JP7226020B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式を用いて記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
従来の画像形成装置は、感光ドラム、帯電手段、露光手段、現像手段等を備えた画像形成ユニットを複数有し、画像形成ユニットで形成されたトナー像を記録媒体に定着させて画像を形成する中間転写方式のカラー電子写真プリンタ等がある。中間転写方式の画像形成装置は、各色の画像形成ユニットで形成されたトナー像が中間転写ベルト上に順に1次転写され、1次転写されたトナー像は記録媒体に2次転写される。このような画像形成装置には記録媒体としてロール紙を使用するものがある。
特開2017-116805号公報
しかしながら、従来の技術においては、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合、外気に曝された部分からロール紙が乾燥することで、ロール紙の乾燥部分は、ロール紙の非乾燥部分と異なる抵抗値になるため、ロール紙の乾燥部分と非乾燥部分とでは、2次転写が良好となる2次転写電圧に差が生じる。
したがって、2次転写電圧をロール紙の非乾燥部分で2次転写が良好になるように調整すると、ロール紙の乾燥部分では2次転写電圧が不足するため、トナー像が十分に転写されない場合(以下、「転写カスレ」という。)があるという問題がある。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することを目的とする。
そのため、本発明は、現像剤像を形成する画像形成部と、前記現像剤像をロール紙上に転写する転写部と、前記転写部へ前記ロール紙を搬送する媒体搬送部と、前記転写部へ印加する電圧を制御する電圧制御部と、を有し、前記電圧制御部は、前記ロール紙の巻き取り方向に応じて、前記ロール紙の1周目である第1の部分に転写する際に前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする。
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することで、良好な印刷物を得ることができる。
第1の実施例におけるプリンタの概略側断面図 第1の実施例におけるプリンタの制御構成を示すブロック図 第1の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件1)の流れを示すフローチャート 第1の実施例における印刷条件1かつ湿度が20%以上の場合のロール紙の用紙長と2次転写電圧の関係を示す説明図 第1の実施例における2次転写電圧変更距離の説明図 放置時間と2次転写電圧の関係を示す説明図 第1の実施例における印刷条件1かつ湿度20%未満の場合のロール紙の用紙長と2次転写電圧の関係を示す説明図 第1の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件2)の流れを示すフローチャート 第1の実施例における印刷条件2かつ湿度が20%以上の場合のロール紙の用紙長と2次転写電圧との関係を示す説明図 第1の実施例におけるL2印刷とL3印刷におけるロール紙の用紙の状態の説明図 第1の実施例における印刷条件2かつ湿度が20%以下の場合の2次転写電圧と用紙長の関係を示す説明図 第2の実施例におけるプリンタの排紙処理の流れを示すフローチャート 第3の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件3)の流れを示すフローチャート 第3の実施例における2次転写電圧変更距離の説明図 第3の実施例における媒体種類と用紙係数αの対応テーブルの説明図 第3の実施例における印刷条件3かつ湿度が20%未満の場合の2次転写電圧と用紙長の関係を示す説明図 第4の実施例における排紙処理の流れを示すフローチャート
以下、図面を参照して本発明による画像形成装置の実施例を説明する。
図1は第1の実施例におけるプリンタの概略側断面図である。
画像形成装置としてのプリンタ1は、電子写真方式により記録媒体であるロール紙P上に現像剤であるトナーを用いて画像を形成することが可能な、例えば、中間転写方式のカラー電子写真プリンタ1である。
図1において、プリンタ1は、ロール紙フィーダ31と、搬送ローラ対35と、中間転写ベルト12と、駆動ローラ13と、従動ローラ14と、2次転写対向ローラ15と、2次転写ローラ16と、画像形成ユニット2(2Y、2M、2C、2K)と、1次転写ローラ11と、定着装置17と、ベルトクリーニングブレード21と、クリーニング対向ローラ22と、廃トナーボックス23と、環境センサ24と、オペレーションパネル26とを有している。
媒体搬送部としてのロール紙フィーダ31は、フィードローラ対32と、カッター33と、フィーダ内搬送ローラ対34と、用紙センサ36と、テンションローラ37と、用紙残量検出センサ38とを有している。
フィードローラ対32は、媒体搬送方向における用紙センサ36の上流側に配置され、回転することによりロール紙Pを繰り出して搬送する。
カッター33は、媒体搬送方向における用紙センサ36の下流側に配置され、フィードローラ対32により搬送されるロール紙Pを所定の長さで切断する。
フィーダ内搬送ローラ対34は、媒体搬送方向におけるカッター33の下流側に配置され、回転することによりロール紙Pを挟持して2次転写ローラ16に搬送する。
用紙センサ36は、フィードローラ対32とカッター33の間に配置され、媒体搬送方向におけるロール紙Pの先端を検出する。
テンションローラ37は、フィードローラ対32の上流に配置され、ロール紙に張力を与えてロール紙の搬送をする。
残量検出部としての用紙残量検出センサ38は、テンションローラ37の上流に配置され、ロール紙の残量を検出する。
また、用紙残量検出センサ38は、ロール紙Pの径方向に配設された光学センサであり、ロール紙Pの外径の位置を検出することで、ロール紙Pの残量を検出する。
なお、本実施例では、用紙残量検出センサ38はロール紙Pの外径の位置を検出することでロール紙Pの残量を検出するとして説明したが、それに限定されず、例えば、オペレーションパネル26で入力された新品のロール紙Pの長さ情報と印刷されたロール紙の長さ情報とに基づいてロール紙Pの残量を算出してもよいし、新品のロール紙Pの長さ情報と新品のロール紙Pを印刷した際のロール紙フィーダ31内のローラーの回転数とに基づいてロール紙Pの残量を算出してもよい。
搬送ローラ対35は、媒体搬送方向における2次転写ローラ16の上流に配置され、ロール紙フィーダ31から搬送されたロール紙を搬送する。
中間転写ベルト12は、駆動ローラ13、従動ローラ14、2次転写対向ローラ15により張架された無端のベルト部材である。
また、中間転写ベルト12は、後述するベルトモータ61(駆動源)により駆動される駆動ローラ13が回転することにより、画像形成ユニット2において形成されたトナー像を中間転写ベルト12上に担持した状態で図1中矢印Aの方向に回転する。
2次転写対向ローラ15は、中間転写ベルト12を張架するとともに、中間転写ベルト12を介して後述する2次転写ローラ16と接触し、2次転写ローラ16との間で2次転写ニップ部を形成する。
転写手段としての2次転写ローラ16は、媒体搬送方向における搬送ローラ対35の下流において、中間転写ベルト12を挟んで2次転写対向ローラ15と対向配置され、搬送ローラ対35により搬送されたロール紙Pを媒体搬送方向に搬送するとともに、中間転写ベルト12に転写されたトナー像をロール紙Pに2次転写するものである。
また、2次転写ローラ16は、所定の2次転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト12に転写されたトナー像をロール紙Pに2次転写する。
画像形成部としての画像形成ユニット2は、イエロー(2Y)、マゼンタ(2M)、シアン(2C)、ブラック(2K)の各色に対応する4つの独立した画像形成ユニットを有している。
画像形成ユニット2は、中間転写体としての中間転写ベルト12に現像剤像としてのトナー像を形成するものであり、中間転写ベルト12に沿って図中矢印Aが示す回転方向(搬送方向)の上流から下流に向かって順次並ぶように配置されている。
