JP7226138B2 - 基材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、基材の製造方法に関する。
従来、基材として、カーボン繊維やガラス繊維等の補強繊維材で剛性等が強化されたものが広く用いられている。このような基材の一例として、発泡樹脂からなるコア材の表裏面にシート状の補強繊維材が重ねられた積層体を、熱硬化性樹脂で固めて得られる樹脂成形体が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の樹脂成形体は、RTM(Resin Transfer Molding)法を利用して成形されている。具体的には、成形型のキャビティに上記積層体をセットした状態で、キャビティに未硬化の熱硬化性樹脂を注入し、その樹脂が前記積層体の補強繊維材等に含浸した状態で熱硬化することにより、上記樹脂成形体を得る。
熱硬化性樹脂としては、例えば、主剤と硬化剤からなる二液混合型のエポキシ樹脂が利用される。このような二液混合型の熱硬化性樹脂は、ミキシングヘッドを備えた樹脂供給装置を利用して、主剤と硬化剤とを衝突混合させながら成形型内に供給される。
特開平04-224915号公報
この種の基材(樹脂成形体)の製造工程では、未硬化の樹脂(熱硬化性樹脂)を供給する圧力が高いと積層物のコア材が潰れる虞があるため、比較的低い圧力で樹脂が供給されることが望ましい。しかしながら、樹脂の供給圧力を低く設定した場合、流量が低下し、主剤と硬化剤とが互いに衝突しにくくなることで混ざりにくくなるという問題があった。また、未硬化の樹脂がうまく混合されないと、積層体への含浸と硬化が好適に進行せず、基材の品質の低下につながる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、樹脂を好適に混合可能な成形装置及び基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上型と前記上型に対向する位置に配された下型とからなる成形型と、型閉じ状態において前記上型と前記下型とで囲まれたキャビティに未硬化の樹脂を供給する樹脂供給装置と、を備える成形装置において、前記成形型は、前記上型及び前記下型のうち少なくとも一方に設けられる通路部であって、前記キャビティと前記樹脂供給装置とを繋いで前記未硬化の樹脂を通す通路部を備え、前記通路部は、前記未硬化の樹脂の流れを阻害する阻害部を備えることに特徴を有する。
このような成形装置によると、樹脂供給装置から未硬化の樹脂を供給して通路部に通すときに、阻害部によって未硬化の樹脂の流れを阻害することで、未硬化の樹脂を通路部において撹拌させることができる。これにより、例えば、未硬化の樹脂が主剤と硬化剤とからなるものである場合、これらを通路部の阻害部によって互いに衝突させて混合させることができる。
上記構成において、前記通路部は、前記上型に設けられる上型通路部と、前記下型に設けられ、前記上型通路部と平面視重ならない位置に設けられる下型通路部と、前記上型および前記下型に設けられ、前記上型通路部と前記下型通路部とを繋ぐ上下通路部と、を備え、前記阻害部は、前記上下通路部であることとすることができる。
このような成形装置によると、樹脂供給装置から供給される未硬化の樹脂が上下通路部を通ることで、当該未硬化の樹脂が、上型通路部から下型通路部へ、又は下型通路部から上型通路部へ、流動することができる。そして、未硬化の樹脂の流れが上下方向に変更されるとともに、互いに平面視重ならない位置に設けられる上型通路部と下型通路部とを未硬化の樹脂が流動することで、当該未硬化の樹脂が好適に撹拌される。
前記通路部は、前記上型及び前記下型のうち少なくとも一方において、前記未硬化の樹脂が通る距離が最短となる経路から曲がる形で迂回する迂回部を備え、前記阻害部は、前記迂回部であることとすることができる。
このような成形装置によると、樹脂供給装置から供給される未硬化の樹脂が、最短経路から曲がる形の迂回部を通ることで、迂回部の内側を流れる未硬化の樹脂と、迂回部の外側を流れる未硬化の樹脂とで、例えば流速の差が生じることで、当該未硬化の樹脂を撹拌することができる。
