JP7227469B2 - 垂直共振器面発光レーザ素子 - Google Patents

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Description

本開示は、垂直共振器面発光レーザ素子に関する。
従来から、窒化物半導体を用いて、垂直共振器型面発光レーザとして機能するレーザ素子の研究が進められており、例えば、半導体積層体に段差を形成することにより電流狭窄を行う構造が提案されている(特許文献1等参照)。
GaN系の半導体積層体を有する面発光レーザ素子のp型半導体層への電流狭窄構造としては、例えば、p型半導体層の表面に開口を有する絶縁膜を形成し、その開口において露出したp型半導体層の表面にITOなどの透明電極を形成する構造が挙げられる。絶縁膜の開口においてp型半導体層と透明電極とが接触している部分が面発光レーザ素子の電流注入領域である。そして、透明電極の半導体層とは反対側の面には、誘電体多層膜からなる光反射層が絶縁膜の開口の内部から外部にかけて設けられている。すなわち、誘電体多層膜は段差のある領域に設けられている。
特開2015-035541号公報
しかし、そのような面発光レーザ素子では、段差の凹の部分が電流注入領域であるため、誘電体多層膜は、層を重ねるほど段差の影響を受けた段差領域が電流注入領域の中央部に近づく。誘電体多層膜の反射率は平坦な領域と段差領域とでは異なっている。このため、そのような面発光レーザ素子では、発振するレーザ光の形状を制御し難いという課題がある。
本開示は、上記課題に鑑みなされたものであり、発振するレーザ光の形状を安定化することができる垂直共振器面発光レーザ素子を提供することを目的とする。
本開示の一の態様における垂直共振器面発光レーザ素子は、第1光反射膜の上面に、n側半導体層、活性層及び凸部を有するp側半導体層がこの順に積層された窒化物半導体の積層体と、
前記凸部の上面に接触し、前記凸部の周囲の表面に延長する透光性のp電極と、
前記凸部の上方から側方まで延長し、前記p電極の上に配置され、誘電体積層膜を含む第2光反射膜と、
前記凸部の上面と離間し、少なくとも前記p側半導体層の前記凸部の周囲の表面の一部を被覆する絶縁膜を備える。
上記の一態様の垂直共振器面発光レーザ素子によれば、発振するレーザ光の形状を安定化することができる。
本発明の一実施形態の垂直共振器面発光レーザ素子の構造を説明するための要部の概略平面図である。 図1AのIB-IB線の概略断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の電流狭窄構造における積層構造を示す要部の概略断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の変形例を示す要部の概略断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法を説明するための概略平面図である。 図3AのIIIB-IIIB線の概略断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法を説明するための概略平面図である。 図4AのIVB-IVB線の概略断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法を説明するための概略平面図である。 図5AのVB-VB線の概略断面図である。 図2の垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法を説明するための概略縦断面図である。 図2の垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法を説明するための概略縦断面図である。 図1Aの垂直共振器面発光レーザ素子の上方からの近視野像を示す写真である。 変形例の垂直共振器面発光レーザ素子の要部を示す概略断面図である。
以下、本開示の実施の形態について適宜図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施の形態は、本開示の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本開示を以下のものに限定しない。また、一の実施の形態、実施例において説明する内容は、他の実施の形態、実施例にも適用可能である。各図面が示す部材の大きさ、厚み、位置関係等は、説明を明確にするため、誇張していることがある。
