェン、ナベルビン、バルプロ酸、タクロリムス、シクロスポリンA、アンフォテリシンB、ケトコナゾール、ドンペリドン、スルピリド、フェノフィブラート、ベザフィブラート、アジスロマイシン、イトラコナゾール、ミコナゾール、ブリモニジン、ラタノプロスト、シリビン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、リファキシミン、シサプリド、シクロスポリン、ジクロフェナック酸、フェロジピン、イブプロフェン、インドメタシン、アセメタシン、ニカルジピン、ニフェジピン、テルフェナジン、テオフィリン、ケトプロフェン、フロセミド、スピロノラクトン、ジピリダモール、ピロキシカム、メフェナム酸、トリクロロチアジド、ピンドロール、脂溶性ビタミン類(例えば、ビタミンA、ビタミンE)、カロテノイド類(例えば、リコピン、クロロフィル、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、フコキサンチン)、ポリフェノール類(例えば、フラボノール類、フラバノン類、フラボン類、イソフラボン類、フェノールカルボン酸類、アントシアニジン類、ヒドロキシケイ皮酸誘導体、エラグ酸等)、補酵素Q10が挙げられる。難水溶性物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水溶性物質は、生理活性を有する物質(水溶性薬物)であってもよい。水溶性物質としては、例えば、核酸、ペプチド、低分子化合物等が挙げられる。核酸としては、例えば、DNA、mRNA、siRNA、microRNA、アプタマー、リボザイム等が挙げられる。なお、核酸は、カチオン性脂質と複合体を形成させて難水溶性物質として、本実施形態に係る脂質ナノ粒子に内包させてもよい。水溶性物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る脂質ナノ粒子が内包物質を含む場合、脂質ナノ粒子中に効率よく内包物質を内包することが可能である。本実施形態に係る脂質ナノ粒子に含まれる内包物質の量(水溶性物質の場合は内包率、難水溶性物質の場合は脂質ナノ粒子含有組成物中の内包物質含有量で表される。)は、例えば、40℃1週間相当の条件で保存した後、内包物質の初期量を基準として60質量%以上であってよく、65質量%以上、70質量%以上、75質量%以上、80質量%以上、85質量%以上であってよく、90質量%以上であってよい。
本実施形態に係る脂質ナノ粒子中の内包物質の初期量(内包物質含有量)は、例えば、脂質ナノ粒子全量を基準として、1質量%以上95質量%以下、1.1質量%以上94質量%以下、1.2質量%以上93質量%以下、1.3質量%以上92質量%以下、1.4質量%以上91.5質量%以下、1.5質量%以上91質量%以下、1.6質量%以上90.9質量%以下、2質量%以上90質量%以下、2.5質量%以上80質量%以下、3質量%以上70質量%以下、3.5質量%以上60質量%以下、4質量%以上50質量%以下、4.5質量%以上40質量%以下、5質量%以上30質量%以下、又は5.5質量%以上20質量%以下であってよい。
<担体>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、通常、本実施形態に係る脂質ナノ粒子、及び担体を含む懸濁液として調製される。当該懸濁液は、脂質ナノ粒子を含む組成物(脂質ナノ粒子含有組成物)ともいえる。担体は、脂質ナノ粒子の外相を構成する。担体としては、例えば、水相を形成する際に使用する水系溶媒(例えば、水、緩衝液)、油相を形成する際に使用する有機溶媒等が挙げられる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、MES緩衝液、HEPES緩衝液等が挙げられる。水としては、例えば、第十八改正日本薬局方に定義される、蒸留水、常水、精製水、滅菌精製水、注射用水及び注射用蒸留水等を挙げることができる。
本実施形態に係る脂質ナノ粒子含有組成物中の担体の含有量は、例えば、脂質ナノ粒子含有組成物全量を基準として、0質量%以上100質量%未満であってよい。
<その他成分>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子含有組成物は、本発明による効果を阻害しない範囲で、食品又は薬学上許容しうるその他成分を更に含んでいてもよい。その他成分としては、例えば、リン脂質以外の脂質、油脂、有機溶媒、糖類、塩類、pH調整剤、緩衝剤が挙げられる。
(リン脂質以外の脂質)
リン脂質以外の脂質としては、例えば、コレステロール及びコレステロール誘導体(例えば、コレステロールと脂肪酸とのエステル)等のステロール脂質、オレイルアミン及び3,5-ビス(ドデシルオキシ)ベンジルアミン等のカチオン性脂質等が挙げられる。ステロール脂質は、例えば、脂質ナノ粒子の構造(脂質膜層)形成に寄与する。カチオン性脂質は、例えば、内包物質として核酸等の負に帯電した物質を使用する場合に当該物質と複合体を形成し、内包物質の可溶化を補助するために使用される。
(油脂)
油脂は、例えば、内包物質の可溶化を補助するために使用される。油脂としては、例えば、大豆油、ゴマ油、ナタネ油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、コーン油、綿実油、米油、ヒマワリ油、グレープシード油及び小麦胚芽油等の植物油、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)が挙げられる。
(糖類)
糖類は、例えば、浸透圧を調整するために使用される。糖類としては、例えば、ソルビトール、キシリトール、マンニトール、グルコース、トレハロース、マルトース、スクロース、ラフィノース、ラクトース、デキストランが挙げられる。