なお、本実施例では、画像形成ユニット2を4つの画像形成ユニット2(2Y、2M、2C、2K)として説明するが、3つ以下または5つ以上備えるようにしても良く、また各画像形成ユニットの配列順序は上述したもの限られず、例えば、ホワイトトナー等の特色トナーの画像形成ユニットを備える画像形成装置や、画像形成ユニットの配列を変更可能である画像形成装置等であってもよい。
また、4つの画像形成ユニット2(2Y、2M、2C、2K)で取り扱う現像剤としてのトナーは異なるが、それぞれの構成は同様なので、以下では4つの画像形成ユニットをまとめて画像形成ユニット2として説明する。
画像形成ユニット2は、像担持体としての感光ドラム3と、感光ドラム3の表面を帯電させる帯電手段としての帯電ローラ4と、帯電した感光ドラム3の表面を選択的に露光して静電潜像を形成する露光手段としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド8と、感光ドラム3の表面に形成された静電潜像をトナーで現像する現像手段としての現像ローラ5と、現像ローラ5の表面にトナーを供給しつつ現像ローラ5とのニップ部でトナーを擦り付けてマイナス極性に摩擦帯電させる供給手段としての供給ローラ7と、現像ローラ5の表面に供給されたトナーを均一な薄層にする規制手段としての現像ブレード6と、供給ローラ7にトナーを供給するトナーカートリッジ10と、感光体11の表面に残留したトナーをクリーニングするクリーニングブレード9とを有している。
なお、各トナーカートリッジ10には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナーが各々収容されている。
1次転写ローラ11は、中間転写ベルト12を挟んで画像形成ユニット2(2Y、2M、2C、2K)のそれぞれの感光ドラム3に対向する位置に配設されている。
また、1転写ローラは、後述する1次転写電圧発生部44から印加された所定の1次転写電圧に基づき、画像形成ユニット2で形成されたトナー像を中間転写ベルト12に1次転写させる。
定着装置17は、ヒートローラ19と、所定の圧力でヒートローラ19を加圧する加圧ローラ20とを備え、ロール紙Pに転写されたトナー像を定着させる。ヒートローラ19内部には、トナー像をロール紙Pに定着するための熱源であるハロゲンランプ等のヒータが設けられている。トナー像が定着させられたロール紙Pは排出口27からプリンタ1の外側に排出される。
ベルトクリーニングブレード21は、中間転写ベルト12の回転方向における2次転写ニップ部の下流に配置され、ロール紙に2次転写されず中間転写ベルト12上に残留した2次転写残トナー等のトナーを掻き落せるように、クリーニング対向ローラ22に対向して配設されている。
廃トナーボックス23には、掻き落とされたトナーが収容される。
環境センサ部としての環境センサ24は、プリンタ1周囲の環境情報を取得する周囲環境情報取得手段であり、例えば、温度センサと湿度センサ等を有している。
入力部としてのオペレーションパネル26は、ディスプレイ等の表示手段やハードキーやタッチパネル等の入力手段を備え、ユーザーに対して情報の表示やユーザーの入力操作を受け付ける。
また、オペレーションパネル26は、ユーザーの操作により、媒体情報の設定を受け付ける。
ここで、媒体情報とはロール紙の用紙種類、用紙の材質、用紙厚やロール紙の巻き取り方向(内巻きまたは外巻き)等である
なお、本実施例では、媒体情報の設定をオペレーションパネル26で受け付けたが、上位装置としてのパーソナルコンピュータ上に入力部を設けてそこで受け付けてもよい。
図2は第1の実施例におけるプリンタの制御構成を示すブロック図である。
図2において、プリンタ1は、コマンド/画像処理部53と、機構制御部52と、LEDヘッド制御部54とを有する。
プリンタ1は、CPU(Central Processing Unit)等の制御手段を備え、メモリ等の記憶部に記憶された制御プログラム(ソフトウェア)に基づいてそれぞれの動作を制御する。
コマンド/画像処理部53は、ホストコンピュータ51から印刷指示として印刷データ及びコマンドを受信し、受信した印刷データに基づいてロール紙に形成する画像データを生成するものである。また、コマンド/画像処理部53は、生成した画像データの印刷を開始するため、機構制御部52に印刷開始の指示(例えば、定着装置のウォームアップ開始の指示等)を行う。
電圧制御部としての機構制御部52は、印刷開始の指示を受けると、各モータ、LEDヘッド制御部54および高圧制御部40を制御し、ロール紙に画像を形成するものである。
また、機構制御部52は、プリンタ1のエンジン部の各部の制御を行う機構部であって、ベルトモータ61、ドラムモータ62、ヒータモータ63、フィードモータ64、カッターモータ65、フィーダ内搬送モータ66、搬送モータ67の駆動を制御し、駆動ローラ13、画像形成ユニット2内の各ローラ、ヒートローラ19、フィードローラ対32、カッター33、フィーダ内搬送ローラ対34、搬送ローラ対35を動作させるものである。
LEDヘッド制御部54は、機構制御部52からの指示に基づき、LEDヘッド8の発光を制御するものである。
高圧制御部40は、帯電電圧発生部41と、供給電圧発生部42と、現像電圧発生部43と、1次転写電圧発生部44と、2次転写電圧発生部45と、2次転写電流測定部46とを制御し、1次転写ローラ11に所定の1次転写電圧を印加して中間転写ベルト12にトナー像の1次転写を行い、2次転写ローラ16に所定の2次転写電圧を印加して中間転写ベルト上のトナー像をロール紙Pに2次転写を行うものである。
帯電発生部は、高圧制御部40からの指示に基づき、帯電電圧を制御して、帯電ローラ4に対する帯電電圧の生成と停止を行うものである。
供給電圧発生部42は、高圧制御部40からの指示に基づき、供給電圧を制御して、供給ローラ7に対する供給電圧の印加と停止を行うものである。
現像電圧発生部43は、高圧制御部40からの指示に基づき、現像電圧を制御して、現像ローラ5に対する現像電圧の印加と停止を行うものである。
1次転写電圧発生部44は、高圧制御部40からの指示に基づき、1次転写電圧を制御して、1次転写ローラ11に対する1次転写電圧の印加と停止を行うものである。
2次転写電圧発生部45は、高圧制御部40からの指示に基づき、2次転写電圧を制御して、2次転写ローラ16に対する2次転写電圧の印加と停止、または2次転写電圧を変更するものである。
2次転写電流測定部46は、高圧制御部40からの指示に基づき、2次転写ローラ16に流れる2次転写電流を測定するものである。
メモリ55は、高圧制御部40に接続されており、帯電電圧発生部41、供給電圧発生部42、現像電圧発生部43、1次転写電圧発生部44、2次転写電圧発生部45における各バイアス設定値(帯電電圧値、供給電圧値、現像電圧値、1次転写電圧値、2次転写電圧値の制御値)を記憶している。
環境センサ24は、温度及び湿度を検出し、検出結果を適宜機構制御部52へと伝達する。
タイマ25は、放置時間tを計測し、計測結果を適宜機構制御部52へと伝達する。
ここで、放置時間tとは、ロール紙Pの印刷面が外気に曝されて放置された時間であり、ロール紙Pのロール紙フィーダ31への搭載が完了してから印刷データを受信して印刷を開始するまでの間、または印刷データを受信して印刷を開始した後に次の印刷データを受信して印刷を開始するまで(つまり、ロール紙Pへの印刷終了から次の印刷開始まで)の間のことである。
オペレーションパネル26は、ユーザーによりロール紙Pの媒体情報が設定され、設定された情報は機構制御部52へと伝達される。
まず、プリンタ1が行う基本的な印刷処理を図1および図2を参照しながら説明する。
ロール紙Pは、ユーザーによりビニール等の包装からを取り出された後、ロール紙フィーダ31に搭載される。
ロール紙フィーダ31に搭載されたロール紙Pは、フィードモータ64の駆動により回転するフィードローラ対32によって、用紙センサ36へ搬送される。
用紙センサ36は、搬送されてくるロール紙Pの先端を検出し、その検出結果に基づいて、ロール紙Pの先端は所定の位置で停止させられる。
プリンタ1はホストコンピュータ51から印刷指示を受信する。
コマンド/画像処理部53は、定着装置17のウォームアップ開始を機構制御部52に指示するとともに、印刷指示としての印刷データおよびコマンドを読み込み、印刷データの解析と編集を行い、画像データを生成する。