本発明の一実施形態の垂直共振器面発光レーザ素子は、図1A及び1Bに示すように、第1光反射膜1と、窒化物半導体の積層体5と、透光性のp電極6と、第2光反射膜8と、絶縁膜7を備える。積層体5は、第1光反射膜1の上面に配置されており、n側半導体層2、活性層3及び凸部4aを有するp側半導体層4がこの順に積層されている。p電極6は、凸部4aの上面に接触し、凸部4aの周囲の表面に延長する。第2光反射膜8は、凸部4aの上方から側方まで延長し、p電極6の上に配置され、誘電体積層膜を含む。絶縁膜7は、凸部4aの上面と離間し、少なくともp側半導体層4の凸部4aの周囲の表面の一部を被覆する。すなわち、絶縁膜7は凸部4aの上面には設けられていない。
このような構成を有する垂直共振器面発光レーザ素子とすることにより、p側半導体層の凸部の上面を電流注入領域として、第2光反射膜8のうち電流注入領域の直上に位置する部分を平坦にすることができる。これにより、電流注入領域の直上において第2光反射膜8による散乱による光のロスを低減することができる。その結果、垂直共振器面レーザ素子から発振するレーザ光の形状を安定化することができる。また、垂直共振器面発光レーザ素子の閾値電流の低下を図ることが可能となる。なお、本明細書において、n側半導体層2からp側半導体層4に向かう方向を上方という。図において上下が逆転した場合であっても、n側半導体層2からp側半導体層4に向かう方向を上方として説明する。
(窒化物半導体の積層体)
窒化物半導体の積層体5は、例えば、GaN系半導体からなるn側半導体層2、GaN系半導体からなる活性層3、GaN系半導体からなるp側半導体層4が、第1光反射膜1上にこの順に積層されて構成されている。GaN系半導体としては、例えば、AlGaN、GaN、InGaNが挙げられる。
n側半導体層2は、単層又は多層であり、n型不純物、例えば、Si等をドープしたn型層を1層以上有する。活性層3は、例えば、InGaNよりなる量子井戸層と、GaNよりなる障壁層とを交互に積層した積層体である。積層数は所望の特性により適宜設定することができる。p側半導体層4は、p側光ガイド層と、その上に配置されたp側コンタクト層を有することができる。p側コンタクト層は、p型不純物、例えば、Mg等がドープされた層である。p側光ガイド層は、p型不純物を、p側コンタクト層よりもp型不純物を低濃度でドープした層又はアンドープの層とすることができる。この場合、p側コンタクト層はp側半導体層4の最上層とする。
n側半導体層2、活性層3及びp側半導体層4の各厚みは、適宜設定することができる。後述する第1光反射膜1の上面から第2光反射膜8の下面までの全膜厚をλ/2nの整数倍とし、その間に定在波が生じるように設定する。そして、定在波の最も強い部分が活性層3に、定在波の最も弱い部分が、後述する透光性のp電極6に位置するように配置する。
窒化物半導体層の積層体5は、p側半導体層4の上面に凸部4aを有する。この凸部4aの上面が電流注入領域として機能する。電流注入領域の直下が発光部となる。凸部4aの平面視形状としては、円形、楕円形、多角形等の形状が挙げられるが、窒化物半導体の積層体5により均一な電流を注入することを考慮して、円形であるものが好ましい。凸部4aの上面の大きさは、例えば、直径又は一辺の長さ3μm~12μmが挙げられる。凸部4aの側面は、凸部4aの上面に対して垂直でもよく、傾斜していてもよい。例えば、凸部4aは錐台形状とすることができる。凸部4aの高さは、例えば、十数nm~数百nmが挙げられ、50nm~200nmとすることができる。
このように、p側半導体層4の上面に凸部4aを形成することにより発光部を規定することができる。また、凸部4aを形成することにより共振器部分とその周辺部とで屈折率差を与えることができ、横方向の光閉じ込めが可能となる。
