JP7226729B2 - メタンを製造する方法、及び製造システム - Google Patents

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本発明は、メタンを製造する方法、及び、メタンを製造するための製造システムに関するものである。
発電所等の各種プラントから排出される排出ガス中の二酸化炭素を有効に利用する方法として、メタネーション反応によるメタンの製造が検討されている(例えば、特許文献1)。メタネーション反応は、下記反応式のように、二酸化炭素及び水素からメタン及び水を生成する反応である。
CO+4H→CH+2H
生成するメタンガスは、例えば都市ガスの成分として利用することが期待される。メタネーション反応は、一般に、ニッケル等の触媒金属を含む触媒の存在下で進行させることができる。
特開2015-196619号公報
二酸化炭素を含む排出ガスは、酸素も含むことがある。例えば、火力発電所から排出される排ガスは、一般に4~15体積%程度の酸素ガスを含むことが多い。排ガス中に酸素が存在すると、触媒金属が酸素と結合して金属酸化物を生成するため、触媒が失活し易い。そのため、酸素を含む排ガスを原料ガスとするメタネーション反応の場合、排ガスから予め酸素を除去することが必要とされていた。しかし、製造設備の簡略化等の観点から、酸素を除去する工程を省略できることが望ましい。
そこで、本発明の一側面の目的は、二酸化炭素及び酸素を含む原料ガスから、予め酸素を除去することを必要とせずに、効率的にメタンを製造することにある。
本発明の一側面は、二酸化炭素のメタネーション反応によってメタンを製造する方法を提供する。当該方法は、
反応器及び反応器内に設けられた触媒を有する反応装置の反応器に、二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスを導入しながら、前記反応器を外部の熱源から熱を供給することにより所定の温度以上に加熱し、それにより前記反応器中で二酸化炭素をメタンに転化するメタネーション反応を開始させることと、
前記熱源の温度を前記所定の温度よりも低い温度まで低下させ、その状態で前記メタネーション反応を継続させることと、をこの順に含む。
前記触媒は、担体及び該担体に担持された触媒金属を含む。前記担体は、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物を含有する。前記触媒金属は、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する。
本発明の別の一側面は、二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスからメタネーション反応によってメタンを製造するための製造システムを提供する。当該メタン製造システムは、反応器及び該反応器に設けられた触媒を有する反応装置と、前記反応器に導入される前記原料ガスの酸素濃度を調整する酸素濃度制御部と、を備える。
本発明によれば、二酸化炭素及び酸素を含む原料ガスから、予め酸素を除去することを必要とせずに、効率的にメタンを製造することができる。
触媒が収容された反応器を有する反応装置の一実施形態を示す模式図である。 構造体触媒を用いたメタネーション反応によるCO転化率と、加熱の設定温度との関係を示すグラフである。 構造体触媒を用いたメタネーション反応によるCO転化率と、加熱の設定温度との関係を示すグラフである。 反応器に充填された触媒を用いたメタネーション反応によるCO転化率と加熱の設定温度との関係を示すグラフである。 構造体触媒を用いたメタネーション反応による室温でのCO転化率と、反応時間との関係を示すグラフである。
以下、本発明のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(メタンを製造する方法)
メタネーション反応によってメタンを製造する方法の一実施形態は、反応器及び反応器内に設けられた触媒を有する反応装置の反応器に、二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスを導入しながら、反応器を外部の熱源から熱を供給することにより所定の温度以上に加熱し、それにより反応器中で二酸化炭素をメタンに転化するメタネーション反応を開始させることと、熱源の温度を前記所定の温度よりも低い温度まで低下させ、その状態でメタネーション反応を継続させることと、をこの順に含む。