(塩類)
塩類は、例えば、内包物質(例えば、核酸)の内包率を向上させるため、又は浸透圧を調整するために使用される。塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。塩類は、脂質ナノ粒子の乳化安定性を低下させる原因物質であるが、本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、乳化力及び乳化安定性に優れていることから、塩類を含んでいても乳化安定性を保つことができる。具体的には、本実施形態に係る脂質ナノ粒子中の塩類(例えば、塩化ナトリウム)の含有量は、例えば、脂質ナノ粒子全量を基準として、0質量%以上1500質量%以下であってよく、0質量%以上1400質量%以下、0質量%以上1300質量%以下、0質量%以上1200質量%以下、0質量%以上1156質量%以下であってよい。なお、ここでいう塩類の含有量は、外相に存在する塩類も含めた量である。
(pH調整剤)
pH調整剤としては、例えば、塩酸等の強酸、水酸化ナトリウム等の強塩基が挙げられる。
(緩衝剤)
緩衝剤としては、例えば、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、トリス緩衝剤が挙げられる。
<安定化剤>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、ヒアルロン酸誘導体及びリン脂質を組み合わせて使用しているため、乳化安定性に優れている。また、ヒアルロン酸誘導体及びリン脂質は、生体に対する安全性に優れており、アレルギー反応の原因となる可能性が低い。したがって、本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、アレルギー反応の原因となる可能性がある安定化剤を実質的に含有していなくてよい。アレルギー反応の原因となる可能性がある安定化剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(遊離形態及び脂質等に結合した形態を含む。)等が挙げられる。アレルギー反応の原因となる可能性がある安定化剤を実質的に含有していないとは、脂質ナノ粒子全量を基準として、アレルギー反応の原因となる可能性がある安定化剤の含有量が、5質量%以下であることをいい、4質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、1質量%以下、0質量%以下であってよい。
<脂質ナノ粒子>
(形態)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子含有組成物の形態は、特に制限されず、使用目的に合わせて任意の形態で調製することができる。具体的には、例えば、担体を含む懸濁液、当該懸濁液そのものを、又は担体を除去した後に凍結乾燥等により得られる粉末等の形態であってよい。
(用途)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、例えば、外殻(脂質膜層)の内部に生理活性を有する物質を内包する薬剤キャリアとして使用することができる。具体的には、本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、例えば、注射剤、点眼剤、脂肪乳剤等として使用できる。
(投与形態)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子は、注射により投与することもでき、またスプレー、浸し塗り、すすぎ、パッド若しくはボールローラからの塗布、ペインティング、滴下、エアゾールスプレー、又はポンプスプレーにより投与することもできる。
(投与対象)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子を投与する対象は、例えば、ヒト等の哺乳動物であってよい。
(投与用量)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子の投与量、投与タイミング、投与期間は、使用する生理活性物質の種類、投与対象の種類等に応じて、設定することができる。
<脂質ナノ粒子の製造方法>
本実施形態に係る脂質ナノ粒子の製造方法は、ヒアルロン酸誘導体を水系溶媒に溶解して水相を形成する工程(水相形成工程)、リン脂質を有機溶媒に溶解して油相を形成する工程(油相形成工程)、及び水相の中に油相を滴下しつつ分散する工程(分散工程)を備える。本実施形態に係る脂質ナノ粒子の製造方法は、上記各工程に加えて、分散工程で得られた分散液を高圧乳化処理する工程(精乳化工程)を更に備えていてもよい。
(水相形成工程)
水相形成工程では、ヒアルロン酸誘導体を水系溶媒に溶解して水相を形成する。また、ヒアルロン酸誘導体以外の水溶性成分は、水相形成工程でヒアルロン酸誘導体と共に水系溶媒に溶解するのが好ましい。
水系溶媒としては、例えば、水、緩衝液等が挙げられる。緩衝液としては、例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、MES緩衝液、HEPES緩衝液等が挙げられる。
ヒアルロン酸誘導体、及び必要に応じてヒアルロン酸誘導体以外の水溶性成分を水系溶媒に溶解させる方法は特に制限されず、例えば、撹拌等により溶解させることができる。また、必要に応じて、40~80℃に加熱して溶解させてもよい。
(油相形成工程)