機構制御部52は、コマンド/画像処理部53から定着装置17のウォームアップ開始の指示を受けると、ヒートモータを制御することでヒートローラ19を駆動させるとともに、ヒータを制御することで定着温度を調整する。定着温度がトナー像を定着可能な所定温度に到達すると、機構制御部52は画像形成動作を開始する。
一方で、所定の位置で停止していたロール紙Pは、フィードローラ対32によってカッター33へ搬送される。
カッター33は、用紙センサ36で検出されたロール紙Pの先端からの距離が所望の長さになるように、ロール紙Pを所定の箇所で切断する。
また、フィーダ内搬送ローラ対34によってプリンタ1内部に搬送されたロール紙Pは、搬送ローラ対35によって、2次転写ローラ16と2次転写対向ローラ15との間で形成される2次転写ニップ部に搬送される。なお、機構制御部52は中間転写ベルト12上に形成されたトナー像とロール紙Pの位置が合うようにタイミングを制御してロール紙Pの搬送を行う。
ここで、画像形成動作について説明する。
機構制御部52は、ドラムモータ62を駆動させることで画像形成ユニット2の感光ドラム33、帯電ローラ4、現像ローラ5および供給ローラ7を回転させるとともに、中間転写ベルト12に1次転写されたトナー像が2次転写ニップ部に到達するまでの間に、2次転写電圧を算出する。
また、機構制御部52は、2次転写電圧を算出するために必要な情報として、環境センサ24が測定する温度及び湿度、タイマ25が測定した放置時間、オペレーションパネル26からユーザーによって設定された媒体情報、用紙残量検出センサ38が検出するロール紙P外径の長さを取得する。
さらに、機構制御部52は、環境センサ24が測定した湿度に基づいて2次転写電圧の算出方法を変更する。
高圧制御部40は、機構制御部52から電圧出力の指示を受けると、メモリ55に格納されている帯電電圧、供給電圧及び現像電圧の各設定値を読み出す。
そして、高圧制御部40は、読み出した各設定値に基づいて、帯電電圧発生部41に指示して帯電ローラ4に帯電電圧を印加させ、供給電圧発生部42に指示して供給ローラ7に供給電圧を印加させ、現像電圧発生部43に指示して現像ローラ5に現像電圧を印加させる。
このようにして、供給ローラ7から現像ローラ5上に供給されたトナーは、現像ブレード6によって薄層化され、帯電させられる。
一方、感光ドラム3は、帯電ローラ4によってその表面を一様に帯電させられる。
LEDヘッド8は、一様に帯電させられた感光ドラム3の表面を画像データに応じて選択的に露光して、感光ドラム3表面の露光部に静電潜像を形成する。
現像ローラ5上のトナーが感光ドラム3に形成された静電潜像に付着することにより、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
感光ドラム3表面のトナー像は、1次転写ローラ11により中間転写ベルト12に1次転写される。
中間転写ベルト12に1次転写されたトナー像は、2次転写ローラ16と2次転写対向ローラ15との間で形成される2次転写ニップ部に搬送される。
2次転写電圧発生部45は、高圧制御部40からの指示に基づき、トナー像が2次転写ニップ部に到達すると、2次転写ローラ16に対して2次転写電圧を印加し、中間転写ベルト12表面に形成されたトナー像をロール紙Pに2次転写させる。トナー像が2次転写されたロール紙P(印刷物)は定着装置17へと搬送される。
なお、2次転写電圧発生部45が出力する2次転写電圧の制御方法については後述する。
定着装置17は、加熱ヒータによって加熱されたヒートローラ19により加熱し、加圧ローラ20によって加圧することにより、ロール紙P上のトナー像を定着させてカラー画像を形成する。カラー画像が形成されたロール紙Pは、排出口27からプリンタ1の外に排出され、印刷処理が終了する。
次に、第1の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件1)を図3の第1の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件1)の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1から図2を参照しながら説明する。
なお、印刷条件1として用紙長L=1000mm、放置時間t=5分とする。
用紙長とは、印刷パターン又は印刷枚数に応じてロール紙フィーダ31によりプリンタ1内部へロール紙Pが搬送される搬送距離である。
具体的には、ロール紙Pの先端からカッター33により切断される箇所までの距離である。
S1:ロール紙Pは、ユーザーによりビニール等の包装から取り出され、ロール紙フィーダ31に搭載(セット)される。
ロール紙フィーダ31に搭載されたロール紙Pは、フィーダローラ対32により搬送された後、ロール紙Pの先端が所定の位置となるように停止させられる。
これでロール紙Pのロール紙フィーダ31への搭載が完了する。
S2:タイマ25は、ロール紙Pのロール紙フィーダ31への搭載が完了すると、放置時間tの計測を開始する。
S3:コマンド/画像処理部53は、ホストコンピュータ51から印刷指示として印刷データ及びコマンドを受信する。
このとき、機構制御部52は、環境センサ24が測定する温度及び湿度、オペレーションパネル26からユーザーによって設定された媒体情報等を取得する。
S4:機構制御部52は、取得した情報のうち環境センサ24が測定した湿度が20%未満であるか否かを判断し、湿度が20%以上である場合はS5へ移行し、湿度が20%未満である場合はS6へ移行する。
S5:機構制御部52は、環境センサ24で測定した湿度が20%以上である場合は以下の方法で2次転写電圧Vtrを算出する。
高圧制御部40は、メモリ55に格納されている2次転写電流測定用電圧Emを読み出す。
ここで、2次転写電流測定用電圧Emとは、2次転写ニップ部にロール紙Pが存在しな
い状態における2次転写ローラ16の2次転写電流を測定する際に、2次転写電圧発生部45から2次転写ローラ16に印加される2次転写電圧である。本実施例においては、2次転写電流測定用電圧をEm=3000Vとする。
高圧制御部40は、読み出した2次転写電流測定用電圧Emを2次転写電圧発生部45から2次転写ローラ16に印加するとともに、2次転写電流測定部46により、2次転写ローラ16に流れる2次転写電流Imを測定し、測定した2次転写電流Imをメモリ55に記憶する。本実施例においては、2次転写電流測定用電圧はIm=10μAとする。
次に、高圧制御部40は、メモリ55に格納されている2次転写電圧制御テーブルから2次転写電圧制御テーブル値a、bを読み出す。
ここで、2次転写電圧制御テーブルは、用紙種類及び用紙厚毎に設定されており、2次転写電圧制御テーブル値a、bの値は、用紙種類及び用紙厚毎に2次転写が良好になるように実験的に求められている。本実施例における2次転写電圧制御テーブル値はa=40、b=2800とする。
2次転写電圧Vtrは、以下の式(1)で算出される。なお、説明の便宜上、a×Im+b=Vtr1と記載する。
Vtr=a×Im+b=Vtr1 ・・・(1)
したがって、印刷条件1かつ湿度が20%以上の場合の2次転写電圧は、Vtr=40×10+2800=3200Vとなる。
図4は第1の実施例における印刷条件1かつ湿度が20%以上の場合のロール紙の用紙長と2次転写電圧の関係を示す説明図である。
図4において、環境センサ24が測定した湿度が20%以上の場合、ロール紙Pの用紙長によらず2次転写電圧Vtrは一定の値となる。これは、湿度が20%以上の場合は、ロール紙Pの先端からロール紙Pの1周目までとロール紙Pの2週目以降での印刷面の乾燥状態による転写性の差が十分小さく、転写カスレが発生しないので、2次転写電圧Vtrの変更が不要なためである。
S6:機構制御部52は、環境センサ24で測定した湿度が20%未満である場合は以下の方法で2次転写電圧Vtrを算出する。
環境センサ24で測定した湿度が20%以上である場合(ステップS5)と異なり、低湿環境下においては用紙長によって2次転写電圧算出方法を変更する必要がある。
ここで、2次転写電圧算出方法を変更する距離(以下、「2次転写電圧変更距離」という。)Lcについて図5を参照しながら説明する。なお、図5は第1の実施例における2次転写電圧変更距離の説明図である。