図1は、この方法のために用いられる、反応器としての円筒形の反応管を有する反応装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示す反応装置10は、反応管1と、反応管1内に収容された構造体触媒3と、反応管1の両端にそれぞれ設けられたガス入口5A及びガス出口5Bとを備える。構造体触媒3は、基材及び基材上に形成された触媒層を有する。触媒層は、担体及び担体に担持された触媒金属を含む触媒を含有する。二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスGがガス入口5Aから反応管1に導入される。反応管1内の原料ガス中で、構造体触媒3が有する触媒の作用によってメタネーション反応が進行する。メタネーション反応によって生成したメタン及び水を含む生成物ガスGが、ガス出口5Bから排出される。
触媒を構成する担体は、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物を含有する。金属酸化物が、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる2種以上の金属元素を含んでもよい。これら金属元素を含む金属酸化物によって形成された担体は、酸素原子が欠損した格子欠陥を比較的多く含むことが知られている。担体は、酸化セリウム(CeO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化イットリウム(Y)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化マグネシウム(MgO)、又は、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む複合酸化物であってもよい。複合酸化物が、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素及びマグネシウムから選ばれる2種以上の金属元素を含んでもよい。
触媒を構成する触媒金属は、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム、及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する。触媒金属が、これらから選ばれる2種以上の金属の組み合わせであってもよい。これら金属は、メタネーション反応を促進する触媒として機能する。
触媒における触媒金属の含有量は、特に制限されないが、例えば、担体の質量を基準として0.01~50質量%である。
構造体触媒3の触媒層における担体及び触媒金属の合計の含有量は、例えば50~100質量%、70~100質量%、80~100質量%、又は90~100質量%であってもよい。触媒層の量は、基材の表面積を基準として、0.01~10mg/mmであってもよい。1つの反応管1(又は反応器)内に配置される触媒層の量が、合計で10mg~10gであってもよい。
構造体触媒3を構成する基材は、ガスが通過可能な立体形状を有している。立体形状を有する基材を有する構造体触媒を用いることによって、原料ガス中の酸素濃度が高いときであっても、反応が過度に進行することを防ぎながら、効率的なメタネーション反応を維持し易い。メタネーション反応は発熱反応であるため、反応が過度に進行すると、反応の制御が困難になることがある。本実施形態の場合、基材は一定の軸線に沿って延在する板状体である。この板状体が、軸線を中心として回転する方向にねじれている。このような形状を有する基材を有する構造体触媒3は、反応管1内を流れる原料ガスを効率的に攪拌するスタティックミキサーエレメントとしても機能する。ただし、基材の形状はこれに限定されず、例えば基材がハニカム構造体であってもよい。
基材は、例えば、金属成形体であってもよい。その例としては、アルミニウム成形体及びスチール成形体が挙げられる。
反応管1の長さは、例えば100~10000mmであってもよい。反応管1の内径は、例えば5~200mmであってもよい。反応管1が複数設けられてもよい。
メタネーション反応を開始させるために、反応管1はその外部に設けられた熱源7から熱を供給することにより加熱される。熱源7は、通常、反応管1の周囲に設けられる。熱源7を所定の温度以上に加熱することによって、反応管1内の原料ガス中でメタネーション反応が開始する。ここでの所定の温度は、メタネーション反応が開始する温度の範囲で設定される。この所定の温度は、通常、200℃である。所定の温度が、200~300℃の範囲の任意の温度、例えば210℃、220℃、230℃、240℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃又は300℃であってもよい。メタネーション反応が開始したことは、例えば生成物ガスG中の二酸化炭素濃度を測定することによって、確認できる。熱源の温度の上限は、特に制限されないが、通常、400℃以下、又は350℃以下である。
