JP7226774B2 - ガス吸着剤 - Google Patents
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Description
1.下記式〔1〕で示される固体からなることを特徴とする吸着剤。
xA2O・yCuO・SiO2・zSO 3 ・wH2O 〔1〕
式〔1〕において、Aはナトリウムおよび/またはカリウムであり、x、y、zおよびwはモル比を示し、xは0.0001~0.003であり、yは0.01~0.07であり、zは0.0001~0.001であり、wは0.005~0.2である。
2.メチルメルカプタンの吸着容量が25mL/g以上である上記1に記載の吸着剤。
3.珪酸塩として、アルカリ酸化物に対する酸化珪素のモル比3以上の水ガラスを用い、銅塩水溶液、珪酸塩水溶液および硫酸を配合して生成した固形物を含有する水のpHを5.0~6.5に調整した後、ろ過工程を経て乾燥して得られた上記1および2に記載の吸着剤。
本発明の第2の視点において、上記1~3に記載の吸着剤を含有する吸着性加工品が提供される。
本発明の第1の視点における吸着剤は、下記式〔1〕で示される固体からなる吸着剤である。
xA2O・yCuO・SiO2・zSO 3 ・wH2O 〔1〕
式〔1〕において、Aはナトリウムおよび/またはカリウムであり、x、y、zおよびwはモル比を示し、xは0.0001~0.003であり、yは0.01~0.07であり、zは0.0001~0.001であり、wは0.005~0.2である。
xの値はメチルメルカプタンの吸着性能と樹脂の劣化に影響を与えることがあり、0.003を超えると吸着性能が低下するうえ、樹脂の劣化が著しく進むことで吸着性加工品の外観等に影響を及ぼす。一方、xの値が0.0001未満では吸着性能の向上も樹脂劣化の抑制の効果も得られない。好ましいxの範囲は0.0001~0.002であり、より好ましくは0.001~0.002ないし0.0005~0.001である。
yの値はメチルメルカプタン吸着効果、着色および樹脂劣化に影響を与え、0.01未満では十分な吸着効果が得られない。一方、0.07を超えると吸着効果は向上するものの、吸着剤の色調である青い着色が強くなり、樹脂の劣化が著しく進行する。好ましいyの値は、0.015~0.06であり、より好ましくは0.02~0.04である。
zの値はメチルメルカプタンの吸着性能と樹脂の劣化に影響を与えることがあり、0.001を超えると吸着性能が低下するうえ、樹脂の劣化が進むことで吸着性加工品の外観等に影響を及ぼす。一方、zの値が0.00001未満では十分な吸着性能が得られない。好ましいzの範囲は0.0005~0.001である。
wの値は樹脂劣化に影響を与えることがあり、0.005未満では吸湿し易く取り扱いが困難である。一方、0.2を超えると樹脂成型の際に発泡やシルバーストリークなどの成形不良を生じやすい。好ましいwの範囲は、0.001~0.15であり、より好ましくは0.005~0.1である。
対象ガスが吸着し難く、かつ、空気を通さない材質であるビニルアルコール系ポリマー又はポリエステル等の試験袋に吸着剤を入れて密封し、この密封された試験袋に対象ガスを注入後、40℃~60℃の恒温器で保存する。対象ガス注入直後及び一定時間経過後に、試験袋中に残存する対象ガス濃度を測定する。このとき、一定時間経過後の残存ガス濃度が吸着剤を入れていない比較対象試験袋のガス濃度の減少速度と同等となった時点を吸着性能が飽和した点とし、このときの吸着剤有無の試験袋内の残存ガス濃度の差を試験袋内ガス容量で乗じた値を吸着剤が吸収した吸着ガス量とする。吸着ガス量を試験に用いた吸着剤重量で除した値が吸着容量mL/gである。
本発明の吸着剤は、銅塩と珪酸塩とのモル比(y)を0.01~0.07とすることにより、製造することができる。銅塩の原料には、硫酸銅、塩化銅、酢酸銅などが使用でき、好ましくは硫酸銅である。珪酸塩の原料には水ガラス、粉末珪酸アルカリやコロイダルシリカが使用でき、好ましくは水ガラスである。水ガラスはアルカリ酸化物と酸化珪素のモル比の異なる様々なものが得られるが、メチルメルカプタンの吸着性に優れるものが得やすいことから、好ましくはモル比3以上、より好ましくはモル比3.5以上のアルカリ成分が少ないものである。銅塩水溶液と珪酸塩水溶液を混合した液に硫酸を適量配合して生成した固形物を含有する水のpHを5.0~6.5に調整した後にろ過する必要がある。pHが、5.0~6.5の範囲に調整されることで、より少ない銅含有量でメチルメルカプタンの吸着性能が得られる吸着剤が得られる。調整するpHの好ましい範囲は5.3~6.3であり、更に好ましくは5.5~6.0である。pHが5.0より低いと銅がろ過工程でろ液に溶出してしまい吸着剤に含有される銅が少なくなるため本発明の吸着剤が得られない恐れがある。一方、6.5より高いと本発明と同様の組成の吸着剤が得られるが、メチルメルカプタン吸着性能が低下したり、吸着剤を樹脂に配合した場合に樹脂が劣化しやすくなる。
本発明の吸着剤又は吸着剤組成物を使用した吸着性樹脂成型品は、吸着性を必要とする各種の分野で利用可能であり、例えば、空気清浄器、冷蔵庫などの家電製品、ゴミ箱、水切りなどの一般家庭用品、ポータブルトイレ等の各種介護用品、及び日常品等がある。
(1)吸着剤の組成分析
吸着剤を蛍光X線分析装置によりNa2O、K2O、SiO2、CuO及びSO 3 含有量を定量した。また、150℃の2時間における乾燥減分量からH2O含有量を定量し、Na2O、K 2 O、SiO2、CuO、SO 3 及びH2Oのモル比を算出した。
色彩は、ポリオレフィン製透明ラップフィルムで包んだ吸着剤粉末を色彩色差計を用いて測定し、Lab色空間表示で示した。
