JP7228481B2 - デジタル放送送信装置及びデジタル放送送信システム - Google Patents
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Description
偏波MIMOとは,水平(H)と垂直(V)の両方の偏波を同時に利用し,それぞれの偏波で異なる信号を伝送することにより,伝送できる情報量を2倍とする技術である。
H偏波のIF信号は、H偏波送信用の送信機に入力され、V偏波のIF信号は、V偏波送信用の送信機に入力される。
そこで、地上デジタル放送用送信設備において、系統の冗長化を検討することが必要となる。
装置コストが高くなってしまうとともに、装置の設置面積も増大してしまうと言う問題点があった。
図1は、第1実施形態のデジタル放送送信システムの概要構成ブロック図である。
図1中においては、送信機をTXと表記する。
デジタル放送送信システム10は、変調器11、中間周波数(IF)切替器12、H偏波送信機13、H/V偏波共用送信機14、V偏波送信機15、切替器16、アンテナ17、ダミー負荷18、切替器19、アンテナ20及びコントローラ21を備えている。
H偏波送信機13は、入力されたIF信号(H偏波)SHIを増幅して増幅IF信号(H偏波)ASHIとして切替器19に出力する。
切替器16は、切替制御信号CSW2に基づいて、V偏波送信機15の出力した増幅IF信号(V偏波)ASVIあるいは切替器19の出力のいずれか一方をV偏波送信用のアンテナ17に出力して送信し、あるいは、ダミー負荷18に出力する。
具体的には、コントローラ21は、H偏波送信機13の出力である増幅IF信号(H偏波)ASHIに対応する検知信号SD3に基づいてH偏波送信機13の動作状態を監視するとともに、制御信号CC1を出力してH偏波送信機13を制御する。
H偏波送信機13、H/V偏波共用送信機14及びV偏波送信機15は、送信機としては同様の構成であるので、ここでは、H偏波送信機13を例として説明する。
H偏波送信機13は、大別すると、励振器31、分配器32、n個(nは、2以上の整数)の並列接続された電力増幅器(図2中、PAと表記)33-1~33-n、合成器34及びフィルタ35を備えている。以下の説明においては、電力増幅器33-1~33-nを識別する必要がない場合には、電力増幅器33と表記するものとする。
分配器32は、入力された高周波(RF)信号をn個に分配して、電力増幅器33-1~33-nにそれぞれ出力する。このとき、コントローラ21は、制御信号CC1を出力して、電力増幅器33-1~33-nのうち所望の増幅率に相当するm個(m:1~n)の電力増幅器33を動作状態(増幅状態)として増幅動作を行わせ、それらの出力信号を合成器34に出力させる。
フィルタ35は、入力された高周波(RF)信号のフィルタリングを行って高周波(RF)信号[H偏波]ASHIとして切替器19に出力する。
切替器16は、V偏波送信機15が接続された第1入力端子Ti1と、切替器19の第1出力端子To11が接続された第2入力端子Ti2と、アンテナ(V偏波)17側に接続された第1出力端子To1及びダミー負荷18側に接続された第2出力端子To2を備え、コントローラ21からの切替制御信号CSW2により切替がなされる。
まず、コントローラ21は、H偏波送信機13の出力である増幅IF信号(H偏波)ASHIに対応する検知信号SD3に基づいて、増幅IF信号(H偏波)ASHIの位相を検出する。
このように制御を行うことで、H偏波送信機13とH/V偏波共用送信機14とを無停波で切り替える事が可能となる。
以上の説明は、切替器19の場合を例として説明したが、切替器16の場合には、切替器19における検知信号SD2及び検知信号SD3に代えて、切替器19の第1出力端子To11の出力信号(H偏波送信機13あるいはH/V偏波共用送信機14の出力信号)に対応する検知信号及びV偏波送信機15の出力である増幅IF信号(V偏波)ASVIに対応する検知信号SD1に基づいてコントローラ21が制御を行うことで、H/V偏波共用送信機14とV偏波送信機15とを無停波で切り替える事が可能となる。
以下の説明においては、通常時には、H偏波送信機13及びV偏波送信機15を用い、H偏波送信機13あるいはV偏波送信機15のいずれか一方のメンテナンス時あるいは故障時にH/V偏波共用送信機14を用いる場合を例として説明するが、これに限られるものではない。
通常時においては、コントローラ21は、切替制御信号CSW2により、切替器16の入力をV偏波送信機15側とし、出力をアンテナ17側とする。
合成器34は、動作状態にあるm個の電力増幅器33の出力を合成して、増幅IF信号(H偏波)ASHIとして切替器19の第2入力端子Ti12に出力する。