油相形成工程では、リン脂質を有機溶媒に溶解して油相を形成する。また、リン脂質以外の非水溶性成分は、油相形成工程でリン脂質と共に有機溶媒に溶解するのが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、エタノール、ジメチルホルムアミド(DMF)、プロピレングリコール、ベンゼン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキシド、N-メチル-2-ピロリジノン、テトラヒドロフラン、クロロホルム等が挙げられる。
リン脂質、及び必要に応じてリン脂質以外の非水溶性成分を有機溶媒に溶解させる方法は特に制限されず、例えば、撹拌等により溶解させることができる。また、必要に応じて、40~80℃に加熱して溶解させてもよい。
本実施形態に係る製造方法において、水相形成工程と油相形成工程を実施する順序は任意であり、例えば、水相形成工程を先に実施してもよく、油相形成工程を先に実施してもよく、水相形成工程と油相形成工程を同時に実施してもよい。
(分散工程)
分散工程では、水相の中に油相を滴下しつつ分散する。分散工程の実施により、本実施形態に係る脂質ナノ粒子が得られる。油相の分散は、例えば、油相を水相に一定の速度で緩やかに滴下し、次いで50~70℃にて5,000~15,000rpmで1~30分間加熱及び攪拌することで実施することができる。分散工程で得られる脂質ナノ粒子の粒子径は、通常1nm~500nmの範囲である。
なお、上述した分散工程を実施することにより、ヒアルロン酸誘導体及びリン脂質の親水性部分が外殻の表面に配置されることになり、外殻の内部が疎水性環境となり、難水溶性物質を好適に内包できる。外殻の内部を親水性環境にしたい場合は、例えば、分散工程で油相の中に水相を滴下しつつ分散すればよい。
(精乳化工程)
精乳化工程では、分散工程で得られた分散液を高圧乳化処理する。精乳化工程の実施によっても、本実施形態に係る脂質ナノ粒子が得られる。高圧乳化処理は、例えば、高圧乳化機を使用して実施することができる。高圧乳化処理は、例えば、50~70℃の温度条件下、50~200MPaの圧力で3~30回通液を行うことで実施することができる。高圧乳化機としては、マイクロフルイダイザー(マイクロフルイディクス社製)、ナノマイザー(吉田機械興業(株)製)、スターバースト((株)スギノマシン製)等のチャンバー型高圧ホモジナイザー、ゴーリンタイプホモジナイザー(APV社製)、ラニエタイプホモジナイザー(ラニエ社製)、高圧ホモジナイザー(ニロ・ソアビ社製)、ホモゲナイザー(三和機械(株)製)、高圧ホモゲナイザー(イズミフードマシナリ(株)製)、超高圧ホモジナイザー(イカ社製)等の均質バルブ型高圧ホモジナイザーが挙げられる。精乳化工程で得られる脂質ナノ粒子の粒子径は、通常1nm~250nmの範囲である。
(その他工程)
本実施形態に係る脂質ナノ粒子の製造方法は、必要に応じて、上記各工程に加えて滅菌工程、pH調整工程を更に備えていてもよい。
(滅菌工程)
滅菌工程では、分散工程又は精乳化工程で得られた脂質ナノ粒子を滅菌する。脂質ナノ粒子の滅菌は、常法に従って実施することができる。具体的には、例えば、脂質ナノ粒子を孔径0.2~0.22μmのメンブレンフィルター(例えば、ナイロンシリンジフィルター)を通過させることで滅菌することができる。
(pH調整工程)
pH調整工程では、pH調整剤を混合し、脂質ナノ粒子のpHを調整する。pH調整工程は、必要に応じて実施すればよく、必須の工程ではない。pH調整工程は、滅菌工程の前に実施することが好ましい。具体的には、例えば、水相形成工程でpH調整剤を更に添加すること、油相形成工程でpH調整剤を更に添加すること、分散工程でpH調整剤を更に添加すること、精乳化工程でpH調整剤を更に添加すること等により、pH調整工程を実施することができる。pH調整剤の添加量は、最終的に得られる脂質ナノ粒子のpHが所望の範囲内になるように設定することができる。
以下、実施例等に基づいて、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した成分と略号との対応は以下に示すとおりである。
MCT:ココナードRK(商品名),花王株式会社製(トリカプリル酸グリセリル)
PC:PC-98T(商品名),キユーピー株式会社製(ホスファチジルコリン含有量98%以上に精製した卵黄レシチン)
PBS:リン酸緩衝生理食塩水(pH7.4),ナカライテスク株式会社製
CH:Cholesterol,東京化成工業株式会社製(コレステロール)
CHE:Cholesterol Oleate,東京化成工業株式会社製(コレステロールのオレイン酸エステル)
OA:オレイン酸,東京化成工業株式会社製
CsA:シクロスポリンA,LKT Laboratories製
Tac:タクロリムス水和物,東京化成工業株式会社製
PL:PL-100M(商品名),キユーピー株式会社(ホスファチジルコリン80%、ホスファチジルエタノールアミン20%を含んだ卵黄レシチン)
LCT:日局ダイズ油,花王株式会社製(脂肪酸の炭素数が主に18の長鎖脂肪酸トリグリセリド)
RD:レバミピド,東京化成工業株式会社製
NP:ニモジピン,東京化成工業株式会社製
〔試験例1:ヒアルロン酸誘導体の製造、並びに乳化力及び乳化安定性の評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