凸部4aは上方に突出している。凸部4aは、p側半導体層のなかでも、p型不純物を最も高濃度にドープしたp側コンタクト層によって上面が形成されていることが好ましい。p側コンタクト層のみによって凸部4a全体が形成されていてもよいが、高濃度にドープするp側コンタクト層は比較的薄膜で形成することが好ましく、一方で凸部4aを安定して形成するためには凸部4aの高さはある程度高いことが好ましい。このため、凸部4aはp側コンタクト層よりもp型不純物が低濃度にドープされた又はアンドープの層を有することが好ましい。凸部4aの周囲に位置するp側半導体層4の表面には、このような低濃度ドープ又はアンドープの層が配置していることが好ましい。この場合、凸部4aの下方にも、その低濃度ドープ又はアンドープの層が配置されている。このような低濃度ドープ又はアンドープの層は、例えばp側光ガイド層である。言い換えると、凸部4aの上面を構成する層のp型不純物濃度は、凸部4aの周囲の表面を構成する層のp型不純物濃度よりも高いことが好ましい。これにより、凸部4aの上面は、透光性のp電極6とコンタクトをとることができる。また、凸部4aの周囲の表面がp電極6と接触していても、その部分には電流が実質的に注入されないようにすることができる。したがって、電流を実質的に凸部4aの上面のみから、効率的に注入することができる。凸部4aの周囲の表面を構成する層のp型不純物濃度は、例えば1×1017cm-3~1×1019cm-3とすることができ、凸部4aの上面を構成する層のp型不純物濃度は、例えば1×1020cm-3~5×1020cm-3とすることができる。凸部4aの周囲の表面を構成する層は、例えばp側光ガイド層である。凸部4aの上面を構成する層は、p側コンタクト層である。後述する第2光反射膜8を平坦に形成するために、凸部4aの上面は平坦な面であることが好ましい。
窒化物半導体層の積層体5は、上述した凸部4aの外周部分、つまり凸部4aの上面の側において、p側半導体層4及び活性層3が厚み方向に除去されて、n側半導体層2が一部露出していることが好ましい。これにより、レーザ素子に電流を供給するp電極及びn電極を積層体の同一面側に配置することができる。
窒化物半導体層の積層体5は、第1光反射膜1上に配置されている。第1光反射膜1は、例えば、半導体多層膜、誘電体多層膜を含んで構成される。屈折率が異なる2種以上の膜を交互に積層することにより、光反射膜を得ることができる。半導体多層膜としては、窒化物半導体層、例えば、AlGaInN化合物半導体が挙げられる。具体的には、GaN、AlGaN、GaInN、AlGaInNが挙げられる。なかでも、GaNと、それと格子整合するAlInNとの組み合わせが好ましい。誘電体積層膜としては、例えば、Si、Mg、Al、Hf、Nb、Zr、Sc、Ta、Ga、Zn、Y、B、Ti等の酸化物、窒化物又はフッ化物等が挙げられる。
第1光反射膜1は、意図する反射率を得るために、各層を構成する材料、膜厚、積層数等を適宜選択することができる。例えば、積層膜を構成する各層の厚さはλ/4n(但し、λはレーザの発振波長、nは各層を構成する媒質の屈折率である)であり、発振波長λ、発振波長λでの用いる材料の屈折率nによって適宜設定することができる。具体的には、λ/4nの奇数倍とすることが好ましい。例えば、発振波長λが410nmの発光素子において、第1光反射膜を、GaN/AlInNから構成する場合、各層の厚みは、40nm~70nmが挙げられる。積層膜の積層数は、意図する特性により適宜設定することができる。積層膜の積層数は、2層以上が挙げられ、例えば5層~100層とすることができる。第1光反射膜1の全体の厚みは、例えば、0.08μm~7μmとすることができる。
第1光反射膜1は、レーザ素子の発光部を覆う限り、大きさ及び形状は、適宜設計することができる。
第1光反射膜1及び窒化物半導体層の積層体5は、例えば、半導体成長用の基板11の上に形成することができ、当該分野で公知の方法によって形成することができる。凸部4aの形成及びn側半導体層2の一部露出は、窒化物半導体層の積層体5を形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチングなどの方法を利用すればよい。
(p電極6)
p電極6は、p側半導体層4の凸部4aから電流を注入するための電極であり、少なくとも凸部4aの上面に接触している電極である。p電極6は、凸部4aの側面まで延長していてもよいし、凸部4aの周囲のp側半導体層4の上面にまで延長していてもよい。例えば、p電極6は、凸部4aの上面から、凸部4aの側面を通って、凸部4a周囲のp側半導体層4上にまで配置されている。上述したように、凸部4aの上面がp型不純物を高濃度ドープしたp側コンタクト層によって形成されている場合には、少なくとも凸部4aの上面で、p電極6から電流を注入することができる。また、上述したように、凸部4aの周囲に位置するp側半導体層4の表面が、p型不純物を低濃度ドープした層によって形成されている場合には、p電極6はこの部分でショットキー接触となる。したがって、電流はp側コンタクト層のみから注入され、p電極6とp側半導体層4の間に絶縁膜を設けなくても電流狭窄が可能となる。