図5に示すように、ロール紙Pの用紙がコア(芯)に外巻きで巻き取られている場合、1周目の用紙(図中破線で示す第1の領域R1)は、トナー像が2次転写される面(印刷面)が直接外気と触れる最表層となるため吸湿状態が変化しやすい。それに対して、2周目以降の用紙(図中実線で示す第2の領域R2)は、印刷面が表層側の用紙と接触するため吸湿状態が変化しにくい
本実施例では、湿度20%未満である湿度の低い環境を想定しているため、1周目の用紙は2周目以降と比べて印刷面が乾燥した状態となり、1周目と2周目以降では2次転写を良好に行うための2次転写電圧が異なる。
さらに、本実施例におけるプリンタ1は、ロール紙Pをロール紙フィーダ31に搭載すると、ロール紙Pの用紙は印刷準備としてロール紙フィーダ31内の所定の位置までに引き込まれ、印刷指示があるまで待機状態となる。
そのため、ロール紙Pがロール紙フィーダ31に搭載された状態においては、ロール紙Pの先端からロール紙1周までの用紙は印刷面が外気に曝されるため乾燥しやすくなる。
すなわち、第1の領域R1としての印刷面が外気に曝されている領域は、図5中破線に示すように、ロール紙Pの先端からロール紙Pまでの用紙及びロール紙1周目の用紙であり、第2の領域R2としての印刷面が外気に曝されていない領域はロール紙2周目以降である。
したがって、第1の領域R1と第2の領域R2では2次転写電圧の算出方法を変更する必要がある。
なお、図中L12は、第1の領域R1と第2の領域R2の境界を示しており、ロール紙Pの用紙がロール紙フィーダ31内に引き込まれると、境界L12を境目に第2の領域R2に属していた用紙が外気に曝される。
また、印刷開始時において、第1の領域R1の印刷面はロール紙Pと接触しておらず、第2の領域R2の印刷面はロール紙Pと接触している。
本実施例においては、2次転写電圧変更距離をLc=800mm(用紙先端から境界L12までを300mm、ロール紙1周を500mm)とし、印刷するロール紙Pの用紙長が800mm未満の場合と用紙長が800mm以上1000以下の場合とで2次転写電圧算出方法を変更する。なお、用紙先端から境界L12まではロール紙Pの印刷面及び裏面が外気に曝されており、ロール紙1周分は印刷面のみ外気に曝されている。
すなわち、第1の領域R1の距離は2次転写電圧変更距離Lcと同じため、第1の領域R1の場合(印刷する用紙長が800mm未満の場合)と第2の領域R2の場合(印刷する用紙長が800mm以上1000以下)とで2次転写電圧算出方法を変更する。
また、印刷されることでロール紙Pの直径は、印刷が行われて用紙の残量が減るに応じて小さくなる。
したがって、ロール紙Pの直径の変化に応じて2次転写電圧変更距離Lcも変わるため、2次転写電圧変更距離Lcは用紙の残量を考慮する必要がある。
そのため、2次転写電圧変更距離Lcは、メモリ55に記憶されているロール紙Pの先端からロール紙までの距離と、機構制御部52が用紙残量検出センサ38で検出したロール紙Pの直径に基づいて算出するロール紙Pの外周から決定される。例えば、ロール紙Pの直径が159mmであったとするとロール紙Pの円周(1周分の長さ)は500mmであるが、ロール紙Pを印刷に使用して直径が100mmになったとするとロール紙Pの円周(1周分の長さ)は314mmとなる。この場合、2次転写電圧変更距離Lcは、Lc=300+314=614となる。
なお、本実施例では、ロール紙Pの直径を用紙残量検出センサ38によって検出するとして説明するが、それに限定されない。
具体的に、機構制御部52は、オペレーションパネル26に入力された未使用時(あるいはロール紙フィーダ31に搭載された時)のロール紙Pの全長、ロール紙Pの直径及び用紙の厚さ情報を保持しており、さらにロール紙Pがロール紙フィーダ31に搭載されてから印刷に用いられた用紙長を記憶している。
したがって、機構制御部52は、ロール紙Pの全長とロール紙フィーダ31に搭載されてから印刷に用いられた用紙長とに基づいて、ロール紙Pの残量を計算することができ、そのロール紙Pの残量及びロール紙Pの用紙の厚さに基づいて、ロール紙Pの直径を算出することができる。
ここで、図3のステップS6における2次転写電圧の算出に戻る。
ロール紙Pの先端から0mm以上800mm未満である第1の領域R1の場合、2次転写電圧は、外気に曝されたロール紙Pへの2次転写が良好になるように、電圧を補正する補正項Vtr2を設けて以下の式(2)で算出される。
なお、ロール紙Pの先端から800mm以上1000mm以下の第2の領域R2の場合は、外気の影響を受けないため上述した式(1)で2次転写電圧を計算する。
Vtr=Vtr1+ΔV×t/t0 ・・・(2)
式(2)において、ΔVはロール紙Pに対して必要となる2次転写電圧の補正量の最大値を示しており、あらかじめ実験から算出されてメモリ55に記憶されている値である。tはタイマ25が計測するロール紙Pの放置時間(印刷条件1ではt=5)である。t0はΔVの転写電圧補正が必要になるまでにかかる時間であり、あらかじめ実験により算出された値がメモリ55に記憶されている。なお、Vtr1の算出方法については、図3のステップ5と同様であるため説明を省略する。
ここで、式(2)におけるΔVとt0について説明する。
図6は放置時間と2次転写電圧の関係を示す説明図である。図6中の横軸はロール紙Pが外気に曝されてから印刷を行うまでの時間(放置時間)であり、図6中の縦軸は2次転写が良好になる2次転写電圧を示している。
図6において、ロール紙Pとして印刷媒体(紀州製紙色上質紙ブルー)を室温環境(温度25℃、湿度45%)から低湿環境の試験室内(温度23℃、湿度10%)に持ち込み、印刷媒体のロール紙フィーダ31への設置が完了してから印刷を開始するまでの放置時間を変化させて印刷することで、放置時間に対する2次転写が良好になる2次転写電圧を確認した。
なお、2次転写が良好になる2次転写電圧とは、2次転写電圧が不足することでトナー像が十分にロール紙Pに転写されない状態であり、2次転写カスレが発生しない電圧のことである。
図6において、放置時間が短い場合は、2次転写電圧3200Vで2次転写が良好になっているが、3分経過すると2次転写電圧が高くなり、5分以上においては放置時間に関わらずほぼ同じ2次転写電圧3600Vで2次転写良好となる。また、0分と5分における2次転写電圧の差分は400Vである。
そこで、図6の評価結果から、本実施例においては、2次転写電圧の補正量の最大値をΔV=400Vとし、ΔVの転写電圧補正が必要になるまでにかかる時間t0=5分とした。ただし、tが5分以上の場合は、それ以上2次転写電圧を変化させる必要がないためt=5分として計算する。なお、本実施例においては、上述したようにt0及びΔVの値を決定したが、これに限るものではなく、用紙種類等によってロール紙Pの吸湿状態が異なるため、t0及びΔVの値を変化させてもよい。
以上より、印刷条件1(放置時間t=5)かつ湿度が20%未満の時で、用紙長0mm以上800mm未満における2次転写電圧はVtr=3200+400×5/5=3600Vとなる。
図7は第1の実施例における印刷条件1かつ湿度20%未満の場合のロール紙Pの用紙長と2次転写電圧Vtrの関係を示す説明図である。
図7において、用紙長800mm未満は外気に曝され乾燥している第1の領域R1(図7中のLc)なので、2次転写電圧が高め(図7中では3600V)に印加されている。
用紙長800mm以上は乾燥していない第2の領域R2(図7中のL-Lc)なので、2次転写電圧は第1の領域R1に印加された電圧に比べ低い(図7中では3200V)。
S7:ロール紙Pにトナー像が転写され印刷動作が終了する。
ステップS5もしくはステップS6によって2次転写電圧Vtrが決定すると、トナー像がロール紙Pに2次転写される。2次転写されたロール紙Pは、定着装置17によりトナー像が定着されるとプリンタ1から排出される。
タイマ25は、印刷動作が終了すると、放置時間tの計測を再開するためにステップS2に移行する。
以上、ここまでは印刷長がL=1000mmの場合における2次転写電圧算出方法の変更について説明した。
次に、印刷条件2として、用紙長L2=400mm及び放置時間t2=5分で印刷(L2印刷)をした後に、印刷長L3=1000mm及び放置時間t3=3分で印刷(L3印刷)する場合について図9を用いて説明する。