また、本発明は、コア材と、前記コア材の表裏面にそれぞれ重ねられる一対の補強繊維材と、を備える積層体に、前記未硬化の樹脂を含浸させた後、前記未硬化の樹脂を硬化させてなる基材を、上記に記載の成形装置で製造する基材の製造方法であって、前記キャビティに前記積層体が収容される形で前記上型と前記下型とを型閉じする型閉じ工程と、前記積層体が収容された前記キャビティに、前記樹脂供給装置から前記未硬化の樹脂を供給する樹脂供給工程と、を含み、前記樹脂供給工程では、前記通路部に前記未硬化の樹脂を通し、当該未硬化の樹脂の流れを前記阻害部によって阻害することに特徴を有する。
このような基材の製造方法によると、樹脂供給装置から供給された未硬化の樹脂の流れを阻害部によって阻害することで、未硬化の樹脂を通路部において撹拌させることができる。これにより、積層体に未硬化の樹脂をムラなく含浸させ、硬化させることができ、基材の品質を向上させることができる。
本発明によれば、樹脂を好適に混合する成形装置及び基材の製造方法を提供することが可能となる。
実施形態1に係る基材を示す断面図 成形装置の通路部付近を示す断面図 下型に設けられた通路部付近を上方から視た図 成形装置の通路部付近を示す斜視透過図 成形装置に、コア材と一対の補強繊維基材からなる積層体がセットされる工程を示す説明図 型開き状態の成形型を示す説明図 型閉じ状態において、樹脂供給装置から樹脂を供給する様子を示す説明図 キャビティに樹脂が充満した様子を示す説明図 成形型から成形品を取り外す様子を示す説明図 実施形態2に係る下型において、阻害部を示す拡大図 実施形態3に係る下型において、阻害部を示す拡大図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1から図9によって説明する。本実施形態では、RTM法を用いて繊維強化樹脂成形品(基材)10を製造する成形装置20、及び繊維強化樹脂成形品10の製造方法について例示する。尚、成形装置20の断面を示す図2を基準として、左右方向をX方向、紙面手前奥方向をY方向、これらX方向及びY方向がなす平面に直交する方向をZ方向とする。X方向及びY方向は水平方向であり、Z方向は鉛直方向である。これらX方向、Y方向及びZ方向は、各図面で共通している。まず、図1を参照しつつ、成形装置20で製造される繊維強化樹脂成形品10について説明する。
図1は、繊維強化樹脂成形品(以下、基材)10の断面構成を模式的に表した説明図である。基材10は、軽量かつ高剛性であり、車両用シートの一部(例えば、バックボード)として利用される。このような基材10は、コア材11と、コア材11の表裏面にそれぞれ重ねられるシート状の補強繊維材12,12と、補強繊維材12,12に含浸して硬化した熱硬化性樹脂からなる樹脂部13とを備えている。尚、樹脂部13の熱硬化性樹脂としては、RTM法で一般的に用いられるもの(例えば、二液混合型のエポキシ樹脂)を採用することができる。
コア材11は、独立気泡構造を有する合成樹脂製(所謂、発泡樹脂製)の板状体であり、補強繊維材12よりも厚みの大きな板状(層状)をなしている。コア材11の素材としては、アクリル樹脂等の合成樹脂を採用することができる。尚、コア材11は、1つの層(単層)からなるものであるが、これに限られず、複数のコア材11が積層された多層構造からなるものとしてもよい。
補強繊維材12は、シート状に加工されたカーボン繊維(炭素繊維)の織物からなる。他にも、補強繊維材12の素材としては、ガラス繊維を採用することができる。便宜上、コア材11の表側(上側)に重ねられる補強繊維材12を、補強繊維材12Aと表し、コア材11の裏側(下側)に重ねられる補強繊維材12を、補強繊維材12Bと表す場合がある。表側の補強繊維材12Aの厚みは、裏側の補強繊維材12Bの厚みと等しい。コア材11は、一対の補強繊維材12A,12Bによって表裏面側から挟まれたサンドイッチ構造をなしている。
