発明の実施の形態について図面を参照して説明すると、図1,2に示すように、本発明の実施形態例に係るパチンコ機(遊技機)Pは、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の外枠1と、外枠1に扉状に開閉自在に取り付けられる内枠2と、内枠2の前面に扉状に開閉自在に取り付けられる前扉3等を備えている。内枠2は後述する遊技盤(図3参照)を保持しており、前扉3はガラスやプラスチック等からなる透明板4を保持している。
外枠1の左側枠部には、上側軸受け体70と下側軸受け体100が固着されている。一方、内枠2の左側枠部には、上側支持部材80と下側支持部材101が固着されている。そして、上側支持部材80には、第1ピン81a(例えば図6参照)が設けられており、下側支持部材101には、第1孔(図示せず)が設けられている。下側軸受け体100には、この第1孔に挿入可能な第1軸部(図示せず)が設けられており、この第1軸部を第1孔に挿入して軸支するとともに、上側支持部材80の第1ピン81aを上側軸受け体70に軸支することによって、内枠2を外枠1に対して開閉自在に支持する第1ヒンジ機構が構成されている。なお、この上側軸受け体70は、複数の構成部材によって組み立てられ、1つのユニットを構成した状態で外枠1に取り付けられるので(図7参照)、以下においては、この上側軸受け体70を「外枠ユニット70」と言う。第1ヒンジ機構の詳細については後述する。
内枠2の右側枠部は第1ヒンジ機構と反対側の自由端側であり、この右側枠部にはシリンダ錠5が設けられている。図示は省略されているが、内枠2の右側面にはシリンダ錠5を有する施錠装置が設置されている。この施錠装置は、内枠2の裏面側に突出する後部施錠杆と、内枠2の前面側に突出する前部施錠杆とを備えている。常態では、施錠装置の後部施錠杆によって外枠1に対して内枠2が施錠されるとともに、前部施錠杆によって内枠2に対して前扉3が施錠されている。シリンダ錠5の鍵穴に図示せぬ鍵を差し込んでこれを一方向(例えば時計回り)へ回動すると、後部施錠杆が下動して内枠2が開錠されるようになっている。また、シリンダ錠5の鍵穴に差し込んだ鍵を他方向(反時計回り)へ回動すると、前部施錠杆が上動して前扉3が開錠されるようになっている。
前扉3の左側枠部の上端には、第2ピン91a(例えば図6参照)が設けられており、前扉3の左側枠部の下端には、第2孔(図示せず)が設けられている。内枠2の下側支持部材101には、この第2孔に挿入可能な第2軸部(図示せず)が設けられており、この第2軸部を第2孔に挿入して軸支するとともに、第2ピン91aを上側支持部材80に軸支することによって、前扉3を内枠2の左側枠部に対して開閉自在に支持する第2ヒンジ機構が構成されている。なお、この上側支持部材80は、複数の構成部材によって組み立てられ、1つのユニットを構成した状態で内枠2に取り付けられるので(図8参照)、以下においては、この上側支持部材80を「内枠ユニット80」と言う。第2ヒンジ機構の詳細については後述する。
図3に示すように、内枠2の上部内側には遊技盤6が収納されており、この遊技盤6は遊技球が流下する遊技領域(不図示)を有している。遊技領域は、ガイドレール61等によって略円形状に区画されているとともに、透明板4を透して目視可能となっている。なお、遊技領域には、遊技球の入球が大当たり抽選の実行契機となる始動入賞口、遊技球の入球が所定個数の賞球の払い出し契機となる一般入賞口、遊技領域の下部に流下してきた遊技球を外部に排出するアウト口等が設けられている。また、遊技盤6よりも下方の内枠2には、遊技球を遊技領域に向けて発射する発射装置40等が設けられている。また、前扉3の背面側には、発射装置40に対して遊技球を供給する球供給装置42等が設けられている。