熱源7は、特に制限されないが、例えば、抵抗加熱等により発熱する電熱ヒーターであってもよいし、所定の温度に加熱された熱媒であってもよい。
メタネーション反応が開始した後、原料ガスGの導入を継続しながら、熱源7の温度を低下させる。反応管1を加熱する温度が低下した状態で、メタネーション反応を継続させる。本発明者の知見によれば、原料ガスGが酸素を含む場合、所定の温度以上の加熱によりメタネーション反応が一旦開始すると、反応管1を加熱する温度(熱源7の温度)を、所定の温度より低い温度に低下させても、効率的なメタネーション反応が維持される。例えば、室温以上に加熱された熱源7による熱の供給を停止しても、長時間、メタネーション反応が維持され得る。反応によって系内に発生する熱によって、メタネーション反応が維持されるためであると考えられる。
メタネーション反応を継続させる間の熱源7の温度は、例えば、150℃以下、130℃以下、100℃以下、80℃以下、60℃以下、40℃以下、又は30℃以下まで、低下させてもよい。熱源7の温度は、通常、10℃以上、又は20℃以上に維持される。または、熱源7の加熱を停止してもよい。熱源7の温度が低いこと、及び熱源7の加熱を停止することは、製造プロセスの省エネルギー化に大きく寄与する。
反応管1に導入される原料ガスGの酸素濃度は、原料ガスGの体積を基準として、例えば1~30体積%であってもよい。酸素濃度がこの範囲内にあると、効率的なメタネーション反応が維持され易い。また、反応の過度な進行も回避し易い。同様の観点から、原料ガスGの酸素濃度は、3体積%以上、5体積%以上、又は10体積%以上であってもよく、20体積%以下であってもよい。特に、図1に例示されるように立体形状を有する構造体触媒を用いる場合、例えば原料ガスの酸素濃度が4体積%以上の高濃度である場合であっても、適度な反応速度が維持され易い傾向がある。
原料ガスGにおける二酸化炭素濃度は、原料ガスGの体積を基準として、例えば、1体積%以上、2体積%以上、又は3体積%以上であってもよく、50体積%以下、20体積%以下、又は10体積%以下であってもよい。原料ガスGにおける水素の濃度は、原料ガスGの体積を基準として、例えば、10体積%以上、20体積%以上、又は30体積%以上であってもよく、80体積%以下、70体積%以下、又は60体積%以下であってもよい。原料ガスGが排ガスに由来する場合、通常、原料ガスGに水素が追加される。原料ガスGは、二酸化炭素、水素及び酸素以外の成分を更に含み得る。例えば、原料ガスGが窒素のような不活性ガスを含んでいてもよいし、一酸化炭素等の任意のその他のガスを含んでいてもよい。原料ガスGが大気から取り込まれた空気であってもよい。
1本の反応管1に導入される原料ガスGの流量は、例えば10~10000mL/分であってもよい。
反応管1から流出した生成物ガスGから、任意の方法によってメタンが回収される。回収されたメタンは、例えば都市ガス等の燃料として利用することができる。
メタンを製造する方法の実施形態は以上説明したものに限定されない。例えば、構造体触媒を用いることに代えて、触媒の粒子を反応器内に充填することにより触媒層を形成してもよい。この場合、反応器に導入される原料ガスにおける酸素濃度が、原料ガスの体積を基準として、5体積%以下であってもよい。複数の反応器を、原料ガスの流路内に並列に又は直列に配置してもよい。
(製造システム)
一実施形態に係る製造システムは、反応器及び反応器内に配置された触媒を有する反応装置と、反応器を加熱するための熱源と、反応器に導入される原料ガスの酸素濃度を調整する酸素濃度調整部と、を備える。酸素濃度調整部は、通常、原料ガスの流路において反応器よりも上流側に設けられる。反応器及び熱源の例は、上述の実施形態のとおりである。この製造システムは、二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスから、メタネーション反応によってメタンを製造するために用いられる。
酸素濃度調整部は、例えば、酸素濃度を測定する酸素濃度測定部と、酸素の供給量を調整する酸素供給部とから構成される。酸素濃度測定部としては、ジルコニア酸素センサー等の通常の装置を利用することができる。酸素供給部は、例えば、酸素の供給量を制御する弁を備えたガス供給装置であってもよい。例えば、酸素濃度測定部によって測定される酸素濃度が低下したときに、酸素供給部から酸素の供給量を増加させることによって、原料ガスの酸素濃度が一定の目標範囲内に維持される。