印刷条件2は、第1の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件2)を図8のフローチャートの図中Sで表すステップにしたがって図1から図7を参照しながら説明する。
なお、図8中ステップS11からS14までは、図3中のフローチャートのステップS1からS4と同様であるため、説明は省略する。
S15:機構制御部52は、上述した式(1)により、2次転写電圧Vtrを算出する。
S16:印刷を終了する。
図9は第1の実施例における印刷条件2かつ湿度が20%以上の場合のロール紙Pの用紙長と2次転写電圧との関係を示す説明図である。なお、図9(a)は5分間放置した後の1枚目印刷時(L2印刷)における説明図であり、図9(b)は3分間放置した後の2枚目印刷時(L3印刷)における説明図である。
図9において、環境センサ24が測定した湿度が20%以上である場合は、2次転写電圧を変更する必要がないので、L2印刷及びL3印刷の2次転写電圧は同様である。
S17:機構制御部52は、上述した式(2)により、2次転写電圧Vtrを計算する。
環境センサ24で測定した湿度が20%以上である場合(ステップS5)と異なり、湿度が20%未満の低湿環境下においては用紙長によって2次転写電圧を変更する必要がある。
ここで、L2印刷の用紙長(L2=400mm)は、2次転写電圧変更距離Lc=800mmよりも短いため、第1の領域R1への2次転写が良好になるように電圧を補正する補正項Vtr2を設けた式(2)により2次転写電圧が算出される。
Vtr=Vtr1+ΔV×t/t0 ・・・(2)
すわなち、5分間放置した後のL2印刷での2次転写電圧は、Vtr=3200+400×5/5=3600Vとなる。
S18:ロール紙Pにトナー像が転写されL2印刷の印刷動作が終了する。
2次転写ローラ16に2次転写電圧が印加されてトナー像がロール紙Pに2次転写される。2次転写されたロール紙Pは、定着装置17によりトナー像が定着されるとプリンタ1から排出される。
S19:タイマ25は、印刷動作が終了すると、放置時間tの計測を開始する。
このとき、ステップS12から計測している放置時間tも併せて継続して計測する。これは、L2印刷の印刷動作で印刷に使用されず放置されたロール紙Pの用紙の乾燥について、L3印刷の2次転写電圧算出で考慮する必要があるからである。
S20:コマンド/画像処理部53は、ホストコンピュータ51から印刷指示としてL3印刷に係る印刷データ及びコマンドを受信する。
S21:機構制御部52は、印刷する用紙長に応じて上述した式(1)または式(2)で2次転写電圧Vtrを算出する。
図10は第1の実施例におけるL2印刷とL3印刷におけるロール紙Pの搬送状態の説明図である。図10(a)はL2印刷中の搬送状態を示し、図10(b)はL3印刷開始時の搬送状態を示す。
図10(a)に示すように、L2印刷により図中実線で示すP1のロール紙が印刷されると、P1の搬送方向における距離に応じて、図中破線で示すP2のロール紙がフィードローラ対32に引き込まれる。
すると、図10(b)に示すように、L3印刷開始時において、L2印刷が終了しP1が排出されると、既に外気に曝されているP2に加えて図中太い実線で示すP3のロール紙Pが新たに外気に曝される。
したがって、L3印刷では、ロール紙Pは外気に曝された時間(放置時間)が異なる部分(印刷面が外気に曝されている第1の領域R1としての図10(b)に示す破線P2及び太い実線P3)を2つ有するため、2次転写電圧は、外気に曝されていない部分(印刷面が外気に曝されていない第2の領域R2)をあわせて3つ部分(印刷面が外気に曝されている第1の領域R1としての破線P2及び太い実線P3、印刷面が外気に曝されていない第2の領域R2)に分けて算出される。
具体的に、図10(b)に示す破線P2:用紙長<Lc-L2(用紙長<400mm)の部分の放置時間は、L2印刷の放置時間(t2=5分)とL3印刷の放置時間(t3=3分)を足し合わせた放置時間(t2+t3=8分)となる。
図6の放置時間と2次転写の関係から、放置時間t≧5分の場合、2次転写電圧Vtrは一定となる。
したがって、2次転写電圧はVtr=3600Vとなる。
図10(b)に示す太い実線P3:Lc-L2≦用紙長<Lc(400mm<用紙長≦800mm)の部分の放置時間は、t=3分である。
図6の放置時間と2次転写の関係から、放置時間t=3分の場合、2次転写電圧Vtrは3200Vとなる。
Lc≦用紙長(Lc≦1000)の部分は、外気に曝されたロール紙Pの印刷面がないため、式(1)で算出する。
Vtr=Vtr1 ・・・(1)
このとき、2次転写電圧はVtr=3200Vとなる。
図11は印刷条件2かつ湿度が20%以下の場合の2次転写電圧と用紙長の関係を示す説明図である。図11(a)は1枚目の印刷時(L2(L2=400mm)印刷時)におけるロール紙Pの用紙長と2次転写電圧の関係を示し、図11(b)は2枚目の印刷時(L3(L3=1000mm)印刷時)におけるロール紙Pの用紙長と2次転写電圧の関係を示す。
図11(a)において、L2印刷時の2次転写電圧Vtrは、放置時間t=5分として上述した(2)式より、3600Vと算出される。
また、P1(図10中実線)の部分の放置時間は同じため、L2印刷で印刷される用紙長によらず2次転写電圧Vtrは一定である。
図11(b)において、P2(図10中破線)の部分の2次転写電圧Vtrは、図6の放置時間と2次転写の関係から、放置時間t=8分の場合、3600Vとなる。
P3(図10中太い実線)の部分の2次転写電圧Vtrは、図6の放置時間と2次転写の関係から、放置時間t=3分の場合、3200Vとなる。
また、P2の部分とP3の部分の放置時間が異なるため、L3印刷で印刷される用紙長によって2次転写電圧Vtrは異なる。
すなわち、P2の部分(用紙長<400mm)とP3の部分(400mm<用紙長≦800mm)で2次転写電圧Vtrは異なる。
S22:ロール紙Pにトナー像が転写され印刷動作が終了する。
2次転写されたロール紙Pは、定着装置17によりトナー像が定着されるとプリンタ1から排出される。
また、変形例として、ロール紙Pの乾燥状態をプリンタ1の環境センサ24が測定した湿度情報により判断するのではなく、2次転写ローラ16に流れる2次転写電流から媒体の抵抗値を測定して、測定した抵抗値に基づいてロール紙Pの吸湿状態を判断し、2次転写電圧を変更するようにしても良い。
さらに、水分計センサーをプリンタ1に組み込んで媒体の含水率を直接水分計センサーで測定して、測定した媒体の含水率に基づいてロール紙Pの吸湿状態を判断し、2次転写電圧を変更するようにしても良い。
さらに、本実施例では、低湿環境において2次転写電圧を変更すると説明したが、それに限定されず、高湿環境において2次転写電圧を変更するようにしても良い。
例えば、湿度センサで測定した湿度が70%以上の場合、外気に曝された部分からロール紙Pの印刷面の吸湿率が高くなることで、ロール紙Pの吸湿率が高い印刷面は、ロール紙のその他の部分と異なる抵抗値になるため、ロール紙Pの吸湿率が高い印刷面とその他の部分とでは、2次転写が良好となる2次転写電圧に差が生じてしまう。そのため、湿度センサで測定した湿度が70%以上の場合、外気に曝された部分については放置時間に応じて2次転写電圧の算出方法を変更するようにしてもよい。
このように第1の実施例では、例えば、低湿環境でプリンタ1を使用する場合において、常湿環境から低湿環境に記録媒体であるロール紙を持ち込んだり、ロール紙が包装されているビニール等から開封したり、印刷データを受信して印刷を開始した後に、次の印刷データを受信して印刷を開始するまでの間は、ロール紙は特に最表層の1周目が外気に曝されるため紙の乾燥が始まり、ロール紙の1周目と2周目以降とで乾燥状態の差が発生してしまうが、機構制御部52は湿度センサにより測定された湿度が所定の湿度未満か否かを判断し、所定の湿度未満の場合、用紙長と放置時間とに基づいて、2次転写電圧の算出方法を決定し、2次転写ローラ16に2次転写電圧を印加することにより、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することができる。