図1,2に戻り、前扉3は中央に開口部30を有しており、この開口部30を塞ぐように透明板4が取り付けられている。前扉3には、透明板4の下方に遊技球を収容可能な受皿10が設けられており、シリンダ錠5の下方に遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル11が設けられている。また、前扉3には、透明板4の上方から左右側方にかかる部位を囲むように装飾ユニット12が設けられ、受皿10の前面中央に演出操作ボタンユニット13が設けられている。
図4に示すように、このパチンコ機Pの背面側には、遊技に関する主要な処理を行う主制御基板18と、主制御基板18からの指令を受けてスピーカ17a~17d等の各種演出装置を制御する副制御基板19と、賞球を受皿10に払い出す賞球払出装置20と、主制御基板18からの指令を受けて賞球払出装置20を制御する払出制御基板21と、操作ハンドル11の回転操作量に応じて発射装置40の作動を制御する発射制御基板22と、大当たり回数等の各種情報を遊技場のホールコンピュータに出力する外部端子基板23等が設けられている。主制御基板18には、CPU(Central Processing Unit)と、予め定められた制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)と、生成された処理情報の一時記憶および記憶した情報の削除を行うRAM(Random Access Memory)等が実装されており、このCPUがROMに格納された各種プログラムやデータを読み込んで実行することにより、遊技に関する主要な処理が行われる。
次に、図5~9を参照して、上記した第1ヒンジ機構および第2ヒンジ機構の詳細について説明する。なお、前述したように、第1ヒンジ機構は外枠1と内枠2の左側部の上下両端に設けられており、第2ヒンジ機構は内枠2と前扉3の左側部の上下両端に設けられているが、以下においては、外枠1と内枠2の左側部の上端に設けられている第1ヒンジ機構H1と、内枠2と前扉3の左側部の上端に設けられている第2ヒンジ機構H2について説明する。
図6に示すように、第1ヒンジ機構H1は、外枠1の上部に取り付けられる外枠ユニット(外枠部材)70と、内枠2の上部に取り付けられる内枠ユニット80の第1内枠板81とによって構成されており、第2ヒンジ機構H2は、内枠ユニット80と前扉3の上部に取り付けられる前扉板90とによって構成されている。図5(a),(b)に示すように、内枠ユニット80は、外枠ユニット70と前扉板90との間に配置されている。この内枠ユニット80は、第1ピン81aを介して外枠ユニット70に回動可能に連結されている。また、前扉板90は、第2ピン91aを介して内枠ユニット80に回動可能に連結されている。
図7に示すように、外枠ユニット70は、外枠1に取り付けられる外枠板71と、この外枠板71に取り付けられる外枠レバー72および外枠ガイド73とを備えている。外枠ユニット70は、これら外枠板71、外枠レバー72および外枠ガイド73が組み合わされて1つのユニットになっている。
外枠板71は、金属製であり、基板(基部)71aと、外枠1の前面側に突出するように設けられる突出板(突出部)71bとを有している。基板71aは、外枠1の左側部の上端に取り付けられる。突出板71bは、下面側に外枠レバー72および外枠ガイド73を取付可能になっている。外枠レバー72および外枠ガイド(突出部)73が突出板71bに取り付けられた状態では、これら外枠レバー72および外枠ガイド73もまた外枠1の前面側に突出するようになっている。また、この突出板71bには、切欠き形状の第1溝部(ガイド孔)710bが形成されている。この第1溝部710bは、内枠ユニット80の第1ピン(軸部)81a(図6等参照)をガイド可能に略L字状に形成されている。第1ピン81aは、第1溝部710bに沿って挿入されると、第1溝部710bの最奥部である軸受部分711bに配置されて支持されるようになっている。なお、基板71aと突出板71bとの位置関係の詳細については後述する。