特許第4845071号の実施例1に記載された方法により、ヒアルロン酸誘導体を製造した。具体的には、1Lビーカー中でヒアルロン酸(平均分子量8000、キユーピー株式会社製)5.0gを水500mLに溶解させた後、40w/v%水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液を攪拌しながら加えて、pHを7.2に調整した。pH調整後、凍結乾燥させ、ヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩を10.2g得た。30mLサンプル瓶に得られたヒアルロン酸のテトラブチルアンモニウム塩1.0g、C12~13アルキルグリシジルエーテル(反応試薬)(四日市合成株式会社製)2.0g、及びジメチルホルミアミド(DMF)10mLを入れ、攪拌しながら80℃水浴上で8時間反応させた。反応終了後、12.5w/v%塩化ナトリウム水溶液を10mL加え、8w/v%塩酸にてpH1.0に調整した。次いで、エタノール50mLを撹拌しながらゆっくり加え、ヒアルロン酸を沈殿させた。次いで、25w/v%水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、沈殿物をろ過にて回収し、80v/v%エタノール水溶液50mLで3回洗浄した。得られた沈殿物を60℃で真空乾燥させて、下記一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体を0.48g得た。
Figure 0007229412000007

[一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。]
試験例1で製造したヒアルロン酸誘導体は、Rが炭素数12又は13のアルキル基であり、nは1~50の整数である。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質としてMCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC及びMCTをそれぞれ0.1質量%及び0.5質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体0.5mgがPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例1)。また、エタノール溶液中にPCを含まないこと以外は実施例1と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例1)。
<粒子径の評価>
実施例1及び比較例1の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表1に示す。なお、本実施例において、リン脂質含有量、塩類含有量、内包物質含有量及びヒアルロン酸誘導体含有量は、処方から計算した値であり、かつ脂質ナノ粒子全量を基準とする含有量である。ここで、PBSは、塩化ナトリウムを0.9質量%含有する。
Figure 0007229412000008
PCを使用せずに調製した脂質ナノ粒子(比較例1)の結果から、一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体自体の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)共に極めて低いことが分かる。
〔試験例2:ヒアルロン酸誘導体の乳化補助作用(pH7.4)の評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質としてMCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及びMCTをそれぞれ0.1質量%、0.2質量%及び0.5質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体5mgがPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例2)。また、PBS中にヒアルロン酸誘導体を含まないこと以外は、実施例2と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例2)。
<粒子径の評価>
実施例2及び比較例2の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表2に示す。
Figure 0007229412000009
リン脂質を主体とする脂質ナノ粒子に一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体を添加することで、乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)が顕著に上昇することが分かる。すなわち、一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体は乳化補助作用に優れていることが分かる。
〔試験例3:ヒアルロン酸誘導体の乳化補助作用(pH4.0)の評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質としてMCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及びMCTをそれぞれ0.125質量%、0.25質量%及び0.625質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体5mgが100mM酢酸緩衝液(pH4.0)5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例3)。また、100mM酢酸緩衝液中にヒアルロン酸誘導体を含まないこと以外は、実施例3と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例3)。
<粒子径の評価>