本実施形態に係る製造システムは、必要によりその他の構成を更に含むことができる。追加の構成の例としては、水素を供給する水素供給部、及び、反応器から流出する生成物ガスからメタンを回収するメタン回収部が挙げられる。水素供給部は、通常、反応器よりも上流側に設けられる。メタン回収部は、通常、反応器よりも下流側に設けられる。
本実施形態に係るメタン製造システムは、例えば、二酸化酸素を含有する排ガスを排出する発電プラント等の各種プラントに接続される。この場合、排ガスが原料ガスとして反応器に導入される。排ガスが酸素を含有する場合であっても、酸素を除去する装置を経ることなく、排ガスが反応器に導入されてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
1.触媒(NiO/CeO)の準備
触媒粉末
触媒用の酸化セリウム(IV)粒子(JRC-CEO-2、第一希元素化学工業株式会社)を蒸留水中に導入し、分散液を減圧下、室温で12時間攪拌した。そこに、硝酸ニッケル(II)の六水和物を蒸留水に溶解して調製した溶液を加え、室温で更に2時間攪拌した。次いで、攪拌しながら80℃に加熱することによって水を蒸発させた。残った固形物を500℃で3時間加熱することによって、酸化セリウム(IV)及びこれに担持されたニッケルを含む触媒粒子(Ni/CeO)の粉末を得た。この触媒粉末におけるNiの含有量は、酸化セリウムの質量を基準として10質量%である。
構造体触媒
得られた触媒粉末をアルコール水又は蒸留水中に分散させて、触媒スラリーを調製した。また、図1に示したような、ねじれた長尺の板状体であるアルミニウム成形品(幅6mm、長さ50mm)を、基材として準備した。この基材を触媒スラリーに浸漬した。触媒スラリーから基材を取り出し、その表面に付着した触媒スラリーを加熱により乾燥させた。浸漬と乾燥を繰り返すことによって、基材の表面に、触媒粒子の凝集体からなる触媒層を形成させた。1本の基材上に形成された触媒層の量は、約75mgであった。同様の構造体触媒を複数作製した。
2.メタネーション反応試験
(検討1)
4本の構造体触媒を、内径7.0mmの円筒形の反応管に順次挿入し、4本の構造体触媒を反応管内で直列に配置した。反応管に、10体積%の二酸化炭素、10体積%の酸素、60体積%の水素、及び残部の窒素からなる混合ガスを原料ガスとして導入した。ここでの各ガスの濃度は、原料ガス全体の体積を基準とする値である。反応管に導入される原料ガスの流量は400mL/分とした。原料ガスを反応管内に流しながら、反応管をその外周面上に装着された熱源としての電熱ヒーターで加熱した。電熱ヒーターの温度を初めに200℃に設定し、そこから350℃まで上昇させた。次いで電熱ヒーターの設定温度を徐々に低下させ、最終的に電熱ヒーターによる加熱を停止した。この昇温及び降温の過程において、反応管から流出した生成物ガスの二酸化炭素濃度を定量し、測定結果からCOからCHへの転化率(CO2 conversion)を求めた。
図2は、COの転化率と加熱の設定温度との関係を示すグラフである。220℃程度以上の加熱で、COの反応が開始した。その後、加熱の設定温度が350℃から低下して200℃を下回り、電熱ヒーターによる加熱を停止して室温(24~25℃)に至るまで、COのメタネーション反応が継続することが確認された。
(検討2)
反応管に導入される混合ガスにおける酸素濃度を0体積%、5体積%、7体積%、9体積%、又は11体積%に変更したこと以外は検討1と同様の手順で、メタネーション反応の試験を行った。水素濃度は40~60体積%の範囲で適宜変更した。
図3は、COの転化率と加熱の設定温度との関係を示すグラフである。図3では、350℃からの降温の過程のみ示されている。図3中のEquilibriumの破線は、酸素濃度が10体積%であるときの反応平衡に相当するCO転化率を示す。図3には検討1で測定された酸素濃度10体積%の結果も示されている。酸素濃度が0体積%、すなわち原料ガスが酸素ガスを含まない場合、加熱の設定温度が200℃まで低下した時点で、COのメタネーション反応が進行しなくなった。これに対して、原料ガスが酸素ガスを含む場合、加熱の設定温度が200℃よりも低くなっても、メタネーション反応が維持された。
(検討3)
300mgの触媒粉末を直径7.0mmの反応管に充填して、反応管の長手方向における幅が1cmの触媒層を形成した。触媒層の両側に石英ウールを詰めて、触媒層の位置を固定した。この触媒粉末が充填された反応管を用いて、検討1及び検討2と同様の手順でメタネーション反応の試験を行った。原料ガスにおいて、二酸化酸素濃度を10体積%とし、酸素濃度を0体積%、3体積%又は5体積%とした。水素濃度は40~54体積%の範囲で適宜変更した。