外枠レバー72は、樹脂製であり、孔部が形成された円筒状の第1円筒部72aを有している。そして、この第1円筒部72aにカシメピン74が挿入されることにより、外枠レバー72が上記した突出板71bの下面側に取り付けられている。また、この第1円筒部72aにトーションばね(捩じりコイルばね)からなる第1バネ部材75が巻回されており、この第1バネ部材75の両腕部を外枠レバー72と突出板71bに掛止めすることにより、外枠レバー72はカシメピン74を回転軸として反時計回りに付勢された状態になっている。
外枠ガイド73は、樹脂製であり、右側部から所定形状に切り抜かれた第1収納部73aを有している。この第1収納部73aは、内枠ユニット80の第1ピン81aを受け入れ可能な第1開口(開口)730aを有しており、この第1開口730aを通して第1ピン81aを挿入可能になっている。また、この第1収納部73aは、突出板71bの第1溝部710bの軸受部分(最奥部)711bに対応した形状となるように凹状に窪んだ第1凹部73bを有している。この第1凹部73bは、左右方向から第1溝部710bの略L形状に沿って挿入することで案内された第1ピン81aを収納して軸支をするようになっている。第1ピン81aは、上下方向に貫通する外枠板71の第1溝部710b(の最奥部711b)および外枠ガイド73(の第1凹部73b)の双方を上下方向に重畳配置することで形成される二層ガイド孔内に受け入れさせたときに、平面視略L字型の溝状となる二層ガイド孔の特定部位(最奥部711b)に案内されて軸支される保持状態となるようにしている。なお、図7に示すように、外枠ガイド73の第1凹部73bの溝幅L1は、第1溝部710bの最奥部711bの溝幅L1と略同じになるように設定されている。
また、外枠ガイド73は、第1収納部73a内に外枠レバー72の一部を収納した状態で、上記した突出板71bの下面側にカシメピンによって取り付けられている。このとき、外枠レバー72の一端部72bは、第1バネ部材75の付勢力を受けた状態で、第1収納部73aの外側に配置されて外枠ガイド73の端部73cに当接している。そのため、外枠レバー72は、常態では反時計回りに回転できないようになっている。一方、外枠レバー72の他端部72cは、第1凹部73b内の第1ピン81aと対向するように配置されており、第1凹部73bとの間で第1ピン81aを挟み込んでいる。このようにして、外枠レバー72は、第1ピン81aが第1溝部710bおよび第1凹部73bから抜け出さないようにロックしている。なお、外枠レバー72を第1バネ部材75の付勢力に抗して時計回りに回転させると、外枠レバー72の他端部72cも時計回りに回転して第1収納部73aの内壁に当接するようになっている。このとき、外枠レバー72の他端部72cは、第1凹部73b内の第1ピン81aと対向しないように逃げて、外枠レバー72によるロックを解除可能になる。
図8に示すように、内枠ユニット80は、内枠2の左上部に取り付けられる第1内枠板81と、この第1内枠板81に取り付けられる第2内枠板82、内枠レバー83、内枠ガイド84とを備えている。内枠ユニット80は、これら第1内枠板81、第2内枠板82、内枠レバー83、および内枠ガイド84が組み合わされて1つのユニットになっている。
第1内枠板81は、金属製であり、上方に突出している第1ピン81aが設けられた取付板81bを有している。この取付板81bは、内枠2の前面側に突出するように設けられるとともに下面側に第2内枠板82、内枠レバー83および内枠ガイド84を取付可能になっている。第2内枠板82、内枠レバー83および内枠ガイド84が取付板81bに取り付けられた状態では、これら第2内枠板82、内枠レバー83および内枠ガイド84もまた内枠2の前面側に突出するようになっている。また、第1ピン81aは上記した突出板71bの第1溝部710b(図7参照)に挿入可能になっており、この第1ピン81aの上端部には第1鍔部810aが形成されている。この第1鍔部810aは、突出板71bの第1溝部(ガイド孔)710bの溝幅よりも大きくなるように設定されている。なお、第1内枠板81は、内枠2の背面に取り付けられる第1内枠取付板81cおよび第2内枠取付板81dを有しており、これら両取付板81c,81dによって内枠2を保持するようになっている。