p電極6は、p側半導体層4にのみ接触しているかぎり、その平面積の大きさは特に限定されず、例えば、凸部4a上面の平面積よりも大きく、p側半導体層4の上面の外縁より内側にその外縁が配置する大きさとすることができる。
p電極6は、レーザ発振する波長域に対して透光性の材料から形成される導電部材である。透光性の材料としては、インジウム-錫酸化物(ITO、SnドープのIn23、結晶性及びアモルファスを含む)、インジウム-亜鉛酸化物(IZO)、IFO(FドープのIn23)、酸化錫(SnO2)、ATO(SbドープのSnO2)、FTO(FドープのSnO2)、酸化亜鉛(ZnO、AlドープのZnO、BドープのZnOを含む)、ガリウム酸化物、チタン酸化物、ニオブ酸化物、ニッケル酸化物等を母材とする透明導電材料が挙げられる。具体的にはITOが挙げられる。膜厚は薄いほうが、p電極6による光吸収を低減することができる一方、抵抗が上昇するため、これらのバランスを考慮して適宜調整することができる。p電極6の膜厚は、例えば、5nm~100nmが挙げられる。
(第2光反射膜8)
第2光反射膜8は、p電極6の上に配置され、凸部4aの上面から凸部4aの周囲の表面の少なくとも一部に配置されている。このような配置により、第2光反射膜8は、電流注入領域の直上において平坦に形成することができる。凸部4aの周囲の表面の少なくとも一部とは、例えば、凸部4aを取り囲む領域であって、凸部4aの直径又は一辺の長さの10%~50%程度大きくなる直径又は一辺の長さの領域が挙げられる。凸部4aの上面の面積は電流狭窄を行なうため小さいことが好ましいが、第2光反射膜8の平面積はある程度大きい方が形成しやすい。このため、第2光反射膜8は凸部4aの上面のみではなく凸部4aの周囲の表面の少なくとも一部を含む領域にまで設けられていることが好ましい。
第2光反射膜は、誘電体多層膜を含んで構成することができる。第2光反射膜は、上述した第1光反射膜1で例示した誘電体多層膜と同様の構成とすることができる。例えば、SiO2/Nb25、SiO2/Ta25、SiO2/Al23が挙げられる。各層の厚さはλ/4n(ここで、λはレーザの発振波長、nは各層を構成する媒質の屈折率である)である。積層数は意図する特性により適宜設定することができる。具体的には、第2光反射膜8を、SiO2/Nb23等から構成する場合、各層は、40nm~70nmが挙げられる。積層膜の積層数は、2層以上が挙げられ、例えば5層~20層とすることができる。第2光反射膜8の全体の厚みは、例えば、0.08μm~2.0μmが挙げられ、0.6μm~1.7μmとすることができる。
第2光反射膜8は、後述する絶縁膜7とは離間して配置されていることが好ましい。
(絶縁膜7)
絶縁膜7は、凸部4aの上面と離間して配置される。絶縁膜7は、少なくともp側半導体層4の凸部4aの周囲の表面の一部を被覆する。絶縁膜7の形成位置及び厚みは、凸部4aの上面の直上において第2光反射膜8が平坦であるように設定する。絶縁膜7は第2光反射膜8と離間して配置されることが好ましい。これにより、より確実に凸部4aの上面の直上において第2光反射膜8を平坦に配置することができる。また、図8に示すように、絶縁膜7の厚みを凸部4aの上面に達しない程度とし、絶縁膜7を、凸部4aの側面に接するが凸部4aの側面の一部のみ、例えば半分未満を被覆するように配置してもよい。このような配置であれば、凸部4aの上面の直上において第2光反射膜8を平坦とすることができ、且つ、絶縁膜7によってより確実に凸部4aの周囲のp側半導体層4への電流注入を防止することができる。また、絶縁膜7は、p側半導体層4のみならず、活性層3の側面と、露出したn側半導体層2の上面の一部を被覆してもよいし、さらに積層体5の側面を被覆してもよい。
絶縁膜7は、SiO2を含むSiOX系材料、SiN等のSiNY系材料、SiOXY系材料、Ta25、ZrO2、AlN、Al23、Ga23等の無機材料等によって形成することができる。絶縁膜を構成する材料は、積層体5を構成する材料よりも屈折率が小さいことが好ましい。
(その他の部材)
(パッド電極9p、n電極9n)