実施例3及び比較例3の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び常温1日保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表3に示す。ここで、100mM酢酸緩衝液は、酢酸ナトリウムを0.18質量%含有する。
Figure 0007229412000010
試験例2と同様、pHが異なる場合であっても、リン脂質を主体とする脂質ナノ粒子に一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体を添加することで、乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)が顕著に上昇することが分かる。
〔試験例4:ヒアルロン酸誘導体の乳化補助作用(凍結融解耐性)の評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質としてMCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及びMCTをそれぞれ0.125質量%、0.25質量%及び0.625質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体5mgがPBS5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例4)。また、PBS中にヒアルロン酸誘導体を含まないこと以外は、実施例4と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例4)。
<粒子径の評価>
実施例3及び比較例3の脂質ナノ粒子を凍結融解した。すなわち、各脂質ナノ粒子を-40℃に冷却して急速冷凍した後に、常温で解凍した。次いで、実施例3及び比較例3の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び凍結融解後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0007229412000011
リン脂質を主体とする脂質ナノ粒子に一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体を添加することで、凍結融解の際の乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)が顕著に上昇することが分かる。なお、分解し易い医薬品は凍結保存されるのが通常であるが、リン脂質を主体とする脂質ナノ粒子では凍結保存は難しい。一方、本発明に係る脂質ナノ粒子は、凍結保存も可能である。
〔試験例5:ヒアルロン酸誘導体のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
(ヒアルロン酸誘導体A)
ヒアルロン酸誘導体Aは、試験例1と同様の方法で製造した。ヒアルロン酸誘導体Aは、原料のヒアルロン酸の平均分子量8,000であり、一般式(1)中のRが炭素数12又は13のアルキル基である。
(ヒアルロン酸誘導体B)
12~13アルキルグリシジルエーテルに代えてC18アルキルグリシジルエーテルを使用したこと以外は、試験例1と同様の方法により、ヒアルロン酸誘導体Bを製造した。ヒアルロン酸誘導体Bは、原料のヒアルロン酸の平均分子量8,000であり、一般式(1)中のRが炭素数18のアルキル基である。
(ヒアルロン酸誘導体C)
ヒアルロン酸(平均分子量8,000、キユーピー株式会社製)に代えて高分子ヒアルロン酸(平均分子量100,000、キユーピー株式会社製)を使用したこと以外は、試験例1と同様の方法により、ヒアルロン酸誘導体Cを得た。ヒアルロン酸誘導体Cは、原料のヒアルロン酸の平均分子量100,000であり、一般式(1)中のRが炭素数12又は13のアルキル基である。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質としてMCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及びMCTをそれぞれ0.1質量%、0.2質量%及び0.5質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。
ヒアルロン酸誘導体A5mgをPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例7)。また、ヒアルロン酸誘導体A5mgに代えてヒアルロン酸(平均分子量8,000、キユーピー株式会社製)2.5mg及びヒアルロン酸誘導体A2.5mgを使用したこと以外は、実施例7と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例6)。さらに、ヒアルロン酸誘導体A5mgに代えてヒアルロン酸(平均分子量8,000、キユーピー株式会社製)4mg及びヒアルロン酸誘導体A1mgを使用したこと以外は、実施例7と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例5)。さらにまた、ヒアルロン酸誘導体A5mgに代えてヒアルロン酸(平均分子量8,000、キユーピー株式会社製)5mgを使用したこと以外は、実施例7と同様の方法により、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例5)。比較例5、実施例5、実施例6及び実施例7は、ヒアルロン酸誘導体Aの修飾率をそれぞれ0%、1%、2.5%及び5%に変更した場合に相当する。なお、ヒアルロン酸誘導体A、ヒアルロン酸誘導体B及びヒアルロン酸誘導体Cの修飾率は、H-NMRスペクトル解析により測定した。