これにより電力増幅器33-1~33-nのうち、コントローラ21が出力した制御信号CC3に基づいて動作対象とされたm個の電力増幅器33は、増幅動作を行い、出力信号をそれぞれ合成器34に出力する。
次にH偏波送信機13あるいはV偏波送信機15のいずれかが故障した場合の動作について説明する。
同様に、コントローラ21は、切替制御信号CSW3により、切替器19を制御し、第1入力端子Ti11側を第1出力端子To11側に接続する。
この結果、H/V偏波共用送信機14には、IF信号(V偏波)SVIが入力されることとなる。
すなわち、切替器19は、H/V偏波共用送信機14の合成器34の出力である増幅IF信号(V偏波)ASVIを切替器16に送出させる。
送信機メンテナンス時には、メンテナンス対象の送信機(H偏波送信機13、H/V偏波共用送信機14あるいはV偏波送信機15のいずれか)を切替器16及び切替器19のうち必要な切替器を介して当該メンテナンス対象の送信機をダミー負荷18に接続して、メンテナンスを行うことが可能である。
以上の説明のように、本第1実施形態によれば、H偏波及びV偏波のいずれも送信可能なH/V偏波共用送信機14を冗長構成として追加し、H偏波送信機13あるいはV偏波送信機15が故障した場合には、当該故障した送信機に代えてH/V偏波共用送信機14を対応するアンテナに接続して動作させることにより、装置コスト及び装置設置面積の増大を抑制しつつ、故障した送信機による送信中断等の影響を低減することが可能となる。
図3は、第2実施形態のデジタル放送送信システムの概要構成ブロック図である。
図3において、図1と同様の部分には、同一の符号を付すものとする。
デジタル放送送信システム10Aは、大別すると、変調器11、IF切替器12と同様の機能を有するIF切替器51~53、H/V偏波共用送信機14と同様の機能を有する送信機54~56、切替器57、58、60、ダミー負荷59、アンテナ17及びアンテナ20を備えている。
本第2実施形態のデジタル放送システム10Aの詳細動作は、第1実施形態と同様であるので、理解の容易のため、概要動作を説明する。
(1)送信機54をH偏波送信機として機能させ、送信機55をV偏波送信機として機能させ、送信機56を冗長用の送信機送信機として機能させる組合せ。
(2)送信機54をV偏波送信機として機能させ、送信機55をH偏波送信機として機能させ、送信機56を冗長用の送信機として機能させる組合せ。
(3)送信機54をH偏波送信機として機能させ、送信機55を冗長用の送信機として機能させ、送信機56をV偏波送信機として機能させる組合せ。
(4)送信機54をV偏波送信機として機能させ、送信機55を冗長用の送信機として機能させ、送信機56をH偏波送信機として機能させる組合せ。
(5)送信機54を冗長用の送信機として機能させ、送信機55をH偏波送信機として機能させ、送信機56をV偏波送信機として機能させる組合せ。
(6)送信機54を冗長用の送信機として機能させ、送信機55をV偏波送信機として機能させ、送信機56をH偏波送信機として機能させる組合せ。
(2)~(6)の場合も同様である。
さらにメンテナンス時には、メンテナンス対象の送信機に代えて、冗長用の送信機を故障した送信機が接続されていたアンテナに接続し、メンテナンス対象の送信機を切替器58を介してダミー負荷59に接続するようにすればよい。
以上の説明のように、本第2実施形態によれば、第1実施形態の効果と同様の効果に加えて、デジタル放送送信システムの長期運用を図ることが可能となる。
以上の説明においては、変調器11については、冗長化構成の対象としていなかったが、変調器11についても冗長化構成を採ることが可能である。
このような構成を採ることにより、より一層の信頼性の向上が図れる。
また、本実施形態のデジタル放送送信システムのコントローラ21のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
11 変調器
12 中間周波数(IF)切替器(接続切替装置)
13 H偏波送信機(第1送信機)
14 H/V偏波共用送信機(第3送信機)
15 V偏波送信機(第2送信機)
16 切替器(接続切替装置)
17 アンテナ(垂直偏波送信用アンテナ)
18 ダミー負荷
19 切替器(接続切替装置)
20 アンテナ(水平偏波送信用アンテナ)
21 コントローラ(制御部)
31 励振器
32 分配器
33-1~33-n 電力増幅器
34 合成器
35 フィルタ
51~53 中間周波数(IF)切替器(接続切替装置)
54 送信機(第1送信機~第3送信機)