第2内枠板82は、金属製であり、切欠き形状の第2溝部82aが形成されている。この第2溝部82aは、前扉板90の第2ピン91a(図6等参照)をガイド可能に略L字状に形成されている。第2ピン91aは、第2溝部82aに沿って挿入されると、第2溝部82aの最奥部である軸受部分82bに配置されて支持されるようになっている。この第2内枠板82は、その上面に内枠レバー83と内枠ガイド84を載置した状態で第1内枠板81に取付可能になっている。
内枠レバー83は、樹脂製であり、孔部が形成された円筒状の第2円筒部83aを有している。そして、この第2円筒部83aにカシメピン85が挿入されることにより、内枠レバー83が第1内枠板81の取付板81bの下面側に取り付けられる。また、この第2円筒部83aにトーションばね(捩じりコイルばね)からなる第2バネ部材86が巻回されており、この第2バネ部材86の両腕部を内枠レバー83と取付板81bに掛止めすることにより、内枠レバー83はカシメピン85を回転軸として反時計回りに付勢された状態になっている。
内枠ガイド84は、樹脂製であり、右側部から所定形状に切り抜かれた第2収納部84aを有している。この第2収納部84aは、前扉板90の第2ピンを受け入れ可能な第2開口840aを有しており、この第2開口840aを通して第2ピン91aを挿入可能になっている。また、この第2収納部84aは、第2内枠板82の第2溝部82aの軸受部分82bに対応した形状となるように凹状に窪んだ第2凹部84bを有している。この第2凹部84bは、左右方向から第2溝部82aの略L形状に沿って挿入することで案内された第2ピン91aを収納して軸支するようになっている。第2ピン91aは、第2内枠板82の第2溝部82a(の最奥部82b)および内枠ガイド84(の第2凹部84b)の双方を上下方向に重畳配置することで形成される二層ガイド孔内に受け入れさせたときに、平面視略L字型の溝状となる二層ガイド孔の特定部位(最奥部82b)に案内されて軸支される保持状態となるようにしている。なお、内枠ガイド84の第2凹部84bの溝幅は、第2溝部82aの溝幅よりも大きく設定されてもよいし、略同じになるように設定されていてもよい。
また、内枠ガイド84は、この第2収納部84a内に内枠レバー83の一部を収納した状態で第2内枠板82上に配置されて、上記した取付板81bの下面側にカシメピンによって取り付けられている。このとき、内枠レバー83の一端部83bは、第2バネ部材86の付勢力を受けた状態で、第2収納部84aの外側に配置されて内枠ガイド84の端部84cに当接している。そのため、内枠レバー83は、常態では反時計回りに回転できないようになっている。一方、内枠レバー83の他端部83cは、第2凹部84b内の第2ピン91aと対向するように配置されており、第2凹部84bとの間で第2ピン91aを挟み込んでいる。このようにして、内枠レバー83は、第2ピン91aが第2溝部82aおよび第2凹部84bから抜け出さないようにロックしている。なお、内枠レバー83を第2バネ部材86の付勢力に抗して時計回りに回転させると、内枠レバー83の他端部83cも時計回りに回転して第2収納部84aの内壁に当接するようになる。このとき、内枠レバー83の他端部83cは、第2凹部84b内の第2ピン91aと対向しないように逃げて、内枠レバー83によるロックを解除可能になる。
図6に戻り、前扉板90は、金属製であり、上方に突出している第2ピン91aを有しており、この第2ピン91aは、第2内枠板82の第2溝部82a(図8等参照)に挿入可能となっている。また、この第2ピン91aの上端部には第2鍔部910aが形成されている。この第2鍔部910aは、第2内枠板82の第2溝部82aの溝幅よりも大きくなるように設定されている。なお、前扉板90は、前扉3の背面に取り付けれられる第1前扉取付板91bおよび第2前扉取付板91cを有しており、これら両取付板91b,91cによって前扉3を保持するようになっている。