基材10において、樹脂部13を構成する熱硬化性樹脂の硬化物は、補強繊維材12の内部のみならず、補強繊維材12の表面を覆うように形成される。そのため、基材10において、樹脂部13は、コア材11と一対の補強繊維材12A,12Bとからなる積層体の全体を包み込むように形成されている。これにより、積層体の表面に平滑性を付与することができる。また、基材10は、コア材11を含むため、軽量性、及び高剛性を維持しつつ、比較的高価である補強繊維材12(特に、カーボン繊維)の使用量を低減することができる。
続いて、図2から図7を用いて、基材10を成形する成形装置20について説明する。 図2に示すように、成形装置20は、上型30と上型30に対向するように下方に配置された下型40とからなる成形型21と、型閉じ状態において上型30と下型40とで囲まれた空間であるキャビティCに未硬化の樹脂を供給する樹脂供給装置22と、を備える。成形型21は、一方の分割金型である固定金型としての下型40と、他方の分割金型である可動金型としての上型30とからなる。下型40は、基材10の表側を成形する成形面40Aを備える。一方、上型30は、基材10の裏側を成形する成形面30Aを備える。上型30は、油圧シリンダ等の昇降機構(往復機構)により、下型40に対し近接又は離間する形で昇降駆動する。
図6に示すように、上型30が下型40に対して離間した位置に配されている状態を型開き状態と呼ぶ。そして、図2及び図7示すように、上型30が下型40に対して近接した位置に配されて閉じた状態を型閉じ状態と呼ぶ。型閉じ状態の成形型21において、上型30の成形面30Aと、下型40の成形面40Aで囲まれた空間が、成形型21のキャビティCとなる。
図7に示すように、上型30の水平方向における端部には、シール部33が設けられている。型閉じ状態では、シール部33が下型40と上型30との間で挟まれることで、未硬化の樹脂がキャビティCや後述するランナー31,41等からシール部33を超えて外側に漏れてしまうことを防止している。
樹脂供給装置22は、型閉じ状態においてキャビティCに未硬化の熱硬化性樹脂Rを供給する装置である。本実施形態の樹脂供給装置22は、主剤と硬化剤からなる二液混合型のエポキシ樹脂を成形型21内に供給する。樹脂供給装置22は、主剤と硬化剤とを成形型21側へ吐出するミキシングヘッドを備えている。主剤と硬化剤は、それぞれ所定のタンク内に収容されており、各々の圧送ポンプによって所定の配合比でミキシングヘッドに送られる。そして、主剤と硬化剤の混合物からなる未硬化の樹脂Rが、ミキシングヘッドの先端にあるノズル23から吐出される。ノズル23から吐出された樹脂Rは、スプルー32、ランナー(通路部)31,41、及びゲート42を介してキャビティCに供給される。
図2に示すように、成形型21は、キャビティCの右側において、樹脂供給装置22から供給される未硬化の樹脂を成形型21内に注入するための注入孔としてのスプルー32と、スプルー32から流動した樹脂をキャビティC側へ通すランナー(通路部)31,41と、ランナー31,41から流動した樹脂がキャビティCに注入される入り口となるゲート42と、を備える。スプルー32は、上型30を貫通する形で設けられており、ランナー41に連通している。スプルー32の上端には、樹脂供給装置22のノズル23が挿し込まれる形で取り付けられている。ゲート42は、下型40においてX方向に延びる溝状をなし、ランナー31,41に比してY方向における幅が小さく、Z方向における深さが浅くなるように設けられている。
ランナー31,41は、スプルー32とゲート42とを介することで、樹脂供給装置22とキャビティCとを繋いで未硬化の樹脂をキャビティC側へ通す通路とされる。ランナー31,41は、未硬化の樹脂の流れを阻害する阻害部(後述する上下通路部25,26及び迂回部27)を備える。具体的には、図2から図4に示すように、ランナー31,41は、上型30において、下型40に対向する面側に溝状に設けられた上型通路部31と、下型40において、上型30に対向する面側に溝状に設けられた下型通路部41と、上型30及び下型40に設けられ、上型通路部31と下型通路部41と上下方向に繋ぐ上下通路部(阻害部)25,26と、を備える。図2では、上型通路部31のうち、後述する縦第2通路部31Dを点線で示し、図4では、上型通路部31,下型通路部41,及び上下通路部25,26を点線で示している。また、図3は、下型40を上方から視た図(下型40の平面視の図)であり、下型通路部41を実線で示し、型閉じ状態のときに、下型40に上方から重畳する上型通路部31を2点鎖線で示している。下型通路部41は、上型通路部31に対し平面視重ならない位置に設けられている。