ヒアルロン酸誘導体B5mg又はヒアルロン酸誘導体C5mgをPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、MCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例8及び9)。
<粒子径の評価>
比較例5、及び実施例5~9の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び常温1日保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表5に示す。
Figure 0007229412000012
表5に示すとおり、原料のヒアルロン酸の平均分子量、一般式(1)中のR で示されるアルキル基の炭素数、又は修飾率を変化させた場合であっても、リン脂質を主体とする脂質ナノ粒子に一般式(1)で表されるヒアルロン酸誘導体を添加することで、乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)が顕著に上昇することが分かる。

〔試験例6:内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質(MCT、CHE又はOA)を内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及び難水溶性物質(MCT)をそれぞれ0.1質量%、0.2質量%及び0.5質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体5mgをPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、難水溶性物質(MCT)を内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例10)。PC及び難水溶性物質(CHE又はOA)をそれぞれ0.1質量%及び0.5質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体5mgをPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、難水溶性物質(CHE又はOA)を内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例11及び12)。
<粒子径の評価>
実施例10~12の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表6に示す。
Figure 0007229412000013
表6に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、様々な難水溶性物質(MCT、CHE又はOA)を可溶化でき、またその際の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)に優れていることが分かる。
〔試験例7:内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、核酸脂質複合体を内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、CH及びオレイルアミンをそれぞれ0.25質量%、0.5質量%及び1.25質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。サケ精巣由来デオキシリボ核酸1mg及びヒアルロン酸誘導体1.2mgが100mM酢酸緩衝液(pH1.5)9mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液1mLを滴下し、核酸脂質複合体を内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例13)。
<粒子径及び核酸内包率の評価>
実施例13の脂質ナノ粒子の粒子径及び核酸内包率を調製直後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。核酸内包率は以下の方法で測定した。限外ろ過膜(商品名:ビバスピン20,ザルトリウス製,分画分子量100KDa)に調製した脂質ナノ粒子を通液し、ろ過された外水相を測定サンプルとした。測定サンプルは0.1~0.001mg/mLに調製した定量用DNA溶液と共に分光光度計(島津製作所製)にて260nmの吸収波長を測定し、DNA濃度を定量した。以下の式によって、核酸内包率を算出した。ここで、全DNA濃度は、使用したサケ精巣由来デオキシリボ核酸全量に対応する濃度であり、0.1mg/mLである。
核酸内包率=(全DNA濃度-外水相DNA濃度)/全DNA濃度
結果を表7に示す。
Figure 0007229412000014
表7に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、核酸脂質複合体(カチオン性脂質であるオレイルアミンと核酸の複合体)を高い効率で可溶化でき(核酸内包率70.3%)、またその際の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)に優れていること分かる。
〔試験例8:内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、CsAを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC及びCsAをそれぞれ10質量%及び1質量%になるようにエタノールに溶解してエタノール溶液を得た。ヒアルロン酸誘導体250mgをPBS4.5mLに溶解した溶液を激しく撹拌しながらエタノール溶液0.5mLを滴下し、CsAを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例14)。また、PBS中にヒアルロン酸誘導体を含まないこと以外は、実施例14と同様の方法により、CsAを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例6)。