次に、図9を参照して、外枠ユニット70の基板71aと突出板71bとの位置関係について説明する。基板71aは、外枠1の上面1aと略面一となるように配置されている(図1~3参照)。突出板71bは、基板71aに対して下方に設けられており、基板71aの上面S2または外枠1の上面1aよりも一段低い上面S1を有している。具体的には、基板71aと突出板71bとを連結する傾斜板71cが設けられており、この傾斜板71cは基板71aから突出板71bに向かって下方傾斜している。そして、この傾斜板71cの後端部が基板71aの前端部に連結されているとともに、この傾斜板71cの前端部が突出板71bの後端部に連結されており(図7参照)、突出板71bは、基板71aから傾斜板71cを介して下方に滑らかに下がっていくように外枠1の前面側に向かって延出されている。そのため、第1ピン81aが軸支された状態で突出板71bの上面S1から突出しても、図9の点線Lで示すように、この突出した第1ピン81aの上端は外枠1の上面1a(基板71aの上面S2)よりも下方に配置可能となっている。このようにして、第1溝部710aから突出した第1ピン81aが筐体の外部と接触することを回避できるようになっている。なお、第1ピン81aと第2ピン91aはともに、同一直線状に配置されている。
次に、外枠1に対する内枠2の取付方法について説明する。まず、内枠2の左側枠部の下側支持部材101の第1孔に外枠1の下側軸受け体100の第1軸部を挿入して軸支させ、この状態で外枠ユニット70の突出板71bの右側方から第1溝部710bに沿って、内枠ユニット80の第1ピン81aを挿入する(図6,7参照)。このとき、第1ピン81aによって、外枠レバー72の他端部72cを第1バネ部材75による付勢力に抗して押し込んで時計回りに回転させ、第1ピン81aを第1溝部710bの軸受部分711bと外枠ガイド73の第1凹部73b内に挿入する(図7参照)。その後、外枠レバー72の他端部72cは、第1バネ部材75による付勢力により再び反時計回りに回転して元の位置(第1凹部73b内の第1ピン81aと対向する位置)に戻り、第1ピン81aを外枠レバー72の他端部72cと、第1溝部710bの軸受部分711bおよび第1凹部73bとの間で挟み込んでロックする。そして、外枠レバー72の一端部72bは、外枠ガイド73の端部73cに再び当接して、ロック状態を維持することになる。このようにして、内枠2を外枠1に対して開閉自在に取り付けることができる。なお、内枠2を外枠1から取り外す際には、外枠レバー72の一端部72bを第1バネ部材75の付勢力に抗して時計回りに回転させてロックを解除し、第1ピン81aを第1溝部710bに沿って抜き出し、下側軸受け体100の第1軸部を下側支持部材101の第1孔から外すようにする。
次に、内枠2に対する前扉3の取付方法について説明する。まず、前扉3の左側枠部の下端に設けられた第2孔に内枠2の下側支持部材101の第2軸部を挿入して軸支させ、この状態で内枠ユニット80の第2内枠板82の右側方から第2溝部82aに沿って、前扉板90の第2ピン91aを挿入する(図6,8参照)。このとき、第2ピン91aによって、内枠レバー83の他端部83cを第2バネ部材86による付勢力に抗して押し込んで時計回りに回転させ、第2ピン91aを第2溝部82aの軸受部分82bと内枠ガイド84の第2凹部84b内に挿入する。その後、内枠レバー83は第2バネ部材86による付勢力により再び反時計回りに回転して元の位置(第2凹部84b内の第2ピン91aと対向する位置)に戻り、第2ピン91aを内枠レバー83の他端部83cと、第2溝部82aの軸受部分82bおよび第2凹部84bとの間で挟み込んでロックする。そして、内枠レバー83の一端部83bは、内枠ガイド84の端部84cに再び当接して、ロック状態を維持することになる。このようにして、前扉3を内枠2に対して開閉自在に取り付けることができる。なお、前扉3を内枠2から取り外す際には、内枠レバー83の一端部83bを第2バネ部材86の付勢力に抗して時計回りに回転させてロックを解除し、第2ピン91aを第2溝部82aに沿って抜き出し、下側軸受け体100の第2軸部を前扉3の第2孔から外すようにする。