垂直共振器面発光レーザ素子10Aは、さらに、p側半導体層4の上に形成された透光性のp電極6に電気的に接続されたpパッド電極9pと、露出したn側半導体層2に電気的に接続されたn電極9nとが配置されていることが好ましい。
これらpパッド電極9p及びn電極9nは、当該分野において通常電極として用いられる導電性材料の何れによって形成してもよい。例えば、Ti/Pt/Au、Ti/Rh/Au等が挙げられる。パッド電極9pは、凸部4aの外周を取り囲む形状で配置することが好ましい。これにより、パッド電極9pからp電極6を介して、p側半導体層4により均一に電流を注入することができる。また、パッド電極9pは、第2光反射膜8と離間して配置することが好ましい。このように、pパッド電極9pが第2光反射膜8の直下に配置されないことにより、電流注入領域の直上における第2光反射膜8の平坦性をより確実に確保することができる。
n電極9n及びパッド電極9pは、同じ又は異なる材料にて単層構造で形成されていてもよいし、同じ材料によって、同じ積層構造で形成されていてもよいし、異なる材料で異なる積層構造で形成されていてもよい。n電極9n及びパッド電極9pを同じ材料によって同じ積層構造で形成する場合、n電極9n及びパッド電極9pを同一工程で形成することができる。
(基板11)
窒化物半導体の積層体5は、通常、半導体成長用基板の上に積層されることから、垂直共振器面発光レーザ素子は、半導体成長用の基板11を有していてもよい。第1光反射膜1が窒化物半導体から形成される場合は、基板11の上にまず第1光反射膜1を形成し、その上に積層体5を形成する。また、積層体5を形成した後に、積層体5から半導体成長用基板を除去し、除去によって露出した積層体5の表面に第1光反射膜1が形成されていてもよい。半導体成長用の基板11としては、例えば、窒化物半導体(GaN等)、サファイア、炭化珪素、シリコン等の基板が挙げられる。
(放熱基板12)
上述した垂直共振器面発光レーザ素子は、図2に示すように、放熱基板12に接合されていてもよい。放熱基板12としては、AlN等のセラミックス、炭化珪素等の半導体からなる半導体基板、金属単体基板又は2種以上の金属の複合体からなる金属基板等が挙げられる。例えば、絶縁性のAlNセラミックスを母材とし、その表面に複数の金属膜15が形成された基板を放熱基板12として用いることができる。金属膜15は、それぞれ、pパッド電極9p及びn電極9nと電気的に接続される。p電極とn電極が積層体5を挟んで配置されている場合や、第1光反射膜1の側を放熱基板12に接合する場合など、p電極とn電極の両方を放熱基板12に電気的に接続する必要がない場合は、放熱基板12として金属基板などの導電性の基板を用いてもよい。放熱基板12の膜厚は、例えば、50μm~500μm程度が挙げられる。
放熱基板12の形成方法は、当該分野で通常使用される方法を利用することができる。
(反射防止膜14)
上述した垂直共振器面発光レーザ素子は、第1光反射膜1側からレーザ光が出射されるが、第1光反射膜1の積層体5とは反対側の面、上述した基板11を有する場合には、基板11の積層体5とは反対側の面に、反射防止膜14を配置していてもよい。反射防止膜14としては、上述した第1光反射膜1で例示した誘電体多層膜と同様の材料を用いることができる。積層数や各層の厚みを光反射膜とは異なるものとすることで反射防止機能を有する膜を形成することができる。例えば、SiO2/Nb25、SiO2/Ta25、SiO2/Al23等が挙げられる。その厚みは、例えば、0.4μmが挙げられる。
〔垂直共振器面発光レーザ素子の製造方法〕
上述した垂直共振器面発光レーザ素子は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、図3A及び3B等に示すように、半導体成長用の基板11を準備し、第1光反射膜1を形成し、さらに、第1光反射膜1の上面に、n側半導体層2、活性層3及び凸部4aを有するp側半導体層4をこの順に積層して窒化物半導体の積層体5を形成する。窒化物半導体層の積層体5を形成した後、凸部4aの形成の前後に、p側半導体層4及び活性層3の一部を除去することにより、n側半導体層2の表面を露出させることができる。
その後、図3A及び3Bに示すように、凸部4aの上面に接触し、凸部4aの周囲の表面に延長する透光性のp電極6を形成する。