下型通路部41は、X方向に延在し、スプルー32の下端(下型40側に開口した開口縁)32Aと上下通路部25とを繋ぐ縦第1通路部41Cと、X方向に延在し、上下通路部26とゲート42とを繋ぐ縦第3通路部41Dとを備える。スプルー32の下端32Aとゲート42とを結ぶ直線上には、縦第1通路部41C、上下通路部25,26、及び縦第3通路部41Dが並んでいる。縦第1通路部41C及び上下通路部25と、縦第3通路部41D及び上下通路部26とは、下型40に設けられた隔部43によって隔てられている。
上型通路部31は、Y方向に延在し、上下通路部25に繋がる横第1通路部31Cと、X方向に延在し、横第1通路部31Cに繋がる縦第2通路部31Dと、Y方向に延在し、縦第2通路部31Dと上下通路部26とを繋ぐ横第2通路部31Eと、を備える。横第1通路部31Cは、縦第1通路部41Cに対し上下通路部25を角として平面視直角に曲がった通路である。横第2通路部31Eは、縦第3通路部41Dに対し上下通路部26を角として平面視直角に曲がった通路である。縦第2通路部31Dは、横第1通路部31Cと横第2通路部31Eとに対し直交する形で繋がった通路である。
ここで、仮に縦第1通路部41Cと縦第3通路部41Dとが互いに近づく方向に延伸して繋がった場合の経路は、スプルー32から流動する未硬化の樹脂がゲート42に向けて通る距離が最短となる経路となる。しかし、本実施形態においては、隔部43によって縦第1通路部41Cと、縦第3通路部41Dとが隔てられており、隔部43を迂回するように、上型通路部31が設けられている。従って、上型通路部31は、スプルー32から流動する未硬化の樹脂がゲート42に向けて通る距離が最短となる経路を、正面視コの字状に迂回する通路としての迂回部27である。
続いて、成形装置20による基材10の製造方法を説明する。基材10の製造方法は、大別すると、キャビティCに積層体Pが収容される形で上型30と下型40とを型閉じする型閉じ工程と、積層体Pが収容されたキャビティCに、樹脂供給装置22から未硬化の樹脂を供給する樹脂供給工程と、を含む。
型閉じ工程では、図5に示すように、型開き状態の成形装置20の下型40に、コア材11とコア材11の表裏面にそれぞれ重ねられる一対の補強繊維材12A,12Bとからなる積層体Pをセットする。積層体Pは、補強繊維材12A,12Bよりも小さいコア材11が、補強繊維材12A,12Bの内側に配された状態で、下型40の成形面40Aに載置される。補強繊維材12A,12Bの周縁同士は、コア材11を介さずに重なった状態となる。積層体Pは、成形面40Aの形状に倣った状態(周縁部が立ち上がった状態)で、下型40の成形面40A上にセットされる。積層体Pは、予め成形面40Aの形に倣った形状に成形(プリフォーム)されている。積層体Pを構成する補強繊維材12A,12Bには、予めバインダ(例えば、粉末状の接着剤)が付与されており、そのバインダの作用で、積層体Pが所定形状に保たれている。尚、成形面40Aに積層体Pを押し付ける等、成形面40Aを利用して積層体Pを賦形してもよい。
図6に示すように、積層体Pを下型40の成形面40A上にセットした後、上型30を下型40に対して近接させる。そして、図7に示すように、上型30を下型40及び積層体Pに当接させて、成形型21を型閉じ状態にする。成形型21が型閉じされると、下型40の成形面40Aと、上型30の成形面30Aとで囲まれた空間がキャビティCとなる。型閉じされた成形型21のキャビティCには、積層体Pが収容されている。
樹脂供給工程では、成形型21を型閉じすることで、キャビティCを気密状態に保つ。その後、樹脂供給装置22が、主剤と硬化剤とからなる未硬化の樹脂Rをノズル23を介してスプルー32に供給する。スプルー32に供給された未硬化の樹脂Rは、ランナー31,41及びゲート42を流通してキャビティCに供給される。