吸着剤粉末を、レーザー回折式粒度分布測定装置で測定し、平均粒径d50の結果を体積基準で解析した。なお、粒度分布の含有率%は、この解析方法から全粒子中の体積%であるが、測定粉末の密度が一定であるので、質量%と同じ意味を持つ。
乾燥した吸着剤粉末0.01gをビニルアルコール系ポリマーフィルム製の試験袋に入れ、ここに140ppmのメチルメルカプタン含有空気を3L注入し、45℃で1時間保存後の試験袋中の残存ガス濃度をメチルメルカプタン用ガス検知管で測定した。吸着剤未使用の試験袋内の残存ガス濃度との差から吸着剤粉末0.01gでの吸着ガス量とする。メチルメルカプタン吸着容量は、吸着剤粉末1g当たりのメチルメルカプタン吸着容量mL/gで示した。
吸着剤をポリプロピレン樹脂に対し5%ドライブレンド配合し、成型温度220℃と240℃で厚さ2mmの射出成型プレートを作製した。成型温度の異なる樹脂プレートを色差計を用いて測定した、Lab色空間表示におけるa値の差Δaで示した。
縦5cm×横5cm×厚さ2mmのプレート4枚をビニルアルコール系ポリマーフィルム製の試験袋に入れ、ここにメチルメルカプタン8ppmの空気を3L注入し、24時間後の試験袋中の残存ガス濃度をガス検知管で測定した。測定結果からプレート1枚当たりの吸着ガス量で示した。
珪酸ソーダ4号30gとイオン交換水30gを撹拌しながら25℃に調整した溶液に、硫酸銅5水和物0.15gをイオン交換水30gに溶解させた溶液を混合後、その中に78%硫酸を滴下しpHが5.7となるように調整した。その後、25℃に保ったまま1時間撹拌を続けて水色の固形物含有水を得た。この固形物をイオン交換水を用いて洗浄を行った後に150℃で乾燥した。乾燥固形分を粉砕することで得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量を測定した結果を表2に記載した。また、射出成型プレートの樹脂変化による色彩Δa値および成型温度220℃で成型した樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に示した。
硫酸銅5水和物を0.05g使用し、pHを5.5とした以外は実施例1と同様の操作を行い得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量、成型温度の異なる2種類の射出成型プレートのΔa及び成型樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に記載した。
珪酸ソーダ4号に代えて珪酸カリウムを30g使用し、pHを6.0とした以外は実施例1と同様の操作を行い得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量、成型温度の異なる2種類の射出成型プレートのΔa及び成型樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に記載した。
珪酸ソーダ4号に代えて珪酸ソーダ2号を使用し、硫酸銅5水和物3gを使用し、pHを7.0とした以外は実施例1と同様の操作を行い得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量、成型温度の異なる2種類の射出成型プレートのΔa及び成型樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に記載した。
珪酸ソーダ4号に代えて珪酸ソーダ2号を使用し、硫酸銅5水和物0.3gを使用し、pHを5.0とした以外は実施例1と同様の操作を行い得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量、成型温度の異なる2種類の射出成型プレートのΔa及び成型樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に記載した。
珪酸ソーダ4号に代えて珪酸ソーダ1号を使用し、硫酸銅5水和物0.7gを用い、pHを8.0とした以外は実施例1と同様の操作を行い得られた吸着剤粉末の組成分析の結果を表1、色彩、平均粒径、メチルメルカプタン吸着容量、成型温度の異なる2種類の射出成型プレートのΔa及び成型樹脂プレートのメチルメルカプタンに対する消臭率を測定した結果を表2に記載した。
Claims (8)
- 下記式〔1〕で示される固体からなることを特徴とする吸着剤。
xA2O・yCuO・SiO2・zSO 3 ・wH2O 〔1〕
(式〔1〕において、Aはナトリウムおよび/またはカリウムであり、x、y、zおよびwはモル比を示し、xは0.0001~0.003であり、yは0.01~0.07であり、zは0.0001~0.001であり、wは0.005~0.2である。) - xは0.0001~0.002である、請求項1に記載の吸着剤。
- xは0.001~0.002である、請求項1に記載の吸着剤。
- zは0.0005~0.001である請求項1~3のいずれか1項に記載の吸着剤。
- yは0.015~0.06または、0.02~0.04である請求項1~4のいずれか1項に記載の吸着剤。
- メチルメルカプタンの吸着容量が25mL/g以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の吸着剤。
- 珪酸塩として、アルカリ酸化物に対する酸化珪素のモル比3以上の水ガラスを用い、 銅塩水溶液、珪酸塩水溶液および硫酸を配合して生成した固形物を含有する水のpHを5.0~6.5に調整した後、ろ過工程を経て乾燥して得られた請求項1~6のいずれか1項に記載の吸着剤。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載の吸着剤を含有する吸着性加工品。
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