以上説明したように、第1の実施例では、用紙長と放置時間とに基づいて、2次転写電圧の算出方法を決定し、2次転写ローラ16に2次転写電圧を印加することにより、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することで、良好な印刷物を得ることができるという効果が得られる。
なお、変形例として、機構制御部52は湿度が所定の湿度未満の場合であっても、所定の放置時間(例えば、3分)を経過していないときは2次転写電圧の算出方法を変更しないようにしてもよい。
第2の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
第1の実施例では、ユーザーが包装紙やビニール等から取り出したロール紙Pをすぐにロール紙フィーダ31に搭載する場合を想定しているが、ロール紙Pが包装等から取り出されて低湿環境に保管されていた場合や、ロール紙フィーダ31に長時間搭載したロール紙Pを取り外し再度搭載し直した場合等、ロール紙Pの低湿環境での放置時間を正しく把握することができない場合がある。
例えば、長時間低湿環境で保管されていたロール紙Pを、ロール紙フィーダ31に搭載してすぐに印刷する場合、第1の実施例の方法によると、ロール紙Pの第1の領域R1に対して乾燥を考慮した上述した式(2)ではなく、放置時間t1が短いため用紙の乾燥を考慮しない式(1)により2次転写電圧が算出され、印刷される。
そうすると、ロール紙Pの第1の領域R1の印刷面では、2次転写電圧が不足するために、転写カスレが発生してしまう。
この問題を解決するために、用紙の乾燥状況が把握できないロール紙Pの第1の領域R1(図5中破線)を、印刷に使用せず排紙してから、印刷動作を行うこととする。
上述した構成の作用について説明する。なお、本実施例においても基本的な動作は第1の実施例と同様であるため、重複する動作についての説明は省略する。
次に、本実施例におけるプリンタの排紙処理を図12の第2の実施例におけるプリンタの排紙処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1から図11を参照しながら説明する。
ステップS31及びS32までの動作については、図3のフローチャートのステップS1及びS3の説明と同様のため省略する。
S33:機構制御部52は、取得した情報のうち環境センサ24が測定した湿度が20%未満であるか否かを判断し、湿度が20%未満である場合はS34へ移行し、湿度が20%以上の場合はS35へ移行して印刷動作を開始する。
なお、本実施例では、湿度20%を閾値として判断するが、それに限定されず、例えば、30%未満及び60%以上の場合とそれ以外の場合のように、高湿の場合を閾値としてよい。また、本実施例においては、湿度のみを閾値としているが、温度を閾値として用いてもよい。
S34:機構制御部52は、ロール紙Pの先端からロール紙Pの1周目までの2次転写電圧変更距離Lc(ロール紙Pの第1の領域R1)をカッター31で切断する。
ロール紙Pは、2次転写電圧変更距離Lc(図5に示すロール紙Pの第1の領域R1の距離)に応じて、ロール紙フィーダ31により繰り出され、フィードローラ対32によりプリンタ1内部のカッター33に搬送されて切断される。
切断されたロール紙Pは、搬送ローラ対35によって、2次転写ニップ部に搬送された後、定着装置17を通過してプリンタ1外に排紙される。
このとき、ロール紙Pは2次転写ニップ部に搬送されるが、画像形成動作は行われない。
S35:ロール紙Pを排紙すると、印刷動作が開始される。
ステップS35以降の印刷動作については、第1の実施例での説明と同様のため省略する。
このようにした第2の実施例では、ロール紙Pの低湿環境での放置時間を正しく把握することができない場合であっても、機構制御部52は湿度センサにより測定された湿度が所定の湿度未満か否かを判断し、所定の湿度未満の場合、ロール紙Pを2次転写電圧変更距離Lcの分排紙することにより、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することができる。
以上説明したように、第2の実施例では、第1の実施例の効果に加えて、ロール紙Pの低湿環境での放置時間を正しく把握することができない場合であっても、低湿度環境下でロール紙に印刷する場合の転写カスレを抑制することができるという効果が得られる。
第3の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
第1の実施例及び第2の実施例では、ロール紙Pは外巻きのため外気に触れる印刷面は、ロール紙Pの先端からロール紙Pの1周目の部分として説明したが、ロール紙Pが内巻きの場合は外気に曝される印刷面が異なる場合がある。
ここで、内巻きとは印刷面を内側にして巻き取られたロール紙Pのことであり、外巻きとは印刷面を外側にして巻き取られたロール紙Pのことである。
外巻きの場合、第1の領域R1は、図14(a)中破線Lcで示すように、ロール紙Pの先端からロール紙1周目まである。
内巻きの場合、第1の領域R1は、図14(b)中破線Ldで示すように、ロール紙Pの先端から境界L12までである。
換言すると、ロール紙Pが内巻きの場合は、外巻きと同様にロールフィーダにセットしても、印刷面が直接外気に曝される部分はロール紙が外巻きの場合より短い(Ld<Lc)。
一方で、ロールPの1周目の部分においては、印刷面が内側に入るため直接外気に触れることはないが、ロール紙Pの用紙種類によっては、程度に差はあるものの印刷面の裏側から外気の温湿度が影響してしまう。
この問題を解決するために、ロール紙Pが内巻きの場合は、2次転写を良好に行うための2次転写電圧の算出方法を変更する必要がある。
上述した構成の作用について説明する。なお、本実施例において、内巻きか外巻きかを媒体情報に基づいて機構制御部52が判断する以外の基本的な動作は第1の実施例と同様であるため、重複する動作についての説明は省略する。
次に、第3の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件3)を図13の第3の実施例における2次転写電圧算出を伴う印刷処理(印刷条件3)の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1から図12を参照しながら説明する。
印刷条件3として、用紙長L=1000mm、放置時間t=5分とする。また、ロール紙Pの媒体種類はラベル紙で、台紙・ラベルともに普通紙で媒体種類によるが100~250μm程度である。
ステップS1からS4及びS8までの動作については、図13のフローチャートにおけるステップS1からS5と同様のため説明を省略する。
S5:機構制御部52は、オペレーションパネル26からユーザーによって設定された媒体情報に基づいて、ロール紙Pが内巻きであるか外巻きであるかを判断する。ロール紙Pが外巻きであると判断した場合はS6へ移行し、内巻きであると判断した場合はS7へ移行する。
S6:機構制御部52は、ロール紙Pが外巻きである場合の2次転写電圧を算出する。
図8のフローチャートのステップS17と同様であるため説明は省略する。
S7:機構制御部52は、ロール紙Pが内巻きである場合の2次転写電圧を算出する。
ここで、ロール紙が内巻きである場合の2次転写電圧算出方法を変更する2つの距離(以下、2次転写電圧変更距離Ld,Leという。)について説明する。
図14は第3の実施例における2次転写電圧変更距離の説明図である。なお、図14(a)はロール紙Pが外巻き場合の2次転写電圧変更距離の説明図であり、図14(b)はロール紙Pが内巻き場合の2次転写電圧変更距離の説明図である。
図14(a)において、ロール紙Pが外巻きの場合、第1の領域R1として印刷面が外気に曝されている領域は、ロール紙Pの先端からロール紙までの用紙及びロール紙Pの1周目の用紙(図中破線で示すLc)であり、第2の領域R2として印刷面が外気に曝されていない領域は、ロール紙Pの2周目以降の用紙である。
図14(b)において、ロール紙Pが内巻きの場合、第1の領域R1として印刷面が外気に曝されている領域は、ロール紙Pの先端からロール紙Pまで(境界L12)の用紙(図中破線で示すLd)であり、第2の領域R2として印刷面が外気に曝されていない領域は、ロール紙Pの1周目及び1周目以降の用紙である。