ランナー31,41においては、阻害部25,26,27が、未硬化の樹脂Rの流れの方向を変更することで、その流れを阻害する。具体的には、縦第1通路部41CをX方向に流動する未硬化の樹脂Rが上下通路部25に到達すると、未硬化の樹脂Rの流れがX方向からZ方向に変更され、上型30側に上昇する。上下通路部25にて上昇した未硬化の樹脂Rは、横第1通路部31C(図3及び図4参照)に向かうことで、その流れがZ方向からY方向に変更される。横第1通路部31Cを流動する未硬化の樹脂Rは、縦第2通路部31D及び横第2通路部31Eを通ることで、隔部43を平面視反時計回りに迂回する。
横第2通路部31EをY方向に流動する未硬化の樹脂Rが上下通路部26に到達すると、未硬化の樹脂Rの流れがY方向からZ方向に変更され、下型40側に下降する。上下通路部26にて下降した未硬化の樹脂Rは、縦第3通路部41Dに向かうことで、その流れがZ方向からX方向に変更される。そして、未硬化の樹脂Rは、ゲート42を通り、キャビティCに流動する。
図8に示すように、キャビティCに供給された未硬化の樹脂Rは、補強繊維材12の内部を含浸したり、補強繊維材12の表面に沿って流動したりすることで、キャビティCの隅々まで供給される。キャビティCに未硬化の樹脂Rが充満した後に、キャビティCの圧力を所定時間一定の値で保持する(保圧する)。これにより、未硬化の樹脂R内に存在する小さな気泡が膨張及び集合して、硬化後の樹脂の表面に、視認可能な大きさの気泡が発生してしまうことを抑制することができる。そして、キャビティCを保圧した状態で、成形型21を所定温度に昇温し、キャビティCを加熱することで、未硬化の樹脂Rを硬化させる。未硬化の樹脂Rの硬化後、上型30を上昇させ、型開き状態にする。そして、図9に示すように、成形物を下型40から取り外すことで、基材10を得る。
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、上型30と上型30に対向する位置に配された下型40とからなる成形型21と、型閉じ状態において上型30と下型40とで囲まれたキャビティCに未硬化の樹脂を供給する樹脂供給装置22と、を備える成形装置20において、成形型21は、上型30及び下型40に設けられるランナー31,41であって、キャビティCと樹脂供給装置22とを繋いで未硬化の樹脂を通すランナー31,41を備え、ランナー31,41は、未硬化の樹脂の流れを阻害する阻害部25,26,27を備える成形装置20を示した。
このような成形装置20によると、樹脂供給装置22から未硬化の樹脂を供給してランナー31,41に通すときに、阻害部25,26,27によって未硬化の樹脂の流れを阻害することで、未硬化の樹脂をランナー31,41において撹拌させることができる。これにより、例えば、未硬化の樹脂が主剤と硬化剤とからなるものである場合、これらをランナー31,41の阻害部25,26,27によって互いに衝突させて混合させることができる。
また、ランナー31,41は、上型30に設けられる上型通路部31と、下型40に設けられ、上型通路部31と平面視重ならない位置に設けられる下型通路部41と、上型30および下型40に設けられ、上型通路部31と下型通路部41とを繋ぐ上下通路部25,26と、を備え、上下通路部25,26は、阻害部25,26,27の一つである。
このような成形装置20によると、樹脂供給装置22から供給される未硬化の樹脂が上下通路部25,26を通ることで、当該未硬化の樹脂が、上型通路部31から下型通路部41へ、又は下型通路部41から上型通路部31へ、流動することができる。そして、未硬化の樹脂の流れが上下方向に変更されるとともに、互いに平面視重ならない位置に設けられる上型通路部31と下型通路部41とを未硬化の樹脂が流動することで、当該未硬化の樹脂が好適に撹拌される。
また、ランナー31は、上型30において、未硬化の樹脂が通る距離が最短となる経路から曲がる形で迂回する迂回部27を備え、迂回部27は、阻害部25,26,27の一つである。