以上説明したように、本実施形態例に係るパチンコ機(遊技機)Pでは、第1ピン(軸部)81aが外枠ガイド(突出部)73だけでなく、外枠板71の突出板(突出部)71b)の第1溝部(ガイド孔)710aにも挿入する案内がされた際に軸支されるようになっている。したがって、当該案内に基づいて第1ピン81aを外枠ガイド73と外枠板71から構成される前述の二層ガイド孔の特定部位(最奥部711b)に配置した際の支持強度の低下を抑制して、第1ピン81aを適切に軸支することができる。また、特に、突出板71bは金属製であるので、樹脂製である外枠ガイド73よりも強固な第1ピン81aの保持状態を可能とするように軸支することができるようになっている。
また、本実施形態例では、上記のように突出板71bに第1溝部710aが形成されているが、この突出板71bは外枠1の基板71aに対して下方に一段低い位置に設けられている。そのため、前述のように軸支された状態で突出板71bの上面S1(第1溝部710b)から突出している第1ピン81aの上端が、外枠1の上面1a(基板71aの上面S2)よりも下方に配置されており、外枠1の上面1a(基板71aの上面S2)から突出しないようになっている。したがって、例えば、突出した第1ピン81aの上端が、筐体の輸送時に筐体を収納する収納箱を破損させたり、遊技場において筐体を設置する筐体設置枠と干渉してしまう等の問題が発生してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態例では、第2ピン91aが内枠ガイド84だけでなく、第2内枠板82の第2溝部82aにも挿入する案内がされた際に軸支されるようになっている。したがって、当該案内に基づいて第2ピン91aを内枠ガイド84と第2内枠板82から構成される前述の二層ガイド孔の特定部位(最奥部82b)に配置した際の支持強度の低下を抑制して、第2ピン91aを適切に軸支することができる。また、特に、第2内枠板82は金属製であるので、樹脂製である内枠ガイド84よりも強固な第2ピン91aの保持状態を可能とするように軸支することができるようになっている。
また、本実施形態例では、第1ピン81aの上端部には該第1ピンの径、および外枠板71の第1溝部(ガイド孔)710bの溝幅L1よりも一回り大きくした第1鍔部810aが形成されている。そして、外枠ユニット70における前述の上下方向に貫通する二層ガイド孔の横向き開口(入口)E1(図7参照)から第1ピン81aを挿入させる案内をしたときに、第1鍔部810aの部分を第1溝部710bよりも突出させて、前述の軸支の状態において該第1ピン81aの上下方向の移動を規制可能としている。そのため、外枠ユニット70の外枠板71と内枠ユニット80の第1内枠板81との間に悪戯によって工具が差し込まれて抉られても、第1鍔部810aが二層ガイド孔に係る第1溝部710bの周縁部に引っ掛かるようになっている。したがって、このような悪戯が行われても、外枠1から内枠2が外れることはなく、安全な仕様になっている。
また、本実施形態例では、第2ピン91aの上端部には該第2ピン91aの径、および内枠ガイド84の第2凹部84bの溝幅よりも一回り大きくした第2鍔部910aが形成されている。そして、内枠ユニット80における前述の上下方向に貫通する二層ガイド孔の横向き開口(入口)E2(図7参照)から第2ピン91aを挿入させる案内をしたときに、第2鍔部910aの部分を第2内枠板82の第2溝部82aおよび内枠ガイド84の第2凹部84bよりも突出させて、前述の軸支の状態において該第2ピン91aの上下方向の移動を規制可能としている。そのため、内枠ユニット80の第2内枠板82と前扉板90との間に悪戯によって工具が差し込まれて抉られても、第2鍔部910aが二層ガイド孔に係る第2凹部84bまたは第2溝部82aの周縁部に引っ掛かるようになっている。したがって、このような悪戯が行われても、内枠2から前扉3が外れることはなく、安全な仕様になっている。