<粒子径及び外観の評価>
実施例14及び比較例6の脂質ナノ粒子の粒子径及び外観を調製直後に測定及び観察した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。外観は、目視にて観察した。結果を表8に示す。
Figure 0007229412000015
表8に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、様々な難水溶性物質(本試験例では、CsA)を可溶化でき、またその際の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)に優れていることが分かる。また、ヒアルロン酸誘導体は、5質量%であっても問題なく配合できることが確認できる。
〔試験例9:内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質(CsA又はTac)を内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PC、難水溶性物質(CsA又はTac)及びエタノールを混和し、60℃に加温して油相とした。ヒアルロン酸誘導体をPBSに溶解し、水相とした。60℃に加温した水相を撹拌しながら油相を滴下し、5分間粗乳化を行った。粗乳化物を高圧乳化機(マイクロフルイダイザー,マイクロフルイディクス社製)にて150MPaで10回処理し、難水溶性物質(CsA又はTac)を内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例15~17)。なお、内包物質は難水溶性であるため、外相中には存在せず、懸濁液中に存在する内包物質は、いずれも脂質ナノ粒子に可溶化しているといえる。
<粒子径、外観及び懸濁液中の内包物質含有量の評価>
実施例15~17の脂質ナノ粒子の粒子径、外観及び難水溶性物質(CsA又はTac)の懸濁液中の内包物質含有量を調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。外観は、目視にて観察した。懸濁液中の内包物質含有量は、高速液体クロマトグラフィー(日本ウォーターズ社製)により測定した。具体的には、使用カラムはWaters Eclipse XDB-C18(4.6×150mm、5μm)、移動相はアセトニトリル:水:トリフルオロ酢酸=75:25:0.2、検出方法はUV(210nm)であり、CsA測定時の流速は1.2mL/min、温度60℃、Tac測定時の流速は1.0mL/min、温度40℃とし、懸濁液中のCsA及びTacの含有量をそれぞれ定量した。結果を表9に示す。
Figure 0007229412000016
表9に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、様々な難水溶性物質(CsA又はTac)を可溶化でき、またその際の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)に優れていることが分かる。
〔試験例10:リン脂質及び内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質(LCT)を内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PL及びLCTを混和し、60℃に加温して油相とした。ヒアルロン酸誘導体をPBSに溶解し、水相とした。60℃に加温した水相を撹拌しながら油相を滴下し、5分間粗乳化を行った。粗乳化物を高圧乳化機(マイクロフルイダイザー,マイクロフルイディクス社製)にて150MPaで5回処理し、LCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例18~19)。また、油相中にPLを含まないこと以外は、実施例18及び19と同様の方法により、LCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例7)。さらに、水相中にヒアルロン酸誘導体を含まないこと以外は、実施例18及び19と同様の方法により、LCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(比較例8)。
<粒子径の評価>
比較例7~8及び実施例18~19で調製した脂質ナノ粒子の懸濁液をそれぞれバイアル瓶に10mL量り取り、塩化ナトリウム90mgを加えた後に密閉し、40℃にて保存した。粒子径を、調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表10に示す。
Figure 0007229412000017
リン脂質単体(比較例8)又はヒアルロン酸誘導体単体(比較例7)で難水溶性物質(LCT)を可溶化した場合の乳化安定性は極めて低い一方、リン脂質とヒアルロン酸誘導体を併用することで著しい乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)の向上が認められる(実施例18及び実施例19)。
〔試験例11:内包する物質のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