ここで、第2の領域R2は、第1の部分R2´としてのロール紙Pの1周目の用紙と第2の部分R2´´としての2周目以降の用紙とを有している。
また、ロール紙Pが内巻きの場合は、第2の領域R2は印刷面が内側に入るため直接外気に触れることはないが、ロール紙Pの用紙種類によっては、ロール紙Pの1周目(第2の領域の第1の部分R2´)は外気の湿度が影響してしまう。
したがって、2次転写を良好に行うため2次転写電圧変更距離Leを設けている。なお、図中実線で示す2次転写電圧変更距離Leは第2の領域の第1の部分R2´の距離と同様である。
本実施例においては、図14(b)内の破線で示す部分を2次転写電圧変更距離Ld=300mm(ロール紙P先端からロール紙まで)とし、実線で示す部分を2次転写電圧変更距離Le=500mm(ロール紙1周分)として、ロール紙Pの用紙長さ300mm未満と用紙長さ300mm以上800mm未満と用紙長さ800mm以上とで2次転写電圧算出方法を切り替える。つまり、図14(b)に示したL12の位置で2次転写電圧算出方法を切り替える。
具体的に、印刷する用紙長<Ldの部分(用紙長<300mm)は、上述した式(2)で算出する。
Vtr=Vtr1+ΔV×t1/t0 ・・・(2)
このとき、2次転写電圧はVtr=3200+400×5/5=3600Vとなる。
Ld≦用紙長<Le(300≦用紙長<800)の部分は、式(3)で算出する。
Vtr=Vtr1+α×ΔV×t1/t0 ・・・(3)
ここで、ロール紙Pの用紙種類や用紙厚に応じて変化する用紙係数αについて図15を参照しながら説明する。なお、図15は第3の実施例における媒体種類と用紙係数αの対応テーブルの説明図であり、あらかじめメモリ55に格納されている。
図15において、用紙係数αは、オペレーションパネル26からユーザーによって設定された用紙の材質と用紙厚の情報に基づいて対応テーブルを参照し、その値が決定される。
用紙係数αは、印刷面の裏側から受ける湿度の影響の度合いを0~1の間の数値にしたものであり、実験的に求められるものである。例えば、普通紙の場合は裏側から湿度の影響を受けやすいため係数の値は大きくなり、フィルムなどの場合は裏側から湿度の影響をほとんど受けないため係数の値は小さくなる。
図15において、ロール紙Pの主な種類としては台紙とラベルからなるラベル紙があり、そのほかの普通紙等のラベルがない種類の媒体は台紙のみとする。また、印刷面の裏側から受ける湿度の影響は厚さによっても変化する。
すなわち、用紙厚が厚ければ、係数の値は大きくなり、薄ければ小さくなる。図15においては厚さを薄めと厚めの2つに大きく分類しており、薄めは200μm未満とし、厚めは200μm以上とする。台紙とラベルはそれぞれ用紙種類と厚さを設定でき、用紙種類に応じてα1・α3が、厚さに応じてα2・α4が0~1の間で決まる。
本実施例においては、用紙係数αの一例として図15を示したが、これに限定されず、他の用紙種類、例えば光沢紙やマット紙等の種類に応じた用紙係数αをあらかじめ用意してもよいし、用紙厚に関しても分類をもっと細かく設定してもよい。
本実施例では、台紙およびラベルは普通紙であり、かつ薄目とする。したがって、図6より用紙係数αは0.72になる。
このとき、2次転写電圧はVtr=3200+0.72×400×5/5=3488Vとなる。
図16は第3の実施例における印刷条件3かつ湿度が20%未満の場合の2次転写電圧と用紙長の関係を示す説明図である。
図16において、第1の領域R1(Lc)と第2の領域R2(Ld+Le)では印刷面が外気に曝されているか否かによって2次転写電圧が異なり、第2の領域の第1の部分R2´(Ld)と第2の部分R2´´では印刷面の裏側から湿度の影響を受けるか否かによって2次転写電圧が異なる。
このようにした第3の実施例では、例えば、ロール紙を外巻き(印刷面が外側になる)または内巻き(印刷面が内側になる)にセットした場合、ロール紙が外巻きか内巻きかによって、乾燥部分と非乾燥部分の切り替わるタイミングが異なるが、機構制御部52はロール紙Pの媒体情報(例えば、内巻きや外巻きの媒体種類、媒体の厚さ等の情報)に基づいて、印刷面の裏側から受ける温湿度の影響を考慮して2次転写電圧の算出方法を決定し、2次転写ニップ部に2次転写電圧を印加することにより、ロール紙の乾燥が進行している場合であっても、転写カスレを防ぐことができる
以上説明したように、第3の実施例では、第1の実施例及び第2の実施例の効果に加え、機構制御部52はロール紙Pの媒体情報(例えば、内巻きや外巻きの媒体種類、媒体の厚さ等の情報)に基づいて、印刷面の裏側から受ける温湿度の影響を考慮して2次転写電圧の算出方法を決定し、2次転写ニップ部に2次転写電圧を印加することにより、ロール紙の乾燥が進行している場合であっても、転写カスレを防ぐことができるという効果が得られる。
第4の実施例の構成は、第1の実施例の構成と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
第3の実施例では、ユーザーが包装紙やビニール等から取り出したロール紙Pをすぐにロール紙フィーダ31に搭載する場合を想定しているが、ロール紙Pが包装等から取り出されて低湿環境に保管されていた場合や、一度ロール紙Pを長時間ロール紙フィーダ31に搭載してから再度搭載し直した場合等、ロール紙Pの放置環境及び放置時間を正しく把握することができない場合がある。さらに、同じ放置時間であっても用紙種類によって湿度の影響を受ける度合いが異なる。
そのため、ロール紙Pの用紙種類によっては、2次転写電圧が不足するために、転写カスレが発生してしまう。
この問題を解決するために、用紙係数が所定の値より小さい場合は、印刷に使用せず排紙してから、印刷動作を行うこととする。
上述した構成の作用について説明する。なお、本実施例においても基本的な動作は第1の実施例と同様であるため、重複する動作についての説明は省略する。
次に、本実施例におけるプリンタ1の排紙処理を図17の第4の実施例における排紙処理の流れを示すフローチャートの図中Sで表すステップに従って図1から図16を参照しながら説明する。
ステップS31からS33までの印刷動作については、図3のフローチャートのステップS1、S3及びS4と同様のため説明を省略する。
S34:機構制御部52は、オペレーションパネル26からユーザーによって設定されたロール紙情報に基づいて、ロール紙Pが内巻きであるか外巻きであるか判断する。ロール紙Pが内巻きであると判断した場合はS35へ移行し、内巻きであると判断した場合はS38へ移行する。
S35:機構制御部52は、ユーザーにより設定されたロール紙Pの媒体情報に応じた用紙係数αを図6に示す媒体種類と用紙係数αの対応表から求めて、用紙係数αが0.25より小さいか否かを判断する。
これは印刷面が内側に入るため直接外気に触れない場合であっても、用紙係数が大きいほど温湿度が影響してしまうため、用紙係数αによって排紙するロール紙Pの距離を設定するためである。
S36:機構制御部52は、用紙係数αが0.25より小さいため、印刷面が外気に曝されている第1の領域R1(ロール紙先端からロール紙Pの1周目)の距離Ldを排紙距離に設定する。
S37:機構制御部52は、用紙係数αが0.25より大きいため、第1の領域R1に加えて、第2の領域R2(ロール紙1周分)の距離Leも印刷面の裏側から湿度の影響を受けるとして、距離Ld+Leを排紙距離に設定する。
S38:機構制御部52は、ロール紙Pは外巻きのため距離Lcを排紙距離として設定する。
S39:プリンタ1は、ロール紙Pの先端から所定の排紙距離でロール紙Pを切断する。
ロール紙Pは、所定の排紙距離に応じて、ロール紙フィーダ31により繰り出され、フィードローラ対32によりプリンタ1内部のカッター33に搬送されて切断される。
切断されたロール紙Pは、搬送ローラ対35によって、2次転写ニップ部に搬送された後、定着装置17を通過してプリンタ1外に排紙される。
このとき、ロール紙Pは2次転写ニップ部に搬送されるが、画像形成動作は行われない。
S40:ロール紙Pを排紙すると、印刷動作が開始される。
ステップS40以降の印刷動作については、第1の実施例での説明と同様のため省略する。
上述した動作により、ロール紙Pの低湿環境での放置状態を正しく把握することができない場合であっても、機構制御部52は、ユーザーにより設定されたロール紙Pの媒体情報に対応する用紙係数αに基づいて排紙距離を設定することにより、ロール紙Pの放置環境及び放置時間を正しく把握することができない場合でも転写カスレが発生しない良好な印刷物が得られる。