続いて、図4A及び4Bに示すように、p側半導体層4の凸部4aの側方等を被覆する絶縁膜7を形成する。絶縁膜7は、p電極6と接触しないように形成してもよいが、p電極6の外周を被覆するように、その一部がp電極6を被覆するように形成することが好ましい。
任意に、図5A及び5Bに示すように、絶縁膜7を形成した後、pパッド電極9p及びn電極9nを形成する。特に、pパッド電極9pを、凸部4aよりも大きく、凸部4aの上面及びその周りを取り囲むようなリング状で形成することによって、pパッド電極9pからp電極6を介して、p側半導体層4により均一に電流を注入することができる。
次に、図1A及び1Bに示すように、誘電体積層膜を含む第2光反射膜8を形成する。第2光反射膜8は、p電極6の上であって、凸部4aの上面から少なくとも凸部4aの周囲の表面の一部の上に形成する。第2光反射膜8は、絶縁膜7とは離間し、接触しないように配置することが好ましい。このように、第2光反射膜8を形成することにより、図1Cに示すように、凸部4aの上面、つまり、電流注入領域Xの直上において、第2光反射膜8を、より確実に、その領域Xの端部まで平坦に配置することができる。これにより、発光部にキャリアを効果的に注入することができる。その結果、発光部においてレーザ光を得ることができる。なお、第2光反射膜8は、電流注入領域Xの端部まで平坦に配置されていればよく、その限りにおいて、絶縁膜7と接触してもよい。
このようにして得られた垂直共振器面発光レーザ素子を放熱基板に接合する場合、例えば、図6Aに示すように、半導体成長用の基板の第1光反射膜1と反対側の面を薄膜化して、薄膜化された基板11aを形成する。この際、半導体成長用の基板を完全に除去してもよい。薄膜化又は除去は、当該分野で公知の研磨方法やエッチング方法等を利用して行うことができる。
また、図6Bに示すように、基板11aの第1光反射膜1と反対側の面に反射防止膜14を形成してもよい。基板11を完全除去する場合は、反射防止膜14は第1光反射膜1の表面に形成してよい。
さらに、図2に示すように、得られた積層体5を、放熱基板12に接合する。接合に用いる接合層13は、例えば、上述したpパッド電極9p及びn電極9n等と同様の材料のほか、半田等を用いることができる。接合層13は、pパッド電極9p及びn電極9nにそれぞれに接合し、放熱基板12の金属膜15とそれぞれ接合するように配置することができる。この場合、接合層13は導電性であり、接合層13を介して、pパッド電極9pと1つの金属膜15を電気的に接続し、n電極9nと別の金属膜15を電気的に接続する。また、放熱基板12と得られた積層体5との間、つまり積層体5における接合層13が配置される領域以外の領域は、空洞のままであってもよいし、絶縁性の放熱部材等によって埋め込んでもよい。
接合は、例えば、図2に示すように接合層13を配置した後、加熱によって接合層13を軟化させることによって行うことができる。
なお、放熱基板12への積層体5の接合は、基板11の薄膜化等及び/又は反射防止膜14の形成の前に行ってもよい。
試験例1
垂直共振器面発光レーザ素子10Aとして、図1A及び1Bに示すように、GaN基板11と、窒化物半導体の積層体5と、ITOからなる透光性のp電極6(30nm厚)と、誘電体積層膜を含む第2光反射膜8(SiO2/Nb23、λ/4厚、15.5ペア)と、絶縁膜7(SiO2、100nm厚)を有するレーザ素子を形成した。積層体5は、第1光反射膜1(GaN/Al0.8In0.2N=46.6nm/51.2nm厚)、n側半導体層2(SiドープGaN)、活性層3(GaN/InGaN)、p側半導体層4(MgドープGaN及びアンドープAlGaN)がこの順に積層されている。p側半導体層4は凸部4a(高さ:70nm、直径:5μm、上面視形状:円形)を有する。p電極6は凸部4aの上面に接触し、凸部4aの周囲の表面に延長している。第2光反射膜8は凸部4aの側方まで延長し、p電極6の上に配置されている。絶縁膜7は第2光反射膜8と離間し、p側半導体層4の凸部4aの周囲の表面の少なくとも一部を被覆している。積層体5は、一部において、p側半導体層4及び活性層3が除去されてn側半導体層2が露出しており、その表面及びp電極6上にはn電極9n及びpパッド電極9p(Ti/Pt/Au、1.5nm/200nm/500nm)が形成された。