ヒアルロン酸誘導体は、試験例1と同様の方法で製造した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、難水溶性物質(MCT及びRD、又はMCT及びNP)を内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PL、MCT、難水溶性物質である薬物(RD又はNP)、及び有機溶媒(エタノール又はジメチルホルムアミド(DMF))を混和し、60℃に加温して油相とした。ヒアルロン酸誘導体を純水又は純水に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えたものに溶解し、水相とした。60℃に加温した水相を撹拌しながら油相を滴下し、5分間粗乳化を行った。粗乳化物を高圧乳化機(マイクロフルイダイザー,マイクロフルイディクス社製)にて150MPaで5回処理し、難水溶性物質(MCT及びRD、又はMCT及びNP)を内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例20~22)。
<粒子径の評価>
実施例20~22の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表11に示す。ここで、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液は、水酸化ナトリウムを0.4質量%含有する。
Figure 0007229412000018
表11に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、様々な難水溶性物質(MCT及びRD、又はMCT及びNP)を可溶化でき、またその際の乳化力(より小さい粒子を生成する能力)に優れていることが分かる。
〔試験例12:ヒアルロン酸誘導体のバリエーション評価〕
<ヒアルロン酸誘導体の製造>
80℃水浴上での反応時間を8時間より延長したこと以外は、試験例5のヒアルロン酸誘導体Aと同様の方法により、修飾率が高いヒアルロン酸誘導体を得た。なお、得られたヒアルロン酸誘導体の修飾率は、H-NMRスペクトル解析により測定した。
<脂質ナノ粒子の製造>
以下の方法により、LCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した。
PL及びLCTを混和し、60℃に加温して油相とした。ヒアルロン酸誘導体をPBSに溶解(懸濁)し、水相とした。60℃に加温した水相を撹拌しながら油相を滴下し、5分間粗乳化を行った。粗乳化物を高圧乳化機(マイクロフルイダイザー,マイクロフルイディクス社製)にて150MPaで5回処理し、LCTを内包する脂質ナノ粒子を調製した(実施例23)。
<粒子径の評価>
実施例23の脂質ナノ粒子の粒子径を調製直後及び40℃1週間保存後に測定した。粒子径は、粒子径測定装置(ゼータサイザーナノ,マルバーン・パナリティカル株式会社製)を使用して動的光散乱法にて測定した。結果を表12に示す。
Figure 0007229412000019
表12に示すとおり、本発明に係る脂質ナノ粒子は、ヒアルロン酸誘導体の修飾率を変えた場合でも、乳化力(より小さい粒子を生成する能力)、及び乳化安定性(保存中の粒子径増大を抑える能力)に優れていることが分かる。

Claims (8)

  1. 脂質ナノ粒子の製造方法であって、
    ヒアルロン酸誘導体を水系溶媒に溶解して水相を形成する工程、
    リン脂質を有機溶媒に溶解して油相を形成する工程、及び
    前記水相の中に前記油相を滴下しつつ分散する工程を備え、
    前記ヒアルロン酸誘導体が下記一般式(1)で表される、製造方法。
    Figure 0007229412000020

    [一般式(1)中、R、R、R、R及びRは、それぞれ独立にヒドロキシ基又は-O-CH-CH(OH)-CH-ORで表される基を示す。Rは、直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。nは、1以上2500以下の整数を示す。但し、R、R、R、R及びRが全てヒドロキシ基である場合を除く。]
  2. 前記分散する工程で得られた分散液を高圧乳化処理する工程を更に備える、請求項に記載の製造方法。
  3. 前記リン脂質が、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファジチルグリセロール、ホスファチジルイノシトール及びスフィンゴミエリン、並びにこれら2種以上の混合物からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記R が、炭素数8以上22以下の直鎖状のアルキル基である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 前記ヒアルロン酸誘導体の修飾率が0.1%以上50%以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  6. 前記脂質ナノ粒子は、少なくとも前記ヒアルロン酸誘導体、及び前記リン脂質から構成される外殻に内包される物質を更に含有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  7. 前記物質が、難水溶性物質である、請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記物質が、難水溶性薬物、核酸とカチオン性脂質の複合体、及び油、並びにこれら2種以上の混合物からなる群より選択される、請求項6に記載の製造方法。
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