図4は、COの転化率と加熱の設定温度との関係を示すグラフである。図4では、350℃からの降温の過程のみ示されている。図4中のEquilibriumの破線は、酸素濃度が5体積%であるときの反応平衡に相当するCO転化率を示す。原料ガスが酸素ガスを含まない場合、加熱の設定温度が約200℃以下まで低下した時点で、COのメタネーション反応が進行しなくなった。これに対して、原料ガスが酸素ガスを含む場合、加熱の設定温度が200℃よりも低くなっても、メタネーション反応が維持された。
(検討4)
検討1において電熱ヒーターによる加熱を停止した後、そのまま室温(24~25℃)で反応を継続し、その間のCOの転化率を測定した。図5は、COの転化率と室温での反応時間との関係を示すグラフである。外部の熱源から熱を供給することなく、62時間後もメタネーション反応が安定して継続することが確認された。
1…反応管(反応器)、3…構造体触媒、10…反応装置、G…原料ガス、G…生成物ガス。

Claims (7)

  1. 反応器及び前記反応器内に設けられた触媒を有する反応装置の前記反応器に、二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスを導入しながら、前記反応器を、外部の熱源から熱を供給することにより所定の温度以上に加熱し、それにより前記反応器中で二酸化炭素をメタンに転化するメタネーション反応を開始させることと、
    前記熱源の温度を前記所定の温度よりも低い温度まで低下させ、その状態で前記メタネーション反応を継続させることと、
    をこの順に含み、
    前記所定の温度が、前記メタネーション反応が開始する温度であり、
    前記触媒が、担体及び該担体に担持された触媒金属を含み、
    前記担体が、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属元素を含む金属酸化物を含有し、
    前記触媒金属が、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する、
    メタンを製造する方法。
  2. 前記反応器に導入される前記原料ガスの酸素濃度が、前記原料ガスの体積を基準として1~30体積%である、請求項1に記載の方法。
  3. 基材と、該基材上に設けられ前記触媒を含む触媒層と、を有する構造体触媒が、前記反応器内に設けられ、前記構造体触媒が設けられた前記反応器に前記原料ガスが導入される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記所定の温度が、前記メタネーション反応が開始する温度であって、200~300℃である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記メタネーション反応を開始させた後、前記熱源の温度を150℃以下まで低下させ、その状態で前記メタネーション反応を継続させる、請求項4に記載の方法。
  6. 二酸化炭素、水素及び酸素を含有する原料ガスからメタネーション反応によってメタンを製造するための製造システムであって、
    反応器及び該反応器に設けられた触媒を有する反応装置と、
    前記反応器に導入される前記原料ガスの酸素濃度を調整する酸素濃度調整部と、を備え、
    前記触媒が、担体及び該担体に担持された触媒金属を含み、
    前記担体が、セリウム、ジルコニウム、イットリウム、アルミニウム、ケイ素、及びマグネシウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む金属酸化物を含有し、
    前記触媒金属が、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、カリウム、カルシウム、ナトリウム及びイリジウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含有する、
    製造システム。
  7. 前記酸素濃度調整部が、前記原料ガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定部と、酸素の供給量を調整する酸素供給部とを有する、請求項6に記載の製造システム。
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