さらに、ロール紙を排紙する距離を適切に変えることができるため、無駄な損紙を削減することができる。
以上説明したように、第4の実施例では、第1の実施例から第3の実施例の効果に加え、ロール紙Pの低湿環境での放置状態を正しく把握することができない場合であっても、機構制御部52は、ロール紙Pの媒体情報に対応する用紙係数αに基づいて排紙距離を設定することにより、ロール紙Pの放置環境及び放置時間を正しく把握することができない場合でも転写カスレが発生しない良好な印刷物が得られるという効果が得られる。
さらに、ロール紙を排紙する距離を適切に変えることができるため、無駄な損紙を削減することができるという効果が得られる。
なお、第1の実施例から第4の実施例では、プリンタ1として説明したが、MFPやファクシミリ、複写機にも利用できる。
また、第1の実施例から第4の実施例では、中間転写方式のプリンタ1で説明したが、直接転写方式のプリンタ1でも利用できる。
また、第1の実施例から第4の実施例では、印刷条件の一例を用いて説明したが、この印刷条件に限定されるものではなく、他の印刷条件にも本発明の趣旨に基づいて2次転写電圧Vtr2の算出方法を適用することが可能である。
また、第1の実施例および第3の実施例における2次転写電圧の算出方法は、上述した方法に限定されるものではない。例えば、媒体の幅を考慮した2次転写電圧計算方法を用いてもよい。
なお、本発明は上述した各実施例の携帯に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
プリンタ 1
画像形成ユニット 2(2Y、2M、2C、2K)
感光ドラム 3
帯電ローラ 4
現像ローラ 5
現像ブレード 6
供給ローラ 7
LEDヘッド 8(8Y、8M、8C、8K)
クリーニングブレード 9
トナーカートリッジ 10
1次転写ローラ 11
中間転写ベルト 12
駆動ローラ 13
従動ローラ 14
2次転写対向ローラ 15
2次転写ローラ 16
定着装置 17
ヒートローラ 19
加圧ローラ 20
ベルトクリーニングブレード 21
クリーニング対向ローラ 22
廃トナーボックス 23
環境センサ 24
タイマ 25
オペレーションパネル 26
排出口 27
中間転写ユニット 28
ロール紙フィーダ 31
フィードローラ対 32
カッター 33
フィーダ内搬送ローラ対 34
搬送ローラ対 35
用紙センサ 36
テンションローラ 37
用紙残量検出センサ 38
高圧制御部 40
帯電電圧発生部 41
供給電圧発生部 42
現像電圧発生部 43
1次転写電圧発生部 44
2次転写電圧発生部 45
2次転写電流測定部 46
ホストコンピュータ 51
機構制御部 52
コマンド/画像処理部 53
LEDヘッド制御部 54
メモリ 55
ベルトモータ 61
ドラムモータ 62
ヒータモータ 63
フィードモータ 64
カッターモータ 65
フィーダ内搬送モータ 66
搬送モータ 67

Claims (12)

  1. 現像剤像を形成する画像形成部と、
    前記現像剤像をロール紙上に転写する転写部と、
    前記転写部へ前記ロール紙を搬送する媒体搬送部と、
    前記転写部へ印加する電圧を制御する電圧制御部と、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記ロール紙の巻き取り方向に応じて、前記ロール紙の1周目である第1の部分に転写する際に前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    印刷開始前において前記ロール紙は、
    前記現像剤像が形成される印刷面が外気に曝されている第1の領域と、
    前記現像剤像が形成される印刷面が外気に曝されていない第2の領域と、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記第1の領域と前記第2の領域で前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記第1の領域は、前記現像剤像が形成される前の印刷面が前記ロール紙と非接触であり、
    前記第2の領域は、前記現像剤が形成される前の印刷面が前記ロール紙と接触していることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2に記載の画像形成装置において、
    前記第2の領域は、
    記第1の部分と、
    前記ロール紙の2周目以降の部分である第2の部分と
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記第1の領域、前記第2の領域の第1の部分および第2の部分で前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    湿度情報を含む環境情報を検知する環境センサ部と、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記環境センサ部が所定の環境情報を検知したときに、前記第1の領域と前記第2の領域で前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記ロール紙の印刷終了から次の印刷開始までを計測するタイマと、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記タイマが計測する放置時間が所定時間を経過する場合、前記第1の領域と前記第2の領域で前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記ロール紙の残量を検出する残量検出部と、
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記残量検出部の検出結果に基づいて、前記媒体搬送部により搬送されている前記ロール紙が前記第1の領域であるか前記第2の領域であるかを判断することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記ロール紙の媒体情報を入力する入力部と、
    を有し、
    前記媒体情報は、前記ロール紙の媒体種類を含み、
    前記電圧制御部は、前記媒体種類に応じて、前記第1の部分に転写する際に前記転写部に印加する電圧の絶対値を変更することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8に記載の画像形成装置において、
    前記媒体情報は、前記ロール紙の巻き取り方向を含ことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項9に記載の画像形成装置において、
    前記媒体種類は、前記ロール紙の材質または用紙厚であることを特徴とする画像形成装置。
  11. 現像剤像を形成する画像形成部と、
    前記現像剤像をロール紙上に転写する転写部と、
    前記転写部へ前記ロール紙を搬送する媒体搬送部と、
    前記転写部へ印加する電圧を制御する電圧制御部と、
    を有し、
    印刷開始前において前記ロール紙は、
    前記現像剤像が形成される印刷面が外気に曝されている第1の領域と、
    前記現像剤像が形成される印刷面が外気に曝されていない第2の領域と、
    を有し、
    前記第2の領域は、
    前記ロール紙の1周目の部分である第1の部分と、
    前記ロール紙の2周目以降の部分である第2の部分と
    を有し、
    前記電圧制御部は、前記ロール紙の巻き取り方向が内側の場合に、前記第1の領域、前記第2の領域の第1の部分および第2の部分で前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    前記巻き取り方向が内側である場合に、前記巻き取り方向が外側である場合に対して、前記第1の部分に転写する際に前記転写部に印加する電圧を変更することを特徴とする画像形成装置。
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