このような構成の垂直共振器面発光レーザ素子10Aを、室温にて電流(1mA)を注入して連続動作させたところ、図1Bにおける上方向にレーザ光が出射された。垂直共振器面発光レーザ素子10Aの上方からその近視野像(NFP)を観察したところ、図7に示すように、電流注入領域(点線)の中央部で発振したことが確認された。図7において、レーザ光のNFPの形状は概ね円形であり、その中心部の発光強度が最大であるといえる。なお、図7では、白色に近いほど発光強度が大きいことを示している。
このように、本実施形態における垂直共振器面発光レーザ素子10Aは、発振するレーザ光の形状を安定化することができる。
1 第1光反射膜
2 n側半導体層
3 活性層
4 p側半導体層
4a 凸部
5 窒化物半導体の積層体
6 p電極
7 絶縁膜
8 第2光反射膜
9p、9n パッド電極
10A 垂直共振器面発光レーザ素子
11 半導体成長用の基板
12 放熱基板
13 接合層
14 反射防止膜
15 金属膜

Claims (10)

  1. 第1光反射膜と、
    前記第1光反射膜の上面に、n側半導体層、活性層及び凸部を有するp側半導体層がこの順に積層された窒化物半導体の積層体と、
    前記凸部の上面に接触し、前記凸部の周囲の表面に延長する透光性のp電極と、
    前記凸部の側方まで延長し、前記p電極の上に配置され、誘電体積層膜を含む第2光反射膜と、
    前記凸部の上面と離間し、少なくとも前記p側半導体層の前記凸部の周囲の表面の一部を被覆する絶縁膜を備え
    前記第2光反射膜の上方に、さらに放熱基板を備える垂直共振器面発光レーザ素子。
  2. 第1光反射膜と、
    前記第1光反射膜の上面に、n側半導体層、活性層及び凸部を有するp側半導体層がこの順に積層された窒化物半導体の積層体と、
    前記凸部の上面に接触し、前記凸部の周囲の表面に延長する透光性のp電極と、
    前記凸部の側方まで延長し、前記p電極の上に配置され、誘電体積層膜を含む第2光反射膜と、
    前記凸部の上面と離間し、少なくとも前記p側半導体層の前記凸部の周囲の表面及び前記凸部の側面の一部を被覆する絶縁膜を備える垂直共振器面発光レーザ素子。
  3. 第1光反射膜と、
    前記第1光反射膜の上面に、n側半導体層、活性層及び凸部を有するp側半導体層がこの順に積層された窒化物半導体の積層体と、
    前記凸部の上面に接触し、前記凸部の周囲の表面に延長する透光性のp電極と、
    前記凸部の側方まで延長し、前記p電極の上に配置され、誘電体積層膜を含む第2光反射膜と、
    前記凸部の上面と離間し、少なくとも前記p側半導体層の前記凸部の周囲の表面の一部及び前記積層体の側面の一部を被覆する絶縁膜を備える垂直共振器面発光レーザ素子。
  4. 前記絶縁膜は、前記第2光反射膜と離間している請求項1~3のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  5. 前記凸部の側方で前記p電極と接続し、前記絶縁膜上に配置されたpパッド電極をさらに備える請求項1~4のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  6. 前記pパッド電極は前記第2光反射膜から離間している請求項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  7. 前記第1光反射膜は、半導体多層膜を含む請求項1~のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  8. 前記p側半導体層は、p側光ガイド層及び該p側光ガイド層の上に配置されたp側コンタクト層を有し、
    前記凸部は、上面に前記p側コンタクト層を有し、かつ前記凸部の周囲の表面は前記p側光ガイド層の表面である請求項1~のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  9. 前記凸部は、平面視形状が円形である請求項1~のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
  10. 前記凸部の上面の側において、前記n側半導体層の一部が露出しており、該n側半導体層にn電極が接続されている請求項1~のいずれか1項に記載の垂直共振器面発光レーザ素子。
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