このような成形装置20によると、樹脂供給装置22から供給される未硬化の樹脂が、最短経路から曲がる形の迂回部27を通ることで、迂回部27の内側を流れる未硬化の樹脂と、迂回部27の外側を流れる未硬化の樹脂とで、例えば流速の差が生じることで、当該未硬化の樹脂を撹拌することができる。
また、本実施形態では、コア材11と、コア材11の表裏面にそれぞれ重ねられる一対の補強繊維材12と、を備える積層体Pに、未硬化の樹脂を含浸させた後、未硬化の樹脂を硬化させてなる基材10を、上記に記載の成形装置20で製造する基材10の製造方法であって、キャビティCに積層体Pが収容される形で上型30と下型40とを型閉じする型閉じ工程と、積層体Pが収容されたキャビティCに、樹脂供給装置22から未硬化の樹脂を供給する樹脂供給工程と、を含み、樹脂供給工程では、ランナー31,41に未硬化の樹脂を通し、当該未硬化の樹脂の流れを阻害部25,26,27によって阻害することを示した。
このような基材10の製造方法によると、樹脂供給装置22から供給された未硬化の樹脂の流れを阻害部25,26,27によって阻害することで、未硬化の樹脂をランナー31,41において撹拌させることができる。これにより、積層体Pに未硬化の樹脂をムラなく含浸させ、硬化させることができ、基材10の品質を向上させることができる。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図10によって説明する。本実施形態では、実施形態1とは下型通路部の構成が異なる成形装置及び基材の製造方法を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用、製造工程及び効果について重複する説明は省略する。
下型240において、下型通路部241は、X方向に延在し、上下通路部26とゲート42とを繋ぐ縦第3通路部241Dを備える。縦第3通路部241Dは、X方向における中央部において、幅方向(Y方向)内側に突出した2つの凸部(阻害部)244を備える。縦第3通路部241Dは、2つの凸部244を備えることで、樹脂の流路の幅が途中で狭くなるようにくびれた形をなしている。
樹脂供給装置から供給された未硬化の樹脂(図7参照)は、上下通路部26にて下降し、縦第3通路部241Dに向かうことで、その流れがZ方向からX方向に変更される。縦第3通路部241Dにおいては、2つの凸部244によって未硬化の樹脂の流れに渦や乱流等が生じ、未硬化の樹脂が撹拌される。その後、未硬化の樹脂はゲート42を通りキャビティCに流動する。
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図11によって説明する。本実施形態では、上記実施形態とは下型通路部の構成が異なる成形装置及び基材の製造方法を例示する。なお、本実施形態では、上記実施形態と同じ部位には、同一の符号を用い、構造、作用、製造工程及び効果について重複する説明は省略する。
下型340において、下型通路部341は、X方向に延在し、上下通路部26とゲート42とを繋ぐ縦第3通路部341Dを備える。縦第3通路部341Dは、X方向における中央部において、Z方向を高さ方向として立設した三角柱状の柱状部(阻害部)344を備える。柱状部344は、角をなす角部344Fが樹脂供給装置側(図7参照)、角部344Fに対向する辺をなす辺部344GがキャビティC側となるように配されている。縦第3通路部341Dは、柱状部344を備えることで、樹脂の流路の幅が途中で徐々に狭くなる形をなしている。
樹脂供給装置から供給された未硬化の樹脂(図7参照)は、上下通路部26にて下降し、縦第3通路部341Dに向かうことで、その流れがZ方向からX方向に変更される。縦第3通路部341Dにおいては、柱状部344によって未硬化の樹脂の流れに渦や乱流等が生じ、未硬化の樹脂が撹拌される。その後、未硬化の樹脂はゲート42を通りキャビティCに流動する。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態以外にも、通路部の構成は適宜変更可能である。上記実施形態では、通路部は、上型及び下型の両方に設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、通路部は、上型のみに設けられていてもよく、下型のみに設けられていてもよい。