また、本実施形態例では、第1ピン81aと第2ピン91aは同一直線状に配置されているので、外枠1に対して内枠2を開閉する際に必要となる開閉軸周りのスペースと、内枠2に対して前扉3を開閉する際に必要となる開閉軸周りのスペースを別箇に確保する必要を無くすことができるので、効率的にパチンコ機Pの設計を行うことができる。
また、本実施形態例では、内枠ユニット80の第1ピン81aを外枠ユニット70の突出板71bの第1溝部710bに沿って挿入するだけ、外枠ガイド73および第1溝部710bによって第1ピン81aを支持するとともに、この第1ピン81aが第1溝部710bから抜けないように外枠レバー72によってロックすることができる。したがって、内枠2の重量が重くなったとしても、内枠2を外枠1に容易に取り付けることができる。
また、本実施形態例では、前扉板90の第2ピン91aを内枠ユニット80の第2内枠板82の第2溝部82aに沿って挿入するだけで、内枠ガイド84および第2溝部82aによって第2ピン91aを支持するとともに、この第2ピン91aを内枠レバー83によってロックすることができる。したがって、前扉3の重量が重くなったとしても、前扉3を内枠2に容易に取り付けることができる。
また、本実施形態例では、内枠ユニット80は、第1内枠板81の第1内枠取付板81cと第2内枠取付板81dとの双方によって、内枠2を保持するようになっている。そのため、内枠2の重量が重くなったとしても、内枠2を確実に保持することができる。
また、本実施形態例では、前扉板90は、第1前扉取付板91bと第2前扉取付板91cとの双方によって、前扉3を保持するようになっている。そのため、前扉3の重量が重くなったとしても、前扉3を確実に保持することができる。
なお、上記実施形態例では、内枠ユニット80の第1ピン81aを外枠ユニット70における外枠板71の第1溝部710bに沿って側方から挿入する構成であったが、これに限られない。例えば、突出板71bの上面に第1ピンを上方から挿入するような構成であってもよい。この場合、第1ピンを第1内枠板81の取付板81bの下面側から下方に突出するように設け、突出板71bとこの突出板71bの下面側に取り付けられる支持部材の双方に、第1ピンを挿入可能な孔部を設け、突出板の孔部と支持部材の孔部の双方によって第1ピンを支持するようにすればよい。こうすれば、上記実施形態例と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施形態例では、第1溝部710bおよび第2溝部82aはともに、略L字状に形成されていたが、これに限られることなく、種々の形状を採用することができる。例えば、第1溝部710bは外枠ユニット70における突出板71bの側部から円弧状に切欠くように形成され、第2溝部82aは内枠ユニット80の第2内枠板82の側部から円弧状に切欠くように形成されてもよい。
また、上記実施形態例では、前面側に下方傾斜する傾斜板71cを介して、突出板71bの上面S1が外枠1の上面1aまたは基板71aの上面S2よりも低い位置に配置されるように構成されていたが、これに限られない。例えば、基板71aと突出板71bとの間に傾斜していない垂直部を設けて、突出板71bが、基板71aに対して段状に下方に下がるように構成されてもよい。この場合、基板71aの前端部と垂直部の上端部とを連結するとともに、突出板71bの後端部と垂直部の下端部とを連結するようにすればよい。
また、上記実施形態例では、突出板71bと外枠ガイド73の2つの部材によって、本発明の突出部が構成される例について説明したが、これに限られない。例えば、突出部は、突出板71bの機能および外枠ガイド73の機能を有する1つの部材から構成されてもよい。