55 送信機(第1送信機~第3送信機)
56 送信機(第1送信機~第3送信機)
57、58、60 切替器(接続切替装置)
59 ダミー負荷
Claims (5)
- 偏波MIMOを用いてデジタル放送を行うデジタル放送送信装置であって、
水平偏波を用いて送信を行う第1送信機と、
垂直偏波を用いて送信を行う第2送信機と、
水平偏波あるいは垂直偏波を用いて送信を行う第3送信機と、
切替制御信号に基づいて、前記第1送信機を水平偏波送信用アンテナに接続可能であり、前記第2送信機を垂直偏波送信用アンテナに接続可能であり、前記第3送信機を前記水平偏波送信用アンテナあるいは前記垂直偏波送信用アンテナに接続可能な接続切替装置と、
前記第1送信機あるいは前記第2送信機のいずれかを対象として当該対象となる送信機に代えて前記第3送信機を用いることが必要となった場合に、前記切替制御信号により前記接続切替装置を制御して、前記第3送信機を前記水平偏波送信用アンテナあるいは前記垂直偏波送信用アンテナのうち、前記対象の送信機が接続されていた送信用アンテナに接続して、前記対象の送信機と同じ偏波を用いて動作させる制御部と、を備え、
前記第1送信機は、垂直偏波を用いて送信を行うことも可能な送信機として構成され、
前記第2送信機は、水平偏波を用いて送信を行うことも可能な送信機として構成されており、
前記接続切替装置は、切替制御信号に基づいて、前記第1送信機及び前記第2送信機を前記水平偏波送信用アンテナ及び前記垂直偏波送信用アンテナに排他的に接続可能とされており、
前記第1送信機、前記第2送信機及び前記第3送信機のうち、何れか一つの送信機を前記水平偏波を用いて送信を行う送信機として機能させ、何れか他の一つの送信機を前記垂直偏波を用いて送信を行う送信機として機能させ、何れか残りの一つの送信機を冗長用の送信機として機能させる、
デジタル放送送信装置。 - 前記第1送信機あるいは前記第2送信機のいずれかを対象として当該対象となる送信機に代えて前記第3送信機を用いることが必要となった場合とは、当該対象となる送信機が故障した場合あるいは当該対象となる送信機のメンテナンスが必要な場合である、
請求項1に記載のデジタル放送送信装置。 - 前記第1送信機、前記第2送信機及び前記第3送信機は、入力された中間周波数偏波信号の周波数を高周波に周波数変換して出力する励振器と、
前記励振器の出力信号をn個に分配する分配器と、
前記分配された前記周波数変換された中間周波数偏波信号がそれぞれ入力され、電力増幅を行って出力するn個の電力増幅器と、
前記n個の電力増幅器の出力を合成する合成器と、
を備えた請求項1又は請求項2に記載のデジタル放送送信装置。 - 水平偏波を用いて送信を行う第1送信機と、垂直偏波を用いて送信を行う第2送信機と、水平偏波あるいは垂直偏波を用いて送信を行う第3送信機と、切替制御信号に基づいて、前記第1送信機を水平偏波送信用アンテナに接続可能であり、前記第2送信機を垂直偏波送信用アンテナに接続可能であり、前記第3送信機を前記水平偏波送信用アンテナあるいは前記垂直偏波送信用アンテナに接続可能な接続切替装置と、前記第1送信機あるいは前記第2送信機のいずれかを対象として当該対象となる送信機に代えて前記第3送信機を用いることが必要となった場合に、前記切替制御信号により前記接続切替装置を制御して、前記第3送信機を前記水平偏波送信用アンテナあるいは前記垂直偏波送信用アンテナのうち、前記対象の送信機が接続されていた送信用アンテナに接続して、前記対象の送信機と同じ偏波を用いて動作させる制御部と、を備えたデジタル放送送信装置と、
放送対象の信号に基づいて変調を行い、中間周波数水平偏波信号を生成して前記水平偏波を用いて送信を行う送信機に出力し、中間周波数垂直偏波信号を生成して前記垂直偏波を用いて送信を行う送信機に出力する変調器と、を備え、
前記第1送信機は、垂直偏波を用いて送信を行うことも可能な送信機として構成され、
前記第2送信機は、水平偏波を用いて送信を行うことも可能な送信機として構成されており、
前記第1送信機、前記第2送信機及び前記第3送信機のうち、何れか一つの送信機を前記水平偏波を用いて送信を行う送信機として機能させ、何れか他の一つの送信機を前記垂直偏波を用いて送信を行う送信機として機能させ、何れか残りの一つの送信機を冗長用の送信機として機能させる、
デジタル放送送信システム。 - 前記変調器を複数備え、いずれか一の変調器により前記中間周波数水平偏波信号及び前記中間周波数垂直偏波信号を出力し、他の変調器を冗長用の変調器として用いる、
請求項4に記載のデジタル放送送信システム。
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