(2)上記実施形態以外にも、迂回部は適宜変更可能である。上記実施形態では、迂回部は、上型に設けられるものとしたが、これに限られない。例えば、迂回部は、下型に設けられていてもよく、上型及び下型の両方に設けられていてもよい。また、迂回部の形は、コの字状に限らず、曲線状、ジグザグ状等であってもよい。
(3)上記実施形態以外にも、阻害部の数は適宜変更可能である。すなわち、上下通路部や迂回部の数は、特に限定されるものではない。例えば、阻害部は、2つの上下通路部のみからなるものや、1つの迂回部のみからなるものであってもよく、4つ以上の上下通路部や2つ以上の迂回部からなるものであってもよい。
(4)上記実施形態で例示した基材は、車両用シートに提供されるものに限られず、種々の乗物の内装材(ドアトリム、サイドボード、天井材等)において提供されるものであってもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物の内装材に上記基材を適用することができる。
10…繊維強化樹脂成形品(基材)、11…コア材、12…補強繊維材、20…成形装置、21…成形型、22…樹脂供給装置、25,26…上下通路部(阻害部)、27…迂回部(阻害部)、30…上型、31,41…ランナー(通路部)、40…下型、43…隔部、C…キャビティ、P…積層体

Claims (3)

  1. コア材と、前記コア材の表裏面にそれぞれ重ねられる一対の補強繊維材と、を備える積層体に、未硬化の樹脂を含浸させた後、前記未硬化の樹脂を硬化させてなる基材を、成形装置で製造する基材の製造方法であって、
    前記成形装置は、
    上型と前記上型に対向する位置に配された下型とからなる成形型と、
    型閉じ状態において前記上型と前記下型とで囲まれたキャビティに未硬化の樹脂を供給する樹脂供給装置と、を備え、
    前記成形型は、前記上型及び前記下型のうち少なくとも一方に設けられる通路部であって、前記キャビティと前記樹脂供給装置とを繋いで前記未硬化の樹脂を通す通路部を備え、
    前記通路部は、前記未硬化の樹脂の流れを阻害する阻害部を備え、
    当該基材の製造方法は、
    前記キャビティに前記積層体が収容される形で前記上型と前記下型とを型閉じする型閉じ工程と、
    前記積層体が収容された前記キャビティに、前記樹脂供給装置から前記未硬化の樹脂を供給する樹脂供給工程と、を含み、
    前記型閉じ工程では、前記積層体において、前記一対の補強繊維材を、前記コア材の表裏面に重ねてなる重畳部と、前記一対の補強繊維材の周縁同士を、前記コア材を介さずに重ねてなり、前記重畳部から立ち上がった周縁部と、を形成するように、当該積層体を前記下型に載置し、
    前記樹脂供給工程では、前記通路部に前記未硬化の樹脂を通し、当該未硬化の樹脂の流れを前記阻害部によって阻害し、前記阻害部を経由した前記未硬化の樹脂を、前記周縁部における前記一対の補強繊維材のうちの一方から流入させるようにして、前記キャビティに前記未硬化の樹脂を供給することを特徴とする基材の製造方法。
  2. 前記通路部は、前記上型に設けられる上型通路部と、前記下型に設けられ、前記上型通路部と平面視重ならない位置に設けられる下型通路部と、前記上型および前記下型に設けられ、前記上型通路部と前記下型通路部とを繋ぐ上下通路部と、を備え、
    前記阻害部は、前記上下通路部であることを特徴とする請求項1に記載の基材の製造方法。
  3. 前記通路部は、前記上型及び前記下型のうち少なくとも一方において、前記未硬化の樹脂が通る距離が最短となる経路から曲がる形で迂回する迂回部を備え、
    前記阻害部は、前記迂回部であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基材の製造方法。
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